OKならスクロールを。 昼休み中の教室には、弁当や買って来たパンなどを食べる生徒達のグループがあちこちにある。 そんななごやかな風景が、のクラスにもあった。 転入当時はスクアーロに目をつけられ、クラスメートから敬遠されがちだっただが、最近は徐々に警戒を解かれ、話しかけられることも増えた。 お昼を一緒に食べるクラスメートもできた、ある日の事。 ナニ?と尋ねると、指差された先には、違うクラスの男子生徒がドアの外に立っていた。 名前は知らないが、顔は見覚えがある。 ・・・半ば押し付けられたようなものだが。 (学園祭の申請書類のことかな?急いで書いたから不備があったかも・・・) 「なにか用?」 「・・・、いいけど?」 教室を出る瞬間、背後の教室がざわめいたようだが気にせずにドアを閉めた。 男子生徒は奥まで歩くと立ち止まり、に振り向いた。 男子生徒はそこまで言って、ニッコリと笑った。 はというと、よどみなく発せられたその台詞に苦笑した。 (なんかこう、芝居がかってるようなのは気のせいかな・・・) そしてに背を向けて歩き出す。 「あ〜、ちょっとまって!」 足を止めて振り返った男子生徒はどこか自信に満ちたまなざしで、一瞬言葉に詰まる。 「・・・ええと、あの、ごめん。あたし・・・その、付き合えない。ゴメン」 たどたどしく断って、頭を下げる。 「あ、うん・・・」 「じゃあ、好きなヤツでもいるのか?」 「・・・、えと・・・」 次の瞬間、背後で誰かがこけた。 「イテテ、自分の足踏んじまった・・・」 そんな器用なことをするのは、の知る限りただ一人。 「え!?あ、いや!その、違うぞ!」 「・・・・なにが?」 「だから!べ、別にを追いかけてきたとかじゃなくて・・・ッ、そう、アリが!アリがオレの大事な昼飯を奪って・・・!」 「昼飯奪うアリってどれだけ巨大なんだよって突っ込まれるのと、所詮アリが奪うものなんて食べこぼしたものぐらいなんだからケチケチすんなって突っ込まれるのと、」 言いながら、はディーノに近づく。 「そんな嘘はアリにも通用しないって突っ込まれるのとどれがいい?」 「・・・・ッ」 「・・・・そんな落ち目ファミリーの跡継ぎとつるむより、オレと付き合った方がいいんじゃないか?」 「なにを!」 「あ〜、ストップストップ。絡む、絡むからソレ」 「誰と付き合うかは自分で決めるから。それじゃ」 は男子生徒に背を向け、ディーノの腕を取って講堂を出た。 中央の小さな噴水の前で、ディーノは立ち止まる。 「離せよ、」 「言われたのは本当のことでしょ。そんなに怒ることないじゃない」 「そうじゃなくて、その」 「なに?」 「・・・・・・」 「ホームパーティーに誘われただけよ」 「じゃあ、その前は?」 「日本人が珍しいだけだって」 「・・・、誰とも付き合わないのか?」 「そんな相手いないし」 「断ってるだけじゃん。理想高いだけじゃん」 「高くないって」 「じゃあ、なんで誰とも付き合わないんだよ?」 「いいじゃんそんなのべつに〜。ほら、早く教室戻ろうよ?」 だがディーノは動かない。 なのに、同盟でもお荷物と言われている弱小ファミリーの跡継ぎの自分とつるんでいる。 押し付けられた学園祭の実行委員に付き合ってくれたり、リボーンにしごかれた後、こっそり差し入れを持ってきてくれたり。 (リボーンの助手だから当然かもしれないけど・・・) 自惚れは日に日に育つ。 「・・・好きなヤツがいるから断るのか?」 「そう言うのが一番無難だと思うんだけどね・・・」 「ぶ、無難って・・・」 (好きなヤツもいないのに断ってるのか・・・) 「でもそれ言うと次に『誰?』って話になるでしょ?」 「・・・んん?」 「今度告白されて断るときはオレの事が好きだからって言えばいい!」 「・・・ディーノ、それは」 「そう言えばいいから!」 「でもさあ、そんなことしたら・・・」 さっきの出来事を思い出し、は言葉に詰まる。 「そ、そっちってどっち!?」 「どっちも!」 「ちょっ、ディ−ノ!?」 満面の笑みで足を早めたディーノ。 鈍い音が響き、青々した葉が数枚落ちる。 |
ブラウザバックプリーズ
青臭いへなちょこ時代を書きたかったんです・・・
スクさんの名前を出したのはご愛嬌ということで。
(06/11/21)