前回の戦いの後、空から降ってきた謎の薬の効果により幼女になってしまった雹魔。
果たして彼は、元に戻れるのか？
そして氷河の所属する組織は何故、白百合を狙うのか？
多くの謎をのこしつつ、物語はもう一人の主人公へと、そのスポットライトの光をあてるのであった。


　　　　　　　　　　　　　　　仮面ライダー蒼牙＜狼牙編＞序章
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「旅立つ若者」


日本酒を飲みながら物思いにふける総牙。
総牙「あいつも、雹魔どうよう、うまくやってるだろうか・・・。」
一人夜天に浮かぶ蒼月を見上げながら、雹魔よりも数日早く旅立った若者のことを思う総牙。
その刻、一陣の風とともに訪れる来訪者。

はるさめ「今宵は良い月夜じゃな。」
総牙「そうだな。」
はるさめ「ちと、まずいことになっておるぞ。」
その言葉にわずかにマユをつり上げ、
総牙「どうゆう事だ？」
はるさめ「何者かは分からぬが、とある薬の効果で雹魔が幼女になってしもうた。」
思わず、飲んでいた酒を吹き出す。
総牙「ぶっっっ！！げほっげほっ。」
はるさめ「大丈夫か？」
背中をさする。
総牙「そ、それよりそれは、どうゆう事だ？」
はるさめ「我も詳しくはしらぬが・・・。」




そんな会話が自分の故郷で行われているとは夢にも思っていないこの物語の第二の主人公は、月を見ながら、盛大に遠吠えを周囲に轟かせていた。
？？？「ワオオーーーン！！」
？？？＜マイ　スター総一、いい加減に遠吠えをおやめください。＞
総一「ーーーン。ごめん、月があまりにきれいなもんだから野生にかえっちゃたよ。」
？？？＜普通は、かえりません。＞
総一「そうだね。君のゆうことのほうが正しいよ、ロウ。」
ロウ＜ならば、なぜ、鳴くのですか？＞
総一「僕の血に流れる狼のＤＮＡのせいかな。」

総一の背後に忍び寄る影。
その影が総一に襲いかかる。
スパーーーン！！
総一「痛いよ、緋芽ちゃん。」
緋芽「だ・っ・た・ら・し・ず・か・に・し・な・さ・い。」
その怒りの形相に、静かに首を縦に振る総一。


そんなこんなで夜はふてゆく。


次回序章Ｂパートに続く。