16 共謀



「ホークアイ中尉」
「何でしょう?」


ある日の午後、マスタングがホークアイを呼び止めた。
その日は、珍しくマスタングがホークアイの予想以上のスピードで仕事をしていた日で。
かなり失礼ながら、今日は何か悪いことが起こるんじゃないかしら、と予想していた矢先の出来事だった。


そのため、すこし構え気味のホークアイ。
呼び止めたマスタングは、しかし自分が席を立ってホークアイの側へ。



「ちょっと、頼みがあるのだが」
「…事と次第によります」


即座に何なりと、とは言えない。
これが仕事に関することなら言うのだが、あいにく今は勤務時間ではなかったから。
しかしマスタングは、気にする様子もなく口を開く。


「私と、秘密を共有する気はないかね?」
「…何か、私と共謀したい事がおありで?」


質問に、反問。
詳しい説明なしでは頷かない。
ホークアイ流の護身法だ。

マスタングは、小さく笑って。


「あぁ。近いうち、私の名において発表する人事書類に
 『大総統夫人:リザ・マスタング』と書くつもりでいるんだが、
 今はまだ秘密にしておきたいのでね…黙っていてくれるかい?」
「…いいでしょう。期待しています」




2人の、共謀。




近いうち大総統になる気満々のロイさん。 彼流の誓いです。 キザです。 30題に戻る