仮面ライダーintertwine 第参章過去ログ
※この作品は若干の加筆修正も加えてありますが、基本的な文章はそのままです。
前掲示板で最もヒートアップ(齟齬あり)したリレーをどうぞご覧ください。

第参章 第一話 互いのために、変わること(空豆兄様作者)
「おはよう〜。」
俺は教室の戸をくぐり、いつもの挨拶をかける。

と、とたんに集まるその視線。
…主に男子の。

「みたぜー。列。」
そういって近づいてきたのは、昨日転校してきた八代みつる。
いやらしい目をして、ニヤニヤしながら近づいてくる。

「な、なんだよ……。」
俺は自分の席へと移動しながら、そんな八代を警戒する。

「朝から両手に花だと?いいご身分だよなー。列。」
「む……。」
やっぱりみられていた。

今朝の登校の事。
俺は右に華枝、左に神歌ちゃんと、美少女二人と登校してきていた。
何か言われるんじゃないかって思っていたけど。

教室でも、その噂が広がっているのだろう。
俺を見る目が非常に痛い。

女子連中も、朝から俺が八代とつるんでいるのが気に入らないのか、じろじろと見てくる。
こいつは顔が良いから、女子には人気があったりするからな…。

「まったくうらやましい奴だな。うりうり。」
腹の辺りを肘でグリグリしてくる。
「ばか、やめろって。」
「ひひひひ。」
心底楽しそうに、俺にじゃれつく。

…でも、そんなこいつが、なんでわざわざ俺に近づいてきたりするんだろう?
女子を相手にすれば、こいつのいう両手に花だって、いくらでも出来そうなものを…。





そういえば……。
「………?」
何か違和感を感じる。

「気がついたんだけど。」
「どうした?」
「雅菜が来てないんだけど。」
「草加さんのことか?この時間に来ていないのが、なんか変なのか?」

そういって八代が指差す時計の針は、午前8時。
まだまだ始業には早い。
でも。

「いや、八代は昨日転校してきたから知らないよな…。雅菜はいつも教室には1番に来てるんだ。」
「そうなのか!?」
「うん。それも一日だって遅かったことはなかったのに。」
「なにか、あったのかな?」
「う〜ん……。」


ホームルームの時間となり、教室内の生徒たちが一斉に席に着くのだが、その中に空いた席が3つ。
「今日は、豊桜と志熊。それから草加が欠席だ。」
担任の先生が、その3つの席の持ち主の名前を挙げる。

「転校生が早速欠席とは、いったい何を考えているんだ。」

機嫌の悪そうな担任の声。
しかし雅菜が学校を休むなんて。本当に、何かあったのかな…。



そして今日も、授業は始まる。
その3人が、学校を休んで本当は何をしているのか。
教室にいる生徒のほとんどが、知る由もなかった…。




「なあなあ列。」
「……なんだよ。」
午前の授業が終わって、昼休み。
八代は今日も俺の席にやってくる。

「お前の妹さんって、ちょっと紹介してほしいんだけど。」
「ええ!?」
その言葉につい大声を上げてしまう。
華枝に、こいつを。
男を紹介……?

……なんだろう。
すごく、すごく嫌な気分になる。

「そ、そんなのだめだ!」
すぐに拒絶の返事を返す。
「ええ?なんでだよ。すごく可愛い子って教室じゃ評判なんだぜ?あれじゃシスコンになるのも無理ないってさ。」
「俺はシスコンじゃないけど、でもだめだ!華枝は人見知りするんだ。知らない男が一緒にいたら、怖がって……。」
「大丈夫だよ。怖がらせたりしないって!どんなに可愛い子なのか、一度くらい見ておきたいじゃないか。」
それでも八代は引く気がない。
「…いや、だめだだめだ!」
「怖がらせないって言ってるじゃないか。なんでだよ?」
「だめったらだめ!」
食い下がる八代を必死であきらめさせようとするが……。



「列さぁ。」
その時、改めて八代は口を開いた。
「…な、なんだよ?」

「兄と妹、いつまでも一緒にいられるわけがないだろ?」
「!!」

「いくら妹が大事でも、いつかは離れていかなくちゃいけないんだ。ここを卒業して、お互い別々の道を歩いていくことになるんだ。」
「それに、もしかしたら華枝ちゃんに恋人が出来たり、お前に恋人が出来たりして。
やっぱりどうしても離れなくちゃいけないときがきっと来る。」
「だったら、今のうちに妹離れをはじめるのも、必要なことなんじゃないのか?」

妹…離れ。
華枝が、俺の元からいなくなる。
昨日まで、みたいに……。

「…とまあ、えらそうなこと言ったけど、でも、俺は間違ったことは言ってないと思うぜ?」
…………。
恋人、俺や華枝に恋人が出来たら……。
俺たちは、離れなくちゃいけなくなる……。

「お前が妹さんを大事に思うのは分かるけどさ。でも、あまり過保護なのは彼女のためにならないんじゃないか?」

………。
……。
…。

「…好き勝手言うなよ。」
ようやく搾り出した言葉がそれだ。

「…もしかして、怒ったか?」

………。
俺はそれ以上何も言えない。
それらの言葉が、あまりに深く俺の胸に刺さるから。

俺は今までずっと、華枝のそばにいるのは、華枝のためになる事だって思っていた。
でも、それが間違っているって言うんなら……。
俺は今まで、何のために……。

「…本気で悩んでるな。列。……じゃあ今日は良いよ。考えておいて……。」





「れ〜……つ〜……さんっ!」

「!」
「お!?」

昨日と同じように、俺の名前を呼ぶ声が教室の出入り口から。
俺と八代がそこを見ると、ニコニコの笑顔をたたえる少女と、びくびくとその陰に隠れるもう一人の少女が立っていた。

「えへへ〜。今日も列さんをお迎えに上がりました!」
「神歌ちゃん…。」
「あ。昨日のお前の彼女じゃん。」
「そんなんじゃないって昨日言っただろう!!?」

それはいうまでもなく、華枝の友達、英琉 神歌ちゃんであり。
「神歌ちゃん、やめようよぉ〜…。」
妹の華枝だったりするわけで。

「列さん!神歌たちとご飯食べましょう?華枝も列さんと食べたいって!」
「あ、あぅ……。」
おどおどと俺のほうを見る。
「っ!」

他の男子生徒と目が合うと、ぱっと神歌ちゃんの後ろに隠れてしまった。
「華枝までここにくるなんて…。」
「へえ……。本当に人見知りなんだな。」
「八代!」
「ちょうど良いじゃないか。こっちも二人、あっちも二人。みたところあの子は妹さんの友達らしいし、
兄のお前も一緒なら怖くないだろ?俺といたってさ。」
「な?」

むむむ……。
八代の提案。つまりはこの4人で昼ごはんを食べようというのだ。
確かに俺と神歌ちゃんがいれば、華枝は少しは安心かもしれない。
でも…。

「列さん?早く行きましょう?時間がなくなっちゃいますよ!」
…ここで悩んでも仕方ないか。

「わかった。でもな。くれぐれも華枝を泣かせるなよ。」
「お!さんきゅ列!心配しなくたって大丈夫だよ!さ、いこいこ!!」

…しょうがない。
俺は、二人に八代のことを話す。
…神歌ちゃんは、4人での食事にうなずいてくれたものの、華枝は…。

「……………。」
今にも泣き出しそうな顔。
やっぱりな…。
「なあ、八代。やっぱり……。」

「ううん。私大丈夫。」
「…華枝?」
「わたし、おにぃちゃんがいれば平気。それに…。」

「それに?」
「…神歌ちゃんに、言われたの。おにぃちゃんが本当に好きなら、あんまりわがまま言っちゃだめだって。」
「神歌ちゃんが、そんなことを……?」
俺は神歌ちゃんを見る。

「……。」
ちょっと申し訳なさそうな顔をする神歌ちゃん。

…いや、そうだよな。
そのとおりだ。
それは華枝だけじゃなくて、俺も。
互いのためを思うのなら……。

「ありがと。神歌ちゃん。俺じゃそんなこと、いえなかったと思う。」
「列さん……。」
礼を言われるとは思ってなかったのか、驚いた顔をすると、やがて頬を赤く染めた。
「そんな、神歌は思ったことを言っただけですから……。」
「ううん。ありがとう。神歌ちゃん。」
「は、はい!」



「……見せ付けてくれるな。列。」
「あ。」
ふてくされた顔の八代。
「ご、ごめん。」

「いいから、早く行こうぜ!」
「あ、よし!」

こうして俺たち4人は、仲良く昼飯を取ることになる……。


第参章 第二話 兄登場!?そしてゼロたちは?? (ウェイド作者)

カツ…コツ…カツ…コツ
足音が聞こえる。
ここはボード学園。
小等部、中等部、高等部
にわかれている、超超エリート学園だ。
そこに新たに一人転校生が来る。
そう、仮面ライダーセイバーが。

校長「それじゃあ君が、え〜っと」
剣「幻龍剣です」
校長「君が高等部に入る新しい生徒ということだね?」
剣「そうですが?」
校長「それじゃぁ、明日から学校に通うということで」
剣「了解しました」
校長「学校の見学は好きなだけしていいから」
剣「それでは、しつれいしました」
ガララララ……ピシャン


剣「さて……今日は学校の見学で言いといっていたが」
携帯を取り出す。
剣「セルファ潜入は成功した。どうすればいい?」
セルファ『それでは……ひとまず普通にいて。いざこざは駄目よ』
剣「了解した」
携帯電話を切り、そのままポッケに入れる剣。
剣「暇だし屋上に行くか」
外の空気も吸いたい、これが第一理由であった。

ガチャ……バタン。
レンナ「あっこのパフェ屋さんに今度行かない?」
一菜「いいわね、さくらさんと始穂ちゃんも連れて行きましょう!」
きゃいきゃいとはしゃいでる。まったく…近頃の中学生は…って……この声は……いかんいかん!
危うく変身するとこだった…冷静に…冷静に……。
剣「……さて……外の空気が気持ちいな」
とりあえず自然に話さないとなって…なに言ってるんだよ俺!
レンナ「でしょ?ここは僕達のお気に入りの場所なんだよ?」
一菜「ところであなたは?」
剣「あ?紹介が遅れた俺の名前は幻龍剣……レンナお前の兄だ」

…………………
一瞬のとき………


レンナ「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!????」
学校自体が大きく揺れた。

剣「言いたいことはそれだけだ……じゃあな」
ガチャ……バタン。

化石するレンナ……不憫だ。




一方その場所とははるかかなたの森の中。


??????????「ヒヒヒヒヒヒヒ……人形を動かす〜」
????「人形を動かす〜」
イクスたん「させません……」
??????????「あ、創造者の犬だ〜」
????「犬だ〜」
イクスたん「……デルタマシンガン!」

ズガガガガッガガッガガガガ!!!!!

しかしその攻撃するらも軽々とよけられてしまう。
??????????「ムダ〜」
????「ムダ〜」
ゼロ「そうだと思うのか?」
黒き覇者、審判者ゼロ


??????????「審判者だ〜」
????「だ〜」
ゼロ「……ゼロリバース!」
徐々に足から消えていく異型だが……
????「あ……消えてく〜」
??????????「でも、まだ私達の本体が生きてる〜」
ゼロ「しまった……フェイクか!?」
急いで戻そうとするも間に合わずに、胴体まで差し掛かる。

????「さようなら〜」
??????????「さようなら〜、貴方が守っているデュナミストが危険だよ〜」
ゼロ「なっまて!!!」
しかしすべてが消えた……
そのとき……
ゴゴゴゴゴ……


イクスたん「え?きゃぁ!!!」
巨大な手それはイクスを鷲づかみ地面に戻ろうとする。

ゼロ「イクス!?」
それに気がついたゼロ…しかし。


イクスたん「兄様!兄様!!いや……おにいちゃん!!!」
間に合わずに、闇のそこに消えるイクスたん…。

ゼロ「イクス!!!くそ………」
そして、ゼロは創造者の元に戻った。
イクスたんが死んだと報告するために………。


だがイクスたんは……


ゴゴゴゴゴ…ペ!

ドサ!

イクスたん「う……うぅぅ……」
体内でデルタマシンガン乱れ撃ち、これが幸をそうしてか、外に吐き出された。
だがこのままでは死んでしまう……
そのとき……。

槍使い「?なにこの子かわいいって……瀕死じゃない」
槍使いが偶然たちよりイクスたんを基地に連れて行く……ごめん。

槍使い「それじゃあ、私が丁寧に看病してあげるわ!」
イクスたん「(なんか寒気が……)」
最悪の方面に向かっているかも。


第参章 第三話 欠席三人娘・それぞれの動き (ユルカ様作者)


さて、時雨養護施設の地下では…雅菜と京が朝から特訓を始めていました。

…柔道場で。(ぇ)


「えーと…。」

「特訓よ。でも一番初めに基礎の基礎から始めるわ。」

「基礎の基礎…?」

「身体能力の向上、それによる自信をつけることだ。」

「なるほど…。」


思わず納得してしまう京。


「学園には、風邪で休むと言っておいてあるから、今日はたっぷりと特訓できるな。」

「は、はい!」

「大丈夫だ、急に厳しいことはしないからな。とりあえず準備運動で、腹ばい百往復、あひる歩き百往復、V字腹筋百回だ。」

「ん…んな、ムチャな〜〜!!」


前途多難である。

もう一方の欠席者、豊桜 冥(ほうおう めい)はと言うと…。


「Zzzzz…。」


寝てるし!!


「ソフォクレスさーん。朝ですよー。」


アイスキュロスが起こしても、起きない。


「しかし凄い資料の山ですね…。セイバーを探すのに躍起になっているからってこれは…。」


EASE(イーズ)のデータベースにあるセイバーの欄には約439257件ものデータが入っている。

どうやら一晩かけておよそ3分の2のデータを閲覧したらしい。


「いい加減起きてくださいよ、ソフォクレスさん。」

「は…はいぃ…。」


やっと起きた。


「転校生として行動するんですか、それとも…。」

「今日は休みますよ。緊張して疲れが出たってことで。」

「そうですか、ご主人様はすでに行動を始めています。早くしないと。」

「今行くわ。」


ソフォクレスは資料の一番上を手に取り、歩き始めた…。

その手にある資料には…ある事柄が書かれていた…。


『シグマ=志熊 京の製作者について…』

シグマは元々、対オルフェノク用に発案されたライダー少女であり、
他のライダーを倒すほどの実力を秘めている。

製作者であるDr.Sは、彼女以外にもセイバーと言うライダーを開発、
他のライダー少女を抹消しようとしているが、詳細は不明。

シグマとDr.Sを会わせてはならない…。
なぜなら……シグマの記憶にはDr.Sの存在が無い。
会わせてしまうと…自分が変身できる理由を知ってしまうからである…。


「セイバーを倒すか、逃走させるかして追いかけ、その場でこのDr.S…セルファを消す…。」

「そうしないと、まずいことになるのでしょう?」

「シグマは自らの存在理由を失ってしまうかもしれないからね…。」


その頃…エウリュディケは…。

二人の人物を足元にひれ伏せていた…。


『フフフ…。言ったとおりだろう? 君達は負けるのだと。』

「く…私達をどうするつもりですか…!?」

『手駒として使わせてもらうよ。良い駒だろうね君達は…。』

「まさかそれで…京ちゃんを…!?」

『ご名答だが…、もう君達は僕の命令から逃れることはできないんだよ!!』

「ぐぅっ!!」


バチバチィッ!!

電気が流れたような音がして…二人の人物はエウリュディケに向き直る。


『そうだよ…それで良いんだよ。オーガ…そして、デルティー。』

「何なりと…。」

「ご命令を…。」

『よし、ガブリエルも一緒に来い。始めるぞ。』

「「「了解。」」」


…果たして…何を起こそうと言うのか…。


第参章 第四話 来訪者(イシス様作者)


誰も立ち入ることのない廃工場、その中では二人の戦士が死闘を繰り広げていた。




一人は空を翔る純白の装甲に蒼のラインが走る少女。
彼女は背中に装備したバックパックユニットを自在に操り、高位置からの射撃を続けている。
彼女の名は仮面ライダーサイガ………


もう一人は死に神を思わせる漆黒の体表を持つ少女。
手にした両刃の武器を駆使し、飛び交う光弾を全て弾く。そこをすかさず手にした武器から光の矢を放つ。
彼女の名は仮面ライダーカリス………



立て続けに三発、サイガに向けて撃ち出した矢は、しかし捉えるには叶わなかった。
立体的に移動しながら光の矢を避け、反撃の光弾を撃つ。それをカリスは矢を連射し、弾を全て撃ち落していく。



このままでは埒が明かないと感じたサイガは、いきなりカリスめがけて突進を試みる。
咄嗟の攻撃にも冷静に対処するカリス、軽くサイドステップで回避。
地上に降り立ったサイガは背のバックパックユニットからトンファーエッジを引き抜き、そのままカリスへと立ち向かっていく。


振るわれるサイガの右の凶器をカリスは自身の武器−カリスアローで捌く。
弾かれた反動を利用して、サイガは時計回りに回転し足払いを行使する。
それを僅かに後ろに跳躍して回避するカリス。着地と同時にサイガへと接近する。
カリスアローを真一文字に振るい、それをサイガは両手のトンファーエッジを交差して防ぐ。

甲高い音と共に、両者は膠着状態へと移り、互いに一歩も引かない鍔迫り合いをする。
やがて、カリスが力を込めサイガを押し飛ばし、サイガはそれでいて軽く着地、態勢を整える。

しばらく両者の睨み合いが続き、やがてどちらからともなく武器を下ろした。



「ふぅ……お疲れ様、レオナちゃん。」

声をかけたのは黒の戦士カリスからだった。
その一声が合図となり、先程までの両者の殺気は微塵も感じられなくなった。

「お疲れ様、始穂ちゃん。」

返答する白の戦士サイガ。
やがて、カリスはベルト右腰のラウズ・バンクから一枚のカードを引き抜き、ベルトのラウザー部にラウズする。

『SPIRIT』

次の瞬間には、カリスは人間としての姿−相川始穂へと戻っていた。
そしてサイガもベルトの携帯端末を取り外し、ボタンを押し、変身を解除する。
その姿は始穂や一菜の親友、天川レオナの姿だった。





「レオナちゃん、大丈夫だった?」

繁華街を歩きつつ、始穂は隣のレオナに声をかける。
その声色は先程まで戦いをしていた者とは思えぬほど、優しい響きをしていた。

「うん、大丈夫。それよりこっちこそごめんね?急なトレーニングに付き合せたりして。」
「ううん、大丈夫。レオナちゃんの為だもの。」
「私もいつ木場さんから連絡があるから分からないから、せめていつでも体は動かせるようにしないと。」

満面の笑みと共に小さくガッツポーズをするレオナ。それを微笑ましく見守る始穂。

「そういえばこの後、時雨養護施設に行くんだよね?」

思い出したようにレオナに尋ねる始穂。

「うん。草加さんに呼ばれて、特訓の手伝いをして欲しいんだって。」
「特訓?誰の?」
「確か、志熊京さんっていったかな?」
「あ、その人のこと私、一菜から聞いた。つい昨日に攫われちゃったって………」
「うん。でも、なんとか帰ってこれたみたいで。草加さん、今度はこんな事が無いようにって張り切ってた。」
「そっか、良かった。一菜、そのことで凄く落ち込んでたから…」



昨日の夕方、京は槍使いと名乗る仮面ライダーに誘拐されてしまった。その事で一菜は深く傷ついた。

一菜は“全ての人を守る”という理想の元、仮面ライダーとなった。
そんな彼女の目の前で京は攫われていった。
直接には関係の無い人でも、一菜にとってはそうではなかった。

『守れなかった……』

一菜の落ち込み様は相当なもので、始穂やレオナが励ましてもうんともすんとも言わなかった。
そんな京が深夜、エウリュディケと名乗る者と共に発見され、結果、京は無事保護された。
その事を一菜に伝えると、ようやく元気を取り戻したようだった。

「後で一菜やレンナも行くと思う。一菜、京って人に一言謝りたいって言ってたから。」
「そっか…」
「それに、友達になりたいとも言ってた。」
「ふふ。一菜ちゃんらしいね。」

口元を押さえ笑うレオナ。すると、突然レオナは目の前の人物にぶつかってしまい、尻餅をついてしまう。

「きゃっ!」

見ると、レオナの目の前には長身の男性が立っていた。
しわ一つ無いスーツを立派に着こなし、艶やかなウェーブのかかった茶髪が特徴的だった。
顔立ちにしても立派な紳士を思わせるには十分だった。年の頃は30代半ばであろうか。

紳士は驚いた顔で尻餅をついたレオナに手を差し出した。

「すみません、お嬢さん。こんな往来で立ち往生をしてしまい、まことに申しわけありませんでした。」

一部の隙も無いほどの丁寧口調に、レオナは逆に恐縮してしまった。

「あ、いえ!こっちも余所見しながら歩いていて、ホントにゴメンナサイ!」

すぐさま立ち上がり、深々とお辞儀するレオナ。

「どうぞ面をお上げください、お嬢さん。この場は街中で立ち往生をしていた私が悪いのですから。」
「は……はい…………」

紳士があまりにも恭しい態度で迫るので、それ以上レオナは何も言えなかった。

「え…と、何かあったんですか?」

恐る恐る紳士に質問をする始穂。
こんな街中でこれ程の立派な紳士が立ち往生しているなんて普通ではない。
現に、道行く人々は先程からこの紳士に目がいっていた。

「あの…何かお困りですか?よければ、力になりますけど……」
「あぁ、それは助かります。その前に、まずは名乗らなくてはいけませんね。」

紳士は一度ネクタイを引き締め、再びレオナ達に向き直る。

「私、とある国の田舎貴族でして、名をウェルトラーノ=ゼ=ラ=エスカリアと言う者でございます。」
「えー…と、ウェルト……」
「エスカリアで構いませんよ、お嬢さん。以後、お見知りおきを…」

深々と慇懃するエスカリアと名乗った紳士。これで田舎貴族などとはレオナ達にはとても信じられなかった。

「私は、天川レオナです。」
「相川始穂です。」

それぞれ深くお辞儀する。

「レオナさんに、始穂さん。はい、確かに覚えました。」
「それで、エスカリアさんは……?」
「実は我々、ある場所に向かおうと思っていたのですが、何分日本は初めてでして、こうして手をこまねいているのです。」
「我々?」

エスカリアの一言に首を傾げる始穂。それに対しても、この紳士は丁寧に対応した。

「あぁ、これは申しわけありません。実は、私の他にも連れの者が二人いまして。」

そう言って、エスカリアの傍らのベンツから二人の人物が出てきた。
一人はメイドの少女であった。薄い銀髪と完璧に着こなしたメイド服、さながら中世の世界の人間を思わせる。
もう一人は初老の老人だった。運転手を務めているのか、目深に帽子を被り、片眼鏡が印象的な人物である。

「こちら、私の専属メイドのニナ君、それから運転手のクルーガ君です。」

それぞれに深々とお辞儀をするものだから、レオナも始穂も心底恐縮した。

「私、時雨養護施設へと伺おうと思い二人を連れ日本へと来たのですが、何分土地勘がありませんでして。」
「時雨…養護施設ですか?」

聞き返すレオナ。

「はい。私、国では様々な分野の研究をしているのですが、その折にキール博士の論文を拝見しまして。」
「はぁ…」
「その内容にいたく感銘を受けまして、一度お会いしてお話を伺ってみたいと思い、こちらまで来たのですが……」

そう言うエスカリアの表情に少し暗い影が差したようであった。
二人はなんとかして力になろうと思い、レオナある提案を持ちかけた。

「えっと…よければ、地図を描きましょうか?」
「あぁ、すいません。良ければ、お願い出来ないでしょうか?」

紳士は喜んでその提案を受け入れ、レオナは早速、鞄から紙とペンを取り出し作業を開始した。




しばらくして、レオナは完成した地図をエスカリアへと手渡す。その内容に満足したのか、紳士は感謝の言葉を返した。

「ありがとうございます、レオナさん。助かりました。このご恩はいつか必ず返しますゆえ…」
「いえ!いいんですよ。困っている人は放っておけないですし…」
「お心遣い、感謝します。クルーガ君、これを。」

受け取った地図を初老の運転手へと渡す。
クルーガはしきりにうなずいた後、レオナ達に向け口を開いた。

「ありがとうございます、レオナ様。これで旦那様を目的地へと送り届けられます。」

まるで邪気を感じさせぬその表情に、二人は心が和むような気がした。

「ところで、お二人はこれからどちらへ?」
「えっと、私達も時雨養護施設へ行く途中なんです。」
「そうなのですか?よろしければ、ご一緒にどうぞ。」

ベンツへと誘い込もうとするエスカリアに対し、始穂達は慌てて制止した。

「いえ、迷惑がかかります!」
「そうですか?しかし……」
「ここからそれ程遠くないですし、それに、ちょっと歩きたいなーって……」

頬を赤らめもじもじするレオナ。その表情を察し、エスカリアは口元に手を当てる。

「あぁ、そういうことですか。それなら仕方ありませんね。」
「こちらこそすいません。せっかくのご好意に甘えずに……」
「お気になさらないで下さい。しかし、レオナさんとニナ君は似ていらっしゃいますね。」
「え?そうなんですか?」
「ええ。ニナ君も甘い物を食べた後は人一倍働きますから。」

紳士の一言に顔を赤らめ、俯くニナ。その表情にレオナも始穂も軽く微笑む。

「それでは私達はこれで。縁があれば、またお会いしましょう。」
「と言っても、お互い目的地は同じですけど。」
「あぁ、これは一本取られましたね。」

そして、エスカリアとニナを乗せ、クルーガの操縦するベンツが走り去って行った。






「あれが帝王のベルトの保持者、天川レオナとジョーカーかね?」

エスカリアが運転席の老人に話しかける。その声の響きは先程とうって変わって、冷たい色を放っていた。

「そう。と言っても、“騎士団”の殲滅対象ではないけどね。」

クルーガは先程の丁寧口調などではなく、まるで対等の友人と話すかのようであった。
しかも、その声は初老の老人のものではなく、“若い少年の声”であった。

「俺達が殲滅するのはDr.セルファと魔女ウィッチ・ビアンコさ。」
「その事だが、セルファはともかくとして魔女に関しては進展があったのかね?人形使い。」

クルーガ、いや、人形使いは軽く手を振りながら応答する。

「親玉が魔女だって事と大量のゴーレムを所持している事、そして四体の仮面ライダーがいるって事は分かった。」
「ほう、それで?」
「三体までは分かったんだが、最後の一体と失敗作についての詳細は不明だ。」
「失敗作が?どういうことかね。」
「さてね。魔女様の考えなんて俺は知らん。だけど、よっぽど知られたくない情報らしいな。」


人形使いが持ち帰ったゴーレムの頭部。
そこから引き出した情報には、魔女の実行している作戦とその詳細が記されていた。
他にも、魔女の最高傑作の仮面ライダー達についても究明できた。
しかし、その四体の内三体までは詳細が判明したが、最後の一体と失敗作については何も載っていなかった。
この二つの情報には大掛かりなブラックボックスが設けてあり、魔眼使いをもってしても解析は困難を極めた。

「まぁ、よい。私達の当面の任務は志熊京の排除にあるのだから。」
「それで、直接乗り込もうって魂胆かい?“魔術師”?」

エスカリア−魔術師と呼ばれた男は口元を引きつらせて笑いながら返答した。

「まさか。私は本当にキール博士の講義が聴きたいだけだよ。」
「君と槍使いぐらいだよ。任務中に趣味に走るのは。」


第参章 第五話 IF…。(空豆兄様作者)

「生徒があわただしい……。目障りだな。」
鋭い目つきを走らせ、廊下を歩く一人の男子生徒。

幻龍 剣(げんりゅう つるぎ)。
彼には昼食時の学校の賑わいも、行き交う生徒もいらだつ対象だった。

彼はドクター・セルファの作り出した、仮面ライダーを倒すために生まれた仮面ライダー。
このような人と人の行き交う場所に来ることなど、これが初めてのことだった。
それに彼は、常に生と死のみが支配する世界に生きてきた。
目障りなものは排除。それが彼の生き方だった。

…しかし、これも主であるドクター・セルファの命となれば仕方がない。
噴出しそうになる殺気を抑えつつ、彼は校舎内を闊歩していた。






俺たちは食堂にやってくる。
運のいいことに、席がちょうど4つ空いていた。

「ご都合主義だなぁ。」
そこ、余計な事いわない。
俺たちはその空いた席に座り、場所をキープする。

…その中で、華枝だけがおどおどした表情。
「どうしたの?」
俺より先に気づいていたのか、八代が華枝に声をかけた。
「ひ!」
「!!」
よほど驚いたのか、ちいさな悲鳴を上げてしまう華枝。

「あ…。ごめん。驚かせちゃった。」
「はい…。……あ、あの…。私、人の多いところって、あまり好きじゃなくて…。」
初めて話す相手に、少しずつ言葉を伝える。

「いつも、神歌と二人で、中庭でお弁当食べてるから、ね。」
「うん…。今日は、お弁当を作らなかったから、食堂で食べるよって、おにぃちゃんが言っていたけど。やっぱり怖い…。」

「そうなんだ…。大丈夫。怖くないよ。君の兄さんも、友達もいるんだからさ。」
「それに俺も、華枝ちゃんに怖い目にあわせようとか、思わないから。」
「う、うん……。」

八代が、華枝を安心させようとしているのが分かる。
……ここは、任せても大丈夫かもしれない。



「じゃあ、神歌が食券買ってきますね!食べたいもの、どうぞ言って下さい。」
神歌ちゃんが率先して言う。
「まって、俺も行く。」
俺も立ち上がる。
「八代。お前何食いたい?」
「んー。きつねうどんかな。」
なかなか渋いな…。
「わかった。」

「華枝は、何が食べたい?」
「え、えと、んと、えーと……。」
しばし考えて…。
「神歌ちゃんと…同じが良いな。」
そういった。

「じゃ、待っててね。」
「うん。」

「八代…。華枝、泣かすなよ。」
「分かってるって!」

それぞれそういい残して、販売機へと向かう。



「お友達、いい方ですね。」
「あ?うん。」
小銭を投入中、横に立っていた神歌ちゃんが声をかけてくる。

「華枝に、興味があるんでしょうか?」
「ああ…。なんか、そんな感じだね。」

俺としては少し複雑。でも、さっき言われたばかりだ。
いつか、俺たちが別々の道を歩くとき、必然的に華枝との別れがやってくると。
ならばこういうことにも、慣れておかなければならない。
華枝も、俺も。


「華枝に……もし華枝に、恋人とか、出来ちゃったら、列さんはどうしますか?」
「えええっ!!?」

がちゃん!

「……あ。」
思いがけなかった神歌ちゃんのその話に、俺は驚いて別のボタンを押してしまった……。
出てきたのは……。月見うどん。

「あ、ご、ごめんなさい!」
「あ、いや……。」
…これは俺が食べるか。

「はい…。で、あの、どうしますか?華枝に……。」
「あ、うん。……恋人か。」
考えたこともなかった。

華枝は…。これからもずっと俺がついていると思っていたから。
それに華枝自身も、俺以外の男とは、誰とも話したことはなかったから。
恋人なんて……本当に考えもしていなかった。

「分からない。…でも、きっと俺は、寂しくて泣くんだろうな……。」
「泣く……?列さんが…?」
「うん。ずっと二人だった家に、一人残されて。いなくなった華枝の面影を追って、涙を流すんだ。……きっと。」
「列さん……。」

「行こう。二人が待ってる。」
俺は購入した食券を手に、席に戻ろうとする。
「列さん!」
神歌ちゃんはそんな俺に駆け寄り、その右手を俺の左手に伸ばそうとした…。

すっ。

「あ……。」
俺はそれから手を遠ざける。

「ごめん。神歌ちゃん。そんな…気分じゃない。」
「そんな…。神歌こそ、変な事を聞いてしまって…。」
「いいんだ。……行こう。」

神歌ちゃんはその場で立ち尽くす。
俺は…。そんな彼女をおいて席へと急いだ。



「神歌は…そんな列さんのそばで、その涙を拭いてあげたい…。」
「神歌では…。神歌では駄目なんですか?」

………。

その後俺たちは、つつがなく食事を終えた。
がんばって華枝と会話する、八代を見守りながら。
俺と神歌ちゃんは、その後一言も話をしなかった。





「さて…。幻龍レンナとも接触を果たした。今日のところは帰るか…。」

屋上から戻った彼が、玄関に向かおうとした時。

…………………。

ある4人組とすれ違った。
思わず振り返る剣。

「ほう……。ここには面白いものが集まっているな。」
それをみて、ニヤリと笑む。
「ここにはファントム……。そしてシグマしかいないと思っていたが…。クククク。」

鬱陶しい生徒たちの行き交う中、彼は、唯一の楽しみである戦う喜びを見出したのだった。







「………。」
「どうした?」
食堂に向かって歩く中、華枝が一人の男子生徒に目を取られたようだった。
立ち止まり、その後姿を見守っているように見える。

「あ……。うん。あの人、どこかで会った事がある気がするんだぁ。」
「へぇ……。」
俺もその姿を見る。
………あれ。

と、思ったのは良いが、その姿はいつの間にか立ち消えていた。

「なんだったんだろう……。」



第参章 第六話 サラと剣 (ウェイド作者)

一週間前。(ちょうど、ファントムたんとセイバーが始めて戦った日から6日過ぎた日)
セルファ『セイバー、貴方どうしたの?』
セイバー『別にどうもしていません』
セルファ『嘘を言わないで!殺せと言った奴は殺してる、だけどその子供とか殺してないじゃないの!!』
セイバー『殺す必要はありません』
セルファ『あなたどうかしてるわ、昔の貴方だったら有無も言わずに殺してるわよ?』
セイバー『……すみません、任務を開始する時間ですので……』
セルファ『……セイバー002………起動するときがきたかもね」





そして……今から二時間前。

ヴィィーヴィィーヴィー!!!!!
セルファ『どうしたの!?』
研究員『サンプルナンバー103がセイバー専用バイク、スラッシュにより盗まれました!!』
セルファ『なんですって!?』
急いでセイバーが持っている携帯の番号をおす、だが。
『ただいまおかけになった電話番号は現在使われて………』
ただの機械音が流れるに過ぎなかった。
セルファ『最初から、こうするつもりだったの、セイバー!!?』
そして……ついに…スラッシュがレーダーから消えた。
研究員『完璧に……スラッシュを見失いました』
セルファ『もういいわ……作業にもどって』
研究員『はっ!』
????『マスター』
セルファ『いきなさい、セイバー001を破壊それとサンプルナンバー103の奪取が目的よ。場所は恐らくボード学園よ』
????『了解しました』
セルファ『ふふふ……セイバー?分かってるの?貴方が連れて行った子……私の研究成果よ?』
セルファは笑っていた……。






そして現在
剣「くくく………ちょうどいい、………覚醒仮面ライダー……」
右腕の手袋をはずし。変身しようとする剣……だが

??「セイバー!!」
いきなり主の声が聞こえたため、変身するのをやめた。
剣「今の私は剣です、サラ様」

サラ「あ、そうだったごめんねセイバー」
長い黒い髪の毛を靡かせ、少女が誤る……だがセイバーとまた言っている。
剣「………それで御用は?」
サラ「暇だったから来たの」
しばらく時が止まった。

剣「……スラッシュの中にお戻りください」
サラ「いや」
即答するサラ。
剣「お・も・ど・り・く・だ・さ・い!」
サラ「い・や・だ!」
その発言を繰り返すこと10分……
サラ「……おなかすいた」
剣「かえってご飯にしましょう」
サラ「今食べたい!」
剣「……………はぁ、食堂に行きましょう」
剣敗北。


サラ「うまーい!」
月見うどんを食べるサラ………ほっぺにかまぼこが(ぇ
剣「………サラ様、それを食ったら帰りますよ?」
サラ「うん!」
剣「(分かっているのだろうか……)」
はぁ、とため息を吐く剣……哀れだ。

そもそも、彼女はセルファから狙われる対象になる……俺もだが。

剣「まぁ、何かあったら私が守ればいいだけだ」
サラ「んまんま」
剣の意思を知っているのか知らないのか、美味そうに月見うどんを食べるサラ。
剣「…………サラ様、ほっぺにカマボコがついてますよ?」
サラ「あっほんとだ」
ほっぺに付いていたカマボコを食べるサラ……行儀が悪い。
剣「…ん?殺気だと?」
ここはただの学園……さっきの奴等も殺気は出してはいなかった……
サラの額に赤い斑点?まて……これは!

剣「!?サラ様、危ない!」
パン!
次の瞬間……サラが食べていた月見うどんの器が割れた。
サラ「月見うど〜ん〜」
剣「後で食べさせてあげますって。おい!貴様等!急いで伏せろ!」
生徒「どうしたんですか?」
剣「頭を撃たれたいのか!?伏せろ!」
生徒「ヒ!」
剣の気迫に驚いたかしらないが、ほとんどの生徒は伏せた……三人除いて。





一方食堂が見えるビルの屋上にて。
??「あれ?外れちゃった」
緑色の鎧を着た少年がまるで的が外れたように軽く言う。
???「ばか者セイバー001がいるのだ、それにサラ様を殺してどうする?」
紫色の鎧を着た大男がその少年をしかる。
??「てへへ、ごめん」
????「貴様等、さっさとセイバー001を殺しに行け」
青い鎧を着た……セイバーとそっくりの戦士が……発言する。
??「は〜い……セイバー002ううん、セイガー」
セイガー……セイバーのクローンそして……セルファの忠実なる戦士。

セイガー「セイバー……セルファ様を裏切った罪……万死に相対するぞ?」

セイバーがセルファを裏切った?なぜ?
そしてセルファが作り出した人間サラ……ただの人間だろうか?
今、学園に戦いの嵐が吹き荒れる。


  第参章 第7話 もう一人の転校生(岡島様作者)

ボード学園、高等部に幻龍剣の他にもう一人の転校生がいた
少々長めの髪に、眼鏡と言った出で立ちの少女
彼女の名は蒼崎志保、そして彼女は剣と同じくその日は見学
そして、話は、剣が屋上を立ち去った直後にもどる

レンナの学校自体を大きく揺らした大声を聞きつけた志保は
剣と入れ違いに屋上にやってきた
「何かあったの!」
屋上では放心状態のレンナとどうしていいか分からず困っている一菜が
「いえ別に」
と一菜が答えると
「今もの凄い大声がしたけど」
「それはその………」
突如、レンナが志保の方を向き
「あなたは、僕のお姉さん?」
「えっ?」
数分後
一菜は志保に、ここで起きたことを話した。
「それは、驚くわね」
「そう言えば、あなたは?」
と一菜が聞くと
「私は蒼崎志保、転校生よ。あなたは?」
志保が答えた
「私は剣崎一菜です。こっちにいるのが幻龍レンナ」
まだ放心状態のレンナ
「よろしくね。じゃあ、アタシもう行くわ」
屋上から、立ち去る志保。そしてしばらく離れた場所でつぶやいた
「剣崎一菜、ブレイドか………」
そして話は、食堂へと戻る


第参章 第八話 不利的状況の中で… (ユルカ様作者)



「よし…休憩しようか。」

「は…はいぃぃぃ…。」


京はすでにグロッキーになっている。


「でも…どうして基本から始めたんですか…?」

「基本こそ奥義なんだ。最強であり、最重要であるが故に基本なんだ。基本ができてない奴はいつか倒れる。」

「なるほど…。」

『はい、タオル。』


と、何者かからタオルを渡される京。


「あ、ありがとうございます……って、ええぇ!!?」

「何!?」


京にタオルを渡した人物。…紛れもない…エウリュディケだった。


『ご高説はもっともだけど、僕の論理には不必要だね…。』

「なんだと!?」


食ってかかる雅菜。


『なぜなら…シグマはもうすぐ僕のものになるからだよ。だからそんなご高説は要らない。』

「ぼ…僕のものって…北崎さんですか…!?」

『本人が聞いたら怒るよ。まぁ、そこにいるんだけどね…。』


エウリュディケの後ろから、北崎 沙耶、そして木場 夕菜が現れる。

だが…何か様子がおかしい…。


『この二人は今、僕の手駒として使わせてもらっている。シグマ、君が望まないシチュエーションだろう?』

「な…!?」

『そしてもう一人。ガブリエル! 出番だよ!』


エウリュディケを飛び越えて、青き鎧の戦士がその場に着地する。

仮面ライダーガブリエルたんである。


『これで3人…。君たちでは敵うまい。』

「ふざけるな! 変身!」


『913-Stnding by!』
『Complete』


早々とベルトをつけて、カイズィーへと変身する雅菜。

だが、エウリュディケは逆に妖しく笑う。


『それを待っていたのさ。愚かなんだよ!!』


バチィ!!

電気が走ったような音がしたと思うと、雅菜=カイズィーはその場に崩れ落ちた…。


「し…しまった…!」

「雅菜さん!!」


再び立ち上がるカイズィー。

だが…その目は虚ろな目をしていた…。


『これで4対1。君にとって、もっとも不利な状況がここにそろった。さぁ、ショータイムの始まりだ。』

「…皆の…目を覚まさせます!!」

『やれるものならやってみるんだね!!』

「変身!!」


明らかに不利な中、京はシグマに変身…。

果たして戦えるのか…。


『(そう…戦えなくなったところを捕獲する…。そして能力を覚醒させて…「無限」の力を僕のものにする。)』


やはり、特別編どおり腹黒かった。(ぉ)


『(もし、倒すことができたとしても、その時には新たな能力が覚醒している。…こちらには都合が良い。)』


…そう、それがエウリュディケの今回の作戦。

シグマを戦闘不能まで追い込んで捕らえ、能力を自分の手で覚醒させるか…、

シグマにあえて勝たせて、自分から能力を覚醒してもらうか…、

どちらにしても、エウリュディケの目的には一歩近づく。


『(これが、「シグマの能力を覚醒させちゃうぞ作戦」…そのまんまでもバカにしないでもらおう。)』


…バカにするよ。(ぉ)



第参章 第九話 射手 (イシス様作者)


「皆さん!目を覚まして……きゃあっ!!」

シグマの懸命な説得も空しく、オーガは容赦なく手にしたオーガストランザーをシグマに振るう。
それを寸でのところで避け、尚も説得を続ける。

「お願いです!私は皆とは戦いたくない!!」
『ははは。無駄だよ、シグマ。』

そんな彼女の姿を嘲るエウリュディケ。

『誰も僕の洗脳から逃れるなんてことは出来ない。例え僕を倒したところで、無駄な事だよ。』
「そんな………」
『ま、誰も僕には勝てないけどね。』

デルティーの光の弾丸が飛び交う。それを手にした“大鋏”と“加速”でどうにか捌いていく。
しかし、さらにカイズィーの斬撃とガブリエルの槍の一閃が襲い掛かる。

(……駄目!このままじゃ……やられちゃう…………!!)
(それに、私には戦えない…!)

一瞬の戸惑い、しかしそれがいけなかった。
避けたのも束の間、ガブリエルの水の能力がシグマの足を絡めとる。
本来なら“加速”の能力で避けられたはずのものを、わずかな躊躇いが動きを鈍らせたのだった。

「…!しまった!!」
『どうしたんだい?その程度なのかな、君は。』

悪魔の様な笑みを浮かべる相手を睨みつけ、なんとか“大鋏”で戒めを断ち切ろうとする。
が、その水はさらに四方八方からも襲い掛かり、ついには身動きを封じ込めた。
まるでそれは強固な縄のように彼女を締め付け、抵抗することが出来ない状態を作る。
そんなシグマにとどめと言わんばかりに、オーガが携帯端末のボタンを押す。

『Exceed Charge』

オーガストランザーが極光を放ち出し、天井にまで届かんばかりの光刃が出現する。
オーガのその虚ろな眼には、ただ標的を見据えるばかりであった。

「木場………さん……」

悔しさで涙が出る。そんなシグマの姿にも、オーガ達は全くの無反応だった。
結局、自分では何も出来なかった。誰も助けられなかった。

(もっと私に………力があればいいのに…………)
(誰かを……皆を守れる力を…………)

強く望む。
誰かを守りたい、助けたい、そのために強くなりたい。
しかし、その望みも空しく、遂に極光の太刀が振り下ろされる……………




しかし、待てども終わりのときは一向に来なかった。
そこにはただ静寂があるだけだった。

「………………?」

恐る恐る目を開く。
その眼前にあったのは、自身の手元から落ちた武器を呆然と眺めるオーガの姿であった。

「……え?」
『むっ?どうしたんだ?』

シグマのみならず、エウリュディケも表情を変える。その瞬間だった。

突如、飛来した“何か”がシグマを捕らえている水を撃ち抜き、戒めを解いてしまった。
急に開放され、慌てて転びそうになるも、なんとか持ち直しすぐに距離をとる。

『なに!?』

エウリュディケの表情に驚愕の色が浮かぶ。
さらにどこかから飛来する“何か”。その行く先は………………

『がふっ!!』

エウリュディケの右肩を貫いた。
傷その物は致命傷には至らなかったが、エウリュディケはすぐさまその“何か”を引き抜く。

『これ………は…………』

それは“針”だった。とても鋭く、威力の高さを十分に窺えるほどの物だ。
そんな物を、まるで矢の様に撃ち出されたというのだ。
エウリュディケでなくとも驚くのは無理はない。

『どこだ!?どこから………』

すぐさまこの建物の周囲数キロを探知する。
しかし、エウリュディケの探知能力をもってしても、射手を捕捉するには至らなかった。

『僕の索敵範囲を超える距離からの射撃?そんな能力者がいるなんて……………!!』
「ど、どうなってるの……………?」

エウリュディケが受けた謎の負傷を見て呆然としてしまうシグマ。

そんな彼女達の驚きを他所に、さらに襲い来る矢。その狙いは全てエウリュディケに向けられていた。
顕現させたサイコロジカルソードでその矢を弾いていくエウリュディケ。

『(狙いが正確すぎる!ここの内部構造を把握していなければこんな事は不可能だ!)』

未知の敵からの攻撃に驚きながらも、なんとか対処していき、かつ冷静に状況を分析する。

『(ここの監視カメラは僕が支配している…それを使わねばこんな事は…………)』
『(…………僕以上のハッカーがいるというのか?)』

それしか考えられない。さもなくば、ここまで精密な射撃は出来っこない。
敵は少なくとも二人。
一人は自分以上の才能を持ったハッカーがここの内部図を読み取っている事。
もう一人は、その情報を受け自分に攻撃をする超遠距離射撃能力の持ち主。

さらに、この射手は先程から自分しか狙っていない。
シグマを開放してからは全くサポートする訳でもなく、またこちらの手駒達に攻撃するでもない。
ならば、その者の目的は……………

『……僕は邪魔者ってことか…………』

相手はおそらく自分同様にシグマの能力を見極めようとしている。その際に自分の介入がないようにしたいのだろう。
倒すつもりなら、初撃で心臓を射抜けば良かったのだ。それを、わざと致命傷にならないように攻撃をする。
だが、このまま五体満足で済むとも思えない。

『……いいだろう。誰だか知らないけど、その思惑、乗ってあげるよ………』

言うが早いが、手には何時の間にか蝶と鷹が描かれている二枚のカードが現れていた。

『出でよ!!』

二枚のカードを上空へと投げやる。
それはそれぞれ光を放ち、中から二体の怪人が出現した。
蝶の怪人と鷹の怪人、二体は揃ってシグマの方へ向き合う。

『そいつらの邪魔を掻い潜って、全員を解放してみなよ。ま、出来たらの話だけどさ。』
「………諦めない!絶対に皆を元に戻してみせます!!」
『ふふ………その意気だよ。』

そして次第に薄らいでいくエウリュディケ、その姿はやがて影も形も消え去った。
残されたシグマは覚悟を決め、戦闘態勢に入る。
大切な人達を取り戻すために………………!









高層ビルの屋上に立てられた立派なカフェテラス。
そこのテーブルの一画ではスーツを見事に着こなした紳士が優雅にエスプレッソを飲んでいた。
傍らには初老の老人が恭しく立っていた。

「あれで、良かったのですかな?」

老人−人形使いの操る人形クルーガは歳相応の声色で紳士に語りかける。

「私としても志熊京の能力には興味があったからね。これで十分さ。」
「しかし、こちらの動きを察知されるという事はありませぬか?以前、我らのアジトを容易く発見したように………」
「それはありえないさ。」

老人の心配を斬って捨てるようなその発言。
クルーガでなくとも顔を顰めるのは当然の事だった。

「あのエウリュディケなる者は、おそらくシグマの反応を追ってきたのだ。
 彼奴はシグマがいればどこにだって現れることが可能だと、私は推測しているよ。」
「では、あの時は………」
「ただシグマに惹かれて来ただけに過ぎない。」
「では、こちらの“現在のアジト”が判明する事は…………」
「シグマがいない限り、安心であろう。」

まるで教師が生徒に問題を解説するような口調で、紳士−魔術師は事態の究明をしていく。

そして、そのテーブルに近づいていく者が一人。
薄い銀の髪を肩口で揃え、頭にはカチューシャ、そしてメイド服。
西洋人形を思わせるその愛らしい少女に、魔術師は微笑を湛え、出迎える。

「おかえり、ニナ君。ご苦労だったね。」
「……………(感謝)」

魔術師専属のメイド少女ニナ−弓使いは言葉を発さず、ただその表情だけで全てを物語った。



元々、弓使いは裏切り者のオルフェノクであった。
SB社に狙われていた所を魔術師に助けられ、以後、彼のメイドとして生涯を捧げた。
そして、彼女は魔術師を護る為に、進んで彼の生態実験の対象となった。
その結果、彼女は今の超遠距離攻撃を得た代わりに、その声を失った。

そのため、彼女は言葉を話せず、表情が彼女の言葉となった。

「ニナ君と我が娘、魔眼使いが組む事によって、何者もその矢からは逃れられない。」
「……………(恐縮)」

紳士の言葉に、赤くなって俯いてしまう弓使い。

「さて、ではそろそろ養護施設へと行くとしよう。我々が着く頃には、騒動にも決着が着いているはずだ。」
「しかし、良いのですかな?始穂様やレオナ様より後に着くことになるやもしれませぬが…………」
「その点に関しては……………」

魔術師は視線を弓使いへと移す。
見ると、彼女の手には丁寧に包装された商品があった。

「途中、立ち寄ったデパートでキール博士へのお土産を買っていて遅れたとすれば良い。」
「まこと、感服いたします。」

恭しく一礼するクルーガ。しかし、その表情は人形使いの邪悪な笑みであった。

「私は旦那様と暗殺者様には敵わぬものとお思いになります。」
「ふふ……奇遇だね、クルーガ君。」

クルーガの物よりもさらに邪悪な笑みを浮かべる魔術師。


「私が生涯、敵わないと思っている者は、暗殺者ただ一人だけだよ。」



第参章 第十話 秩序と相対するもの (空豆兄様)


時間はさかのぼり、深夜……。


魔女…ウィッチ・ビアンコ擁する最強の仮面ライダー少女二人が実行した、ゼベイル討伐作戦は失敗した。

予想外の協力者、そしてゼベイルの進化。
おまけに二人を連れ戻しにかかった、究極の実験体ミクエイアさえ、手傷を負って帰ってくる始末。
そもそもの戦力差を考えれば、これは完全なる敗北だった。



ある古い洋館の、広間。
そこに、5人の人物が集まる。

「…まさか、二人までも負傷者が出るとはのう。」
しわの深いまぶたから覗く老いた目が、その二人の少女を見る。
ミクエイア、ウルエイアである。

「……。」
二人は、黙ったまま答えない。
「予想外の事態じゃったからのう。仕方あるまいて。」
そういうと、再び彼女は視線を中央に移す。


「ラフエイアよ。「騎士団」と接触したのは本当かの?」
次は、不機嫌そうに拳で手のひらを叩く少女に声をかける。

「ああ…。あのスカした野郎。次にあったらただじゃおかねぇ。叩き潰してやるぜ…!!!」
「騎士団が一人「人形使い」か。こちらのゴーレムを操作して情報を抜き取るとは、まったくえげつないやり方をしよるわい。」
「…よく言うぜ。ババァがやってる事。そっちのがよっぽどえげつないんじゃないのか?」

「それもそうじゃな。キヒヒヒヒヒヒ…!」
「自覚してるのかよ…。」
心底愉快そうに、魔女は笑った。


「おばあさま。私が接触した老人については…。」
ガブエイアが話しかける。
老人。
幻龍 牙鉄のことだが……。

「ああ。確かに興味深いサンプルじゃな。町に放ったゴーレムの報告によると、
そ奴らは「デュナミスト・ライダー」と呼ばれる存在のようじゃ。」
「あの老人も、そんなことを。」
「普通の人間よりも、はるかに高い潜在能力を秘めておる。こやつらも、捕獲の対象としたい。…ガブエイア。また頼むぞ。」
「お任せください。おばあさま。」
「キヒヒヒヒ…。楽しみじゃわい。今までよりもさらに強力な改造実験体が出来そうじゃ。」



「さて……。今後のことじゃが。」

「ゼベイル討伐は、負傷したミクエイア、ウルエイアに変わって、ラフエイア。お前に一任する。」
「望むところだぜ。……ハエ如き、このオレの敵じゃねえと思い知らせてやる!」
「……まあ待て。さすがにまた不測の事態が発生するなどされてはたまらん。お前に新たな改造実験体を与える。」
「ああ。何でも良いぜ。奴を倒すためならな!」
「では、お前の作戦は明晩決行する。それまでお前は町で待機じゃ。」
「待機…………。」

その言葉を聞いたとき、ラフエイアに冷や汗が落ちた。
「あの女……。出来ればもう二度と会いたくねぇ。」

怒鳴った後の恍惚の表情。
そしてその趣味。
思い出しただけで鳥肌が立つ…。
「ぶるぶるぶるっ!」




「…おばあさま。聞かせてほしいことがあるんですが。」
「何じゃ。ガブエイアよ。」

「……「騎士団」とは何なんですか?われわれと、どういう関係が?」

「「騎士団」……か。奴らは秩序の維持を名目にした殺人集団じゃ。」
「秩序…。」
「うむ。奴らはその目的のためになら何でもやる。どんな汚い手を使ってでもな。」
「例えば私は、人をさらい改造し怪物へと変える。これは立派に秩序を乱す行為じゃ。」
「奴らも私の存在に気がついたのじゃろう。町を何人かのメンバーが入り込んでおる。」

「どんな者たちがいるのでしょうか?」
「目的が秩序の維持と銘打っている以上、奴らはそれなりの力を備えていると思っていい。」
「その一人一人が、恐るべき力を持つ異能力者。それらのものが構成員に選ばれるのじゃ。」
「町で確認されたのは、「暗殺者」、「槍使い」、「人形使い」の3人。」

「オレのあった奴が、その一人ってわけか…。面白れぇじゃねぇか。」



「…が、だからとて案ずる事はない。「騎士団」とて我らだけを相手にしておるわけではない。うまく利用してやればいいのじゃ。」
「どういう…意味ですか?」
「奴らは秩序を乱すと判断したものを滅ぼす。…では、例えば、ゼベイルが秩序を乱すと判断された場合はどうかのぅ?」

「冗談じゃねぇ!!奴を殺すのはオレだ!そんなどこの馬の骨とも知れないような…!!!」
「落ち着けラフエイア。例えば、といっておるじゃろう?」
「……。」

「そういうことじゃ。総員「騎士団」には警戒せよ。…それと、ゼベイルに協力した女の素性については、こちらで調べを進める。」
「……ラフエイア。明晩確実にゼベイルを仕留めるのじゃ。奴はこの洋館の場所を知っておる。
他の組織に知られる前に、手を打たねばならん。」
「分かってるぜ……。ハエ、次こそ!!」

「ガブエイアは引き続きモルモットの捕獲じゃ。」
「はい。」

「ミクエイア、ウルエイアは傷を癒せ。特にミクエイア。
…お前はいざというときの隠し玉じゃ。他のライダーが危機に陥ったときに助け出してもらわなくてはな。」
「はい。おばあさま。」
「はい……。」
そういって、ミクエイアは肩の傷をさすった。

「では、今夜はこれで解散じゃ。わしは寝るとするかの…。」



魔女がその場を去ると、広間に暗闇が落ちた。
それぞれが、あてがわれた部屋へと戻っていく。

「………。」
そして、なぜかその場に残るミクエイア。



「肩の傷、か……。」
彼女はもう一度、その傷をさすった。


第参章 第十一話 さくら登場! (ウェイド作者)

ギャレンたん「どうしてこうなるの?」
フォーミュラー『さあな』
話を少し前に戻す……。

ここは幻龍家ガレージ……フォーミュラーはというと

フォーミュラー『暇だ』
だった。そもそも戦闘用に作られたため、レンナがついてこないでといったのだ。
まあ、何かあったとき、のために通信機を渡したが……
早々簡単に敵が来るわけがない……だから暇なのだ。
フォーミュラー『……ドライブでもいくか』
無人の車がドライブ………怖いぞ


そして場所はボード学園に移る……

さくらはボード学園の保健室の先生だ。
しかしそう簡単に、怪我人が来るわけでもない。
そのためかなり暇なのだ。

さくら「あ〜ひまね」
怪我人来ないかしら……。
と思っている、さくら……保健室の先生だとは思えない
さくら「………京って子のお見舞いでも行こうかな」
と言っても暇つぶしのためにだと思っているだろう
さくら「でもあのこのうち知らないからな………」


ぴしぃ!っとガラスにヒビが入った。
さくら「何!?石!!?」
フォーミュラー『暇だから来たぞ』
さくら「フォーミュラー、ガラス割れたら大変でしょ?………あ、そういえばアンタ京って子のうち知らない?」
フォーミュラー『知っているが、それがどうした?』
さくら「それじゃあ乗せてって!レッツゴー!!」

フォーミュラー『おい!……まあ、早々レンナに敵が来るなんてないからいいか…ってお前保健室の先生だろ!?』
さくら「いいから、いいからゴーゴー!」
フォーミュラー『どうなっても知らんぞ?』


そして二人は現在の場所にいる。




時雨養護施設の秘密柔道場(ぇ……にて。
シグマたん「お願いです皆さん!」
いまだ必死の説得を試みるシグマたん…だがそれは空しく四人と二匹は攻撃をしてくる。
二匹を相手すれば四人が、四人を説得しようとすると二匹が攻撃をしてくる。
そのため消耗戦となっているのだ。


??「……」
甘いな、一言はそれだった。
敵に操られているならば殺せばいい。
それが俺流だ。
自分の愛銃を構えて青い鎧を着た戦士を撃とうとする…だが。

フォーミュラー『なっ、ガブリエルだと!?』
GTX−005、フォーミュラーが参入してきた。
??「っち、やめだやめ、さっさとうちに帰るか」
青いマントを羽織った戦士は誰知れずに消えた。

そして、フォーミュラーとギャレンたんはここにいる。

ギャレンたん「ちょ、フォーミュラーに呼ばれて来たら…これは……」
唖然とする、ギャレンたん……無理もない四人のうち三人は一緒に戦ったことがあるのだ。
後ろで、フォーミュラーが『貴様が連れてってと言ったのでは!?』といっていたが無視した

フォーミュラー『……考えている暇はねぇ!クロスアップ…って』
説明しよう、以前合体した衝撃でクロスウイングは使用不可能だ。
というか、壁を突き破れるが………ウィングはこれまた、使用不可能になるぞ?
フォーミュラー『しまったぁぁぁぁぁぁ!!!!』
なぜか、メカなのにムンクと化すフォーミュラー……。
ギャレンたん「というか、あれここの壁壊せるかしら」
フォーミュラー『あっ、確かに無理だな』
ギャレンたん「……(呼んでいたら、壁が燃えているわよ!)」
おもわず突っ込みをしたくなったギャレンたんであぅた。

ギャレンたん「とりあえず……え〜とそこのライダーさん加勢して、いいですか〜?」
フォーミュラー『………そうだ、それが問題だな(だけどまだ、何かいる気が)』


フォーミュラーが感じた、いやな感じのオーラ。
それは……アレが出していたオーラだった。

グォォォォォォォ
地面から聞こえる声……それはまさに怪物の声である。


???「………」
そして、謎の少女……それと後ろにいる大男(?)……彼等はいったい?
それが分かった時、それは彼等が味方になるときであろう。


一方地上で歩を進める青いマントを羽織っている人は立ち止まる。
??「しかし、あの六対三で戦う気なのか? まあ関係ないか」
再び歩き始め、どこかに行く者……彼はいったい?



さらに余談だが。

さくらとフォーミュラーが出て行ったころ…ちょうどセイバーとセイガーチームの戦闘が始まった
生徒「さくら先生!!」
シーン。
生徒「怪我人がいるんですけど……またどっかにいったのかぁぁぁぁ!!?」
さくらは減給1ヶ月だった(ぇ
さらにフォーミュラーはツバキに幻龍家ガレージに入れてもらえなかった。(幻龍家に帰ってきたのが午前5時)
フォーミュラー『こんなことなら』
さくら「いくんじゃなかった」
ぉぃ!それでいいのか!?

第参章 第十二話 謎の戦士 (岡島様作者)

さくらとフォーミュラーが出て行った直後、緑色の鎧を着た少年が学校にやって来る
「さて、始めるか」
少年の周りの空間が歪み、無数の怪物たちが現れる。
「行け」
怪物たちは剣がいる食堂へと向かっていく
その様子を、校舎から多くの生徒が見ていた。その中に志保の姿もあった。
怪物の姿を見た彼女はその場から走り去る
そして
食堂を前にして、怪物たちの前に漆黒の戦士が立ちふさがる
その両手には短剣(双剣)が握られている。
そして短剣を構える戦士、その様子を見ていた少年は、
「誰だかわからないけど、邪魔するなら、容赦しないよ」
襲い掛かる怪物、戦士はその攻撃を避け、怪物の一体に双剣で切りかかる。
だが、怪物の皮膚は硬く、ダメージは与えられない。他の怪物が戦士へと迫り
囲まれる。
すると、双剣が消え、死に神がもつような大きな鎌が出現
それを一振りすると、風がおき、怪物たちが吹き飛ばされる
そして鎌が消え、今度は巨大な大剣が出現、それを手に怪物の一体に
駆け足で向かっていき、それを切り裂いた。
食堂から、その様子を見ていた剣
「何だ、アイツは………」
少年は
「君は一体………」
戦士は答える
「フェイト………仮面ライダーフェイト……」



第参章 第十三話 抜くべき剣は守りの剣 (ユルカ様作者)



「とりあえず……え〜とそこのライダーさん加勢して、いいですか〜?」


シグマに話しかけるギャレンたん。シグマの返事は…


「誰だか知らないですけど…加勢してくれるんならあっちの怪物を倒すほうに回ってくれませんか?」

「ちょっと! 4対1なんて無茶よ!」

「いえ…私のせいでこうなったのなら…私がやります。…私は…仮面ライダーですから。」

「…分かったわ…。フォーミュラー、あんたは私の後方支援お願いね。」

『了解した!!』


そんな、ギャレンたんの方はともかく、シグマの方では…。


「防戦一方で行くしかないなら…! せめて防御用の能力だけでも覚醒させなきゃ…!」


そう思った時、シグマの体に変化が訪れた。

体に銀色の鎧が定着し、腕には先ほどの大鋏は無く、両腕に虎の爪を模した武器が装着されていた。

第5の能力”装甲”、第6の能力”虎爪”である。


「これで…せめてみんなを気絶させられれば…!」


4人を気絶させ、先に2匹を倒してしまえば、あとは説得だけで何とかなるだろう。

それが、シグマの作戦だった。

そんなシグマに斬撃をしようとするカイズィー。

だが、脅威の装甲は斬撃から身を守ってくれる。


「眠っていてください!!」


武器を使うわけにはいかないので、足払いをしてカイズィーはすっころんでしまった。

…偶然にもそのまま気絶。(ぇ)

その様子を見た蝶の怪人がシグマに襲い掛かる。


「あぶないっ!!」


ギャレンたんの声が聞こえるが、シグマはオーガからの攻撃を回避するので精一杯だった。


「きゃあっ!!」


蝶の怪人の鱗粉がシグマの体に降りかかる…。

…そして、その鱗粉がシグマにとってさらに不利な状態に…。


「溶けてる!?」


先ほど斬撃から身を守ってくれた体の装甲も、腕についていた虎の爪を模した武器も…

燐粉によって溶かされてしまった。


「これじゃ…っとと!!」


休んでいる暇などない。

オーガストランザーの斬撃、デルティーポインターの光の弾丸に、アクア・ランスの槍の突き…

装甲が無くなってしまったシグマにとって全ての攻撃は脅威である。


「目を覚まさせなきゃ…! 絶対に…!」

「きゃっ!!」


シグマの横にギャレンたんが飛ばされてくる。

3人の目はいまだ、虚ろな瞳のままだ…。


「みんなを元に戻したいのに…!」


奥歯をギリッとかみ締めるシグマ。

自分が無力であるが故に招いてしまった(と本人は思っている。)今回の状況。

どうしても自分の力で元に戻さなければならない。

その時…頭の中で声が響く…。

エウリュディケの声ではない。むしろ…自分の声に近い…。


『我、疾風となりて、守りの剣を抜け。』

「え…?」

『さすれば、命奪うことなく、敵を滅する。』

「どういう…こと…?」


だが、それ以上声は聞こえなかった…。


「我…疾風となりて…守りの剣を抜け…。」


頭の中に響いた声を口に出すシグマ。

その時!


「な、何…!?」

「まぶしいっ!!」


突如、シグマの体が光りだした。

青白い光…。その光はシグマの体を包み込み、やがて弾けた。

そこにいたのは…もちろんシグマだ…。

だが、その姿は大きく変わっていた…。


「こ…この姿は…!?」


これまで形容詞していなかったが、シグマは淡いグリーン系の姿で戦っていた。

しかし、今の姿は青と白を基調とした姿…。

そして、腰には長剣が、いつの間にか装備(?)されていた…。


「そうか…これは…私の新しい力なんだ!」


疾風を纏いし剣を持つ、新たなる力…


「私は、仮面ライダーシグマ・ゲイルフォーム! 我が剣は守りの剣なり!!」

「…すっごい…。」


ギャレンたんはこの状況に圧倒されっぱなしであった。


「これなら…今度こそいける!!」


3秒後…

先ほどまでギャレンたんの目の前に立っていたはずのシグマはいなくて、

代わりに、オーガ、デルティー、ガブリエルたんが気絶していた。


「は…速すぎる…!?」


「(体が軽い…! まるで…風になったみたい!)」


そのまま蝶の怪人に向かっていくシグマ。

鱗粉を降りかけて、シグマの体を溶かそうとする蝶の怪人だが、あまりの速さに鱗粉が吹き飛ばされる。


「はぁぁぁぁっ! 『ゲイル・スラッシュ』!!」


まさに一瞬だった。あれほど苦しめられた蝶の怪人を一瞬にして、斬ってしまったのだ。


「はっ!!」


鷹の怪人に向かって攻撃を仕掛けるシグマ。

先ほどまでの有利な状況はどこへやら、表情は見えないと言うより無いが、焦る鷹の怪人。


「これで…決めるッ!!」


シグマは華麗にジャンプすると、鷹の怪人に向かって強烈なキックを浴びせる!


「スカーテッド・キィィィック!!」


その攻撃に、なす術も無く倒れる鷹の怪人。(不憫)


「やった…!」

「す…すごすぎる…。」


だが…。


「ぅぅぅぅ…!」

「まだ……やらなきゃならないことがある!」


カイズィーがカイズィーブレイガンを構え、起き上がってきた…。

その目はまだ…虚ろなままだ…。


「みんなを守れる力を…私に…!」


また…力が発動した。(都合良いな)

白き翼…それがシグマの背から生えたのである…。

その白き翼が羽ばたき、白き羽を次々に飛ばすと…

先ほどまで悪意に満ちていた4人の顔が、穏やかなものへと変わっていった…。


「…わ、私はどうしていたんだ…!?」

「雅菜さん!」


シグマは…自らの能力で全員を元に戻すことに成功した…。

そして、それを望むものがここに一人…。


『”変身”、”加速”、”頭脳”、”大鋏”、”装甲”、”虎爪”、”疾風”、”輔翼”…これで8つか。』

「ご主人様、元に戻るとは思ってなかったんじゃ…?」


エウリュディケとアイスキュロスが話している…。


『シグマの能力は”無限”の力を基にしているんだ。変身以外の全ての能力は”無限”に繋がっている。』

「じゃあ…。」

『望む能力がシグマに力を与えるのさ。まぁ、こちらには都合がいい…。』

「………。」

『もっと強くなれ…! 僕の為に…!』


エウリュディケの野望は…まだ続いている…。




第参章 第十四話 イクスと騎士団 (イシス様作者)



目を覚ますと、そこには見知らぬ天井があった。自分が今まで暮らしていた場所とは全然違う場所。
最初、なんで自分はここにいるのだろうと考えた。

うっすらとだが、思い出してきた。

自分は突然、巨大な腕に掴まり、危うく命を落としかけたのだった。
その後なんとか窮地を乗り切って、誰かに助けられた。

ただ、どうしてもその助けてくれた人のことが思い出せない。


いや、思い出せないんじゃない。思い出しちゃいけないんだった。
でも、なんでこんな事を自分が考えているのかは、よく分からなかった。






ゆっくりと体を起こす。イクスは辺りを見渡し、まず自分のいる場所の確認をする。
それほど広い部屋というわけではない。周りはグレーの壁で一面覆われている。
あるのはイクスが先程まで横たわっていたベッドと、簡素な机だけだった。

次に自分の体を見てみる。着ているのは病院で患者が着るような物。
怪我の痕はなく、代わりに治療が施されていた。まだ少し体は痛むものの、それほど苦しいという物でもない。


とりあえずベッドから出て、ドアに近づく。
意外にもドアは簡単に開き、目の前には薄暗い廊下が広がっていた。




「なんだろう………ここ……」

イクスは長い通路を歩きながら、自らの思考の海に埋没していった。
先程から、“何か”が頭に引っ掛かっている。しかし、それが何かまでは分からない。

「ここ………確か資料室で見たことがあったんだけど……………」

全世界の情報を有する資料室。そこで確かに“ここ”の内部構造を見たはずだ。
だが、それが何なのかが思い出せない。


しばらく道沿いに歩いていると、ようやく目の前に扉が見えた。
イクスはノブをゆっくりと引き、中へと入った……………






その部屋は不思議な空間であった。
周りには資料室と比べても引けをとらない程の機械類がその部屋を構築していた。
そんな部屋の中央には白い丸テーブルが置かれている。
テーブルの上には三人分のティーカップ、中身はミルクティーか。
そして、そのテーブルを囲むように三人の人物がいた。

「あ、起きたんだ。」

三人の内、小柄な女の子がイクスに声をかけた。
それに続いて振り向いたのは、一番背の高いおさげの女性。
最後に紫の髪の女性が視線だけをイクスに向けた。

「あ、あの。皆さんが助けてくれたんですか?ありがとうございます。」
「ここまで連れて来たのはこの槍使いだよ。私達はただ手当てをしただけ。」
「槍………使い……………!!」

その名前を聞いて、イクスは思わず身構えてしまう。
その様な名前の人間は騎士団をおいて他にはいないと知っていたからだ。
無論、イクスはこの組織の性質も知っている。それが余計にイクスの体を強張らせた。

「ちょ!ねぇ、千里眼!」
「いいのよ、ばらしたって。どうせ、ここで死ぬんだし?」
「どういう………ことですか………」

千里眼−魔眼使いが指差す先、そこにはイクス専用の武器たるデルタマシンガンが安置されていた。
さらに不機嫌な表情を隠すことなく、イクスに問い詰める。

「あんた、見るからに只者じゃないわ。この武器、あんたのよね?
 あれ、明らかに人間が造れるような代物じゃない。あなた、本気で何者なの?」
「私…………は…………」

イクスは口を噤む。
そう、この事はおいそれと口に出していいものではない。
しかし、彼女のその態度は少女の怒りに油を注いだようなものだった。

「いいかげんにして!!……いいわ、答えられないって言うんなら…………!!」
「お止めなさい、魔眼使い。」
「お、お姉さま!!?」

それまで見守っていた紫の髪の女性−暗殺者は立ち上がり、イクスへと歩を進めていく。

「無闇やたらに敵意を振り撒くものじゃないわ。それは余計な敵を生むだけよ?」
「で、でも!こいつ、絶対に普通じゃない!!」
「普通でなくとも、彼女に敵としての要素を含んでいなかったら、私達の出番ではないわ。」
「う………は、はい………」

暗殺者のやんわりとした口調に、魔眼使いは渋々ではあったが引き下がった。

「怒られた〜〜♪」
「…!うっさい!!」

槍使いの茶々に対し、魔眼使いは鳩尾に蹴りを決める。
しばらく槍使いは悶絶していた。





「本当は貴女の事を知りたいんだけど、どうもそれは無理みたいね。」
「はい……すいません……。」
「謝らなくてもいいわ。人には色々と事情もあるものですし。ただ、名前だけは教えてくれないかしら?」
「は、はい。私、イクスっていいます。」
「そう、イクスちゃんね。私は暗殺者よ。」

名乗った暗殺者はイクスに対し握手を求めてきた。
イクスとしても、特に断る理由もないのでその手を握り返した。
傍らでは、納得のいかない表情の魔眼使いと、いまだに腹を抱えて転げ回る槍使いがいた。

「実は、貴女に折り入って相談があるの。」
「なんでしょうか?」
「いえね、貴女ってなかなか強そうな気がするの。だから、私と練習試合をしてくれないかしら?」
「練習……試合…?」
「えぇ。ここの所、あまり体を動かしてなかったから鈍っちゃった気がしてね。どうかしら?」

イクスは少し考えた。
自分としても、体調が戻ったかどうかの確認をしておきたかった。
それに、この暗殺者と一戦交えてみたいとも思っていた。

「はい、私でよければ。」







イクスが招かれた場所は、広いホールのようであった。
やはりその場も最初の部屋同様に、一面グレーの壁となっている。
しかし、この場も壁や床の下には大掛かりな機械類があることがイクスには分かった。

「やっぱり……ここ、一度見たことあったはずなんだけど………」

懸命に思い出そうとするも、どうしても思い出すことが出来ない。
そんなイクスを不思議に思ってか、暗殺者が語りかけてくる。

「どうしたの?何かあった?」
「あ、いえ!何も……」
「…そう。」

興味を失くしたのか、それ以上暗殺者が尋ねてくることはなかった。

「じゃあ、始めるわよ。いいかしら?」
「はい!行きます!!」

デルタマシンガンを構え、戦闘態勢に入るイクス。
暗殺者は左腕の黄金のリングをかざす。

「変身。」

リングから放たれた黒い光は暗殺者を包み、中からはクロノスと同様の漆黒の戦士が現れる。
しかし、所々に変更点が見受けられた。
主に肩部や脚部、頭部などは以前よりも洗練されたデザインとなっている。

「仮面ライダー黒姫…参る!!」







掛け声と共に、暗殺者が変身した黒姫の姿は瞬時に消え去った。
突然、相手が喪失してしまい驚くイクス。
すると、側面より襲い来る凶器の存在を咄嗟に感知し、慌てて回避行動をとる。

避けたのも束の間、さらに振るわれる凶器の数々。それらは全てが投擲用ナイフであった。
恐ろしいほどの速度と、圧倒的な数量でイクスに迫り来る。

それを、イクスはデルタマシンガンで全てを撃ち落していく。イクスにとって、ナイフなど物の数ではなかった。
こちらに一撃を加える以上、ある程度の殺気が生じてしまう。それさえ掴み取れば、なんとか撃墜することは可能だ。

問題は、この相手自身にある。黒姫は異常な速度でこちらを撹乱してくるのだ。
ライダーの性能もあるのだろうが、それ以上に使い手自身がそういった動きを得意としている。
その事が起因し、本来の性能速度の倍以上の動きを可能としている。

しかし、全く分からないという訳でもない。相手がいかに速かろうが、ある程度の予測は立てられる。
相手が奇襲攻撃を得意とするタイプなら、次に黒姫が襲ってくるのは…………


「そこです!!」
「……!!」

背後からだった。
攻撃の際に、奇襲攻撃型の敵はなるべく相手の無防備な場所を攻撃してくる。
ならば、わざと背後や側面などに隙を作り、そこに攻撃を集中させる。
一見、無防備でありながらも、そこは最も警戒している場所なので、そうそうやられはしない。

相手の動きを逆手にとって、反撃の火蓋を切る。
しかし、黒姫は人間離れした動きで、空中で動きを反転させ、銃弾を全て回避する。

当たりこそしなかったものの、反撃が可能ということはこれで証明出来た。
後は、突破口を見つけるのみ。



黒姫は先程と同じように、ナイフを投擲し牽制を続ける。
その動きにだいぶ慣れてきたイクスは、次第に標的を黒姫へと絞っていく。その時だった。

突然、真正面に突っ込んでくる黒姫。
さすがに正面からの攻撃は予想していなかったものの、すぐに体勢を整える。
互いの距離が5メートルほどのところで、イクスは手にした重火器の引き金を引く。
それをスレスレでかわし、イクスを飛び越える黒姫。

イクスには黒姫が後ろに回るのは容易に想像がついた。相手が降り立つ前に、こちらが攻撃を仕掛ける。
そのつもりで、イクスは振り返ろうとした。
しかし、それが出来なかった。

「う………く………!!」

自分でも何が起こったのか解らない。なぜか、自分の体が全く動かないのだ。
何かに縛られたかの如く、指の一本も動かなかった。
視線だけ下に落とすと、イクスは自身を縛り付ける物の正体が解った。

「これ………は……!!」

自分の影に、一本のナイフが突き立っている。
信じられない事だったが、これが自分の動きを縛っていた物であった。


「どう?黒姫の特殊能力、“影からの誘い手”は?」
「う………」
「貴女は20秒間だけ動くことは出来ない。そして、20秒もあれば……」

イクスの首筋にナイフを突き立てる黒姫。
そのナイフは先程までの投擲用の物とは違い、趣向の凝らされた物だった。
ただ、イクスは直感で理解した。このナイフは危険だと…………なので………………認めるほかなかった。


「私の…負けです………」


第参章 第十五話 ゼロと騎士団 (ウェイド作者)

ゼロ「………この感じ…ここにイクスが……」

結局イクスを探しに来たゼロ。
そして、今からは騎士団の基地上空にいる。(といっても高度1000メートルのとこにいるけど)

ゼロ「………はぁ!」
そして彼は消えた。
イクスに会いに行くために……。

そしてちょうどイクスは………


兄が来るとこを感じた。
イクスたん「……暗殺者さん、兄様が来るけど挑もうとしないで」
暗殺者「それほど強いの?貴方の兄」
イクスたん「強いってものじゃ………」

ヴィーヴィー!!
そのとき警報音が鳴った。

『侵入者!侵入者!数は一人!!』

暗殺者「ここを一人で攻め込む馬鹿がいるようね、それじゃあ危ないから、医療室に戻って!!」

イクスたん「あの!……その侵入者、兄様のような気が……」


そして案の定。


ゼロ「………答えろ、イクスはどこだ」
ボロボロの部屋、そしてジンとゼロがにらみ合っていた。
そこら辺には瀕死と思われる騎士団の者達が……

ジン「知っているけど教えないわよ!!」

ゼロ「……ならば消え……!」
右腕でナイフを弾き返すゼロ。

黒姫「………気配を消したのに、よまれたのね」
ゼロ「投げる瞬間、気配が0.00000001秒だけ感じた」
ほぼ光速の早さである。

黒姫「……本気で行くしかなさそうね」
ゼロ「……よかろうかかってk」
ゴィーン!!!!
二人に殺気が高まったときゼロが倒れた……

黒姫「……はい?」
ジン「へ?」

イクスたん「もう!兄様!!この人たちは命の恩人ですよ!!!!」
よく見れば手に血まみれのデルタマシンガンが……。

ゼロ「……そうなのか!?すまん!!勘違いをしていた!!」

頭を血まみれにしながら土下座する、ゼロ…だらしないぞ?

そして10分後〜

暗殺者「つまり、ゼロはイクスちゃんの兄なのね」
ゼロ「そうなるな」
いまだ頭からちが流れ出ているゼロ……死ぬぞ?

槍使い「へ〜、ぜんぜん似てないね」
ゼロ「………そういうな……」
イクスたん「兄様!ひとまず私はここに残ります!!」
ダメだといわれる覚悟で行った一言……だが。

ゼロ「別にかまわんぞ、そこの槍使いとやらが変なことをしなければな」
なぜか、ものすごい殺気の目で槍使いをにらむ、ゼロ。

槍使いの陰謀ここに果てる?

ゼロ「さてと……今回は貴様等に三ついいことを教えてやる」
立ち上がるゼロ、その目はさっきまで話していためとはぜんぜん違う、そして槍使いと戦闘していたときとも違う
暗殺者「三つ?」
槍使い「なに?」

ゼロ「一つ目は、俺とイクスはデュナミスト。人間であり人間ではない者だ」
イクスたん「人間よりも強いんですよ」
空気の流れが変わった。

ゼロ「二つ目は、欲望に満ちにきった人間は亜種デュナミストとなる」
イクスたん「いわば、怪物です」
地響きがなった。

ゼロ「そして三つ……その亜種デュナミストを俺が今から倒す、俺の真の技でな」
次の瞬間地面が割れ、巨大な……亜種デュナミストが吼えた

亜種デュナミスト「ガォォォォォォオォォン!!!!!」
体長6メートルはあろう巨人だ。
そしてゼロを食おうとする
ゼロ「……今から貴様に裁判をかける……ディズジャッジメント!!!」

巨大な亜種デュナミストの周りに結界が浮かび上がる。

ゼロ「………今から俺が質問…ってムダか……」

亜種デュナミスト「ギャォォォォォォォ!!!!」

ひたすら暴れる亜種デュナミスト……うざったいの一言だ。

ゼロ「冥界で反省していろ」

どこからともなく巨大な剣が………亜種デュナミストを……

ズゴシュゥ………
貫いた。
緑色の血がどぼどぼと流れる…だが
亜種デュナミスト「ガ……ゴ……ギャ……ガ???」
まだ生きていた…死にたいほど……これほどに丈夫な体が
いやと思うほど痛い思いをして……。


ゼロ「冥界に消えよ!」

ズパァン!

そして、闇のそこに引きずり込まれた。

ゼロ「それでは、イクスを頼む。」

そして消えた……謎という謎を残して。


余談だが

暗殺者「(今の私でも負けていたわ……)」
槍使い「(イクスちゃんが来てくれなかったら)」

そう思い、ぞーっとする二人がいた。


ちゃんちゃん。


第参章 第十六話 絶対の盾・そして…疑惑 (空豆兄様作者)

「なんだか、大騒ぎになっているようね。」
ボード学園の三階から、食堂を見下ろす一人の女性。
メガネにスーツ姿、いかにも若い女性教員といった風貌だが…。

「さて…。私はこの隙に、デュナミストとやらを探すとするかしらね。」
それは、変装した魔女のライダー、ガブエイアだった。

魔女から帯びた使命を果たさんと、学園に侵入していたのだ。
「あのおじいさんと似た雰囲気を持った奴。それがおそらくは…。」
「………。」
しばし考えた後。
「あの騒ぎ…。利用できるかもね。」


食堂周辺の騒ぎ…。どうやら何人かの仮面ライダーが関わっているらしい。
もちろん、自分たち以外の別の組織の仮面ライダーなのだろうが…。

「あの辺で張っていれば、ひょっとして……。」



飛び交う悲鳴、轟く叫び。
食堂周辺は大騒ぎになった。

俺たち4人が食堂を出た直後、そこから悲鳴が上がった。
そこのガラスを突き破り、銃弾が飛び込んできたという。

そして別の入り口からは、巨大な怪物を連れた少年が現れて、それが今は黒い姿の仮面ライダー…と戦っているらしい。
黒い姿…と聞いて、あの時見た、羽根の生えた黒い少女かとも思ったが…。

とにかく、今は騒ぎを聞いて集まった人ごみを潜り抜け、安全な場所に移ろうとしていた。


右手には、必死に俺の手を握る華枝の感触があった。
俺もそれを強く握り返すと、前を歩く八代の背を追いながら移動する。
…神歌ちゃんは、ちゃんとついてきているのかな…?



「やっと落ち着いたな…。ったく、人が集まり過ぎだって」
やっとの思いで、人ごみを抜ける俺たち。
「はぁ。華枝、大丈夫か?お前、人の多いところは…。」
「ううん。おにぃちゃんと手を繋いでいたから、全然平気だったよ。」
にこにこの笑顔で返事する華枝。
「そ、そうか。ならいいんだ。うん。」

「くそ。またしても見せ付けてくれるな。」
よっぽど気に入らないのか、恨めしい声を出す八代。

「あ、いや……。」
「……?八代さん、見せ付ける…って?」
まっすぐな瞳で八代を見る華枝。
「う、あ、いや、そのあの……。」
「おまえ、何どもってるの。」
「うるさいな!……あれ。神歌ちゃんは……?」

「……え?」







「こんな学校の中で戦うなんて…。許せない!」
その少女は人気のない場所で、その腕につけた剣のブレスレットを掲げた。

「覚醒!!仮面ライダーファントム!!」

彼女の姿は深い蒼の色に包まれ、戦闘用の姿へと変わる。
「出てる怪物は、ラインカーの亜種…。またあのセイバーね!」
仮面ライダーファントムたん…。幻龍 レンナは疾風のごとく、人気のない廊下を駆ける!

……が、そこに。

「………。」
立ちふさがる影。

「フォームアップ。」
その女性は、その腕に黄金の盾を掲げると、その姿は金色の仮面ライダーへと変わっていく。



「わが名は仮面ライダーガブエイア。我が主ウィッチ・ビアンコの誇る最強の仮面ライダー4姉妹が一人。」
「!!ウィッチ・ビアンコ…?」

「幻龍 レンナ……。あなたを捕獲します。」
その盾を突きつける。
「僕を捕獲…だって!?」

「おばあさまは、あなたのようなデュナミストを求めているわ。実験材料としてね…。」
「実験…!?」

「私と来なさい幻龍 レンナ。…抵抗は無駄ですよ。」
「冗談…!僕は、仮面ライダーファントムは、そんな奴に利用なんてされるもんか!」
「幻のように現れ、影に潜む悪を絶つ……それが僕だ!」

「元気のいいこと。やはりモルモットはそうでなくてはね…!!」

構えるガブエイア。
どっしりと両足を大地に足をつけ、その盾を向ける。

その姿は球面を基調とした鎧姿…。
それほど装甲は厚くなさそう。
アレくらいなら、手持ちの技で抜ける。

(動きは遅そう…。ならば速度で勝負!)

ダッ!!

ファントムは地を蹴る。
その拳に雷を帯び、振りかぶるそれはまっすぐガブエイアに向かって…!!

ガブエイアはそれに向かって盾を構える。
(きた…!!)

ガッ!!

それを確認した瞬間、彼女は床を蹴り、壁を走り天井へ飛ぶ!

ブゥンッ!!

そして両手を組んで脳天へそれを叩き落す!!!
それだけの行動、ほんの瞬きの間……!!!
まるで対応できない、黄金の仮面ライダー…。

バチィィィッ!!!

(入った…!!)
ファントムの雷光拳は、完全にガブエイアの頭部に炸裂した!!

「……ふ。」
「え?」

ガスウウウウッ!!!!

「ぐううううっ!!!!?」

ドガアアアアアアアアアッ!!!!!

…が、ガブエイアはそこから反撃に転じた。
必殺の一撃が、完全に入ったにもかかわらず…!!!

黄金の盾…アブゾル・ケルブの一撃で、レンナは天井に叩きつけられた!!

「残念だったわね。私には、あらゆる攻撃は通じない。」
「そ、そんな……!!」
そういう彼女の頭には、傷ひとつない。

「私は4姉妹の中で、最高の硬度を誇るライダー。
力のラフエイア、リーダーのミクエイアさえ、私にはダメージを与えることは不可能。」
「そ、そんなの、知らないよッ!!!」

すぐさまファントムは立ち上がり、腕に気力を集中、手数を持って彼女に挑む!
疾風のごとく打ち付けるその拳は、一撃一撃が岩をも砕く威力を持つ。
しかし…。

ガガガガガガガガガガガガガッ!!!!

何度叩き込んでも、その盾にはヒビ一つ入らず、たまに抜ける一撃も、彼女には何の効果も見せなかった。
「たあああああああああっ!!!!」

ガツッ!!!

渾身の拳も、黄金の盾にはまるで効かない……が、レンナはその反動で後ろへと跳んだ。
「それなら……。僕の最高の技で…!!!」
「来なさい。……そして味わうのよ。己の無力さを。」

「行きます!!」
ファントムは廊下を走る。
疾風…いや烈風と駆ける彼女の姿は、見えなくなるほどに…!!

ガブエイアを眼前に捉えたとき、彼女は地を蹴り、足を突き出した!

「撃鉄必中・幻影神速蹴り!!!」

ガシイイイイイッ!!!!

その一撃は、ガブエイアに命中すると、レンナの姿を雷と風が包み、一発の弾丸となる!!!
「ぐううううっ!!!?」
それはすさまじい威力を呼び、その黄金の盾をも揺るがしていく!
(いけるっ!!!)

「えやああああああああああああああっ!!!!!」
さらに気合を入れ、彼女を纏う風雷は激しさを増す…!!!!


………だが。

「かかったようね…。」
「!?」
「この盾の名『アブゾル・ケルブ』の意味を知るがいいわ……!!!!」
ガブエイアは劣勢に立たされながらも、不敵に笑った。



黄金の盾は光を放つと、レンナを覆う風雷を、吸い込み始めた…!!
「なっ!!?」

「『アブソリュート・アブゾーブ』……。私の盾はあらゆる攻撃的エネルギーを吸収する。」

レンナの一撃は、すっかり吸い尽くされ…
「そして…。吸い付くしたエネルギーは。」
「…『ケルブ・ラウト』。」

その声に呼応し、その盾は雷と風を一気に解き放つ!!!!



……………!!!!


耳を覆うほどの轟音。
荒れ狂う雷。
吹き荒れる風は辺り一帯を吹き飛ばした。







「はぐれてしまいました…。」
人ごみを抜ける際、列たちとはぐれてしまった神歌。
彼女は彼女で、人気のない場所へと移動してきたのだが…。
「高等部の校舎って、あまり来た事がないからなぁ……。」
プチ迷子になっていた。

「はやく戻らないと、授業始まっちゃう。」
駆け足で別の道を探す。


ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!

「っ!!!?」
その轟音に、びくりと体を震わせる。
「な、なに……!?」
今騒ぎの起こっている食堂以外で、何かが…!?
彼女はそう思うと、その場所に行ってみることにした……。








「……分かったでしょう?私には、あらゆる攻撃を吸収し、それを倍増して撃ち返す能力がある。」
「守りに徹した私に勝てるものなど、この地上に存在しない。」

「ぐ、く、ううううう……っ!!!」
レンナはあまりのダメージに変身を解かれていた。

「さあ。おねむの時間よ。お嬢さん。」
ゆっくりと近づいてくるガブエイア。
「次に目覚めたとき、あなたはもっと素敵な姿に生まれ変わっているはずよ。…楽しみね。」

「ぐう、ぼ、僕は…!!」
なおも立ち上がろうとするレンナ。

「おやすみなさい。お嬢さん…。」
ガブエイアが指を鳴らすと、その背後に『闇』が現れた。


「闇の中へ、ご招待……。」
ガブエイアが召喚した『闇』は、ゆっくりと近づいてくる。
うずくまる、レンナに向かって。

「う、うううう……!」
体を引きずって、それから遠ざかろうとするレンナ。

「無駄よ。こいつからは逃げられない。おとなしく……。」



………!!!!!

その時ガブエイアの目に、あるものが飛び込んできた。
それは、破壊された校舎の影から、こちらを見つめる、赤い髪の女の子…!!!!

「そ、そんな、なんでここに……!!?」

「!!」
その女の子を見て、驚きを隠せないガブエイア。
そしてその隙を、レンナは見逃さなかった!

「か、覚醒!!!」
再び彼女は青い戦士へと変わる!!

「しまった!!」

ズドオオオオオオオオオオンッ!!!!

レンナは全力で地面にこぶしを打ちつけ、土煙を上げた!!

「う……。」
そしてそれが晴れたとき、その少女も、ファントムも消えてなくなっていた。

「逃がしたか……。でも、なんで彼女がここに……。」




「おばあさまに……。報告しなくては。」


第参章 第十七話 暴走!槍使い (イシス様作者)



騎士団のアジト。
そこは突然の襲撃によって所々に損壊が見受けられたが、致命的とまではいかなかった。


そこの中央施設、大掛かりな機械類に囲まれた部屋になぜか白いテーブルが置かれた場所。
そこに、暗殺者とイクス、そして魔眼使いはいた。



「すいません…兄様の所為でこんなに被害が広がっちゃって……」

申し訳なさそうに謝るイクス。
無理もない。今回の襲撃の原因は彼女の兄、ゼロのやったことだからだ。
暴走する兄をイクスは手にしたデルタマシンガンで頭部を殴打、なんとか事なきを得た。

「いいのよ、大した被害もなかったんですし。」
「で、でも!仲間の人があんなにも………」
「あぁ、別に気にしないで。あれ、人じゃないから。」
「え…?」

イクスの頭に疑問符が出る。
ゼロによって襲撃された騎士団のメンバーは軽く数十人には上ろうというものだった。
なのに暗殺者は気にするでもなく、まして全員が人間でないと言ってのけたのだ。

「あれは人間とそっくりに作られた人形なの。だから、被害はないようなものよ。」
「に、人形!!?」
「驚いているわね。まぁ、さすがに貴女のお兄さんでも分からなかったみたいね。」

口元を押さえ微笑を浮かべる暗殺者とは対照的に、驚きを隠せないイクス。
イクスの目から見ても、あれは人間にしか見えなかった。
あれが本当に人形ならば、改めて騎士団という組織の恐ろしさを認識せざるをえない。

「ねぇ、お姉さま。」

口を開いたのは、先程まで興味なさそうに話を聞いていた魔眼使いだった。

「槍使い知らない?さっきから見当らないんだけど…」
「あぁ、槍使いなら出かけて行ったわよ。」
「…はぁ。何考えてんのよ、あいつ。」



その槍使いは繁華街に繰り出していた。あまりの長身とおさげが特徴的なため、かなり目立つ。
しかし、当の本人はそんな事は微塵も気にせず、口を尖らせ不平を撒きながら街を横切っていく。

「ぶーぶー。ゼロの奴、“妹に手を出すな”なんて、私に死ねって言ってるようなものよ!
 ……でも、あいつ強いしなー…」

意気消沈する槍使い。傍から見たらかなりおかしく思われることだろう。

「命をとるか、一時の快楽をとるか……究極の選択ね、これは。」

そんなことに究極の選択をとるのは彼女ぐらいだろう。



「そういえば、ここであの娘と会ったんだっけ……」

街を歩きながら、ふと槍使いは思い立った。
槍使いが会った女の子というのは、ラフエイアのことである。無論、お互いにその正体は知らない訳だが。
あれからというもの、槍使いはラフエイアとまた会いたくて仕方がなかった。

「どうにか会えないかな〜。今度会った時は、絶対に可愛い服着せてあげるんだから!」

そして、その目的も忘れてはいなかった。
しばらく首を傾げながらうんうんと唸っていると、突然、槍使いの顔に明るい色が現れた。

「……!そうだ、張り紙だ!!
 街中にあの娘の張り紙をすれば、誰か一人ぐらいは気付くだろうし、本人が見るかもしれない!」

あまりにも突拍子もない計画であったが、槍使いを動かすにはそれで十分だった。
何時の間に用意していたのか、大量の張り紙をそこいらに貼り付けていく。
しかも、その紙には何時撮ったのか、ラフエイアの写真が添付されていた。

張り紙には…

『この可愛い女の子、捜しています。
 性格はちょっときつめの、体操服にブルマの似合う女の子。見つけた人、連絡下さい。』

と、書いてあった。





ボード学園は今、大騒ぎの渦中にあった。
食堂では謎の狙撃と怪物の襲撃、さらに別の場所では突然の爆発と、異常事態が連続して発生。
多くの生徒は我先にと避難を始める。無論、それは列達も同じだった。

「いたか?」
「駄目だ。神歌ちゃん、どこにもいねぇよ。」

しかし、そこにいたのは列と妹の華枝、列の友人の八代だけだった。
彼らは必死にプチ迷子となった神歌を探そうとしたが、広い校舎と雪崩れる生徒が邪魔して、思うようにいかない。
全員の表情に焦りの色が見える。

「とりあえず、もう一回探してみよう。いなかったら、先に避難したのかもしれないし。」
「そうだな。じゃあ、もう一度……って、華枝?どうしたんだ?」
「あ、うん。ほら、あの人……」

華枝が指差す先、そこは食堂だった。
いまだ騒ぎの続くそこには、すでに生徒の姿は見受けられない。
しかし、彼女が見たのは生徒ではなかった。
高校男子よりもさらに背の高いおさげをした女性が、なぜか食堂の方へと近づいていく。
列も華枝も、少し気になりはしたが、今はいなくなった神歌の方を優先させる。

「今は神歌ちゃんの方が先だ。行くぞ……八代?」
「??」

列と華枝が揃って八代の顔色を窺う。見ると、彼の顔は何か呆れたような顔をしていた。

「どうした……八代?」
「いや…別に……さっさと行こうぜ。」
「あ、あぁ……」

八代に先を促されたことと神歌のこともあって、それ以上の追求はなかった。







槍使いはボード学園の食堂に来ていた。
なぜ来たかと言うと、本人曰く可愛い女の子の気配がした、とのことだ。
彼女は物陰からこっそりと中の様子を窺う。その視線の先には、二人の戦士、そして数多の怪物達。
二人の戦士は互いの視線を外さない。いや、外せない。
少しでも集中力を欠けば、負けるということを互いに肌で感じているのだ。
そのため、槍使いが見ていることにまで余裕は割けない。

「うわ〜…女の子だ〜〜……」

片方の漆黒の戦士−フェイトを女だとすぐに気付く槍使い。
女の子好きの彼女ならではの、凄く無駄な能力だった。

「もう一人は……なんだ、男か………」

相手の少年−メツが男だと分かると、速攻で興味を失くした。

「…なんかあいつ、どっかで見たことあったような……
 セイバーだったか、サイダーだったか……ま、どっちでもいいや。」

騎士団の最優先殲滅対象に関るライダーをどうでもいいと言ってのけるなど、槍使いにしか出来ないだろう。

「とにかく、今はあの女の子よ。……凛々しい感じがするな〜、いいな〜……」

すでに涎まで垂らして、戦力の分析ではなく女の子の分析を始める槍使い。

「ふむふむ……眼鏡っ娘か〜、ポイント高いな〜。」

一目見て眼鏡を使っているなんて事が分かる。はっきり言って、異常だ。

「あの娘にも可愛い服着せたいな〜。でも、今は邪魔できる雰囲気じゃないし……そうだ!!
 あの娘のピンチに咄嗟に助ければいいのよ!!」

彼女の中で、良からぬ企みが芽生えてしまった。

「敵の攻撃に傷付き、絶体絶命の女の子……そこを颯爽と助ける私……
 女の子はお礼にと、可愛い服を着て………ムッハーーーーーン!!」

自分の妄想で身悶えする槍使い。

「いい!!これはいいわ!!」

いつでも戦闘準備に入れるようにする槍使い。
彼女の頭の中には、フェイトが勝つという可能性はなかった 。


第参章 第十八話 Sword of promised victory (岡島様作者)

(いやな予感がする………)
この戦いに負けてはならない。そうフェイトの第六感が囁く
フェイトは自分の背丈ほどの大きさの大剣カリバーンを手にメツとにらみ合いの状態
になっている。なおこれまでにフェイトは数体の怪物達を倒し、その足元には
怪物の死骸がある。
そして、にらみ合いを続けた後、先に動いたのはフェイトだった
フェイトはカリバーンを手放し、跳躍した。地面に落ちたカリバーンは、消滅
そして、着地、フェイトは校舎を背にする形でメツの方を向く、その手に
長剣「クラウソナス」が握られている。剣を手にフェイトは呟く
「Sword of promised victory………」
フェイトの目の前に五芳星が浮かび上がり、クラウソナスが輝き始める。
「まずい!」
危機を察し、ゼルエルライフルを構えるメツ、そしてフェイトを
阻止しようと襲い掛かる怪物たち。
ライフルを撃つメツ、同時にフェイトが目の前に浮かび上がる五芳星を真っ二つに切るように
剣を振った。
すると眩い光が放たれ、怪物やメツを飲み込む
光が消えた後は怪物やメツの姿はない
「やったか………」
だが一発の銃弾が肩をかすめる
「な………」
ゼルエルライフルを手に現れるメツ
「まったく、後一歩遅かったら危なかったよ……」
「…………」
現在フェイトの体力は低下している。当然クラウソナスの必殺技のせいだ
「さっきの技で、相当疲れているみたいだね」
フェイトに迫るメツ
「終わりだよ……」
その時、メツの前に立ちはだかる者が
「君は」
そう、槍使いこと仮面ライダージンである。
(いよいよ来たわ。この時が)
これからの事を考え期待に胸が高鳴る槍使いだった。



第参章 第十九話 暴走する力 (ウェイド作者)

レンナ「く…はぁ…」
先ほどの戦いが堪えたようで、体が上手く動かないレンナ。
だが。

ラインカー『グルルルゥ……』
無情にも敵が襲い掛かる。

レンナ「もうだめ?……死にたく……ないのに」
次の瞬間赤い光が辺りを包んだ。
ラインカーたちは蒸発し、廊下は消え去った。
そして瓦礫の中から、破壊を望む狂言者。
レンガが現れた……。


レガン「ひゃははははは!!!!14年ぶりの外だぜ!!!!」
そして彼は消えた…否
変身したのだ
赤い悪魔、仮面ライダーブラッドに。

一方食堂(跡地)では。

セイバー「……槍使い……ジンか」
ジン「さて……覚悟しなさい!そこの緑の奴!!!」
メツ「なっ、ぼくはメツと言う立派な名前がある!!」
……視点がずれている気がするが……気のせいだろう。

セイバー「………それはさておき……帰ってもらえないか?セイガー」
セイガー「無理だ」
セイバー「即答か…ならば……」
セイガー「力ずくでも」
二人とも構えていた武器を強く握り締める。
セイバー&セイガー「帰ってもらう!(サラ様を連れ帰す!)」

だが…二人は戦わなかった。

サラ「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
サラの叫び声が聞こえたからだ。
そして。

メツ「なんだよこれ!?気の流れがおかしいよ!?」
気の流れ……つまり風の流れが一気に変わった。

ジン「……こんな殺意……誰よ相手」
そして強大な殺意があふれてきた。

そう。
赤い悪魔が。

舞い降りた……
ブラッド「何してんだよ、俺抜きでさぁ!!!!」


第参章 第二十話 町へ行こう! (空豆兄様作者)

「うぁ〜ん…。暇だよ〜。」

自室のベッドの上で、脚をじたばたさせる小さな少女。
その肩に巻かれた包帯から、彼女は怪我人だということを窺わせるのだが…。

「じっとしてるなんてつまんないー!決めたー!外に遊びに行く!」
ぴょんとベッドから飛び降り、彼女は寝巻きからよそ行きへ着替える。

「えへへぇ…。でも、無断で外に出たら怒られちゃうなぁ…。」
彼女は少し考えると、とりあえず外へと出た。
「歩きながら考えようっと。」


地下に作られた陰気な廊下を、忍び足で歩く。
「ん……。あ。声がする。」
その途中で通りかかった部屋に、彼女は足を止める。


「何の話かな…?いるのは、おばあさまとガブエイア…?」



「デュナミストの確保に失敗…か。」
「ごめんなさいおばあさま。すぐにでも次の捕獲作戦を……。」
「まあそれはよい…。それよりも、なにか気になることがあったようじゃな?」
「はい。じつは……。」



「ガブエイア、もう帰ってたの?それに、目標の確保の失敗?ガブエイアが失敗なんてめずらしいなぁ…。」
「気になることって、なんだろう?」
彼女は、再びその扉に耳をつける。



「ほう…。それは面白い話じゃなガブエイア。」
「はい。では彼女は、確かにいるんですね?」

「うむ。奴はここから出てはおらぬ。本人に確認済み、屋敷の警護・監視用ゴーレム「ゲートキーパー」のお墨付きじゃ。」
「では彼女は……?」

「おそらく………。」



「良く、聞こえないよ…。」




「……。」
「そのようなものが…。初耳です。おばあさま。」
「無理も無い…。お前が誕生する前に、作られたのじゃからな。」

「では…?」
「今は捨て置け。…じゃが監視をつけよ。うまく事が運べば、面白いことになりうる。
ゼベイルと同じ学校の生徒なのじゃろう……?」
「は…はい。」
「キヒヒヒヒヒヒ……。楽しみじゃな。監視が報告を持ち帰る明日が。」
「キヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…!!!」




あとは、もう笑い声しか聞こえない。

「肝心な所聞こえなかったよ。…ボクには全然分からない話だったけど。」
「でも、ガブエイアは言いつけ守れなかったんだよね。じゃ、ボクが代わりにってことにすれば、外出オッケーかな?」
「あは!そうだよね。うん、そうしよう!」

小さな少女は…。ウルエイアはそう心に決めると、駆け足で外に飛び出す。


……。


『ヴガ………。』
屋敷の池に赤い光の点が浮かぶ。
それがこの屋敷を守る門番、『ゲートキーパー』。
おばあさまゆかりのもの以外がこの地に足を踏み入れたとき、この子は起動してすべてを踏み潰すという。
ボクはまだ見たことは無いけど。

「ボクでかけてくるね!おばあさまによろしく!」
ボクはその光に声をかけると、森から町へとかけていく。


「ボクがそのデュナミストっての、捕まえるよ!」


第参章 第二十一話 夜のレストランにて (イシス様作者)



空はすでに満点の星々が輝く刻となった。
繁華街ではいまだに多くの人が夜の街を行き来し、街に活気を残し続けている。


そんな街に立派に門を構える、豪奢な洋風レストラン。
その街に住む者なら誰もが一度は行きたいと思うも、しかし叶わぬ場所。
このレストランで食事が出来る者は限られているのだ。



それ程の高級店は今、ある客達によって貸し切りとなっていた。



「……………」

思わず息を呑む京。
いや、京だけではない。この場にいるほぼ全員があまりの豪華さに溜息をついた。
相変わらずマイペースな北崎や落ち着いた表情の橘、こういった場に慣れているであろうキールやエスカリア。
そして招待主の木場などは、いたって普通であった。

「気に入りませんでした?」
「い、いえ!そんな、気に入らないなんて………」

慌てて弁解するレオナ。それに関しては皆、同意見であった。
どちらかと言えば、豪華すぎてどうしていいか分からないと言ったところだった。
京、レオナ、始穂、橘、雅菜、北崎、そして水美は、普段こういった場所に来る事などない。
そのため、先程からしきりに周りをチラチラ見渡す。


「レ、レオナちゃん…私達、なにか凄く場違いな気がする………」
「う、うん………」

始穂の心配に肯定するレオナ。

「だ、大丈夫かな?私達……こんなとこ来ちゃって……」
「ど、どうなんだろうな……」

水美の問いかけに言葉を濁すように返す雅菜。

また、全員が正装としてドレスを着てはいるものの、やはり着慣れないのか、落ち着きなくそわそわしている。
もっとも、北崎の場合は京や水美などのドレス姿に酔いしれていると言った感じである。
橘にいたってはすでに頭の中は料理のことでいっぱいであった。



「今日はこの素敵な出会いを祝して、盛大に盛り上がりましょう。」

木場が代表して祝辞を述べる。
なぜこのような状況になったかと言うのは、少し時間を遡ることとなる。


京が新たな能力を発現させたことで、エウリュディケによって操られた木場達は無事、解放された。
その後しばらくして、始穂とレオナ、遅れてエスカリア達が来た。
全員、初見の者も多いということで、木場の提案により急遽、食事会が開かれることとなった。

木場が用意する以上、それ相応の店が用意されるのは必然というもの。
そういった場所に入るにはそれなりの衣装が必要となる。
そのため、木場が用意したドレスを着てこの店に来る事となった。

ちなみに、当然の事ながら北崎は大暴れすることとなった。
京や水美があたふたと着替えているのを、彼女が見過ごすはずがない。
彼女達に近づき「かわいーかわいー」と言いながら、恐ろしい事をやってのけてくる。
なんとか良識人の雅菜や木場が阻止したものの、「かわいー」初体験の水美は、北崎を十分恐れる事となった。


次々と運ばれてくるメニュー。食が進めば会話にも華が咲くというもの。
自分達がかなり特殊な境遇であることもあって、打ち解けるのにはさほど時間を必要としなかった。

「じゃぁ、水美さんはデュナミスト・ライダーって言うんですね?」
「うん。これでも結構、腕には自信があったんだけど、私もまだまだだね。」
「ズルズル……」

京と水美が話している脇で、一心不乱に食事をする橘。

「橘…食ってばかりじゃなしに、少しは会話に参加しなさいよ……」
「はは…始穂ちゃん……それ、ちょっと難しそう……」
「ズルズル……」

始穂が言っても橘は止まる気配を見せない。それが分かっているのか、レオナも深くは追求しない。

「京に特訓をつけるつもりが、この様とはな…私にも特訓が必要かもな?」
「そ、そんな……雅菜さんは強いから、そんなことは……」
「ズルズル……」
「いや。私も少々、自惚れていた。明日からは、皆で特訓だな。」
「は、はは…」
「ズルズル……」

雅菜の提案に、ただただ笑うしかない京。

「ねぇ、京ちゃんに水美ちゃん。今日は私と一緒に寝よ?」
「「お断りします!」」
「ちぇっ。」
「次の料理はー?」

皆、最初の方と比べ雰囲気にも慣れてきたのか、楽しそうに談笑をする。
中には食べてばかりの者や、危ない誘いをする者もいたが。

木場やキール、エスカリアもまた会話に華を咲かせる。と言っても、内容はとても専門的なものであった。
しかし、科学者のキールやエスカリア、そしてSB社の社長たる木場にとってはとても楽しめた内容だった。



「そういえば、ここに来る前に変な張り紙があったんだけど。」
「張り紙?」
「うん。これ…」

始穂が手渡した物を見て、殆どの者は顔を顰めた。
その張り紙とは、槍使いがラフエイアを探すために街中に貼り付けた物だった。
書いてある内容と写っている写真にあきれ返る一同。

「誰なんだ?この娘。」
「街中で出会った娘なんじゃないかな?これ張った人が。」
「ズルズル……」

見たことのない女の子に疑問符が浮かぶ雅菜と水美。

「だから、橘はいい加減に食うのを止めなさい!」
「始穂ちゃん……無理っぽいよ…」
「ズルズル……」

やはり始穂の怒りのツッコミにも無反応の橘。レオナにいたっては、すでに諦めているようだった。

「誰がこんな悪戯を?」
「北崎じゃないよな。私達と一緒だったんだし。……って、北崎?」
「…………」

恐る恐る北崎を見やる一同。
見れば彼女は俯いたまま肩をわなわなと震わせていた。


そして爆発した。


「や・り・つ・か・いめーー!!ゆるさーーーーん!!」

突然席を立ち上がり叫びだす北崎に、さすがに全員が驚いた。

「い、一体どうしたんだ!?とにかく落ち着け!!」
「これがどうして落ち着いていられるのよー!!あの女、こんなにかわいー娘と面識あるなんてー!!」

「「「「「「そこかよ!!」」」」」」

全員が(橘やエスカリア、キールを除き)息もピッタリにツッコミを決めた。

「だってだって!あーん!!私もこの娘に体操服着せてブルマ穿かせたいー!!」
「格式高い店でそんな事を叫ぶなー!!」
「あ、すいませーん。注文いいですかー?」

北崎達の様子を眺めながら、木場は頭を抱え、エスカリアは失笑していた。

「賑やかですね、木場社長のご友人の皆様は。」
「……お恥ずかしい限りです////」






しばらくして、北崎も少しは落ち着いたようだった。全員、色んな意味で疲れ果ててしまった。

「だいたいさ、なんであの女ばかりいい思いするのかな?」
「わ、私達に聞かれても……」
「僕っ娘は攫おうとするし、京ちゃんにスク水着せて……あーん!羨ましいーー!!」

スク水と聞いて忌まわしい暗部を思い出してしまい、表情がブルーになる京。

「……でも、ちょっとだけあの女に感謝してる部分もあるのよね…」
「はい?」
「ほら、これ。」
「………いやぁぁぁぁぁぁ!!//////」

北崎が取り出したのは自分の使っている携帯電話であった。
開くと、そのディスプレイに映っていたのはなんと、京のスク水姿であった。
何時の間に撮ったのかとか、なんでそんなにキレイに映っているのかとか、ツッコミ所は沢山あった。

「もー、この京ちゃんかわいくてかわいくて……」
「消してー!今すぐ消してー!!」

必死に懇願する京。だが、悪魔の所業はまだ終わってはいなかった。

「あと、ほら。さっきの京ちゃんと水美ちゃんの着替えシーン♪」
「「いやーーー!!///////」」



二人とも、折角の豪華な料理も北崎のお陰で、それ以上喉を通る事はなかった。

「これ食べてもいいかな?」





ちなみに、橘と一緒にきたフォーミュラーはと言うと……

『高級店でこれだけのどんちゃん騒ぎなんかするか?普通……』

レストランの駐車場で一人愚痴っていた。



第参章 第二十二話 戦場は変わりて… (ユルカ様作者)



昼のボード学園…そこは戦場と化していた。

フェイト、ジン、メツ、シルス、セイガー…

そして、セイバーとサラ…総勢6人(サラ除く)の戦いは

仮面ライダーブラッドの登場により、厄介な方向へと動き出していた。

しかし、実は9人目の人物がこの場を見ていることなど、誰も知る由もない…。


「あんな何処の馬の骨とも分からない奴に…邪魔なんて…させるもんですか!!」


豊桜 冥…いや、EASEが一人…ソフォクレス。

その手には8枚のカードが握られていた…。



「何だ…お前は…!?」

「ひゃははははは!!!! 弱っちいのが7人もいやがるぜ。」

「ムゥ…!」


セイバーがブラッドに問うが、ブラッドはこの状況を楽しんでいるように言う。

そんなブラッドを見て、セイガーも思わずムッときたらしい。


「もっと強そうな奴はいねえのか…!」

「ここにいるわよ。あなたの望む者が。」


「「「「「「「っ!?」」」」」」」


思わず、全員(ブラッド除く)が反応してしまう。

目の前に現れた少女…ソフォクレス:豊桜 冥だ。


「可愛い…。」

「貴方達には…もっと相応しい場所で戦ってもらうわ。」


そう言うと、ソフォクレスは8枚のカードをばらまく。


「出でよ!!」


そこから現れたのは、8匹の…蜻蛉(トンボ)の怪人…。


「面白そうだな…そいつらを殺させてくれるのか…?」

「この子達の力は、こうするためにあるの。」


そう言うと、8匹の蜻蛉の怪人はサラに向かって飛び立った!


「きゃあっ!!」

「「サラ様!!」」


セイガーとセイバーが同時に動く。

だが、8匹もいるために、セイガーとセイバーの攻撃をすり抜け、サラを捕まえる蜻蛉の怪人。


「きゃっ! ちょっと、離してよ!」

「向こうへ行ったら開放されるわよ。」

「む…向こう…!?」


次の瞬間、サラとサラを捕まえていた蜻蛉の怪人の姿が消えた。


「さ、サラ様が…!?」

「貴様…サラ様を何処へやった…!!」

「あなた達も行ってみる? 私達のバトルフィールドへ。そこに彼女もいるわよ。」


セイバーの怒りを軽く受け流すソフォクレス。


「どうやったら行けるんだ…?」

「この子達を背中に付ければいいのよ。」

「なるほど。セイバー。先に行かせてもらう。」


そういうとセイガーは、蜻蛉怪人を掴み背中に無理矢理貼り付けた。


「不憫ね…。」


ソフォクレスの呟きと共に、セイガーの姿も消えた。

その後すぐに全員が蜻蛉怪人を背中に(無理矢理)貼り付け、全員がバトルフィールドへとワープした。


「これでいいわ…。さてと、私も移動するかな…。」


ソフォクレスは意識を集中させると、その場から消え去った。



「ここが…バトルフィールド…。」


そこは荒れ果てた荒野のような場所だった。

そんな荒野に透明なドームが覆いかぶさった状態がこのバトルフィールドである。

実はこのドームは前に風瀬 華枝(ゼベイルたん)が眠っていた場所であり、

この荒野も正体を明かせばただの立体映像である。


「8体の蜻蛉達も一緒よ。さぁ、始めるわよ。プライドをかけた戦いを…。」

「ちょっと! さっきのちょっち可愛い子は何処へ行ったのよ?」

「そんなことはともかく、あなた達の疲労、傷は完全に回復しているわ。思う存分戦いなさいな。」

「あんたには何の利益があるんだ…?」

「勝てば分かることよ。では今度こそ…始めさせてもらいましょうか!!」


ソフォクレスが銃を抜いた瞬間、全員が全員…一斉に動いた…!!


「セイバー…!」

「おとなしくしていてください。手荒なことはしたくありません。」


サラは椅子に座らされて、紐でグルグル巻きにされていました。

目の前には巨大なモニター。そこにはセイバーたちの戦いの様子が映し出されている…。


『さぁ…戦いなよ…。そして敗者から順に…僕の手駒にしてあげるよ…。』

「(セイバー…勝って…。そうじゃないと私…!)」


戦いの舞台は移った…そして戦いの目的も…。



第参章 第二十三話 鋼のデュナミスト=槍使いとライバル?(ウェイド作者)

ソフォクレス「そこで戦ってください」
………どういうことだ?
それに……やつらは確か敵対していたやつだろ?

しかし、早くしないと、サラの中に眠る者がおきる……。


セイガー「……とりあえず」
己の二刀を構えて赤いライダーに目を向ける。

セイバー「休戦だな」
セイバー&セイガー「あのデュナミスト・ライダーをぶったおすまではな!」
己の愛用剣を取り出し、破壊の称号を持つものに挑む二人の剣…だが。

ブラッド「無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!貴様等で俺様は倒せねぇ!」

破壊の称号を持つライダー、ブラッドの血の舞が始まった。



場所は変わりて、創造者の部屋。

ゼロ「……破壊の称号を持つものが来たか」

ガーゴイル「どうするんだ、いくのか?」

ゼロ「今はまだいかん、それに……鋼が向かっている」

ガーゴイル「……大丈夫か?」
鋼の称号を持つもの、確か超がつくほどかわいい物好きである。

ゼロ「…………わからん、私も人間界に行くか…」
少し後悔するゼロであった。

……場所を戻そう。


ズガァン!

セイバー「っち!カオスデクトラクション!」
己の必殺技をけしかけるも。

ブラッド「無駄!」
奴に着く前に何かのバリアに弾かれる。
きりが無い。

セイガー「……一点集中するぞ!」
セイバー「おう!」

二人が剣を構えて、ブラッドに突撃しようとしたそのとき!

ズガァァァァン!!!
いきなり何も無かったとこから壁が現れたと思いきや、それが崩れたのだ。

セイバー「!?」
セイガー「いきなりなんだ!?」

?????「ふふふ〜ゼロちゃんから聞いたけど……確かにかわいい子が四人もいるわー!!!」

いきなり現れた謎のライダー……乗りが槍使いと同じだったりする。
と言うか……。
セイガー「四人?ソフォクレスと言う奴とフェイトだけだが?」

?????「ん〜とね、この近くに女の子がいるのよ〜、それも上玉!」

セイガー「……はぁ」
なんなんだこいつ……、サラ様のことか?
というかなぜ分かる。
聞きたくなるな……。
ジン「いきなりなによ、アンタ!!!」

?????「あ、私の名前は仮面ライダースティール、といかアンタには興味ないわ」

ジン「ふざけないでよね!せっかくあそこにいる、女の子を救って、ラブラブになる私の計画がー!!!って……四人?」
いきなり叫んだあと、動きを止める……まあ無理も無い。
まずサラ(ここにはいないけど)とフェイトそしてソフォクレス…つまりここには三人しかいないはずである……

スティール「そうよ、そうねセイバーって子は誰?」

セイバー「私だ」

スティール「………貴方、女ね?何で隠すの?」
衝撃的真実……ってえ!?
セイバー「……なにを言っている? 私はセイバー、正真正銘の男だ」

スティール「そうか!ペルソナの力と記憶操作ねでも……」
いきなり、セイバーを抱きしめるスティール……っておい!

サラ「……(化石化している)」
ソフォクレス「な……」
エウリュディケ『へぇ』

セイバー「な……な…なな……」
抱かれているセイバーすらも困惑している。

スティール「ふむ、正真正銘の女の子……」
ズガァン!

ゼロ「心配してきてみれば……なにをしている己は」

どこからか取り出したかハリセン(オリハルコン製)でぶん殴ったゼロ……ハリセンがまがっている。

スティール「痛いじゃない!バカゼロ!!」

ゼロ「私が命じたのは、剣を捕まえるではなく、破壊者の再度封印!

スティール「減るものじゃないじゃない!!」

ゼロ「貴様は命令すらも出来ないのか!?」

その話を聞いて己の本能がやばいと判断したセイバーは逃げ出した。

スティール「ああ!バカゼロ!セイバーちゃんが逃げちゃったじゃない!」

ゼロ「と言うか、貴様に命じたのは破壊者の再度封印だ!それに、剣をつれてきてどうするつもりだ!?」

スティール「ふふふ…聞きたい?」
なぜか後ろに悪魔(それも上級)がいたような気がしたが……気のせいだろう。

ゼロ「遠慮する」

ジン「く〜!セイバーが女だったなんてー!!唾つければ良かったわ」
よほど悔しかったのだろう、どこからハンカチを取り出してかんでいる。

ゼロ「と言うか、ここにもスティールと同じ奴がいる!!!」

セイガー「……何しに来たんだ貴様等」
セイバー「さあな……」
シルス「サラ様奪還する?」
メツ「だね」
フェイト「はぁ……もう帰ろうかな」
やる気がなくなった、五人だった。

ブラッド「だーもう!俺様を無視するなー!!!」
そしてその光景を見ていたブラッドは我慢ならずに向かってきた。


ゼロ「はぁ、私は亜種デュナミストを葬ってくる、お前はどうにかしろ」
スティール「はぁ〜い、さてと……」

髪の毛が赤から銀に変わった。目も金色になった。

スティール「……貴方はまだ目覚めるときではない。さあ目覚めなさい、操られ士機械人形たちよ(アイアンマリオネット)」

どこからとなく、人形達があらわれた。所々、ボロボロだが。

ブラッド「けっ!ただの雑魚じゃないか!!」

その人形達を難なく、壊していくブラッド。
だが…それすらも……

スティール「フェイク(囮)よ」
罠であった。

スティール「眠りなさい、メガニウムブラスター!」

そして巨大な銃撃が……ブラッドに……あたらなかった。
その銃撃は檻となっていたのだ。

スティール「そうそう、まずは貴方の本心を聞かないとね、ねえそこにいる人、いえエウリュディケさん?」

スティールの目つきが変わった、ゼロが亜種デュナミストを葬ったときと同じように。

一方、亜種デュナミストを探しに向かったゼロだが……。

ゼロ「む?反応が消えた?…いや違うこの感覚…まさかな」
ありえないはずだ……。
だが……。

ゼロ「向かってみるか……」
そして……
ゼロは向かった。
そう。
己の嫌な予感を晴らすために。

第参章 第二十四話 血染めの月 (空豆兄様作者)


ボード学園。

食堂に端を発して起こった学園の騒ぎは、仮面ライダーたちの突然の消失によって収まった。

その後、学園は休校となった。
彼らの戦いによって、校舎は破壊された。
その危険な場所の処理、それに、まだ残るライダーたちの襲撃への懸念を考えて、のことだった。

幸い明日は土曜日。
来週にはいつもどおり登校してくるように、とのご達しもあったわけで。


それらのことを伝えられた、HRが終わる。


がたがたと席を立つクラスメイトたち。
「さて……。何でこうなったのやら分からないけど、ありがたくあやかるか。」
「ああ。」
俺と八代はかばんを持って、教室を発った。

それにしても雅菜や、今日休んだみんな、運が良かったよなぁ。



「華枝も外で待っているはずだ。少し急ごう。」
「あ、いや…。悪い。2人、いや、3人で帰ってくれ。」
「え?」
昼はあんなに華枝に御執心だったのに、八代からは意外な答えが帰ってきた。

「華枝と、話をしてあげないのか?」
「悪い。用事があるんだ。それに、そんなに無理しなくて良いよ。」

「無理……?」
「そう。いきなり妹離れを強行しなくて良いって。」
「あ……。」
驚く俺の顔を尻目に。
「ゆっくりやろうぜ。いきなりじゃお前も華枝ちゃんもつらいだろうからな。」
俺にウィンクする八代。

「あ…ああ。すまない。」
「おう。じゃあ、また来週な!」



彼は列に別れを告げると、校舎の中へ再び戻っていく。騒ぎからしばらく経ち、その原因がみんないなくなった校舎へと。
……そのときの彼は、列の友人の八代ではなく、「騎士団」の一員の「人形使い」の顔になっていた。

(さて、一体何がどうなって騒ぎになったのか、現場の様子から調べを入れるとするかな。)
(「槍使い」の行方も気になる…。突然あいつの気配が途絶えた。何があったのか……。)




「おにぃちゃん!」
下校する生徒を横目に見ながら、校門で俺を待っていた華枝。
俺の姿を見つけ、大きく手を振る。
「………。」
その横には、神歌ちゃんもいる。
よかった。彼女も無事だったみたいだ。
俺は二人に駆け寄る。

「学校お休みになっちゃったねぇ〜。」
「ああ。アレだけ学園内の施設をぶっ壊せばなぁ…。」
「うん…。でもまた来週になれば3人で登校できるね!」
「ん。そうだな。とにかく帰ろう。」
「うん!」
「………。」
楽しそうに話す俺と華枝をよそに、神歌ちゃんは、彼女は俺の顔を窺うだけだった。
彼女の様子が、昼からおかしい。
それは俺も気がついていた。
さっきのことを、気にしてるのかな……。




「ねえねえ!明日はどうしよう!私は3人で遊びたいなぁ〜。」
下校中、華枝は楽しそうに俺たちに話しかける。
明日からの休みが、楽しみで仕方が無いようだ。

「華枝。休校っつっても、学校の課題とか、ちゃんとやっておかなきゃ駄目なんだからな。」
「それは、ちゃんとやるよぉ。でも明日はせっかくのお休みなんだし、3人で遊ぼうよ!」
「ま、いいけどな。俺も正直、課題より遊びたい。」
「うん!神歌ちゃん、何して遊ぼうか?」

………。
……?

華枝の声に、神歌ちゃんは答えない。
「…神歌ちゃん?」

「……え?ごめん華枝。聞いてなかった。」
彼女の顔は、心ここにあらずといった様子だった。

「神歌ちゃん…。何か、考え事?悩み?」
「ううん。なんでもないよ。華枝。聞いてなくてごめん。で、何の話だったの?」
彼女は、ずっとうかない顔だ。

やはり昼の、俺との話が気になってるのかなぁ…。
俺の知る限りでは、彼女が沈む原因はそれくらいしか思いつかない。
……神歌ちゃん。

「あのね神歌ちゃん。明日は休みだから、私たち3人で…。」
「…うちに来ないか?」

「……え。」
俺の言葉に、神歌ちゃんは目を丸くした。
「おにぃちゃん?」
華枝も少し驚いたようだが…。

「3人でうちで過ごそう。朝から、夜遅くまで。何なら泊まったって良いよ。」
「わぁ…。神歌ちゃんと、ずっと一緒にいられるの?」
「ああ。神歌ちゃんさえ、よければ。どう?」

「………。」
俺の突拍子の無い提案。

彼女とずっと一緒にいられれば、わだかまりも解けるかもしれない。
そう思ってこの話を持ちかける。

「…はい!神歌、明日荷物もって列さんの家に行きます!」
神歌ちゃんは心底嬉しそうな顔で返事を返した。

…俺の言葉に、彼女の中で何かが吹っ切れたのか、いつもの彼女に戻っていた。
「よかった。これでいつも通りの神歌ちゃんだね。」

「列さん、神歌、明日楽しみにしてますねっ♪」








……町に夜の帳が下りる。

いまだ衰えぬ人の波。
その中に、その町の様子を楽しむように歩く、小さな少女、ウルエイアがいた。

「町って楽しいなぁ〜。人がいっぱいいて、いろんな店があって、いろんなことが待ってる!」
今日一日、ずっと遊びまわっていたようだ。

「ん〜…。でも、肝心のデュナミストっていうの、みつからなかったなぁ〜…。」
「それを言い訳にするつもりだったのに、これじゃ帰れないよ〜。」



(い、いや!やめてください!!)
「ん〜?」
その時、路地裏から声が。
「…なんか、おもしろそう。」



路地裏の隅に追い詰められる一人の少女。
しりを付く少女を、なめるように見回す数人の男たち。

『今日の餌はその女かぁ…?』
『おびえた顔がまた食欲をそそるじゃないか…!』
『ひひ…ひーっひっひっひ…!!』

よだれをたらし、狂気の目でその少女を射抜く。

「だ、誰か…誰か…!!」
その尋常ではない男たちの様子に、涙さえ流し始める少女。



「こ〜んばんはっ!なんか、楽しそうだね?」

『!!!!』
そこに、その場にまるで似つかわしくない、もう一人の少女の声が響いた。

「ボクも混ぜてよ!どんなことして遊ぶの?」
ニコニコ顔のその少女。
まるでこの状況を分かっていないかのようだった…。

『ヒヒヒヒヒヒ…餌が一匹増えたぜぇ…?』
『お望みどおり遊んでやるぜ?お嬢ちゃん…。』
『ハァ、ハァ…!!若い…幼い…!!!!』

新たな獲物を前に、鼻息の荒い三人。
「だめ、にげて!逃げてください!」
地面にへたり込む少女が、新たに現れた少女に向かって叫ぶ!

『にがしゃしねぇ〜…!!俺達は、飢えてるんだ!!』
『ヒヒヒヒヒ…ヒアーッハッハッハッハッハ!!!』

メキメキメキメキ…!!!

「!!」
「ひ、ひぃ…!!!」

高笑いをあげた男たちは、その体に変化を起こす!
巨大化するその体は自分の服を引き裂き、その顔は人間のものではなくなっていく…!!

「へえ…。人間じゃない?」

『ハァ、ハァ…ハハハハ…!!』
3人の、異形と化した男たちは、人間の2倍以上の大きさとなったその威容で、二人を見下ろす。
『俺達は人間を超えたデュナミスト……。人間は俺達の餌食だ!』
「へえ……デュナミスト!」
その言葉に、ウルエイアの胸は大きく弾んだ。

『さあ…。おとなしく俺達にくわれろぉぉ!!!!』

「ひぃぃぃ……っ」
あまりの恐怖に、気を失う少女…。

「ボクって、ラッキーだなぁ。」
ウルエイアが、そうつぶやく。

『ん…?俺達に食われることがかぁ!?』
「んーん。ボクね、君達みたいなデュナミストって言うのを探していたんだ。」
「君達は、ボクの探してたのとはちょっと質が落ちるみたいだけど…。この際いいよ。ボク許しちゃう。」

『何を言ってるんだこのガキ!?』
『いいぜ、こいつから食っちまえええ!!』

バッ!!!!

その言葉を皮切りに、一斉に襲い掛かる異形の男達。
…審判者・仮面ライダーゼロの言うところの、亜種デュナミスト。
限りない欲望により変貌した、堕ちた資質者たち。

「えへへ…。いい声で、鳴いてね♪」



ヴォンッ!!!!

『ヴガアアアアアアアアアアアアッ!!!!あ……?』
3人が襲いかかった先…。そこにいたはずの少女の姿は、どこにもいなくなっていた。


ブブブブブブブブブ……。

『!!!?』
そこで彼らは、自分達より高い場所から、何かの羽音が聞こえてくるのに気がつく。

「………。」
そこにいたのは、先ほどの少女…。
いや、その姿は赤い薄い装甲に包まれ、背中からは虫のような羽が生えていた。
その羽根によって、宙に浮かぶ少女……ウルエイア。

『ガキ…!お前もデュナミストか!?』
「ううん。ボクは違うよ。でも、君達なんかとは比べ物にならないくらい、強いけどね。」
無邪気に笑むウルエイア。

『ふざけるな!てめぇみたいなガキに…!!』
「あ、手を動かさないほうがいいよ?」
『な…!?』

ぼろっ。

『…………!!!!』
「あーあ。だから言ったのに。」
男の一人が宙に浮かぶウルエイアを殴ろうと手を伸ばした瞬間、その手首がぼろりと落ちたのだ…!!

『ヒイイッ、イッイギャアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!』
『何だこいつ…なんだこいつ…!!!』

「そんなに怖がらなくていいのに〜。ボクはただ、その礼儀知らずな汚い手を切り落としてあげただけだよ?」
「さあ、もっと遊ぼう?ボクにもっと、泣き声を聞かせてよ。ボクと遊ぼうよ!」

『なんだこいつ…。なんか、やべぇ……!!』
切り落とされた手首を掴み、のたうつ仲間を見下ろしながら、異形はその少女の笑みに恐怖を覚え始める。

『に、逃げろ!!!』

ダッ!!

二人はその場を逃げようと、背中を向ける…。

「あ、逃げちゃだめぇ。」

ヴォォンッ!!!

『ひ…!!?』
彼らの足元を、赤い閃光が走り抜けた!


ズルッ。

『ヒ、ヒイイイイイイイイイッ!!!!』
その一瞬のうちに切断された足首から、その体が崩れ落ちる二人。
「逃げちゃ駄目だよぉ。これからが楽しいんだから。」

ストッ。

そんな彼らの前に降り立つウルエイア。
『ヒア……!あ、あああああああ……!!!』
「えへへ、いい声だなぁ〜。」
地べたに体を引きずって逃げようとする二人に、ウルエイアはしゃがみこんでその顔を覗き込む。
「あは、いい顔してるぅ〜。必死なお顔、ボク大好き♪」

その無邪気な笑顔は変わることは無く、必死に命乞いをする二人を見守る。

「さあ……。ボクをもっと楽しませてよ。もっともっと一緒に遊ぼ?」

ざわざわざわ……!

ウルエイアの背中から、新たに4枚の羽根が生え始め、その背に抱く羽根は8枚となる。
脚をもがれ、逃げることも許されない彼らにとって、その姿は、死を呼ぶ堕天使に見えたに違いない……。



「ボクね、赤い色が大好きなんだ。」
「だって…血の赤だもん。」




…………。





「ん………。」
おびただしい水音によって、意識が戻りかける少女。
おぼろげに見えたその光景は…。

気を失う前の薄暗い路地裏。
無数の新しい傷が見えるビルの壁。
そして…。

赤い地面。
細切れとなった肉片。

「…………!!!!」

びちゃっ。

思わず地に付けたその手に、ぬるぬるとした感覚。
それを目の前にかざす。
「ひ……!!!」
それは血液だった。
まだ温かい……。人の肌の温度の。
「ふ、ふぅ……っ」

びしゃっ。

再び気を失った少女は、自ら血の池へと飛び込んでしまった。

「あれ?また寝ちゃった。まあいいけど。」
それを見ていたウルエイア。

「さてと。『闇』に、残しておいた一人を放り込んだし、これで言い訳がたつね♪」
そういってまた笑うと、彼女は自ら作り出した血の池の上に膝まずく。

「あはは…。ぬとぬと。あったかいなぁ……♪」
それをすくって遊ぶ、全身を赤く染めた小さな少女。



目の前に広がる血の池に、無邪気な笑みを浮かべる少女を、夜空に浮かぶ月だけが見ていた……


第参章 第二十五話 断罪の夜 (イシス様作者)


既に学園には人気が絶え、そこにはただ静寂が残るのみとなった。
そんな静寂を破るように、人形使いは校舎の中を散策する。

「さて、まずはどこにしましょうかね。」

校舎の窓からグランドを見下ろしながら、人形使いは一つ溜め息をつく。

「てか、なんで槍使いはこんな所まで来たんだ?……まぁ、大体想像つくけど……」

大方、可愛い女の子にでも惹かれて来たんだろう。
簡単に結論に辿りついた人形使いは、ポケットから携帯を取り出す。



「……あぁ、暗殺者か。困った事に色々あったから、事後報告という形になっちまうが、いいか?」
『えぇ、構わないわ。それで、何があったのかしら?』
「一言で言えば、無茶苦茶になったってことだ。」
『本当に一言で済ませるとはね。』

電話越しに苦笑する暗殺者。

「冗談だ。よく分からんが、学園内の所々で戦闘があったみたいだ。詳しい事はまた後でな。」
『分かったわ。くれぐれも油断しないように。』
「はいはい。…ところで、そっちはどうだ?」
『こっちも色々あったわ。どちらかと言えば、良い方にね。』
「良い方に?」




「なるほど。そんな事が」

人形使いが暗殺者から聞いた事は、イクス、ゼロ、そしてデュナミストに関する事だった。
今までレンナやセイバーを正体不明の仮面ライダーとして扱ってきた騎士団にとって、これは大きな進展となった。

「それで、その客人のイクスとやらは?」
『基地の中。魔眼使いと一緒よ。』
「……あんた、正気か?」

魔眼使いという単語に過敏に反応する人形使い。

「そのイクスって娘、生まれついてのデュナミストなんだろ?そんな奴と魔眼使いを一緒にしたら……」
『まず、彼女は無事では済まないわね。』
「そこまで分かっていてなんで……まさか、アンタわざと……」
『さぁ?どうかしらね。』
「やってくれるよ。有利に物事を進めるためか?」
『手駒は多いに越したことはない。それが、潜在能力の高い者ならなおさらね。』

相手の悪魔めいた陰謀に頭を抱える人形使い。
これから起こる悪夢のような仕打ちがイクスという少女に襲い掛かるのかと思うと、同情の一つもしたくなる。

「はぁ、もういい。それで、当のアンタはどこにいる?」
『街よ。』
「……マジか?」





「えぇ、本当よ。」

眩しい明かりが夜の街を彩っていく。
その中、特に活気あふれる繁華街に佇む紫の髪の女性−暗殺者。普段の黒のローブで全身を隠す姿ではなく、黒いドレスを着ていた。
タイガーアイのイヤリング、真紅のルージュ、そして左腕には黄金のリング。

さながら、どこかの貴婦人を思わせる雰囲気を漂わせながら、街を一瞥する。

「改めて考えてみたら、私それほどこの街を見ていなかったからね。」
『それで外に出たと……?』
「えぇ。」

悪気もなく、どこか楽しげに答える女性に、人形使いは呆れかえっていた。

『…もう好きにしてくれ。ただ、槍使いがいなくなってる。アンタも十分……』
「彼女なら大丈夫よ。そのうち勝手に帰ってくるでしょう。」
『……それはそうだが……』
「じゃあね。仕事、頑張って。」

一方的に電話を切り、夜の街を歩き出す暗殺者。

最初こそ華やかな街並みを歩いていたものの、徐々に人気のいない場所へと移っていく。
そして、辿りついた先はある廃ビルだった……






「なかなか雰囲気あるわね。」

楽しげにビル内に入る暗殺者。
死を思わせる闇の中にあって、およそ相応しくないほど緊張感がなかった。


街の散策もあったが、これが今回、彼女が街に来た最大の理由だった。
イクスから教えてもらったのは、何もデュナミスト・ライダーだけではない。その中には亜種デュナミストもあった。
イクスによれば、亜種デュナミストは力に溺れた者が変異する存在らしい。
そいつらは自身の力を行使し、無秩序な破壊を繰り返しているそうだ。

そんな存在を騎士団が見逃すはずがない。
イクスの協力を得て、亜種デュナミスト達の情報は掴んだ。後は殲滅するのみとなった。
槍使いや魔術師、弓使いを投与してもよかったが、全員が全員、私的な理由で動いている。
それに、自分の力を確認しておきたいという事もあった。

イクスとの練習試合で得られた物もあったが、やはり実戦の中で使ってこそ真価は発揮されるというものだ。
その矛先を騎士団の対象に向けたのであった。



「お邪魔するわね。」

最深部の部屋、どこに敵が潜んでいるかも分からないというのに、堂々と声までかけて中に入る暗殺者。
先程よりも深い闇の中、目を凝らさねば見えぬほどの場所に、敵はいた。
ドアの近くの照明のスイッチを入れ、部屋を明かりで満たす。光はそこにいた“モノ”をはっきりと照らし出した。

亜種デュナミスト。
まるで獣を思わせる姿をしていたそれは、長い剣を手にしていた。
その剣からは紅い液体が滴り、足元には手や足など、体の様々な部分が散乱していた。
その数は10はあったであろう。
亜種デュナミストは暗殺者を視界に認めると、口元を吊り上げ、まるで歌うかのように語りだした。

『まさか、自分から殺されに来る愚か者がいるなんてな……しかも、女ときた……』
「ご期待に添えて何よりだわ。」
『お前、自分の立場が分かってねぇみたいだな……』

一歩ずつ暗殺者に近づく怪物。対し、暗殺者は左腕を掲げ、迫り来る敵を見据える。

「分かっているわ。私は彼方の様な秩序を乱す愚か者を殲滅する殺し屋ですもの。」
『なんだと……!』
「さぁ、会話はお終い。これからは死闘の時間よ。……変身。」

暗殺者の声紋によるライダーシステム起動コードを承認した黄金のリングは、繋がれた黒いクリスタルを起動させる。
クリスタルから放たれる漆黒の光が、暗殺者を戦闘時の姿へと変える。

「仮面ライダー黒姫…参る!!」



異形は黒姫が行動に移る前に、その体を両断せんと長剣を異常な速度で斬りかかる。
しかし、異形の剣には手応えが全く来なかった。
先程までそこにいたライダーは、気配を完全に絶ち、その存在を捉えられなくなっていた。

気配を掴むことが出来ず、長剣を振り回す異形。その表情は苛立ちの色がありありと見て取れた。

『どこだ!!どこにいる!!』

武器を振るうのを止め、息を整え冷静さを取り戻そうとする異形。
すると、いきなり後ろに気配を感じた。振り向くより先に、耳元に何かがかかる。

「ふぅー。」

人を脅かすように、耳元に息を吹きかける黒姫。
思わず背筋を振るわせる異形に、黒姫は冷たい声色で語りだす。

「分かったでしょう?殺そうと思えばいつでも殺せるのよ?」
『…!!調子に乗るな!!』

怒りに任せ、全力で剣を振るう異形。それを後ろに跳び下がり、距離をとる黒姫。
追撃せんと黒姫に迫ろうとするが、それが出来なかった。

『ぐ…な…に……!?』

自分の体が何かによって動きを制限された。
それは、影に刺さった一本のナイフ。黒姫の拘束技術“影からの誘い手”だった。

この時、異形の目には黒姫がどのように映った事か。
左足に変身時と同じ様な漆黒の光を纏い、体勢を低くする黒姫。
光が収束しきり、視認が叶わぬほどの速度で異形に近づき、前に跳躍する。そして、その名を紡いだ。

「暗黒殺戮脚。」

体を捻り、左後ろ回し蹴りの形で異形に自身の最強技を叩き込む。
一切の抵抗を許されない異形は、暗黒のオーラを纏う一撃を受け、動かない下半身を残し、上半身だけが吹き飛んだ。




壁を突き破っていき、ようやく止まった。
異形の体は、下半身がなく、右腕も千切れ飛び、かろうじて生きているようなものだった。
残った左腕だけを必死に動かし、這いずりながらもなんとかこの場から逃げようとする。

『た…助け……て……』

救済を求めながら、必死に出口を探していく。
両目とも機能はしていない。なんとか勘だけで探していくしかない。

逃げなければ殺される。
それも、相手は一切の躊躇もなくやってのけるだろう。
もはや体裁など関係ない。今は生き残ることこそが重要だ。

しかし、それすらも許されなかった。


「こんなとこまで飛ぶとは思わなかったわ。」
『ヒッ……!!』

異形にとって、その声は何よりも恐ろしい物であった。
自分の体を使い物にならなくした上に、さらに止めまで刺しに来た冷酷な殺し屋。
黒姫は異形の首根っこを握り、上に引き上げる。

『た、助けて!!もう人は襲わない!!何もしないから!!』
「そうね。今の彼方ならきっとそうするでしょうね。」
『じゃ、じゃあ!!』

助かる。救いの光が差したと思いきや、そこにあったのは残忍な死に神の鎌だった。


「でも、騎士団の対象となった時点で、彼方に救いなんてないのよ。」

言い終わると同時に、一気に腕に力を籠める黒姫。
絶望に顔が歪んだ異形の首は、乾いた音と共に、奇怪な方向へと曲がっていた。
もはやピクリとも動かない異形を無関心に見やり、その場に落とす。

変身を解き、暗殺者は屋上へと足を運んだ。







ドアを開け放ち、屋上へと出る。
鮮やかな街並みを一望しながら、全身で風を受け、なびく髪を押さえる。

「あら、今夜は月が綺麗ね。」

ふと上を見上げれば、そこには蒼く佇む月があった。
何か思うことがあるのか、薄く微笑み、再び視線を街並みへと落とす。

「こんな夜は、何かありそうね。」


第参章 第二十六話 圧倒的力の前で… (ユルカ様作者)



『フフフ…。やはり僕が狙いか。』


エウリュディケは席を立つと、ドームに向かって行った。


『自分で手を下すことはしたくなかったんだけど…僕に舐めた態度をとると、どうなるか教えてやる…。』


ドームの方では…。


「だせー! ここからだせー!!」


ブラッドが叫んでいたが、彼はほっといて。(酷)


「主を呼び出して何をするつもり?」


ソフォクレスがスティールに問うが、スティールは軽くかわす。


「関係ないわ。それにエウリュディケは可愛いとの噂だしね。」

「え!? そんなに可愛いの!?」


スティールの台詞に思わずよだれが出る、ジン。


『君とは前に会っているだろう? 仮面ライダージン、いや…槍使い。』

「あなたは…!!」


エウリュディケが全員の前に姿を現す。


『ご苦労だったね。ソフォクレス。君には次の任務を用意してある。行きたまえ。』

「了解しました…。お気をつけ下さい。」


ソフォクレスはワープして姿を消す。


『さて…誰からにしようかな…?』

「あなたなんて敵じゃないの!!」


スティールが叫ぶ。が、それは逆効果だった。


『決めたよ。まずは…君からだ!』

「操られし機械人形たちよ。私を守って!」


再び所々ボロボロの人形たちが姿を現す。


『本心が聞きたいといっていたね…。でもその必要はないよ…。』


エウリュディケはサイコロジカルソードを持った。

だが、今までとは違う。二つの剣となっていたのだ。

白と黒…まるで、セイバーの剣、ファルシオンとデスリオルのような…。


『カオス…デストラクション!!』

「な…!? 私の技を!?」

「コピーしたと言うのか!?」


その爆撃でボロボロの人形達が一瞬にして消し飛ぶ。

それだけではなく、スティールにもダメージが…!


「くっ…! 強い…!!」

『僕に舐めた態度をとることは許されない。』

「なら…! メガニウムブラスター!」


先ほど、ブラッドを閉じ込めたメガニウムブラスターを放つが…


『残念。』


エウリュディケの姿が消えたかと思うと、スティールの真後ろに!


『蜻蛉の存在を忘れちゃダメだよ。』


そう、蜻蛉怪人を背中に移動させれば、うまくワープできるのである。


『じゃ、サヨナラ。』


その言葉と同時に、スティールの足元の床が消えた。


「何でなのよー!!!」


スティールは下へと落ちて行った…。


『じゃ、次はと…。』


「「「「「「っ!!」」」」」」


全員の緊張が高まる…。

次は自分が狙われる…そんな予感がして。


『じゃあ…次はこうしようか…。』


サイコロジカルソードを消すと、今度は巨大な槍を持ち出す。


「あーーー! それは!!」

『そう、君の槍だよ。「天津彦根」と言ったっけ?』

「そんな槍で何をしようというのだ…?」


セイガー、シルス、メツが前に出る。


「3人がかりなら、勝てる!」

『大嵐よ…今、僕に力を与えよ…。』

「何…!?」


その槍を、頭の上で回すエウリュディケ。

回転はさらに強くなり、暴風が巻き起こる…!


『ビーハイブ…テンペストォ!!』


暴風を纏った槍を地面にぶつけ、その暴風でセイガー達を吹き飛ばす…!!


「ぬおおおおっ!!?」

「セイガー!!」


さすがに心配してしまうセイバー。

吹き飛んだセイガー達が地面に激突する。


「あぐっ!!」

「ぐおっ!!」

「いでっ!!」


そんな3人を見てエウリュディケは一言。


『他愛も無い。僕の手駒へと…落ちろ。』


パチンッ!

エウリュディケが指を鳴らすと、3人はスティールと同じように下へと落ちて行った…。


『さて…次はどうしようか?』

「えーい!! もう怒ったわよ!!」


遂に動き出した、ジン=槍使い。


『どんな奴でも僕の前ではみんな同じだよ?』

「うるさい…! あなたを捕まえて、いーーっぱい可愛がってあげるんだから!!!」

『ハ…ハハ…。』


ジンの台詞にエウリュディケは力なく笑う。


『君達は…もういいや。』

「へ?」


その台詞と同時にフェイト、ジンの足元の床が消失する。


「って、何もせずにー!!!?」

「いやーー!!」


そんな台詞を残して、二人は消え去る。

残るは…セイバーとブラッド…。


『そこの暴れん坊は放って置いてだね。セイバー…君が最後だ。』

「クソッ…!!」


非常にまずい状況だ…。

自分の技はコピーされているし、他人の武器すらもコピーしている。


『勝ち目は限りなくゼロに近いね…。』

「だが…。限りなくゼロに近いのなら…ゼロじゃない…!!」

『フフフ…。じゃあ、まずはここにいる8匹の蜻蛉達を倒しなよ。そしたら相手してあげるよ。』

「サラ様を…取り戻させてもらう!!」


…ところで…最後に落ちていったジンとフェイトは…。


「あ…危なかった…!」

「し、死ぬかと思いました…!」


二人は緑色の液体が入ったアクリル製の円柱が沢山置いてある部屋にいた。

どうやら上から落とされた面々はこの円柱に閉じ込められ、

エウリュディケの手駒になるための準備を進められているようだ…。


「逃げましょう! こんなところにいたら私達も…!」

「ええ…。でもただ逃げるだけじゃ物足りない。」


ジンは、部屋の机に置いてあった一枚のCDに目を向ける。

そこには、「マル秘:Drセルファについての資料」と言うとんでもない言葉が…。


「これを持っていきましょう。来て! 私の仲間の元へと行くわ。」

「は、はい!!」


二人は逃げ出した…。

だがその部屋に…大きな秘密が隠されていたことなど…二人は知る由も無かった…。


第参章 第二十七話 ボディーガード (岡島様作者)

数時間後の騎士団のアジト
「はぁ…………」
アジトに戻ってきた槍使いはため息をついていた。
ここに来る途中フェイトと逸れてしまったのである。
(本当だったら、この後………)
これからやろうとしていたことを考えると、ますます空しさがこみ上げる。

一方、街中に蒼崎志保の姿があった。彼女は疲れている様子で歩いている
そんな彼女に声をかける人物が
「志保………」
その声に立ち止まり、声のした方を向く。
そこには長い髪に、背は高めで革ジャンを身に纏った女性。背中には大きなリュックサック
を背負っている
「凪………」
この女性の名は神楽凪(かぐら なぎ)志保の幼なじみである。
「久しぶりね」
「久しぶり………あの……」
「何?」
「実は……志保のボディーガードを頼まれて………」
ちなみに凪は便利屋である。
「ボディーガード?誰から」
「守秘義務があるから、いえない………」
志保には依頼主が誰か容易に想像が出来た
「まあ、いいわ。そうだ、家に来る?」
「うん………」
現在、志保の住むアパートに向かって歩き出す二人、そして凪が話しかける
「何で、ボード学園に………」
「前の学校が、廃校になっちゃったから、あの事件で」
「分かっているけど……何でボード学園なの……」
志保は黙り込む、彼女は何かを隠しているようだ。
はたして志保がボード学園に来た理由とは

一方、学園にいる人形使いは
「んっ?」
何かの気配を感じた。周りを見回すが誰もいない
「気のせいか?」
いや気のせいではない。何かが人形使いを見ている。
得体の知れない何かが……



第参章 第二十八話 陰謀 (ウェイド作者)

セイバー「はぁ!」
敵を片っ端から、叩き切るセイバー。

残り……
セイバー「5!」

エウリュディケ『がんばれ、でも僕には到底及ばないよ』
それを見て、微笑むエウリュディケだが、彼女は気づかなかった。
破壊者を封印している、檻が壊れかけていることに。

????「いかんでゴザルナ、もう少し様子を見て助けるか」
と言うか誰だ、あんた
????「気にするなでゴザル」

一方ゼロは。

ゼロ「ばかな!?これは……黒き月の上層部だと!?」
その前には……巨大な要塞が。
ただ機能は動いてないようだが。

ゼロ「だがこれは……」
数億年前の記憶がよみがえる。
何もない世界、否、無の世界なのだ。
そこで、その光景を見ている私達……九人いるが、そのうち私を含めて四人以外は倒れている。
さらに、倒れている五人のうち一人は息をしていない……。


???????『後は、頼むよゼロ』
白い鎧を着た少女が、ゼロに向かって話す
後ろには巨大な黒い月が。

ゼロ「なにをするつもりですか、デスティニー様!?」
私とほかの四人の周りに魔法陣が浮かび上がる。

??????「なぁ〜に、このデカイお月さんを封印するだけさ」
徐々に消えかかっていく、時間がない。

?????「我等の代わりを探すのだ、ゼロよ」
そこで、ゼロ達は完璧に消えた。
最後に彼等が同時に言い放った言葉。

三人『今、封印する!エンドオブロスト!』

エンドオブロスト、己の命を捨て強大な敵を封印する、究極奥義である………。

その後私達三人が気がついたときには地球は再生されていた……。
そして私はガーゴイル達に出会った………。



ゼロ「四人の犠牲を…無駄にはしない!」

ゼロ「神の審判を恐れぬものよ、我が今汝等に審判を下そう……」

ゼロの周りに解読できない文字が浮かび上がる。

ゼロ「消えよ!ディズジャッジメンっ!」
瞬時に消えたゼロ、そして先ほどゼロがいたところが消滅した。

ゼロ「……次元ごと消滅させる、魔術となると……」
私が知る限りでは一人。
否、一人しか使えない。

?????「久しいなゼロ」
黒いマントを羽織っている、青年が黒き月の天辺に立っている。

ゼロ「貴様か、ギルティー」

ギルティー「いかにも、これはまだ、破壊される訳にはいかん」
ギルティーといわれた青年が、姿を変えた。
もう一つの無の称号を持つ仮面ライダーギルティーに。

ゼロ「分かっているのか!? それが起動すればまたあの悲劇が」

ギルティー「かまわん、我はデュナミストが支配する世界を作るだけだ」

ゼロ「ギルティー!……デスティニー様の死を無駄にする気か?」

ギルティー「だからだ、デスティニー様を蘇らせる為にも」

ゼロ「まさか、蘇生術を使う気か!?」

驚愕するゼロ、叢生術とはいったい?

ギルティー「器は出来た!後はこの世界の人間どもを生贄に」

とつじょ、ギルティーの前に魔方陣が浮かび上がった。

ゼロ「な!?まさか貴様」

ギルティー「そうだ……この魔法であのちっぽけな町を消そうじゃないか」
その魔方陣は徐々に大きくなっていく。

ゼロ「やめろ!」

ギルティー「インフェルノ!」
巨大な炎が小さな町を燃やした。
インフェルノは灼熱の業火。
人間は全員。

ギルティー「全滅だな」

ゼロ「貴様!人間をなんだと!!」

ギルティー「思っているだと?答えは簡単、人間はクズだ」

ゼロ「…ギルティー貴様を……第一級犯罪者として……処刑する」
ソウルブレードを展開するゼロ

ギルティー「こい、ゼロよ」
己の武器、ダークメアスタッフを取り出すギルティー。

ゼロ「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ギルティー「……」
無と無の戦いが始まった。


第参章 第二十九話 踏み出した夜 (空豆兄様作者)





「おにぃちゃん!今日から私は、一人で寝ます!」
「どえええええええっ!!!?」
神歌ちゃんと別れ、帰宅し、夕食を済ませ、風呂から上がった華枝が言い出したのは、想像も付かなかった言葉だった。

「ど、ど、ど、どうして!?なんでいきなり?!」
俺は動揺を隠せない。
華枝は一ヶ月前の誘拐事件以来、闇を怖がり、一人じゃ眠ることも出来ない子だったのに……。

「おにぃちゃん。私、昼間に神歌ちゃんに言われたの。
おにぃちゃんのことが本当に好きなら、おにぃちゃんを困らせちゃいけないって。」
「あ、ああ…。たしかそんな事言ってたな……。」
「おにぃちゃん、いつも私と寝るの嫌がってたでしょ?幼稚園児じゃないんだからって。」
「ん、まあ、そうだったな…。」
「うん。だからね、華枝は、一人で寝られるようにするの。
…ちょっと怖いけど、わたし、おにぃちゃんにこれ以上迷惑かけたくないから。」
「華枝…。」

次々と彼女の口から出る、今まででは考えられないような言葉。
神歌ちゃんの言葉が、そんなに華枝に影響を与えたんだろうか…?
それとも、昨日まで行方不明になっていた時に、なにかあったんだろうか…?

…理由はとにかく、華枝が俺から離れようと努力し始めたことは、喜ばしいことのはずだ。
俺はそれをとがめる理由もないし、俺もそれを望んでいたはずだ。

でも、それは。
華枝が、俺の元からいなくなってしまう、華枝の面影を追いかけて泣く日々の、序章のような気もして…。
俺は……胸が痛んだ。

「わかった。でも無理だったら、遠慮なく俺に言えよ?俺はお前を守る、お前のおにぃちゃんなんだから。」

…それでも俺は、彼女をとめることはしなかった。
精一杯、華枝が俺の元に戻ってくる、そんな仕込みを言葉に含めて。

「うん…!ありがとう!おにぃちゃん!」
がばっと抱きついてくる華枝。
洗い立ての髪の香りが、鼻腔をくすぐった。

……こうして抱き合っていられるのも、いつまでだろうか。
俺は華枝の背中に腕を回し、いつもより強く抱きしめた。

俺の不安を消し去るように、腕の中の華枝を、力いっぱい感じるように……。



「じゃあ、おやすみなさい。おにぃちゃん。」
「ああ。おやすみ…。」

バタン……。

華枝の部屋のドアが閉じられた。
「………。」
俺は一人残される。
「はぁ……。」

まるで失恋をしたような気分になる。
バカな話だけど、なんだか心の一部が抜け落ちたような。そんな喪失感があった。
たかが、自分の妹が別の部屋で一人で眠る。それだけの、ごくごく当たり前のことなのに。

俺は、華枝に変な気持ちを抱いているのかも、知れない…。
華枝に求められて、今まで2人で仕方なく寝ていた経験は、いつの間にか俺の中で大きな比重を占めていたらしい。
腕の中に、温もりが欲しい…。

なんてこった。俺のほうこそ一人で眠れなくなっているんじゃないのか。

「…考えるの、やめよう。」
俺は居間の電気を消すと、自分の部屋へと向かった。
華枝は寝るのが早かったので、今までそれに合わせていた俺も、どうやら早寝の習慣が付いていたらしい。
部屋に据え付けたゲームも、する気が起きなかった。


………。


「眠いけど……。なんだか眠れない。」
ベッドにもぐりこんだものの、自分が思っていたよりすぐには眠れなかった。
気づくと、壁に耳を当て、隣の華枝の部屋の物音を聞こうと必死になっていたりする。

いや!それはまずいんじゃないのか!
…その、人として兄として。
俺はごろりと寝返りを打つと、ベッドから起きだす。

「腕に、温もりが欲しいのか……?」
俺は自分自身に問う。
なんていうか…。危険な欲求な気がする。
それは常に、誰かに隣にいて欲しいというわがままだ。
そんなの、家族じゃなけりゃ、誰がいてくれるって言うんだ。

………恋人か。
そか。そうだな…。
考えてみれば当たり前。
親は自分より先にいなくなるし、兄妹は自分の人生を生きるために離れていくしな。
自分のそばに一生いてくれる自分以外の他人って言うのは、恋人…一生の伴侶。それ以外に誰もいない。


恋人……、恋人か。
俺も…そろそろ作るべきだろうか。
あまり考えたこと無かったけど。
華枝のこともあって。

いや、華枝の…ためにも。
俺から離れることを促すために、いつか来る別れのために、それも悪くないんじゃないか?
俺自身の、踏ん切りにもなりそうな気がする。
華枝に対する…妙な気持ちへの。




俺は自分の机から、俺の宝物を取り出す。
それは、大きな一枚の青い羽。

……河原で助けた、あの少女の羽だ。

「彼女…戦ってたよな。」
この間の、華枝を助け出した夜を思い出す。
黒い女の子と赤い女の子、それを止めに入った青い天使…。

「話なんて出来る雰囲気じゃなかったなぁ……。」
指でその羽根をくるくると回しながら、そのときの記憶を辿る。

「でも、なんだかああして姿を見る事が出来たって事は、彼女、意外と近くにいるのかもしれないな。」
「運がよければ、また会えるかも。」

会いたい。彼女とは、もっとちゃんと、たくさんの話がしたい。
どうしてかわからないけど、俺には彼女が忘れられない。

背中に青い羽根が生えていたり、紫の血を流したりしているけど(大問題な気もするが)、俺には彼女がすごく魅力的だ。
優しい瞳に整った顔。文句なしの美人だし。それを忘れろって言ったって無理な話だ。
それに……。この前、神歌ちゃんに彼女のことを話したときには言わなかったけど、あの子は……
どこかで会ったことがあるような気がするんだ。

それは河原で彼女と出会う前か、でも、毎日顔を合わせているような気もするんだ。
そんな不思議な懐かしさが、彼女にはあった。

だから…俺はもう一度彼女に会いたい。
あって話がしたい。
もっと俺を知ってもらいたい。
そして出来れば俺の事、好きになって欲しい……。










(神歌は……。)

「!!」

(神歌じゃ、駄目なんですか?)

頭の中に、彼女の寂しげな顔が浮かんだ。
華枝の友達…。神歌ちゃんの。

がばっ!

俺はベッドに顔を埋める。


…駄目なんだよ。
俺は、彼女のことが気になってしょうがないんだ。
君は…華枝の友達でいてくれればいい。
俺のことなんて、どうでもいいから。
華枝のいい友達であってくれれば。俺はそれで十分なんだ。


(列さん…。)

「ぐ…!」
彼女の熱っぽい顔を思い出して、俺は胸が締め付けられる思いがした。
神歌ちゃん、俺は君とは……ううぅ……。


もう…寝よう。考えるのはやめるって、いったじゃないか。
俺は様々な考えを振り払うと、いったんベッドから顔を出し、時計を見る。

…午後10時。
全然早い時間だ。
でも、寝るんだ。余計なこと、考えないですむから。

俺はその腕に彼女の青い羽を抱く。
その羽根は不思議に温かく、すごく安心する。
「このまま、寝よう……。」

目を閉じると、すぐに眠気が襲ってきた。
この羽根のおかげだろうか、俺の乱れた心まで落ち着かせてしまったようだ…。

だんだん意識が暗くなってくる。

後はこのまま明日に…。

明日……?

ああ、明日は…神歌ちゃんが来るんだったな……。

みか…ちゃん……。



俺の意識は、そこで途絶えた。









「華枝」の意識が深い眠りにつき、私…。「舞夜」が目覚める。
目を覚まし、華枝の体を確認すると、すぐに制服に着替える。
華枝がしているよりも、スカートは短く、彼女愛用のメガネはかけない。目は…悪くないから。
髪は縛らない。後ろに引っ張られるあの感じが嫌いだから。
それでもまあ、耳の前の髪は鬱陶しいので、後ろにまとめた。

「よし……。出かけよう。」
時間は夜10時。
少し早いけど、今日も見回りへ。

隣の部屋にいる、にいさんに音が聞こえないように、そっと外へと出た。



夜の街を歩きながら、…もう一人の私、華枝のことを考える。

華枝の記憶は私も握っている。
華枝は、自分の意思でにいさんから離れた。

…華枝は、成長しようとしているのかな。
甘えんぼで、内気な華枝が。

それは、私がライダーの能力を成長させたことに関係があるのかな。
私が強くなれば、華枝の心も強くなる。
逆に華枝が強くなれば、私も強くなれるんじゃないかな?



「へえ。それは面白い共生関係ね。」
「!!!」

「こんばんは。」
そこには、あの女が立っていた。

あの夜私をさらい、怪人と戦わせ、そして私に新たな力をくれた、あの女。
「神藤、和子…。」
「あら嬉しい。名前覚えてもらえたんだ。」
「ふ…ふん。この前助けてもらったのは感謝してるけど、だからって勝手に人の心読むのはやめて。」
「…ごめんなさい。こういうのって、勝手に入ってくるのよね。私がその相手を意識したとき、自然に。」
少し彼女は沈んだ顔をするので、私はあわてて彼女に駆け寄っていく。

「あ……!うぅん。私も言い過ぎた。自分じゃどうしようもないことって、あるもんね。」
「……ふふ。少し優しくなった?」
彼女が少し笑った。
「…まさか今の、演技?」
「ふふふ。やっぱりあなた、楽しい子よね。」
その笑みは肯定の意味だ。

「もう……。」
でも私は、それ以上は言わない。
彼女に言われて初めて気がついた、いつの間にか優しくなっていた私を、すこし楽しんでみようと思ったから。




「今夜も、”奴ら”を探しているの?」
一緒に歩きながら、彼女がそう聞いてくる。
私に合わせ、彼女も奴らを”奴ら”と呼んでくれている。
それは、私を一ヶ月前に誘拐、改造実験体とした奴ら…。魔女の一派の事だ。

「うん。今夜も奴らは、町のどこかで人間を誘拐して、新たな改造実験体にしようと暗躍している。」
「奴らは、そんなことを……。」
「奴らの目的はわからないけど、私は、そんなこと許してはおけない。」
「そうね。私も同じ気持ち。今日からは、私もそれに協力させて。」
「協力って…。」
彼女の申し出に、少しだけ戸惑う。

奴らの元から逃げ出したあの日から、ずっと私は一人で戦ってきた。
これからもずっとそうだと思っていた。なのに…。

「私もね、あいつらとは少しは因縁があるの。詳しくは、いえないけど…。」
「あいつらをほうっておけない、許せないのは私も同じなのよ。
確かに貴女をさらったりはしたけど、同じ境遇の人と会うのは、初めてだったから…。」
「そ、そうだったの…。」

彼女の顔から、その話がうそか本当かは読み取れないけど、その言葉には重みがあった。
私と同じ、奴らを憎み、戦おうとしている意思は感じ取ることが出来る。

「…わかった。これからよろしく。」
「…!!ありがとう舞夜!」
ぎゅっと私の手を握ってくる彼女。
「!!な、ななな……。」
「ん?赤くなってるよ?……あ、こうして手を握ってもらったこと、無いんでしょ?そう言ってるよ♪」
「んあ!ばか!そんなんじゃない!ばかばか!!」
「ふふふ。やっぱり舞夜、楽しい♪」

抱き寄せられ、頭を撫でられる。
「もう、ばか……。」
でも、悪い気はしない。
甘えんぼの華枝の体がそう思わせているのか、彼女…和子の私への想いが、体を通して入ってくるからだろうか…。

私、やっぱり少し変わった。
でもこれは、とても心地のいい変化。
初めての一人の夜、初めての仲間。

華枝と私…。
私達の新しい一歩が、今夜始まった。

そう、温かい和子の胸の中で、そう思った。







「ゼベイルが町に出てきたな…。」
廃ビルの屋上で、夜風を全身に浴びる少女がつぶやいた。

ダンッ!!!

彼女は屋上から飛び降り、その途中でその姿を碧色のライダーの姿へと変える!

ドスンンッ!!!!

「ふう……。行くぜゼベイル。今夜こそてめぇをバラバラにしてやる…!」
彼女が降り立つと同時、その廃墟の中から、たくさんの浮浪者…ホームレス達が現れた。
彼らは少女を、ラフエイアを取り囲むようにして並んでいく。

「おまえら、そのまま動くなよ?」
その少女のいうまま、彼らはその動きを止めた。
実は彼らはすべて、魔女の泥人形(ゴーレム)なのだ。

「さて…ババァから預かったこいつを試してみるか。」
そういって彼女が取り出したのは、三個のちいさな植物の種。
「こんなんが本当に、役に立つのかね…?」
半信半疑のまま彼女は、その種を男達に埋め込んでいく。
体に直接埋め込まれたその部分からは、砕けた泥と、紫の血が流れた。


『ウウグッ!?ウグッ!!?』

メキメキメキメキ…!!!

「お、おおおおおっ!!?」
その種は、泥人形を食い破り、急激に成長し、一体の怪人の姿になっていく…!

「ぐ…またえぐいもん作りやがった。」
嫌悪感に口を押さえ、それでも彼らを見つめるラフエイア。
『フゥ、フゥ………。』
並び立つ、緑の怪人。

「…改造実験体が3匹。ゼベイルの足止めには十分だな。」
「ゴーレム内の泥を養分として吸収、成長する魔の植物『デミ・パランツェ』。」



「行くぜゼベイル…。今夜こそ仕留めてやる!!」


第参章 第三十話 動き出す者達 (イシス様作者)


ファントムとガブエイアが戦闘を繰り広げた場所に、人形使いはいた。
所々に残った壁や天井、廊下の傷痕を一つ一つ見定める。

「なかなか派手にやったもんだ。」

感心したように眺めるも、内心では驚きを隠せないでいた。

「これだけの能力の使い手同士の戦闘か……一体、何が原因でこんな事に……」

傷痕には、大きな割れ目と焼け焦げた様な外傷が見受けられた。
さらに、コンクリートの大部分は風化していた。

「風化…そして焦げ痕……ファントムか。」

鋭い洞察力で看破する。
人形使いの真骨頂は、人形操作もあったが、それ以上に冷静な判断力が可能な頭脳にあった。

ファントムは覚醒時に必殺技の一つ、“撃鉄必中・幻影神速蹴り”を使用している。
その能力は、雷と疾風を纏った攻防一体のファントム最強技である。
迸る雷が地面を焼き焦がし、荒れ狂う風が辺りの物を風化していく。
それを人形使いは見ている。だから、この現場にいた者がファントムだと分かったのだ。

「だが、ここまで威力の高い技ではないはず。倍近くの威力だ……」

そう、いかにファントムでもこれ程の破壊行為は出来ないはず。
何かしらのバックアップがあってこそ、この状況が生み出せるものだ。

「……これ以上、得られる物は無いか。次に行くとしますか。」






「どう?美月ちゃん、何か分かった?」

蒼い髪の少女、一菜が見守る先には、薄い緑の髪の少女、上条 美月がいた。
美月は指先に光を纏い、何かをしきりに読み取っていた。

一菜とて、何もしなかった訳ではない。
混乱する生徒の避難活動に当たり、少しでも被害を小さくしようとしていたのだった。
彼女としては、橘の協力も仰ぎたかったのだが、肝心の橘は保健室にいなかった。


後で、一菜が橘の失踪の理由を知って、激怒したのは言うまでもない。


「多くの怪物と、何人かの仮面ライダーが見えます……」


美月の特殊な力、それはアンデットの能力であった。
カテゴリーKの風読みの力、それを彼女は使いこなす事が出来るのだ。
しかし、アンデット最高峰の能力をもってしても、正体までは見抜けなかった。

「すいません、これだけしか分からないのですが……」

申し訳なさそうに、風からの映像を一菜に送る。

「……!この怪物、昨日の!!」
「え!?一菜さん、知っているんですか?」
「うん……実はね……!!?」

美月にこれまでの事を話そうとする一菜。
しかし、突如として感じた気配に、二人とも身構える。

見つめる先、食堂跡の入り口には、八代 みつるがいた………







廃ビルを出て、夜の街に戻る暗殺者。
歩きながら、肩口からさげたポシェットバックから携帯を取り出す。

「……千里眼、聞こえる?」
『聞こえるよ。…でも、お姉さま。私を呼ぶときは本名で呼んでって言ったのに……』
「あら、ごめんなさい。ノア。」
『……!!うん!!』

電話越しに、千里眼−ノアの喜ぶ声が聞こえた。

「亜種デュナミストは始末したわ。」
『ご苦労さまです、お姉さま。』
「他に変わったことは?」
『あったよ。さっき、魔女の仮面ライダーの反応を捉えたの。人形使いの情報が役に立った。』
「それで、敵は?」
『データから、ライダー名“ラフエイア”と確認。何体かの怪物を連れている。』
「わかったわ。すぐに向かうから、詳しい場所を教えて。」

早足に歩きながら、ノアからの情報を正確に頭に入れる暗殺者。
聞くべきことを聞いた後、彼女はノアに尋ねた。

「ねぇ、ノア。そっちの準備は万端かしら?」
『……!!お姉さま、どうして……』

驚きを隠せないノアに、暗殺者は楽しそうに答える。

「あら?私が貴女のすることが分からないと思ってたの?」
『あの……その…私……』

言葉を濁らせるノア。

「ノア、別に私は、貴女のすることを咎めるつもりはないわ。」
『え……?』
「ただ、注意して欲しいの。イクスちゃんは私達の大事な客人。無碍にしたら、恐いお兄さんに怒られてしまうもの。」
『お姉さま……』
「“殺さない”ように、“こちら側”に引き入れなさい。出来るわね?」
「……!!も、もちろん!!』

暗殺者の意図する所を理解し、声に自信が戻る。

「貴女なら間違ったことはしないって信じてるから。それじゃ、がんばって。」
『は、はい!お姉さま!!』


通話を切り、前を見据える暗殺者。
その眼は、獲物を見つけた狩人の眼であった……


第参章 第三十一話 緑の罠 (空豆兄様作者)

「こんばんは。可愛いお嬢さん。」


ゼベイルのいる場所へ向かうラフエイアの前に、一人の女性が現れた。
歳のころは20代。妙に余裕な姿勢が印象的だった。
ラフエイアは碧色のライダーの姿に変わり、そして供に緑の怪人を引き連れているというのに。

「…なんだ。てめぇ。」
「………。」
睨みを利かせるものの、彼女は一歩も引く様子が無い。
むしろそんなラフエイアを見て、優しく笑む。
微笑ましいとでもいう気なのか。
それに、ますます腹を立てるラフエイア。

「オレをなめてやがるのか……!?」
「そんな、とんでもない。とっても怖いわ。震えが来ちゃう。」
あくまで余裕の彼女。

「いや、待て。てめぇ…?」



その時彼女は、自分にそんな余裕をみせた、もう一人の人物を思い出した。

「そうか…。どこかで会ったような気がしていたが、てめぇ、あの「人形使い」の仲間だろう!?」
「あら、ご名答。彼からは手の早い凶暴な女の子って聞かされていたけど、意外と頭も冴えているのね。」

………!
「そのスカした態度…。やっぱりそうだと思ったぜ。」
「だったらどうする?私を彼の代わりに叩き潰すのかしら?私としては、全然かまわないけど?」
あのときのことを思い出し、怒りに満ちてきているラフエイアに対し、その女はあまりにも余裕だ。

「……ハッ。」
「?」
…が、今にも飛び掛ってきそうだった彼女が、ふっと息を吐いた。

「こんなところでお前と遊んでいる暇はねぇ。オレの今日の目的はあくまでゼベイルだ。」
「お前と遊ぶのは、その後でいい。」

「ゼベイル……??それがあなた達の追っているライダーの名前なのかしら?」
「てめぇには関係ねぇ。」
(先発させた一匹を、無駄にするわけにいかないしな…。)
「見逃してやるから、とっとと失せろ。」


その女への興味をなくしたとばかりに、手を振って追い払う仕草をする。
「そうはいかないわ。私、あなたを始末しなくちゃ。」

「始末……?」

「ええ。それが私の…「騎士団」の使命。秩序を乱すあなた達、魔女の一派を一人残らず闇に葬る。」
「悪く思わないでね。……変身。」

「…何ッ!!?」
その力ある言葉とともに、その女性は仮面ライダーへと姿を変えた!




「仮面ライダー黒姫…。この名、冥府の土産に持っていくのね。」
「てめぇも仮面ライダーって訳か…。」

「さあ構えなさい。あなたも腕に覚えがあるのでしょう?」
「……ったくめんどくせぇ。次から次へと敵が出てきやがる。」
「だが…今夜オレと遊ぶのはゼベイルって決まってるんだよ!!」

シュルルルルッ!!!

「ッ!!!」

バシバシバシッ!!!

ラフエイアが声を上げたとき、黒姫に向かって3本の蔦が襲い掛かり、その体を締め上げた!
「ぐうううっ!!」
それは両足と首に巻きつき、彼女の動きを制限する。

「…大サービスだ。てめえにはこのデミ・パランツェ二匹、それに……。」
彼女が周りの廃ビルに目をやると、そこからホームレスの男性達がぞろぞろと集まってくる。
「こいつら全員をくれてやる。せいぜいあがけ。こいつらは飢えた獣だ。どんな目に合うのか、見届けられないのが残念だがな。」
彼らは束縛された黒姫の周りに、取り囲むように集まる。

「あばよ。生きてたらまた会おうぜ。」
後ろ手に手を振って、ラフエイアは去る。



「ふ……。バカにされたものね。」







「この辺りなの?」
「うん。私と同じ存在を…。魔女のライダーを感じる。」

風瀬 舞夜と神藤 和子の二人は、舞夜の感覚を頼りに、”奴ら”のいると思われる場所へとやって来ていた。
「いつも人のいない場所にいるのね。」
「そうみたい。……奴らアレで、一応秘密裏に活動してるつもりだから。」
「そう……。」

シュルルルルルルッ!!!!

「ッ!!」
「危ないッ!!」

ザギィィィンッ!!!

廃ビルの割れた窓から、突然蔦が襲い掛かってきた…が、それを神藤、エウリピデスは自らの大剣で切り落とした!

ビシャッ。

落とされる蔦。
「大丈夫!?」
「う、うん。これは…!」

『フゥ、フゥ、フゥ……!』
その時、そのビルから、緑色の怪人が姿を現した。
「魔女の……新たな改造実験体!」

その全身は、無数の蔦が巻きついて出来ていた。
胸は大きく膨らみ、頭の頂点には、なぜか花のつぼみが付いている。
右腕は、先ほど切り落とした蔦で出来ていたのか、切れてなくなっていた。

「舞夜……。変身よ!」
「ええ…。」

彼女の全身を、夜の闇が纏いはじめる。
それが厚く固まり、彼女の体に固着したとき、その背から4枚の白い羽根が突き破り現れた!

「私は、仮面ライダーゼベイルたん!夜を舞い、闇にはびこる悪を討つ!!」


『フゥゥゥゥゥゥッ!!!』

ズシュウウウウウッ!!!

左腕を伸ばし、ゼベイルを捕らえようとする緑の怪人!

バッ!

二人は左右に分かれて体を転がし、それを避ける!
「舞夜!あなたが奴の気を引いて!あなたの方が、動きが早いから!」
「和子は!?」
「その隙にこいつで…叩き斬る!」
「わかった!!」

即席の作戦を立てると、二人はすぐに動き出す!

『フゥゥウッ!!!』
再び伸ばす左腕の蔦!!

ゼベイルに向かって一直線に飛んでくるそれを、上空へと飛ぶことでその方向を上へと反らす!
「今よ!」

「よし……!!」
エウリピデスはその大剣に力を溜めはじめ…
「メデア・ウィンドッ!!!!」

ビュウウンッ!!!

振りぬいた剣閃から、風の刃が撃ちだされた!!!

ザシュウウウウンッ!!!!

……それは、その緑の怪人を、胴斬りにしてしまった。
ゼベイルを追う蔦は勢いを弱め、あらぬほうへと落ちていく。
大地を踏む下半身から、上半身は後ろへと落ち、怪人は絶命した。


………。



「…終わったね。」
「うん。」
怪人を前に、二人が集まる。
「でも、さっき感じたライダーの気配はまだ消えてない。」
「まだ敵はいるって事ね。…そっちへ行きましょう!」
「うん…!」

二人はこの廃ビル街を、さらに奥へと進もうとした…。

シュルルルッ!!

「えっ!!?」
その脚を、緑の蔦が掴んだ!
「和子!!?」

その恐るべき力で、彼女の体は宙へと持ち上げられていく…!
「まさか…!!」
その蔦の出所を辿っていくと、そこにはすでに倒したはずの先ほどの怪人が、地面を這いながらその”右腕”を伸ばしていた。
上半身と下半身は、その断たれた部分から蔦が伸び、お互いを支えあいながら上半身を持ち上げ、元の位置へと固定した。

「こいつ…刃物じゃ倒せない!」

「ぐ、くううああああああ……ッ!!!」
「っ!和子おおおッ!!!!」

宙に持ち上げられたエウリピデスが、その蔦で体を締め上げられ、苦しげなうめきを漏らす。
その締め付ける力に、もう話すことも無理なように見えた。

「とにかく…助けなきゃ!!」
「フォームアップ!!メデアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

ゼベイルに変身した舞夜は、その言葉を口にすることにより、エウリピデスの武器、大剣「メデア」を身にまとうことが出来る!
両腕に剣が延び、その体には立派な装飾の装甲が身を包む。
これがゼベイルの近接戦闘用フォーム…フォーム・M(メデア)!


「散り行くものの無念を背負って、輝く刃は決意の証!!決して挫けることのない、研ぎ澄まされた誓いの剣!!!!」







「さて…。オレがつくまで、あいつは生きていられるか?」
その場所へと向かった歩きながら、ラフエイアは笑う。

「お前の新フォームは剣による一撃がすべてだ。
だが…デミ・パランツェは切断された自分の体をいくらでも再生することが出来る。」
「かといって奴は、通常のお前の歯の立つ相手じゃない……。生き延びてみろ。ゼベイル。」
「もし生きていたら…。オレがじきじきにバラバラにしてやる。」

「分かるか?…お前は今夜ここに来た時点で、負けが決まっていたんだよ!」



「今日が奴の…最期だ!!!!」


第参章 第三十二話 重力使い名を…… (ウェイド作者)

ゼロ「ふん!」
ギルティーのインフェルノをよけながらカウンターを仕掛けるゼロ。

ギルティー「……」
それを難なく避け、インフェルノで攻撃するギルティー。

無と無……その戦いは次元が違った……。

一方、イクスは……。

イクス「……兄様…とこれはギルティー!?」

急いで外にでようとするイクスだが……。

イクス「どこが出口でしょうか」
出口がわからなかった。

話をゼロに戻そう。

ギルティー「次元の狭間で眠るがいい……」

インフェルノとは違う魔法陣が浮かび上がる。

ギルティー「消えよ!エターナルハーツ!!」

ゼロの周りに巨大な空間が現れその空間が……。
バシュン!
消えた。
ゼロはと言うと……。

ゼロ「無駄だ!」

無事であった。
油断をすれば負けると思われるこの戦い。
とめる者はいるのだろうか?

一方……亜種デュナミストが惨殺された場所にて……(ひでぇ。

強騎「ひでえな……亜種だからってこんなことする奴は普通いないぜ?」
強騎というかガーゴイルの人間体である。

彼は血をなんとも思わず、調べている。

強騎「……まるで鋭利なもので切られたみたいだな」
亜種デュナミストの肉片を拾って観察するガーゴイル。

強騎「……誰かいるな…それも……」
強い奴が……。

ウルエイア「あれ?…君誰?」
気がついたときには上に人……いや人ではないものがいた。

強騎「ん〜まあ……人間じゃないな……」

ウルエイア「デュナミストかな?」

強騎「そうだな……それも強いぜ?」

ウルエイア「それじゃあ……大人しくつかまってくれる?」
微笑み、少女……だがおそらく残酷の微笑であろう。

強騎「お断りだ……覚醒!仮面ライダーガーゴイル!」

眩い光の後、金色の鎧を着た戦士が現れた。
余談だが……。
気絶していた少女は起きたのだが……。
女の子「…なに!?何で私は誰!?ここはどこですか!?」
混乱していた少女だった(哀れ
ガーゴイル「え〜と……グラビティーシールド(重力の盾)」
一様保護するガーゴイル……紳士だね。(ぇ
話を戻そう。

ガーゴイル「嬢ちゃんこそ、夜更かしは早いぜ?」

己の武器、カオスバンカーを構えるガーゴイル。

ウルエイア「僕はおばあさまのためにがんばってるもん!」

ガーゴイル「おばあさま?………魔女か」
なぜかガーゴイルの脳裏に笑い続けているおばさんが……

ウルエイア「と言うわけで……覚悟!」

姿を消す、ウルエイア…だが。

ガーゴイル「一つ言う……ゼロのほうが早い……グラビティプレシャー弱」
弱って……しかしそれは通常が1Gだとすると……

ガーゴイル「約10Gくらいだ」
………人間だったら一歩も動けない。

ウルエイアでも少し遅くなった。

肉眼では見えないが、ゼロのスピードが見えるガーゴイルにとっては、走っているようにしか見えない。
ウルエイア「あう……重い」
10G……軽くスペースシャトルが飛び上がるときに発生する…と思う。

ガーゴイル「判ったか? 格が違うんだよ格がな」
いつのまにか取り出した。タバコを吸っているガーゴイル…余裕だ。

ウルエイア「ぅぅぅ……まだまだ!!!」
羽が二枚から八枚となり、再び姿が見えなくなった。

ズパ!ズシュ!ガシュ!
しかしどの攻撃もガーゴイルの鎧をかする程度にしかならない。


ガーゴイル「………んじゃま…少し寝てもらうか」

彼の武器に魔法陣が大量に浮かび上がり。

ガーゴイル「重力の使者よ、今我に力を与えん、我に立ち向かう者に重力の一撃を!」

そして、その魔法陣は膨れ上がり、巨大なドームとなった。

ガーゴイル「グラビティ!インパクト!!!」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

そして、ウルエイアの周り10メートルの地面がつぶれた……。
ウルエイアはというと……。

ウルエイア「うきゅ〜………」
のびました……。
しかし、ガーゴイルがその気になれば、跡形もなくなる……加減したのであろう。

ガーゴイル「さてと……どうするべきだこいつ……」
後先は考えない、それがガーゴイルポリシー。

…余談だが、そのまま放置したとか……。
槍使いに見つからなくてよかったね。
拉致られていたよ?
イクスみたいに……。

イクス「クシュン!……誰かうわさをしているのでしょうか…?」


第参章 第三十三話 絶対零度〜アブソリュート・ゼロ〜 (ユルカ様作者)




「な、なんだこりゃ!!?」


ゼベイルの所へと向かっていたラフエイアは奇妙なものを発見した。

それは張り紙だった。…自分を探しているという…。


「こんなことする奴は…ゲッ! アイツか!?」


ラフエイアの頭にあの槍使いの顔が浮かんできた。

必死に首を振って頭の中から槍使いの顔を消そうとするラフエイア。


「ようはこの張り紙を潰しちまえば良いんだよな…!!」


ドガッ!!

巨大な翠のガントレット『ソルネリウス』のほんの少しの力で張り紙を粉砕するラフエイア。


「これでよ…うげっ!!?」


だが、張り紙は一枚では無かった。

ラフエイアが見た壁だけでも30枚は貼られていたのだ。


「勘弁してくれよ…。」


この張り紙を剥がすのにラフエイアは大幅なタイムロスを喰らってしまった。

ゼベイルの所に行けるのはまだちょっと後のことになりそうだ…。



「ぐ、くううああああああ…ッ!!!」

「っ! 和子おおおッ!!!!」


さて、そのゼベイルたんの方では、かなり危機的な状況があった。

改造実験体:デミ・パランツェを倒したと思っていたエウリピデス=神藤 和子は、

まさにその実験体によって体を締めつけられていた。


「でやぁぁぁぁ!!!」


舞夜=ゼベイルたんは前に和子からもらった力、フォーム・M(メデア)で、

和子を締めつけている蔦を切り裂く。


「がはっ!! ゴホッゴホッ!!」

「和子! 大丈夫!?」

「な…何とかね…。それより今は…!」


目の前の緑の怪人…デミ・パランツェを睨みつけるエウリピデス。


「刃物で倒せないということは…”奴ら”はフォーム・M(メデア)を研究したのね…。」

「じゃ、どうすればいい…? このままじゃ…やられるわよ!!」


考えている間にも、デミ・パランツェは刻々と再生していく…!


「方法はあるわ。1分間…あいつがこちらに攻撃しなければ…。」

「どういう方法…?」

「まずはこの子達で時間を稼ぐわ。出でよ!!」


エウリピデスはカードを3枚持つと、デミ・パランツェに向かって投げる。

出てきたのは、バッタ、テントウムシ、ハチの怪人…。


「ヒッポリュトス…チャージ…!!」


自らの武器である巨大砲:ヒッポリュトスのエネルギーをチャージするエウリピデス。

舞夜はエウリピデスに問う。


「で、時間を稼いだ後は?」

「このヒッポリュトスの力を使うわ。それまで持つか…!」

《Filling completion 30 another seconds》(充填完了まであと30秒)


そういう電子音声が流れる。

デミ・パランツェは、蔦を使ってバッタ、テントウムシ、ハチの怪人と戦っていた。

3体も使っているのに劣勢だったことは私の胸三寸に収めておくことにしよう。(ぉ)


《Filling complete!!》(充填完了!)


「充填完了…! 行くわよ、舞夜!」

「分かった!!」

「アブソリュート・ゼロ…発射(ファイア)!!」


アブソリュート・ゼロ―絶対零度。

摂氏マイナス273.15度、全てのものを凍りつかせる温度。

そう、エウリピデスの狙いは相手を凍りつかせ、一撃で砕けるようにすることであった。


「今よ!!」

「砕けちれぇぇぇぇぇ!!!」


バキィィィン!!!

ゼベイルたんが蹴りを浴びせると、デミ・パランツェは一瞬にして砕け散り、跡形も残らなかった。


「今度こそやったわね…。」

「ええ。でも、まだアイツがいる…!」

「ここからが…正念場かもね…。」


第参章 第三十四話 暗殺者の微笑 (イシス様作者 )

「……何してんの?君達。」

開口一番、八代が口にした言葉はそれだった。
まぁ、誰もいないはずの夜の学園に、しかもほぼ壊滅状態の食堂に人がいるのだから、そう言ってしまうのも無理はない。

「あ、あの、その、私達……!」
「えと、その、これは……」

いきなり声をかけられ慌てふためく一菜と美月。
当然、八代はこの二人を疑惑の視線で見ることとなる。

「で、でも、先輩だって、何でこんなとこに……?」

咄嗟に八代に疑問をぶつける一菜。
自分達がいるのも、まぁおかしな話ではあるが、それは八代にも言えることだった。

「俺?俺にはちゃんとした理由がある。」
「理由……ですか?」
「ほら、これ。」

八代が手持ちの学校鞄から取り出したのは、何冊かの教科書だった。

「ほら、ここももうすぐテストだろ?帰って勉強でもしようかとか考えてたんだが、肝心のこれを忘れちまって…」
「それで、取りに戻った……」
「そゆこと。君達もちゃんと勉強してるか?」

やたら楽しげに話しかける八代。
彼の中では、すでに彼女達がなぜここにいるのかとかは、どうでもよい事となっているようであった。

「あ、私は、なんとかやってます。」
「へー、偉いね。」
「そ、そんな……偉いなんて……//////」

照れる一菜とは対照的に、なぜか滝のような汗を流す美月。
目もなんとなく焦点が定まっていない。

「美月ちゃん……まさか……」
「…………」

黙っているという事は、肯定の意味として取って良いのであろう。
今にも泣き出しそうな顔になる美月。

「ははは。こんなとこで遊んでばっかじゃなしに、ちゃんと家に帰りなよ?」
「は、はい……」

意気消沈する美月。頭もガックリとうな垂れている。





(参ったな……まさか、食堂にブレイドとレンゲルがいるなんてな……)

食堂を出て、人のいない廊下を顎に手を当てて考え込みながら歩く人形使い。

(出来ることならあそこを調べたいんだが、難しいな……)




「ふぅ……これでいいかしらね?」

一息つく黒姫。
彼女の立っている場所は、まさに地獄であった。
急所にナイフを突き立てられて絶命した浮浪者達。そして、ピクリとも動かない二匹のデミ・パランツェ……

見れば、デミ・パランツェは音を立ててボロボロと崩れていっている。
再生能力も追いつかないほどの何らかのダメージが、この改造実験体を打ち破ったのだった。

「それにしても、ノアったら、恐ろしい物を作ったわね。これ、“ハルペー”の時より強力になってる。」

黒姫が取り出したのは、一振りの宝刀であった。
短剣ほどの長さしかないが、しかし立派な造りの黒姫最強武器、“幽世”。

「まぁ、おかげでこいつらも楽に倒せたんだけどね。
 あの娘、魔術師を超えたかしら?」

宝刀を戻し、歩き出す黒姫。

「ゼベイル……それが、ラフエイアの狙い……」

魔女の最高傑作の一人を出してまで始末しなければならないライダー。
彼女はその存在に、少なからず興味を持った。

「最初はラフエイアを倒して終わりにしようと思ってたけど、一つ楽しみが出来たわ。」

ゼベイルとやらが何なのかは知らないが、只者ではないことは確かだろう。
それが脅威となるなら倒すだけ。しかし、彼女にはそれだけで終わらせるのには、どうしても忍びなかった。


「実力を見定めるためにも、高みの見物っていうのもいいかもね。」



第参章 第三十五話 骨折り損…。(空豆兄様作者)

「ハァ、ハァ、ハァ……コン畜生ッ!!!!」

バゴォォンッ!!!

あまりの苛立ちに、ビルの壁をぶん殴るラフエイア。
それもそのはず。

あの女…。槍使い。

彼女の張った、自分を探しているという張り紙。
それをみつけて叩き潰し始めたのはいいが、その数は異常で、次から次へと張り紙は現れ、いくらやってもきりが無かった。

「くそ…。何だよこの念の入り様はよ…」
そのうえその張り紙は、剥がそうとしても全くはがれず、濡らして取ろうにも水をはじく。
だからこうして一枚一枚叩き潰すしかなく…。
それはまさに彼女の、ラフエイアへの執念を表すかのようだった。

「バカヤロウ…。余計な、体力、使っちまった……。」
気がつけば、ゼベイルからだいぶ離れた場所に来てしまっていた。
「くそ…。おまけに改造実験体の気配も全部消えちまってる…!」

一体だけ先行させた緑の怪人…。
足止めのつもりだったが、こうも時間をかけてしまっては、ゼベイルにすでにやられてしまっていてもおかしくない。
無駄に消耗してしまった結果になる。

それに先ほど会ったあの女、やはり只者ではなかったらしい。
対ゼベイル用に調整してあるとはいえ、あのデミ・パランツェを二体、さらに無数のゴーレムをも差し向けたというのに…!
「マジでこいつは…。ゼベイルだけにかかずりあってる場合じゃないぜ。」

今更ながらに実感する。

この町は、もはや自分達の実験場ではない。
多くの組織が入り乱れ争う、戦場だ。

「ちっ…。今ここには、少なく見積もっても敵は二人。最悪の場合、ゼベイルにはあの時一緒にいた、あの女も付いているはずだ。」
あの女…。ゼベイルの強化の原因となった女。

「二人だけなら何とかなるが、あの黒い女…。奴も俺を狙ってる風だった。
ゼベイルと戦っている間、奴に挟み撃ちされちゃあオレも危ねぇ……。」
「ここは…引き時か。ちっ。何でいつもいつも邪魔が入りやがる…!!!」

…まあ、張り紙を無視すればこんな事態にはならなかったのだろうが、
自分を狙う邪な張り紙を、捨て置ける人間がいるだろうか?(;´Д`)

形はどうあれ、彼女は槍使いに時間を稼がれ、暗殺者に頭数を減らされた。
ラフエイアは「騎士団」に、全面的に敗北したことになったのだ。



「本格的に他の組織との戦い方を考えたほうが…。ん?」

ラフエイアの歩く先に、黒ずんだ水溜りが見えた。
「なんだ……?うっ!このにおいは…。」

その異臭に、思わず鼻をふさぐラフエイア。
それもそのはず…。その黒い水溜りとは、……散乱した血液だったのだ。


「だ…誰がこんな派手な殺し方を……って。」
その中に、まるくへこんだ場所をみつけた。
何が起こったのか、きれいな球状にアスファルトやビルの壁がへこみ、その中に血がたまりこんでいる。
「まさに血の池だな…。これをやった奴がやったのか……?」

その光景をしばし見つめるラフエイア。
そこに…。
池の中から8枚の白い突起物を見つける。
薄くて細長いそれは、虫の羽根のように見えた。

「………。」
「まさか!!!」


「ウルエイアッ!!!」
ラフエイアは迷わずその血の池に飛び込んだ!

幸い、それほど深くないその血の池の中央に、彼女はいた。
血の池に沈んでいた、彼女の妹とも言うべき少女の姿が。

「おい!しっかりしろ!ウルエイアァァ!!」
がくがくと彼女の体を揺さぶる。
血まみれの彼女は、ピクリとも動かない…。





「うあああああああああああっ!!!!!」
ラフエイアはその動かない彼女を抱いて、大声を上げる。
その体が血で汚れるのも構わずに。

「ううううう……。オレが、オレが張り紙つぶしている間に、お前がこんなことになってるだなんて!くそおおっ!!!」

「あの……。」

「ちくしょう…!どこの誰かしらねぇが、絶対許せねぇ!ゼベイルより先に叩き潰してやるッ!!!!」

「すみません…。」

「なんだああっ!!!!」

「ひいいいいいっ!!!」

横から聞こえるその声に、吠え掛かるラフエイア。
その子も返り血を浴びていて、地面に座り込んでいた。
普通の、人間の女の子のようだった。

「…あ、あの…その子…。」
「……ああ。こいつはもう、うごかねぇ……。クソッ!仇はオレが!」

「寝てるだけですよ?」


「オレが絶対に!……って、あ?」
「疲れちゃったから、ここで寝るって、暖かいから丁度いいって……。やめておいたほうがいいって言ったんですけど…。」

「…………。」
「くきゅ〜……。」
よく聞けば、彼女の口からは、寝息が漏れていた…。

「…全く。今日は踏んだり蹴ったりだぜ……。」








一方、ラフエイアの気配を追っていたゼベイル、エウリピデスだったが…。

「……あ。」
「どうした?」
「気配が消えた。ライダーの…。」
「え?」
「奴らがいなくなった。…敵が消えたよ。」
「うそ!?…なにが、あったんだろう。」


「ふあぁぁ…。とにかく、今日はもう、お開きかな……。眠いよ…。」
目をこする舞夜…ゼベイルたん。
「そうね。今日も”奴ら”とも戦ったわけだし、あなたはもう休んだほうがいいわ。送ってく。」
「うん…ありがとう。」

二人は廃ビル街から外へと歩き出した。




「…残念。戦ってるところ、見られなかったわね。」
その遥か上から、その二人を見下ろす女性。
「ゼベイル……。ノアの写真に写ってた子だったとはね。」
屋上から見下ろしながらも、その姿を確認する暗殺者。

「跡をつけてもいいけど、無粋かな?どうしよう……。」









「…おばあさま。監視役のゴーレムが戻りましたわ。」
そういったガブエイアの手には、一羽のカラスが止まる。
無論これも、泥で出来たゴーレムの一種である。

「よしよし…。では聞かせておくれ。お前の見てきたことを……。」

そのカラスは、不思議な声で鳴き始める。
人間の聞き取れる周波数を超えているのか、何も聞こえない、が…。
魔女はそれを聞くと、満足そうにうなずいた。

「そうかそうか…。ゼベイルの学友とはのぅ……。」
「では……?」
「仮に今夜、ラフエイアが失敗していたとしても、案ずることはない…。私達は、奴に対する最高の切り札を手に入れた。」
「キヒヒヒヒヒヒヒヒ……。楽しみじゃ。楽しみじゃのう。
奴の苦痛にゆがむ顔が、怒りに震える涙が、嘆き悲しむ声が。すべてを恨む叫びが。」



「それは私の何よりの喜びとなるじゃろうて…。キーッヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!」


第参章 最終話 一つの決着 (ウェイド作者)

ゼロ「ギルティィィィィ!!!!」
ディズジャッジメント…ソウルブレード……だがそれらも当たらない…それどころかゼロは体力が切れそうであった。

ギルティー「……ゼロよ、すまんがお前を俺の配下にするためにも寝てもらうぞ」

ゼロ「な!?」
驚くゼロ…配下にするとはいったい?

ギルティー「次元よ我に立ち向かうおろかなる者を冥界に送り込め!」

ギルティー「エターナルハーツ!」

ゼロ「なっしま………」
バシュ!……ン
避けるのが一歩遅かったゼロ…そして彼は消えた……。

ギルティー「ふふふ……はははは……」
笑い始めるギルティー……黒い月はもうどこかに消えたようだ。

ギルティー「はははははは!!!! ついに駒がそろった! あとは魔女にでも土産を持っていくか……ははははは!!!!!」

そして彼は消えた……。
そう。
魔女と契約するために……。


一方、セイバーたちは……。


セイバー「これで……ラスト!!!」

ズガシュ……。
やっと八匹を倒したようである。

セイバー「ぜぇ……ぜぇ…ぜぇ……」
だが体力が限界だ。

ブラッド「ついに、俺様も目覚めるぜ!!」
ついに檻が壊れた……。

????「いかんでゴザルナ、では……闇よ!我に従え!!」

????「ダークドリーム!!」

いきなり暗闇になるドーム。

晴れたときに……。

セイバー「な…ここは…外?」
そこは外だった、しかもボード学園近く。

セイガー「っち……撤退するぞ二人とも」
シルス「…了解」
メツ「覚えておけよ! 変態!!」

三人はセルファの元に戻った。


スティール「帰るか……そういえば騎士団って奴と私達って組んでたわよね……」
脳内に騎士団の基地を思い浮べるスティールそして……消えた…。

セイバー「それでは帰りますか……」

サラ「うん!」

余談だが……。

ガーゴイル「何で……俺のとこに落ちてくるんだバカスティールが!!!!」
イクスに呼ばれたため、騎士団のとこに向かっている、ガーゴイルと顔面衝突……。
ガーゴイルは変身していなかったために、痛そうである…鼻血も出てるし。

スティール「ごめんなさいぃぃぃぃィ!!」
ガーゴイル「許すかぁぁぁぁぁ!!」
……ほうっておこう(ぇ

一方、イーズドーム(勝手に命名)では。

????「すまんでゴザルナ……ですが、破壊者もあれも目覚めかけていたので」

エウリュディケ『やっぱり、あの波長は破壊者か……それで君は?』

????「それはいえんでござる拙者は影……名は主、以外には言わないでゴザルよ」

エウリュディケ『それじゃあ、さっさと帰れば?』

????「そうでゴザルね……それと今度あったときは本気で汝を」

エウリュディケ『倒すつもりかい?君には無理じゃないかな?』

????「む…それでは!今度は会ったときは汝を殺すでゴザル!」
そしてそのまま黒い影が謎の忍者を包み消えた。

エウリュディケ『それにしても……結構ドームが壊れたな〜』

半壊したドームを見て少し困るエウリュディケ。
ご愁傷様。




そして……騎士団の基地にて……。

イクス「!?………兄様…まさか」

ノア「どうしたのいきなり? って!?」
いきなり涙をこぼすイクス……っておいおい……。

イクス「兄様…いえ、無のデュナミスト・ライダーの反応が……」

ガーゴイル「消えただと……?」

創造者『そのようだ……、やむえない、騎士団と本格的な同盟を結ぶぞ』

ガーゴイル「あ……ああ」


エピローグに続く。



第参章 エピローグ 結ぶ同盟 敵対する組織。(ウェイド作者)

騎士団の基地……の会議室みたいなとこ(ぇ
イクス「……それでは……騎士団はデュナミストないつと同盟を結びます…それでいいですか?」

暗殺者「私はいいわよ」
槍使い「かわいい子いるかな〜」
魔眼使い「…かまいません」

ガーゴイル「俺はいいぜ」
スティールたん「ま、状況が状況だしね」
????「拙者はそれでいいでゴザルよ」
まだ、名前伏せていますゴザル忍者

イクス「それでは、まずはナノクリスタルから説明します」

一方ここは……

ギルティー「………ワープ」

魔女が住む屋敷。

ウィッチ・ビアンコ「ヒヒヒ…客人かな?」
なにやら気づいた、ビアンコ……。

ギルティー「そうだろうな」
その後ろにはいつの間にかいるギルティー……。

ガブエイア「おばあさま! 貴方おばあさまをどうするつもり!?」
ちょうど、入ってきたガブエイアだが……。

ギルティー「なに、殺しはせん……少し話しに来ただけだ……」

ガブエイア「だまされませんわよ!」

ビアンコ「まて、ガブエイア……詳しく聞かせてもらおうか?」

ギルティー「無論だ……」

話をイクスに戻そう。

イクス「ナノクリスタル…つまりナノクラスの結晶で……」
ガーゴイル「この世界で言う核クラスの物だ」

暗殺者「!?」
槍使い「……マジ?」
魔眼使い「そんなものが……」
三人とも驚いているようだ……。
無理もない、ナノ…つまりものすごく小さい粒でその威力は核クラスなのだ。

イクス「しかし、単体では意味がありません、動くために必要なのが……」

一方こちらは魔女の家。

ギルティー「黒き月だ」

ラフエイア「何だそれ、黒い月か?」
……意味がわからないぞ、ラフエイア…「ほっとけ!」

ギルティー「つまり……我等はこう呼んでいた……超時空決戦兵器ダークムーンと」

ガブエイア「時空…つまり、次元すらも操るんですか?」

ギルティー「そうだ……そして我が探しているのは……」

イクス方面。

イクス「コアメタル……黒き月を稼動するために必要な、メタルです」
ガーゴイル「んでもってそれは俺たちが保管している」

暗殺者「そんなものがこの地球にあったなんて……」
槍使い「そんな物騒なもん壊しちゃいなさいよ」

イクス「それが出来れば等にやっています……」

ギルティー方面。

ギルティー「もしも、仮に黒き月を壊した場合、次元崩壊が起きる……
その原理はと言うと、平行世界の理の一つである要が崩れ次元が崩壊しようとして……(長い説明)」

ラフエイア「だーもう!つまり壊したら地球が消えるんだな!?」

ギルティー「簡単に言えばそうなるな」

ラフエイア「最初から言え!」
頭悪いラフエイア!「うるせえ!」

ギルティー「我はもう一つ探しているのがあるそれは……」

イクス方面。

イクス「ギルティー…いえ、ルシファードが装備していた8つの武具を見つけしだい壊してください」

暗殺者「つまりそれは……」

イクス「はい、ギルティーを強化…いえもとの強さに戻す武具なんです」
ガーゴイル「俺たちは何とかして3つ破壊したが……それ以外は…」

暗殺者「…分かったわ…つまり用件は……」

暗殺者「黒き月とコアメタルの防衛、ナノクリスタルの回収、8つの武具の破壊…ね」

イクス「お願いします!」


ギルティー方面。

ビアンコ「よかろう…商談成立じゃよ」
ギルティー「こちらも色々と情報を送ろう……」

ガブエイア「それでは、情報をまとめますと……」

ビアンコ「つまり……黒き月とコアメタルの奪還……これは後でいいんじゃな」

ギルティー「ああ」

ラフエイア「それとナノクリスタルの回収…かめんどくさそうだな」

ガブエイア「8つの武具も忘れてはいけませんわ……」

ギルティー「それと……まず我の戦闘データーそれに亜種デュナミストの属性データ、そして……」
懐から丁重に出すギルティー……。

ギルティー「…亜種デュナミストになるためのエキス」

ビアンコ「ほう?」

ギルティー「これは好きに使え、それと、この者の記憶と感情を削除そして、我とお主に従うように改造しろ……変な改造はするなよ」
次元が開き、一人の青年が降りてきた……この青年は…!?

ギルティー「それに……魔神も目覚めそうだ……」



一方、人気がない崖にて……。
??????『ザ……ザ…ザザ…イク……ス
……我…衛…我が名……ザザザザ……ガンヴァルオ……ザーーーーーーー』
何かが目覚める…?

それと。
余談だが……。
イクス「それと……こっちにはかわいい子いるけど……誘惑したら承知しないぞ?」
デルタマシンガンを構える…その銃針は槍使いに向かっていた……

がんばれ槍使い!
報われる日はきっとない(ぇー。



第参章 エピローグ 銃使い誕生 (イシス様作者)


騎士団はデュナミストナイツと同盟を結んだ。
そのすぐ後、ガーゴイル達は創造主の元へと戻った。彼らも、色々とやる事があるそうだ。
残されたイクスは、一人物思いに耽っていた。

「兄様……」

反応が消失してしまった兄の事を思う。
誰よりも強く、そして優しかった兄の事を………


「………」

今、騎士団のアジトの中枢たるメインコンピュータールームには、イクスの他にはノアしかいない。

暗殺者は街での活動を中心に切り替えるとして、しばらくはアジトには帰って来ない。
人形使いも同じく、街での活動に専念している。
槍使いは相変わらず何処かへ行ったきり。魔術師と弓使いはホテルにいるそうだ。



悲しみに暮れているイクス。そんな彼女の姿を見て、なぜか口元を歪め、笑い出すノア。

「ふふふ……はははは……あはははははは!!」
「……何が可笑しいんですか?」

不快な表情をするイクス。
肉親を失った者の気持ちを考えれば、普通はこの様な行動にはでないだろう。
しかし、彼女の怒りにもお構いなく、ノアはなおも笑い続ける。

「ははは……同盟?笑わせるわ。こっちは最初からそんなもん、する気もないのに。」
「え……?」
「それに、ゼロもゼロよ。偉そうにしといて、結局死んじゃうなんて、馬鹿らし。」
「………!!」

その言葉は到底、許されるものではない。怒りを露に、ノアに詰め寄るイクス。

「訂正して下さい。貴女に兄様の何が分かるって言うんですか!?」
「分からないわ。分かりたくもない。」
「っ………!」

ノアの態度に我慢の限界に来たのか、思わず掴みかかろうとする。
が、ノアはその手を、まるで不快な物が触れたかのような表情で、払いのける。

「触らないで。アンタなんかに触られたくも無い。」
「……!!」
「この際だから、はっきり言っとくわ。」


「私はアンタが大嫌い!アンタもゼロも、ガーゴイルやスティールって奴も、レンナもセイバーも、
 デュナミストは全部嫌いだ!!」

その言葉は深く、まるで刃物で切りつけるかの様に、イクスの心を傷つける。
ゼロの喪失もあいまって、イクスは何も言えなくなる。
さらに、ノアは恐ろしい宣言をした。


「お姉さまからは“殺すな”って言われてるから、“殺さない”ようにアンタを引き込んでやる……
 騎士団の“下僕”としてね!!」
「………!!?」

狂気に彩られたノアの表情、そこには躊躇いが一切見受けられない。
相手が本気だと直感したイクスは、抵抗はあったが、デルタマシンガンを構える。
取り敢えず、行動不能にしてこの場から立ち去るべきと判断し、脚に狙いを定め、引き金を弾く。


が、銃弾はノアには当たらず、代わりに彼女の周囲に発生した電磁シールドが銃弾を弾く結果となった。

「……!!」
「アンタのその重火器は調べ尽くしてある。その武器じゃ、私の電磁シールドは破れないわ。」
「くっ……!」

なおも引き金を弾くも、銃弾は一発もシールドを突破するには至らない。
そして、デルタマシンガンの銃弾が尽きた。

すぐさまマガジンを捨て、予備の弾装をセットしようとする。
しかし、それよりも速く、どこからか現れたコードが重火器を弾き飛ばす。

「しまった……!!」

急いで回収しようとするも、眼前には何時の間にか、ノアが立ち塞がっている。
そして……

「はっ!!」

彼女が繰り出したのは、ただのパンチだった。
しかし、それを受けたイクスは、壁まで吹き飛ばされる。

「あぅ………!!」

思い衝撃に意識が飛びそうになる。
さらに、先程のコードが束となり、イクスの体を締めつける。

「ぐ……く……うぅ……!!」


あまりの苦しさに、すぐにでも逃げ出したくなる。
しかし、それ以上にイクスの頭の中は、この少女の異常さで埋め尽くされていた。

いかにイクスが戦闘能力の低いライダーだとは言っても、ただの人間、それも少女の打撃でこうはならない。
先程の電磁シールドやコード、そして少女の怪力。
この少女は何者なのか?

「驚いてるわね。ま、無理もないか。」
「あ……貴女は……人間じゃ…ないの……ですか………?」
「……人間よ。いえ、“元人間”よ。」
「それは……どういう……」

イクスがその言葉を言い終える前に、ノアは彼女の首を掴む。
信じられないほどの握力に、呼吸が困難になる。

「誰の所為でこんな体になったと思ってるの!!全部、アンタ達デュナミストの所為じゃない!!」
「く……あ……!!」

掴んだ腕でイクスを強引に地面に叩きつける。
さらに、彼女の背中を踏みつける。やはり、異常な怪力に、背骨が軋む。

「あぅ……!!」
「アンタ達さえいなければ、私は“普通の女の子”でいれたんだ!!
 それをアンタ達が………!!」

イクスの背を何度も何度も踏みつけるノア。その衝撃に、遂には血まで吐き出す。

「元々、私は普通の、どこにでもいる女の子だった。パパとママがいて、友達がいて、好きな人もいた。
 だけど、ある日、私の大切な物は失われた。異形の集団によって……!!」
「……あ。」

苦しさに耐え、なんとか声を絞り出すイクス。

「奴らの所為で、ママも、友達も、好きな人も、皆殺された!!残ったのは私とパパだけ。
 それに、私だって殆ど死に掛けだった!!」
「そ……それ……じゃ……」
「えぇ、そうよ!この体は殆どが機械で構成されてる。これで納得がいったかしら?」

成程、これなら先程の異常な力も説明出来る。
しかし、気になるのは、異形の集団という言葉。イクスは考えて、ある結論に辿りついた。

「まさ……か…亜種……デュナ……ミスト………!!」
「ご名答。本来なら、アンタ達が裁くべきはずの化け物共よ!!」

ひと際強く、イクスの背を踏みつけるノア。

「あぁ……!!」
「その後、私とパパは騎士団に助けられた!そいつらも騎士団が倒してくれた!!
 だから、騎士団に入るのは自然な事でしょ?」

背を踏みにじる。あまりの激痛に、すでにイクスの周囲は血の水たまりが出来ていた。

「最初は奴らの正体が分からなかった。分かったら、絶対に許さないって誓ってた。
 ……アンタのお陰で、ようやく分かったの。感謝するわ。」
「あ……う………」
「だから、決めたの。デュナミストも、亜種も、全部殺してやるわ。……アンタを使ってね。」


イクスを多い尽くすように現れた無数のコードが、再び彼女を拘束する。
まるで、十字架に貼り付けられたかのようである。

「アンタ、ここが何なのか随分と気にしてたわね……特別に教えてあげるわ。
 ここは、あるマッドサイエンティストが使ってた、悪魔の様な場所。」
「……?」
「デュナミストやその亜種、さらにはオルフェノクまでもがこの施設の犠牲者となった。
 そう、ここは捕獲者を改造実験し、究極の戦闘兵器を作り出す場所、“ニーベルゲン”。」
「……そん……な……!」
「まぁ、ここはそれ以上に、全世界のネットワークを掌握することが可能だから、私が使ってるんだけどね。」
「ここは……兄様が……幾重にも……プロテクトを掛けて……封印……を……!」

その言葉を聞き、再び笑い出すノア。

「あんなのが封印?馬鹿馬鹿しいわ。あんなの、私にとっては玩具みたいなもんよ。」
「あ……」
「さぁ、お話はもうお終い。ここの設備を使って、アンタを私の手駒にしてやる!!」


天井から伸びてきた一本のコード、その先には機械作りの小さな蟲。
それはイクスの首筋にくっ付き、そして体内へと入り込む。

「あぁ!!うあぁぁ………!!」
「ふふ……これはただの蟲じゃない。埋め込んだ者を意のままに操る事が可能なの。
 しかも、私が死ねばアンタも死ぬ。私以外には解除は出来ない!!」

絶え間ない苦痛の叫びが響き、やがてそれも止まり、イクスは開放される。
ゆっくりと頭をあげ、ノアを見る。

その眼は、およそ生気と言うものが感じられなかった。


「アンタはガーゴイル達の前では普段通り振舞ってなさい。
 イクス、いえ、“銃使い”。」
「はい……ますたー……」


第参章 エピローグ 契約・疑惑・陰謀・お風呂(何 (空豆兄様作者)

「うにゅ……。むにゃむにゃ。」

「ほら、おきてください。起きて…。」

ゆさゆさ。

「ふにゃ…?なに?」
眠たそうなまぶたをこすり、ようやく起きる小さな少女。
「わ!体がばりばりだよ!赤いのがぼろぼろ落ちるよ〜。」
「それは固まった血液です…。」

ウルエイアを起こした少女は、やれやれといった顔で彼女に教える。
「血の池で眠ったりするからですよ。」
「あ!そうだった。なんか金色の奴にやられて、疲れて寝ちゃったんだっけ…。」
まだ寝ぼけた頭で、一生懸命眠る前のことを思い出す。

………。

「ところで、あんただれ?」
そこで、やっとその疑問に気がつくウルエイア。
「…覚えてないんですか?」
「あ、え、えへへ……。」
笑ってごまかす小さな少女。
それをため息で区切らせると、その少女は話し出す。

その姿は、まるで作務衣を着込んだ、まるで女性の華やかさとはかけ離れた格好だった。



「わたし、先ほどあなたに、助けてもらった…って言うにはついでっぽかったかな…、こずえ、というものです。」
ぺこりと頭を下げる少女、こずえ。
「はあ。こずえさん…。」
「私あの後、あなたのお姉さまのラフエイア様に見つけていただいて、あなたと一緒にお屋敷に連れてきていただいたんです。」
「ラフエイアが?」
「はい。ウルエイアがせっかく助けた奴を殺すのは忍びないと…
本当はあなた様方を見たものは、殺すのが普通らしいのですが…。そういう事らしいです。」
マッジ命拾いしたぜぇ〜…とばかり、ため息をつく。

「そうなんだ…。ボクとしては、本当についでだったんだけど。」


「いえ!助けていただいて感謝してます!」
ぺこっと頭を下げるこずえ。
「あの時ウルエイア様が来て下さらなかったら、私、あの男たちに食べられて…
それはもう、いろんな意味で…ありがとうございました!」
「ねえ。それはいいんだけど。なんでボクやラフエイアを「様」付けするの?」

「それは追々…。ではウルエイア様、衣服をお脱ぎくださいな。」
「え、ええええっ!?」
さすがにびっくりするウルエイア。

「女の子がいつまでも、そんな血に汚れていてはいけません。」
そういって、真っ赤になった彼女の服を指差す。
「あぅ…。」
「ですから私と…まああなた様を起こす前に、先にお湯はいただいたのですけど…、入浴をいたしましょう。」
「えええっ!?なんで!?なんで!?ボクなんでそうなるのか分からないよぉ!」
「そうさせていただかないと困ります。わたし、今日からここで住み込みで奉公することになったんですから。」

「ええええええええっ!!?」





「…いいのですか?おばあさま。」
先ほどまでいた客人を送り、ガブエイアが魔女に話しかける。
「よい。ラフエイアの今夜の報告が本当ならば、これからの戦いはゼベイルを狩るだけではすまなくなる。
騎士団との抗争も本格化。戦力の充実は不可欠じゃ。」
「なにより奴はデュナミスト・ライダーの中でも髄一の実力者。敵に回らなかっただけ御の字。」
「そして奴の提供してくれたデータで、さらにわしの研究も進む。今はよしとしておくかのう。」
「今は……な。」
「おばあさまが、そうおっしゃるのならば…。」



「奴が残した、あの青年は…?」
「…む。まだ奴から何も聞かされてはいないからの。地下室に置いておけばよい。」
「はい……。」




「今夜の話は、ミクエイアには私が話をしておきます。」
「うむ。…あのこずえとか言う娘はどうした?」
「帰還したウルエイアを、お風呂に入れているところですわ。」

「そうかそうか……。気まぐれでここにいることを許したが、ちゃんと役割を果たしているようじゃな。」
満足したように笑う。
「おばあさま?」
「何。奉公人も悪くない、とな。」



「ウルエイア〜。起きてるか〜。」
がちゃりと彼女の部屋を開け放つラフエイア。

「ん…。タンスが開けられてる。着替えを持って風呂に行ったか…。」
あの血まみれの姿じゃなぁと、苦笑するラフエイア。
すると、その足で風呂場へ向かう。


魔女の屋敷…。見た目は古めかしい洋館だが、その全貌はまさに大金持ちの屋敷とそうは代わらない施設が取り揃えられている。
大きなお風呂はもちろん、50人は入る居間、トイレは7つ…。など、普通からは考えられないその内容。
ちなみに、この屋敷はこの国の建築様式を参考に作られて物であり、外装が古い屋敷なのは、たんに魔女の趣味なのだとか。

その地下には、魔女専用の施設などが、地上部分よりも巨大な容積が広がっている。
むしろこちらこそがこの屋敷の、いや、魔女陣営の本拠地といえるだろう。



『うにゃにゃっ!くすぐったいよぉ〜♪』
『じっとしてて下さい!…あ。この羽根って直接生えてるんだ…。えい。さわさわ。』
『ふにゃっ!そこは、だめぇ〜…。』

風呂場から、なんだか楽しげな声が聞こえてくる。
「目が覚めたか〜。ウルエイア。」
彼女はその入り口の前で声をかけた。

『あ、ラフエイア、どうしたの?』
「ああ。さっきちょっと会議があってさ。その話をお前にも通しておこうと思ってな。」

『なに〜?聞こえにくいよぉ〜。』
『そうですね…ちょっとお約束ですけど…失礼!』

がらっ!

「うわあっ!?」
「おっと。」
風呂場の脱衣所、そこと風呂場を繋ぐ扉の前に立っていたラフエイア。
その戸がいきなり開かれて、ラフエイアはバランスを崩す。

「な、な…。」
そんな彼女を受け止めたのは、扉を開けた張本人・こずえ。
「えへへぇ〜。さ、ラフエイア様もお風呂に入るのです!」
「な、何いっ!?」
「お、それはいいですねぇ〜。ラフエイア、覚悟ぉ〜♪」

「お、お前ら、やめろおお〜……」
二人が、ラフエイアに向かって指をわきわきさせる。
「一緒にお風呂に入って、親睦を深めましょう〜。」
「お風呂は気持ちいいよ〜…。」

「ひ、ひいいいいいいっ!!!」





「仮面ライダーギルティー…。それと手を組んだ。そうなのね。ガブエイア。」
「ええ。」

青い羽根をたたえた天使が、ベッドの上に横たわる。
それを見守るように座るガブエイア。

「さっきの話、確認してもいい?」
「ええ。大事な話だものね。」

「たった一粒で巨大な力を発揮できるようになる「ナノクリスタル」。これが手に入れば私達は更なる力を得ることができる。」
「でも、それはそれひとつでは役に立たない…。」

「ええ。彼…ギルティーの入手せんする、「黒き月」。これの起動と連動して、ナノクリスタルは強大な力を発揮する。
そしてその稼動のためには」
「ギルティーと敵対するデュナミスト・ライダーの持つ「コアクリスタル」。これが必要、と…。」
「よく出来ました。私たち4人は、これからその捜索に当たることになる。ゼベイルはしばらくは放置ね。」


「明日にでも私もその捜索に参加するわ。…休んでばかりはいられない。」
「そうね…。これから激化する戦いに、あなたの力は不可欠だもの。」
「…ところで。今の話し方だと、ゼベイルは、まだ生きているの…?」

「……ええ。」

「そう…。私、あいつを倒さないと落ち着かない。悪いけど次のゼベイル討伐は、私が行く。」
「な…!?」

「ビアンコ様には、私も捜索に加わったことにしておいて。私は…。奴を倒す。」
「…そう。分かった。おばあさまには、うまく言っておく。」
「ありがとう…ガブエイア。」

そういって彼女は、右肩の傷をさする。
「この傷の借り…それに、……!!!ゼベイル!」
「私は絶対にお前を倒す!…お前の存在が、私を乱す!お前を思うと、私は平常ではいられない!だから…。」
「お前をこの世から、葬ってやる…!!!!」



ガブリエルがミクエイアの部屋から外に出る。

「………。」



(ミクエイアには…。この場にいなかった者たちには、ギルティーの8つの武具については話すな、と…?)
(そうじゃ。)
(なぜです?その捜索も、この契約の一部のはず。)

(よく考えてみよ……。奴はそれを手に入れ、本来の最強の力を手に入れる。その後、わしらはどうなる?)
(あ……。)
(…そういうことじゃ。そもそもこの契約自体、奴の有利な条件が多すぎる。)
(確かにわしらは貴重な各種データを手に入れた。だがそれがなんじゃ?奴の目指すものが奴の手中に納まれば、
そんなもの何の意味もなくなる。)

(では契約を交わしたのは…。)
(奴を利用するためじゃ。…少なくともしばらくは敵ではなくなるからの。)

(捜索は出来る限り長引かせよ。時間を稼がねばならん。…よいな。)
(はい……。)



「………。」
「ギルティー……。もしおばあさまに手を出したなら、刺し違えてでも殺してやる…!!」




『うにゃにゃ〜っ♪羽は、羽はだめぇ〜…っ』
『この羽も血が入ってますよ!念入りにやらないと…。ごしごし。』

『あの〜…お前ら。オレの話聞いていたか?』
湯船の中から、黄色い声を上げながら体を洗う二人に話しかける。
『あぅ?なに〜?…ひんっ!』
『ごしごしごし……。』

『……ま、いいか。』
そういうと、湯船に顔の半分までつける。

『こずえ、おむねおっきいねぇ〜。どうしたらそんな風になるのかなぁ?ボクの、こんなにちっさくて、恥ずかしいよぉ〜…。』
『大丈夫ですよ。牛乳をたくさん飲んでたくさん運動すれば…まあおそらく、きっと…大きくなりますよ。』
『ウルエイア様は、まだまだ成長期なんですから。』
『そっかぁ〜♪よおし、牛乳飲むぞ〜。』

『……無邪気なこって。』
誰にも聞こえないように、小声で言う。
でもラフエイアも。

『…オレも飲むか。』

そう心に誓っていたり。






「何にせよ。私達の戦いはこれから大きく変わる。さて…。奴が「黒き月」を目覚めさせるのが先か、
わしらがそれ以上の力を得るのが先か。」
「それとも……。『バエル』の完成が先か…?キヒヒヒヒヒヒ……。」


第参章 エピローグ 鍋を囲んで (岡山様作者)

アパートに到着した二人、そして志保の部屋は二階だ。そして部屋の前に来ると
一人の女性ドアの前にいた。髪型は長髪で眼鏡をつけていて、
どこか頼りなさそうな雰囲気をかもし出す人物
手にはスーパーのビニール袋、足元には大きな段ボール箱
二人はこの女性のことを知っていた
「サーチャー?」
二人は同時に声を上げた
女性の名は凛堂 暦(りんどう こよみ)、通称サーチャー、何かを探すことに対して
天才的な才能を持ち、彼女に探せないものは無いと言われるほど、
彼女曰く、彼女にも探せないものもあるらしい。
「おかえり、志保ちゃん。それと凪ちゃん」
凪は
「…ちゃん付けは………やめてほしい」
「サーチャー、何故ここに?」
「引っ越し祝いに来ました!」
数十分後、三人はすき焼きを囲んでいた。サーチャーの持っていた荷物は
すき焼きの材料だった。
「月曜からボード学園の図書室で司書として働くことになりまして」
ボード学園ほどの規模の学園は図書室も大きい。そのため専任の司書が配置されている。
ちなみにサーチャーは、司書及び司書教諭の資格を保有している。
「今、この部屋の下の部屋に住んでます」
「そうなんだ………」
凪は、黙々と肉を食べている。
「それよりさ、あれ」
志保は部屋にある大きな段ボール箱を指差す。それはサーチャーが持ってきた箱だ
中身はすき焼き用の牛肉、しかも箱いっぱいの。とうてい三人じゃ食べきれない
「祝い事なので奮発しました」
「でも、何でこんなに」
「安かったもので………」
突然、凪が
「安い肉を大量に買うより、高い肉をそれ相応な量、買えばよかったのでは」
「そっか!」
「はあ………」
ため息をつきながら、志保はふと窓の外を見る
そして思う
(この街にに奴はいる、そうボード学園に………)

一方、ボード学園
人形使いは学園での調査を一旦終えて街での活動に移り
そして一菜達も立ち去り、学校は静寂に包まれる。
そんな中に一人の少女がいた、頭や腕に包帯が巻かれ
服装は黒いトレーナーにロングスカート
「ようやく静かになった………」
なお、人形使いを見ていたのもこの少女だ。
そして、この少女がこの戦いに大きな波乱をもたらす。

再び志保の部屋
志保は窓から目をそらし、そして肉の詰まった大きな段ボール箱をみる。
「この肉どうするの?」
「どうしようか。」
と答えるサーチャー
しばらくの間、志保はこの肉の処分に頭を悩ますこととなる。


第三章 エピローグ 蠢く闇と新しい光 (残影刃様作者)

「うぅ、ここ何処だろ?」

ギルティーと魔女が手を組んだその日の夜、街の中を一人の少女が歩いていた。
少女の名は水無瀬ホタル、肩より少し長い茶髪と優しい笑顔が特徴の女の子である。
この度、京都からボード学園に転校してきたのだが……下宿先である姉のマンションの場所を探して迷っていた。

「えっと、…うぅ、全然解らないよ〜」

涙目で困っているその姿は、どんな人でも助けたくなりそうな姿だった。
しかし、彼女はどういうわけか人目に付かない薄暗い場所を彷徨っていたから意味が無かった(オイオイ)
……しかし、そんな彼女を背後から狙っている異形の者達…亜種デュナミスト達である。




『美味そうなのが来たな…』
『ああ、無茶苦茶柔らかそうだ…』

二人の異形達は涎を垂らしながら話し合う。

『俺はあの腕が良いかな…』
『じゃあ、俺は脚な…』

二人は、お互いに喰らう部分を話し合い、結論が出た瞬間、
一気にホタル目掛け襲い掛かる。




…ザシュッ…ザシュッ!

『『…ガッ!!』』

しかし、二人の異形は、ホタルを襲おうとした瞬間に後ろから昆虫の足の様な物に胸を貫かれ、一気に物陰に引き込まれた。

『ガッ…誰だ!!』
『せっかくの食事を邪魔しやがって!!』
「…うるせぇな、こっちはテメエ等ごときに計画を邪魔されたくないんだよ」

彼等が振り返ると、そこには赤い装甲に身を包んだ異形の者だった。
さらにその異形の者の背には4本の昆虫の足が生えていた。

『テメエ…デュナミストか!?』
「あ、俺は違うよ…俺は“アザゼル”…悪魔さ」

異形の疑問に、アザゼルはニヤリと笑いながら答えた。

「ま、とりあえずテメエ等は消えろ」

アザゼルが指を鳴らすとアザゼルの後ろから巨大な蜘蛛が5匹出てきた。

『な、なんなんだ、こいつ等!?』
「ああ、こいつ等は俺達のペットさ…お前程度なら軽く食い殺せるな」

アザゼルの言葉に、二人の異形は青ざめる。
彼等の本能がすでに悟っているのだ…この化け物には自分達はただの餌だと…

『た、助け…』
「お前等、食っていいぞ」

主からの許可が出た瞬間、蜘蛛達は一斉に亜種達に襲い掛かり肉を食いちぎってゆく。




「さて、…おい、“メフィスト”片づけだぞ!」
『ええ、お疲れ様ですアザゼル』

アザゼルが宙に向かって喋ると、何処からとも無く丁寧な女性の声が聞こえる。

「それにしてもあのガキが本当に“鍵”かよ?」
『それは間違いありませんよ』
『よれより、彼女を安全なところまで連れて行きなさい』
「へいへい、…変身解除」

女性からの命令に従い、アザゼルはまず怪しまれないように変身を解く。
すると、装甲が消え、茶髪で少し目つきの悪い青年の姿になった。

「さて…げっ!」
『どうしました?』

アザゼルが少女の方を確認すると、彼…いや、彼等にとっては忌むべき存在がホタルの隣に居た。

「最悪だ、“暴君”がいる」
『…そうですか、まあ彼は彼女の存在に気付いていませんし彼女を安全なところまで連れて行ってくれるでしょう…』
『じゃあ、本部に戻ってきてください』
「了解」

メフィストの指令に忠実に従い、アザゼルはその場から去った。




一方、ホタルは、あの人気の無い場所から下宿先まで案内されていた。

「あの、有難うございます」
「別に…ただのついでだ」

ホタルがお礼を言うと、バイクを押しながら案内している少年が無愛想な態度で答える。
少年は、前髪が少し長い黒髪で、やや釣り目の紫紺色の瞳が特徴だった。
ちなみに、服装は白シャツに黒ズボンである。

「…着いたぞ」

ホタル達が到着したのは、昔、木場達が住んでいたマンションにも負けない位設備の良さそうなマンションだった。

「本当に、有難うございます」

無事に到着して、安心と感謝の気持ちが溢れたのか、ホタルはまたペコペコとお礼を述べた。

「だから気にするな、それより早く戻らないと余計心配するんじゃないか?」
「あ、そうですね」
「本当に有難うございました」

少年の言葉に、ホタルはパタパタと入り口まで行くと、またペコリとお礼を言った。
そして、少年は無言でバイクにまたがりその場から去った。

「…あ…」
「…名前、聞きそびれちゃった…」

ホタルは、残念そうに一人呟いた。




そして、先ほどの少年は漆黒バイクで峠を移動していた。

『陣様、珍しいですね…貴方が人助けするなんて?』

峠を疾走している最中、彼の愛機“ヴォルフ”が少年こと“四乃森陣”に質問する。

「別に…ただの気紛れだ」
『そうですか…それよりも、最近は“ビースト”出現率が低下していますね』
「そうだな、最近狩れるのも亜種だけだからな」

陣は、ヴォルフの疑念に静かに相槌を打った。

「まあ、どちらにしても俺にとっては憎むべき存在だけどな…仮面ライダーと共に…」

陣は、ただ静かに…そして憎しみを煮えたぎらせて呟き夜を疾走してゆく


第参章 エピローグ それぞれの思惑と動き(ユルカ様作者)



『タイムムーブ…。』


エウリュディケがそう言うと、先ほどまで壊れていたドームが一瞬にして元の状態まで直った。


『さてと…次は…。』


エウリュディケは、例の緑色の液体が入ったアクリル製の円柱が沢山置いてある部屋へとワープした。

その頃…時雨養護施設へと戻ってきていた京とキールは…。


「何でこの部屋に?」


京のバイク、インジェノウスの置いてある部屋だった。

隣にはキールのバイクも置いてある。


「このバイクの新しい機能を説明しておこうと思ってね。」

「まだ一度もまともに出たことないですけど…?」


それは言わないで…。


「そんなことはともかく…マニューバスレイブ、起動!」


キールがそう言うと、突如バイクはロボット形態に変形!


「えええ!? たしかこのマシンにはこういう機能は無かったって…!」

「いつそんなこと言った?」

「わざと黙っていたんですか…。」


意外と意地悪だなと、京は思った。


「まあそう言わないの。インジェノウスは乗っている人が危険にさらされた場合、自動で変形して守ってくれるのよ。」

「そ、それは凄いですね…。」

「と言っても武装は貧弱極まりないけどね。」

「酷い…。(泣)」


その頃…エウリュディケの方は…。


『そろそろ…彼女を使うときだろうか…。』

「………。」


エウリュディケの目の前には、どこかで見たような茶色の髪の毛の少女が眠っていた…。


『…EASE・ULTRA・ARMS…MOSADOUG…(EASE超兵器・モーサドゥーグ)起動!!』

「……ァ……。」

『さぁ、モーサドゥーグ…。僕の計画の邪魔をしそうな魔女のゴーレム、ついでに忌み嫌うライダー達を倒して来い。』

「……ァ…。」

『生体ユニットに…乾 いぬみを組み込んだんだ…。少なくとも…彼女達は壊すのをためらうはずだ…!』


そして、それが動いたのと同時刻、空港に一人の少年が到着した。


「…遅くなっちゃったな…。姉さん…心配しているだろうか…?」


少年は翡翠色の瞳で鳶色の髪の毛…なかなかに整った顔立ち、そして少々大きめのアタッシュケースを持っていました。


「おっと、すいません。」

「おい、兄ちゃん。ぶつかっといてそれだけってことは無いよな?」

「(やれやれ、どうしてこう俺の周りには…。)」


―こういう奴等ばっかり集まるんだろうな…!!


ドガッ!!

バキッ!!

ボゴッ!!


…シーン…。


「ゲ…つ…つぇぇ…。」

「これからはもっと人を見ることだ。この俺、カシス・時雨をなめるんじゃないぜ!!」


…何かが動き出していた。

…でもそれはまだ誰の目にも触れることなく…

…ゆっくりゆっくりと破壊の準備を進めていたのだ…。


第四章につづく…。
オリジナルライダー・リレー企画
http://ameblo.jp/yuruka0415/
2006年12月14日(木) 09時36分16秒 公開
■この作品の著作権はオリジナルライダー・リレー企画さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
プレッシャーかかるなぁ。もう。(コラ)
早めの内に話し繋げて続き書きましょうね!
…第5章のログがラストのほう欠けているんだけどな…。(ぇ)

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