仮面ライダー刻王 第2話 |
「―――ようやく来やがったか、『時の列車』が。」 すると、刻王GFは何かに気づいたかのように空を見上げる。そして、空に突然穴が開いたかと思うと、そこから線路が地上に向かって伸び、良太郎と夏樹が遭遇した灰色の列車―「コクライナー」が良太郎たちの前に停車した。 「さぁて・・・・・・それじゃ、中に入るとするか。」 そういうと、刻王GFはコクライナーの中へと入っていく。それを見て、良太郎もその手にファルコンイマジンを乗せたまま、コクライナーへと乗り込んだ。 「ん・・・・・・ここは・・・・・・?」 「あ、なっちゃん気が付いたんだね・・・・・・よかった・・・・・・」 「良太郎・・・・・・?・・・・・・///////わ、わわっっ!?!?!?」 「あ痛っっ!?・・・・・・なっちゃん、少し落ち着きなよ・・・・・・」 「う、うん・・・・・・でも、いったいどこなのよここ・・・・・・」 夏樹が眼を覚ますと、まず視界に入ってきたのは安堵した表情をみせる良太郎だった。夏樹は状況が理解できずにぼぉっとしていたが、やがて意識が覚醒すると、顔を真っ赤にしながら慌てて体を起こす。すると、覗き込むようにしていた良太郎と額をぶつけてしまい、双方とも額を押さえた。良太郎の言葉に頷きつつ夏樹が辺りを見回すと、そこはまるで食堂車のようで、夏樹はテーブルの横にあるソファーに眠らされていた。 「お?眼が覚めたみたいだな。」 「まったく・・・・・・とんだ眠り姫がいたものだ・・・・・・」 すると、後ろから声が聞こえてきたので夏樹が後ろを振り向く。そこには、若草色の髪を後ろで結って陣羽織のような服を纏い、頭に鳥を模した飾りをつけた鋭い目つきの女性と、鱗のような意匠が施された真紅のコートに身を包み、服と同じように真紅で、肩でそろえられたショートカット、髪の一部に龍を象った飾りをつけた女性がいた。そんな2人を見て、夏樹はぼそっと呟く。 「・・・・・・コスプレ?」 「・・・・・・何がコスプレだぁっっ!!そもそも、こんな姿になったのは貴様のイメージ力のせいだろうがっっ!!」 「あ、あのっっ!!落ち着いてくださいぃぃぃぃいっっ!!」 「放してください主っっ!!」 その夏樹の言葉に陣羽織の女性は激昂すると夏樹に掴みかかってくる。そんな女性を、良太郎が必死に抑えていた。夏樹はその様子についていけず、真紅の女性は大笑いをしていた。 「皆さん・・・・・・車内ではお静かに・・・・・・」 すると前方のドアが開き、スーツを着こなした中年の男性が中へと入ってくる。その男性の一言で、車内は一瞬にして静かになった。良太郎が汗を掻きながら隣に座るので、夏樹はそっと良太郎に耳打ちした。 「ねぇ、良太郎・・・・・・状況がつかめないんだけど。」 「あ、そうだったね・・・・・・あそこに座っているのは、この列車のオーナー。」 「列車?あたしたち、いつの間に列車なんかに・・・・・・」 良太郎の言葉に疑問を抱いた夏樹は窓から外を眺め、その光景に眼を疑った。そこには、まるで西部劇に出てくるような荒野が広がっており、空は虹色に包まれていた。夏樹は思わず言葉を漏らす。 「なに・・・・・これ・・・・・・」 その夏樹の声に答えたのは、オーナーと呼ばれた男性だった。 「・・・・・・この列車は時の列車、「コクライナー」・・・・・・あなた方は今、時の中にいるのです・・・・・・」 ♦♦♦ 「なんだよ・・・・・・お前ら、めちゃくちゃにぶっ壊すんじゃなかったのかよ?」 「うるさいわね・・・・・・予想外だったんだからしょうがないでしょ?」 目の前に居る存在にそう文句をいう男性に、その存在―――「アントイマジン」は肩をすくめて答える。そして、顔におぞましい笑みを浮かべて口を開いた。 「心配しなくても、アンタの願いはちゃんと叶えてあげるわよ・・・・・・」 「そうしてくれよ・・・・・・俺を認めない世界なんざ、ぶっ壊れちまえばいい・・・・・・」 ♦♦♦ 「・・・・・・という訳です。お分かりいただけましたか?」 「はい・・・・・・なんとか・・・・・・」 「・・・・・・つまり、この列車はいわゆるタイムパトロールということですね・・・・・・」 「いや、なっちゃん。そのたとえはなんか違うような・・・・・・」 オーナーの説明に、夏樹と良太郎は頷いてそれぞれ感想を述べる。その後の夏樹の発言に、良太郎は思わず突っ込みをいれた。 「まぁ、あなた方が分かりやすいほうがいいでしょう・・・・・・そして、未来から時の運行を乱そうとする存在が『イマジン』・・・・・・ちょうど、そちらにいる2人がそうですね。」 「・・・・・・あんな奴らと一緒にしないでほしいな・・・・・・私は、時の流れを乱すことをよしとしていない・・・・・・」 「その意見には賛成だな。あたしも別に時の流れを乱そうなんて思ってないし・・・・・・それに、チケットがあるからここに乗るのは文句言わせないぜ?・・・・・・あ、あたしはフレイってんだ、よろしく。」 そのオーナーの言葉に、陣羽織の女性―――「ファルコンイマジン」は不機嫌そうに答え、真紅の女性―――「ドラゴンイマジン」―――「フレイ」はその顔に不適な笑みを浮かべたまま、オーナーにチケットを見せて答える。 「・・・・・・無期限ですか・・・・・・まぁ、いいでしょう・・・・・・」 「・・・・・・あの、もう一つ聞きたいんですけど・・・・・・なっちゃんが姿を変えたアレは、いったい何なんですか?」 その時、良太郎がオーナーへと尋ねる。すると、オーナーは顔をしかめたまま答えた。 「・・・・・・あれは、『刻王』と呼ばれる、イマジンに対抗するための力です。イマジン相手に生身で戦うのは危険ですからね・・・・・・今回の場合は、夏樹君にイマジンが憑依したことであのような姿になったというわけです・・・・・・」 「ちょ、ちょっと待ってくださいっっ!!つまり、あたしたちがイマジンと戦うには、こいつらが憑依しないといけないって訳ですか!?」 そういって夏樹はイマジンたちを指差す。それを見たフレイは眉を潜める。 「・・・・・・おいおいおいおい。夏樹、お前イマジンと戦うつもりか?」 「はぁっっ!?いまさら何言ってんのよ!!あんたがあたしの体を使って戦ったのは、あいつらと戦うためじゃ・・・・・・」 「違うな。あたしの契約内容は「お前を守り抜くこと」だ。他のイマジンなんて知ったこっちゃねぇ。あの戦いも、そこにいる鳥女がお前の身体で好き勝手しようとしたから仕方なく出てきたんだよ。」 そのフレイの言葉に、ファルコンイマジンは勢いよく立ち上がると激昂する。 「ふざけるなっっ!!イマジンたちを止めなければ、この時間は消滅してしまうんだぞっっ!?それに、あそこで私がこの小娘の身体を使わなければ、あそこで「主」と少女の命は失われていたっっ!!」 「あぁ、それは否定しねぇよ・・・・・・けどなぁ、夏樹は今のところ巻き込まれただけだ・・・・・・そっからどうするかってのは、本人の選択だろ?」 「なんだとっ!?」 「・・・・・・2人とも、車内ではお静かに・・・・・・」 ファルコンイマジンはフレイに掴みかかろうとするが、オーナーの妙に威圧感のある言葉によってフレイを睨みながらも席につく。その時、良太郎はおずおずと手を上げて、ファルコンイマジンに問いかけた。 「あ、あの・・・・・・僕が「主」ってどういうことですか?」 「うむ?・・・・・・なに、あの状況で見知らぬ少女を助けようとしたその心意気に感動してな・・・・・・そなたの力になりたいと思ったのだ。」 「・・・・・・だったらちょうど良いじゃねぇか・・・・・・良太郎は「特異点」なんだ。その方が戦いやすくて済むぜ?」 「・・・・・・特異・・・・・点?」 フレイの言葉に、夏樹が首をかしげながらオーナーを見る。オーナーは乗務員が持ってきたチャーハンを食べていたが、夏樹の視線に気が付くとスプーンをおき、ナプキンで口を拭いて口を開いた。 「・・・・・「特異点」とは、時の運行に影響を受けない特殊な存在のことです・・・・・・本来は、「特異点」しか「刻王」になることはできませんから、夏樹君が変身できたのは不思議なのですが、まぁいいでしょう・・・・・・良太郎君、時の運行を護るお手伝いをしてくれませんか?」 ♦♦♦ 「・・・・・・さて、彼女たちはどのような選択をするのだろうな・・・・・・」 そう呟きながら、紺色のコートを羽織った女性は誰もいない路地を歩いていた。すると、女性の目の前に外套をつけ、帽子を目深に被った男性が現れた。女性はフードを外してその黒髪をあらわにすると、目の前にいる男性に声をかける。 「君か・・・・・・心配しなくても、彼女らにアレは渡した。後は、彼女たちに任せるしかないさ・・・・・・」 女性が肩をすくめながら話すと、男性はポケットから黒いケースを手渡す。女性は眉をひそめながらそのケースを受け取ると、中から黄色のラインが入った黒いカードを取り出す。それを見て、女性は男性を睨みつける。 「・・・・・・どういうつもりだ?私にこれを使って戦えというのかっっっっ!!」 そう叫ぶ女性に対して笑みを浮かべながら、男性は女性の横を通り過ぎる。すると、男性の手には、女性が持っているケースと同じものが握られていた。 「なっっ!?ま、待てっっ!!」 女性は慌てて男性を追おうとするが、男性は突然姿を消す。女性は壁に拳をたたきつけると、苦々しく呟いた。 「・・・・・・いったい何を考えているんだ君は・・・・・・」 ♦♦♦ 「・・・・・・主・・・・・・本当によかったのか?」 デンライナーから降りた良太郎に対し、その肩に乗るほどに小さくなったファルコンイマジンは声をかける。その問いかけに、良太郎はゆっくりと笑みを浮かべた。 「うん・・・・・・なっちゃんは怒ってたけどね・・・・・・」 そういうと、良太郎は先ほどの出来事を思い返した。 ♦♦♦ 「・・・・・・ふざけないでくださいっっ!!良太郎に戦えっていうんですかっっ!!」 オーナーの言葉に、夏樹は大声を上げてオーナーに詰め寄る。しかし、オーナーは夏樹の顔をしっかりと見据えると、言葉を続けた。 「・・・・・・なにも、良太郎君1人に押し付けるわけではありません・・・・・・私たちもできる限りのサポートをするつもりです・・・・・・」 「そういうことをいってるんじゃ・・・・・・」 「・・・・・・分かりました。僕にできることなら、手伝います。」 その時、良太郎の声が静かにコクライナー内に響く。その声を聞いた夏樹は、驚きの表情を浮かべながら良太郎に駆け寄る。 「なにいってるの良太郎!?戦うなんて無茶よっっ!!」 「・・・・・・弱かったり、運が悪かったり、何も知らないとしても、それは何もやらないことの言い訳にはならない・・・・・・桜井さんの言葉だけどね・・・・・・僕は、このまま見過ごすなんてできないよ。」 その良太郎の言葉に、夏樹は驚いた顔をみせると、うつむいて静かに呟いた。 「・・・・・・そう・・・・・・なら、勝手にしてよ・・・・・・」 そして、夏樹は食堂車から出て行く。良太郎は、その後姿を眺めているしかできなかった・・・・・・ ♦♦♦ 「・・・・・・なっちゃんには悪いけど、僕にできることがあるのならそれをやり遂げたい・・・・・・僕はそう思うんだ。」 「・・・・・・やはり、主は主だな。その心意気に、私は心を打たれたのだ・・・・・・今ここに誓おう。私は、あなたを護る刃となろう・・・・・・あの小娘のためにもな。」 「うん、よろしくね・・・・・・」 会話を続けるファルコンイマジンと良太郎の耳に、どこからか悲鳴が聞こえてくる。2人は顔を見合わせると、悲鳴の方向へと駆け出した。すると、そこではこげ茶色に輝く鎧を身につけた少女―「アントイマジン」が、大暴れをしていた。 「・・・行くよ。」 「わかった、主。」 そうファルコンイマジンにいうと、良太郎はベルトを取り出し、腰に巻きつける。そして、ライダーパスを取り出した。 「変身。」 そして、良太郎がバックルにライダーパスをかざすと、良太郎の身体はアーマーに包まれて、「仮面ライダー刻王・プラットフォーム」へと姿を変える。 「それでは・・・・・・行くぞ!!」 ファルコンイマジンも意気揚々と刻王PFの中に入ろうとするが、ファルコンイマジンはそのまま刻王PFの身体を通り抜けてしまった。 「・・・・・・なん・・・・・・だと?」 「ど、どうなってるの!?」 慌てふためく刻王PFとファルコンイマジンだが、アントイマジンは刻王PFの姿を見つけると、剣を取り出して刻王PFへと踊りかかった。 ♦♦♦ 「・・・・・・良太郎の・・・・・・バカ・・・・・・」 夏樹は涙を浮かべながら、公園の横にあるベンチに座っていた。すると、夏樹の前に人影が見える。夏樹が顔を上げると、そこにはフレイが立っていた。 「よっ!!」 「・・・・・・何しにきたのよ・・・・・・というか、アンタ普通に動き回れる訳?」 「いったろ?あたしはお前以外と契約している・・・・・・だから、自由に行動できるって訳だ・・・・・・コクライナーに乗るのも、チケットがあるから簡単だしな・・・・・・」 そう答えると、フレイは夏樹の横に座る。夏樹は涙を拭うと、フレイに向き直った。 「・・・・・・だから、何しにきたのよ・・・・・」 「ん?悩める少女に救いの手をってな・・・・・・良太郎の決意が納得いかないのか?」 「・・・・・・そうよ・・・・・・良太郎はとっても不運で、弱くて、いつも泣き虫で・・・・・・あたしがついていないとダメだったのに・・・・・・だから、心配なのよ・・・・・・」 「ふぅん・・・・・・じゃ、隣にいればいいんじゃねぇ?」 「・・・・・・何言っているのよ・・・・・・そもそも、あたしが戦うなんて・・・・・・」 そこまで言いかけて、夏樹は顎に手を当てて考え込んだ。そして何かに気づくと、改めてフレイの顔を見る。フレイは笑みを浮かべると、空を見上げて呟いた。 「こっからは独り言だけど・・・・・・ちゃんと契約していないイマジンは、契約者以外に憑依なんてできないんだよ・・・・・・たしか、町のほうではイマジンも暴れているみたいだし・・・・・・」 その言葉を聞き終える前に、夏樹は勢いよく走り出していった。それを見送ると、フレイは視線を後ろに向ける。 「・・・・・・んで、いつまで隠れているつもりだよ?」 「・・・・・・たしか、お前との契約は「彼女を守り抜くこと」だったはずだ・・・・・・どうして戦いにわざわざ向かわせるような真似を?」 すると、木の後ろから紺色のコートを羽織った女性が現れ、そのフードを外す。つりあがった赤い瞳に淡い銀色の髪、そして雪のように白い肌をあらわにした女性はフレイを睨みつけるが、フレイはどこ吹く風で答える。 「・・・・・・・いずれ戦いに巻き込まれるのなら、本人から関わらせたほうがいいって思うのはダメか?」 「・・・・・・納得はしていないが、理解はした・・・・・・フレイ、彼女のことは任せたぞ。」 「りょ〜かい。そっちも気をつけろよ・・・・・・ユキノ。」 「あぁ・・・・・・」 そういうと、ユキノと呼ばれた女性はフードをかぶりなおし、どこかへと消え去った。 「・・・・・・さぁて、コクライナーに戻るとしますかね・・・・・・」 そう呟くと、フレイはベンチから立ち上がって公衆電話の扉を開き、その中へと入っていった。 ♦♦♦ 「う、うぅ・・・・・・」 「あ、主ぃぃぃぃぃっっっっ!!!」 「・・・・・・なによ・・・・・・アタシの相棒を倒したからどんな奴かなって思ったけど・・・・・・全然たいしたことないじゃない・・・・・・さっさと消えてよねっっ!!」 「うわぁっっっっ!!」 アントイマジンの放った一撃によって、刻王PFは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。その衝撃で変身が解け、良太郎は激しく咳き込む。そんな良太郎に、ファルコンイマジンは泣きそうな顔で駆け寄る。 「・・・・・・さぁて、一通り暴れたし・・・・・・これで契約完了っと。」 「ま、待てっ!!」 すると、アントイマジンは近くにで笑みを浮かべていた男性に近寄り、その中へと消えていく。ファルコンイマジンは追いかけようとするが、いかんせん大きさが違うため追いつくことは不可能だった。 「くそっ、このままでは過去が・・・・・・」 「何やっているのよ、だらしない。」 すると、どこからか聞いたことのある声が聞こえる。良太郎が薄目を開けると、そこには夏樹が息を切らせながらも良太郎に近づいていた。 「・・・・・・なっちゃん・・・・・・どうして・・・・・・」 「良太郎・・・・・・さっき、『弱かったり、運が悪かったり、何も知らないとしても、それは何もやらないことの言い訳にはならない』って言っていたわよね・・・・・・その通りよ。なら・・・・・・あたしが戦うって言っても、別に文句はないわよね?」 ♦♦♦ 〜2006年5月14日〜 「・・・・・・ちくしょう・・・・・・なんで俺が解雇されなきゃならないんだよ・・・・・・」 そんなことを呟きながら、その人物―未来でホッパーイマジンやアントイマジンと契約した人物―は公園のベンチに座っていた。もっともこの人物、無断欠勤や仕事中に居眠りなどを平気でしたり、挙句の果てには会社の金を横領しようとしたので問答無用で解雇されたのだが、それはここで詳しく語るべきではないだろう。 すると、男性の体から砂が零れ落ち、その砂がアントイマジンへと変化する。 「なっ、何だよお前っ!?」 「うるさいわね・・・・・・エイ♪」 「ひでぶっ!?」 「・・・・・・まったく、性格は最悪ねコイツ・・・・・・でも、おかげで過去に来れたし・・・・・・さっさとぶっ壊しましょうか・・・・・・」 そう呟くと、アントイマジンは右手に持っていた剣から衝撃波を放ち、町を破壊していく。人々が慌てふためく中、外套をつけて帽子を被った男性が、冷静にアントイマジンの行動を見つめていた。アントイマジンは男性に気づくと、ゆっくりと男性に近寄ってくる。 その時、男性とアントイマジンの間にコクライナーが現れる。コクライナーが過ぎ去ると、そこには肩にファルコンイマジンを夏樹が立っていた。その隙に、男性は差って言ったようだ。 「・・・・・・アンタもアタシの邪魔をするんだ。」 「えぇ・・・・・・あなた達の好きになんてさせない・・・・・・それじゃ、行くわよ。ウィン?」 「ウィン・・・・・・?」 「あんたの名前よ。気に入らない?」 「・・・・・・いや・・・・・・ありがたく受け取ろう。」 アントイマジンの問いかけにそう答えると、夏樹は肩に乗っているファルコンイマジンに話しかけながら、ベルトを腰に巻きつけて緑色のスイッチを押す。 「―――変身!!」 <<―――HALBERD FORM―――>> 夏樹が掛け声と共にベルトの中央部にライダーパスをかざすと、フルートのような音色が鳴り響き、夏樹が「仮面ライダー刻王・プラットフォーム」へと姿を変える。そして、肩に乗っていたファルコンイマジン―――ウィンが刻王PFの体に吸い込まれると、淡い緑色のアーマーが刻王PFに装着されていき、鳥が翼を広げたような形の電仮面が頭部に装着される。 「・・・・・・いざ、出陣!!」 そして、「仮面ライダー刻王・ハルバードフォーム」は右手を横に振るうと、そう叫んだ。 「へぇ・・・・・・さっきよりは・・・・・・楽しませてくれるんでしょうね!!」 アントイマジンは剣を構えながら刻王HFに襲い掛かろうとする。しかし、刻王HFはコクガッシャーを組み替えて薙刀のようにすると、一瞬にしてアントイマジンの背後に回りこんだ。 「・・・・・・え・・・・・・?」 「・・・・・・そう焦るな・・・・・・貴様には主が世話になったからな・・・・・・全力でお返しさせてもらう!!」 そう呟きながら、刻王HFはアントイマジンを吹き飛ばし・・・・・・その体に疾風のごとき斬撃を叩き込んだ。 「がはっ・・・・・・」 「まだまだ・・・・・・これからだぞ!!」 斬撃によって空中に浮かんだままのアントイマジンに、刻王HFは容赦なく斬撃を叩き込んでいく。まるで、どこの格ゲーのコンボかというぐらいに。 「一つ、二つ、三つ、四つ・・・・・・そらそらそらそらそらぁぁぁぁっっっっ!!」 「ぎあっ!?・・・・・・いくらなんでもやりすぎ・・・・・・ぐぅぅっ!?」 「問答無用!!」 <<―――FULL CHAGE―――>> 刻王はそのままベルトにライダーパスをかざすと、ベルトから放たれたオーラがコクガッシャーの刃に収束され、刃がコクガッシャーから分離する。 「烈風・・・・・・一閃!!」 そして、コクガッシャーが振りぬかれると共に、分離した刃が隼のオーラに包まれ、アントイマジンの体を切り裂く――――そして、アントイマジンは地面に落ちると、爆発して消滅した。 「・・・・・・これにて、一件落着・・・・・・」 爆発を背後に、刻王HFはそう呟くと、どこからともなく現れたコクライナーに乗って去っていった。 ♦♦♦ コクライナーの中では、オーナーとフレイがチェスをして考え込んでいる。そんな風景をよそに、夏樹と良太郎、そしてウィンは同じテーブルに座っていた。 「・・・・・・という訳で、私も戦う事にしたから・・・良太郎、改めてよろしくね。」 「うん・・・・・・これからもよろしく。」 そういうと、夏樹は良太郎に笑みを向ける。良太郎も、夏樹に笑みを向ける。すると、ウィンが良太郎の顔を見ながら口を開いた。 「・・・・・・主、お疲れになったのではないですか?今はゆっくりとお休みください。」 「・・・・・・・・・・・・え、えええええええええええええっっっっっ?」 「・・・・・・な、なななななななな何やってんのよっ!?」 「何を言う、主がお疲れのようだから休ませているだけだ・・・・・・あまりうるさくするな小娘。」 「だからって膝枕はないでしょうが!?それに、私のほうが契約者でしょ!?」 「確かに貴様は契約者だが・・・・・・私は主に仕えると決めたのだ。貴様も主の家臣として精一杯働け。」 「こ、こいつぅぅぅっっっっ・・・・・・って良太郎は気絶しているし!?」 良太郎はウィンに肩を掴まれたかと思うと、ウィンの膝に頭が乗せられていた。良太郎は顔を真っ赤にしており、夏樹は大声を上げるが、ウィンは意に介さない。そうしている内に、良太郎は意識を飛ばしていた。 「みぃなぁさぁん・・・・・・車内では、お静かに・・・・・・」 「ご、ごめんなさ〜いっっ!!」「も、申し訳なかったっっ!!」 オーナーの一括により、夏樹とウィンは口論を止める。そんな形で、にぎやかな乗客を乗せたまま・・・・・・コクライナーは時の中を進んでいくのだった。 ―――こうして、時を護る為の戦いに巻き込まれた少年と少女は、自らの意思で戦う事を選んだ――― ―――彼女たちがどのような未来を築くのか、それはまだ・・・・・・誰にも分からない――― ―――To Be Continued・・・・・・?――― |
DarkMoonNight
2009年05月23日(土) 19時58分46秒 公開 ■この作品の著作権はDarkMoonNightさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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noiPi5 I am so grateful for your blog post.Thanks Again. Really Great. | -20点 | Bookmarking Service | ■2012-08-07 15:49:01 | 91.201.64.7 |
PpT6MO Very good post.Really looking forward to read more. Fantastic. | 50点 | Cheap Seo Services | ■2012-07-13 23:40:05 | 192.162.19.21 |
書き込みOSEEEEEEEEE!!! ええ、自分の執筆とか、レポートとかレポートとかバイトとかで書けませんでした。 アイムソーリー! とにかく感想だZE! >夏樹 ん〜?やっぱり曰くありげな主人公。 刻王への変身と彼女の過去は何か関連が有るのでしょうね。 つーか最後の方、自分がしたかったとか、とか!?(目を輝かせながら) 素直になっても、良いのよ?(ウゼェ >良太郎 およ?合体できないじゃん! やややヤバイよたっくん!(誰?) せめて契約完了しておかないと!! 変身出来ても戦えないっちゅー事ですか…。 その内、身を犠牲にして夏樹の盾になろうとしそうで恐いなぁ、なまじ変身は出来る分。 妙に打たれ強いですし。 彼もライナーフォーム的なモノに覚醒すれば良いのですが。 >謎マン&謎レディ ん〜む、この人達が仕掛け人っぽいですが、お互いの意志が完全に同調している訳では無いご様子。 つーか謎マンが謎レディに渡したのってゼロノスカード的な何かですかね? どうも謎マンも使うっぽいですが。 はたしてどうなるのか… >フレイ 契約者は謎レディことユキノさんですか。 隠し事が多そうだなぁ >ウィン 良太郎をリスペクトしまくりでござんすな。 と言うか夏樹を良太郎の家臣扱いとか、やり過ぎだぜ、ベイベー? 戦闘スタイル的にはバリバリのコンボキャラかぁ、モモに少し似てる? 技術があるっぽい点が違うけどw それにしても膝枕かぁ… いつの間にかリスペクトがラブに転んで夏樹と三角関係…グヘヘ こんな事を考える自分は、ウィンと夏樹とDarkMoonNightさんにジェットストリームアタックを食らって砕け散るべきかも知れない。 >オーナー やっぱし最強キャラかっ!? うい、感想(?)はこんな物で。 途中からフォントサイズが一段階大きくなっている様な気がしますが、とにかく乙ですた! |
50点 | @PF | ■2009-06-08 01:39:20 | i60-46-201-92.s11.a021.ap.plala.or.jp |
ダディャーナザァーン!! ナズェディケーィに出てくれないんディス!? ……いやマジで声だけでもいいから出てほしいンですよ、天野さん。 >膝まくらー・良太郎 説明しよう、膝まくらーとはひざ枕をしてくれる人間のことを言うのだ! ……朝からなに言ってんだオレ。 それはともかく野郎のひざ枕になんて微塵も興味ないわぴたんですが、微笑ましい光景ではありますやね。 >コスプレ それ言ったら仮面ライダーに限らず変身ヒーローはみんなコスpウワオマエラナニスルヤメr……! アッ――――――――――っっ!? >なっちゃんの今後 まぁ、こういう反応がフツーですよねぇ。 そう考えると、良太郎はマジ肝っ玉少年。 >良太郎@刻王 ボコボコにされてる―――――っっ!!?w >ハルバードフォーム ウィンちゃん、初変身&初撃墜おめ。 >膝まくらー・ウィンちゃん がっでむガッデムがっでぇぇぇぇむっっ!! 良太郎、今すぐオレと変われ、変わるんだっ!(ぇー >一時停車 ま、そこはDarkMoonNightさんの自由というかなんというか。 残念だしイロイロ伏線投げっぱですが、仕方ないですやネー。 今後は短編扱いでちょくちょく現れるとのことなんで、またお会いしませぅ。 夏樹ちゃん、フレイさま、良太郎……あばよっ! ……って、ぁ゙。 ウィンちゃん、素で忘れてた。 投稿する前に見直してよかった……。 |
50点 | YP(えっらーい人……ではない) | ■2009-06-01 08:22:01 | proxy20058.docomo.ne.jp |
どうも、『烈』です。 この【仮面ライダー刻王】の第2話の話ですが、この話において、『刻王』に“変身”することになった夏樹さんに対し、恋の事や今後『刻王』として戦っていく以上、【仮面ライダー電王】本編の良太郎氏同様に現在憑依中の『ファルコンイマジン』こと『ウィン』と『ドラゴンイマジン』こと『フレイ』の二人の他にも後二人か三人辺りの“イマジン”たちが憑依してくるような気がしてきます……(汗 それについで、この話における良太郎の役目は何かと夏樹嬢と他のメンバーのアシストなどがメインになってくるような気がします。今回彼も『刻王』に“変身”していますがあまりいい活躍ができませんでしたね〜。(この話中に彼と憑依してしまい、お人よしにも彼らと共に時の運行を護って行く“イマジン”が現れると思ってしまうのは間違っていないような気がしてきます。) この話の“キーパーソン”ともいえるだろう『紺色のコートを羽織った女性』や『外套をつけ、帽子を目深に被った男性』の存在などが気になるところです。それにしても、『紺色のコートを羽織った女性』こと『ユキノ』嬢とフレイは何らかの理由で顔見知りのようですが、ひょっとして彼女がフレイと“契約”した人物なのですか?それとも『外套をつけ、帽子を目深に被った男性』の方なのですか?それについで、実際の《特異点》は良太郎の方らしいようですけど、何故に夏樹嬢は『刻王』に“変身”出来るのですか?そのあたりがものすごく気になってきます!! バトルの方においても、前回の話の際に登場したフレイが夏樹に憑依して“変身”した『刻王・ガンフォーム』の力や戦い方もすごかったですが、今回登場のウィンが憑依し“変身”をした『刻王・ハルバートフォーム』のスピード先方を利用した連続攻撃がとてつもなく、すごいと思いました。ある意味、夏樹嬢には、『最強』と『最速』の力が“イマジン”という形で手にはいい多様な気がします。 それにしても、『今回の話で打ち切り』ということに関しては、少なからず残念な気持ちとふざけるなあ!!という二つの感情が入り混じった思いを感じてしまいました。今後はほぼ短編扱い状態になるらしいですけど、いつかきちんとした連載物としての復活を期待したいと思います。 『DarkMoonNight』さん、 今後も頑張ってください!! |
30点 | 烈 | ■2009-05-24 23:28:22 | i114-189-58-148.s10.a044.ap.plala.or.jp |
合計 | 160点 |