仮面ライダーザベル 第四話
 「は〜……」
 光は店内をモップを使って掃除していた。
こうやって時折、店の手伝いをしている。
今日も短い時間だが仕事を終えて最後の清掃をしている途中
何度目かのため息をついた。

「おやぁ〜どうしのかなピカりん?」

 と、光をそう呼ぶ声がした。
光が目を向けると、萌黄色の、従業員が
身につけるエプロンをした女性がこちらを見ている。
 小牧梓――エルドラで働く従業員である。
ピカりんとは彼女がつけたあだ名である。
由来はピカピカ光る……だそうである。
最初は光も抵抗があったが
一向に直してくれないのですっかりあきらめていた。

「……なんでもないですよ?」
「ほんとかな〜。ピカりんはすぐに顔にでるから〜」

 そう否定すると、目じりの下がった、
いつも笑っているような顔が一層笑顔に変わる。
思わず顔に手を触れて、光は小さく舌打ちした。
これでは何かあるといっているようなものである。

「本当に、なんでもないですから」
「そうかい? 悩み事ならいつでも相談に乗りたまえよっ」

 梓が胸を張って答えた。
光はそれに苦笑しながら、悩みの元を思い返していた。
 それは昨日、ザベルが自分の体を使って外出していたことである。
気づいたら見知らぬ少女と自分が別れたところであった。
そしてそのことに追求しようとして口論となってしまい――

「はっ! このザベル様が人間の言うことを
いちいち聞くと思ったか!」
「開き直ってんじゃねぇ! ……ともかく、
お前が信用できないというのがよぉく分かった。
だいたい俺の体使って何してたんだよ。あれか、ナンパかっ?」
「私がそんなことするか! そもそも貴様が
私を監禁するような真似をするから悪いのだ。
私はペットではないぞ!」
「しょーがねーだろっ、ばれたら大変なんだから!」
「はいはいそうですかっ、じゃあ一歩も動きませんよ。
悪魔が出てきても知らんからな」
「ああいいぞ。そんときゃ一人でやっつけてやる」
「ほほう、言ったな。聞いたぞ。
後で泣きついてきても知らんぞ?」
「そっちこそ、あやまるんなら
もう少し待遇を考えてやってみてもいいぞ?」

 ――等など、騒いだ結果がこれである。
言い過ぎただろうか?
いや、向こうが勝手に約束を破るからいけないのだ。
謝るなら向こうだ。
光はそれまでは頑として譲る気はなかった。

「あっそうだピカりん。また通り魔事件が起こったらしいですよ」

 渦巻く怒りに浸かっていた光は梓の言葉で我に返った。

「何処でですかっ?」
「おっ、興味身心だねっ。
確か繁華街の方でね倒れてた人がいたって」

 梓の話に光の表情が陰る。
 やはりこの前ので終わりではなかったのだ。
あの訳の分からない魔法陣からやってきたのだろうか。
 光は天井を見上げる。普通の人間には見えないそれは、
いつからあるのだろうか。
悪魔の事件が最近起こったのだから、
あれもついこの間に現れたのだろうか。
 しかしザベルも魔方陣が何であるかは詳しくは知らないようだし、
これに関しては他の情報の集めようがなかった。

「今度は物思いに耽ってますねぇ。
若いうちからそんなんだと、皺が増えちゃうぞ〜」
「いや、別に……というかぐりぐりしないで……」

 梓さんが、光の頬に指を押し当てる。

「さあ、若き青春の悩みをお姉さんにぶちまけなさいっ。さあさあ!」

 目を輝かせて迫る梓に光が困り果てていると彼女の後ろに人影が現れ、

「それじゃ、俺の悩みを聞いてくれ。さっさと掃除するっ」

 梓の背後に立った雄二が彼女の頭を軽くはたいた。

「あいたっ。ううっ、分かりましたぁ」

 梓は涙目でモップ片手に掃除に戻る。

 光はその姿に苦笑していると、
雄二がこちらを見ていることに気づいた。
 雄二はその切れ長の目を向けながら、

「彼女みたいなことをいうわけじゃないが……
言いずらいかもしれんが、
まあ、あんまり悩むようだったら言ってくれよ」
「……分かった。ありがとう雄二さん」

 雄二は口元に軽く笑みを浮かべて調理場へと戻っていく。
光は気合を入れて掃除を再開した。




 深夜、光と鈴は昨日ザベルが少女と出会った場所に来ていた。
あの後ザベルに悪魔について尋ねると、
少女が襲われているところを助けたのだという。
なぜ、教えてくれなかったのか、と聞けば、
非常にわざとらしい態度で知らないと言われ再び喧嘩となった。
 鈴が口を挟まなければ夜通し続いていただろう。
しぶしぶといった表情でザベルが答えるには、
少女の方は会ってみないと分からないと言う。
悪魔に関しては恐らくまた狙ってくるかもしれない、という
何とも腑に落ちないものであった。

「この辺だよな?」
「そうだと思うけど。
でもザベルちゃんが会わなくてよかったのかな?」

 そう、本来ならザベルがその少女と会う筈なのだが、
すっかり拗ねてしまい彼は家を出たがらなかった。

「いいさ。何で会うのか聞いてないんだから、
あいつじゃなくてもいいだろ」
 光も相変わらずこの調子である。
どちらも意地の張り合いになって聞く耳もたずである。
鈴が小さく嘆息すると、

「あっ、あの子じゃないか?」

 光と同じ方向を見ると、
確かに少女が一人街灯の下で立っているのが見えた。
二人は彼女の近くへ行き、

「えっと……昨日の……」
「えっ……あっ、本当に来てくれたんですか……」

 少女は驚いた視線を光たちに向ける。
赤の他人の頼みを聞いてくれたとは思っても見なかった。
その双眸を鈴の姿へと移し、緊張した面持ちで尋ねた。

「そちらの方は……?」
「鈴と言います。光とは一緒の家に住んでるの」
「そうなんですか……」

 家族だと知ると少女の眼差しが若干和らぐ。
光はそれを見て、

「とりあえずどこかに座らない?」」
「それなら後ろが公園なのでここでよければ……」

 三人が背後の公園へと歩き出した。
その後を静かに移動――浮遊する物体がついて行く。
ザベルとポリンである。
ザベルは頑なに行くのを拒んでいたが、
ポリンに引っ張られ結局きてしまった。

「良いか、私は心配だから来たのではないぞ。
光のやつが、泣いて助けを呼ぶのをこの目で確認するためだからなっ」
「分かりましたから落ち着いてください。皆さん行っちゃいましたよ」

 誰が見ても、心配しているようにしか見えない。
漫画やアニメに詳しいものなら迷うことなく
ツンデレという言葉が浮かぶであろう。
 そして道中何度も同じ台詞を言うザベルに、
ポリンはため息をつきながら投げやりに返した。




 三人は公園のベンチに座る。
 少女の名は夏目秋といい、相談したいことがあるのだという。
二人は微笑して先を促した。いったいどんな重要なことを
話すのか身構えていたが、別になんてことは無かった。
 勉強のこと、友達のこと、家族のこと、
思春期の少年少女が抱えるようなものであった。
 彼女の話すことは子供っぽい考えでもあったが、
適当にあしらってよい事でもない。
聞いていくうちに光も鈴も、真剣な表情でそれを聞いていた。
 一呼吸置いて秋は話を再開した。
 次第に不安な気持ちに積もっていき、
些細なことから母親と喧嘩してしまい酷いことも言ってしまった。
それで気分を紛らわすために夜に外へ出て、
そして悪魔に襲われているところを
ザベルに助けてもらったというわけであった。

 秋が一通り話し終えて、二人をちらっと見る。
果たしてこんなことを相談しても良かったのかどうか
今更ながら不安になったが、二人の表情が
馬鹿にしているようなものでないと感じ、ほっ、と息をついた。
話を聞いた光はちょっと唸り、

「その前にさ聞きたいんだけど、
なんで俺に相談してみようって思ったの?」

 もっともな質問を言ってみた。
見ず知らずの他人を捕まえるのだ、
それなりの理由があってのことだろう。
 秋はわずかにためらいながら答えた。

「その、なんていうか、
大人……どうしてかお父さんみたいな感じがしたんです」
「へっ? お父さん……!?」
 
 光は呆気にとられた。
自分は容姿はむしろ子供っぽく見られる方だ。
ザベルが取り付いていたとはいえ、
見た目は劇的に変化したわけではないだろう。
いったい何処を見てそう思ったのか。
光は気の抜けた返事を出してしまう。

「えっとそれは置いといて……秋ちゃんは、今どうしたいの?」

 呆けた光の変わりに鈴が別のことを、
一番重要なことを尋ねてみた。
秋は少しの間思い悩み、自信の無い声で、

「お母さんに謝りたいです……でも、なんて言ったら……」

 秋は涙目になりながら答えた。
 鈴は少し思案して、

「やっぱり、素直に謝って
自分の気持ちをいってみたら、良いんじゃないかな」
「でも……お母さん凄い怒ってた」

 秋は喧嘩のやり取りを思い出して、涙をこぼした。
彼女の母親と父親は離婚してしまい、女手一つで秋を育ててきた。
今回の喧嘩も秋を思ってのことだろうが、
幼い彼女にはまだ理解できないこともあった。
もしくは無意識に母親の期待を受けて、
知らぬうちにあせりの様なものを感じていたのかもしれない。
自分は悪くないという気持ちと、
そうでない気持ち、両方が秋の中でせめぎあっていた。

 鈴はそんな彼女の頭を撫でる。
秋は顔を上げると微笑む鈴と向き合う。

「難しいことだけど……仲直りするには一番早いんじゃないかな? 
お母さんのことが嫌いなわけじゃないんでしょ?」
「はい……」
「だったら勇気をだして、ね」
「……はい、言ってみます」
「よし! 決まったら明日に備えて早く家に帰ろうかっ。送ってくよ」
「大丈夫です。家、あそこですので」

 と、秋が指差すのは目の前に聳え立つアパートである。
歩いても五分と掛からないだろう。

「それじゃ、がんばってね」
「はい、ありがとうございました」

 秋は若干の不安があるものの、
会った時とは全然違う可愛らしい表情で言う。
一礼して去っていく姿を二人は眺め、

「素直か……」
「どうしたの?」
「うん……俺もザベルに、素直に謝ってみるよ」

 光は照れながら答えた。
鈴も頷いて微笑む。と、同時に別のことを考えていた。
 母親と喧嘩、自分には全く記憶に無いことである。
両親がどんな人間なのかも記憶に無い。
しかし不思議と悲観的にはならない。
全く記憶にないからなのか、よく分からなかった。

「どうした?」
「えっ、ううんなんでもない」

 いつのまにか物思いに耽っていた所を光に呼び戻される。
苦笑して答えるた瞬間、秋の悲鳴が微かに公園内に響いた。

「やばい! 忘れてた!」

 光が慌てて走り出す。すっかり悪魔の存在を忘れていた。
急ぎ秋の元へ向かおうとし、その頭上を悪魔が飛び越える。
脇には秋を抱えている。

「おい! 彼女を離せ!」
「うん? お前は昨日の! 
丁度いい、ここで借りを返させてもらう!」

 ネフェスデモスは秋を下ろして光たちにゆっくりと向かってくる。

「鈴、俺が引き付けてるから秋ちゃんを頼むぞっ」
「光はどうするのっ?」
「当然……やるしかないじゃないか!」

 光はネフェスデモスへと駆け出した。
鈴は声をかけようとして僅かに逡巡する。
が、言われたように秋の元へと走り出した。

「秋ちゃんっ、大丈夫っ?」
「鈴さん……!」

 秋を引き寄せてその場から離れる。
光のほうに目をやると、
パンチにキックと悪魔と戦っている姿が映る。
当然ながら、相手には全く効果が無い様子である。

「てめぇ、馬鹿にしてるのか!?」
「……へっ、お前なんか今のままで充分だって事だ」

 光はネフェスデモスを挑発する。
正直逃げるしか道はない。
しかしここで引き付けておかないと鈴たちに危害が及ぶ。

「このぉ!」

 光は再び攻撃を仕掛けるが、
繰り出した拳はたやすく受け止められ、
ネフェスデモスが光を掴み上げた。
そのまま勢いよく放り投げられる。
地面を転がる光。全身に激痛が走り立つこともままならない。

「光っ」
「くっ……早く、逃げろ」

 駆け寄ろうとする鈴を光は手で遮って立ちあがる。

「まだまだ、もっと痛めつけてやるからな!」

 ネフェスデモスが背中の触手を
地面に叩きつけながら光へと近寄っていった。




「ザベル様! 早く助けないと!」

 戦いの様子を遠くから見ていた
ポリンはザベルを引っ張ろうとするが、
彼は一向に動こうとしない。

「……一人で戦えるといったのだ。私の出番はない」
「そんなぁ……光様このままじゃ死んじゃいますよ!」

 ポリンは尚も訴えかけるが、それでも動こうとはしない。
本当に助ける気が無いのか。ポリンは顔を真っ赤にして、

「もういいです!」

 そう言い捨てて鈴の元へ飛んでいってしまった。
 ザベルは一人取り残される。
光は本気で自分の力だけで倒そうとしていた。
人間が悪魔に勝てるわけが無いのだから
さっさと自分の名前を呼べばよいのである。
それをいつまでも意地を張って己の身を危機に晒している。
素直に自分の名を呼べばいいのである。素直に……。

「……ああっ……くそ!」

 ザベル悪態をつきながらがら光たちの方へと飛んでいった。




 光はネフェスデモスに持ち上げられる。
すでに体は満身創痍である。
それでも彼も瞳にはいまだ闘志が残っていた。

「しぶとい奴だ。まあいい、これで終わりだな」

 ネフェスデモスが杖を手にする。
これで光のソールを抜き取るつもりだ。

「明希ちゃん、ここにいてっ」

 鈴が我慢ならず助けようとして駆け出す。
すると、視界の端を何かが横切る。
鈴が思いがけず立ち止まると、

「鈴様〜!」
「ポーちゃんっ」

 ポリンが傍らに寄ってきた。
それでは今のは……。鈴は飛翔する影を目で追った。

「どっせぇい!」

 ザベルがネフェスデモスの顔面に突撃した。
ネフェスデモスはたたらを踏み光から手を離す。
ザベルはそのまま光の中に入り込んだ。

「ザベル……何しに来たんだよ」

 光がザベルに語りかける。
また悪態をつかれるかと思ったが、

(……かった)
「えっ……?」
(すまなかったと言っているのだ!)

 半ばやけくそ気味な声が光の中で響く。
光は口元に笑みを浮かべて、

「俺も悪かった」
(……よし、ではこいつをさっさと倒すぞ――変身!)

 光の体の周りから黒い疾風が巻き起こり体を包み込む。
竜巻のベールが吹き荒れ、そして一気に吹き払う。
現れた光は悪魔の姿へと変化していた。

「くっ! 今頃姿を変えたところで!」

 悪魔が罵声を上げながら向かってきた。
光も相手へと走り出す。
ネフェスデモスの繰り出す拳を前転で回避し背後に立ち上がる。
互いの位置を変わる。ネフェスデモスは今度は回し蹴りを放った。
光はそれを腕を交差して防ぎ、押し込むように前進、
相手の顔面に拳を打ち込んだ。
鼻面を殴られたネフェスデモスがよろめく。
光はそのまま追撃しようと、次の攻撃に移ろうとして、

(光! 避けろ!)

 ザベルの声が響く。
急いで後退しようとするが、相手の方が速かった。
 ネフェスデモスの背中から伸びる二本の触手が
光の両腕を拘束してしまう。
もがこうとも強烈な締め付けで抜け出せない。
 優位に立ったと感じたネフェスデモスが間合いを取り腕を水平に上げる。
手首の部分が切り離され、先が光の首を掴みとった。
手首から先は蔦に繋がれている。
その手が強く締め上げてくる。
急いではずそうとするも、両手の触手が抵抗する。

(早くはずせ!)
「できるんならとっくにやってる……!」

 光は呼吸が苦しくなってくるのを感じ、苦悶の呻きが漏れる。
その様子を見ていた鈴が、

「ポーちゃんっ……」
「はい!?」
「火のようなものって出せるっ?」
「はい……一応は……」
「それじゃ――」

 鈴はポリンに何事かささやく、ポリンは一瞬たじろぐが、

「分かりました!」

 力強く頷くと、両腕を天に掲げ、前方に振りぬいた。
すると愛らしい両の掌から小さな火球が飛び出しては無いか。
 飴玉のような火球は真っ直ぐ光たちの方向へ飛来し、触手に直撃した。
熱にあぶられ触手が燃えていき、強度が落ちていく。
 光は強く腕を引いて触手を引きちぎると、
ネフェスデモスがつられて体勢を崩す。
首を掴んでいた手も緩む。
 すかさず光は手に意識を集中し剣を生み出す。
残った触手と首を絞めていた手につながる蔦を切り落とした。
そして、刀身に手を添え、夜気を焦がす紫炎を刃に纏わせる。
 切っ先を斜めに置いて駆ける。
ネフェスデモスは急いで体勢を立て直そうとするが、
すでに光が間合いに入っている。
 光は剣を斬り上げて相手の胴体を斜めに逆袈裟斬りする。
傷口から炎が噴出し、全身が燃え盛る
 ネフェスデモスは絶叫を上げながら地面に崩れ落ちた。
そして悪魔の体が消滅しソールが浮かび上がる。
 ザベルは光から離れると、ソールへ触れて己の体に取り込んだ。

「うむ、これでまた一つ、元の体に近づく」
「なあ、あの杖どうするんだ? また持って帰るのか?」
「いや、一つあれば充分だ。壊してしまってもいいだろう」

 そう言うと、ザベルは再び取り付き変身する。
そして剣をつかって杖を粉々に破壊した。

「ようやく、終わったか……」

 光は大きく息を吐いて、今日の戦いの終わりを告げた。




「助けていただいてありがとうございました」

 秋が丁寧にお辞儀をする。光と鈴は微笑しながら、

「暗いから気をつけてね」
「何か困ったことがあったら呼んでね。いつでも相談にのるから」

「はいっ、さようなら」

 秋が今度こそ笑顔で走っていく。
もう悪魔に襲われる心配も無いだろう。
そこで光は、はっと思い出し、

「ねぇ! 今日のこと秘密にしといてね!」

 そう言うと秋は手を振って了解の合図をした。
 秋の姿が見えなくなると、

「俺達も帰るか」

 と、振り返りザベルが背中を向けて浮いていた。
 光はその後姿を見て、

「悪かったよザベル。自分ののことばっかり考えて……」

 しばらく沈黙が流れるが、

「ふん! 分かればよいのだ。
……まあ、私も貴族だ。今回のことは綺麗さっぱり水に流してやろう」

 相変わらずの口ぶりだが、刺々しい雰囲気は無い。
彼なりに反省したのだろう。
その態度が可笑しかったのか、光が笑みを浮かべる。
ザベルも小さく微笑する。
 鈴は仲直りしたのを確認して口を開いた。

「光、ザベルちゃん」

 二人が振り向くと、鈴の腕が伸び、それぞれの頬をつねった。

「いっ、痛っ……」
「こっ、これ! 何を――」

 痛がる二人に鈴は笑顔を向け、

「二人とも頑固だから今回は何も言えなかったけど、
もし、また喧嘩したら……」

 表情は穏やかだがその声には明らかな怒りが含まれている。
背後に陽炎が見えるのは気のせいだろうか。
 二人は顔を蒼白にしながら、

「「もっ、もうし、しません……」」

 鈴は首肯すると、手を離した。

「それじゃ、帰りましょ。行こうポーちゃん」
「はっ、はい!」

 鈴と、顔を青くしながらついていくポリンを
苦い顔で眺める光とザベル。

「あいつ……逆らわない方がいいな……」
「俺、初めて見たわ……」
「二人とも早くっ」
「「はいっ!」」

 光とザベルは雷に打たれたように居住まいを正し、
早足で鈴たちの後を追っていった。
アジモ
2009年02月27日(金) 01時23分37秒 公開
■この作品の著作権はアジモさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
もっと遅くなってしまった……

ようやく第四話です

イシスさん、DarkMoonNightさん、感想ありがとうございます。

ザベルはとにかくバカやっていく
キャラにしていこうと思って考えましたので
書いていて楽しいですね。
しかしフラグは消滅させる。

登場キャラもポツポツと増えてきてます。
次回からは、そろそろ一緒に戦う仲間も出てくるかも……

それではこの辺で……

ところでディケイドたんが
はてな妖精に見えたのは自分だけですかね?


この作品の感想をお寄せください。
fhquovlq ilkhsulq iamcwswa achat viagra ■2009-08-29 16:42:31 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
ycydtflm pnrbvzep cunnqgki acquistare cialis online ■2009-08-29 06:49:55 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
eyxfjyjx wavysxdw gqpvcaad viagra ■2009-08-22 13:13:45 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
uykmuwaw ofjdzwag exsbjvty acquisto cialis in farmacia ■2009-08-22 07:14:55 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
qkadkmye ujdnlbzi xrfpcnvo acquistare cialis originale ■2009-08-21 14:54:11 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
htbaujsg qhtvddpg dmwmobqb achat cialis generique ■2009-08-19 17:32:53 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
xjuvzhmt tlaydlbi dcswterc acheter cialis en pharmacie ■2009-08-19 12:45:59 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
srrejymj xjowkhzb hhzgwklu viagra kaufen online ■2009-08-18 18:29:34 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
ajsqfqpy jlzjnvbg coimyzop viagra ■2009-08-18 16:47:42 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
vidnrodz yafiuzki ebfbngrk viagra ■2009-08-18 15:07:05 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
xzscjbhc sideirvs ppcerdjn viagra ■2009-08-18 13:27:54 ks27269.alex.pro.21.gone-wild.net
ekchscah qswggmjz ibkwkqxl cialis ■2009-08-15 05:23:46 94.102.49.213
tnqwevfd mmbvyhhf jnmaesqw viagra achat ■2009-08-15 04:00:09 94.102.49.213
qifjkdlq cuosuxuz sgisypdw viagra generique ■2009-08-15 02:36:31 94.102.49.213
pxbcrmgw lweewnlt osgpqsan cialis ■2009-08-15 01:09:51 94.102.49.213
aemgyzba beqmeiix mcbdbauy viagra ■2009-08-14 23:43:00 94.102.49.213
kcolioqc dpucdtir jmoxuhcn viagra acheter ■2009-08-14 22:15:05 94.102.49.213
lezqdezi pnzkkwxo loipgbzq viagra ■2009-08-14 20:47:46 94.102.49.213
hkcyxwau hojmybuk qhvlddsk viagra achat ■2009-08-14 19:24:08 94.102.49.213
jpkihtha fetxdene lcarkczx achat viagra ■2009-08-14 18:00:53 94.102.49.213
awzlmtla jtwvkqpt oegdrqbn cialis ■2009-08-14 16:35:56 94.102.49.213
hqyledjk qkaiahgi dixvlxhr Levitra ■2009-08-10 04:04:23 89.248.172.50
ligopjqs vnnmxbzt pmzqchhr acheter viagra ■2009-08-10 02:41:17 89.248.172.50
ajzapgyo naflwwnz oyrlgwwq achat viagra ■2009-08-10 01:18:08 89.248.172.50
mukbaszd mxjumrya evoyrupd viagra ■2009-08-09 23:52:17 89.248.172.50
rrgwluhk kqinxatp vpoippsr kamagra prix ■2009-08-09 22:27:15 89.248.172.50
pdpckhmx yplrmqcp shrnydcp viagra buy ■2009-08-01 14:21:21 95.169.190.71
rapdshbk fzccnrwu nkemscmg cialis senza ricetta ■2009-08-01 12:59:46 95.169.190.71
ctsoosia pnxiowul ycboxwqk cialis jelly ■2009-08-01 11:39:14 95.169.190.71
qenjntvu qcfgdjdt kgmrpfku levitra for sale ■2009-08-01 10:20:11 95.169.190.71
ufolrdwt bxdystje nnrypwhi levitra in italia ■2009-08-01 08:59:43 95.169.190.71
iblhuess ulykwsbb hdsemzon viagra generico ■2009-07-31 21:17:49 95.169.190.71
acelmqtm tyfkrdku ksezbxos compra cialis ■2009-07-31 20:26:52 95.169.190.71
tesmdboy syouueqm zbirwbqi viagra generico ■2009-07-31 19:38:22 95.169.190.71
lattgipb ieybciar xgbiidpi medicament viagra ■2009-07-31 18:46:19 95.169.190.71
gsmwpnjn mjpgmhjc jdbvinwk viagra ■2009-07-31 17:56:21 95.169.190.71
uwgyvkyr fyeexrmf pqbjoqlz viagra 100mg sildenafil ■2009-07-31 17:05:33 95.169.190.71
zuufhecw utkvlbjh hasrymme viagra generico ■2009-07-31 16:13:44 95.169.190.71
fwyqfnbj knfutcsr bbgfpddn comprare viagra ■2009-07-31 15:21:55 95.169.190.71
vkmzsiym apeklner aeraabkj comprare cialis ■2009-07-31 14:30:54 95.169.190.71
ntgbssfu wcwmdeut qiolalkt cialis generico ■2009-07-31 13:40:12 95.169.190.71
nzldxyvf qhepuhsz xpbnaagn cialis generique ■2009-07-25 19:13:52 94.102.49.213
ihhHgY wnconhro qzvleuqb qfgamuyr buy cheap cialis ■2009-07-21 07:09:00 89.248.172.50
wt0f7px4r nvlejdw64jt nctq0mcup0a -30 99pjpgkyt0 ■2009-03-08 11:24:31 78.157.140.32
wt0f7px4r Click!! nctq0mcup0a -30 99pjpgkyt0 ■2009-03-08 11:24:28 78.157.140.32
wt0f7px4r [URL=Click!! mgfnwbuva [/URL] nctq0mcup0a -30 99pjpgkyt0 ■2009-03-08 11:24:25 78.157.140.32
イシスでございます。
流石に人の体勝手に使われたらピカりんだって怒りますよねw一人でも戦うと息巻きますけど
流石に人間と悪魔では差がありすぎて、襲われたら敵う訳がにぃ;;
このまま仲違いしたまま、険悪な空気で過ごすハメになるのかと思いきや、秋ちゃんの
悩みに応えてあげたお陰で、“素直に”ということを思い出せてよかったです。
互いに反省したらもう怖いものはナシ!!黄金の鉄の塊でできた悪魔が草装備の悪魔に
遅れをとるはずがありません!!ポーちゃんも可愛らしくちっさい炎で援護するのが素敵ですね。
なんかこう、いかにも妖精らしい妖精って感じで。でも妖精だから穿いてないと思う私は変態(死

今回の教訓としては、心に素直を持つことと鈴ちゃんを怒らせてはいけないことでしたねw
んでは、また次回を楽しみにしています。ディケイドたん、可愛いですよねぇ。
個人的にアギトたんのコスする時はどうやってあのボリュームを誤魔化すかが気になります。
やはり・・・・・・PA(ぴちゅーん


で・・・では・・・イシスでした・・・おー・・・るぼわー・・・る・・・・・・ガクッ・・・・・・
50 イシス ■2009-03-02 16:45:14 219-117-191-196.cnc.jp
どうも、DarkMoonNightです。

>フラグ
どうなるかなぁって思ったら、あっさりぶっ壊されたっっ!!これは予想外だっっ!!

>仲直り
なんかいいですねこういうの。

>鈴ちゃん
いつもおとなしい人ほど、怒らせると怖いという・・・・・・あれですね、鈴ちゃんが最強ですね。

短いですが、今回はこの辺で・・・・・・
50 DarkMoonNight ■2009-02-27 12:46:30 61.127.191.3
合計 10
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ


<<戻る
感想記事削除PASSWORD
PASSWORD 編集 削除