それは、一緒に住むようになってからの恒例行事。
テラスに出て初日の出を待ちながら、他愛ないおしゃべりをしていた時のこと。







去年、この人と共に昇る朝日を見てから一年が過ぎて。
今もまたこうして、共に初日の出を眺めている。

不思議な気がする。


いつ命を落としたっておかしくない所に生きていながら、
一年経ってもこうして穏やかな時間を共有して生きている。

この温もりを、命の温度を、決して失わないよう、必死に戦ってきた一年。
いつ終えるともしれない、あるいは終えないかもしれない、
熾烈な戦いの中で生きていくのは分かっていて、
それでも共に歩いていきたいと願ったのは…



――勿論、この人の生き方に魅了されているからだろうけど――



…きっと、壮絶な美しさを秘めた焔が、私の心さえも沸騰させてしまったから。





「何か考え込んでいるようだね?リザ」
「えぇ、ちょっと。…太陽を見るのも好きだけど、同じ焔を見るなら
 やっぱりロイの中にある、燃え尽きない焔の方が好きだと思っただけよ」
「嬉しいことを言ってくれるね」


弾むその声は、美しい微笑を彩って。
嬉しくてたまらなくなった彼がこの後どうするかなんて、長い付き合いで分かっていたから。



そっと首の後ろに回された手を合図に、私は軽く目を閉じた。






――この温もりがずっと傍にありますように、と祈りながら…



Fin.

遅くなってしまいましたが、 Headquarter管理人一宮由香より、 新年のご挨拶兼年賀SS鋼バージョンを贈らせて頂きます。 旧年中は多大なるご愛顧を頂きまして誠にありがとうございました。 本年もどうぞよろしくお願いいたします^^ 今年が皆様にとって良い一年になりますように…! 05.1.3  一宮由香 拝 戻る