仮面ライダーバルキリーたん第六話「Let's happily enjoy it.」 |
「Let's happily enjoy it.」 愛「さて皆様、大変なことになってしまいました。まさかの4体目・慧ちゃんの思い描く「アリとハト」のハトのイメージから生み出されたピジョンイマジンたんが慧ちゃんに憑依し、ソードフォームに変身。そして大騒ぎとなっているVライナーに彼女自ら乗り込んで姿を見せるといった驚きの展開となってきたのです。そして彼女が引き起こすトラブルを慧ちゃんは乗り越えることができるのでしょうか?そして、今回の対戦相手、トードスツールイマジンたんも契約を果たすべく不穏な動きを見せるのです。それでは!仮面ライダーバルキリーたん、レッツ・スタート!!」 Vライナー・ラウンジ ラウンジに漂う緊迫した空気が重苦しい雰囲気を生み出している。 しかしピジョンイマジンたんは気にすることなくお菓子を頬張りながらトコトコと歩いてくる。 ルーベット「貴方・・・どういうつもりなんですの!?どうして、慧殿に憑依したんですのっ!?」 ピジョンイマジンたん「ふにゃっ?何なに?何かあったの?」 ルーベット「貴方がどうして慧殿に憑依しているのか聞いてるんですのっ!!敵襲なら・・容赦致しませんわよ!?」 そういってルーベットが手に武器である「ルビーランス」を握りしめて今にもとびかかりそうな勢いで食ってかかる。 ピジョンイマジンたん「あはは〜♪真っ赤っ赤、真っ赤っ赤、面白〜い!!タコちゃんみたい♪墨吐くかな?墨吐くかな?」 ルーベット「た・・・・・タコちゃん?わ、私は、タカですわっ!!失敬な!!!」 ピジョンイマジンたん「あはは〜♪ひと文字しか違ってないけど、真っ赤っ赤だしなんだかタコちゃんそっくり〜!!タカちゃん真っ赤っ赤〜!!キャハハハハハハハッ!!」 ルーベット「(ブチッ!!)こ、こ、こ、この童(わらし)はぁ〜!!!大人の怖さというものを一度教えて差し上げますわ〜!!!!」 琥珀「オイオイオイオイオイオイオイオイ!!落ち着けって!!」 トパーズ「電車の中で槍振り回して暴れるな。大人はそんなことしない」 ルーベット「ぬおおおおおお〜!!止めてくださるなお二方〜!!!」 ピジョンイマジンたん「あははははははははははははははは!!!面白い〜♪おばちゃん顔真っ赤っ赤だ〜!!あはははははははははははは!!!」 ルーベット「(ブチブチッ!!)・・・お・・・・おば・・・・・・ほ・・・ほほほ・・・・上等ですわ。今宵は鳩の丸焼きでも夕飯のおかずにして差し上げますわ・・・・キシャアアアアアアアアアアアアッ!!!!」 トパーズ「・・・煮ても焼いても食える保証はないな」 琥珀「と、とにかく落ち着けって!!!トパーズ!!!まずはお前が何か聞き出してくれ!!あたし、こいつちょっと頭冷やさせてくる!!」 そういって、ルーベットを羽交い絞めにして琥珀がラウンジを出て行った。 嵐が過ぎ去ったあと、トパーズがやれやれとため息をつく。 その様子をケラケラと無邪気に笑っているピジョンイマジンたん。 トパーズは眼鏡をかけ直し、一息ついてから呟いた。 トパーズ「難儀だな・・・」 数十分後。 ラウンジに慧が戻ってくるとやはり慧も仰天した。 自分に憑依していた4体目のピジョンイマジンたんがお菓子を食べながらテレビを見てはしゃいでいたからだ。その傍らではトパーズが疲れ切った様子でソファに寝そべっていた。 トパーズ「・・・・・やっと来てくれたか」 慧「ト、トパーズ?こ、これは一体・・・?」 トパーズ「・・・・・すまない。私も予測不能の事態にどう説明つけたらいいのか見当がつかん。こういう質疑応答は柔軟性がある君に一任したいのだが、頼めるか?」 慧「・・・・う、うん」 トパーズ「・・・・本当にすまない、私は少し休んでくる。何かあったら呼ぶといい」 そういって、ヨロヨロとトパーズがふらついてラウンジを出て行く。どうやら彼女の尋問では彼女の軽いノリについていけなかったらしい。 一方でピジョンイマジンたんは「聖海戦隊シーレンジャー」という人気絶好調の特撮番組を見て、興奮しているのか顔を真っ赤にしてはしゃぎながら見ていた。 慧「あ、そうか。今日はシーレンジャーの日だった!ビデオ録っといてたっけ」 ピジョンイマジンたん「ねえねえ!これ、面白いね〜!!」 慧「え、あ、これ?うん、私も好きなんだ、これ」 ピジョンイマジンたん「さっきねさっきね、シャークレッドがシャークセイバーで敵をバッタバッタ切ってさあ!!悪い敵を皆やっつけるんだ!!!すっげえええええええええんだぜ!!ねえねえ、他の奴ってどんな奴なの?どんな必殺技あんの?」 慧「うーん・・・・それはね・・・・・」 ピジョンイマジンたん「あーーーっ、すげえ!!でっかいロボット出たーーーーーっ!!すっげえええええ!!かっこいいいいいいいいいいいいっ!!!」 テレビで映し出された巨大ロボットにピジョンイマジンたんが鼻息も荒く目をキラキラ輝かせてはしゃぎだす。 慧「これがシーレンジャーの秘密兵器・七つの海を守護する神の化身・ゴッドポセイドンだよ。手に持っている三叉槍で敵を倒すんだ。それで必殺技が槍を回転させて敵を一気に貫く“七海天槍(しちかいてんそう)・ヴァリアントスラスト!!!」 慧が実況するようにテレビで巨大ロボットが放つ必殺技で敵が倒され、大爆発を起こす。 ピジョンイマジンたん「うっしゃああああああああああああっ!!!」 慧「君、楽しそうだね・・」 ピジョンイマジンたん「うん!!すっげえ楽しい!!君に憑依してよかったあ!!すげえハッピーだよっ!!」 慧「ハッピー・・・?」 ピジョンイマジンたん「うん!!人生ハッピーに楽しくがいっちばんでしょ!!」 そういってお菓子を頬張りながらテレビにくぎ付けになっているピジョンイマジンたんに慧も表情を少し緩ませる。 そして、その後も色々と質問をピジョンイマジンたんが矢継ぎ早に聞きだし、慧がそれに柔らかい物腰で対応し、答えるたびにピジョンイマジンたんがおおっと驚いたり、はしゃいだりしている。 慧(悪い子じゃないんだよね・・・ちょっとわがままだけど実際話してみると素直で明るくて、一緒にいると楽しくなっちゃうもん) PM22:30 轟農園 轟家居間 轟大地郎は酒を飲みほし、自家製のぬか漬けを頬張って晩酌をしていた。 ふと、写真立てを手に取ると、懐かしむように写真を見る。そこにはテレ隠しをするかのように仏頂面の自分と傍らに笑顔でほほ笑んでいる妻の姿があった。 大地郎「かあちゃんよぅ・・・ここは俺が守るからな」 そういって、写真に写っている自分の手を見る。そこには銀色に光り輝く結婚指輪がはめられていた。そして自分の手を見る。そこには指輪がない。 ≫10年前 2000年7月18日≪ 農場で農作業を終え、妻が戻ってくると轟は農場の近くのベンチでうなだれて座っていた。落胆仕切っているようにその顔は疲れている。大柄な体を小さく丸めている。 さえ「お前さん、まだ落ち込んでいらっしゃいますのかい?」 大地郎「・・・本当にすまねぇ!!まさか指輪なくしちまうなんて・・・おりゃあどうしようもねぇ大バカ野郎だ・・・・」 さえ「あれだけ恥ずかしがっていたのに、いざつけてみれば、農作業中も手放したくないってねえ。全く聞けば聞くほど・・・・こっちまで恥ずかしくなっちまうではないですか」 大地郎「・・・・・・・・・ごめん」 さえ「それにねえ、ここはあたしとお前さんが作って育ててきた農場でねえの。子供みたいなもんだ。指輪がなくても、決して消えちまったわけじゃない。ちゃあんとあるわよ。お前さんの指輪・・・だから・・・いつまでもしょげてるんでねぇの」 大地郎「・・・おりゃあ、絶対ここを守る」 その時、遠くから声が聞こえてきた。 トードスツールイマジンたん(もうすぐだわさ・・・・もうすぐで願いは叶うわさ。過去に飛ぶための準備しておくがいいわさ) 大地郎「・・・・・!?」 大地郎はどこからか聞こえてくる声に驚き、辺りを見回す。しかし、そこにはどこにもう姿はなかった。 PM23:45 Vライナー・ラウンジ トパーズと琥珀、ルーベットにノンアルコールカクテルを作って差し出し、自分も飲みながら今日の出来事を慧は話し出した。 そして、慧の結論に3人が驚いて吹き出した。 ルーベット「このまま置いておくことにしたですってーーーーーーーーーっ!?」 琥珀「マジかよっ!?」 慧「ま、マジッス」 トパーズ「・・・・・そうか」 ルーベット「そうかじゃなーーーーーーーーーーーーーいっ!!貴方はそれでいいんですのっ!?」 トパーズ「慧に一任したからな。私は慧を信じる」 慧「あの子・・・悪い子じゃないよ。ちょっとわがままだけど、何て言うか一緒にいると楽しくなっちゃって・・・というか・・・あの子のハッピーっていうのが私いいなあって思ってさ」 琥珀「ハッピーねえ」 慧「私・・・ほらかなり運が悪いっていうか・・・いつものことだって思っていればそう辛く感じることは滅多にないんだけどさ、何て言うのか、ああやっていつも笑って楽しくやっていけるってすごくいいなあって思うんだ。だから・・・わがままなのはあの子の素直な感情表現みたいなものじゃないかな。だから・・・邪険に出来ないよ。それでいいよね?あの子ここに居させてあげようよ・・・」 ルーベット「・・・うう〜、慧殿の頼みとあらば聞かないわけにはいきませぬぅ・・・」 琥珀「お前、おばちゃん呼ばわりされたのまだ根に持ってるのかよ?しゃあねぇだろ、あの子からすりゃ皆年上なんだから」 ルーベット「おばちゃんじゃございません!!おばちゃんじゃないもん!!」 琥珀「はぁ〜、これでもう何時間説得させて落ち着かせたことか・・・頭いてえ」 トパーズ「私も特撮やアニメに関する質問がまるで分らなかった。勉強不足だな」 琥珀「こっちはこっちでルーベット落ち着かせるの手伝ってほしいのに、特撮の勉強始めちまうしさ・・・こっちが手伝ってっていっても、本読んで聞きやしねえ。というか無視するな!!」 慧「あはは・・・・何て言うか・・・・お疲れ様」 苦笑いするしかない慧であった。 慧「それでさ、契約した人なんだけど・・・」 トパーズ「ホテルの駐車場の防犯カメラを拡大してみて、顔写真から分かった。轟農場の農場主だ」 ルーベット「葉山・・少し遠出になりますわね」 慧「明日行ってみるよ。ちょうど休みだし」 一方。 その話を聞いていたピジョンイマジンたんは慧の優しさをかみしめるように座り込んでいた。 ピジョンイマジンたん(あたしのことそういう風に思ってくれたんだ・・・・ちょっと・・ううん・・・かなりハッピー?) 4月30日 AM10:30 葉山・轟農園 電車で早めに出てきた慧は農園にやってきた。髪のひと房だけが長く伸び、金色のメッシュが入り眼鏡をかけ、シャツにパンツ、ネクタイをかけたカジュアルな服装である。その瞳は金色に光り輝いていた。 T慧「ここか。かなり広いな」 慧(トパーズありがとう。私方向音痴だから電車間違えたらどうしようかなって思ってたけど) T慧「ふふっ、気にするな」 「どわあああああああああああああっ!!」 「うひょおおおおおおおおおおおおおっ!!」 突然悲鳴が上がった。 慧が駆け付けると、農場で二人のスーツ姿の男性たちが倒れている。近くでは農場主の轟が驚いたように腰を抜かしている。 T慧「おい、大丈夫か?ん?こいつは・・・」 慧(知ってるの?) T慧「古谷フードサービスの代表取締役・古谷社長だ」 慧(ええ?) T慧「調べてみた。最もやってることは詐欺まがいの悪徳商法にまみれた下種だがな」 慧(でも、ここの農園とレストラン契約させたのはこの人だよね?あ、そういえば、昨日この会社の人と農園の人何かいい争ってた。もしかして、それも・・・?) 今朝、Vライナーに着替えを取りにきた愛にトパーズが何気なく話をしてみたところ、愛は意外な反応を見せた。それが古谷のことであった。 T慧「おそらくな。愛が別の事件で古谷をマークしていた。今朝がた古谷の起こした別の詐欺事件の証拠が上ったらしい。叩けば余罪が出てくるだろう。そうだな?」 慧が轟に尋ねると、首をブンブン縦に振る。どうやら契約は農場を守ることだったらしい。 そしてそこへ現れたのが、やはりトードスツールイマジンたんであった。 T慧「招かれざる客のお出ましか」 トードスツールイマジンたん「あんたに言われたくないわさ!ここで決着つけてやるわさ!!」 トードスツールイマジンたんが棍棒を振り回す。 T慧はベルトを装着させる。 T慧「ルーベット、頼めるか?」 ルーベット(ええ!!) 黄色い光が離れて、代わりに赤い光が入ると、慧の髪がポニーテールに代わり赤いメッシュと赤い瞳に変わる。 そして、赤いボタンを押すと雅楽の和笛のメロディが流れ出す。 R慧「変身!!」 「Lance form」 慧の姿がランスフォームに変身し、Vガッシャー・ランスモードを作り出し構える。 Lバルキリー「その罪、閻魔に代わり斬る!!」 トードスツールイマジンたん「斬れるものなら斬ってみるわさ!!」 ランスの刃と棍棒が激しくぶつかり合い、轟音と火花を生み出す。 Lバルキリー「こっちはおばちゃん呼ばわりされるわバカにされるわ、ストレス溜まりまくっているんですのっ!!最初から全開でクライマックスですわーーーーーーーっ!!このキノコがっ、キノコがっ、キノコがああああああああああああっ!!!」 ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュッ!!!!! 容赦なさすぎる槍の乱打にトードスツールイマジンたんがこてんぱんに叩きのめされる。 はっきりいって八つあたりもいいところなのだが、もはや怒り心頭のランスフォームは暴走ぶっちぎりで槍を振り回している。 トードスツールイマジンたん「め・・・メチャクチャ・・・だわさ・・・・!!」 Lバルキリー「たあああああああああああああっ!!!」 ランスフォームが槍を突き出してトードスツールイマジンたんをぶっ飛ばすと、ライダーパスを取り出し、ターミナルバックルに通す。 「Full charge」 トードスツールイマジンたん「く、くそっ、もう契約を果たしたから、過去に逃げるわさ!!」 そういって、傘から紫色の粉末を一気に噴き出すと、触れたものがドロドロに腐って溶けていく。 それは農場の野菜をも枯らし、大地を汚染していく。 大地郎「ああっ、やめろっ、やめてくれええええ!!かあちゃんの農場だああああ!!」 トードスツールイマジンたん「うるさいわさ!!知ったこっちゃないわさ!!」 止めようと血相を変えてくる轟を叩きのめし、無理やり時の扉をこじ開けると、トードスツールイマジンたんが逃げて行った。 ランスフォームはイマジンの残して行ったあくどい最後っ屁に怒りを感じずにはいられなかった。 ランスフォーム「なんてことを・・・・!!」 そして、カードを通すと、日付は「2000/0718」と表示された。 大地郎「農場が・・・・かあちゃんの野菜が・・・・あああ・・・・・」 大地郎はうなだれて座り込み、そのまま泣き出してしまった。 慧はその姿を見て、イマジンたんに対する怒りが込みあがってきた。 2000年7月18日 轟農園 農園で結婚指輪を無くし落ち込んでいる大地郎。そんな夫をなぐさめている妻さえ。 その時、大地郎の体から砂が噴き出すと、トードスツールイマジンたんが実体化する。 大地郎「ひ、ひええええええええええええええ!!」 さえ「きゃあああああああああああああああ!!」 トードスツールイマジンたん「あはははははははは!!!」 トードスツールイマジンたんが飛び出し、邪悪な笑みを浮かべて棍棒を振り回し農場を滅茶苦茶に荒らしまわっている。 奇麗に丹精こめて作られた野菜は荒らされ、休憩所として作られたログハウスは壊され、看板やスプリンクラーも壊された。 そこへランスフォームが駆け付け、あまりの被害に絶句する。 Lバルキリー「なんてことを・・・!!」 怒りでランスを握る手も震えている。 こんなに怒りをあらわにするルーベットも初めてみる。 Lバルキリー「貴様・・・・・許さん!!」 トードスツールイマジンたん「ふん、コテンパンにしてやるわさ!!」 トードスツールイマジンたんが傘から紫色の霧を放出する。 その霧はあらゆるものを腐らせ溶かしてしまう猛毒の霧だ。 ランスフォームが攻め込もうとするが、トードスツールイマジンたんはリーチの長さゆえに、攻め込む際に懐まで行き届かないことを利用して離れながら猛毒の霧を放つ。 Lバルキリー「このままじゃ、農園が滅茶苦茶ですわ!!」 その時だった。 「・・・ねえ、ルーベット。あたしにやらせて」 小鳥のような可愛らしい声。しかしそれは真剣な決意を秘めたものだった。 その声は。 ピジョンイマジンたん「あたしのスピードで一気に倒す!!」 Lバルキリー「私はまだ貴方のことを信用しておりませぬ!!」 ピジョンイマジンたん「あいつ、おじいちゃんたち泣かした・・・!!」 怒りがにじみ出るような声。 どうしてもイマジンたんの悪事が許せないといった感じだ。 ピジョンイマジンたん「あの野菜、すっごく美味しかったんだ。おじいちゃんたちが心をこめて作ったから美味しかったんだ。その野菜を滅茶苦茶にして、おじいちゃんたちをいじめるようなヤツ、あたしがやっつけてやる!!」 慧「君・・・・・」 Lバルキリー「・・・うう・・・・・・・ううう・・・」 トパーズ「私は賭けてみようと思うのだが、どうだ?」 Lバルキリー「トパーズ殿・・・!」 琥珀「今はこいつの言ってる作戦やってみる価値があるよ!!つーか、このままじゃ地面にまで毒がしみ込んで取り返しのつかないことになるぜっ!?」 慧「・・・・ルーベット、お願い。私からのお願い、聞いてくれる?」 ルーベット「・・・・え?」 慧「この子・・・悪い子じゃないよ。私はそう信じたい。色々あってルーベットも心の整理がつかないかもしれないけど、この子のこと、少しだけでいいから、信じてあげて・・・お願い」 そういって、心の中で慧がルーベットに頭を下げた。 ルーベット「・・・慧殿。そ、そこまでされたら、断ることなど出来ませぬぅ。慧殿の・・ためなら・・・・・エンヤコラですわーーーーーーーーーーっ!!!!!」 慧「ありがとう・・・。ルーベット、いつも無理聞いてくれてありがとう。感謝するよ」 ルーベット「!!!!!!ああ・・・・慧・・・・どのぉ〜♪そ・・そんな・・・勿体ない」 ルーベットが鼻血を噴き出し、恍惚の表情でソファに沈んだ。 撃沈であった。 トパーズ「やれやれだ・・・」 琥珀「やれやれだな・・・」 そして碧色の光がはいりこむ。 ピジョンイマジンたん「・・・ありがとう」 慧「礼なんていいよ。一緒に戦おう?」 ピジョンイマジンたん「・・・・・うん!!慧だーいすきっ!!」 「Sword form」 ランスフォームの赤い甲冑が消えて代わりに緑色の剣士の甲冑と仮面が装着される。 そして、仮面ライダーバルキリーたん・ソードフォームが現れた。 Sバルキリー「お前、もう許さないよっ!!あたしのビートでシビれさせてあげるっ!!」 トードスツールイマジンたん「ふん、さっきのクソガキかっ!!お家に帰って特異点にでも泣きついていればいいものを!!」 Sバルキリー「うっさいんだよ、お前!!だあああああああああっ!!!」 ソードフォームが紫色の霧をも気にせず、緑色の弾丸と化して剣でトードスツールイマジンたんんのボディを次々と切りつける!! 目にも止まらない速さで確実に急所を切りつけていく姿は勇猛果敢な戦士だ。 トードスツールイマジンたん「おのれぇ!!!」 トードスツールイマジンたんが紫色の霧を弾丸のように発射してきた。 慧(お、おっきいのがきたあああ!!) Sバルキリー「へっ、そんなもん怖かないね!!あたしのビックリドッキリメカで対抗だい!!」 慧(メカ・・・?) Sバルキリー「こいつでね!!」 そういって、懐から取り出した手りゅう弾のようなもの。 ピンを抜くと、ソードフォームが傘めがけて発射し、瞬間、爆発とともに緑色の霧がぶちまけられる。 すると、トードスツールイマジンたんの顔色が青ざめる。 トードスツールイマジンたん「う、嘘!?あたしの霧が、毒が浄化されたって!?」 毒の霧はもう触れても何も溶けない無害なものとなっていた。 碧色の霧によるものの効果らしい。 慧(どういうこと?) Sバルキリー「あいつの毒素を調べて、毒素と異なる性質の毒薬・・・中和剤ってやつ?それを作ってみたの!!あたし、こういうの大得意なんだ!」 慧(あ・・・頭いいんだね) Sバルキリー「えへへ、もっと褒めて褒めて♪」 トパーズ「調べたのは私だが、このアイテムを作るに当たっての手先の器用さ、技術力はかなりのものだ。私ではマネできない」 Sバルキリー「さてと、行くぜ行くぜ行くぜ行くぜーーーーーーっ!!!」 掛け声とともにソードモードでもはや縦横無尽に切り刻みまくる。 トードスツールイマジンたんの腹部を蹴り飛ばすと、パスを取り出し、ターミナルバックルに通す。 「Full Charge」 そしてソードモードを横に向けて構えると、「よーい・・・ドン!!」という掛け声とともにもはや空気が震える音がするんじゃないかと思うほどの素早い速さで走りだし、すれ違いざまに斬る!! そして振り返りざまにまた斬る!! さらに飛び上がって上空から一気に頭上から足元まで切り結ぶ!!!! Sバルキリー「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」 トードスツールイマジンたんは真っ二つに切り裂かれた。 トードスツールイマジンたん「ぎゃああああああああああああっ!!!!」 そして砂に崩れ去って消えた・・・。 E慧「はあ・・・・はあ・・・・」 変身が解け、緑色のメッシュが入った慧の姿に戻る。そのまま地面に寝ころんでしまった。 ふと、視界になにかキラキラ光っているものがあった。 それを手に取ると、それは指輪であった。ダイヤモンドがはめ込まれた小さな指輪。 E慧「おりょ、指輪だ」 ルーベット「指輪・・・?確か指輪といえば・・・」 トパーズ「契約した大地主のものだろう」 琥珀「・・・・だろうな」 E慧「・・・返してあげようっと」 そういって、指輪をとると、気絶している轟の左手の薬指にはめ込む。 E慧「おじいちゃんがおばあちゃんを愛しているのは分かる。農園が野菜がおじいちゃんがおばあちゃんと一緒に作ってきた子供みたいなものだってことも分かる。それを守ることが残されたおじいちゃんにとって大事な約束だったんだってことも分かる。分かるけど」 慧の眼がとても優しく、少し悲しげな眼をする。 E慧「・・・思い出だけじゃ不安だよね?目に見えないとあるのかないのか分らなくなるよね」 その言葉に慧ははっとする。 慧(そうか、この子も過去がないんだ・・・) 生意気なのも、いつもはしゃいでいるけども、本当はどこか自分の存在が不安定で消えてしまいそうで・・・・。 慧「・・・・うん、そうだよね・・・」 もし自分だったら苦しくて苦しくて耐えられないだろう・・・。 悲しくて苦しくて泣いてしまうだろう。 そう思わずにはいられなかった。 5月1日 AM7:00 朝のニュース。 ラウンジでテレビを見ていた5人は「古谷フードサービス悪徳商法・代表取締役逮捕」のニュースを見ていた。 すると電車の風景が突然暗くなる。 ルーベット「トンネルですな」 トパーズ「うむ」 そこへ愛がやってきた。 仕事上がりらしく疲れ切った様子で、手をフルフルと振った。 愛「ハロハロ〜」 ルーベット「お疲れ様です」 慧「お母さんおかえりなさい」 愛「もう疲れた〜。お風呂〜お食事〜お布団〜慧ちゃんLOVE〜♪」 慧「はいはい。あ、そ、それでね、お母さん・・・」 愛「・・・・ふうん、その子が新しく入ってきた子ね。名前は?」 慧「・・・緑色の目がきれいだからエメラルド。エメラルドだよ」 エメラルド「・・・・あ、その、勝手についちゃってゴメン・・・」 愛「構わないわよぅ?慧ちゃんと仲良くしてね?・・・それと、貴方ね?過去の世界で何かやって時の運行を変えちゃったのは」 それはなくなったはずの結婚指輪を見つけて渡したこと。 しかしそれだけでも時の運行を変えてしまう原因にもなりうるのであった。 愛「それでこのトンネルが発生してしまった・・・。まあ、そのくらいなら過去に影響を与えるというわけではないわ。でもね、時の運行はそれだけ繊細・・・触れるならそれ相応の覚悟と決意が必要なんです。どんなに変えたい過去でも、過去は変えては・・・いけない。そこにある現在までつなげる路線がなくなるということがどういうことか・・・・」 エメラルド「・・・・・・はい」 慧「・・・ごめんなさい」 二人がうなだれて頭を下げる。 すると、愛が笑みを浮かべる。 愛「ん、よし!!それじゃ、エメラルドちゃんの乗車を祝しまして、乾杯と行きましょうっ!!」 そういって、テーブルに並べられた朝食を前に愛が笑っていた。 慧とエメラルドはお互いに目を合わせると、うなづきあい、テーブルに向った。 こうして4体目の仲間・エメラルドが入った。 続く |
鴎
2009年04月14日(火) 23時19分12秒 公開 ■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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rhxksZ Enjoyed every bit of your article post.Thanks Again. Much obliged. | 50点 | Cheap Seo Services | ■2012-08-08 00:46:19 | 91.201.64.7 |
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YAHOOOOOO!! いろんな意味で復活だーい! でも、これを切っ掛けにやめちゃう人とか居たら嫌だなぁ・・・ ってそんな事は今は関係ない! >ルーベット「(ブチブチッ!!)・・・お・・・・おば・・・・・・ほ・・・ほほほ・・・・上等ですわ。今宵は鳩の丸焼きでも夕飯のおかずにして差し上げますわ・・・・キシャアアアアアアアアアアアアッ!!!!」 待て!落ち着け!イマジンは死んだら砂になるから、丸焼きは無理だ!! しかし、普段は古風というか侍っぽい喋り方なのに、キレると極端にお嬢様っぽくなるなぁ。 こっちが地だったりするんだろうか。 >エメラルド 何という、才能有るクソガキ・・・。 リュウタほどクソガキ指数は高く無いっぽいですが、はてさて? しかし、特撮が好きなのか。 短すぎますが、この辺で。 チャオ! |
50点 | @PF | ■2009-04-20 18:18:35 | i125-202-119-59.s11.a021.ap.plala.or.jp |
合計 | 150点 |