仮面ライダーバルキリーたん 第21話「Blade of murderous intent」
「Blade of murderous intent」

8月10日
PM23:45 廃墟のキャンプ場
夜空には満天の星空が広がり、辺りに何もない、山々に囲まれた静寂に包まれている。
そんな中、セルケートレジェンドルガ(針尾)は苛立ちを隠しきれない様子でコテージの中で暴れ狂っていた。

ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

コテージの壁を切り裂き、室内の装飾を蹴り飛ばし、窓ガラスを割り、あらゆる目に付くものを残骸を残さないように徹底的に切り裂いていく。

針尾「はぁ…あぁああああっ!!何が待機命令だ、ウォーサイズ!!もう、もう我慢の限界だッ!!!」

人里離れたアジトに叫び声が響いた。ドラム缶、鏡…雑多な小屋の中を暴れ回る針尾のせいで中は無残な状況をさらしている。

針尾「殺したぁい…慧ィ…我慢の限界だ!ぶっ殺したぁい・・・きひひひひひ!!」

針尾の顔が狂気に引きつり、視線が虚空をさまよう。まるで夢遊病患者のように虚ろな、それでいて空恐ろしい視線が。
ウォーサイズこと草薙から告げられた突然の待機命令。それは針尾にとっては耐え難いものであった。慧こと仮面ライダーバルキリー、およびチェックメイトフォーの実力を調査し、念入りに現在のレベルや実力、相互関係などを調べるまで待機するように伝えられ、一時はこれもレジェンドルガの切り札と揶揄され、しぶしぶ納得したのだが、彼女が倒され、彼女が生前に指揮していたエイプイマジンたんやクラブイマジンたんたちまでもが勝手な行動を起こした上に返り討ちにあい、新しい戦力を手に入れ、ますますの成長を遂げていくバルキリーに手が出せないことがもはや限界を迎えていたのだった。
そのせいか苛立ちが募り、快楽を得られない不満が爆発する。

針尾「…あぁああああああ!!つまんない…つまんないつまんないつ・ま・ん・ね・えんだよああああああああああああああァ!!」
「退屈しのぎ、させてあげようか?」

と、そこに愉快そうな声が響き渡る。見るとそこにはいつの間にかゴシックパンクの服装に身を包んだ栗色の髪をポニーテールに縛り上げ、小柄な体躯だが豊満な胸など出ているところは出ている少女・智(とも)が姿を現していた。針尾の血走った視線が智を捉える。獲物を狙う肉食獣のように。

針尾「お前・・・スフィンクスか!?何のようだ!!」
智「ありゃま、荒れてるね。でももういいんじゃない?我慢しなくてもさぁ・・。僕の配下をもう動かしている。そいつとうまく連携取れれば、間違いなくバルキリーをつぶすことが出来るよ」
針尾「・・・・何!?」
智「・・・・僕の言葉に釣られてみる?」

智がにぃっと無邪気ないたずらっ子のように笑う。しかしその影はスフィンクスをイメージしているかのような巨大で獰猛な赤い瞳をギラギラと光り輝き、牙をむき出しにしている邪悪なシルエットが浮かび上がっていた・・・・。


その頃、天童慧はというと・・・。

8月11日 AM6:30
星見海浜公園 遊歩道
朝焼けが美しく映える海沿いの遊歩道を新品の赤い自転車にまたがった慧が自転車を走らせていた。慧の瞳は金色に光り輝いており眼鏡をかけ、知性的な雰囲気を感じさせる。髪のひと房だけが長く伸び金色のメッシュが入り混じっている。
トパーズが憑依しているのだった。

T慧「ふむ、朝の散歩というのもなかなか楽しいものだな」
慧(でしょう?えへへ、買ったばっかりの自転車〜♪これで海沿いの道をかっ飛ばすのってすごく気持ちいいんだよね〜♪)
T慧「なるほど、確かにいいものだ」
慧(この先にね、早朝営業してる食堂があるからそこでご飯にしようよ♪)
T慧「ふふっ、ご機嫌だな、慧」
慧(うん!だってさ、バイトでお金貯めてようやく買えたんだもんね!!8万円もする最新機種のマウンテンバイク〜♪ここまで貯めるのに長かったなぁ・・・。スーパーでバイトすれば半額弁当争奪戦に巻き込まれてお客さんにネギやらゴボウやらでボカスカ殴られ、タイムサービスのおばちゃんたちのカートの集団に吹き飛ばされ、踏みつぶされて、毎日毎日赤チンと消毒薬が絶えない日々・・・。お母さんの部屋の掃除のバイトで積み上げられたエロゲーやギャルゲーの山に押しつぶされるわ、新聞配達すれば車にはねられるわ、喫茶店のバイトをすれば、なぜかコーヒーやスパゲッティとかが飛んできて頭から被るハメになるわ・・・・ううう・・・・何だか泣けてきた)
T慧「・・・もう思い出さない方がいい」

ここまで不幸な目にあいながらも、しっかりと貯金して欲しいものを買っただけでも彼女の努力が並はずれているものと感心させられる。

T慧「パトロールも一旦切り上げるぞ。とりあえず、朝ごはんだ」
慧(うん!)

そういって、自転車を走らせたその時だった。
目の前に突如紫色のロングヘアを後ろで縛り上げた少女がふらりと出てきた。
そして慧を見るや否や、腰に添えている刀に手をかける。

針尾「キヒヒヒヒ・・・・ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」

狂った哄笑を上げながら、針尾は目にも止まらない速さで刀を抜きだす!!

T慧「来るぞ!!」
そういって、自転車から飛び出して芝生にかけこむと、乗り手を失った自転車にいくつもの光の筋がはいる。そして、次の瞬間。

ズバッ!!!ズバズバズバズバズバズバズバズバッ!!!

バキバキバキバキバキ―――――――――――――――ッ!!!!!

ガラガラガラガラガラガッシャ――――――――――――――ン!!!!

慧(ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!)
努力の結晶ともいえる自転車が粉々に切り裂き、粉砕され、見るも無残な残骸と化した。

慧(自転車がぁ・・・・あたしの自転車ぁああああぁああぁあああああああ!!)
慧がもはや狂ったように絶叫する。
しかし、刀を構えている少女・針尾はさらに刀を抜いて「きひひひ」とよだれをだらしなく垂らしながらじりじりと近寄ってくる。

針尾「やっと・・・やっと・・・・やっとぉ・・・殺せるううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!ヒャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッハッハッハッハッハ!!!!!!」

そしてその姿を全身を紫色の甲冑を持ち、頭部に鋭い針を模した毒々しい色の毒針を携え、左腕が完全に巨大な剣と化している怪物、セルケートレジェンドルガに変化する。

T慧「レジェンドルガ!!くっ、行くぞ!変身!!」

「ax form」

金色の光が慧の全身を取り囲み、みるみるその姿を屈強なパワーファイター・仮面ライダーバルキリー・アックスフォームへと変身する。Vガッシャー・アックスモードを構えると戦意をあらわにして勇猛果敢に立ち向かう。

Aバルキリー「チェックメイト、待ったはなしだ」
セルケートレジェンドルガ「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!もう、もう我慢なんて出来ないわよぅ!!!早く、早く、殺してやりたいいいいいいいいいいいいい!!!」

狂ったように叫びながら地面をけり飛ばし、すさまじい勢いで大剣を振り回し、予測不可能な方向から繰り出される斬撃の猛ラッシュを、アックスフォームは斧の刃で防ぎながら体勢を変えて隙を窺う。

Aバルキリー「くっ、こいつ、強い・・・!」
セルケートレジェンドルガ「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!キャーーーーーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!ひひひひひ・・・・死ね・・・死ね・・・死ね死ね死ね死ね死ね死ねジネェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」

もはや完全に正気を失っている。
アックスフォームは戦慄する。自分を殺すことしか考えていない、彼女の常識の範疇を超えた狂気と殺意に全身がふるえあがるような気がする。

Aバルキリー「生憎長丁場はできないな。君の相手は地獄の鬼にでも押しつけるとしよう」
そういって、パスをバックルに通して金色の光が発生する。

「Full charge」

Aバルキリー「ふん!!」

思い切り振りかぶって斧の刃を押し当てて、袈裟がけに一気に切り裂くべく、金色に光り輝く刃が炸裂する。しかし次の瞬間彼女は驚愕する。

Aバルキリー「何っ!?」
セルケートレジェンドルガ「あひゃひゃひゃひゃあ・・・いい・・・・痛い・・・痛いけど・・・気持ちいい・・・・あっはあ・・・・もっと・・・・もっともっともっとしようよぉ!!激しく!!!強く!!某を熱く燃えたぎらせろぉおぉぉおおおおおおおおお!!」

セルケートレジェンドルガの鎧に斧の刃がわずかな切り傷を作っただけで全くと言っていいほど効いていないのだ。渾身の一撃を与えたはずだったアックスフォームはあまりにも頑強な鎧に戦慄する。

Aバルキリー「くっ、こいつ、今までのやつとは比べモノにならん!!」
セルケートレジェンドルガ「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!きひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!楽しい・・・楽しい・・・・もっとしようよ・・・・いっぱい遊ぼうよぉ・・・・ずぅっとお預け喰らってたんだからさぁ・・・もう我慢出来ないんだよ・・・・ケキャアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

そういって、左腕の大剣に紫色の光が宿り、見る見るその形を巨大な刃のような形へと変えていき、それを大きく振りかぶると、巨大な斬撃となって地面を削りながら、アックスフォームに向かって猛然と放たれる!!!

Aバルキリー「くっ、南無三!!」

アックスフォームが斧の刃を構えなおすと同時に紫色の光が炸裂し、途端に視界が白くはじけ、轟音と共に大爆発が発生する。

やがて爆発の炎がおさまると、そこにあるものを見て、セルケートレジェンドルガは首をかしげる。
そこには爆発したガス灯が無残な姿をさらし、あらゆるものが爆風によって吹き飛ばされ、焼かれ、真黒になった無残な光景が広がっているが、アックスフォームはそこにはいなかった。

セルケートレジェンドルガは針尾の姿に戻ると、ようやく正気を取り戻したかのように冷静な表情に変わる。

針尾「・・・・逃げたか?あの攻撃を受けて逃れられるほどの体力があるとは、なかなかだ。やはり楽しませてくれそうだな、天童慧・・・・」



一方。
そこから離れた砂浜にずぶ濡れになったアックスフォームが重くなった体を必死に押して這い上がってきた。慧の姿に戻る。息も荒く、顔色も悪い。受けたダメージは計り知れない。

慧「はー・・・・はー・・・・・ぐぅ・・・・!!」
足がもはや立つことさえままならなくなり、膝をついて倒れこんだ。

その時だった。

「おい、大丈夫か!?」

力強い声と共に抱き上げられる。目をうっすらと開くと、そこにはハーフパンツとTシャツに身を包んだ健康そうな小麦色の肌を持つ長身の女性、ルークであった。

慧「あ・・・・塔子さん?」
塔子とは、ルークが人間体のときに名乗っている名前である。

ルーク「どうしたんだよ、ズタボロじゃねぇか!?誰かにやられたのか!?しっかりしろ!!」
ルークが必死の形相で声をかける。本気で心配しているらしい。

慧「・・・・大丈夫・・・です・・・・ちょっと・・・喧嘩・・・・。負けちゃったけど」
そういって、ルークから離れ、ふらふらと起き上がろうとしたその時だった。

ブチッ・・・・・
バサバサバサバサバサ・・・・ッ!!!!

慧「・・・・え?」
ルーク「・・・・・なっ」

慧とルークがその音に気付いたのは、慧の体を見た時だった。
斬撃のダメージはもはや甲冑だけでは防ぎきれなかったらしい。服の到る所に切り刻まれた跡があり、水で重くなった服の重みによって引きちぎられ、砂浜に落ちた。

均整のとれたプロポーションがあらわになり、下着のみとなっていた。

ルーク「・・・・あらら」
慧の顔が見る見る真っ赤になり、とうとう涙が眼に浮かびあがり、体を両腕で抱きしめるかのようにして座り込むと、もう限界だった。声を大にして叫んだ。

慧「い・・・・いやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

(ちなみに慧の身長は167p、3サイズは86・58・85といった均整のとれているプロポーションである)


しかしその現場にもう一人、実はいたのである。
砂浜のテトラポットに隠れて、桃色のツインテールに縛り上げて、首に大きなゴーグルをかけた小柄な少女が一眼レフのカメラを片手にその一部始終を見ていた。

「はわわ・・・これは・・・これは大事件なのであります」
彼女の名前は鷹月さくら(たかつき・さくら)。
よりにもよって、慧と同じクラスメートであった。



AM9:30 坂の上団地6号棟 201号室(ルークの家)

晶「慧が狙われただとっ!?」
晶のいつになく焦りと驚きが入り混じった声が電話口から飛んできて、ルークはキィーンと耳に響くノイズに顔をしかめる。

ルーク「ああ、今のところは命に別条はない。ビショップの治療もあってか、今は落ち着いて寝ている。しかし、バルキリーをここまで追い詰めたヤツは初めてだぜ。今回ばかりは油断ならねぇ。キング、クイーンにはレジェンドルガの情報を集めてもらっている。この後、ビショップに治療を任せて、ルークとキングでクイーンの情報を頼りにヤツの行方を追ったほうがいいぜ」

晶「そうだな。ビショップに一任しよう。クイーンはいつ連絡すると言っていた?」
ルーク「30分おきにルークたち全員の携帯にメールで連絡するってよ」
晶「上出来だ。よしっ、俺もすぐ向かう」

そういって、電話が切れた。
そこへ、ビショップが心配そうな顔つきでやってくる。

ビショップ「ルーク・・・」
ルーク「ビショップ、バルキリーのこと、頼むぜ。何ていうか・・・あいつも女の子だしよ・・・色々と嫌な思いしただろうし・・・その・・・・・お前ならあいつにもフォロー出来ると思うし」

ルークが言葉を選びながら、心配している様子でビショップに話しかける。
粗野で乱暴な一面が目立つが、こういった人を思いやる心や気配りを忘れない人情家でもあるのだ。まあガサツで粗暴な面が目立つのは自分に正直なだけで決して悪気もないのだが。あと思い込みが激しく感情的になりやすい一面もタマに傷だが。

ビショップ「・・・・ええ」
ルーク「キッチンに野菜スープがある。紅茶とかコーヒーとかビールとかも一通り揃ってるし、グラスは冷やしてある。まあ好きに使ってくれ」
ビショップ「はい」
ルーク「・・・それじゃ、頼む」

ルークが出て行き、ビショップが慧のもとに冷やしておいたタオルを持っていこうと洗面所に向かっていく。布団で苦しそうに寝ている慧を心配そうにビショップが見る。慈悲深い優しさと母性がにじみでているような視線で慧を見ながら彼女はタオルを額に置いた。



PM15:00
児童公園内

まだうだるような暑さが残る夏の午後。ルークはジュースを買って休憩所の中に座り込むと同じように座っていたクイーンに冷えているコーラを投げ渡す。
ジュースの蓋を音をたてて開けて一気に飲み干し、頭が急速に冷えて痛みを感じながらもルークはクイーンの話を聞き入っていた。

クイーン「セルケート・・・・サソリの怪物みたいなレジェンドルガが慧を探しているみたい。おそらく慧の傷の様子からみてそいつの仕業かもしれない」
ルーク「セルケート・・・そいつも確かルークたちの世界をぶっ壊してくれた大バカ野郎の一人だったよな。くそっ、今度はバルキリーに手ェ出しやがったか。マジでシメないと次は何やらかすか分かったもんじゃねぇな」
クイーン「うん。一応わかったのは、そいつが現在この近くから港湾地帯に出没しているってこと。人気のいない所にアジトがある可能性が高い。そこを見つけ出して、戻ってきたところを奇襲を仕掛けよう」
ルーク「街中で戦うには周りの犠牲もありえないわけじゃないしな」
クイーン「そういうこと。それじゃ、もう少し頑張りますか」
ルーク「ああ」

そういって、ルークとクイーンが休憩所を出て行った。
そしてルークの後ろを桃色のツインテールの小柄な少女が身を隠しながら、コソコソと尾行していた。


数十分後。
人気のない裏路地。ふと、ルークが後ろに視線を感じ、立ち止まる。
そして、ドスの聞いた低い声でつぶやく。

ルーク「・・・おい、そろそろいい加減に出てこいや。ルークのイライラはもうリミット限界だぜ。ブチ殺されたくなけりゃ・・・・いや違うな・・・・一秒でも長生きしたけりゃ・・・出てこいやっ!!!」

凶暴な咆哮とともに地面を蹴りだし、気配のする人影の前に飛び上がって地面に降り立ち、その気配の主の頭をわしづかみにして持ち上げて、一気にギリギリ締め上げる。
そのまま頭を握りつぶしてしまわんばかりに。

さくら「あうあうあうあうあうあう〜!!!!痛い痛い痛いのです〜!!!」

泣きそうな甲高い声を聞いて、ルークが思わず目を見開く。そこには涙目でジタバタ暴れている小柄な人間の少女がいた。

ルーク「ゲッ、ガキかよっ!?わ、わりぃ!!!」
ルークが思わず手を放し、優しく地面に着地させる。
よほど痛かったのか万力のような手で締め付けられた頭を痛そうに両手で押えて、目から涙をにじませている小柄な少女を見て、ルークはいつになく慌てふためく。

さくら「あうあうあうあう〜、頭潰れるかと思ったのですぅ・・・」
ルーク「わ、わりぃ、ちょっとイライラしてたからって、本当にゴメンな!!ゴメン!!」

ルークが両手を合わせて頭を下げる。
真剣な表情で謝るルークを見て、さくらも声をかける。

さくら「いえ、さくらもお姉さんが怖そうな人だったからついついスケバンか犯罪者かと思ってつい尾行しちゃったのですぅ。ごめんなさい・・・・」
ルーク「こ、怖そう?スケバン?犯罪者?」

純真無垢な泣き顔で言われたあまりにも邪気のない言葉にルークは一気に打ちのめされる。

ルーク「スケバン・・・・犯罪者顔・・・・怖い・・・・ふふ・・・・うう・・・それで・・・何?ルークに何の用?」

涙をこらえ、震える拳を必死で抑えながらルークがきくと、さくらは思い出したように目を見開き、真剣な表情でルークを見据える。

さくら「あ、ああああああああなた、ててててててて、天童さんのお知り合いなのですか?」
ルーク「慧?ああ、まあ、そんなところだけど?」
さくら「え、えええええええええっと、あ、あれは、何なのですか!?」
ルーク「あれって?」

そう言われると、さくらは左手に何かをもったように構え、それを腰に通すような仕草をとる。

さくら「へ・・・変身!!」
ルーク「!?」
さくら「チェッ・・・チェックメイト!!待ったはなしだ!!これって、あれ、何だったのですか!?」

ルークはようやく事態を理解し、頭に稲光が落ちたような衝撃を感じた。
そう、慧は変身しているところを、さくらに一部始終見られてしまっていたのだ。
どこまで不幸なんだよ・・・と頭を抱えそうになりながら、ルークはしどろもどろになって答える。

ルーク「ええっと・・・その・・・・」
さくら「夢とか見間違いなんて言い訳は聞かないのです!!誰がなんて言おうと、自分が見たら、それが現実なのです!!その証拠に!!しっかりと写真も撮ってあるのです!!」
ルーク「写真!?」

またまた仰天した。見ると首から下げているのは一眼レフのカメラだった。
これで一部始終撮られたとでもいうのか。
ますます頭が痛くなってくる。

ルーク「あ・・・あのよぅ・・・・」
さくら「あれ何なのですか!?どうやってやったのですか!?」
ルーク「えーと・・・その・・・・あの・・・・」

もうチェックメイト・フォーのルークも叶わないほどの純真無垢な少女の次から次へと繰り出される質問に辟易していた。

しかし、もう限界だった。
そして、ルークがつい大声を出してしまった。

ルーク「だーっ!!!!あのなぁ、ルークは何も知らねぇ!!本人に直接聞けばいいだろうが!!!」
それを言われ、しばし考え込んだようにすると、さくらは「そうか!」と納得したようにうなづいて、ルークに向き合った。

さくら「そのとおりなのです!!怖いお姉さん、失礼したのです。あたし、失礼するのです!!天童さんに真相を突き止めに行ってくるのです!!」

そういって、止める間もなく猛然と走り去ってしまった。
しばし呆然とその後ろ姿を見送るルークだったが、自分で言った言葉の意味を振り返り、見る見るその顔が蒼くなっていく。

ルーク「・・・・ヤバい。ヤバすぎる。ルーク、何も考えないで言っちゃったけど、よく考えりゃそれってバルキリーの危険度が増しただけじゃねぇか!!!だあああああああああああああああああああああああああああ!!!こんなのキングにバレたら・・・殺される!!!」

晶「・・・・やってくれたな、このバカ」
後ろから冷たい一言が飛んでくる。しかしさらに感じるのはそれだけではない。
夏の暑さが一転して極寒の絶対零度を下回る苛烈な冷たさを感じさせ、全身の鳥肌が立つような怒りに満ちている低い声色。
恐る恐る振り返るとキング・・・晶の肩が小刻みに震えている。心なしか外気温が下がったような。そして、なんだ、大気が、鳴動している?

ルーク「!」
ゆっくりと面をあげた晶の顔は笑顔だったが、かんばせには、この世のものとは思えない憤怒のあかしともいえる血管が浮き上がっていた。そして容赦なく叩きつけられる負のオーラ。これは、紛れも無く、殺意ッ……!

晶「・・・・殺すぞ?」
ルーク「ご、ご、ごめんなしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい!!!」
晶「死ね、バカ」

ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!

そして、その日、雲ひとつないはずの晴天に青い稲光が一閃落ち、凄まじい轟音と雷が落ちた時のあまりの衝撃に市民が驚き慌てふためいたという。

黒こげになったルークを容赦なく首根っこをつかんで引きずっている状態で、晶は憤然と歩きながら、さくらの一部始終の行動にどうしたものかと頭を悩ませていた。

晶「・・・ふう・・・・どうしよう。まあ、慧やこいつら以外の人間の命なんてゴミかクズみたいなものだから別に処刑するっていうのもありだけど、そうなるとますます事態がややこしくなるからなぁ」

無垢な表情のまま、恐ろしく冷酷な響きのある言葉を口にする。
しかしその眼には目に映る慧以外の「その他大勢」に対する命に敬意の兆しはなく、むしろ見下すかのように蔑視している、彼の歪んだ狂気が見え隠れしていた。

日に日に強くなってきている彼の本質ともとれる「純粋無垢なまでの狂気」が。



さくら「天童慧さん・・・・あれは・・・ここ最近この町で起こっている事件に何か関係しているのです!あたし、新聞部のエースとして今回の事件必ず挙げて見せるのですぅ!!エイエイオー!!なのです!!」

そういって、ガッツポーズを構えるさくらの後ろから何か光る玉が飛び込み、それがやがて砂となって噴出される。

さくら「な、何なのですかっ、この砂は〜!?」

慌てふためく彼女の前に砂が盛り上がり、見る見るその姿を「クジャクの舞」のクジャクからイメージされて生まれた「ピーコックイマジンたん」が姿を現した!!

さくら「あうあうあうあうあうあう〜!!!!かかかかかかかか・・・怪物なのです〜!!!!」
ピーコックイマジンたん「・・・・お前の願い・・・・聞き届けた」



その日の夜。
静まり返った港湾地帯には船の警笛しか聞こえてこない。暗がりの船着き場に、ルーベットが憑依し、赤いメッシュが入りポニーテールに髪を縛り上げた慧がやってきた。

R慧「このあたりから先ほどのレジェンドルガの匂いが致しましたぞ」
慧(つまりこの辺りにいたってことだよね)
いつになく真摯な顔つきで慧がうなづく。
その真剣なまなざしには幾分か緊張も見え隠れしていた。

手も足も出なかった。あのレジェンドルガはこれまでの敵とは比べ物にならないまでに強い。今のままの状態では勝ち目はないが、敵の潜伏先、もしくは目的が何なのかを探らない限り、足踏みの状態では相手が何をやるか分からないため、パトロールで町中を歩き回っていたのであった。

一方Vライナーのラウンジでは作戦会議室と化しており、慧の様子をうかがいながら今後の展開を考えるべく、作戦会議をしていた。

サファイア「まさかトパーズが手も足も出ないなんて・・相当ヤバいね」
琥珀「あいつの剣術、まったくと言っていいほど隙がない。何か倒すための秘訣でもあればなぁ」
アメジスト「特異点を狙っているのは間違いなさそうですね。何でだかは・・・知りたくないけど」

そんな中、エメラルドだけが会話に入らず、一人せっせと作業机で様々な部品を組み合わせたり、はんだごてで取り付けたりしていた。
そんな彼女の様子は真剣そのもので声をかけてはいけないような雰囲気に包まれている。

琥珀「・・・エメラルド、何作っているんだ?」
アメジスト「数日前から作っていたとかいうパワーアップアイテムの完成を早めているようです」
トパーズ「パワーアップアイテム・・・だと?」
サファイア「バルキリーの戦力強化に向けて、新しい発明を思いついたらしいよ。こんな事態になったから、急いで完成させようと必死になってるみたい」

エメラルドが図面を見ながら部品をいろいろと本体に取り付けている。
それは一見カメラのようにも見えるが、その性能や何を目的として作られているのかは全く分からない。

エメラルド「もうすぐ完成だ。お姉ちゃん・・・ムチャしないでね」


その時だった。

R慧「・・・?あれは・・・何だ!?」

慧が気づいた時には、目の前に凄まじい速さで飛んできた無数の火の玉!!!
慧が横に跳んでかわすと、次の瞬間、衝撃波が慧を枯葉の如く吹き飛ばした。うまく着地すると、目の前にはピーコックイマジンたんが立っていた。左腕に装着されている羽が炎に包まれている。どうやらここから発射されたらしい。

R慧「飛び道具には飛び道具だ!!」
サファイア「了解!!」

R慧「変身!!」

そう言って青いボタンを押して、パスを通すと、電子音が鳴りだす。

「Gun Form」

慧にサファイアが憑依し、みるみるその姿を青い鎧と美しいフォルムの白鳥の電仮面を装着したバルキリー・ガンフォームが登場する。

Gバルキリー「ふう、ずいぶんと派手なアプローチかけてくれるねぇ。それに応えてあげるがいいオンナの勤め。とびっきり熱い一撃をお見舞いしてあげるわ!!」
ピーコックイマジンたん「・・・・来い」
Gバルキリー「君のハートに・・ロックオン!!ばぁん!!」

そういうなり、Vガッシャー・ガンモードで飛んでくる火の玉を全部弾で打ち消すと、素早い動きで敵の急所めがけて次々と銃弾を乱射する。

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン!!!


銃弾と火の玉が激しくぶつかり合い、爆音と火花を激しく散らしていく。

Gバルキリー「わぁお、久々に楽しいプレイになりそうね!!」
ピーコックイマジンたん「ふん・・・・ならこれでどうだ」

そう言って、ピーコックイマジンたんがカーソルのようなイメージを発するとそれをガンフォームに照準を合わせるように発射した。すると、それがそのままガンフォームの両腕、心臓、腹部の急所ともいえる場所にそのまま的のような形となって浮き上がってきた!!

Gバルキリー「ゲッ、何これ!?センス悪いなぁ」
ピーコックイマジンたん「こういうことだ」

そして、ピーコックイマジンたんが火に包まれた羽手裏剣を飛ばしてくる。それを横に跳んで交わすが、羽手裏剣はその直後、Uターンを描いてガンフォーム目指して再び向かってきた!!

Gバルキリー「嘘っ!?」
ピーコックイマジンたん「お前がロックオンされるほうだ。あたしの銃撃の的になれ」

そして、無数の銃撃を発射し羽手裏剣がいくつも爆発し、空中で炎が噴きあがる。しかし炎の中をかき分けるようにして3本の羽手裏剣が飛び出し、ガンフォームのボディをかすめて、爆発を起こす!!爆発に吹き飛ばされ、ガンフォームが地面に転がる。

Gバルキリー「・・・これ、メッチャヤバいでしょ」
そして立ち上がろうとしたその時だった。

カシャカシャカシャカシャッ!!!

フラッシュの光とともにシャッター音が響き渡った。
驚いてガンフォームが振り返ると、そこには・・カメラを構えて一心不乱に写真を撮っている一人の少女の姿があった。

慧(さくらちゃん!?)

慧が驚きの声を上げる。そこには自分がよく知っているクラスメートの姿があったのだ。
しかし、驚いている間もなく、ピーコックイマジンたんは無数の羽手裏剣を発射して、ガンフォームを追い立てる!!

Gバルキリー「まずいねっ!まさか変身しているところも撮られたみたいな?」

トパーズ(しかし、何でこんなところにいるのだ!?)
琥珀(今はそんなこと言ってる場合じゃねぇ!!アメジスト、お前の術であいつの眼を眩ませられるか!?今はあの子を非難させないと!!)
アメジスト(分かりました!!サファイア、代わってください)

Gバルキリー「了解!!」

紫色のボタンを押して、ハープが奏でるような美しい音色が響き、パスを通す。

「phantom form」

彼女の全身を紫色の光が取り囲み、みるみるその姿を竜を模したような紫色と銀色の甲冑が装着し、右腕に竜の頭部を模したカタールが装着され、頭部に紫色の竜の電仮面が装着される。

Pバルキリー「貴方・・・・私の闇(くろ)に染まってみる?」

そういって、無数のカードを取り出すと、それがまるでカードの吹雪のようにピーコックイマジンたんの視界を真白に染め上げる。

ピーコックイマジンたん「むう・・・・」

その直後だった。
カードが一気に爆発し、ピーコックイマジンたんを炎で飲み込んだ。
そして、その間にさくらを非難させようとさくらのそばに向かう。しかし駆け寄ってくるファントムフォームの姿を見て、さくらは驚いたように身をすくめると、回れ右をしてすたこらさっさと走り出した。

Pバルキリー「こ、こら!勝手に飛び出したら危険ですから!!」
さくら「はうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう〜っ!!!!!」
Pバルキリー「・・・・あっちゃあ、完全にパニくっちゃってる」

ファントムフォームがさくらを追いかけようと走り出した瞬間、無数の火に包まれた羽手裏剣が飛び出し、ファントムフォームをとらえる。ファントムフォームが気づいて、飛びのいてかわすと、そこにはピーコックイマジンたんが悠然と立っていた。

ピーコックイマジンたん「逃がさん・・・」
Pバルキリー「・・・全く、厄介なことになりましたわね」

ファントムフォームが憎々しげに毒を吐くと、ハルバートを構えてピーコックイマジンたんに向かって駆け出し、斧の刃を一気に振り下ろす!!しかしそれをピーコックイマジンたんが鉄扇で防ぐと、それを持ったまま回転して、ファントムフォームを薙ぎ払い、剣撃による高い音が鳴り響く!!



工場内
あわてて駆け込んできたさくら。息も荒く、ようやく床に座り込んだそのときだった。
そこへ後ろから誰かが肩に手をかけた。
さくらがビクッっとふるえて再び飛び出そうとするが、素早く腕をまわされて羽交い締めにされる!そこには、青いロングヘア、きりっとした怜悧な顔立ちと冷たい光を帯びている切れ長の瞳が特徴的の美女と栗色の髪をポニーテールに縛り上げ、小柄な体躯だが豊満な胸など出ているところは出ている少女が立っていた。
さくらは二人が放つ独特の雰囲気に恐怖を感じた。それは本能的な恐怖であり危険警報である。

針尾「貴様・・・・某とバルキリーとの戦いの場にもいたな。そのカメラで何を撮るつもりだぁ?」
智「ありゃりゃ、これはまずいね。下手に行動されて今後の活動の邪魔になっちゃったらあかんよね。・・・・ふふっ、さあて、ちょっとカメラに何を撮ったか見てみたいなって感じ?」

そういって、怯えるさくらから無理やりカメラを奪い取ろうとするが、さくらは激しく抵抗する。しかし針尾の拘束力はかなりの力でジタバタともがくだけになってしまう。

その時だった。

「待ちな!!」

工場の奥から声が聞こえてきた。
見るとそこには灯台の光を受けて、一人の長身の女性が浮かび上がっていた。
そしてゆっくりと歩き出し、その姿を明らかにさせていく。
ルークだった。
ルークはジャケットを脱ぎ捨て、腕をボキボキ鳴らしながら戦士としての凶暴かつ勇猛な力強い視線で針尾と智を睨みつけ歩いてくる。

さくら「お・・・お姉さん・・・」
ルーク「何寄ってたかって女の子襲っているんだ・・・レジェンドルガともあろうものがよぉ」

智「チェックメイト・フォーのルークか」
針尾「ふん、バカがわざわざ死ににきたか」

ルーク「その子から手ェ放せ」

(あー、ガラにもねぇこと言ってるよ。テメェでも言ってて引くかもな)

ベルトを装着し、I-podをバックルに差し込むと、紫色の光を解き放ちだす。

ルーク「・・・・ルークがキレちまったら、もう止められねぇからよぉ」
針尾「・・・ふん。愚かな駄犬風情がほざくな」
智「セルケート、任せるよ。あたし肉体労働嫌いだし」

ルーク「無駄口はいらねぇ。その子放せ・・・今すぐにな」
針尾「フン、死人に何も与えてやるつもりなどないな」
ルーク「そうかい。じゃあ、無理矢理でも取り戻させてもらうぜ」

(キングにも無視して出てきちまったしな。でも、今回ばかりはキングの命令であってもそれを飲み込みきれないんだ。納得できないんだ。だったら、まずはルークが思った通りのことを行動してから、それから困ったり悩んだりすればいい)

ルーク「さくら・・だっけ?よく見ておきな。あんたが何でバルキリーとかに首を突っ込みたいのか分らないけど・・・これは・・・そう簡単に首突っ込んじゃいけないものなんだ。特にあんたみたいに・・・未来を持っていてほしい人間にはな」

(そうさ。誰にも奪わせはしない。奪っちゃいけない。こいつの未来を奪う権利なんて、夢を奪う権利なんて例えキングであろうともありはしねぇ)
ルーク「変身!!」

「complete」

全身に重厚な紫色のカメを模したアーマーを装備し、仮面を装着させると、手には紫色の亀の甲羅を模した柄の先に巨大な鉄槌が埋め込まれたバトルハンマー・ルークハンマーを構えたルークフォームに変身する。そして、ルークハンマーを振り上げて飛び上がると、地面に思い切りたたきつける!!

凄まじい重量に地面が震え、砂ぼこりが舞い上がり、視界が何も見えなくなる。

針尾「ゴホッ・・・ゴホッ・・・・」
智「嫌―!!目が!!鼻が!!」

その間、さくらが針尾の拘束がほどけ、腕の間をすり抜けると、カメラを取り返す。そして、後ろからルークフォームに持ち上げられると、そのままルークフォームが一目散に逃げ出す!!

さくら「お・・・お姉ちゃん」
Rワイバーン「しっかりつかまってろ!!」

そういって、重厚な姿からは想像もつかない速さでルークフォームが逃げ出した。

Rワイバーン「うう・・・・これでルーク、処刑決定だ・・」



そのころ。
キング・・・晶は怒りでふるふると全身を震わせながら怒りでゆがんだ表情で口元をひきつった笑みを浮かべる。

晶「・・・あのバカ・・・・障害は排除しろっていう命令分かってないの?というよりも、俺の意見を聞かないなんていつものことだとかでいつまでも納得できると思ってないよね?」

その様子にビショップもクイーンも計り知れない怒りに震えあがっている。
キング・・晶の怒りは冷たいまでに苛烈な炎のように噴き上がっていた。

ビショップ「・・あ・・・あの・・・キング」

晶「・・・ビショップ、クイーン、ルークを探し出せ。俺はイマジンやレジェンドルガ側から攻める。どんな手段を使ってもかまわない。絶対見つけ出せ!!!」

怒りに満ちた声でキングから命令が下され、ビショップとクイーンが最悪の未来を予想せざるをえず、顔色が真っ青になる。

クイーン「き・・・キング・・・・・まさかバカなこと考えてないよね?」
晶「どうだろうね。ただ今回ばかりはもう許せない。あのバカの暴走にもケジメとらせないとね・・・!!」
ビショップ「キ・・・キング・・・・」

背を向けて宣告される言葉が「処刑宣告」のようにも聞こえ、二人は圧倒的な恐怖にただただかられるばかりであった・・・。

続く
2009年08月24日(月) 09時21分37秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんにちは!!
最近仕事が忙しい上に夏バテでなかなか筆が進まない鴎です・・・。
遅くなりましたが、新作上がりましたので投稿いたします!!
そして今回の話でありましたが、近々、エメラルドの新しい発明による新フォームを生み出すことを決定たしました!!
次回以降で明らかにしていきますので、よろしくお願いたします!!

後日改めて設定資料更新します!!

>烈様
いつも温かいご声援ありがとうございます!!
>二人目の常識人が表れたような気がします……。
実はそうなんですが、彼女の場合「甘えん坊」「ツンデレ」といった今までにない「慧に恋愛感情を抱いていない」といった至って淡白でクールな姿勢を崩さないキャラを書きたく思い、入れてみました。しかし、姉貴分であり憧れである「琥珀」には二人きりの時ベタベタ甘えまくるし、琥珀の言うことにはどんなことでも従う甲斐甲斐しい一面もあります。

>彼女;…とりあえず、琥珀さん。ファイト!!(サムズアップ!)
琥珀「ありがとうございます、烈さん。これからも怪我や病気に負けずに頑張っていきます!!この状態でも家事やらないとあいつら家事能力全滅に近いので・・・トホホ」

>何といいますか、このままいくと彼は近いうちに自分の心の内に抱える“狂気”という怪物に食われてしまうような気がしてきます・

本来の彼は心優しく思いやりがあるのですが、彼がかつて味わってしまった「世界の崩壊」をきっかけに、自分が大切なものを守り切れなかったという重責から自分を責め、その償いを果たすために彼は「守る」ために「非情」に徹し、そのプレッシャーとストレスは精神的に不安定な状況を生み出してしまっており、今の彼は完全に心が病んでいる状態となっているのです。それが「狂気」の引き金となっており、自滅の傾向が強まってきています。

>何で彼女は酒癖が悪いのですか?…そして、今回の話が終わった後、彼女は最終的にどうなったのですか?晶君の態度とか彼女の処遇などが気になってきます。

ビショップはチェックメイト・フォー唯一の常識人といっても過言ではない存在です。
キングは精神的に不安定で二面性どころか二重人格になりつつあるし、クイーンは骨の髄までアニメやゲームなどにハマっているオタクでマイペースで自由奔放で浪費家、ルークに至っては体力だけに身を任せて考えもなしに行動したりするから、そういったことによるトラブルの解決はすべてビショップが引き受ける羽目になっていたのです。
そのため、抱えているストレスや疲労はハンパではなく、酒を飲むと気分が高揚してついつい堪りにたまったものが爆発してしまうのです。

そして・・その後、ビショップはというと。
クイーン「イマジンも倒したことだし、今回のことは何とかあたしが誤魔化しておいてあげる〜♪その代り、今度の週末、あたしの店で“夏の天使降臨!!太陽のような眩しい笑顔とトロピカルスイーツ&スパイシーカレーフェア”やるから、ビショップ、金髪&巨乳&メガネな上にこの踊り子のような服着て手伝ってね」

クイーンは電気街で一番人気のあるメイド喫茶&レストラン「コロネット」の店長を務めてます。

ビショップ「うう・・・ビショップともあろうが、なぜこのような露出の多い服装でカレーやトロピカルフルーツ配らなきゃならないのでしょうか・・・」

そうこうで、1ヶ月こき使われることに決定されたそうです。

次回もよろしくお願いいたします!!

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ZOyzsL Thanks again for the post.Really looking forward to read more. Will read on... 30 click ■2012-08-07 05:57:47 91.201.64.7
uPtRCP Very good article post.Really looking forward to read more. Will read on... -20 Web Directory ■2012-07-14 06:54:43 192.162.19.21
……すみません。評価点を間違えてしまいました…。本当に申し訳ありません……m(_ _)m 30 ■2009-08-25 18:42:15 i121-118-211-152.s10.a044.ap.plala.or.jp
……今回の話は、なんと言いますか…、前にもましてバイオレンスな感じが出ているような気がしてきます。晶ことキングの“狂気”がかもし出されている言動や“セルケートレジェンドルガ”の慧ちゃんに対する凄まじいまでの“狂気じみた殺意”など、初めて“カオスゲート”と呼ばれるものが出てきた話以上にバイオレンスな感じが出ていました……。
それに加えて、今回も今回で慧ちゃんの不幸ぶりがよく目立っていら気がします…; ……自転車を壊されるわ、着ていた服はズタズタにされるわ、おまけに変身するところなどをクラスメイトで新聞部のエースという女の子に撮られるわと本当についていない目に遭う事が多い娘だなとしみじみ思いました。

……それはそうと晶君に対して、一言言わせていただきますが、例え自分に使える者でも命令されたことが優先されることだろうと、そのことが本当に正しいかどうかを決めるのはそれを行う本人であり、決して命令を出した者が完全にそれを絶対に行えと言っても絶対に従うべきものではないと私は思う。君の場合は自分やその仲間や慧ちゃん達以外の人間などを内心“クズ”扱いをしているけど、そうやっていると本当に誰も己の傍にいなくなってしまう気がしてきます。“キング”という立場や本来住んでいた“世界”を護りきれなかった事が君の“重責”となっているのならば、まずはそのことを改めて再確認をし、自分の周囲の人間関係などを改めて考えていくことが大切だと私は思います。そして、己の“狂気”をどうにかしていかないと、君は大切な人(慧)のことすらも傷つけ、失ってしまうことになるだろう……ということを断言しよう…。

後、何ゆえに“セルケート”は慧ちゃんを狙っているのですか?彼女はいったい何が目的で彼女を殺そうとするのですか?そのことなどが気になってきます。

近々、エメラルドの発明品により『バルキリー』がパワーアップするようですけど、いったいどのような新フォームが生まれるかが楽しみです。次回の更新を楽しみにしています。

P.S.:すみませんが、【作者からのメッセージ】のところですけど、ここの

“エメラルドの新しい発明による新フォームを生み出すことを決定たしました!!”

とありますが、ここは

“エメラルドの新しい発明による新フォームを生み出すことを決定しました!!”

というのが正しいと思います。

それでは以上のことを投稿させていただきます。
10 ■2009-08-25 18:18:29 i121-118-211-152.s10.a044.ap.plala.or.jp
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