仮面ライダーバルキリーたん 第25話「The Freeshooter」
第25話「The Freeshooter」

AM11:35 レーザー工学研究所 決闘の間

ベルフェゴール「行きます!!」
Gバルキリー「くっ!」

ガンフォームが銃を構えると同時にベルフェゴールレジェンドルガが左手に装備している大型アーチェリーからまぶしい光を放つとそれを矢のように細く練り上げて発射する。
光の矢はまぶしい光を放ちながら、ガンフォーム目掛けて6発打ち込まれる!!しかしそれをガンフォームが走って避ける。
避けながら銃を発射するが、相手は空を飛んでおり、銃弾は思ったよりも命中しない。
そして、ベルフェゴールレジェンドルガは手と手を合わせて光の玉を作り出すと、それを下にいるガンフォーム目掛けて放った!!
超高圧電流を帯びている光の玉はガンフォームが避けた後の地面に着弾し、「バチィン!!」という音とともに地面を高熱で焼き焦がす。

Gバルキリー「ありゃ食らったらひとたまりもないね」
ベルフェゴール「えええええええい!!」

弓矢を構えなおすと光の矢が発射される。
それをすばやくかわして、銃を構えなおす。
銃を撃って応戦するがベルフェゴールは雲がかかった空へと飛びまわっており、視界が悪く狙いが定まらない。
これがベルフェゴールの作戦であった。

ベルフェゴール「雲の中にいれば相手はどこにいるか分からず、疲労と苛立ちが募るたびにスキが多くなる。でもベルフェは・・・たとえどんな暗闇でも・・・・どんなに視界が悪くても・・・射撃はね・・・一度も獲物を逃がしたことないの!!行きます!!」

そして、ガンフォームが構えなおしたその時だった。

トパーズ「!?サファイア、危ない!!右だ!!」
Gバルキリー「ふえっ!?」

何といつの間にか右側には迫り来る光の矢!!
ガンフォームはすばやく飛びのくが、いつ発射されたのか、どこから発射されたのかまるで見当がつかなかった。
しかし容赦なく光の矢は天空からまるで雨のように降り注ぎ、ガンフォームを追い詰めていく。さらに足場の広さも限られているため、端へ端へと追い詰められていく。

ベルフェゴール「くすくすくす・・・・こぉんな頭悪いおバカさん、生きてたって何のためにもならないの・・・死んじゃったほうがその子のためになるかもしれないの・・くすくすくす・・・」

慧「・・・・何だって?」

一瞬慧の視線が険しいものに変わった。
しかしすぐさま光の雨が降り注いで襲い掛かってくる!

Gバルキリー「しゃ、シャレにならないって!!」
ベルフェゴール「死んじゃええええええええええええええええ!!」

そういうなり雲から飛び出し、鋭いカギ爪のついた足で押さえつけるとそのまま持ち上げて一気に地面にたたきつける!!地面に叩きつけられ、ガンフォームが激痛に耐えるように歯を食いしばって立ち上がろうとよろめく。

ベルフェゴール「おしまいですっ!!!」

しかし、そこへ上空から降り注ぐ無数の光の矢がガンフォームを容赦なく痛めつける!!

Gバルキリー「うわああああああああああああああああああああ!!」

ガンフォームのアーマーがところどころで火花が大きく噴出し、胸元のアーマーが派手な火花を上げると、青い光が離れ、慧の姿に戻ってしまう。

そして、列車内にはボロボロになったサファイアが息も荒く床に転がり落ちてくる。
エメラルド「サファイア!!」
ルーベット「こ、これはまずいですぞ!!」
トパーズ「くっ、予想外だった。こいつ、とんでもなく強いぞ!!」
サファイア「かはっ・・・・・・あああ・・・・・」
アメジスト「いったん撤退ですわ!!」

そして、アメジストが憑依した慧が紫色の瞳とメッシュを編みこんだ姿に変わると、トランプを無数取り出し、空中に向かってバラまいた。

ベルフェゴール「!?」

カードで視界がさえぎられ、目を閉じるが、すぐさま視界が開け、目を開けるとそこには誰もいなかった。どうやら逃げられたらしい。

ベルフェゴール「・・・まだ遠くには行っていないはずですよね。でも、一旦皆にお任せしてベルフェはレーザー兵器の見張りに戻ったほうがいいよね・・・目的は殲滅じゃなくて、あくまで妨害なんだから・・・それにあれだけの怪我ならまともには動けないよね」

あくまで慎重に慎重を重ねた緻密で冷静な分析を行うとベルフェゴールは人間の少女の姿に戻り、城内へと戻っていった。



一方。
城内にある排気塔の小屋に隠れこんでいた慧は壁にもたれながら撃たれた肩や、駆使しすぎた足腰の悲鳴を上げるかのような激痛に苦悶の表情を浮かべて苦しんでいた。

慧「・・・サファイアさん・・・大丈夫?」
ルーベット「かなり重症ですな」
トパーズ「こいつだって射撃に関しては私たちの中では一番なのに・・・」
サファイア「ごめん・・・今回ばかりはエロ抜きでやるべきだった」
エメラルド「・・・サファイア」
琥珀「シャレにならねぇ。どうするんだ?レーザー兵器だけかっぱらってさっさと逃げるか?」
アメジスト「命と引き換えにするとしては、いくつあっても足りませんわ」

そう、それが利口な判断なのかもしれない。
でも、私は違う。
今までの何かに流されている自分とは違う感情が胸の中で燃え上がってしまった。
不幸な目に遭うなんて分かりきっているのに。
もっとひどい目にあうかもしれないけど。

私の中で今ここで逃げたら・・・守れないものがある。
それを放っておいたままには出来ない。

慧「・・・・行こう」

慧が口元の血を拭い、ゆっくりと起き上がる。

そのいつもと違う慧の様子に全員が驚く。

ルーベット「ま、まさか、あいつとまた戦うつもりか!?」
トパーズ「無茶だろう!!」
エメラルド「お姉ちゃん、ムキにならないでよ!!」

慧「・・・ムキになんてなってない。しっかり考えてから決めたことよ。あいつは・・・許せないことをした。だから、私、あいつと戦ってあいつに新しい事実を刻んでやらないと気がすまない」

琥珀「許せないこと・・・?」

慧「あいつはサファイアさんをバカにした。私のために命を懸けてくれて、ついてきてくれて、戦いに正面から堂々と挑んでいくサファイアさんをバカにした」

そう、それだけは譲れない。
私のために命を懸けてくれる大切な仲間。
確かにスケベでバカでいつも皆を困らせているけど、私なんかにいつまでもついてきてくれて、今もこうして戦ってきてくれてきた大切な仲間。

慧「戦うには理由が要るっていうなら・・・・サファイアさんは私の大切な仲間なんだ」
サファイア「・・・慧?」

慧「私は大好きなんだ、サファイアさんは何だかんだ言ってバカばっかりだけど、私は大好きだ。そんな人をバカにされて・・・黙ってられるか・・・尻尾巻いて逃げられるか!!あいつに教えてやる!!サファイアさんが私にとって大切な仲間だって事をな!!」


力強く言い切った。その瞳には怒りとともに真剣な思いが宿っていた。
慧の本気モードの証だ。
こうなったら慧はもはや誰にも止められない熱血バカとなる。
しかしそのたびに奇跡を起こしてきたのだ。


慧「大事な仲間をバカにされてすごくムカついた。戦う理由なんてそれでいい!!」

サファイア「・・・・!!」


言い切った。
潔く言い切り、決意の表情を浮かべて慧が言い切った。

ルーベット「・・・・本当ここ一番で慧殿は・・・輝きますな!!」
トパーズ「これだ・・・この熱血ぶり・・・一番慧に似合っている顔だ。不幸だ不幸だなどと嘆いているよりもずっといい」
エメラルド「・・・まあ、こうなったらとことん付き合いますか」
琥珀「リベンジ上等ってな」
アメジスト「熱くなるのはいいけど、対策はどうするの?何もなしでいくとしては、相手は強いわよ?」
慧「エメラルド!イカロスショットって、動画記録も出来るってこの間言っていたよね?」

そうなのだ。
エメラルドの開発したイカロスショットはただの変身用ツールではない。
敵の弱点や行動パターンを読むために常に自動録画できるカメラ機能を搭載しており、それを操作することで再生することも出来るのだ。

エメラルド「まあそりゃそうだけど、あれにはあいつ、雲の中にいたからあまり映ってないよ?」
慧「そうじゃなくても相手の攻撃パターンとかそれだけでも読めればいいよ」
ルーベット「作戦会議ですな」
慧「それと、琥珀さんとアメジストにはちょっと頼まれてほしいんだけど」
琥珀「あたしたちが名指しってことは・・・」
アメジスト「レーザー装置の回収及び、城内の脱出経路の確保ね?」
慧「うん、いくらなんでも相手側だって絶対的な勝利を確信するほど自惚れてないはず。必ずどこかに、万が一のことを考えてレーザー装置や脱出経路とか保管してあるはず。そこを見つけてほしいの」
琥珀「今回はバトルはルーベットたちに花を譲るか」
アメジスト「任せておいて」

そういって、2体が実体化して飛び出していった。


そして慧がイカロスショットを開いて先ほどの戦いをもう一度再生ボタンを押して見始める。画面に食い入るようにしてみている。

サファイア(・・・・・慧)


数十分後。
慧がある場面を何度も何度も見返す。
それは最初のいきなり現れたレーザーで襲撃されたときの画像だ。

慧「・・・・」
エメラルド「そういえばさ、このレーザー、いつ、どこで発射されたんだろうね」
ルーベット「思えば、あれからサファイア殿の動きに乱れが生じたのですな」
慧「・・・・そうか、そうだったんだ」

映像を何度も何度も見直してみて、これまで分からなかった相手の戦略、そして対策方法が脳裏にクリアなイメージが映像として浮かび上がる。

慧「・・・もしかしたら、勝てるかもしれない。一か八かの賭けになるかもしれないけど」
エメラルド「・・・運が悪かったらどうなるの」
慧「100%死ぬね」
ルーベット「そんなご無体な・・・」
慧「でも、これなら勝てる。うん、これでいってみよう!!」

数分後、琥珀とアメジストが戻ってきた。琥珀の手にはなにやら光輝く光の玉が入っているカプセルが握られている。これこそがレーザー兵器のメイン動力となるカプセルなのだ。

琥珀「慧の予想通りだったぜ。地下の格納庫の中にあった」
アメジスト「脱出経路も確保いたしましたわ。でも、私たちの場合ごちゃ混ぜフォームで空を飛べば脱出は可能、つまり、そこを使うのは敵のみってことで・・・ちょっと面白い仕掛けをしてきましたわ」
琥珀「・・・悪趣味だけどな。まあ、あいつらに仕返しするには十分だろう」
慧「何をやったんですか?」
琥珀「こいつ、脱出経路の至る所に時限爆弾仕掛けまくってな、相手が脱出しそうになったときこれ使って絶望のどん底に叩き落すつもりだって」
アメジスト「ふん、あんなお子様にナメられてヘラヘラしていられるほど、出来てないので」
琥珀「何だ、結局お前もブチ切れてたわけか」
慧「お前もって・・」
アメジスト「琥珀こそ、サファイアがバカにされたこと、相当ご立腹じゃなくて?敵相手に相当冷酷というか、容赦なく倒しまくりだし、特異点が聞いたら泣きだすような発言かましまくってましたわよ」
ルーベット「聞いたら・・・泣く?」
アメジスト「琥珀がSに目覚めたとかだの、怖くて怖くて失禁するんじゃないかっていうくらいの罵詈雑言の嵐、聞いているこっちも冷たい殺気に震え上がりましたしね」

どれだけ恐ろしいまでに怒っていたのだろうか?
聞こうにも聞けない。

琥珀「それで?慧のその顔からすると・・・対策ありってわけか」
慧「うん。クライマックスフォームで私が行くことにしたの」
ルーベット「なるほど・・・」
トパーズ「一か八かというか、もはや正面衝突必至だがな」
琥珀「マジかよ・・・」
慧「うん、マジ。今回ばかりは命張っていくんで・・・そこんとこヨロシク」

そしてイカロスショットをバックルに差込、装てんする。

その時だ。
サファイアが寝かされているベットで、弱弱しい声でつぶやく。

サファイア「・・・・慧・・・皆・・・・」

そして、言った。
いつになく、弱弱しい表情で。いつになくしおれている様子で。
今まであった自信が粉々にされたからか、いつもの余裕とか自信は感じられなかった。

サファイア「ごめ」
慧「言わなくていい」

慧が優しく笑みを浮かべてサファイアをなだめるように言う。
その言葉の一つ一つがとても温かく、不器用でどこかくすぐったい。

慧「全部終わったら・・・また皆でバカやろうよ。いつもみたいにさ」

慧「私たちがいつも笑っているとき、サファイアさんが笑わせていてくれてただろ?また面白い笑い話聞かせてよ。私ね、いつもふざけているけど、いつも皆のことを人一倍考えてくれていて、世話を焼いてくれるサファイアさん、好きだよ?なのに、そんな弱気な表情じゃ調子出ないよ。いつもみたいに強気なままで見送ってよ」

ルーベット「お前がそんなに凹んでいたらこっちまで調子狂う」
トパーズ「慧を信じろ」
エメラルド「あんなチビスケ、本気モードでフルボッコにして、世間の厳しさってもん、教えてやんよ」
琥珀「大丈夫だ。これまでどんだけ奇跡起こしてきたと思っているんだ?あたしたちが契約した天童慧はよ」
アメジスト「・・・・もし慧が負けたら全員お陀仏ですわ。もはや貴方だけの問題ではなくてよ」

皆の力強い言葉が胸中に温かく響きあう。
これがこれまでの戦いを得て、手に入れてきた信頼というものなのか。

慧「・・・行くよ。変身」

「Lance Ax Gun Sword Assassin Phantom・・・Climax Form」

するとバックルの6つの宝石がいっせいに光だし、中から6体のイマジンが全員いっせいに飛び出し、一度に慧の体の中に憑依した!!!

Cバルキリー「いくよ・・・・ええい!!」

青い翼を広げて一気に飛び上がる。そして、敵が待ち受けているであろう、先ほどの決闘の間に一気に急上昇し着地する。


一方。
部下からその様子を聞いて、驚いているのはベルフェゴールレジェンドルガであった。
先ほど倒したはずの彼女が再び挑んできたのだから。
しかも自分が管理していたレーザー装置を奪い取られたという。
怒りと驚きで狼狽し、ギリリと歯軋りし、ベルフェゴールレジェンドルガがモニターに映っているクライマックスフォームの姿をにらみつける。

ベルフェゴール「・・・・もうこうなったら本気で殺してあげるの・・・」


ベルフェゴールレジェンドルガが決闘の間にやってきたのはそれから数分後。
怒りに顔を歪ませて、ぷくっと頬を膨らませて子供のようだが、その瞳は底知れない狂気めいた冷たさと憎悪が入り混じっていた。

ベルフェゴール「・・・・逃がしてあげようと思っていたのに、・・・付け上がっていい気になりすぎたの」
Cバルキリー「ベルフェゴール!!あんたに新しい事実というものを刻み込みにきたわ」
ベルフェゴール「・・・・新しい事実?」
Cバルキリー「サファイアさんが私たちにとって大切な仲間だってことをね」
ベルフェゴール「理解不能・・・なの。自分は自分、他人は他人。どうしてそこまでこだわるの?」
Cバルキリー「そんな考えじゃ一生分からないさ。私たちの絆がもたらす強さなんてね」
ベルフェゴール「・・・人間の癖に生意気なの。もう二度と歯向かえないようにしてあげるの!!」

ベルフェゴールレジェンドルガが空中に一気に上昇し、雲の中に隠れて、絶対的領域の中へと入り込む。しかしそんなこと、慧だって予想していた。

Cバルキリー「甘いね」

そういって、クライマックスフォームは何と円形状のリングの端ギリギリまでやってきて、そこで動きを止めたのだ。
まさしく背水の陣。
一歩でも後ろに下がったら下に落ちてお陀仏だ。

ベルフェゴール「・・・わざわざ不利な状況を作り出しておいて、何をするつもりなの?バカにするのもいい加減にしてほしいの!!」

ベルフェゴールレジェンドルガが左手に装備している大型アーチェリーからまぶしい光を放つとそれを矢のように細く練り上げて発射する。
それは雲を掻き分けて発射され、一直線にクライマックスフォームを狙って突き進む。
しかし、それを横に交わす。
すると、側面を通り過ぎるはずのレーザーが、いきなりこちらに向かって屈折した。
そしてそれをも避けると同時に飛び上がる。
すると、雲の中からベルフェゴールレジェンドルガが飛び出してきた!!
それを定めてガンモードの狙いを定めると銃弾を発射した。

ベルフェゴール「えええっ!?きゃああああああああっ!!」

銃弾の予想もしていなかった攻撃は無防備なボディを直撃しボディから煙が吹き上がる。
そのまますぐに、ベルフェゴールレジェンドルガの腕をつかむと、もう片方の腕で銃を腹部に押し付ける!!

ベルフェゴール「ええっ!?」
Cバルキリー「・・・・はああああああああああああ!!」

ダンダンダンダンダンダンダン!!!!!

無数の銃弾がゼロ距離射程で一気に叩き込まれる!!
高熱の光がベルフェゴールレジェンドルガの腹部を焼き尽くし、大ダメージを与える。

ベルフェゴール「ぎゃああああああああああああああああっ!!!」

ベルフェゴールレジェンドルガが勢いよく振り払い、後ろに飛び上がって着地するや否や、すぐさまベルフェゴールレジェンドルガが空中に飛び上がる。

そして、すぐさま矢を放った。

ベルフェゴール「今度こそ!!」
しかし、その矢をまたリングの端まで立って、再びその矢を避け、再び屈折してきた。

Cバルキリー「でも・・・・これこそが私の狙いだ!!」
光線を再び避け、雲の中から飛び出してきたベルフェゴールレジェンドルガを狙って今度はチャージしていた巨大な光線を容赦なく腹部に発射する!!

ベルフェゴール「あああああああああああああ!!」

光線が大爆発してベルフェゴールのボディが焼き焦げて地面に落下し、真っ黒になって落下する。ブスブスと煙を上げて羽すらも焼き焦げてもう羽ばたくことさえ出来ない。

Cバルキリー(あのレーザーは一度だけ相手の動きに対して反応して自動的に追尾する。でも、一回限りなんだよね。でも、それを雲の中から発射するからどこから飛んでくるか分からないし、避けても追尾する光線にやられて、油断している間に空中から攻撃を仕掛ける。状況的に言えばこっちが不利なんだけどさ、逆に考えてみれば、そこを突けばあいつの主体ともいえる戦法は一気に崩れるんだ)

ルーベット「なるほど・・・だからリングの端に!?」
トパーズ「簡単なことだ。相手は慧を殺そうと躍起になっている。間違いなく慧を狙うであろう。つまり、的が決まっている以上、相手はそこに打ち込むことしかしない。それを利用したのだな」
エメラルド「まず相手が矢を放つ。でもそれはリングの端まで寄っていれば、十分見渡せる視界で確認できるし、避けた方向も把握できているからそこからの追尾も回避できるってことだ」
琥珀「そして敵が出てきたところを総攻撃しかけるってことだ」
アメジスト「フェイント・・・ですね」
慧(うん、このリングはあいつにとって有利な状況となっている。でもね、逆に言うと、このリングの特性を利用した作戦に出られたら、一気に牙城は崩壊するってこと!)

ベルフェゴール「ど・・・どうしてよ?どうして!?セブンズヘブンのベルフェなのに・・・どうして!?どうして人間ごときに!?どうして!?」
Cバルキリー「これが・・・新しい事実って奴」
ベルフェゴール「何が!?」
Cバルキリー「あんたはサファイアさんをバカにした。でもね、これが仲間との絆がもたらす強さって奴。現に今のあんたをぶっ飛ばしている。どう?分かってもらえた?」
ベルフェゴール「ぐぐぐ・・・・」
Cバルキリー「時の運行を乱すって行為もほうっておけないけど、もっと許せないのは私の仲間をバカにしたこと。これだけは譲るわけにはいかないの」
ベルフェゴール「そんな・・・何よ・・・・絆って・・・・何なのよ!!」
Cバルキリー「・・・仲間と心と心がつながりあっていることで発揮する真の強さ・・それが絆。信じあうことで生み出せる力。これが・・・・あんたを倒した力の証だよ」

カッコよく決める。
今の姿が輝いて見える。

ルーベット「ああ・・・慧殿・・・・やっぱり素敵・・・・」
トパーズ「惚れ直すな・・・」
エメラルド「やっぱりカッコいいね・・」
琥珀「・・・なあ、あたしたち、重要なこと忘れてないか?」
アメジスト「重要なこと?」

その直後。

ドッガアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

突然城の下から激しい音と衝撃がゆれだし、赤黒い炎が一気に噴出す。
城がぐらぐらと崩れだし、あまりにも凄まじい衝撃に壁がボロボロと崩れ落ちる。
城全体が崩壊していた。

琥珀「・・・なあ、爆弾ってどんだけ仕掛けたんだ?」
アメジスト「城の火薬庫に置きまくっていたヤツ、全部」
琥珀「まさかとは思うけどよ、この時代だ、導火線付きの昔なじみの爆弾とかいうヤツだよな?」
アメジスト「いかにも」
琥珀「・・・ヤベェ、今の戦いで火花が飛び散ったせいかな、誤爆したなこれ」
アメジスト「あー、しましたね。しかもアッタマきていたから、城が確実にぶっ壊れるように城中に爆弾仕掛けちゃいましたし。それも爆発しましたわね、これは」
琥珀「なるほど・・・・て笑ってる場合じゃねぇじゃねぇか!!あ、仕掛けたのあたしだ」

慧(何予想外の大ピンチを作ってるのさあああああああああああああ!!)

ルーベット「琥珀殿!!アメジスト殿!!アホですかあああああああああ!!」
トパーズ「ツッコミ役が慣れないボケなどかますな!!」
エメラルド「ツッコミはツッコミ、ジミーな二人組の琥珀&アメジスト、ジミーでツッコミな主体性貫けよ!!」

琥珀「あたしたちのポジションって何なんだよ!?」
アメジスト「さあ?琥珀はツッコミ&オカン&保護者役というのはもう確定でしょうけど」
琥珀「何一つ得しない地獄のフルコースじゃねえか、それ」

慧「早く脱出するのー!!」

もう泣きながら翼を広げると一気に空へと羽ばたき、燃え上がる城から脱出する。
城はもはや火に包まれ、完全に崩れ落ちようとしている。

Cバルキリー「・・・・結局私はこういう目に遭うのか」

もう泣きたくなる。熱血していたことがアホらしくなりもはや脱力さえする。
しかし、それでもいいんだ。

慧(でも仲間の名誉を守るために一生懸命になるっていい気分だよね・・・)

そう無理やり納得するようにした。じゃないと、よりによってこの二人がやらかしたことで、二人のおバカ属性がつくかどうかの瀬戸際が問われそうだから・・・。


一方で。
ベルフェゴールレジェンドルガがリングで横たわっていながら炎の海に包まれている。

ベルフェゴール「絆の強さ・・・・ベルフェ・・・には・・・・ないのかな?それで・・・負けた?・・・・・人間ごときに・・・・ぐすっ・・・・・ひぐぅ・・・・悔しいよ・・・ベルフェ・・・・ここで終わりなの?・・・・・もうそれでもいいか・・・・」

静かに瞳を閉じる。
もうどうなってもいい。
レーザー装置も守れなかった。城も破壊され、人間なんかにボコボコにされた。
これではもう自分はセブンズヘブンを名乗る資格さえもない。
ルシファーに合わせる顔もない。

それならこのまま死んでしまえばいい。
楽になりたい。

自分の罪「怠惰」に身を任せてしまえばいい。

「・・・・べる」

ベルフェゴール「ごめんね。お兄ちゃん、ダメな妹で・・・」
涙があふれ出る。
役に立ちたかったのに。結局泥を塗るようなまねをしてしまった。

「ベルフェ・・・」

お兄ちゃんの声?聞こえるはずないじゃない。お兄ちゃんがこんなダメな妹助けに来るはずなんてない。幻聴か。もうすぐ・・・死ねる・・・。

「オラァ、目を覚ませや、こらぁ!!」

バゴン!!!!!


頭に重く鈍い痛みが走り一気に視界が開かれる。

ベルフェゴール「いったぁい・・・・・」
頭に思い切り殴られたせいで、タンコブが出来ている。
両手でさすって、涙がにじみ出てくる。
目を開くと、そこには・・・・。

銀色の髪が炎の色を反射してオレンジ色に燃え上がっている。
きれいな顔立ち、心配そうに気の強そうな瞳をこっちにまっすぐ向けている。

ベルフェゴール「・・・・お兄ちゃん!?」
そこには、ルシファーがいた。アスモデウスやサタンもいる。
ルシファーがいつの間にかベルフェゴールを抱き上げている。

ルシファー「ったく、心配かけさせやがって。まあ、無事だったからよかったけどよ」
アスモデウス「無事じゃないでしょうよ。怪我して気を失っている女の子をゲンコツでたたき起こすってかなりスパルタだよ?」
サタン「それはいくらなんでもねぇだろ」
ルシファー「うっせぇな、声かけても起きないし、こうするほうが手っ取り早いんだよ」
サタン「兄貴の怪力じゃトドメになりかねないぜ」
ルシファー「アスモみてぇに頭カラじゃねぇんだ。こんくらい、どうってことねぇだろうが」
アスモデウス「ドサクサ紛れに何言うのよ・・・とほほ」

ベルフェゴール「・・・お兄ちゃん、もしかして、助けに来てくれたの?」
ルシファー「当たり前だろ。お前のこと応援しにいこうとしてたら、城燃えてるんだもん。何かあったかと思って飛び出してきちまったよ」
ベルフェゴール「この炎の中飛び込んできたの!?」
アスモデウス「あのね、この人の単純レベルはハンパねぇんだから」
サタン「お前のこと助けるんだっていって、もう炎の海の中真っ先に飛び込んだしね」
アスモデウス「仲間の危機なら真っ先に駆けつけるのが兄貴の務めだって言ってたしね」

二人の会話、そして、所々焼き焦げているルシファーの服。

アスモデウス「それであたしたちは可愛い妹分の救助」
サタン「右に同じだな」

そういって、二人の姉貴分も笑みを浮かべる。

ベルフェゴールはルシファーの胸に顔をうずめて、ぼそぼそとつぶやく。

ベルフェゴール「ごめんなさい・・・レーザー・・・とられちゃった・・・・」
涙が出てきて、最後は言葉にすらならない。情けなさと悔しさがにじみ出て、やりきれない気持ちでいっぱいになる。これで兄貴分たちにも呆れられて嫌われる・・・・。

ルシファー「・・・別にどうってことねぇよ。そのくらい。そのくらいで悩んでるんじゃねえよ」

そういって頭を乱暴にワシャワシャとなでられる。グシャグシャになった髪形にまみれ、呆然とその声を聞いていた。

ベルフェゴール「その程度・・・・?」
ルシファー「今までヤバい武器だの俺たちよりデカいヤツだの、戦いで相手側が有利な状況なんていくらでもあっただろうが。レーザー取られたくらいでやられるような俺たちじゃねぇんだよ。でもな、これだけは譲れない」

ルシファーがベルフェゴールに顔を向けていった。真剣でとても強いまなざし。

ルシファー「お前がいなくなったらダメだ。お前は俺が認めた最高の狙撃手だ。いやそれ以前に俺の妹分だ!兄貴として妹がピンチなら助けに行く。当然だろうが。だから、テメェが何度もミスやらかそうとな、俺たちが補ってやらぁ。だから、テメェのせいとか一人でウジウジしてんじゃねぇよ」

そういって、頭をなで上げる。
嬉しい気持ちで心がじわっと温かくなる。涙で視界がにじんできた。

ベルフェゴール「・・・はい・・・・・」

ベルフェゴール(これが・・・これが絆・・・?)

先ほど戦っていた相手の言葉がよみがえる。
その言葉の意味が今のルシファーたちの行動を見ていて、少しだけ分かりかけてきた。
ベルフェゴールはそう思って、顔をルシファーの胸に押し付ける。

ベルフェゴール(・・・天童慧か)

そういつか再び戦うことになるであろう宿敵の名前をつぶやいて、少女は眠りについた。


続く
バルキリーCフォーム○-×ベルフェゴールレジェンドルガ(怠惰)
戦利品
レーザー装置(バルキリー)
時の崩壊まであと6日間。
2009年09月16日(水) 22時34分30秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんにちは。
今回まずはバルキリーサイドの勝利、レーザー装置を手に入れた形で白星を挙げました。
そして慧の本領発揮とも言える本気モード、実は自分かなり熱血系好きなので力入れて書いています。
この後もどんどんハッスルする慧を書いていきたいと思っております。

>烈様
>前回の感想のお返しですが、キングのベルトは現在現状維持といった感じで保管されています。ルシファーはあの通り戦い以外興味を示さないですし、アスモはおバカですし、今後の行方はまだ作成中・・・・面白い作品にしていきたいと思います。

>サファイア
今回のことで、慧に対する意識や自分のあり方などに疑問を抱くようになっていくサファイア。実はかなり繊細な性格なのですが、今後、慧と彼女のつながりが彼女を成長させることに大きくつながっていくと思います。

次回も応援よろしくお願いいたします!!

この作品の感想をお寄せください。
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……『鴎』さん、そろそろ【仮面ライダーバルキリーたん】の設定に、『仮面ライダーバルキリー』の“新フォーム”三つと『仮面ライダーワイバーン』の“各フォーム”、『チェックメイト・フォー』のメンバーの各“ファンガイア態”、“レジェンドルガ”の『セブンへブン』のメンバー、そしてその他の重要人物やそれぞれの“時の列車”の設定などを前々に投稿していたものに加えるか、もしくは新しくしたものを更新するかをした方がよろしいのではないですか?おそらく、私以外の【仮面ライダーバルキリーたん】をよく読んでいる人達の中にも同じような考えを持つ人がいるような気がします。もし、そろそろ投稿するか更新するかを考えているのならば、早めにしてください。お願いします。m(_ _)m 10 ■2009-09-21 20:40:40 i121-118-213-228.s10.a044.ap.plala.or.jp
水曜日に投稿されていた【仮面ライダーバルキリーたん 第25話「The Freeshooter」】ですけど、今回の話は最初こそ“ベルフェゴールレジェンドルガ”に苦戦し、一時的に戦略的撤退に徹することになってしまったけど、大切な仲間の事を馬鹿にされてしまったことにより慧の怒りに触れてしまったと同時に仲間達との“絆”の“力”と持ち前の周囲の様子などを良く観察をし、その結果敵対する相手の戦法の弱点などを見抜くなどの様子が結構かっこよかったです。……ただし、いつもはボケた仲間(『バルキリーイマジンズ』)達へのツッコミなどが強く印象に出ている琥珀さんとアメジストの二人が敵の城を確実に爆破するために使用した爆弾の爆発の所為で城の瓦礫に生き埋めになるか吹き出た火に巻き込まれて焼かれてしまうかもしれないという予想外の大ピンチな状況を生み出してしまったというのがなんともあきれた気分になりました。…それとアメジストの言うとおり琥珀さんのポジションというのはみんなの“ツッコミ&オカン&保護者役”というのはあながち間違っていないと思います(笑) 

次にですけど、なんだかんだで『仮面ライダーバルキリー CF』こと慧の仲間との“絆”を大切に思う“心の力”の前にボコボコにされた“ベルフェゴール”。負けた以上既に自分には『セブンへブン』の一員を名乗る資格はないと考え倒された状況のまま“怠惰”に身を任せて死んでしまおうと思ったら、彼女のことを心配してやってきた“ルシファー”の拳骨を受けて目を覚まし炎の海の中を救出され、そんな彼女を彼同様に心配してきた“アスモゼウス”と“サタン”達。そんな様子を文章を見ながら創造して言ったのですが、敵といっても自分達の大切な妹分(仲間)を大切に思うところは実に男らしいと思いました。ある意味“ルシファー”は平行世界の“慧”ともいえる感じがします。もし、この二人が同じような思考の持ち主で同じような生き方であったのならば、仲良くなっていたように思えます。

片や相手の使用しようとしている“兵器”を破壊するための“兵器”に必要なパーツを苦戦を仕入れられようが手に入れ、もう片方は仲間との“絆”の大切さを少しずつ感じていったという結果になりましたね。今後、慧達『バルキリーズ』と“ルシファー”達『セブンへブン』の戦いがどのようになっていくかが気になると同時に、ルーベットを始めとした『バルキリーイマジンズ』の面子が今後己のあり方などをどのように感じていくのかが少々気になってきました。理由としては、前回の私の感想兼質問に対する“返信文”のサファイアのことに関してのことが書かれたいたので、他のメンバーのこともどのようになっていくのかが正直気になりました。

……ところで、前回の話でボロボロにされた晶君を始めとした『チェックメイト・フォー』の一同の方はどうなったのですか?そして、晶君は今後どのような風になっていってしまうのですか?そのあたりのことがきになってきます。そのことなども含めて、次回の【仮面ライダーバルキリーたん】の話を待っています。今後も頑張って下さい!!

……ところで、今のところ慧の仲間のイマジン達のプロフィールなどが紹介されたいませんけど、どうしようと考えていますか?
50 ■2009-09-18 19:28:37 i114-189-63-41.s10.a044.ap.plala.or.jp
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