40 ホークアイ中尉



「よ、大佐!迎えに来たぜ…って」
「…すまない、鋼の。まだ仕事が終わらなくて…
 少しそのソファで待っていてもらえないか?」


しっかり定時を過ぎてから迎えに来たというのに、
案の定まだ机にかじりついているロイ。
横に控えたホークアイが一つため息をつく。


「その必要はないわよ、エドワード君。
 もうあらかた終わってるし、連れて帰っていいわ」
「…え、いいの?『今日中』って書いてる書類まだあるのに…」


ためらうエドワードに、ホークアイはこっそり耳打ちする。


「実はね、大佐に渡す書類の日付を、全て1週間ずつ早めてるのよ。
 だから、本当の今日中の書類はもうないの。…だから、構わないわよ」


あ、このこと大佐には内緒よ?とウィンクするホークアイに、
絶対大佐はこの人には敵わないだろうな、と実感するエドワード。





ひっそりと苦笑しながら、ロイに駆け寄る。



「さ、中尉の許可も出たし、一緒に帰ろ?」




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