仮面ライダーバルキリーたん 第4話「The requiem」 |
「The requiem」 愛「さて、皆様。前回のお話で、慧ちゃんはオウルイマジンたんが憑依している天才ピアニスト少女・霧山小夜子さんと出会い、数回対戦を申し込みましたが、彼女の強い意志の前に連敗を免れませんでした。そして、それと同時にピアニストばかりを狙うなぞの襲撃事件が発生。この二つの奇怪な事件は今回意外な形でつながりを見せるのです。そして、それは今回、慧ちゃんにとっても忘れられない悲しい事件へと発展していくのです。今回の対戦カードはカブトムシのイマジン少女・ビートルイマジンたん!!それでは!!仮面ライダーバルキリーたん、レッツスタート!」 PM20:30 Vライナー・フェニックス ラウンジのソファに慧が寝かされ、ルーベットと琥珀が看病をしている。 ルーベット「あのフクロウ女・・・!!今度会ったらフルボッコですわっ!!」 琥珀「まあなんていうか・・・とんでもないバカ力な上に頭も切れるときてる。放っておいたら何が起きるか分らないね」 慧「・・・でも、あのイマジン悪い人じゃない。あたし、そんな気がするの」 ルーベット「慧殿・・・!!甘すぎますわっ!!」 慧「それに、ピアニストを襲っていたイマジンはあのカブトムシのほうみたい。いずれにせよ、あのイマジンが何を契約したか契約者を見つけて聞き出さないと対策が打てない。次はあたしが行ってみるよ。あのフクロウのイマジンのほうに」 ルーベット「・・・・慧殿がそこまでいうなら」 琥珀「それに、あのイマジンが憑依している女の子、もう長くないって話だろ?どうして自分の存在が危ぶまれるようなことをしてまで、契約をしているのかな・・・」 慧「きっと何かあるんだよ・・・」 4月21日 AM9:40 私立病院からこっそり抜け出し、病院通りを歩いていたオウルイマジンたんが憑依している小夜子があくびをしながらゆっくりと歩いていると、前から一人の少女がやってきた。 小夜子「お前は・・・」 慧「昨日は・・・そのごめんなさい。急に襲いかかっちゃって」 AM10:20 緑豊かな森林公園。広場のベンチに二人揃って腰を下ろし話をしている。 小夜子「そうか。そういう事情か」 慧「本当にご免なさい。ルーベット、悪い子じゃないし、真面目で一生懸命で、その、ちょっと、やる気が空回りしちゃって・・・・」 小夜子「いや、私も言い方が悪かった。愛想とか苦手でね、ついああいう風にしか答えられない」 そういって、小夜子が缶ジュースを飲みほす。 慧「それで、君にどうしても聞きたいの。君はどうしてピアノを弾き続けるの・・?」 小夜子は少し考えるように黙ると、少ししてから言葉を選ぶようにぽつりぽつりと話しだす。 小夜子「・・・君も知っているだろうが。もう、小夜子は長くない。末期がんなんだ」 慧「それは・・・」 小夜子「私がこの時代に来て、彼女と会った時、彼女の願いは病気がよくなるようにとか、大会で優勝したいとか、そういうことだと思っていたんだ。でも、それは違っていた。小夜子は・・・約束を果たしたいと願ったんだ」 慧「約束・・・?」 小夜子「ああ。生きているうちにどうしても果たさなければならない約束がね・・」 一方・・・。 同時刻。 とある学校の音楽室。 ピアノの前に椅子に座って一枚の写真を見ている少女・藤代風音(ふじしろ・かざね)。 風音「まさか・・・・そんな・・・!」 (三日前) 放課後、ピアノを弾いている風音の中に光る玉が飛び込み、それがビートルイマジンたんの姿となって現れた。 ビートルイマジンたん「アハハ・・・驚いたか。お前の願いをいえ。どんな願いでも一つだけ叶えてあげる・・・」 驚きおそれおののく風音であったが、冷静になるにつれ、頭の中で思い描いていた願いを口にした・・・。 風音「まさか・・・こんなことになるなんて・・!!」 その時、音楽室の扉が開いた。 愛「やっぱり、貴女が契約者だったのね・・・?この間、学園内で事件があったとき、あの子を見たとき様子がおかしかったから気にはなっていたのよ」 そういって、愛がにこりと笑って風音に近づいた・・・。 同時刻 小夜子「この子は友達に死ぬ前にピアノを聞かせてあげたい。そう願ったんだ。ピアノのコンクールで親友の女の子にピアノを聞かせてやって、コンクールに出る彼女を激励したいって・・・。それ聞いて、放っておけなくなって。それで、ピアノをあちこちで弾きまくって練習してたんだ」 慧「そう・・・だったんですか」 小夜子「私が弾いたんじゃ願いを叶えたことにならないからさ。リハビリになればどうかなって・・・」 慧「・・・でも、どうしてそこまで」 小夜子、いや、彼女に憑依しているイマジンは遠い目をして、語りだす。とても静かで穏やかな様であった。 小夜子「・・・私たちイマジンには過去がない。小夜子には過去があっても・・・。だから、憑依して私にできることなら小夜子の過去を決して悔いのないようにしたい。この子の最期の願い、叶えてあげたい。思い出が現在(いま)の自分を支えてくれる力になるって信じていたいから・・・・」 慧「・・・優しいんだね」 Vライナー・フェニックス・ラウンジ その話を聞いて、ルーベットと琥珀が全身を震わせてボロボロと泣き出していた。 ルーベット「うおおおおおおおおおお!!(号泣)」 琥珀「うわあああああああああああ!!ええ奴や!!メッチャええ奴やぁ!!(号泣)」 ルーベット「私、なんて失礼なことを〜!!!(号泣)」 その時だった。 風音「小夜子!!」 黒髪のロングヘアをなびかせて、制服を着込んだ女子学生が小夜子のもとに血相を変えて走ってきた。その少女の姿を見て、小夜子に憑依していたイマジンが離れた。 小夜子「・・・風音ちゃん」 風音「小夜子・・・はあはあ・・・・無事だったんだ・・・。よかった・・・」 小夜子「風音ちゃん?」 やってきた女子学生に慧が目を丸くする。そこへ、愛がやってきた。 愛「慧ちゃん?」 慧「お母さん。これは?」 愛「あの子が、カブトムシのイマジンの契約者みたい」 風音「・・・あたし、小夜子が病気だって知って、もうどうしたらいいか分からなくて・・・。それで、今度あたしが出るコンクールで優勝すればラジオやテレビで放送されるって聞いて、これで優勝すれば入院している小夜子にもあたしのピアノ聞いてもらって、元気が出ると思って・・・・!」 小夜子「そう・・だったの・・・」 風音「そしたら、コンクールに出るはずだった子たちが皆怪我して!!それで、音楽室でピアノを弾いている貴方を見て、次は貴方が狙われると思って。あたしがあんなこと願わなければ・・・!!」 小夜子「風音ちゃん・・・・」 その時だった。 ビートルイマジンたん「ひゃっはあああああああああああああああ!!」 突如ビートルイマジンたんが飛び込んで、大剣を構えて襲いかかってきた。 大剣を振って、風音と小夜子に剛腕がうなりをあげて襲いかかってくる。 風音「きゃあああああああああああああっ!!」 小夜子「いやああああああああああああああっ!!」 ビートルイマジンたん「もうお前も用済みだあっ!!」 慧「危ない!!」 慧が小夜子と風音をかばって大剣で吹き飛ばされた!! 慧「ああああああああああああああっ!!」 そして、またもや池の中へと投げ込まれていき、ボートに頭から突っ込んで底板をぶち抜き哀れ池の中へと沈んでいった。 ザッパーーーーーーーーーーーーーーンッ!!! ホンット・・・よく水難にあうなあ、この主人公・・・。 ビートルイマジンたんが剣を構えて、じりじりとおびえる小夜子たちに迫る。 そこへ、オウルイマジンたんが飛び出し、斧で剣を防いで吹き飛ばした!! オウルイマジンたん「貴様・・・!!」 ビートルイマジンたん「あははっ、頭のおめでたいバカばっかりでやりやすかったぜっ!!」 オウルイマジンたん「何・・・?・・・・許さん!!」 オウルイマジンたんが斧を振り上げるが、ビートルイマジンたんが剣を横なぎにふるって、腹部に蹴りを放つとオウルイマジンたんを吹き飛ばす。 オウルイマジンたん「くっ!!」 そして、おびえる風音のもとに来ると、手をかざし、緑色の門が開いた。 ビートルイマジンたん「契約成立だっ!!」 そして過去の世界に飛び去って行った。 慧がカードを取り出し、風音の頭にかざすと「2007年4月5日」と表示された。 慧「3年前のこの日、覚えていることは?」 風音「ピアノのコンクールで小夜子と約束をした日・・・!」 愛「慧ちゃん。Vライナーで過去に飛ぶのよ!!」 慧「了解!!」 その時だ。 オウルイマジンたんが小夜子のもとにやってきて、両手をかざすと、緑色の門が開いた。 オウルイマジンたん「契約成立・・・!」 そういって、飛び去って行った。 慧「どうして・・・?」 愛「まさか、あのイマジンとやりあうつもり!?」 慧「ムチャだよ!!」 愛「それでもやるつもりよ。たとえ自分の命を犠牲にしてでもあの子を助けるつもりよ!」 そして、カードをかざすと「2007年4月5日」と表示された。 間違いない。 慧が急いでVライナーに乗り込んだ。 2007年4月5日 星見ロイヤルホール。 突如現れたビートルイマジンたんの強襲にコンクールに来ていた観客たちは混乱と悲鳴にまみれ、大騒ぎとなっていた。 ビートルイマジンたん「あはははは!!泣け!!叫べ!!あはははははは!!」 剣から放たれた光線によってホールの壁が崩され、オブジェが壊され、美しかったホールが無残な光景と化す。剣を振るうたびにホールが破壊されていく。 そこへ斧の刃がビートルイマジンたんのボディを捕え、吹き飛ばす。 ビートルイマジンたん「あはは」 オウルイマジンたん「過去をメチャクチャになんかさせない!!」 ビートルイマジンたん「うるさいなあ、さっきから!!死ね!!」 オウルイマジンたんとビートルイマジンたんの剣と斧が激しい火花を散らせてせめぎあいが繰り広げられる。 しかし、バルキリーたんとの戦いで傷ついた部分もあってか、体のダメージが痛み、オウルイマジンたんの動きが幾分鈍い。 オウルイマジンたん「くっ・・・!!さっきのルビーなんとかの攻撃が利いていたか」 ビートルイマジンたん「何?痛み感じるの鈍いってやつ!?」 オウルイマジンたん「・・・(図星だ)」 一方。 Vライナー・フェニックスが時の線路を爆走していた。 もはや制限速度などぶっちぎりで吹っ飛ばしている。時の砂漠を暴走族さながらに突き進んでいく。その勢いは完全に暴走する弾丸特急さながらのようである。 ルーベット「急いで!!急ぐのです〜!!!」 琥珀「バカ、もうメーター振り切ってるわあああああああああっ!!」 慧「ぼ、暴走しないでぇ〜!!!」 ルーベット「フクロウ殿〜!!!!!助けに参りますぞぉ〜!!!」 琥珀「パラリラパラリラパラリラパラリラ〜!!!!」 慧「だあああああああああああああああっ!押さないで踏まないで胸押し付けないで・・・ぶぎゅる・・・!!!」 そして、ようやくたどり着いた。 過去の世界に。 慧「ふぎゃっ!!」 慧は電車から投げ出され、地面に落下、そして顔面から着地した。 ご愁傷様・・・。 慧「あうう・・・痛いよぉ・・・」 慧はぶつけた鼻をさすりながら涙を拭い、街へとやってくると、オウルイマジンたんとビートルイマジンたんの激闘が最高潮を迎えている。 剛力で振るう大剣の威力はオウルイマジンたんの斧を次第に追い詰めていく。 ビートルイマジンたん「これでどうだっ!!」 ガギィン!!!! 一瞬の隙を突かれ、斧が吹き飛ぶ。そして、むき出しになったボディにそのまま剣の必殺の一撃が炸裂する。 オウルイマジンたん「ぐあああああああああ・・・・・・!!!」 オウルイマジンたんが吹き飛んだ。身体から煙と埃が立ち込め、姿かたちをなす砂が吹き飛び消えていく。彼女は痛みに耐えきれずその場に倒れ込んだ・・! 慧が到着すると同時であった。すでに勝負は決着がついているらしい。 オウルイマジンたんが体から砂を噴き出しながら地面に横たわり動いていない。 慧「あっ!!!!そ、そんな・・・!!」 琥珀「くそっ!!!慧、慧はカブトムシの方を!!!」 琥珀が飛び出し、倒れ動かなくなったオウルイマジンたんの救出に向かわせると、慧は腰にバルキリーベルトを着用し、赤いボタンを押した。 慧「変身!!」 「Lance Form」 慧の体を赤い光が包み込み、みるみるタカをイメージした戦士、仮面ライダーバルキリー・ランスフォームへと変身を遂げる。 Lバルキリー「貴様の罪、閻魔に代わって斬る!!!」 ビートルイマジンたん「くくく・・・くははははははは!!」 Vガッシャーを組み立て、ランスモードにすると一気に前へと突き出して槍の穂先でビートルイマジンたんを吹き飛ばす。 後ろへと吹き飛び、かろうじて地面に足を刷りつけて体勢を直すと、大剣で迎え撃つ。 大剣を槍で巧みに捌きながら、ランスフォームは槍を振るい、縦横無尽に切り裂いていく。 しかしビートルイマジンたんの重厚な甲冑は槍の攻撃を最低限のダメージにまでしている。 ビートルイマジンたん「ほらほらっ!!!」 Lバルキリー「はああっ!!やあっ!たあっ!!!」 ビートルイマジンたんの攻撃を必死によけながらランスフォームの猛攻はとどまることを知らずラッシュを繰り出す。しかし、このままでは体力が徐々に削られ、不利に陥るのはランスフォームの方であった。 ランスフォーム「くっ・・・・!!」 一方。 琥珀は崩れ落ちて行くオウルイマジンたんを抱きかかえて必死に声をかけている。 琥珀「おい、しっかりしろっ!!」 オウルイマジンが静かに瞳を開いた。 オウルイマジンたん「・・・・君も、あの子のイマジンか。なあ、小夜子たちは・・無事か?」 オウルイマジンたんが聞く。そこへ、愛が走ってやってきた。 愛「ええ。今、近くの交番に保護したわ」 オウルイマジンたん「・・・そうか・・・・よかった・・・・これで・・・ようやく・・・眠れる・・・・」 琥珀「ダメだよっ!!ダメっ、死んじゃダメだよっ!!」 愛「貴方、あの子たちの契約を最後まで見届けないまま死ぬつもりなの?!」 オウルイマジンたん「・・・・あの子たちなら大丈夫だろう」 愛「そうじゃなくって!!貴方言っていたじゃない。過去の思い出が現在(いま)の自分を支える力になるって信じたいって・・・!!あの子たちの約束があの子たちのこれからを支える力になるって、守りたいって言っている貴方が、そんなあの子たちを見守ってきた貴方が自分の人生をあっさり諦めてどうするのよっ!!生きてあの子たちの演奏を聴くまでは、ううん、自分が生きたいと願う気持ちくらい持ちなさいよ!!」 愛も泣いていた。 このイマジンはとても情に厚く思慮深くて心優しいイマジンだ。 それがこんな理不尽なまま消滅していいわけがない。 オウルイマジンたん「・・・手厳しい言葉だ。だが・・・」 その時だった。 ランスフォームが槍でビートルイマジンたんとせめぎ合いながら、口を開く。 慧の声で告げた。 慧「それなら・・・私の中に来るのはどう?」 オウルイマジンたん「・・・何?!」 オウルイマジンが、そして琥珀や愛も驚いたように目を見開く。 愛「慧ちゃん!?」 慧「そうすれば、助かるよね?」 琥珀「つったってよぉ、お前、もう2体と契約したも同然なんだぞっ!?」 慧「大丈夫だよ。それに・・・私だってこのままいなくなるなんて嫌だもん・・・」 オウルイマジンたん「無茶だ・・・それは危険すぎる」 ランスフォームはビートルイマジンたんを突然蹴り飛ばすと、じれったいように叫ぶ。 Lバルキリー「ああっ、もうっ、じれったいですわ!!!!慧殿、本当によろしいのですよね!?」 慧「うん。私は大丈夫だよ。だって・・・何だか知らないけどそう言い切れる自信がある」 Lバルキリー「それなら・・それなら・・・私は貴方のお言葉を信じるだけですわっ!!」 そういって、ルーベットが光の玉になって離れると、オウルイマジンたんの頭をこつんと叩くように体当たりをする。 オウルイマジンたん「!?何をするんだ」 ルーベット「いいから、慧殿が来いといったら、来なさーーーーーーーーーいっ!!!」 そういって、無理矢理引っ張ると一気に慧の中へと入っていった。 琥珀「・・・おいおい、強硬策なんでねぇの?」 愛「・・・ううん、これでいいのよ」 琥珀「え?」 愛「多分慧ちゃんが言い出したら聞かないだろうし。それに、私も経験済みだから、分かるような気がするし、慧ちゃんの大丈夫は本当に大丈夫だから」 オウルイマジンたん「・・・本当にいいのか?」 慧「うん、一緒に戦おう?」 オウルイマジンたん「・・・・・・・・恩に着る!!」 しばらく悩んでいる様子であったが、オウルイマジンたんの中で一つの決意が生まれた。 そして、そのまま金色の第二ボタンを押す。 ピアノの優雅なクラシックのメロディが流れ出し、パスを通した。 「Ax Form」 すると、彼女の周りを金色のフクロウを模した装甲が装着し、仮面にはフクロウの電仮面が装着される。そしてその姿は眩い金色の光を放つ戦士の姿へと変わった。 仮面ライダーバルキリーたん・アックスフォームの誕生であった。 ビートルイマジンたん「何っ!?」 ビートルイマジンたんが驚きの声を上げる。 アックスフォームはVガッシャーを組み立てると、金色の斧の刃が飛び出した巨大な斧を 構えて静かに呟く。 Aバルキリー「チェックメイト、待ったはなしだ」 ビートルイマジンたん「何がチェックメイトだっ!!」 Aバルキリー「行くぞ」 あくまで感情をみせない静かな口調で斧を構える。 ビートルイマジンたんが怒涛の勢いで剣を構えて襲いかかってきた。 その攻撃を避けるようなそぶりも見せず、ギリギリまでその攻撃を見ている。 そして、剣が振られた刹那、剣の攻撃を避け、近づいてくる敵に向かって斧をカウンターの要領で一気に叩きつけた!! ビートルイマジンたん「ぐああああああっ!!!」 斧の刃が剣を持っている腕ごとバッサリと切り落とす。 そして、そのまま強烈なパンチを一撃ボディに放つと、拳が装甲をも叩き割り、内臓や骨などに凄まじい衝撃を与えて一気に吹き飛ばす。 ビートルイマジンたん「ぐおおお・・・・・・」 Aバルキリー「無駄な手は使わない。一気にカタをつけてやる」 パスをターミナルバックルに通した。 「Full charge」 斧に金色の光が宿り、ゆっくりと斧を上に持ち上げる。 そして、一気に振り下ろし、地面に叩きつける。 Aバルキリー「行くぞ」 すると、巨大な金色の刃がいくつも連なって大地を削り、ビートルイマジンたんを容赦なく切り裂き破壊し、消滅していった・・・!! ビートルイマジンたん「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」 爆発し、消滅したイマジンに背を向けて静かに呟いた。 Aバルキリー「ガイアクラッシャー・・・。ゲームオーバーだ」 慧「結構決める時は決めるんだね」 Aバルキリー「・・・・・・・・・・うむ」 無駄口も手数の多さもいらない。まるで彼女の性格をそのまま反映しているかのような戦闘スタイルであった。 4月22日PM20:30 翌日。 藤代風音の家で彼女のコンクール出場を祝う祝賀会が開かれた。 彼女の家で集まった友達や親せきたちでにぎわう中、リビングのピアノから美しいメロディーが流れ皆その音色に聴き惚れている。「悪魔のトリル」は聞く者の心をすっかり魅了し、虜にしてしまっている。 ピアノを演奏している小夜子は風音に向かって最高の演奏を聴かせることができ、笑顔を浮かべながら演奏をしていた。そんな彼女を見て、風音も笑顔でこたえる。 その様子を見て、慧もほっとしたように笑顔を浮かべていた。 そして、コンクール。 藤代風音が優勝し、彼女の願いも果たされた。 その後、まるで眠るように霧山小夜子は短い生涯に幕を閉じた。 4月23日PM19:30 ラウンジで一人オウルイマジンたん(名前は「トパーズ」と命名された)は流れゆく風景を一人見ていた。 目を閉じるたびに思い出す。 彼女が言っていた最期の言葉。 病室で自分に最期の言葉を聞いた時は、その場で泣きそうになるのを必死でこらえた。 彼女が笑顔で言ったから、自分も笑顔で送り出してやらなければいけない。 「いっぱいピアノを弾けてあたし・・幸せだよ。ありがとう、フクロウさん」 トパーズ「・・・・私は礼を言われるようなことなんてしてないよ」 そう呟き、眼尻に熱い何かが込み上がってくるのを感じる。 トパーズ「私もありがとう、君と一緒にいてピアノを弾いて、自分の考えが無駄なことなんかじゃないって分かったから。思い出がある限り、現在(いま)の自分を支える力になる。それは・・・イマジンも同じなんだって・・・教えてくれて・・・ありがとう」 そして短剣をデザインしている彼女の手作りの笛を取り出すと、椅子に座って静かに音色を奏で出した。 その悲しくも温かく感じられる心地よいメロディーは時の砂漠に響き渡り、聞く者の心を魅了するほどの素晴らしい旋律を奏でている。 慧たちはそんな彼女の姿を遠くから見守っている。 金色の瞳から涙がポロポロと零れおち、あふれ出る感情を抑えもせず、ただひたすら一心不乱に演奏を続けている。 慧にはそれが彼女が小夜子に捧げるレクイエムのようにも聞こえていた。 「ありがとう・・・バイバイ・・・・」 そう聞こえたような気がした。 トパーズは泣きながらいつまでもいつまでも悪魔のトリルを演奏していた・・。 トパーズ「ありがとう、小夜子。私、君のこと絶対に忘れないから・・・・」 時の砂漠に静かに美しい旋律が響き渡っている。 亡き友に捧げるレクイエムが。 続く 第5話「The Fencer who dances」 |
鴎
2009年04月04日(土) 03時14分50秒 公開 ■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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HAHAHA、何か目が覚めたから書き込んだ@PFだYO! ちょいっと上手く感想が練り込めないのでやや簡略的に行きまっしょい。 >ルーベットさん これからはもっと落ち着くんだよ(上から目線) まぁ、それはともかく、あのモモタロスだって最初は平気で犯罪侵す様な、タダのチンピラだったわけですし、少しずつでも成長して行けば良いと思いますヨ? と言うか、初期の人格が独善的なのは全てのイマジンに共通している気がするし、まだ気にする程じゃないサ(キラーン☆) >トパーズさん 良い人だけどやっぱ荒っぽいよね、この人もw しかしやっぱりキンt(怪電波によりジャミングされました。 >琥珀さん う〜ん、フォームが無いなら、イマジン武装とか? デネブとかテディみたいな感じでw そういや何気に初期段階で自分の命を惜しんだ希有なイマジンですよね、この子。 原作のイマジンは思い出がないせいか、消える事に対する拒否感情が薄い傾向がありましたから(最終決戦前はそうじゃなくなってたけど)。 むしろ「消えるのが恐い」という感情を理解していない節がありましたし(特にリュウタ)。 最後に、これから何かと忙しくなるとは思いますが、お互いにキバって行きましょうね! 勝手に期待しています。 うん、こんな所でアディオス。 |
50点 | @PF | ■2009-04-07 04:55:01 | i125-202-119-59.s11.a021.ap.plala.or.jp |
どもども、遅くなりましたが感想を・・・・・・ >契約 >新フォーム 「外伝」の名に相応しく(?)電王を彷彿とさせますね〜〜〜というか、ッルーベットちゃんと琥珀ちゃんの号泣にふいたwwwwwwwwいや、感動したんだろうけど笑いのほうが先に出ちまった。 >改めてトパーズちゃん えらくいいキャラだなっっ!!というか、そのままでも可愛いぞっっ!? さてさて、短いような気もしますが今回はこの辺で・・・・・・ >琥珀ちゃん >今のところは ・・・・・・本編では出そうもありませんが・・・・・・期待していいんですよね? |
50点 | DarkMoonNight | ■2009-04-06 17:58:07 | 61.127.191.3 |
合計 | 260点 |