ヒロインはリボーンの助手で、へなちょこディーノ学生時代設定。

OKならスクロールを。









































































昼休み中の教室には、弁当や買って来たパンなどを食べる生徒達のグループがあちこちにある。

そんななごやかな風景が、のクラスにもあった。

転入当時はスクアーロに目をつけられ、クラスメートから敬遠されがちだっただが、最近は徐々に警戒を解かれ、話しかけられることも増えた。

お昼を一緒に食べるクラスメートもできた、ある日の事。




「おーい、
男子生徒に呼ばれ、は振り向いた。
弁当はもう食べ終わっており、クラスメートの女子生徒と雑談で盛り上がっていたところだ。

ナニ?と尋ねると、指差された先には、違うクラスの男子生徒がドアの外に立っていた。

名前は知らないが、顔は見覚えがある。
確か隣のクラスの生徒で、学園祭の実行委員のひとりだ。
のクラスでは、実行委員はとディーノ。

・・・半ば押し付けられたようなものだが。

(学園祭の申請書類のことかな?急いで書いたから不備があったかも・・・)
はそんなことを考えながら、男子生徒に近づく。

「なにか用?」
「ちょっと、話があるんだけど・・・」
「なに?学園祭のこと?」
「いや、ここじゃ・・・そうだ、講堂に行かないか?」
そう言って愛想よく笑う男子生徒。

「・・・、いいけど?」
先に歩き出した男子生徒の後をついていく

教室を出る瞬間、背後の教室がざわめいたようだが気にせずにドアを閉めた。




その様子を、ディーノは教室の隅でじっと見ていた。






































講堂はひっそりとして、誰もいない。
アーチ型の窓から光が降り注ぎ、光と影のコントラストがどこか幻想的でもある。

男子生徒は奥まで歩くと立ち止まり、に振り向いた。





「あのさ、前からのこと気になってたんだ。オレと付き合ってくれないか?」

男子生徒はそこまで言って、ニッコリと笑った。

はというと、よどみなく発せられたその台詞に苦笑した。

(なんかこう、芝居がかってるようなのは気のせいかな・・・)





「ああ、返事は今じゃなくていいから」
沈黙するに、男子生徒はそう付け加えた。

そしてに背を向けて歩き出す。

「あ〜、ちょっとまって!」
は慌てて男子生徒を止めた。

足を止めて振り返った男子生徒はどこか自信に満ちたまなざしで、一瞬言葉に詰まる
だが、すぐ気を取り直して言った。

「・・・ええと、あの、ごめん。あたし・・・その、付き合えない。ゴメン」

たどたどしく断って、頭を下げる




「どうして?付き合ってるヤツはいないって聞いたけど?」

「あ、うん・・・」

「じゃあ、好きなヤツでもいるのか?」

「・・・、えと・・・」
言いよどむ




「痛ッ!!」

次の瞬間、背後で誰かがこけた。
講堂の中でその声が反響する。

「イテテ、自分の足踏んじまった・・・」

そんな器用なことをするのは、の知る限りただ一人。




「なにしてんの?ディーノ」
ゆっくりと振り返り、声を掛ける

「え!?あ、いや!その、違うぞ!」
ディーノは慌てて起き上がり、制服の汚れを払う。

「・・・・なにが?」

「だから!べ、別にを追いかけてきたとかじゃなくて・・・ッ、そう、アリが!アリがオレの大事な昼飯を奪って・・・!」
ディーノは腕を大きく振って否定し、言い訳する。

「昼飯奪うアリってどれだけ巨大なんだよって突っ込まれるのと、所詮アリが奪うものなんて食べこぼしたものぐらいなんだからケチケチすんなって突っ込まれるのと、」

言いながら、はディーノに近づく。

「そんな嘘はアリにも通用しないって突っ込まれるのとどれがいい?」

「・・・・ッ」
何か言い返そうと口をパクパクさせるが、結局唇をへの字に曲げて黙るディーノ。

「・・・・そんな落ち目ファミリーの跡継ぎとつるむより、オレと付き合った方がいいんじゃないか?」
侮蔑も露わにディーノを見る男子生徒。

「なにを!」
ムチを取り出し、男子生徒を睨みつけるディーノ。

「あ〜、ストップストップ。絡む、絡むからソレ」
すでに絡んだ経験のあるは慌てて止める。

「誰と付き合うかは自分で決めるから。それじゃ」

は男子生徒に背を向け、ディーノの腕を取って講堂を出た。








講堂を出て真っ直ぐ進むと、中庭に出た。
昼休みを楽しむ生徒があちこちにいる。

中央の小さな噴水の前で、ディーノは立ち止まる。

「離せよ、

「言われたのは本当のことでしょ。そんなに怒ることないじゃない」

「そうじゃなくて、その」

「なに?」
は振り返り、少し赤いディーノの顔を見る。





「・・・・・・・・・・・その、ムネが」

「・・・・・・」
当たって、とディーノが言うのと同時に腕を離す





、前も告白されてたよな」
視線をそらし、両手をポケットに突っ込むディーノ。

「ホームパーティーに誘われただけよ」

「じゃあ、その前は?」

「日本人が珍しいだけだって」

「・・・、誰とも付き合わないのか?」

「そんな相手いないし」

「断ってるだけじゃん。理想高いだけじゃん」

「高くないって」

「じゃあ、なんで誰とも付き合わないんだよ?」

「いいじゃんそんなのべつに〜。ほら、早く教室戻ろうよ?」
は、もう一度腕を引く。

だがディーノは動かない。








「・・・ディーノ?」




押しかけの家庭教師のリボーンと共にやってきた少女は、同性の自分から見ても魅力のある相手からどう誘われてもなびかない。

なのに、同盟でもお荷物と言われている弱小ファミリーの跡継ぎの自分とつるんでいる。

押し付けられた学園祭の実行委員に付き合ってくれたり、リボーンにしごかれた後、こっそり差し入れを持ってきてくれたり。

(リボーンの助手だから当然かもしれないけど・・・)

自惚れは日に日に育つ。




同時に、不安になる。

「・・・好きなヤツがいるから断るのか?」

「そう言うのが一番無難だと思うんだけどね・・・」
あっさりと返す

「ぶ、無難って・・・」

(好きなヤツもいないのに断ってるのか・・・)
呆れつつもほっとするディーノ。

「でもそれ言うと次に『誰?』って話になるでしょ?」
はフウ、とため息をつく。




「じゃあ、オレって言えばいいよ!」
ぱっと表情を輝かせるディーノ。

「・・・んん?」
よくわからず、首を傾げる

「今度告白されて断るときはオレの事が好きだからって言えばいい!」

「・・・ディーノ、それは」

「そう言えばいいから!」
の言葉を遮るディーノ。

「でもさあ、そんなことしたら・・・」

さっきの出来事を思い出し、は言葉に詰まる。




「オレがキャバッローネを立て直してボスになれば、誰も文句言わないだろ?」




「いや、そっちじゃなくて・・・・そもそもそれはリボーンやあたしの役目だし」






「大丈夫だいじょーぶ!そっちも全然問題ないから!」
ディーノはきびすを返し、走り出した。

「そ、そっちってどっち!?」

「どっちも!」
背中に掛かる声に、振り向かずに応えるディーノ。

「ちょっ、ディ−ノ!?」




「大丈夫だから!」




慌てるの声が、心地いい。

満面の笑みで足を早めたディーノ。





だが次の瞬間、思いっきり木の幹にぶつかった。

鈍い音が響き、青々した葉が数枚落ちる。




ディーノは衝撃にのけぞり、仰向けに昏倒した。







周りの生徒達はその姿を指差し、囁き笑うだけで近寄るそぶりすら見せない。









「・・・・・・・・・あーあ、もう」
肩をすくめて近づく









「・・・だから誰とも付き合えないんじゃないの」




その場に座り、目を回したディーノの頭を膝に乗せる。














じゃあお言葉に甘えて、と囁いて。










は周りに見せつけるように、赤くなった額にキスをした。




















【 終 】







 

ブラウザバックプリーズ

青臭いへなちょこ時代を書きたかったんです・・・
スクさんの名前を出したのはご愛嬌ということで。

(06/11/21)