仮面ライダーフィーネ 劇場版 第4話
劇場版仮面ライダーフィーネ 〜Nexus of Waltz〜 Act.4

〜現在〜

「おおおおおおおおおおおっっっっっっっっ!!」

 人々を襲おうとしているレジェンドルガの群れに、ゼロ・セフィロトスは咆哮(さけ)びながら突撃する。レジェンドルガたちはゼロ・セフィロトスに気づいて攻撃しようとするが、肩部のブースターによって加速したゼロ・セフィロトスを捉えることは容易ではなく、逆にゼロ・セフィロトスの拳によって次々と蹴散らしていく。

「セツナッッ!!1人で突撃しないでください!!」

 その後ろから、ラルゴBF(バッシャーフォーム)がバッシャーマグナムの引き金を引き、レジェンドルガを打ち抜く。

「おらおらおらぁぁっっ!!」
「貴様ら・・・・・消えろっっ!!」
「・・・・・・邪魔・・・・・・」
「おぉまぁえぇらぁ・・・・・・つぅぶぅすぅ!!」
「ぬおおおおぉぉぉぉぉ!!」

 さらに、ラルゴの周りではイグリス、グルム、バサラ、ドッガ、ガルルがレジェンドルガを蹴散らしていた。しばらくすると、その近辺にいたレジェンドルガはすべて消滅していた。それを眺めながらイグリスは疾風の姿に戻ると、同じく変身を解いた刹那に視線を向け、口を開いた。

「・・・・・・刹那、あまり自分を責めるな・・・・・・あれはお前の責任ではない。」
「そうだぜ?悪いのは音色をさらった奴等なんだからよ・・・・・・」
「・・・・・・元気・・・・・・出す・・・・・・」
「・・・・・・すいません・・・・・・少し、1人にしてください・・・・・・」

 刹那は疾風たちの慰めに哀しそうな笑顔を向けると、1人で先に歩いていく。メリッサはそんな刹那を追おうとしたが、疾風に肩をつかまれて歩みを止める。メリッサが疾風の顔を見ると、疾風はゆっくりと首を横に振った。

♦♦♦

「・・・・・・そうか、報告ご苦労だったな・・・・・・」
「・・・・・・メリッサちゃんから?」
「あぁ・・・・・・レジェンドルガの殲滅には成功したが・・・・・・刹那君は音色君のことを引きずっているようだな・・・・・・」

 喫茶店「エスメラルダ」では、「白峰隼人」と「如月優香」が会話をしていた。隼人の言葉に、優香はため息をつく。

「ホントに参ったわよね、「天空の会」でも古い文献しかない「レジェンドルガ」の復活なんて・・・・・・おまけに、音色ちゃんはさらわれちゃうし・・・・・・」
「しかも、将護君と明日香君がアメリカに研修中だからな・・・・・・レジェンドルガは世界的に出没していると報告があるし、戦力が足り無すぎる。」
「かといって、私たちのライダーシステムはまだ整備中だしね・・・・・・」

 その時、エスメラルダのドアが開き、中に人が入ってくる。

「いらっしゃ・・・・・・!?」
「・・・・・・君たちは・・・・・・まさか・・・・・・」

店内に入ってきた2人組を見て、優香と隼人は驚きを見せる。その2人は、あの戦い以降行方不明になっていたからだ。

「・・・・・・なんだかめんどくさいことになっているみたいだからよ・・・・・・助太刀に来てやったぜ?」
「・・・・・・とりあえず、現状の説明をお願いします・・・・・・」

 かつて、「セブンスナイツ」で「セイバー」、「パニッシャー」と呼ばれていた2人―「イクス・ヴォルニクス」と「神代京」は、隼人たちに向かってそう告げた。

♦♦♦

〜もう1つの現在〜

「・・・・・・なるほど、たしかにそれは一大事ですね・・・・・・」
「それに加えて、裏でこそこそ動き回っている奴もいるのね・・・・・・」
「そゆこと。だから、みんなに力を貸してほしいと思ってね・・・・・・」

 とりあえずデンライナーに移動した一行は沙凪から状況を説明され、良緒とアリスは考え込む。そして、沙凪が本題を切り出すと、始穂が困惑の声を上げる。

「ちょっとまった!!いきなりそんなこと言われても困るわよっっ!?」
うるさいなぁ・・・・・・ドロボウネコは黙っていてよ。
「あんたねぇっっ!!」

 そんな風に沙凪と始穂はにらみ合うが、ふと、帆希が口を開いた。

「・・・・・・確かに、戦力は多いほうがいいと思うけど・・・・・・それにアタシたちを選んだのはどうしてかなっ?」

 その帆稀の疑問に、沙凪は頭を掻くと、照れくさそうに口を開いた。

「・・・・・・正直に言うとさ、敵がどれくらい強いのか想像つかないんだよ・・・・・・だから、ボクが知っている中でどんな敵も倒せそうなくらい強くて、なおかつ信頼できそうなのっていったら・・・・・・ここのみんなしか思いつかなかったんだ。だからお願い。ボクの友達を助けるのに力を貸して。

 そう答えて頭を下げる沙凪を見て、4人は顔を見合わせると笑みを浮かべ、代表として始穂が高らかに宣言した。

「・・・・・・わかったわ・・・・・・正式に「そうだんしつ」の依頼として引き受けるわよっっ!!」
「そんなことになっていて・・・・・・何もしないなんてできませんからね。」
「それと、終わったらその「ネイロ」って子、きちんと紹介してよ?」
「そうだねっ!!ちゃっちゃと終わらせて、皆で楽しく過ごそうよっ!!」

ドロボウネコにはいいたくないけど・・・・・・皆、ありがとう!!」
「ちょっと待って!?今なんか呟かなかった!?」
なんのことかな?
「はいはい、ケンカはその辺で・・・・・・それより、あっちはどうするの?」

 アリスが2人をなだめながらふと後ろを振り向く。そこでは・・・・・・

「本物だ・・・・・・本物のモモタロスさんたちだっっ!!サインくださいっっ!!」
「お?いいぜ別に・・・・・・へへっ、俺たちにもファンがいるんだなぁ。」
「それも、君みたいな可愛い子なんてね・・・・・・ねぇ、僕に釣られて見ない?」
「ぐご〜〜〜〜〜〜〜」
「ねぇねぇ、お姉ちゃんたちは違う時間から来たんでしょ?お話聞かせて〜!!」
「うん!!えっと、私たちのところではね・・・・・・」
降臨・・・・・・満を持して。
「ツ、ツカサ君!?」
「白い人がツカサの中に入っちゃった!?」
「なんだか楽しそうなことになっているわね・・・・・・」
「そうじゃの・・・・・・すまんがナオミさん、コーヒーをもう1杯いただけるかの?」
「・・・・・・もう、何がなんだか分からないってわけ・・・・・・」
「オデットちゃん、ドンマイ♪」
「・・・・・・私たちがテレビに出ているなんて・・・・・・/////
「・・・・・・コロン、少し落ち着きなさい。」

いい感じでカオスな展開になっていた。

「みぃなぁさぁん・・・・・・車内では、お静かに・・・・・・」

 すると、当然のごとくオーナーが注意を促す。それによって、がやがやとしていた車内が一瞬のうちに静かになった。ちなみに、オーナーの声を聞いてツカサの中からジークが飛び出し、ツカサは自分の身に起きたことに困惑していた。

「・・・・・・さてと。」
「・・・・・・どこにいくんですか?」

 そう呟くと、沙凪は食堂車を後にしようとし、良緒が声をかける。すると、沙凪は振り向いて答えた。

「あぁ、デンライナーじゃ違う時の路線には行けないでしょ?だから、ファルライナーと連結して行こうと思って・・・・・・かまいませんよね、オーナー?」
「もちろんです・・・・・・時の運行を護るものとして、見過ごすわけにはいきませんからね・・・・・・」

 沙凪の問いかけに答えるオーナーの顔は、いつに無く真剣だった。沙凪は会釈をすると、食堂車を後にし、ファルライナーへと戻った。

「さぁて・・・・・・待っててね、音色ちゃんっっ!!」

 ファルライナーに乗り込んだ沙凪はそう呟くとファルライナーを動かし、デンライナーと連結させて音色が存在する時の路線へと進路を向けた。

♦♦♦

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・・・」

 肩で息を吐きながら、ゼロは変身を解除し、刹那は空を見上げた。その周囲では、レジェンドルガの骸が粉々になってばら撒かれていた。その数は、およそ50を超える。太陽の光に目を細めながら、刹那は思わず呟く。

「くそっ・・・・・・音色・・・・・・俺は・・・・・・」
「白峰音色を助けたいか?」
「!?だ、誰だっっ!!」

 その時、どこからか声が聞こえ、刹那は辺りを見回す。すると、近くの樹木の後ろから、黒コートにサングラスをかけた青年が現れた。

「・・・・・・お前・・・・・・何者だ?」
「そう身構えるな・・・・・・俺は、お前の手助けに来たんだからな・・・・・・」

 そう言いながら男性が右手を頭上に上げると、2人の周りに銀色のオーロラが現れ、とたんに森のような場所へと移動する。

「なっ!?・・・・・・お前、オーバードなのか!?」
「違うな、俺は・・・・・・『創造者(クリエイター)』といったところか・・・・・・それはそうと・・・・・・白峰音色は、あそこにいる。」

 そういって男性は指を指す。刹那がその先を見ると、そこには古めかしい城が存在していた。

「あれは・・・・・・オーバードの城!?」
「俺が手助けするのはここまでだ・・・・・・後は、「時の護り手」と「未来から来たお前の娘」を探せ。そいつらが、白峰音色を救う鍵となる・・・・・・それと、「ディケイド」には気をつけろ・・・・・・奴は「世界の破壊者」だ・・・・・・」

 そういい残すと、男性は目の前に銀色のオーロラを出現させ、その中へ消えていった。

「おい、待てっ!?・・・・・・「時の護り手」に、「俺の娘」?訳がわかんねぇ・・・・・・でも、行ってみるしかないか・・・・・・」

 そう呟くと、刹那は城へ向かって走り出した。

♦♦♦

「・・・・・・ダメだ、びくともしねぇ・・・・・・さよならアタシの貞操、そしてこんにちはガチ百合とめぐるめく快楽の日々・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりいやだぁぁぁぁぁぁぁっっ!!まだ健全な恋愛(ラブロマンス)もしていないのにぃぃぃぃぃぃぃ!!

 スミレはベッドの上で泣きながら転がりまわる。しかし、どんなに泣き喚こうとその四肢に繋がれた鎖が解かれることは無い。

・・・・・・こんにちは・・・・・・
のわあっっっっ!?・・・・・・ど、どちら様?」

 その時、突然銀色のオーロラが部屋の中に現れると(スミレは転げまわっていたので気づかなかったが)、黒いゴスロリファッションの少女がベッドの横に現れる。スミレは驚きの声を上げると、恐る恐る訊ねた。

「何者かなんて関係ない・・・・・・その鎖、壊してあげる・・・・・・」
ホントっっ!?でも、どうやって・・・・・・ひょえぇぇぇぇぇっっっっ!!?

 少女の言葉に笑顔を浮かべたスミレだったが、突然立てかけられていた鏡から現れた黒い龍に驚きの声を上げる。その龍は咆哮すると、その刃のような尻尾でスミレの四肢に繋がった鎖を切り裂いて鏡の中へと消えていった。

「び、びっくりした・・・・・・そうだ!!オリヴィエたちは・・・・・・」
「大丈夫・・・・・・ここにいるわ。それに、これも・・・・・・」

 自由になったスミレがオリヴィエたちのことを思い出すと、少女はオリヴィエたちが閉じ込められていた結晶と、ライダーパスをスミレに投げ渡す。スミレがその二つを受け止めると、結晶は音を立てて砕け散り、中からオリヴィエ、アリサ、シャルが出てきた。もっとも、3人とも気絶しているが。

「・・・・・・あんた、何者?ここまでできるなんて・・・・・・」
「さぁ?それじゃ、後は自力でがんばってね・・・・・・」

 スミレの質問に答えることなく、少女は銀色のオーロラの中へと消えていく。それを唖然と眺めながら、スミレは顔をはたいて気合を入れなおした。

「・・・・・・さて、オリヴィエたちも、ライダーパスも戻ってきたし・・・・・・後はここから脱出するだけか・・・・・・こういうときはクロノスライナ・・・・・・ってケータイの電源切れてるしっっ!?・・・・・・自力で脱出するしかないのか・・・・・・」

 肩を落としながらスミレはオリヴィエたちを抱えると、急いで部屋から脱出した。

♦♦♦

「・・・・・・ん?」
「どうかしましたか、グラーヴェ?」

 玉座の間で、グラーヴェが突然頭上を見上げる。その仕草に、キャスターは疑問を抱き、グラーヴェに声をかけた。

「・・・・・・なぁに、どうやらネズミが現れたようだ・・・・・・それと、お主らが捕らえた乙女も逃げ出したようだぞ?」
「・・・・・・そうですか・・・・・・どうやら、あの子にはお仕置きをしないといけないようね・・・・・・ライダー、あなたは城の防衛をお願い。アサシン、あなたは私と一緒に侵入者の排除よ。
「・・・・・・仕方ないな。」
「うぇ・・・・・・めんどくせぇ・・・・・・」

 キャスターの呼びかけにライダーとアサシンが現れると、3人は玉座の間を出て行った。それを眺めながら、グラーヴェはふと呟く。

「・・・・・・しかし、この感覚・・・・・・まさか、この身体以外にも「皇帝」を継いだ存在がいるというのか?・・・・・・面白い。

 グラーヴェは立ち上がると、マントを翻してゆっくりと歩き出す。

「来るがよい強敵となるものよ・・・・・・我輩の全力を持って、叩き潰してやろう・・・・・・だから、簡単に死ぬではないぞ?」

♦♦♦

「あ〜もうっっ!!予想通りといえば予想通りよねっっ!!」
「仕方ないんじゃ・・・・・・ないのかなっ!!」
「そうね・・・・・・囮は囮らしく、精一杯暴れましょうっっ!!」
「こういうのは久しぶりだからな・・・・・・俺は最初から最後までクライマックスで突っ走るぜっっ!!」
<<モモタロス、ちょっと落ち着いてね・・・・・・>>

 天岸島の海岸では、「仮面ライダーカリスU」、「仮面ライダーステイルU」、「仮面ライダーレジーナU」、「仮面ライダー電王・ソードフォーム」が、レジェンドルガを相手に大暴れしていた。その怒涛の攻撃である程度の数は減っていくが、レジェンドルガは無限にいるかのように次々と沸いて出てくる。4人は互いに背中合わせになりながら、レジェンドルガたちを睨みつけていた。

「しかし、きりが無いわね・・・・・・」
「シホ、弱気になっていてもしょうがないわよ?」
「そうだよっ!!それに、こんなのは慣れっこでしょっ?」
「まぁ、アレだ・・・・・・徹底的にクライマックスといこうじゃねぇか。」
「そうね・・・・・・みんな、行くわよ・・・・・・!?」

 そういってカリスUたちは再度攻撃に転じようとするが、突然レジェンドルガたちを黒い炎が覆いつくし、跡形も無く消し去ってしまう。そして黒い炎が晴れていくと、そこには4つの人影が存在していた。

「どうやら、黒幕の手下がお出ましみたいね・・・・・・」
「でも、どっかでみたことあるような・・・・・・って、ネガタロスっ!?」
「・・・・・・でも、微妙に違うわね。あっちはちゃんと鎧みたいになっているし・・・・・・」
<<それに、残りの3人は・・・・・・牙王に、幽汽は2人もいるなんて・・・・・・>>
「おいおい、ずいぶん懐かしい面々が揃っているじゃねぇか・・・・・・今日は同窓会かなんかか?」

 そう、カリスUたちの目の前に現れたのは、銅色の鎧に身を包み、どことなく牙のような装飾が目立つ「仮面ライダー牙王」、電王SFに酷似しているが、紫に禍々しいラインが施された「仮面ライダーネガ電王」、そして残りの2人は同型の鎧に身を包んでいるが、1人は電仮面に髑髏の装飾が入った「仮面ライダー幽汽・スカルフォーム」、もう一人は赤いレールのようなマフラーに、左腕に手甲をつけた「仮面ライダー幽汽・ハイジャックフォーム」・・・・・・

<<・・・・・・モモタロス、「てんこもり」でいくよ。>>
「そうだな・・・・・・こいつら相手じゃ仕方ねぇ・・・・・・お前らっ、いくぜぇっっ!!」

 そう叫ぶと、電王SFはどこからか真っ赤なケータイ「ケータロス」を取り出し、スイッチを順番に押す。

『MOMO−URA−KIN−RYU−CLIMAXForm

 そして、にぎやかな音色があたりに響き渡り、電王SFはケータロスをベルトに装着した。

♦♦♦

〜デンライナー内〜

「やれやれ、しょうがないね・・・・・・」
「アイツら相手にすんなら、「てんこもり」がうってつけやしな・・・・・・」
「ちぃおねえちゃんがいるなら、我慢する〜」
「ふむ・・・・・・てんこもりか・・・・・・」

 そして、4体のイマジンは光に包まれてデンライナーから姿を消す。その様子を眺めていた沙織は、首をひねっていた。それをみたナツミは、沙織に問いかける。

「どうしました?」
「・・・・・・今・・・・・・ジークさんも一緒に行かなかった?」
「・・・・・・そのようですね。」
「「「・・・・・・えええええええええぇぇぇぇぇっっ!?」」」
「うるさいのぅ・・・・・・ナオミさん、コーヒーお替り。」

 沙織の発言に、残っていたアンデッド組は驚きの声を上げた。(一部いつもどおりだが)

♦♦♦

 電王SFがケータロスをベルトに装着すると、身体につけていたアーマーが変化する。そして、電王SFの周りにレールが現れると、右肩にロッドフォーム、左肩にアックスフォーム、胸部にガンフォーム、背中に大型化し、翼のようになったウィングフォームの電仮面がそれぞれ装着される。すべての電仮面が装着されると、頭部を覆っていた桃形のバイザーがまるで皮がむけたかのように変形し、オレンジ色に変化する。そして、電王は眼を見開くと、高らかに名乗りを上げた。

「俺たち、参上!!・・・・・・・って、何じゃこりゃあっっ!?」
<<ちょっとちょっと!?なんでジークまで一緒にいるの!?>>
<<ホンマや・・・・・・泣けるでぇ!!>>
<<わ〜い、鳥さんも一緒だぁ!!>>
<<・・・・・・ふむ、てんこ盛りというのも悪くは無いな・・・・・・わらわは気に入ったぞ。>>
「なぁに言ってやがる手羽先女!!余計ごっちゃごちゃになっているじゃねぇか!?」
<<・・・・・・うるさいぞお供その3・・・・・・ところで良緒。今の姿に名付けるとしたら、そなたはどういった名前をつける?>>
「聞いちゃいねぇし・・・・・・しかも、良緒のセンスだと変な名前になるじゃねぇか・・・・・・」
<<・・・・・・そんなことないよモモタロス!!え〜と・・・・・・『超・電王』かなぁ?>>
「<<<<<<<<センス悪ッッ(無いね)(無いなぁ)(なぁい)(が悪いな)!!>>>>>>>>」
<<全員一致で即答っっ!?>>
「・・・・・・あんたたち、今が戦闘中って分かってる?」
「でも、あいつらが強いのは確かだよっ・・・・・・」
「そうね・・・・・・帆希、アリス!!あたしたちもいくわよっっ!!」
「「オッケィ!!」」

  カリスUの掛け声にステイルUとレジーナUが答えると、3人はラウズアペンダーにKのカードを装填する。

≪≪≪GET READY≫≫≫ ≪≪≪APPENDIX EVOLUTION≫≫≫

 タービンがうなりをあげて回転し、3人は光と共に「アペンドフォーム」へと進化する。

「―――漆黒の弓兎、仮面ライダーカリスU!!」
「―――銀翼の流星、仮面ライダーステイルU!!」
「―――業熱の女神、仮面ライダーレジーナ!!」
「「「ここに、参上っっ!!」」」


 そう叫んで、3人は決めポーズをとる。もし特撮番組ならバックで爆発が起きているだろう。

「・・・・・・おい、お前らも戦闘中ってこと忘れてんじゃねぇか?・・・・・・けど、クライマックスに名乗りを上げるのは、当然のことだな!!」
「もちろんよっっ!!」
「・・・・・・というか、打ち合わせなんてしていないのに息がぴったりだったわね私たち・・・・・・」
「まぁ、お約束だしっ!!」

 そしてカリスUたちの横に「仮面ライダー電王・ネオクライマックスフォーム」は並び立つと、デンガッシャーを剣のように組み替えて肩に担ぎ、同じように武器を構えている牙王たちに睨みを利かせる。

「さぁて、こっからは正真正銘のクライマックスだ・・・・・・いくぜいくぜいくぜぇぇぇぇっっ!!」

 電王NCFの掛け声と共に、4人は牙王たちへと駆け出していった。

♦♦♦

「・・・・・・始穂さんたち、大丈夫でしょうか・・・・・・」
「あぁ、心配しなくていいよ。あれでも結構修羅場潜り抜けてるからね・・・・・・そこいらの雑魚敵には負けないよ。」
「・・・・・・信頼しているんですね・・・・・・」
「・・・・・・まぁね・・・・・・!?うわっ!!」

 城の中を走りながら、初音と沙凪はそんな会話を交わす。すると、突然目の前に人影が現れ、沙凪はその影とぶつかった。

「だ、大丈夫ですか!?」
「アイタタタ・・・・・・な、何とか・・・・・・」
「いてぇ・・・・・・悪いな、ちょっと急いでいて・・・・・・」
「!?・・・・・・とう・・・・・・さん?」

 沙凪に駆け寄った初音は、ぶつかった相手を見て息を呑む。それは、別の海岸から城を目指していた刹那だった。

「父さん・・・・・・?まさか、「時の護り手」と「未来から来た俺の娘」って・・・・・・君たちのことか?」

 そう告げた刹那の言葉に初音と沙凪は顔を見合わせると、刹那へと顔を向けた。

「・・・・・・詳しく、話を聞かせてもらいますか?」
「その代わり、こっちも事情を説明するよ・・・・・・」

♦♦♦

「・・・・・・ちぃ、面倒なことになった・・・・・・しかし、カテナの鎖をどうやって破壊したのだ?あれは人間の手には破壊することなど不可能なはず・・・・・・」

 そんなことを呟きながら、ライダーは城の中を歩き回っていた。すると、ライダーの目の前に2人の人影が現れた。

「よぉっ!!久しぶりだなライダー。」
「貴様らは・・・・・・何のようだ、裏切り者。」
「・・・・・・あなたたちの計画を潰しに来たに決まっているでしょう?」

 そのイクスと京の言葉に、ライダーは方を震わせ、静かに怒気を放った。

「オーバードを裏切っただけでなく・・・・・・我らの邪魔をするとは・・・・・・万死に値するっっ!!その命を持って償えっっ!!

 その言葉と共に、ライダーは「ターブリス・オーバード」へと変化する。

「・・・・・・イクス、いくわよ。」
「おう・・・・・・しかし、あのおっさんもなかなか粋なことをしてくれるよな・・・・・・」

 そういうと、京とイクスはベルトを巻きつけ、懐から「キュリアーナックル」、「プロトナックル」を取り出して手を添える。

『『R・E・A・D・Y』』
「「変身っっ!!」」
『『F・I・S・T−O・N』』

 2人がそれぞれのナックルをベルトに装填すると、京は「仮面ライダーキュリアー」に、イクスは「プロトR−X」へと姿を変える。

『K・Y・R・I・O・R・C・U・T・T・E・R・A・D・V・E・N・T』
『X−B・R・A・D・E・A・D・V・E・N・T』

 そして、キュリアーは左腕に盾と剣が一体化した武器「キュリアーカッター」を、プロトR−Xは青紫色のクリスタルを刃に埋め込んだ両刃剣「X−ブレード」を装備すると、ターブリス・オーバードへと切りかかった。

♦♦♦

「ぜぇっ、ぜぇっ、・・・・・・何とか・・・・・・脱出できたかな・・・・・・けど、もう・・・・・・限界・・・・・・」

 なんとか城のエントランスまで来ることができたスミレは、柱の陰に座り込む。

「・・・・・・う・・・・・・こ、ここは・・・・・・どうした、スミレ?」
「あっ、オリヴィエ目が覚めたんだ〜〜〜〜よかったよ・・・・・・」

 するとオリヴィエが目を覚まし、スミレは涙を浮かべて笑顔を見せる。

「みぃつぅけたっ♪」
「ひぃぃいっ!?」

 その時、背後から声がしてスミレは恐る恐る振り返る。そこには、見るものを恐怖に陥れる笑顔を顔に浮かべたキャスターと、めんどくさそうなアサシンが立っていた。

「悪い子ねぇ、勝手に抜け出したりして・・・・・・そんな子には、お仕置きしなきゃねっっ!!

 そう言い放つキャスターの右手には光が収束し、スミレに向かって光線が放たれた。スミレがいた場所は大爆発を起こし、あたりは煙に包まれる。

「・・・・・・おいおいキャスター、それはやりすぎじゃね?お仕置きどころか、あの世に行っちまうと思うんだが・・・・・・」
「残念ね、せっかく好みの子だったのに・・・・・・!?」

 しかし、爆煙が晴れるとそこにはスミレの姿は無く、キャスターは辺りを見回す。

「・・・・・・ふぅ、間一髪やなぁ・・・・・・」
「ご苦労さん、レイヴィ。」

 すると、入り口の近くにはスミレたちを抱えたレイヴィと、その横に立っているアスカがいた。

「・・・・・・えっと、助けてもらってありがたいんだけど・・・・・・あんた誰?こっちはイマジンみたいだし・・・・・・」

 スミレは困惑した顔でアスカに問いかける。すると、アスカは笑顔を浮かべて答えた。

「私は黒野アスカ・・・・・・未来から来たあなたの娘よ、ママ?」
「そっかぁ、アタシの娘かぁ・・・・・・・・・・・・ええええええええええええええええっっっっ!?」
「・・・・・・すみれぇ、うるさいですよぉ・・・・・・」
「うん・・・・・・なんだか、とっても気持ちイイ夢を見ていた気がします・・・・・・」

 アスカの発言にスミレは大声を挙げて驚き、その声によってアリサとシャルが眼を覚ます。しかし、そんな中、オリヴィエは静かに呟いていた。

「そうか・・・・・・未来は、護られたのだな・・・・・・」
「なにをごちゃごちゃ言っているのかしら・・・・・・アサシン!!」
「へぃへぃわかったよ・・・・・・」

 キャスターの声にアサシンはやる気なさそうに返事をすると、その姿を「レーリエス・オーバード」へと変化させ、アスカたちへと襲い掛かる。

「とぉりゃっっ!!」

 しかし、レーリエス・オーバードはアスカたちの後ろから飛び出してきたクウガMFによって、横に吹き飛ばされる。そしてクウガMFはアスカたちの前に着地すると同時に、アスカたちの後ろからツカサが現れる。

「・・・・・・さて、私たちはあのカラスもどきを倒せばいいのか・・・・・・ちゃっちゃと終わらせるか。変身っっ!!」
『KAMENRIDE−DECADE』

 ツカサがベルトにカードを装填すると、ツカサの身体はマゼンダの鎧に包まれ、「仮面ライダーディケイド」となる。ディケイドは腰の「ライドブッカー」を剣に変形させると、クウガMFと共にレーリエス・オーバードへと突撃していった。

「・・・・・・そう、そんなに私に逆らうの・・・・・・なら、逆らう気もないくらいにいたぶって、その後に可愛がってあげるわ・・・・・・」

 そう呟くと、キャスターは「ラージエル・オーバード」へと姿を変える。その姿を見て、オリヴィエがスミレに声をかけた。

「スミレ、私たちも戦うぞ。」
「え゛っ!?アタシ、体力限界なんだけど・・・・・・」
「いいからいくぞっ!!」

そしてオリヴィエはスミレに憑依すると、腰にベルトを巻きつけてアスカの隣に立つ。よく見れば、アスカも既にベルトを巻きつけていた。

「・・・・・・大丈夫なんですか?ここは引き受けますけど・・・・・・」
「心配するな。あいつはこの手で叩き潰さないと気がすまないんでな・・・・・・」
(・・・・・・分かったよ。オリヴィエの好きにしちゃっていいよ!!)
「という訳で・・・・・・いくぞ、アスカ。」
「・・・・・・分かりました。レイヴィっっ!!その2人はお願いね!!」
「よっしゃ!!まかしときぃ!!」
「「変身っっ!!」」
≪――Lance Form――≫
≪――Assault Form――≫

レイヴィにアリサとシャルを任せると、2人はライダーパスを同時にベルトにかざす。すると、白と黄色の光が満ち溢れ、白い騎士のような衣装を纏った「仮面ライダークロノスたん・ランスフォーム」と、狩り装束のようなドレスにトラ耳を生やした「仮面ライダークロノスたん・アサルトフォーム」が姿を現す。そして、クロノスたんLFはクロノガッシャーを槍に、クロノスたんAFはクロノガッシャーを剣に組み替えると、ラージエル・オーバードにその切っ先を向ける。

「あんたがママをこんな目に合わせたみたいね・・・・・・覚悟はできているかしら?」
「よくも私に思い出したくもないことを思い出させてくれたな・・・・・・貴様はこの槍で跡形も無く切り裂いてやる!!」
「そっちこそ、私を怒らせてただで済むと・・・・・・」
「返事は」「イエスでいいっっ!!」

 その言葉と共に、2人のクロノスたんはラージエル・オーバードへと駆け出していった。

♦♦♦

 グラーヴェは、玉座に座って瞑想をしていた。すると扉の開く音が聞こえ、グラーヴェはゆっくりとその眼を開き、笑みを浮かべた。

「よくぞ我が輩の元に現れた・・・・・・おかげで、身体が鈍らなくて済む・・・・・・この身体では、まだ戦闘をしていないものでな・・・・・・」
「御託はいいわ。今ここで、あなたは倒す!!」
「そして、音色は返してもらうぜ!!」
「・・・・・・覚悟してください。」

 そう告げる沙凪、刹那、初音を前にして、グラーヴェは笑い声をもらした。

ククク・・・・・・我輩を倒すか・・・・・・いいだろう、貴様らの強さ、確かめさせてもらう・・・・・・変身っっ!!

 そう叫ぶと、グラーヴェの腰にグラーヴェキバットが装着され、グラーヴェの身体が宙に浮かぶ。そして、グラーヴェの身体をまがまがしきオーラが包み込み、10mほどもある巨大な魔人、「仮面ライダーグラーヴェ」がその姿を現した。

「・・・・・・ちょっと、でかすぎるよね・・・・・・」
「でも、あいつを倒さなきゃ、母さんは助けられません・・・・・・」
「そういうことだ・・・・・・いくぞっっ!!」

 刹那がゼロナックルを取り出してそう声をかけると共に、沙凪はモバイルパスを、初音はクレスキバットを構える。

「がぶっっ!!」
<2→5→8→0→#>
<<STAND BY READY>>
『R・E・A・D・Y』
「「「変身っっ!!」」」
<<SECTOR FORM>>
『F・I・S・T・O・N』

 3人が高らかに叫ぶと、刹那は「仮面ライダーゼロ」に、沙凪は「仮面ライダーファルファ・セクターフォーム」に、初音は「仮面ライダーフィーネ・クレス」へと姿を変える。

「・・・・・・言っとくけど、蝶強いよ、ボク」
「そりゃ頼もしいな・・・・・・なら、俺も本気で行くぜっっ!!」

『B・U・R・S・T・D・R・I・V・E』
『S・E・P・H・I・R・O・T・S−S・Y・S・T・E・M・S・T・A・R・T・U・P』
『S・Y・S・T・E・M−C・O・M・P・L・I・T・E』


ファルファSFはファルガッシャーをセクターモードに変形させると、ゼロは「ゼロ・セフィロトス」へと姿を変える。

「・・・・・・タツロットっっ!!」
「はいは〜い!!初音さんが呼ぶなら、時空だって超えちゃいますよ〜〜!!」

そして、フィーネ・クレスが叫ぶと、どこからかワインレッドの竜「タツロット」が現れ、フィーネ・クレスの肩に施されている封印を解き放ち、左腕にくっついた。

「超変身っっ!!」

 その言葉と共にフィーネ・クレスの全身は燃え上がる炎のような赤色に染まり、胸部に「ヘルズゲート」が姿を現す。そして、真紅の複眼が輝きだす。今ここに、「仮面ライダーフィーネ・クレス/ブレイブフォーム」が降臨した。

「ほう?なかなか面白い魔皇力を感じさせる・・・・・・これほど血が騒ぐのは、「白金の皇帝」以来だぞっっ!!」

 フィーネ・クレス/BFを見たグラーヴェは歓喜の声を上げると、その手に巨大な戦斧「グラーヴェアックス」を出現させ、3人に向けて振り下ろす。3人は散開することでその攻撃を避けるが、その一撃は床を粉々に砕いた。

「なんて一撃・・・・・・でも、負けるわけにはいかないっっ!!」
「ならば、その力で証明してみよっっ!!」
「言われなくてもっっ!!」

 そう言葉を交わすと、フィーネ・クレス/BFは空中へ飛び上がり、グラーヴェに向けてキックを放った。


To Be Continued・・・・・・
DarkMoonNight
2009年04月14日(火) 21時39分59秒 公開
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■作者からのメッセージ
(某所に設置された謎のスペース。そこに、3人の女性がテーブルに座っている。)

夏樹「夏樹と!!」
ウィン「ウィン・・・・・・」
フレイ「そしてフレイの!!」
3人「「クロック☆ラジオ〜〜〜〜〜〜!!」」
夏樹「はい、という訳で今回もやってまいりましたクロック☆ラジオ!!パーソナリティは私、祠堂夏樹と・・・・・・」
ウィン「私、ウィン。それと・・・・・・」
フレイ「あたし、フレイが勤めるぜ。よろしくなっっ!!」
夏樹「いや〜、正式に3人で始まるけど、なかなかいいものね。」
フレイ「そうだな!!これからどんどん盛り上げていくぜ〜!!」
ウィン「なぁ、ふと疑問に思ったんだが・・・・・・ひょっとして私たちに仲間が増えるたび、ここも増えていくのか?」
2人「「・・・・・・あ゛。」」
ウィン「・・・・・・考えてなかったのか。どうやら、まだまだにぎやかになりそうだな・・・・・・」

本編

夏樹「さ、さぁ!!今回のお話に移りたいと思います!!」
フレイ「しっかし、今回はえらくたくさん盛り込んだなぁ!!というか、見せ場が多すぎだろっっ!?」
ウィン「・・・・・・つまり、そろそろ劇場版が終わるということだな・・・・・・」
夏樹「そうね・・・・・・作者によると、どんなに長くてもあと2話で終わらすみたいよ?」
フレイ「へぇ・・・・・・それが終わったら、「刻王」に移るのか?」
ウィン「あの作者のことだから、気分転換に私たちの話を書いていそうだ・・・・・・私が活躍しなかったら、恨むぞ作者。」
夏樹「あ、第1話のことまだ根に持っているのね・・・・・・」

終わりに

夏樹「それでは、今回はこの辺で。」
フレイ「次回も、楽しみにしていてくれよな!!」
2人「「あっっでゅぅ〜〜!!」」
ウィン「・・・・・・この掛け声も、キャラが増えたら多くなるのだろうか・・・・・・こっちにも一人ぐらいほしいな・・・・・・」

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