37 距離



「ゼロ距離攻撃、という言葉を知っているかね?」
「…何となく分かるようで、説明しろと言われると困る言葉だな」


唐突に投げられた問いに、眉を寄せて応じるエドワード。
いかにも、と頷くロイは、楽しそうに。


「自分も余波でダメージを喰らうのを覚悟で、至近距離から相手に攻撃を仕掛けることだ。
 相手にかなりの痛手を負わせることが出来るが、ヘタすると自分もかなり危ない」
「あぁ…なるほどね。で?そんな話題をオレに振って、どうしようっての?」
「何、単純な事さ」


おいでおいでをして、膝の上にエドワードを載せる。
素直に従う彼に、ロイが微かに苦笑したことに、エドワードは気付かない。
じっと見つめあげるその瞳に、すぐさま苦笑を隠し、優しく応じる。







「そろそろ君に、ゼロ距離攻撃を仕掛けようかと思ってね」




捨て身でプロポーズするって意味だと思われます。 45題に戻る