Celebration 「おめでとう、リザ」 「おめでとう、ロイ」 薄暗い灯りの下で交わす乾杯。 琥珀色の液体がグラスの中で揺れ、不思議な角度で光を砕く。 視線を感じてふと顔を上げれば、優しい瞳。 「君とこの瞬間を迎えられたことを、心から嬉しく思うよ」 そっと私の手を取り、口付けるロイ。 そのまま頬にも…唇にも。 すぐに離れた唇に名残惜しさを感じつつ、私は笑う。 「私もよ。そして出来れば次もまた、あなたの隣でこの時を迎えたいわ」 「いいね…じゃ、いつとも知れぬ約束に」 同じグラスをもう一度触れさせて。 静かに更けゆく夜を、私達は楽しんだ。 今夜は、あなたと私にとっての記念すべき夜で。 けれどこの記念は、まだまだ先がある。 それを知る二人だけで交わす、祝いの約束。 ――次の祝いの日まで互いに捧げると誓い合う、愛と忠誠の約束でもあるけれど。 Fin.
何かを祝ってる話を書いてみよう!というコンセプトです。 おそらく、ロイとリザが揃って昇進した日の話じゃないかと。 これも1周年記念物として書いてみましたので、 持って帰ってみたいとおっしゃる方がいらっしゃいましたらば是非。 (どこかに作者表記をして下されば結構です) 04.12.12 一宮由香 拝 戻る