「なぁ、おいってば!」
「……ぁんだよっ!」
「…オマエ、どうしたんだ?最近なんかオレに冷たくねぇ?」
「別に…」
「じゃあなんで?」
「………だって」
だって、俺
「あ?」
「俺…」
俺、
「なんなんだよ、わけわかんねぇな」
……………なんて、
言えるわけがねぇ。
「……ぁんでもねぇっつの!!まぁ、アレだ……………気にすんなって奴だ!」
「ハァ?なんだそりゃ、オマエまじやる気あんのか?おい?…あ、てかそれよりさぁ、ゲーセンで新しいアーケードが入ったのオマエ知ってた?」
「あ、聞いた聞いた!帰り行かねー?」
「行こうぜー!」
二律背反
変ってるけどそれが俺の名前。
庵を戴く坂……………全くをもってイミフメイな名前だが、俺は気に入っている。
語感がなんか良いからだ。
聞いたら俺のカーチャンもそう言ってた。
…似たもの同士、考えることは一緒だな。
……………てそれはどうでも良いんだ。
そんなことより俺は今非常に困っている。
・友情
・愛情
この二択問題。
どちらを選ぶのが正しい答えでせうか。
正しく答えられたら素敵なプレゼントが当たります。
俺から是非とも丁重にプレゼントさせて頂きたく存じます。
……………っちっくしょう…
答えなんざネェよ!!!
マジ本気でどうにかしてくれ…
友情をとったら俺はこれからずうぅっと俺のココロを隠してかなきゃなんねぇ!
愛情をとったら俺はこれまでずうぅっとナカヨク親友してきたのをぶっ壊さなきゃなんねぇ!
どないすりゃええねんな!?
おもわず大阪弁入ってもうたがな!!
どえりゃーことどす、みゃーしがたっとね!!
もう
わけわかんねぇよ!!!
……………突然だがな、俺は今、ぴっかぴかの中学二年生なんだ。
つまり、窮屈な一年生終わって部活も遊びも(勉強?なんだそら食えるのかコラ)充実ハイスクールライフを楽しめるってワケよ!!
まぁそんなこたどーでも良い。
つまりは新学年始まってスグだってことだ。
要するに、クラスも決まって、同じクラスになった奴とはこれからイチネンカンナカヨク夜露死苦!ってワケだ。
だから偶然好きな奴と同じクラスになれて偶然隣の席になっちゃったりしてドキドキ新学年スタート!!なんつー美味しいシチュエーション盛りだくさんなワケ。
……………相手がオンナの場合だったらな。
俺も、女好きになりゃ良かったよ。
全くなんの煩悶もなくただいつチャンスをつかめるかとか、見たことの無い面なんか見つけちゃったりして一人で楽しんでたりなんてのも
全ー然問題なくできちゃうわけヨ。
いやそりゃ嫌いだってわけじゃねぇよ?
俺だってオンナは好きだ。
っつーかオンナのが好きだっつの。
…ところがこの学校来て友人になった
”等”と書いて”から”と読むそうだ。
変な名前だろ?
富士から岬…ってオイ!海なし県だろ?富士山あるの!!
そんなこんなで変な名前同士、そこから話が盛り上がっちまって、ついにはみごと親友の座ゲットォー!
なぁ〜んつー、まぁ、おおむね普通なオトモダチらいふが始まったわけだったのだが………いつしか。
俺があいつに向ける感情が、友情から、友情以上恋愛未満に変っていき、そして最終的にカンペキ恋愛にまで到達しちまったんだってばよ!!(ナルト風)
ま〜じ〜でぇ〜?
とかほら今ソコ!妙に間延びした返事しない!!
俺にとっちゃァ、ちゃかしちゃいるがまじで本気の真剣勝負なんだからな!?
も〜ぉわけわかんなくもなるっての!
はぁ……………なぁ、こういう場合って、どうすればイイっすかぁ…?
せんぱーい……………(泣)
男が男の友達(しかも親友)好きになっちゃったバアイって、どうすればイイんですか。
誰か、教えてください。
……………切実です。
あいつとゲーセン行った金曜。
土曜は勉強もせず、ただぼーっとあるひとつのことだけ考えて過ごしてた。
今日は日曜。
「これで新学年始まってから二週間かぁ……………」
ぽつり、一言零す。
好きになったのは、一年の三学期。
あの頃は…男が男に恋してどーすんだとか、顔に出さずスッゲー悩んだりしてたなぁ…。
もう今は開き直ってしまったが。
開き直ってしまったからこそ、あいつの傍にいるのが恐い。
“どーせもーこれで別のクラスになんだろ”
寂しさ半分、安心も半分。
そんな気持ちでいたところにこの結果、ねぇ……
同じクラスどころか席も隣、委員会も同じ。
……………果てはあいつと家の方向も同じだっていったら…もうこりゃ避けようがないだろ?
一年の頃は、最後の方はともかく、仲良いやつと長くいられてすげーハッピースクールライフだ!!とか思っちまってたよ。
…幸い、部活だけは違ってたから、俺は最近部活を理由にヤツとは一緒には帰らなくなってた。
行きは元から仲の良い女同士みたいに示し合わせたりなんぞしていなかったから、偶然会ったら一緒に行く、
ってのがなんかもう暗黙の了解みたいんなってた。
それでも意図せずだいたい毎日一緒んなってたんだがな。
…今は、それがどうにも耐えられなくて、わざわざ時間ずらすようにまでなってしまった。
全部、新学年始まってからのことだが…な。
一年の最後の方は、岬と談笑しながら心の奥でものすごい混乱してた。
あの頃は…ほんと、俺どうにかなっちまいそうだった。
それでも笑顔にすべて押し隠していた。
春休みが、俺に考える時間をくれたんだ。
「ほんとどないすりゃええんだ…」
でも未だに解決していない。
……………。
「っぇえい!こうなったらどーにか上手く立ち回ってこの感情を処理するんだ………っ!!
なんとか想いを伝えるなりなんなりして、もうこれ以上の不毛な思考を断ち切るしか無いっ!!」
なんとか動こう!
……………でもどうやって?
『トゥルルルルル、トゥルルルルル』
電話?
ったく、一体誰なんだ、こんな時に…
「ハイ、もしもし、戴庵です」
今は家に一人しかいねーから、俺が出るしかないわけで。
しょうがねぇから出た。
「……………は?なんだ岬かよ…」
受話器越しから聞こえてきた声に、思わずナチュラルにそう返していた。
……………っはっ!!
みみみ岬ィィィーーー!!!???
おっわぁーーー、思わず一瞬後れてから我に返っちまったじゃねぇか!!!
ひぃえー、マジなんでこんな時掛けてくるんだえ?
なに、岬ん家遊びに来いって?
ハァ?ふんふん、新しいゲーム買ったって?
何、ポップン!?
「行く行くー!今から?わかった、じゃスグ行くよ!」
ガチャン。ツーッツーッツーッ
……………って
ぅおおおぅ弾みで思わず了承しちまったじゃねぇか……ッ!!
どうすんだ俺!?
どうしよう!?
うわ、うわ、マテ、ちょっと落ち着け!
そう、とりあえずそう、これを……………え〜と………そう!
チャンスとでも思っとくんだ!
折角俺が動き出す気になってたんだ、これを逃してはいけない!!
さぁ早速準備だ!!
アホだな、俺。
こん時こんなこと考えてなければ、あいつの、あんなトコに気づくことなかったんだ。
そうすれば、きっと今とは違う…何か違う結果が出てたはずなんだ…………………………
そもそも
俺があいつに惚れたこと、が
そもそものマチガイだったんだ。
ピィンポーン…
「…(すーはーっ)岬ーっ!入るぞー!」
岬の住むマンションに着いた。
…前にも幾度か来た事ある。
でも俺らは大抵学校帰りにどっか遊びに行ったり、休みは別ん所行ったりしてほとんどお互いの家では遊ばなかった。
だから幾度かと言えど数回位しかない。
ドアを勝手に開け、勝手に上がる。
まーぁ、あいつは勝手だろーがなんだろーが気にしねーから全然良いんだがな。
……………あ。
そいえば。
玄関靴脱いで上がってから気づいてもさ、遅いんだけどさ……………俺、何しにココに来たんだ?
…イヤ、ポップンもそうなんだけどさ、問題はソコじゃなくて……………つまり何したら良いんだ?
とか何とか考えつつも、岬がいるであろう居間に足が勝手に動いてく。
いや……………なんかこー無意識なんだがな。
で、でも…おっ…ぉぉぉちょちょっと行きすぎ…ってうわ!
「よっ!来たね!」
いっ、いいいいきなり人の前出てくんなよなぁ、岬…!
おまえ顔良いんだから、マジ心臓に悪ぃよ!
でもさすが今まで耐えてきただけある、俺。
ポーカーフェイスはお手の物だ。
「よ!来たぜ!」
岬と同じく挨拶を交わす。
……………どっ、どどどどうしよう!?
え、ええええっと、とりあえずっここは……岬に好きな相手がいないかどうか聞くだけ聞いてみる!ってのが妥当だよなっ!
「岬!」
「ん?」
っどわっ!
また顔急接近!!
近いって!岬!!
TVの前に行こうと俺に背を向けて歩き出した岬。
俺も後ついてったんだけど……………そうそう、岬ん家って超広いんだぜー?
なんかマンション自体けっこー豪華でなんか高そうなんだよなー。
居間の入り口からTVまでの距離がわりと長くて、居間入って五歩on TVの俺ん家と違ってものすごい違和感ある。
しかも何かやっぱ高そーなソファーとかあったりして…見た目は派手じゃねぇんだけどな、なんかこう…上品っつーか…
つか岬ん家って金持ちだよなー………
ま、そんで歩き出した岬についってった俺が声かけたもんだから岬が急に振り向いてこんなん近くなっちまったんだよ。
ひぃぇ、しかも岬、なんかどかねぇし…!
とりあえず岬の肩に手をついてさりげなく離れてみる。
「あのな、前からちょっと気になってたんだけどさ…」
「何が?」
「岬って好きな奴とかいるの?」
「……………………いるよ」
……………っがっびーーーーーーーーーん!!!!
このさい表現が古いのは許してもらおう!!
わ す れ て た ! ! !
んなこと言われたら俺立ち直れねーじゃねーかぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!
ってもう遅いよ(死)
そぉかぁ……好きな奴いたのかぁ……………(ずーん)
「へー!いたんだ!そういえばおまえとは何でかこのテの話題してなかったからなー。全っ然知らなかった」
落ち込んだのをおくびにも出さずに笑顔で答える。
ぅお〜ん…
俺の内心ではオオカミが意味も無く遠吠えしてるさ………
「…まぁな」
「ふぅ〜ん、相手は誰だ?三組の藤川か?五組の佐々木?それとも同じクラスの水倉か?かわいい女の子なんだろ〜ぉ?」
ちゃかして聞いてみる。
じゃないともーやってらんねー(泣)
「いや…オレが好きなのは女じゃねぇ」
「へ〜、オンナじゃないんだ、じゃぁ……………」
オンナじゃねぇ
おんなじゃねぇ
女。
女じゃねぇ!?
「は!?っぉぉぉ女じゃねぇって、それじゃおまえ…」
岬も俺がそう言ってからしまった、という顔をしていた。
俺はもうビックリしてしまってもうどうしよう。
むしろどうしよう!?みたいに混乱しまくってた。
岬はスグにいつものかっこいい俺の好きな顔に戻って
「ああ。好きなのは男だ」
と。
っはぁぁぁぁぁ!?
っだ、誰!?それこそ誰だ!?
「っだっ、誰なんだ!マジ気になりすぎて夜も眠れねぇよ!!」
うお何か今おれ動揺しすぎて何かちょっと変なこと口走った!?何だよ夜も眠れねぇって!!
…いや思わず、さ…
いやもぉだってなんつーか、妙な事も口走るだろぉ…?
あ?何だ?
今岬がちらりと俺を見たぞ?
え、何、しかもなんかニヤリと笑ったぞ?
「そーか。じゃあ今夜はここに泊まってけ」
「おっおうよ!」
心臓ばくばくで、とりあえずそう答えてしまう。
「オマエ良いのかーぁ?よけー眠れなくなるぜぇ…?」
「おうともさ!……………って何で?」
「……………わかってんだろ?」
「……………?何が?」
「…だから」
岬が指折り言っていく。
「眠れなくて」
「おぉ」
「夜で」
「おぉ」
「泊まること」
……………………………え?
「も、もいっかいぷりーず?」
律儀にももう一度岬が指折り言っていく。
「だから眠れなくて」
「はァ」
「夜で」
「おォ」
「泊まること」
「……………それが?」
俺の目の前で岬がコケる。
「いや、スマン、俺今頭ん中真白でさ、ちょっと何か考えること、脳みそが放棄してるみたいで……」
「……………イヤ、もぉ良いよ…坂………」
「すまんな……は?」
岬の手が俺の頬に伸びてくる。
サッカー部をやってるこいつ。
しなやかでしっかりした筋肉がついてるその腕に一瞬目を取られる。
「坂………」
「え、何…ん!」
何かが目の前に迫ってきて、俺はなんだか恐くなって目をつぶる。
何……………?
「……………オイ」
何かが離れた後も、恐くて目を開けられない。
何故だか、本当によくわかんねぇんだか、目が開かねぇ。
岬がぺちぺちと俺の頬を叩く。
「……………ぁ」
目を開ける。
目の前にいたのは………やっぱり岬だった。
目と目が合う。
恐ろしいほど………目が反らせなかった。
そしてまたそのまま目が近づいてきて……………
「ん!!?」
これはもしかしてぇきす、といふもの…ですか?
「ん、みさっ………って…んむっ!!」
っっっっっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ。
これ、これってもしかしてもしかしなくとも
舌
ですかぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!???
「んっ…んふっ、ん…」
岬が俺の舌を捕らえて絡ませてくる。
おっ、おおおお俺はもう混乱してて慌てまくってどうしようってんでとりあえず、逃げをうとうと後ろへ下がる。
しかし何故か。
壁。
確信犯。
そんな単語が思考停止したハズの頭を何故かよぎった。
「ぁっ…むっ、んん……」
完全頭を抑えられて好き勝手口内貪られる。
「や…んっ………も……………」
長い。
長くて。
本当に長い間俺は岬から逃がしてもらえずにいた。
「坂……………」
やっと放してもらえた頃にはもう。
「………………………………………」
「坂…なぁ、坂ってば」
がくがくがくーとその場に座り込んでしまう…
岬を見上げる。
「こ、腰が…………………………砕けた」
「……………っぷ」
「み…さ、き…?」
「っはははははははっ!!あはははははっ!!」
「…っ!?」
み、岬がぶっこわれた!?
どっどどどどうしよう!?
って、マテ、ここまできたら…さすがの俺でも。
なんだか、何か、この雰囲気って…
「み、岬、何か、あの、え〜と…要するに…お前…」
「坂っ!!」
「はぃぃっ!!」
俺がしゃべるの遮って強く呼ばれちまったもんだから、つい勢い良く返事してしまう。
だめだ、俺、こいつに『坂』って呼ばれるの、弱い…
だってなんかいつもコイツ俺のこと『オマエ』って呼ぶんだぜ?
時たま言われる『坂』に俺はいつもドッキドキさ☆…じゃなくてッ!!
俺は今、岬に両肩に手を置かれ、何かを言われる体勢で待機中。
でもなかなか何の言葉も岬の口からでてこない。
?
「み…」
「オレは坂が好きだ!!」
……………………………………………………。
……………………………………………………。
……………………………………………………。
……………………………………………………。
「お、おい………?」
あまりのことに言葉もナイ俺。
それを心配して岬が俺の顔を覗き込んでくる。
目を見開いて口をあんぐりさせている俺。
え…いや………えと……………なんていうか………………………その…
「あの…もしもし?」
す き
その単語を理解した時、俺は顔中真っ赤になる音を聞いた気がした。
「さ…坂ぁ……………っ!!」
「……………ぇ?」
「オッマエまじカワイイしッ……………!!!」
「ぁ……ぇ?」
「やべぇマジここで今すぐ喰っちゃいてぇっ!!良いか?良いよなッ!?つか異論ないだろ、本当はオマエっ…!!」
「……………へ?」
「というわけで喰っちゃいマスッ!それじゃ遠慮なく!!」
「ち、ちょちょちょちょっと待ったァーーーッッッ!!!」
オイコラマテ岬。
今何か色々と大切な過程を吹き飛ばさなかったか?
「えと、その、俺……………まだ、返事…とか、返してませんけど…?」
「……………?オマエな……いままであんな判りやすい反応返しときながら……………」
「いや、あの、だってそれは」
「嘘つけ。坂、オマエだってオレのこと好きなくせに」
はぁうッ!?
「つかその様子だとむしろもっと前から好きだった系?」
げどわっ!!
「しかも実はさっきキスした時はあまりに予測できなかった事態だったもんでのーみそ真っ白だったとか?
オマエ見事に動作止まってたし」
……………ちーん。
いや何かもぉ、とりあえず言い返しようがありませんですとも……………
「ぜ、全部図星でござぁい…」
「え、全部かよ!?」
「あてずっぽうだったわけか!?」
「いや……なんとなく…」
「……………………………」
ずーん………
なんつーか…何で全部当たってんだよ!?
今まで俺が必死こいて隠し通してきた意味って!?
なんか嬉しいとか通り越して、すでに悲しいの域だぜ、こりゃ………(涙)
思わずがっくりと頭を落として途方に暮れてしまう俺。
「坂、おい坂ってば!」
「………よぶな」
「……………坂?」
坂が反応のナイ俺を不審に思ってか、肩に置いたままだった手でポンポンと肩を叩く。
だが俺はもう……………それどころじゃねぇ。
「坂って、呼ぶなぁ…っ!!」
「え、なんで?」
そのほんとうに何も知らないって感じの疑問の声が、意味なくムカツク。
「だって…おまえ…いつもいつも俺のこと『オマエ』って呼ぶくせにっ…!」
「は?」
「だからっ!『坂』って呼ばれると俺っ、岬に逆らえなくなるんだよっ………!!」
顔を真っ赤にして、声を絞り出してやっと言う。
岬の心地の良い低音で言われるそれに、俺は本当に弱い。
マジで困る。
「…………………坂。」
赤くなったのが恥ずかしくて(今更なんだけどな(笑))顔を背けていた俺の耳元で………岬が。
あ の 心 地 良 い 低 音 で 。
「………っ!」
呼ばれて反応する俺。
耳元で囁かれるのがなんかもぉすげぇ嫌で、身を捻る。
でも後ろ壁だし、それ以上逃げられなくて。
どうしよう!?と慌てる俺を見て岬が更に言ってくる。
「坂…」
肩にあった手が俺の少し髪を触って
「坂…」
もう片方の手が唇の形を辿る。
「さか…?」
いつもと何か違う俺を呼ぶ声が、俺を金縛りにする。
あまりの恥ずかしさに俺はすでに何かの臨界線突破していた。
岬の顔がさっき自分でなぞった俺の唇を細い目で見つめながらゆっくりと近付いてくる。
み、岬、お前なんか目つきエロっ…!
「ふ……っ!」
ヤバイ、岬エロい、恥ずかしい。
もう俺の頭ん中は単語しか出てこない。
少し唇が離れた時、岬がまた言ってくる。
「坂…」
手が、Yシャツの裾から侵入してくる。
「坂」
胸の頂に指先が触れる。
俺は、そこから感じたある強い感覚により、くっきりと。
いやそりゃもうはっきりと。
何かもう色々と理解した。
「っ……っ○×※★%*α〜〜〜〜!!!!」
無我夢中で岬を押し退けて逃げ出す俺。
自分でも何言ったんだかよくわかんないわ(笑)アハハ(笑)
「坂っ!!」
岬、こいつは…
「やっ、やめッ!追い掛けてくんな〜〜〜ッ!!!」
広いリビングを逃げ回る。
岬も負けてない。
オイシイ餌(俺(笑))が逃げたんだから。
…アホだな、俺。
あん時あんなこと考えてなければ、こいつの、そんなトコに気づくことなかったんだ。
そうすれば、きっと今この状況とは違う…何か違う結果が出てたはずなんだ…………………………
「さーか?」
岬が不穏な声で俺を呼ぶ。
それでも逃げる。
わかっていても逃げる。
「ここはオレん家だから、オマエがどこに逃げようがー…無駄なんだからな?」
そもそも
俺があいつに惚れたこと、が
そもそものマチガイだった…
「だ、だだだだって…」
「何が『だって』だって?」
「ぎゃっ!!」
だって、岬、こいつは…
やっぱり、
なんつーか、
こう、イロイロと…
とんでもない、
……………確信犯?
だったわけで
「み、みみみみみさ、き…?」
「ハァイ、なに?載庵坂…君?」
「っ、ぅ……!み、耳元で囁くのヤメロ…!」
「ふっ!」
「ぅぎゃぁっ!!息吹き込むなーーー!!!」
「坂…」
「ゃぁ…やめっ…」
「やっぱり…!前々から思ってたんだけどさ、オマエって…ミミ弱いね」
「だっ、だっ、だっ、だからッて両手押さえつけて耳に舌入れんなーーーーー!!!!」
以降、俺は延々と岬にいじめられる高校生活を送るのだった
END
*…………………POSTSCRIPT…………………*
あは、あははは(笑)
コレ、書き上げるのものすごく苦労しました………
途中まではホント、すごくスラスラ書けたのですよ。
でもそれ以降なんかもう進まなくて進まなくて…(泣)
ようやっと、締めることができました。
感無量。
餃子、頑張った。
いや、なんだろ、やっぱり………まぁ、書きたくなるのはもう、気分!に任せるのが一番なのかな、餃子の場合?
うわぁダメダメ物書き(笑)
でもなんでか文章書くの嫌いじゃないのですよね。
ていうか………コレ、もしかして初の世界童歌オリジナルBL?
…うふふ、なんだか嬉しいですね。
いやぁ本当はオリジナルも書いてたのですよね、元々。
オリジ大好きです。
オリジBLらぶです。
え、二次創作と大して変らないって?
良いじゃないか、受けがあんまし女の子っぽくないって点で!
そう、ええ、そうなんですよ!!
この「二律背反」は、幻水の坊ちゃんズ(クゥとルティル)があまりにかわいすぎるもんだから、
餃子はもっと普通にそこらへんにいそうな不自然の無い男の子キャラ………てのを書きたくなりまして。
いえ、かわいすぎる男の子も超理想なのですが(危険思想)
でもやっぱり、なんでしょう、餃子のBL男の子論て、「少年らしい少年ズの話」ってのが結構ありまして。
だって、あまりに女の子っぽいのって、なんかやっぱ夢見すぎてる…というか、ありえない感じかなと。
なんでしょう、BL少年て、かわいんだけど、そこはかとなくちゃんと男の子ってのが一番良いんじゃないかなぁ、とゆー感じに思うのです。
ま、そんな感覚的なこと言っても、まぁ、わかりずらいことこの上ないですね、ハイ(笑)
こんなトコで語り始めてしまった(汗)
うふふ、お後がよろしいようで(笑)
2007.04.02 真白茶飴
*……………………………………………………*
【二律背反】
ある二つの命題が、相互に対立・矛盾すること。甲が真なら乙は偽、乙が真なら甲は偽となるような関係。