仮面ライダーバルキリーたん 第14話「The world that bonds connect」
「The world that bonds connect」

1941年10月1日
市立公園内 コンサートホール

コンサートホールは一転して戦場と化した。
ゼブーレジェンドルガが咆哮を上げながらハンマーを振り回し、椅子をたたきつぶし、壁を殴りつけ、アックスフォームに向かって追い詰めていく。
ハンマーの動きを読みながら攻撃をかわしていくが、椅子やパーテーションなどが障害になって思うように動くことができない。遠くからガンフォームが援護射撃で応戦するが、あまりにも頑丈な筋肉の鎧に阻まれて阻止することもできない。

Aバルキリー「ぐっ、かなりの怪力だな・・・!」
ゼブー「あははははははははははは!!お前も頭ぶっとばしてやる!!あのガキのようになぁ!!」

そういって笑いながらハンマーを振り下ろし、椅子を粉々にたたき割る。
先程、ステージで血まみれで横たわる女の子を思い浮かべ、アックスフォームが怒りに表情をゆがめる。

Aバルキリー「過去に殺したとかいっていたな。なぜだ。なぜ、あんな小さい女の子を殺さなきゃならない。お前らの目的は何だ!?この時間のゆがみもお前たちが起こしているのか!?」
Gバルキリー「・・・どうやら、あの赤い過去の扉はお前らが私たちみたいな時の運行を守るとかいってる邪魔者を誘い込むための罠みたいな感じだけど?」

ゼブー「そぉーさっ!!時間そのものをぶっ壊しちまえば世界も人類も何もかも消えてなくなる!!!だぁからっ、カオスゲートを開いて時の運行をメチャクチャにしていれば、お前らがノコノコやってくるって寸法だっ!!そこをぶっ倒しちまえばこっちのもんだ!!カオスゲートはあたしたちが殺した連中のなかでこの世に思い残すことや象徴するもののイメージがかなり強いヤツの記憶を頼りに生み出すっ!!そして、その記憶の対象がお前らの時代につながればカオスゲートが開ける!!そうやって引き込んで時の運行を守るやつらをあたしたちが殺すんだっ!!あははははははははははははははははは!!」

Aバルキリー「まさかっ!?そんなことのためだけに、見境なく人を殺しているっていうのかっ!?誰がカオスゲートを開くほどの強い想像力持っているか分らないからって!?」
Gバルキリー「・・・・・どういう思考回路してんだか。イカれてるね」

ゼブー「あと、楽しいからよっ!!!人間をハンマーで殴り殺した時のあの感覚、悲鳴、ゾクゾクずるんだよぉっ!!!お前らもぶっ殺してやる!!!あははははははははっははははははははははははははははははははは!!!!」

アックスフォームとガンフォームはあまりにも惨たらしいことを平気で行い、それを自慢でもするかのように揚々と語るゼブーレジェンドルガに心の奥底から燃え上がるような怒りがあふれてくるのを感じる。目的と自分の快楽を満たすためなら誰彼かまわず殺し、それを楽しんでいる。もはや罪の意識もなければ反省するような人間的な心さえない。

Aバルキリー「おい、ここでは不利だ。いったん引くぞ」
Gバルキリー「逃がしてくれそうにないよ、あれは」
Aバルキリー「少しだけ足止めしておこう。まず、あいつをステージの中央まで誘い込むぞ。そしたら、お前にあれを撃ち落としてほしい」
そういって、アックスフォームが上を見上げると、舞台の天井には照明設備があった。

Gバルキリー「・・・・このままじゃ不利だしね。分かった」
そういって、ガンフォームとアックスフォームが一気に飛び出した。
そして、アックスフォームが斧を振り上げたままパスを通す。

「full charge」

斧の刃が金色に光り輝き、そのままゼブーレジェンドルガのボディに斧の刃を押し当てると、一気に叩きつけて吹き飛ばした。
渾身の一撃にゼブーレジェンドルガが吹き飛び、ステージの中央に転がり落ちる。

Gバルキリー「OK」

そういって、ガンフォームが正確無比な射撃でワイヤーを切ると、超重量級の舞台照明が一気に落下し、ステージ中央のゼブーレジェンドルガを轟音と地響きとともに押しつぶした。

ゼブー「ぐはっ!?」

Aバルキリー「今のうちだ!!」

そういって、二人が飛び出し、外へと脱走していった。


二人が逃げ込んできたのは、慧が最初に飛び込んできたレストランの倉庫であった。
鍵を閉め、二人は地下の酒蔵に隠れて作戦会議を始めようとする。
その時だった。
ワイン庫の中にある事務室らしき部屋を発見する。
入ると6畳くらいの狭い部屋に机といすが置かれ、棚には帳簿らしきファイルや紙束が置かれていた。

サンゲイザー「ん?これは・・・さっきの女の子か?」
T慧「何?」

そういって、サンゲイザーイマジンたんが見せたものは写真立てであった。そこには調理服を着込んだ壮年の男性と先ほど怪物に追いかけまわされた揚句の果てに殺されてしまった女の子が笑顔で映っている。

T慧「写真・・・・」
サンゲイザー「何か手掛かりになるものはないでしょうかね?」
T慧「・・・・机の上には手紙と新聞記事、か。うん?手紙の中には写真も入っているぞ」
サンゲイザー「勝手に読んでいいのかな?」
T慧「・・・・すまん!!」

サンゲイザーイマジンたんがやれやれと肩をすくめる。T慧がぺこりと頭を下げてまずは手紙を読みだす。

「兵士からの手紙」
愛するウェンディ、元気かい?パパや今、フランスのニースという地方に駐屯しています。
緑の広がる美しい土地です。戦争が終わったら、ウェンディとふたりでのんびり旅行に来たいな。ロンドンにも灯火管制が敷かれたと聞きました。昼間はマチルダさんがいてくれるけど、夜はひとりだから心細くしてないかい。ウェンディからもらったこの懐中時計、大切にもっているよ。必ず帰るからね。最近夜が寒くなってきたから体に気をつけて。
パパより。

写真には黄金の、鷲を施した懐中時計をもった壮年の男性が笑顔で写真に写っていた。

それを見て、サンゲイザーイマジンたんが唖然とする。
そしてその様子を見て、T慧が疑問に感じた。

サンゲイザー「これは・・・?」
T慧「何か知っているのか?」
サンゲイザー「まさかとは思うんだけど、これ、同じ奴じゃない?」

そういって、取り出した盗品の懐中時計を見比べると、まったく同じものであった。
そして、そこまで言ったとき、慧の頭の中で何かがひらめいた。
それは逆境を前にして発動する慧の超人的な頭脳の回転、奇跡とも呼べる打開策を考える前触れであった。

慧「・・・・そうか・・・!この状況・・・!もしかしたら打つ手があるかもしれない・・!思いが原因で時間そのものが歪むのなら・・・その歪みを正せばいいんじゃないの・・・?そして・・・その歪みを正すのは・・・・過去と現代に唯一つながるものを・・・・繋ぎ合せる・・・!一か八かだけど・・・・やってみる価値がある・・・!!」

サンゲイザー「・・・それはどういうことです?特異点」
慧「・・・・さっきあいつが言っていた!カオスゲートはあいつらが殺した人のなかでこの世に思い残すことや象徴するもののイメージがかなり強い人の記憶を頼りに生み出すって。そして、その記憶の対象が私たちの時代につながってあんな赤い扉が開いてしまったことを!!そうやって引き込んでいるってことは・・・つまりあの懐中時計とオルゴール・・私たちの時代に合ったものとこの時代にあるものが一つになることで・・・唯一時代を正しくつなぐことができるのかもしれない・・・!!むろんそれだけじゃ足りない。あいつを倒して・・・その思いを完全に果たすことができれば・・・・歪みそのものの原因が消えるってことにならないかしら・・・?」

その考えはあまりにも確証がない。
しかし、現段階で考えるとその作戦を試してみる価値は十分にある。

サンゲイザー「・・・・よくこんな状況でそこまで頭回りますね。逆境に追い込まれれば追い込まれるほど、貴方は輝きを増しているかのように見えるわ。しかし、あの女の子がもしあのレジェンドルガに殺されて無念を残して死んで、そしてそれが過去の映像になって残るまで強い思いを残していたら、あの時、これまで殺してきたはずの人間の姿の映像がないにも関わらず、あの子だけが見えたのも、頷けるわね・・」

T慧「試してみる価値はありそうだな。そうすると、この机の上に置いてある残りの手紙に何か書いてありそうだ」

それは新聞記事のようだ。
「ウィークリー・ロンドン」
9月13日
『オルゴール作りの天才少女の悲劇!』
1941年9月13日、ジルバラード・プロムナートにあるレストラン・ジルバラードカフェでウェンディ・フロストさん(12歳)の惨殺死体が発見された。第一発見者は家政婦のマチルダ・バレンタインさんで、彼女が外出先から帰ってくると、ウェンディさんは頭から血を流して階段に倒れていたという。凶器は重たい鈍器のようなもので、頭蓋骨陥没による即死だった。犯人はいまだ不明である。
彼女はオルゴール作りの達人とも呼ばれるほどの腕の持ち主で、3日に開催されたオルゴールコンテストにおいても見事優勝を果たすほどの素晴らしいオルゴールを作り上げたことで報道されていた。

その少女が笑顔で優勝のトロフィーを握りしめている。そして隣の写真にはクルミの木で作られた手作りのオルゴールの写真があった。
そのオルゴールを見て、サンゲイザーイマジンたんは驚いたような顔つきに代わる。

サンゲイザー「そんな・・!これは・・・・偶然なの!?いえ、もしかして、本当に特異点が言ったとおりなの・・・・!?それなら・・・・もしかしたら・・・!」
そういって、盗品からオルゴールを取り出した。
それも間違いなく彼女が作ったものと同じものであった。
開けると中には「ウェンディ・フロスト」とサインが書いてあった。
T慧「間違いなさそうだな」
そういって、彼女たちは確信を得ると、彼女の部屋に向かっていった。


一方で、この時代にようやくたどり着いたビショップとルークが町を歩いていた。
戦争ですっかり荒廃した街並みを見て、あまりの凄惨さに言葉を失う。

ビショップ「これはひどい・・・!慧ちゃん、無事でいてください・・・!」
ルーク「戦争だけじゃなさそうだね。この町がここまで荒れ果てちまった原因」

ルークが焼きただれて無残な姿となった雑貨屋の店前に入っていた数日前の新聞を取り出して、ある記事を指さす。

「ジルバラードを恐怖に叩き落とす殺人鬼現る!!犠牲者は20名に!!」
「ハンマーで人間を殴り殺す残虐な手口!!犯人は何者なのだろうか!?」

ルーク「爆薬だけじゃない。このむせかえるような血の匂い・・・・尋常じゃない」

ルークが嫌そうに顔をしかめる。
避難警報が出る前に急いで飛び込み、無事この時代に流れ着いた今、慧を見つけるまでは帰れない。ビショップは一息つくと、きっと表情を引き締めて歩き出す。
その時だった。

ゼブー「あはははははははははははははははははははははははははははは!!」

けたたましい笑い声とともに飛び降りてきた影を見て、ビショップとルークがすぐさま飛び退く。それと同時に、彼女がいたところへ巨大なハンマーを振り下ろして地面をたたきつけた赤茶色の髪の少女が現れる。

ゼブー「まぁだ、獲物がいたんだ・・。あれ?お前、もしかして、私たちが破壊した世界でチェックメイトなんとかいうのをやってたファンガイアだっけ?見覚えあるよ。時代と一緒に消えたと思っていたのに、残っちゃってたんだ」

その言葉を聞いてビショップとルークの眼が見開く。
そして頭に思い浮かんでいく、自分たちの住んでいた世界が崩壊していく光景を。

ルーク「・・・・その口ぶり・・・・・まさかよぉ・・・・」
ビショップ「・・・・私たちの世界を壊したのは・・・・貴方達なのですか?」
ゼブー「そーぉだよっ!!イマジンたちを従えてさ!!あっさりなくなっちまったよなー!!所詮ファンガイアだろうと人間だろうと、私たちには敵うわけがないんだよ!!あはははははははははははははははははははははは!!」

狂ったように笑う彼女を前に、ビショップとルークの口元に笑みが生まれた。しかし、その瞳はもはや凶暴性をむき出しにしたケダモノのような細い眼をしていた。
そして、喉からグルル・・・と獣の咆哮に似たうめき声をあげる。

ビショップ「そうでしたか・・・・。そうなんだ・・・。もういい。ここから先はあなたの体にでも聞いてみたくなりましたよ。次の質問をね!!」
ルーク「ああ・・・・・そうだな」

ビショップの頬に銀色のステンドグラスの紋章が浮かび上がると、その姿をサーベルファンガイア(サーベルタイガーを模したファンガイア)に変わった。銀色のトラを模した顔立ちには鋭い牙が備わり、両腕に銀色に光り輝くダイヤモンドでさえも切り裂いてしまう鋭利で鋭い爪。全身に銀色の毛並みが備わって、美しい野獣の姿に変わっていく。そしてルークは対象的に全身を重厚な漆黒の鎧に身を包んだ屈強そうな体つきを持つアーケロンファンガイアへと姿を変える。

アーケロンファンガイア「テメェは許せねぇ・・・・。超特急であの世に送ってやるぜ」

サーベルファンガイア「どんな形で死にたい?八つ裂きか?食いちぎられて死ぬか?好きなのを選ばせてやる!!」

ゼブー「調子に乗るなよ・・・・このクズが!」
少女もゼブーレジェンドルガに化身し、ハンマーを構えて飛びかかっていく。
ハンマーの攻撃を爪で防ぎ、もう片方の腕でボディに向かって切り裂かんと腕を振り上げた。こうして町中で復讐の念に燃える玄武と白虎、そして醜き異形との戦いが始まった。

同じころ。
少女の部屋は年頃にふさわしい可愛らしい内装が施されていた。
机の上に目的のオルゴールが置いてあった。
2010年博物館に展示されていたものと、この時代に少女によって作られたオルゴールが並べられる。
すると、オルゴールが淡い光を帯びて、やがてまぶしく光を放ちだした。

T慧「何だ!?」
サンゲイザー「くっ・・・・!!」

白い光に包まれ、やがて眼を開くと、そこではさっきまでの荒廃している部屋ではなく、まだ部屋の中も穏やかな雰囲気に包まれている家の内装に変わっていた。そう、また過去の幻影が流れだす。

部屋の中では椅子に座っている、写真の男性らしき人物がいた。しかし自分たちの姿は見えていないらしい。そしてその傍らでは娘であろう少女が話を聞いていた。
時計の音色を聞きながら、父親が女の子に戦争に行くという話をしている。

T慧「出征前のようだな・・・・」

ウェンディ「私、今度のオルゴールのコンテストで優勝するわ。お父さん、帰ってきたら私とお祝いしましょう?私も頑張るから、お父さんも必ず帰ってきてね。私、絶対優勝して待っているから!!」
父親「ああ、楽しみにしているよ」

場面は切り変わって最前線の戦場。砲撃で吹き飛んだ兵士の死体が鉄条網の上に落ちるが、
その死体からオルゴールの音色が聞こえ始める。周りの兵が驚いてその兵士の死体を見上げると、その胸からは懐中時計が下がっていた・・・

そして、そこで現実の世界に戻った。
T慧とサンゲイザーイマジンたんがやり切れない様子でうつむく。
女の子の父親も既に戦死しているようだ。
しかしそれを知らずにずっと待ちつづけていた。
しかしその思いを利用されてカオスゲートの生贄にされて彼女も殺された・・・。
手には父親が戦死した際に持っていた壊れた懐中時計が握られている。

サンゲイザー「あの娘のところにいこう。そしてこれを返すんです」
T慧「いいのか?お前、それは・・・」
サンゲイザー「こういう思い出が込められている品は本来あるべき場所に、持つべき人が持つものです」

そういって、大事そうにオルゴールや懐中時計を包んで鞄にいれる。そして、写真立てに映っている少女に語りかける。

サンゲイザー「ごめんね。今返しに行くよ」
T慧「・・・・行くか」
二人は頷きあって再び公園へと戻っていった。


公園。
ホール前の噴水広場に入ったとき、悲鳴とともに一人の異形が飛び込んで倒れ込んだ。
慧が駆け付けると、そこには全身から血をにじませ、無残な傷跡を刻みつけられたアーケロンファンガイアとサーベルファンガイアが横たわっていた。息も絶え絶えに横たわり、苦しそうに顔をゆがめている。

慧「何!?」
トパーズ「こいつは・・・!?はっ、慧、来るぞ!!」

慧にトパーズが飛び込み、金色の瞳に変わるとすぐさまアーケロンファンガイアとサーベルファンガイアを抱き上げたまま飛び退くと、そこへ笑い声を上げながらハンマーを地面に叩きつけてきたゼブーレジェンドルガが現れた。
しかし、ゼブーレジェンドルガも満身創痍といった感じであった。
重厚な攻撃を受けてか所々の甲冑が砕け散って骨も砕けているであろう、肉がめり込んでおり、血を全身のいたるところに切り刻まれた傷口から流していた。
それでも、ゼブーレジェンドルガは目の前の獲物を追いかけることに対する快楽のみで動いていた。完全に狂っている。思考の概念が常人には理解できない代物である。

アーケロンファンガイア「・・・お前無事だったのか・・・・」
慧「え?え?何?どうして、私のことを」
サーベルファンガイア「・・・逃げて・・・・慧ちゃん・・・早く!」
そういって、サーベルファンガイアとアーケロンファンガイアが倒れ込み意識を失った。そしてその姿を人間体の姿に戻っていった。その姿を見て、慧が驚きのあまりに、目を見開く。

一人は見たことのない長身のショートカットのりりしい顔立ちをしたカッコいい雰囲気の女性、そしてもう一人は金色のロングヘアに、青い瞳、シスターのような青いロングコートを着こんだ美しい女性。見覚えがある。面識がある。神代聖。あの日、公園で知り合ってから時々話すようになった大学の助教授だ。

慧「神代先生・・・・!?どうして!?」
T慧「くっ、来るぞ。慧、こいつはどうするんだ!?」

そういって、トパーズが倒れ込んだルークとビショップを指差す。
慧も動揺しているのか、答えを出しかねているようだったが、やがて意を決したように目を見開き、答えた。

慧「二人を安全な所に避難させないと・・・!ホールの中なら今は安全だ。トカゲさん!!お願い、この人を助けて!!」

そう、サンゲイザーイマジンたんに頭を下げる。サンゲイザーイマジンたんは目の前で見た怪物が自分の知り合いとはいえ、それでも捨てずに助けようとする慧の行動が不思議でならなかった。それと同時に興味を覚えた。

サンゲイザー「ふぅん・・・・いいわよ。ホールの奥に避難させておけばいいのね」
そういって、気を失ったビショップを抱きかかえてホールの奥へと消えて行った。

そして、慧がきっと表情を引き締め、ゼブーレジェンドルガに向き直る。

ゼブー「バカね。一人で勝てるとでも?」
慧「勝たなきゃいけないんだよ。あの人たちを、そして貴女が殺した人たちの無念を果たすためにも、私は負けない。勝つよ!!変身!!」

勇ましく声を発し、勇猛に挑んでいく姿にトパーズは心を奪われた。
自分が信じてついていくことができる憧れの存在と一緒に戦える。
これほど幸せなこととは思わなかった。

トパーズ「慧・・・お前は強い。感動したぞ。私はお前にどこまでもついていくぞ」
慧「いつでも横に並んでいいよ。一緒に戦おう」

金色の光を帯びて、アックスフォームが斧を構えて勇ましい姿を見せた。

Aバルキリー「チェックメイト、待ったはなしだ!!」
そういって、斧を構えたままとびかかり、ゼブーレジェンドルガに切りかかっていく。
先ほどまでとは違い強い決意を秘めたアックスフォームの猛然と勢いづいたラッシュ攻撃にゼブーレジェンドルガも予想外の展開だったのかハンマーで斧の刃を防ぐ。
しかし、斧のあまりにも重い一撃にハンマーが震え、全身が痺れ上がる。

そして、全身が先ほどまでとは違って至るところが傷つき、重く、思うように動かせない。
チェックメイトフォーの歴戦の勇士との戦いで負傷した傷がきいているらしい。

ゼブー「ぐっ・・・!何だ。いきなりどうしてこんなに力をつけた!?」
Aバルキリー「お前には分かるまい。人の命の尊さを、思いの強さを、絆が紡ぐつながりの大切さも分かろうとしないお前などにはな」
ゼブー「くっ・・・そんなもの知るか!!気持ち悪い!!」
Aバルキリー「私はそれを踏みにじる不逞の輩は大嫌いなんだ!!いくぞっ!!」

思い切り振りかぶって斧の刃を押し当てて、袈裟がけに一気に切り裂く。金色に光り輝く刃が分厚い筋肉の鎧の耐久力を凌駕し、肉を裂き、骨を断つ。

ゼブー「ぐっ・・・・!!!!」

Aバルキリー「チェックメイトだ!!」

「Full charge」

アックスフォームの両足が金色の光を帯び、やがてまぶしいばかりに解き放たれる。
そして、片足を持ち上げると、そのまま回転して、ゼブーレジェンドルガの肩の上に思い切り叩きつけた。そしてそのまま一気に地面に頭を蹴り潰し、金色のオーラエネルギーを注ぎ込んだ・・・!!

Aバルキリー「ライダー・・・キック!!」
ゼブーレジェンドルガ「ぎゃあああああああああああああああああっ!!」

ゼブーレジェンドルガが絶叫を上げて大爆発を起こし、地獄の業火に焼かれて消えて行った。

サンゲイザーイマジンたんが静かにホールにやってくる。すると、ステージの近くで泣いている女の子の幽霊がいた。

サンゲイザー「・・・・・返すね」
懐中時計を渡すと、そのオルゴール仕掛けの音色が流れ、女の子は涙を止めて聞き入る。

サンゲイザー「・・・・お父さん、もう来ないよ。死んじゃったの・・・。そして、貴方ももうこの世にはいないの・・・・。二人とも、もう行くべき場所へ行かなきゃいけないの」

その時ステージの上に光り輝く階段が表れ、そこから女の子の父親らしき男性が迎えに降りてきた。

T慧「・・・迎えにきたのだな」
サンゲイザー「・・・ほら、行きなよ。オルゴールと時計、渡すんだろう」
T慧「・・・・今度こそずっと一緒にいられるぞ」

そう言われて、女の子の姿が生前のように可愛らしい姿に戻る。そしてしっかりと抱き合う親子。

ウェンディ「ありがとう・・・本当にありがとう・・・!」
父親「私たちはあの怪物の力で会えずにいたのです。本当ならもっと早くウェンディを迎えに行きたかった。でも、それさえもできず・・・・本当にすまないことをした・・・」
ウェンディ「ううん、パパ、また会えたよね?これからはずっと一緒だよ!!」
父親「・・・・そうだな。ありがとう、本当にありがとう・・・・」

そう言いながら、光に包まれて二人の姿が透きとおり、見えなくなった。

T慧「・・・・・バイバイ」
サンゲイザー「・・・・・これでよかったんだよね」
T慧「・・・・他に思いつかなかったんだ。仕方あるまい」
サンゲイザー「・・・お前ってクールというか、もうちょっとメルヘンな発言言えないですかね?」
T慧「ふん、捻くれているのは昔からだ」
そういって、まんざらでもないように笑みを浮かべる。

そして、上空を見上げると、そこには自分たちを探してきてくれた銀色の列車が飛び込んでくる。Vライナーであった。

慧「あ、Vライナーだ!!」
トパーズ「時の運行の乱れが直ったのだな」
ふと気づくと、手元には一枚のチケットが握られていた。
見ると、「2010/06/10」と書かれてある。

T慧「あの子からのお礼かな」
そういって、振り返ると、そこにはもうサンゲイザーイマジンの姿はなかった。

T慧「・・・何も言わずに逃走か。どっちが情緒ないんだか」
ふうっとため息をついていこうとすると、慧の姿に戻り、慧が傷つき倒れたビショップとルークを抱きかかえて起き上がる。

トパーズ「助けるのか?得体のしれないヤツなのに」
慧「・・・・助けたい。だって、神代先生は神代先生だもん。化け物だろうと何だろうと、それだけは割り切れないし、それに、このまま置いて帰ったら後味悪いよ」

そういって、慧が歩き出す。トパーズはこれ以上何も言うまいとその後から何も言わなかった。
慧(神代先生・・・・どうして・・・・・?)
慧は後ろで気を失って倒れている神代聖とルークを見ながら疑問にかられていた・・・。

しかし、列車に入ったと同時だった。

ルーベット「慧どのぉおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」
サファイア「慧――――――――――――――――――っ!!!」
エメラルド「お姉ちゃん!!!!」

3人が顔じゅうにありとあらゆる液体を分泌させながらドアを開けたとたん慧にとびかかり、抱きしめ、思い切りおいおいと泣きだした。

3人に押し倒されるようにして慧が床に座り込むと、サファイアの柔らかく豊満な胸に顔を押し付けられ、左側の二の腕にエメラルドの発育途中の胸がふにゅっと押し付けられ、顔の右ほほにルーベットの顔が押し付けられた。
ある意味男性だったらハーレムと感涙するほどの羨ましい光景ではあるが、慧は驚いたように目を見開く。

ルーベット「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!慧殿〜!!ご無事で何よりですぞぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!(号泣)」
エメラルド「お姉ちゃんに何かあったらどうしようって・・・心配で心配で!!」
サファイア「そこの壊れメガネロボと二人きり・・・それでもし、ぱくって喰われたらと思うと・・・・もう胸が張り裂けそうだったよ〜!!!あんな壊れロボなんかに慧ちゅわんを任せられるか〜!!」

トパーズ「お前は・・・・私はこんな状況で慧を口説けるほどツワモノではないぞ」
琥珀「心配していたっていうのは事実だけどね」
トパーズ「一名だけ方向性が不愉快なまでに違うんだ」
琥珀「・・・・それだけはわかる」

そして、扉が開いて、中から愛が出てきた。
慧は座り込んだまま、愛の顔を見上げる。
すると、愛の涙腺が限界を迎えた。涙がとめどなくあふれ出て、そのまま泣きながら慧の体を抱きしめた。

慧も涙が眼に溜まり、流れ落ちた。
そして母の胸に抱かれて、静かに泣きだした。

慧「・・・・・お母さん・・・・・・・怖かったよ・・・・・・!」
愛「・・・・・よしよし、怖かったわよね。よく・・・・頑張ったわね・・・生きて帰ってきてくれて・・・・ありがとう・・・・・!」

その光景を見て、トパーズも涙ぐんでいた。ルーベットとエメラルドはおいおいと泣き出し、サファイアもクールに「泣けるね」といいながら涙をぬぐっている。

琥珀「・・・あのさ、ご対面のところ悪いんだけど」
その感動の場面に水を差したらいけないと思いつつも、つい琥珀が口を出す。

ルーベット「な・・・なんですか、琥珀殿?」
琥珀「お前ら、いつまで怪我人下敷きにしてるつもりだ?」

そういって、慧たちの足元を見ると、そこには柔らかい感触があった。
そして、それが傷つき倒れているルークとビショップの無残な姿であったことに気付き、慌てて飛び降りた。

慧「ああああああああああ!!!ごめん!!すっかり忘れてた!!!」
愛「あらあら」
ルーベット「ああっ!!白目剥いてますぞ!!!顔も青いですぞっ!!!」
サファイア「へえ、これがエクトプラズム。本当に口から吐き出すんだね」
エメラルド「ああっ!!体がビクンビクン痙攣してるぞっ!!!」
トパーズ「何でこんなになるまで気づかなかったんだ!?」
琥珀「・・・・いや、言ったほうがいいとは思ったがタイミング読み間違えた」

ルーク「あはは・・・・綺麗なお花畑が見えるぜ・・・・」
ビショップ「うふふ・・・・綺麗な川が流れてるわ・・・・」

慌てふためく連中をしり目に、二人の異形はもうこれ以上ないまでにヤバい笑みを浮かべてあの世にもっとも近い世界に足を踏み入れかけていたという。

その光景を電車の中の床下に隠れながらサンゲイザーイマジンたんが呆れながら見ていた。
しかしすぐさまにっと笑みを浮かべると、ワイン庫からくすねてきたワインを飲みだす。

サンゲイザー「面白そうね。泥棒よりもはるかに退屈しなさそうだわ」

Vライナーが走りゆく先にある暗雲が立ち込めている光景を想像しながらも、この連中を見ていると、どうやら一つの楽しみとして昇華できそうと認識し、胸を高鳴らせるサンゲイザーイマジンであった。

続く

2009年06月06日(土) 22時53分41秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
サイハイ!!!
イヤッホウ!!
さて、ついに第14話投稿しました!!
今回で明らかになったのは敵はイマジンやレジェンドルガたちを従え、「カオスゲート」なる過去に自分たちが殺した人間の無念や強い思いを利用して作る過去の扉もどきで時の運行を守る戦士たちを引き込み、殺害しようともくろむ計画を立てるような外道ということになります。
そして、次回の話なのですが・・・。

次回、私、ある一つのことにチャレンジしてみたくなりました。
それは・・・・。
仮面ライダー電王たんとのコラボ!!
次回、やってみてもよろしいでしょうか!?
前々からシナリオを考えてはいたのですが、今回、15話のネタとして書いてみたいと思っております!!

レスのお返事をお返しいたします。
>烈様
何故にそれが現れたのですか?

>カオスゲートは敵が作り出した「時の扉」のひとつで、過去に送り込んだ人間が最も強い意志を残して死んだ場合、その思いの力を利用して発動するものです。そしてその思いの対象が偶然にも2010年の未来にまだ存在していている場合、自分たちが支配している時間の世界と2010年をつないで自分たちのテリトリーにおびき寄せるために作られたトラップの一つであると考えていただけると幸いです。

>これって『1941年』の時代において、『ゼブーレジェンドルガ』が現れたことと関係しているのですか?

実はあるのです。
敵はレジェンドルガだけでなくイマジンを従えて過去を変えることにより世界を崩壊させたりして自分たちにとって都合の悪い特異点などといった存在を消すために行動させているのです。それと同時にカオスゲートを召喚して二重の手口を同時進行させて追い詰めていくやり方で目的を達成させようとしているということになります。

うまく質問の答えになっているか不安ですが、これがバルキリーにおける質問の答えとさせていただいてよろしいでしょうか?

それでは次回、応援よろしくお願いいたします!!

この作品の感想をお寄せください。
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>ゼブーレジェンドルガ
SHT殿のアークたんに出た、死刑囚のハンマー娘の生まれ変わりか
>サンゲイザーたん「面白そうね。泥棒よりもはるかに退屈しなさそうだわ」
慧さん、何気にサンゲイザーたんにフラグ1(興味)を起こしたー
もし、サンゲイザーたんと契約したら、ルーベットこと『ランス』・トパーズ『アックス』・エメラルドこと『ソード』・サファイアこと『ガン』・琥珀こと『アサシン』に続く第六のフォーム登場?!
できれは『スナイパー』か『ハーケン』にしてほしな
10 ■2009-06-10 01:33:35 61-24-27-215.rev.home.ne.jp
 どうも、『烈』です。【仮面ライダーバルキリーたん】の13話において、私が投稿した感想と質問に対して、“返信”していただいてありがとうございます。

 今回の【仮面ライダーバルキリーたん】の14話の話ですけど……、正直に言いますけど、なんといいますか、冒頭辺りにおいて、『ゼブーレジェンドルガ』が言っているが皆、嫌な気持ちをかなり増幅していた気がします。
 今回の話で、【チェックメイト・フォー】のメンバーの“世界”を滅ぼした真の“敵”の存在が明らかになりましたが、その“連中”のやり方というものが、かなりの“外道”なやり方ということに対して、赦せないという気持ちが強くあふれてくる気がします!!
 真の“敵”というべき存在と、その者が自分が行った“世界”の“過去”に自分たちが殺した“人間”の無念や強い思いを利用して作る過去の扉もどきが“カオスゲート”であり、それを利用して“時の運行を守る戦士”たちを引き込み、殺害しようともくろむということはわかりましたけど、そのための手段というものに対して「こんなことをして、何の意味があるんだ〜、ふざけんなあ〜〜〜(怒)!!」と一瞬、叫びたくなりました!!
 ……とりあえず、私が感じているむかつきなどの感情のことは置いておいて、今回の話において“キーパーソン”というべき物が、『ゼブーレジェンドルガ』によって殺されてしまった少女の父親が持っていた“懐中時計”と少女が作った“オルゴール”の二つ。この二つが、何の因果か慧ちゃん達の住んでいる“時代”の「星見市英国文化博物館」に置かれていた事は、ある意味不思議な縁があるように思えてきます。「思いが原因で時間そのものが歪むのなら・・・その歪みを正せばいい」、この慧ちゃんが言っていた言葉は、ある意味、『カオスゲート』を閉ざすための“答え”な訳ですけど、さすがはあんなのでも警視正の娘。危機的状況だからこそ、それを乗り越えるための答えを見つけ出すことができるところには、一種の尊敬の念を抱きました。
 そして、どのようにして過去に“跳んだ”かは気になりますけど、慧ちゃんを助けるために過去の時代に来た“ビショップ”と“ルーク”。その時代で出会ってしまったのは彼女達の世界を滅ぼした者の一人である『ゼブーレジェンドルガ』。事の真相の一部を知ると同時に二人とも怒りの爆発と共に“ファンガイア”としての真の姿になり、ここまで来ると真の“敵”というべき奴らがどれくらい【チェックメイト・フォー】のメンバーに怨みをもたれているかが改めて実感させられました。
 元の時間の“流れ”に戻す方法を見つけ出し、それを実行させるために行動を共にする慧ちゃんとトパーズ、それとサンゲイザーイマジンの三人。目的の場所に向かう最中に『ゼブーレジェンドルガ』との死闘の結果、かなりのダメージを帯びてしまい昏倒してしまった『ルーク』と『ビショップ』の二人。敵の方も、身勝手で外道なやり方にこちらもこちらで怒りを爆発させる慧ちゃんとトパーズ。その二人が信じる人の命の尊さ、思いの強さ、絆が紡ぐつながりの大切さも今回の話は改めて教わった気がしてきます。
 戦いが終わり、今回の『ゼブーレジェンドルガ』が関わった『カオスゲート』による“事件”において、一番の被害者である少女の魂はその子の父親の魂と共に天へと昇って行き、その後に慧ちゃんとトパーズの迎えに来た『Vライナー』において、他のメンバー達の心配していた様子や気持ちなどが結構激しいものであったと思います。……まあ、某変態“青玉白鳥”のセリフなどは無視することとします。
 それにしても、今回の話において、一番運などがなかったのってビショップとルークの二人だけだった気がする。なにやらあまりのことに感動の最中とは言えど、怪我人二人を忘れてしまうとは、少々情けないところもあるんだなと感じました。
 そして、何気に今回大活躍をしていた『サンゲイザーイマジン』。彼女は最初はいやらしい泥棒というイメージが強かったのですが、今回の話において結構人がいい性格のイマジンであることは判ったような気がします。今のところ『Vライナー』内に隠れているようですけど、今後どのような活躍をしてくれるかが楽しみです。今後も頑張ってください!!
  
50 ■2009-06-08 00:31:08 i114-189-58-148.s10.a044.ap.plala.or.jp
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