抑制
「ル・ッ・クぅ〜〜〜〜〜??」
にっこり笑顔で僕の名を呼ぶクゥ。
ギクッ!!
僕はかけられた声に大いに恐怖を感じた。
なぜならこの間、トキに大いなる勘違いをさせたまま、その誤解を解かずに放って置いたからだ。
でもどういう経歴だか、それがあいつらをくっつけさせる橋渡しになってしまったらしい。
…そう、あいつらはくっついた。
主にトキがさらにクゥにベタベタするようになっただけなのだけど。
でも僕にはそれがあいつらが恋人同士になったということを如実に表していると見えた。
この間までしょっちゅう頭抱え込んでなにやら考え込んでいた馬鹿猿がそうなったのだから。
僕にとっては面白くないことこの上ない。
なぜなら……………
僕が、クゥのことを好きだからだ。
……………クゥはそのことを知らない。
そして僕は教えるつもりも無い。
………解放軍時代、あいつに内心僕はとても魅かれていた。
だが、その当時ものすごくあいつに反発していたため、そんなことは死んでも言わなかった。
今も言わないのはすでに半ば意地だ。
例えその想いが解放軍時代よりどんなに増大していようとも。
「何か用?」
僕は大いに恐怖したそぶりもみせず、しれっといつもの台詞を吐く。
それにかかわらず、クゥがにっこり笑顔で言う。
「僕の言いたいこと……………わかってるよね?」
「なんのことかな」
空々しく白を切る僕。
ぶっちゃけ超コワイ。
マジコワイ。
クゥが笑顔でそんなこと言うということは、解放軍時代からの付き合いの僕には存分にその意味がわかっていた。
……………だけど。
クゥの顔が一気に怒っている顔へと変わる。
「なんであんな………僕とルックが恋人同士だなんて、どうしてそんなこと言ったの!?
おかげでトキがっ………そのっ…何か変なこと言ってきたんだよ!?」
そう、『トキが』の後、何故クゥが言い淀んだのかってことを僕は十分すぎるほどわかっていた。
だから。
「いいじゃないか、そのおかげであんたら晴れて恋人同士になれたんだろ?
文句はないハズじゃないか」
そしてこれは、僕にとっては面白くないことこの上ない。
つい口調に非難がましさがでてしまう。
クゥはそれに気づかず、言われた内容に赤面した。
「なっ………!
なんでそれをっ……………!?」
ム カ ツ ク
僕はそんなクゥを見て、抑えがきくほど大人じゃなかった。
教えるつもりは無いだなんて……………真っ赤な嘘に決まっている。
「何故…何故だって……………?」
本当は誰よりも、こいつを盗られたくなかった。
「それは僕が…」
そう、誰よりも。
「僕がクゥのことを誰よりもずっと前から好きだからだよ」
クゥが驚愕に瞳を見開く。
「………………………………………は!?」
「あいつにばっか良い思いだなんて、させてばっかいられないからね…」
僕は呆気にとられているクゥの頭を引き寄せて、サッと口付ける。
「…………………………っ!!」
ドンッ!!
クゥが僕の身体を押し退け、僕の前から走り去っていった。
「これからが勝負所……………だね」
*…………………POSTSCRIPT…………………*
これは「好きの理由」の後の話ですね。
うちでは主坊メインの話は大抵それが基準になっています。
ま、そのうち繋がっている話ごとにわけるでしょう☆
それまではどの話がどう繋がっているのか…考えるのも一興、かもしれない?(笑)
2004.10.11 真白茶飴
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