ウチは、もうすぐそこ。 「え、でも・・・」 「食ってけ、バジル。病院に戻っても一人で晩飯だろ」 「それじゃあ、やっぱりウチで食べていきなよ!」 「でも、ご迷惑じゃ・・・」 「一人増えても二人増えてもおなじだ」 「そーだよ!」 「ありがとうございます。それじゃ、お邪魔します」 沢田家で夕食を
「あ、はい。お邪魔します」 「ば、バジル君、くつくつ!」 「ああ!め、面目ない!」 「いいよいいよ。母さん、メシできてるー?」 「できてなかったら手伝えよ、ツナ」 「な、なんでだよ!?」 「拙者がお手伝いしますから、沢田殿!」 「ええ!?」 「拙者、洗濯の次に料理が好きなんです!」 「そ、そうなんだ・・・」 きっと父さんの面倒とか見てたせいに違いないと思った。 突然の声にびっくりしたけれど、振り返ればバジル君もびっくりしていた。 ・・・当然だよね。 しかもオレと目が合った途端オロオロしだした。 「バジル君、大丈夫だから。あの、心配しないで。ちょっとあの人のツボに入っただけと言うかっていうかなんでいるの姉ちゃん!?」 台所から出てきたのは紛れもなく姉ちゃん、隣に住む幼馴染の。 「・・・・」 「あ、あの、はじめまして拙者バジルと申します」 「殿!?」 「沢田殿に姉上がいたとは露知らず・・・!ご挨拶が遅れました!」 「バジル君、いいよそんなことしなくて・・・それにこの人は本当の姉ちゃんじゃなくて・・・」 「まだ殿言った!しかもつゆしらず!?」 バジル君を夕飯に誘うんじゃなかったかなあ・・・。 「なんでいるのさ、姉ちゃん・・・」 「なんだ!姉ちゃんがいたらなんか困ることがあんのか!?」 「だから包丁向けるなって!」 もう、台所に立つと妙にテンション高いんだから! 「夕飯はできてんのか?」 「んーあとちょっと。座ってまってる?」 「ああ」 「あれ、母さんは?」 「奈々おばさんはチビ達と卵を買いに行ったよ」 あ、そういえばチビ達もいないや。 「たまご?」 「ランボが遊んで全部割っちゃってね〜」 置かれたボウルには山盛りにされたチキンライスがあった。 「まったくあのアホ牛は」 「ま、そんなわけでもうちょっとかかるけど、ホラそんなとこに突っ立ってないで座った座った」 「お腹空いてるならさ、先にスープだけでも飲む?」 「あ、あの、拙者手伝いを・・・」 「ウチには客に食わす飯はっても、立たせる台所はない!!」 バジル君は、これまたびっくり顔で固まる。 「ていうか、姉ちゃんのウチは隣だろ!」 「もー、ツナ細かい。友達の友達は皆友達よ?というわけでですー、よろしくー」 ・・・たくもー。 あーあ、もう完全に姉ちゃんのペースだ・・・・。 「うん、さっき聞いた。ところでバジル君はどこの鬼太郎?」 「え?」 「姉ちゃん!!バジル君に失礼だろ!!!」 夕飯を済ませて病院に戻るバジル君を見送りに、家の前まで出るオレ。 「いいえ、沢田殿の姉上は凛々しくていらっしゃる!料理もお上手で、さすが沢田殿の姉上ですね!」 「いやあのさ、あのヒト姉じゃないんだよ。姉ちゃんって呼んでるけど隣に住んでる幼馴染で・・・」 ・・・まあ、幼馴染が褒められて嬉しくないわけじゃないけどね。 「ご、ごめんね!黙ってたわけじゃないんだけど」 「いえ!・・・・・・・・・・・ただ、ライバルが一人増えたな、って」 「なんでもないです、おやすみなさい!」 くるりと身を翻してバジル君は駆けていった。 |
積極的だと萌ゆ。
(06/10/15)
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