『PHASE-37』



「……んた」 
 押し殺したシンの声が洩れる。 
「あんた、おれの身体が目当てだったのかよ……」 
「違う、シン! 信じてくれ」 
「メイリンの若さに目が眩んだんだ」 
「聞け! メイリンは確かにお前より若いが、俺は議長の」 
「今度は年上!?」 
「ちがっ」 
「そうでしたよね。あんた、ファザコンでしたよね。あんたはおれの身体をもてあそんだんだッ」 
「あ、あれは合意の上だろうっ」 
「信じてたのに……」 
「誤解だ、シンっ」 
「そんな手は通じない。見苦しいですよ、アスラン」 
「レイ!?」 
「できているのだ、彼は彼らは。議長を裏切り、我らを裏切り、お前の思いを踏みにじろうとする。シン、一度でも彼がお前を求めたことがあったか? 裸エプロンは? 行ってらっしゃいのちゅーは? キッチンプレイにわくわく艦内デートは? 拒まれて、もうあんな思いはしたくないと誓ったのではなかったか」 
「ふざけるな! そんなことできるかあ(泣)」 
「あんた、やっぱり議長と……」 
「聞け、シン。議長やレイの言葉は確かに正しく聞こえるかもしれない。だが、彼の言葉は」 
「議長やレイ? まさかあんた、レイとも……」 
「ちがーうぅ! よく聞け。やがて彼らの言葉は世界を」 
「聞くな、シン。アスランはすでに少し錯乱している」 
「……おれを騙したんだ」 
「シン、やめろ。踊らされている、お前もっ」 
「この裏切りものーッ」 
「いずれ議長の言葉は世界をころ……ちょ、しんっ 何撃って……」 
「おれの前で議長の話をするなあぁっ!」
「待て。どうしても撃つというのならメイリンだけでも降ろさせろ。彼女は」
「やっぱりあんた、メイリンが」 
「ちがーう!」 
「あんたが裏切るからああぁぁっ!!」 
 ちゅどーん。 

2006.1.29
元ネタ(?)はフライングコップ。
ちょっと思い出したのでやってみました。

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