仮面ライダー王虎 レッスン20「もう一度・・・」
美海「ふぅん、上級カオスの力を取り込んだ・・・ねえ。わかったわ。引き続き調査を続けて頂戴、ヒトミちゃん。こっちはこっちで頼まれていた任務を遂行するから」
美海が携帯を切ってふうっとため息をついた。
美海「なぁんだか、面白くないわねぇ。虎ちゃんはパワーアップしちゃうし、風子ちゃんと火美ちゃんは仕事仕事で構ってくれないしぃ。…退屈だわぁ」
美海がソファから起き上がると、ダーツを一本取り出した。
美海「ちょっと退屈しちゃってイライラするから・・・ちょっとだけ退屈しのぎに・・誰か一人だけ殺しちゃっていいよね?いいよね?いいのよね?」
美海がダーツを投げ放つと、その先にあった水晶の写真に突き刺さる。
美海「貴女が悪いんだからね?アンチクロスの命令に逆らって戻ってこないから仕事も伝えられないし、あたしのことイライラさせたんだからぁ。キャハハ♪」
美海がくすくす笑い出し、やがてこらえきれなくなったかのようにおなかを抱えて笑い転げる。その様子を見ていた月が軽蔑するかのような視線を向ける。
月「・・・ふん、ずい分とご機嫌ね」
美海「あらそう?こう見えてもかなりムカついているんだけどなあ。あ、それなら月ちゃん、ちょっと様子見てきてほしいんだけど、お願いしていいかしらぁ?あなたはカオスを一人残らず倒したい、あたしも邪魔なカオスを始末したい。利害関係は一緒。あたしが情報を操作して貴方に教えて、貴方がカオスを倒す。ギブアンドテイク。いいでしょう?」
月「貴様の狙いは何だ・・・?」
美海「別に、あたしはあなたの味方よぉ。カオスを倒したい、そのために力まで授けたんだから、あたしたちが貴方に害を与える行為はしないと信じてもらいたいんだけど?」
月「余計な詮索はするなってことか?あいにく私は望んでもいない恩を恩着せがましく押し付ける輩には仇で返す主義なんでね」
そういって、素早く刀を身構える。その時、彼女ののど元には美海の手からいつの間にか出来上がっていた透明で鋭い剣の切っ先が月ののど元をとらえていた。
美海「いい?これ以上あたしをイライラさせないでぇ?じゃないと、貴方から引導渡してあげるんだからぁ♪それでもいいけど、いい加減邪魔くさい熊退治しておかないとこの高ぶりが収まらないのよねぇ」

何とか泣きやんだ水晶を寝かしつけたクマは、窓から屋根の上に上り、そのまま寝転がった。星空がきれいに輝いていた。クマは美しい星空を眺めてため息をつく。
クマ「あんなことくらいで泣くことねぇのにな。・・・でもまあ、俺も昔ああだったからな」
クマが何かを思い出したかのように自嘲の笑みをこぼす。

クマの両親は、クマがまだ5歳の時に離婚した。理由は浪費癖と酒癖の悪い母親のヒステリックな家庭内暴力で、父親は息子の武を守ることなく母親に押しつけるようにして離婚届を提出するとどこかへと消えてしまい、二度と会うことはなかった。
クマにとって母親の存在は凶暴で自堕落な生活をただただ貪り、自分自身の人生を狂わせた憎い存在でしかなかった。どうする事も出来ない自分の運命を彼は何度も呪った。
クマ(世の中死んだほうがいい存在っていうのは必ず存在する。俺の場合、それが母親だ)
しかし、生みの親であることへの愛情と敬意を完全に捨てきればよかったのだが、クマにはその肉親への情を完全に断ち切ることはできなかった。葛藤するクマを周囲は好奇の視線や軽蔑のまなざしで侮蔑し、白い目で見続けてきていた。やがてクマの母親はどこかで知り合った男とともに家を出て行き、二度と帰ってこなかった。
そのため、クマは荒れ、学校中では札付きのワルになり下がり、いつの間にか周囲の人間から避けられ恐れられるようになり、クマは常に孤独であった。
そんな自分を変えてくれたのは、他ならない冴子だった。彼が中学1年生の時、彼はその日高校生の集団を相手に乱闘騒ぎを起こして全員病院送りにしてしまったのだ。PTAや教師たちは彼のことを犯人と決め付けて転校の話まで言い迫ってきた。
その時だった。職員室で怒鳴られている自分を尻目に、一人の女の子が教師たちに向って堂々と言い放ったのだ。

冴子「柵間くんはカツアゲされている女子高生を高校生たちから守るために仕方なくやったんです。あんたらの中でいくら柵間くんが気に入らないからって、話も聞かないで転校だの処分だの言わないで下さい。柵間くんのこと何も知らないくせに、どうして彼を不良と決め付けることが出来るんですか?教え子を信用できないなんて、あんたたち、教師失格ですね」

このとき、自分の腰までしかない身長の女の子がきっぱりとタンカを切ったのである。
クマは自分のことを見た目で判断せず、彼の行動を分かってくれている少女の存在を気に入り、この日から彼と彼女は親友となり、今に至っている。
その日からクマは冴子の家に行くようになり、そこで同じように家庭に恵まれていない者同士のトシとやべっち、エビと出会い、いつしか5人で行動することが多くなっていった。
クマにとって冴子は自分を救ってくれた特別な存在であり、彼女たちのいる家は一つの聖域のような存在であった。

クマ「・・・さてと、あいつらに何か飯でもつくりに行ってやるとするか」
クマは前もって作っておいた鶏とキノコとじゃがいものクリームシチューが入った鍋を持つと、大河家に向かった。

繁華街を歩いていると、向こうから見た顔があった。銀髪のストレートロングを風になびかせる美しい少女。大神月であった。
クマ「大神さん!大神さんだろう?」
月はクマの言葉にうざったそうに眉をしかめ、無視するかのように歩き去ろうとする。
クマ「ちょっと待ってくれ。話があるんだ」
月「私には話すことなんてない。消えろ」
冷たく突っぱねると、月はさっさと立ち去ろうとする。
クマ「お、おい」
クマが月の肩に思わず手をかける。すると、月が瞬時に身構えて刀を抜いた。
クマ「うおっ!?」
クマは間一髪でよけたが、腕に切れ筋が一線入り赤くにじんでいる。鋭い痛みが全身を支配する。
月「私の道を阻むものは・・・・斬る!」
月は狂的な笑みを浮かべると、刀を素早く鞘に納めて歩き去って行った。
クマは月の放つ眼光に全身から冷汗が噴き出るような感覚に襲われた。
クマ「・・・あれが、人間だって?ミントのほうがまだマシじゃねえか」
しかし、クマは月が歩いて行く先が自分の家の方向であることに妙な感覚に襲われる。
得体のしれない感覚に襲われたクマは、咄嗟に冴子の携帯に連絡を入れる。
クマ「何だ・・・この胸騒ぎは・・・!」

冴子とミントが連絡を受けてバイクで爆走してきた。
冴子「とにかく、クマの家にいる女の子を避難させないと!病人なんだから無茶させられない!」
ミント「そのるななんとかが動いているってことは、カオスが出るかもしれないってことだろうしな・・・!」
冴子は何事もなければいいと心から願った。

月は聖月刀を構えると、柵間と表札がかけられた家の前にたどり着いた。
その瞳には殺意と狂気が入り混じったどす黒い炎を宿しており、胸の奥からわきあがる感情に興奮を抑えきれないらしく、凶暴な感情を露にしている。
月「あいつら、仲間を倒すことを何とも思わない上に、私をまるで虫けらを扱うようにこき使うとは、なかなか強かね。でもね、こっちもこのまま従ってやるわけにはいかない。貴方達の情報をすべて手に入れてやるまでの間はせいぜいいい夢みせてやるよ」
月がバックルを装着し、カードを手に取った。

居間で眠っていた水晶はうなされていた。

それは、自分がグリズリーカオスに憑依され、契約を交わした日。

水晶は幼少のころからずっと一人だった。
小さい頃から家庭内では両親の仲が悪く、喧嘩が絶えない家庭だった。水晶はそんな両親から満足な愛情も恩恵も受けることなく、毎日毎日殴られ蹴られ罵声を浴び続ける日々を送っていた。
それでも水晶は必死で親の愛情を追い求めて、わざと失敗をしたり、ドジな自分を演じ続けてきていたが、それは逆効果であり、そのたびに水晶は両親のうっ憤を晴らすためのサンドバックとして虐げられ続けてきていた。それは、自分が望まれた子ではなかったからであることを知ったのは1年前のことだった。
高校生になってすぐに家を出て一人暮らしを始めた水晶であったが、外の世界で彼女が出て見たものは両親から解放された自由はどこにもなく、つらい現実と幾度とない裏切り、挫折、憎しみの連鎖に満ちた世界であった。
それでも料理人になろうと決意したのは、両親に自分の手料理を食べてもらって仲直りしてほしいと願っていた彼女は辛い修行と厳しい現実に何度も挫折しかけるが、両親の笑顔を見るために必死で料理を覚えてきた。そして、その成果が認められ、オーナーシェフから店一軒を案内されて野菜料理専門レストラン「カニバリズム」をオープンさせることも成功した。彼女はこのことを報告しに実家に戻った。しかし、そこで見たのは空き家となった我が家であり、近所の人から話を聞くと、返ってきた答えはあまりにも残酷すぎるものであった。
父親を母親が殺害し、自身もナイフで胸を突き刺して自殺を図ったというのだ。家を離れて料理の修行に打ち込んでいた水晶には何も伝えられていなかった。連絡先も告げずに出て行ったことをこの時水晶は自分の行動を呪った。そしてさらに警察に尋問を受けることになった水晶をさらなる絶望が襲った。

警察の調べによって、水晶が実の娘ではないことが判明したのだ。水晶は父親が浮気相手との間に生まれた子供であり、生みの親から育児を拒否されて無理やり押し付けられていたことを伝えられていた。このとき、水晶は自分が生みの親からも愛されていなかったことを悟った。このときの水晶の受けた心の傷はいかばかりか。絶望が心の全てを押しつぶしたような気がした。雨が降りしきる河川敷をずぶぬれになりながら、抜け殻のようにさ迷っていた水晶の前に、熊を模したカオス・グリズリーカオスが現れたのだ。

そして、水晶は願った。
水晶「強くなりたい。もう誰も信じなくても、誰かが助けなくても平気でいられるくらい、強くなりたい」
その瞬間、カオスが体の中に入り込み、彼女の中で熱い感覚が全身に流れて激しい苦痛と全身のものを逆流するかのような嘔吐感に襲われ、彼女は苦しみにのたうちまわった。だが、やがて時間がたつと彼女の瞳は黄金色の獣を思わせるような凶暴な瞳に変わり、手元にはキグマの紋章が描かれたカードとスピリチュアルブレスがあった。そんな彼女が出会ったのが、アンチクロスであった。アンチクロスと名乗る3人の女性に手を差し出され、そのうちの一人が彼女に言った。

ヒトミ「あたしたちと一緒に世界をぶっ壊さない?」

風子「貴方は選ばれた人間です。その力をもってすればどんな願いでも叶えることができる。その力を私たちに貸していただきたいのです」

美海「バカな両親、バカな教師、バカな同級生たち、バカなその他大勢にうんざりしているんでしょう?あたしたちと一緒に来ない?こんな連中のなかに埋もれたり、守ろうとするなんて愚か過ぎる考えよぉ。あたしたちと一緒にいたほうが貴方も幸せになれるのよ」

その手を、彼女は受け取った。
それ以降、彼女はアンチクロスの一人として活動を行い続けてきたのである。
自分自身を強くするために、戦い続けていく道を選んだ彼女。しかし、その道が誤りであるなどこの時誰が責められるであろうか?少なくともその時の彼女には立ち止まって絶望するよりはずっとマシだったであろう。
水晶(強くなる。ひとりで強くなる。もう、誰からも愛されなくても、好かれなくても、頼りにされなくても平気なくらいなまでに強くなる)
そう心に誓ってきたはずだった。
誓ってきたはずなのに。
それなら、なぜ自分は泣いたのだろう?
なぜ、彼の食事ややさしさに甘んじていたのだろう?

水晶(そうか、本当の僕はそんな未来望んでなんかいなかったんだ。僕はただ、一人になりたくなかった。一人ぼっちが死ぬほど怖かっただけだったんだ・・・)
水晶の中でこれまでもやもやしていた何かが晴れるような気がした。
(だから、彼の優しさが嬉しかったんだ。彼だったら、マナミやヒトミとは違う、本当に信頼できる何かがあったんだ・・・)
水晶はその思いに気づくと、涙を一筋こぼす。
水晶(会いたい。彼に会いたい。そして、思いを伝えるんだ・・・・)
その時だった。

突然、黒い殺意が外から飛んでくるのを確認した水晶は蒲団から起き上がると、窓を開けて飛び出す。そこにはバックルを構えている月の姿があった。
月「変身!」
水晶「あいつはこの間マナミが捕まえていたはずのライダー・・・?この様子だと、僕を迎えにきたわけじゃないな」
その瞬間、月が変身した銀牙は居間の中にいる水晶めがけて刀を振るい、衝撃波を発射した。衝撃波を受けて居間の窓ガラスが吹き飛び、無数のガラスの刃が水晶に降り注ぐとともに強烈なダメージが襲う。
水晶「ちっ!!」
水晶はグリズリーカオスの姿に変わると銀牙と対峙する。
銀牙「斬る・・・・・!!」
銀牙が聖月刀を構えると、鬼気迫る勢いで切りかかる。グリズリーカオスが剛腕で弾き飛ばすが、銀牙は素早くしゃがみこむとグリズリーカオスの足に蹴りを入れてよろめかせる。
そして、そのすきを見逃さずに聖月刀を次々と切りつけていく。
グリズリーカオス「ぐああああああああ!!」
銀牙「痛い?痛いわけないでしょう?お前らカオスなんかに血も涙も人の痛みも感じるわけないでしょう!!あたしの・・・光を奪ったお前らがああああああ!!!」
銀牙が吠えて容赦なく打撃と刀の攻撃を繰り広げる。
グリズリーカオス「その様子だと、僕は、完全にアンチクロスに見放されたようだね・・」
銀牙「ご愁傷様。まあ、色々と訳ありみたいだけど、そんなのこっちが知ったこっちゃないわ。あたしはあんたを・・・・狩りたいの。無性にね」
銀牙が吐き捨てると、グリズリーカオスが聞いた。
グリズリーカオス「お前、何のために戦っているんだ・・・?ただ、復讐のためだけに生きていてそれが何になるっていうんだ・・・?」
銀牙「知ったようなことを言うな!!」
銀牙が聖月刀を構えなおして再び切りかかる。しかし、グリズリーカオスは言葉をやめない。
グリズリーカオス「僕は誰も信じられなかった。誰も信じる勇気がなかった。それなのに、自分の弱さに言い訳して、ただただ力を振ってきた。でも、そんなことしても何も意味がない、何も得られない。お前だって、復讐を果たした後はどうするつもりだ・・・?」
銀牙「黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!うあああああああああ!!!」
その時だった。
家の庭に二台のバイクが流れ込んだ。冴子とミントが下りて柵間家の中の様子を見て驚いた。
冴子「アンチクロス!るなぴょん!!」
ミント「この様子だと、こいつクマ坊主の言ってた女を襲いやがったってことか?」
銀牙「ちっ、次から次へと!!」
銀牙が憎々しげに呪詛を吐き出す。
冴子「クマが助けてほしいって言っていた女の人、どこにいるの!?」
銀牙「女?あっ」
この家にいた女というのは、このグリズリーカオス以外他に見当たらない。おそらく、冴子がいう女性とはこの女のことであろう。
銀牙(相変わらず甘いってことか。それなら、こっちにだって考えがある!)
銀牙が冴子のほうを向いて言った。
銀牙「知らないな。ただ、その女がいるはずの家が破壊されてこのカオスがいるってことは、その女は逃げたか、それともこいつに食われたかのどちらかなんだろう?私が着た時にはその女はこいつに襲われていた後だったらしいがな」
銀牙の言葉に絶句する冴子とミントの顔を見て、銀牙はほくそ笑む。
銀牙(お前たちも味わえばいい。戦いに情や情けなんて必要ないってことを!)
案の定、冴子とミントはまさかその女が水晶=目の前にいるグリズリーカオスであることなど微塵も疑うこともなく怒りに全身を震わせる。
そして、冴子とミントが変身する。
冴子「変身!!」
ミント「変身!!」
冴子がパンチでグリズリーカオスを思い切り吹き飛ばし、そのあとを追っていく。
その姿を見送ると、銀牙は笑みを浮かべた。
銀牙「・・・・・バカなヤツ」

グリズリーカオスにキグマが怒りの猛攻を繰り広げる。刀の攻撃によってダメージを負っているグリズリーカオスは次々と拳のラッシュに打ちのめされていく。
そして、冴子がソウルクローを取り出すとエレファントのカードを装てんさせ、紫色の重装甲を全身にまといあげ、グランドフォームと化す。
王虎「許さないよ・・・・絶対許さない!!!」
王虎が聖鋼斧を繰り出してグリズリーカオスを次々と切りかかっていく。重い一撃一撃にグリズリーカオスがついに膝をつく。
王虎「水晶さん、貴方とはいつか話し合いたいって思ってたけど、どうやらそれは無駄だったみたいだね・・・!」

「FINAL ATTACK」

無情な電子音が流れ、彼女の全身に紫色のオーラが地面を響かせて伝わってくる。
そして、一気に飛びあがって頭上から一気に切りかかる。
王虎「エレファントチョップ!!!」
斧が炸裂し、グリズリーカオスが大爆発を上げて倒れていった。
冴子の瞳から涙がこぼれおちているようにも見えた。しかし、冴子は無言でその場を後にした。
ミント(なんか釈然としねぇな・・・・。なんだ?この変な気持は・・・)
ミントはぶぜんとした様子で王虎の後を追った。

河川敷。
ボロボロになった水晶がはいずるように河川敷の橋の下を動いていた。息も絶え絶えになり、視界もうつろだった。全身の痛みがどんどん和らいでいく。その代りに重く深い眠りが全身を支配していく。
水晶「あれ・・・変だな・・・いっぱい・・・寝たのに・・・また・・・眠くなっちゃう・・・でも・・・ダメ・・・寝る前に・・・・あの人に・・・お礼言って・・・・名前聞かなきゃ・・・・」
水晶が手を伸ばした。すると、その手を暖かい感触が優しく握りしめる。
彼女が顔をあげると、そこには笑顔を浮かべたクマの顔があった。見る者の心を和ませる優しさと心強さを感じられる優しい笑顔。
水晶「あはは・・・君だあ・・・・また・・・また・・・会えたね・・・・会いたかった・・・君のそばに・・・もう一度言って・・・確かめたかった・・・・僕・・・・僕・・・僕の・・・この思いが・・・・もし・・・もし叶うなら・・・・君と・・・一緒にいたい・・よ」
水晶は手を伸ばす。しかし、その先には誰もいなかった。彼女は誰もいない空間を前に、誰かに話しかけ笑っているかのようなしぐさを取っていた。
水晶「僕・・・の名前は・・・・み・・・あき・・・っていう・・・・・の」
水晶の瞳が力なく閉じ、彼女の腕がだらりと地面に突っ伏し、やがて動かなくなった。
しかし、その顔はとても安らかでまるで眠っているかのようだった・・・。

熊田水晶(仮面ライダーキグマ)死亡。
残りライダーはあと10人。

美海「ふぅん、水晶ちゃん、死んじゃったんだぁ。ま、最後まで役立たずだったけど、せめて祈ってあげる。良き地獄に堕ちますように・・・・てね」
残酷な笑みを浮かべて、美海が青いサメの紋章が刻まれたカードを取り出して眺めだした・・。

続く
SHT
2007年07月28日(土) 21時14分42秒 公開
■この作品の著作権はSHTさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
レッスン20投稿しました。
熊田水晶ちゃんがついに最初の脱落者となってしまいました。改めて合掌いたします。

アンチクロスの美海の冷酷な本性がついに露になってきました。そして、近々彼女が変身する鮫の仮面ライダーも登場します。

水晶ファンの皆様、短い間でしたが、水晶ちゃんを可愛がってくれてありがとうございます。

熊田水晶から
「えっと・・・僕のこと・・・応援してくださった皆様ありがとうございました・・だっけ?ま、いいや、僕は・・・・倒されてしまったけど・・・今後もしまた会える機会があったら・・・その時は・・・・よろしくね。本当に・・・・ありがとうございました。お疲れ様です。また・・・皆に会いたい・・・な」

次回も宜しくお願いします。

この作品の感想をお寄せください。
う……うわぁぁぁぁん!! ・゜・(ノД`)・゜・
こんなのってないよ……うわぁぁぁん!
話の展開上仕方のないこととはいえ、胸をナイフで突き刺されて心臓を鷲づかみされた思いです。
う……うわぁぁぁぁん!! ・゜・(ノД`)・゜・

>また・・・皆に会いたい・・・な
私も会いたうわぁぁぁぁん!! ・゜・(ノД`)・゜・
50 YP ■2007-07-28 23:33:34 eaocf-217p237.ppp15.odn.ne.jp
合計 50
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