36 怪我・血



だらだらだら。
ついうっかりの不注意で流れた血が、止めどもなく腕を滑り落ちる。
おぉ、凄ぇ。止まらねぇ。
どんな血管切ったんだか。


「って、何故君はそう呑気に構えているのかね?」

横で必死に止血をしてくれていたロイが、焦った顔をオレに向ける。


「っつったって、さぁ。ヘタに緊張して身体に力入れると余計血出るだろ?」
「それはそうだが…しかし、止まらないな」
「ついうっかり、で失血死ってかっこわるいよな?」
「…死なせないさ。君だけは、私の目の前でなんて」


・・・・・・。




「熱烈なプロポーズどうも」
「承けてくれるかね?」
「さぁね。今はそれどころじゃないし」



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