仮面ライダー澪騎 第13話/前編 |
遠く、大地を踏みつける音を聴いていた。 『来ましたね』 そう呟いたのは、全身を重厚なる白と、豪奢なる金で固めた鎧の騎士。 目を覆うバイザーは唯一の黒――その仮面の瞳で、騎士は遥か前方を見遣った。 そこには、異形がいた。 額から突き出す大きな角が特徴的で、岩石のように荒々しい意匠を見せるサイの異形――ライノセラスヘイズ。 ゆうに数十メートルは離れた騎士の下にまで地響きを伝えながら、真夜中の道路を走っている。 『来たね。準備を』 声が聴こえた。 それは鎧の騎士の内から――されど、先に上げた声とはまた、似て非なるもの。 『ええ』 騎士――仮面ライダーランスロット・ファーストフォームがそれに応える。 手に提げていたもの―― 《Full Charge》 バックル上部に備えられたボタンを押し込み、腰を低く溜める。 機械の声に遅れて、そこからバチバチと電流が猛る。 鎧の全身を伝い、やがて雷は銃口へ集結し、炸裂の 『■ケ■――!』 気付けば、ライノセラスヘイズはもう10メートルもない距離にいた。 緊迫の瞬間、ランスロットはどっしりと構え、引き金を―― 『ず、ォ、あああァアあアあアアアアアぁぁぁぁぁッ!!』 突進してくるその巨体を、正面から、受け止める――! ギャリギャリギャリギャリギャリ――!派手な衝突音に続き、鉄靴がアスファルトを削る音が響く。 『ぐうううううううッ……!』 仮面の奥で歯を食いしばり、凶暴な角をも押さえ込み、ランスロットは懸命にその突撃を食い止める。 『次■■■へと……■魔すン■ゃねぇ!』 『お生憎様』『私達もこれが仕事なんですよ……ッ!』 憎らしげに喚き散らすライノセラスヘイズに、一つの身体から二つの声が返す。 そして十数メートルもの距離を削り、ようやく突進の勢いを殺し始めた頃に、その音は聞こえた。 鋭く夜の 『『来た!』』 一者二声が同時に叫ぶ。 そして腰の深くに構えていた銃を、一気に前に突き出す。 勢いの衰えたライノセラスヘイズの腹にそれを押し付け、今度こそは引き金を―― 『飛ッ、べェええええええええええええええッ!!』 ――引く! 『■ゴ■ッ――!?』 零距離で、光が爆ぜた。 圧縮・蓄積されていたエネルギーは刹那の間に、文字通り爆発的に膨張した。 そしてそのまま数十、数百、あるいは数千の光弾片と化してライノセラスの全身を叩いた。 やや上向きにした銃口のままに、その巨体は軽々と、そして高々と浮き上がる。 そこに、 「よくやったアー子!後はわたし達に任せとけっ!」 馳せ参じるは、鋼鉄の悍馬に跨る一人の騎士。 「ッしゃあ行くぜ行くぜ行どぅわおうのわ!?」 「おいこらまだ動くな暴れるな危ないだろうが!」 ……正確には、鋼鉄の悍馬に跨る男の後ろにしがみつく、一人の騎士。 白と青でカラーリングされた、250ccのオンロードバイク。 名を『天馬』と言うそのバイクを駆るのは、黒髪の少年。 その後ろには、こちらも青や白を基調とした、可愛らしい衣装の小柄な少女。 《Full Charge》 後ろの少女がベルトのバックルに刺さっていた鍵を捻る。 そこから鮮やかな蒼の輝きが噴出し、粒子が地を駆ける天馬の軌跡を彩る。 空に打ち上げられたライノセラスヘイズ目掛け、少年――向坂 悠一はまた強くアクセルを開ける。 そして目標への距離が縮まった瞬間―― 「悠一っ!」 「応!」 合図に合わせて絶好のタイミングでハンドルを切る。 後ろの少女がその勢いに乗り、天馬の腹を思い切り蹴りつけ―― 『■■!?』 吹き飛ばされて自由の利かないライノセラスヘイズが、ただ声でのみ動揺を顕にする。 少女――蒼き騎士、仮面ライダー鈴騎は空中でその身体を捻り―― 「ライダー……――」 放物線を描き落下するその方向に、無防備に滞空するライノセラスヘイズを―― 「―― ――蹴りつけた! 『――――――!』 断末魔すら上げられず、二重の必殺技を直撃させた異形の身体は空中で爆裂、炎に塗れて四散した。 「よっと」 しゅたっ、と軽い身のこなしでレイキが着地する。 「伊織!」 後ろから、バイクを降りた悠一が駆け寄ってくる。 「悠一っ、やったな!」 変身を解いたレイキ――栗色のセミロングヘアーの少女、八坂 伊織が笑顔でそれを迎える。 パシン、とハイタッチを交わす二人に、今度は前方からランスロットが近付いて来た。 「お。アー子もおつー」 『おつーじゃありませんよ……」 白い鎧が淡く金に輝き、そのまま粒子と散れば、中からは金髪碧眼の少女、如月 アリスが不機嫌そうな顔を晒した。 「なんで私があんな怪力キャラみたいな役割を……私の美学に反します」 などと怒って見せるのだが、一方の伊織は「美学?なにそれ食えんの?」的なお気楽顔で伸びをしている。 「んーっ……しっかし、なんか久々だったなあ、ヘイズ」 「だな。でも苦戦もしなけりゃ連携も出来てた。油断は禁物だが……成長したな、お前も」 なでなで、と悠一が伊織の小さな頭を撫でる。 一瞬、脊髄反射の照れ隠しで蹴り倒そうかと牙を剥きかけたが、掌のぬくもりが存外に心地良かったので、されるがままにしてみる。 「うおーよっしゃーもっとほめろほめろ。わたしはほめられてのびるタイプだからなっ」 「そうかそうか。よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」 「うおあちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ熱ゥああああ!?やめろハゲるハゲるハゲるハゲればハゲるときハゲハゲやめろっつってんだろこのハゲ!!」 結局蹴り倒した。 そんな二人を見、やっぱやってらんねーとばかりにアリスはあくびを一つ。 「ふあぁ……、では私はもう帰りますねー。半日とは言え明日も学校ですし……」 「ああ、それもそうだな。じゃあ伊織、俺達も」 「うぃー」 と、解散の流れになった時、 「、そういえば」 悠一が動かしかけていた足を止める。 「ゎぷ。なんだよ悠一、急にとまんなよー」 すぐ後ろを歩いていた伊織がその背中にぶつかる。アリスも悠一に視線を向けている。 「いや、伊織。お前……勉強、してるか?」 「は?なんだ突然。してねーけど……テスト終わってすぐに勉強なんかしたくないし」 後ろでうんうんと頷いているアリスは意外と素行不良なのかもと思いつつも、悠一はあくまで冷静に指摘する。 「いや、お前赤点あったろ。追試は月曜だったと思うが、いいのか?」 沈黙。 沈黙。 沈黙。 言い終えた悠一の目の前で、外気に触れたりんごのような伊織の頬から、熱が遠のく。 鼻の頭から耳の裏までが、さーっと青ざめ、かと思うと次には冷や汗をダラダラ流し、ガタガタと小刻みに震え始める。 動揺と焦燥と驚愕を凄い勢いで掻き混ぜたような表情へ遷移した伊織は、やがて小さな口を大きく開けて、 「わ、」 叫ぶ。 「「忘れてたああああああああああああああああああ!!」」 声は、二つ聴こえた。 仮面ライダー澪騎 第13話 光と陰 その部屋には、一人の男がいた。 豪奢な椅子に深く腰掛け、思索にふけるかのように目を閉じている。 その背後で、コンコンと扉を打つ音が鳴った。 「我が主“害群”。“炎環”アロケン、代行者を連れ参りました」 「入りなさい」 静かに扉が開く。 部屋に入ってきたのは、2mに届くかと言う程の巨漢――オーバーヘイズ、“炎環”アロケンが化身せし姿だっただ。 その後ろには、短い黒髪の、特徴らしい特徴の無い、ただ「男」と称する他ない、「男」。 「代行者・黒崎。わざわざ呼び出して済まないな」 “害群”と呼ばれた男が黒崎と呼んだ「男」は、フンと鼻を鳴らした。 「そう思ってるなら呼ぶなよ。普段から人目は避けろって言ったのは 「ふむ。その 「傲慢だな」 そうかね、と“害群”は言った。 「それで、首尾の方はどうだね」 「仔細ねぇよ。例機はヘイズを倒して経験を重ねてる。このまま順調に行きゃあ、八坂 伊織は遠からず 「ふむ、良い報せだ」 ギ、と音を立て、“害群”が席を立つ。 「なんだ、もう行くのかよ。俺は今来たばかりだぞ」 椅子と同じく高級感漂うソファに腰を下ろそうとしていた「男」が不満げに言う。 アロケンは既に“害群”の後ろに着いていて、沈黙のまま立っている。 「『 傲慢だな、ともう一度呟く黒崎に、“害群”もやはり同じ言葉で返した。 ◆ 「第一回・追試なんて怖くない!ドキッ☆美少女だらけの一泊二日、大・勉・強・会〜〜〜ッ!~おばかもいるよ~」 見えないマイクを握りしめ、ドダンとちゃぶ台に片足を乗せ、進藤 姫子が高らかに叫ぶ。 わーぱちぱち。そんな彼女に拍手を送るのは、彼女の親友である皆本 ゆかり。そしてその横で小さくなってる「おばか」が二人だ。 まばらな拍手を身に受けてご満悦な風な姫子は、キョロキョロと室内を見渡し、 「……んで、エロ本どこー?」 「ねぇよ」 襖を開けて入ってきた悠一に即断のチョップを見舞われる。 「あ痛。こーさか先輩ひどーい。先輩ってオンナノコに暴力とか振るっちゃうキャラでしたっけ?」 「いい加減慣れたと言うか、疲れたと言うか……君にはこのぐらいで丁度良いだろ」 「ドキッ!せ、先輩……それって、あたしが特別ってこと……?」 「とは一言も言ってないけどな。あと、口でドキッ!とか言うのは止めた方がいいぞ、進藤さん」 「勉強になるなあ!」 と、いつになく騒がしい向坂家。詳しく言えば悠一の私室。 ここに姫子とゆかりが二度目の訪問を果たした理由、それは単純なものだ。 『神様ゆかり様姫子様(左から頼りになる順)!わたしに勉強を教えてくださいやがれ!!』 と、土曜の昼下がり、放課後の教室で「おばか」の内の一人、伊織に泣きつかれたからだ。 そして、その隣。ちょこんと所在無さげに正座しているアリス。 もう一人の「おばか」と称されてまで彼女がここに居る理由、それも至極単純なものだ。 『ゆかりさん姫子さん伊織さん(左から頼りになる順)!わ、私も混ぜて貰って良いでしょうか!?』 と、土曜の昼下がり、放課後の教室で二人に泣きつく伊織にしがみついたからだ。 聞けば、どうやらアリスも赤点と言う不名誉をいやしくも頂戴してしまったらしい。 実はものぐさと言う本性と、加えてここしばらくは向坂家に入り浸りだったのだから、仕方ないと言えば仕方ないのだが。 そんな理由で向坂家に集まった彼女達。 しかし当然と言えば当然、大人しく勉強を始める筈も無く、 「はあ、勉強やる気しねぇ……」「同感です……くそう、この学校では優等生キャラで通したかったのに……」「いや、それはもう色々と無理だろ、お前」「前来たときはすぐに出てっちゃったけど……こ、ここが向坂先輩のお部屋……ううっ、落ち着かないぃ……」「てかさーいおりんいおりん。なんで勉強会はこーさか先輩の部屋で?」「んぁ?だってわたしの部屋は狭いし、居間だとおとーさんとかに迷惑だし、まぁここが一番ちょうどいいかなーって」「、あれ伊織さん。その信護さんやお姉様は今いずこへ?居間の横を通りましたが、姿は見えませんでしたよ?」「あー、おとーさんは多分また外とかぶらついてんだろ。沙希さんは買い物。アー子達が泊まるって伝えたらすっげー張り切ってた」「お姉様が張り切りじゅるり!?」「……おねーさま?」「……って、言ったよね?」 姦しいことこの上無かった。 見ればちゃぶ台の上も、勉強道具は半分、残りは姫子の差し入れのお菓子が占拠している有様だ。 「ったく……ほら静かに。何の為に集まったのかわかってるのか?」 言われ、渋々と机の上を片し始める少女達。 「よし。じゃあまあ飲み物でも持ってくるから、先に始めておくように」 「あ、わ、私もお手伝いします先輩っ」 それに続くゆかりと「そうか?客なのに悪いな」「い、いえいえいえっ!」と言うやり取りをしながら、部屋を出て行く悠一。 壁掛け時計は午後二時近くを示している。 伊織とアリスの長く苦しい戦いが今、幕を開ける。 ◆ 御駒の街の外れ、 窓ガラスはほぼ全てが割れ、内外の壁も所々に皹が入る危うい建物。 ――そこに、四つの影がある。 三つと一つ、対峙するように分かれた影がある。 一つは、三つの先頭、スーツを着た細身の男――“害群”ダンタリオン。 一つは、“害群”の後ろに控える大男――“炎環”アロケン。 一つは、その更に後方で気だるげに立つ「男」――黒崎。 そして対する一つは、襤褸いタキシードを纏う酔狂ないでたちをした男――“遇奇の帥”ロキ。 「ハジメマシテ、で宜しいデスか?貴方が“害群”サン――ですヨね?」 「その通りだ。現在、彼の思考は私と同一化しているが故、今は私が“害群”だ」 淡々と“害群”が告げた。 「ハイ、そレデは改メてハジメマシテ♪“遇奇の帥”ロキと申しマス」 「 結構デスよォ、と“遇奇の帥”。 気がつけば、鎖された部屋の中に立つ四人の周囲で、幾つもの影が絶えず蠢いていた。 その毒々しいまでの紅を宿す幾つもの瞳が、強大なヘイズの支配者達を、ただ見つめていた。 ◆ 「とりあえず、だ。伊織、アリス。どの教科が出来てないのか、そこから教えてもらおうか」 持ってきた茶を啜り、悠一が切り出す。 「えー」「え゛」 対して不満げな伊織と、言葉に詰まるアリス。 「えじゃないだろ。わざわざ泊まりまでして厄介になるんだ。神妙に出せ。まずアリス」 「え゛」 再びの声。 その場の全員の視線を受けながら、あーとかうーとか、しばし百面相でうろたえるアリス。 しかし、やがて苦渋の決断と言った表情で鞄に手を伸ばし、ゆっくりと二枚の答案用紙を抜き出す。 「………………………………これです」 それを顔を伏せたまま、なけなしの作物を献上する農民のような動作で、ちゃぶ台の上に裏返しで置いた。 「じゃあ、失礼して」 「アーたんてば、カタクなーに見せてくれなかったもんネー。どーせ英語が赤点なんだろおらおらー!」 「ちょ姫ちゃんっ、失礼だよ!?まだ見てもいないのに……」 「いーから早く見ようってば。急ぐんだろ!」 最後に伊織に促され、悠一が紙をめくる。 そしてどれどれ、一同が揃って覗き込む。と。 英語R・41点 英語G・35点 「「「………………」」」 笑い事ではなかった。 12月9日、あの教室での伊織とアリスとの大喧嘩の日。 あの大立ち回りの最中の衝撃的な告白により、『アリス=英語が駄目』という図式はもはやクラスの共通認識となった。 特に仲の良い伊織や姫子は勿論のこと、悪ノリ好きな一部のクラスメイト達からもそれをネタにされることがある。 だがそれはそれとして、目の前の状況とは話がまるで違う。 静まり返る部屋の中、重苦しい空気の中。もういっそ殺してくれとばかりに沈んだ表情でベッコンベッコンに凹んでいるアリス。 その本人を前にして、いったい誰が笑えると言うのか――否。誰も笑えはしない。 笑えはしないから、気まずいのだ。 「……、………………い、伊織、は、どうだった?お前はばかだからな、もしかして全教科赤点とかじゃないのか?」 「(「(ナイスカバー!)」)!そ、そうだよ、伊織ちゃんのも見せてみて?」 「やー、いちお試験前は頑張ってたっぽいケド、いおりんのおばかっぷりは五大陸に響き渡るでほんま」 悠一の、相当苦しいながらも咄嗟の機転に、ゆかりと姫子が慌てて追従する。 今まさにノーコメントスルーの屈辱がアリスを襲っているが、おそらくはこれが最小限の被害だ。そう信じずにはいられない。 「なんだよお前ら人をばかばかと……さすがに全教科はねーよ」 ぷくーと膨れながら、伊織も鞄を漁る。 その様子を見ながら、悠一はふと、 「(そういえばこいつ、さっきのアリスの成績に対してノーリアクションだったな……)」 と思い、更なる思考の後、万に一つの恐ろしい可能性に至ってしまう。 「お、あったあった。ほれ、赤点はこの三つだけだよ」 「おい、伊織やっぱり待――」 「特に苦手な現国と、古文と、それと地理ー。あとは大体60点以上は取ってるし」 「みなさんおせわになりましたわたしはもうだめですあとのことはよろしくおねがいしますそれではさようなら」 「アーちゃん!?アーちゃあん!!」 「ちょっゆかりんダメダメヤバい!それ逆にヤバいってまず縄から下ろさないと!」 「えいごで……えいごでいおりさんに、まけ、まっ、まけぶくぶくぶくぶく」 「キャアアア!?アーちゃんが口から泡吹いていよいよ見せられない顔に!?」 「よかったー絵が無くて本当によかった!ってだからゆかりんしがみつくのは後にして縄をってば!!」 「このばか!伊織のばか!空気読め!ばか!」 「いたいいたいいたいいたいなんでー!?赤点取ったからってぐりぐりは酷いたいー!?」 「まだ分かってねえのかこいつ!?」 英国生まれ日本育ちの金髪碧眼巨乳少女の突発的な自殺未遂など、些細なトラブルはあったものの、その数分後、ようやく勉強会は始まった。 ◆ 「ソ・れ・デ。本日はどのようナ御用向きデ?」 ステッキをくるくると遊ばせながら、“遇奇の帥”が問いかける。 「来るべき時が近い。煩わしくはあるが、我々が顔を突き合わせる必要性が生じた、と言う事だ」 息を一つ吐き、真剣な目で“害群”が“遇奇の帥”を見据える。 「“遇奇の帥”。先ず、『 「目的、デスか。そうデスねェ……」 考え込む素振りの“遇奇の帥”は、やがてシルクハットのつばをクイと上げ、 「当座の方針トしテは……様子見、トさセテ頂きまショウ。先日ノそちラの駒が容易に打ち倒さレた件ヲ考エレば、ご理解モいたダケるデしョウ?」 「……確かに、現時点での徒な兵の消耗は好ましくない。独断専行も避けるべきだろうな」 “遇奇の帥”の意見に同調する“害群”。それを受けて、“遇奇の帥”は更に言葉を続ける。 「 「そうだな、それも良かろう――ならば。今後も我々の計画に同調して動く、と解釈して構わないのだな?」 「エぇ。せッかくノお祭り、踊ルのナラより大キな舞台が良いデスからネェ♪」 「祭り……か」 その言葉を、“害群”が小さく繰り返す。 「確かに、我々の行いは結果としてこの世界を歪め、狂乱を齎すだろう。成る程、これは破滅を呼ぶ――宴だ」 「いいじゃねぇか」 壁にもたれかかっていた黒崎が、唐突に口を挟んで来た。 幾つかの視線が自分に向くのを感じながら、黒崎は胸中の淀みを現すように 「どうせ生きててもしょうがねえ。生きてさえもいられねえ。……だから俺達は壊す。バケモノの実験に付き合ってでも、壊す。そうだろう、アンタも」 吐き捨てるような口調はしかしむしろ、どこか強い執着を感じさせた。 「――そう、だな。“遇奇の帥”、聞いての通りだ。私達はただ只管に目標を成す。その後の世界は、お前達の好きにすれば良い」 ハイ喜ンで――と。“遇奇の帥”は不敵に嗤った。 ◆ カリカリカリカリカリカリ。 あれから一時間と少しが経過した。 当初の騒動も何とか収束し、今は静かにペンがノートの上を走る音だけが聞こえている。 「ええと……。あの、ゆかりさん。この単語のスペルってこれで合ってましたっけ」 「うん、大丈夫だよー」 伊織達と知り合ってからこっち、『人生最大の屈辱ランキング』を凄い勢いで更新しているアリスも、何とか冷静さを取り戻せたらしい。 今は真面目にゆかり先生(姫子提供の伊達眼鏡装備)の懇切丁寧な指導を受けて頑張っている。 「うーん、と……?ねぇねぇ悠一、ここなんだけどさー」 「どれどれ……。……それ以前に、こっちの「ぬ」と「を」が混じったような奇ッ怪な文字を直しておけ、ばか」 「あれー!?」 一方の伊織も、悠一の監督下でうーんうーんと唸りながら奮闘中だ。……前途多難のようだが。 しかしマンツーマンの指導のお陰か、思ったよりスムーズに勉強は進んでいる。 一晩かけて教えれば追試をやり過ごすぐらいは出来るだろう――と悠一は目処を付ける。 「せんぱーいこれ続きどこっすかー?」 「……ベッドの足元だ」 ベッドを占領して漫画を読みふけっている姫子を適当にあしらいつつ、勉強会は続く。 ◆ 「一応、我々の目下の計画も伝えておこうか」 ソれは是非トモ、と声を上げる“遇奇の帥”から視線を後ろへ送る“害群”。 その合図でアロケンが前へ出る。“遇奇の帥”を筆頭に、端から端と居並ぶ『 「先ず、 告げる言葉に、ホぅ、と短い声。 「相応の舞台が必要となる。我が主の命により、戦闘には私自らが打って出る事となった」 「ナルホド。確カにかノ歴戦の勇士、“炎環”サン以上に相応シイ者はいナいでショウねェ」 随分と高く買われてるじゃねぇか――と後ろから黒崎が茶々を入れた。 首だけを向け、口だけで笑い、アロケンはまた“遇奇の帥”に視線を戻す。 「実行時の状況次第では『 「了解シマシタ♪」 あくまでふざけた態度を崩さない“遇奇の帥”に、アロケンは不敵に笑って見せ、後ろに下がる。 入れ替わりにまた“害群”が先頭に立つ。 「こちらからは以上だ。 「エエ、デは本日はコこマでと言ウこトニ。ほゥら皆さん、お客サマがお帰りデスよ♪」 ぱんぱんと手を打つ“遇奇の帥”に従い、奇怪な姿の異形がばらばらと散っていく。 扉の外れた入り口を、黒崎が一番に通り抜ける。その次に“害群”が出、最後にアロケンが“遇奇の帥”らに目礼を残し、その部屋を去った。 残ったのは『 不気味に揺らめく陽炎のような軍勢だった。 ◆ 「……よし、そこまで」 「「ぐへぇー」」 悠一の声に、伊織とアリスが仲良く同時に机に突っ伏した。 その額と机に挟まれた紙をゆかりが引き抜いて、さらさらと答え合わせを始める。 二人が今まで取り掛かっていたのは、過去の期末テストの問題だ。 学校を出る前に、教師に頼んで貸して貰ったのだ。 「じゃあ十分だけ休憩な。ああ皆本さん、一枚はこっちにくれ、俺も手伝う」 あ、はいと渡される答案。伊織のものだ。 書き込まれた解答と手元の正答とを見比べ、サッと赤ペンを走らせていく。 ジュースをストローでちゅーちゅーと啜りながら、伊織がその様子に意識を向けている。と、 「さてと……あ、バツ。これもバツ、ここも違うな、バツ。ここからここまでバツバツバツと……」 「ぅおおおおい!?」 聞きたくない声が聞こえてきてしまった。 「はいバツバツ……ん?どうバツバツしバツた伊織」 「マジでバツつけすぎ!?話してる時ぐらいペン止めてよ!」 「時間がもったいないバツ」 「なんかもう語尾みたいに!?」 いつも通りな掛け合いを繰り広げる幼馴染み同士の二人。 その様子を眺めながら、不適な笑みを浮かべているのはアリスだ。 「ふふふ、やはり伊織さんはおばかなんですね。対してゆかりさんの採点の静かなことと言ったら……」 どうやら少しずつ自信が取り戻してきたらしく、腕を組んで(胸が凄いことになってる)悦に浸っている。 「えと……はい、アーちゃん。さ、採点終わっ、た、けど……」 そんなアリスに、何故かおずおずと躊躇いがちに答案を渡すゆかり。 彼女の気まずそうな表情にはまったく気付かず、上機嫌なアリスがそれを受け取る。 「ありがとうございますゆかりさん。……そう、そうです、そうですよ。今回のテストは急な転校の直後だったのですから、多少点数が低いのも仕方が無いと言えるでしょう。そもそも私は御駒に来るまでは学校に行かず世界を転々としていたのですから?学業が疎かになるのは必然……と言うか、学業など復讐者である私にはまったくもって不必要なものですし……まあそんな私でもほんの小一時間でも勉強すれば昔のような、そう、成績優秀・容姿端麗な如月 アリスで通っていた中学時代のような華々しい結果を残すことなど朝飯前的にたやすいことなのですようふふあはは」 と、ゆかり達に聞こえてはいけないようなことまでブツブツブツブツと唱えながら、ピラッと受け取った紙を見る。 28点 「 」 絶句。そしてその後ろで、 「ほら伊織。こっちも採点終わりだ」 「ん、さんきゅ。……おおー、59点!」 「お前はせっかちだからな。むしろ最初の方の簡単な問題はケアレスミスが目立ったが、後はちゃんと出来てたよ。頑張ったな」 「ぅ、なでんなばかっ!みんな見てるだろ……っ」 仲睦まじく甘ったるい会話なんて聞こえてきた日には、 「もういきててもしょうがないじゃないですかぁー」 部屋の隅に投げ出されたロープに手を伸ばすしかなかった。 ◆ 昼の青空が、僅かに差す朱と交わり始めていた。 緩やかな紫色の空の下、人々の認識から外れて歩く三つの人影。 その先頭を歩いていた“害群”が振り返り、黒崎を見据えた。 「黒崎。今の内に君に問うて置かねばならない事があるが、良いかね?」 「なんだよ」 黒崎はあくまで退屈そうに、ぶっきらぼうに答える。 “害群”はほんの数秒何かを考えるように黙り、そして話す。 「一つ。最近の君の無断外出について」 ピク、と黒崎の肩が動いた。 「君は実験に於いて例機に次いで重要な役割を負っている。万が一にでもその命、喪う事は許されないぞ」 それを見逃さない“害群”の叱責はどこまでも淡々としているが、抗いがたい重みを持つ、強い言葉だった。 しかし黒崎はそれに一切動じず、むしろその言い草が気に入らない、とばかりに鼻を鳴らした。 「アンタにしちゃ珍しく、言葉を間違ってるな。重要なのは俺じゃねえ、俺の 「…………」 “害群”の沈黙に、黒崎が更に言葉を重ねる。 「もういっそ手足を千切って監禁でもしたらどうだ?それとも……そうだ、いっそ殺してみろよ。アンタなら死体をそのまま保存するぐらいワケねぇだろ?なァそうしろよ。その方が面倒も――」 「黒崎」 エスカレートする黒崎の言葉を止めたのは、アロケンだった。 数秒睨み合う黒崎とアロケン。しかし彼の強い視線に根負けしたか、舌打ちを一つ、黒崎がゆっくりと目を逸らした。 そこに“害群”が返答を示す。 「ふむ。 ふん、とまた黒埼が鼻を鳴らす。 アロケンが小さく安堵の息を漏らしたのを横目で見つつ、“害群”はまだ口を閉じない。 「だが遊びが過ぎるのも事実だな。“遇奇の帥”共々、先週の戦いで例機らの前に姿を晒したそうだな」 「それがどうした」 「君には他にも利用価値がある、と言う事だ。アロケンの指示で顔は隠したようだが、今後は私の命無しに例機と接触する事を固く禁ずる。良いな?」 「……――拒否権なんかねェんだろ、クソったれが」 小さく、誰にも聞き取れない声で呟き、黒崎が“害群”とアロケンに背を向けて歩き出す。 「どこに行く黒崎。お前は今日検――」 「散歩だ。時間までには帰る。いつも通り裏口開けとけ。じゃあな」 呼び止めようとしたアロケンの声を遮り、それだけを捲くし立てて黒埼が歩き去る。 アロケンが思わず伸ばしていた手は、少しの間だけ虚空を彷徨った。 ◆ 午後五時前。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」 ※勉強中です。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラおらっしゃあ終わったぞこらこんちくしょーい!」 叫び、乱暴に掲げた紙を悠一へ、パーン!勢いよく叩き付けた。 「……じゃあ、見せて、もらう、か」 言葉を一度区切るごとに、つまんだ伊織のほっぺを90度ずつねじりながら悠一。 いふぁいいふぁいごめんなふぁいと言う悲鳴をBGMに、大変リラックスしたご様子で採点をする。 「……ん、一応合格点だ。ほら」 ほっぺを離し、同時に答案も返却する。 「ふんっ、わたしが本気出したらこれぐらい晩飯前だ!……ぉぁー痛かった」 「そうかそうか。じゃあ晩飯までまだ時間もあるし、もう一枚」 赤くなった頬をさすりながらも、やたらと勝気な態度を崩さない伊織。 それを軽くあしらう悠一の手腕に、アリスとゆかりは感心しきりだ。 ともかく伊織は新しく受け取ったプリントを机の上にぺらりと乗せて、 「ふふん、今度も楽勝だぜオラオラオ!」 ガリガリガ!と。威勢よく書き出した伊織のシャーペンが、指が、身体が、ビタァ!と停止する。 「……?」 訝しむ悠一の前で、伊織は驚くほどの小顔をしかめて、しかめて、 「………………クソッ!今のわたしじゃあここまでしか埋められない!と言うわけではい提出!」 「どれ。……そうだね、名前だけだねってばかやろう」 チョップを食らう。 「いたーいー!だって分かんないし!いきなりレベル上がりすぎだし!」 「文句を言うな。分からない所はちゃんと教えてやるから、ほら」 「ぶー……」 悠一に促され、渋々とまた問題に取り組む伊織―― 「羨ましいですね伊織さん……」 ――に、横槍を入れたのは、意外にもアリスだった。 「あん?なにがだよアー子」 「私も国語のテストだったらいくらでも受けてあげますよ……なのに……ああっ、四字熟語が私を呼んでいます。古文が漢詩がありおりはべり!いろはにほヘトチリヌルヲヲヲォ……!」 「普通に怖っ!?なにこの日本語ゾンビ!」 「大体ねぇ伊織さん!」 「おう!?」 ゾンビ化の進むアリスに周囲が若干引く中、当の本人はお構い無しにヒートアップしている。 「国語って言うのは日本語を正しく知っていれば何も難しい事は無いんです!それなのになんですか赤点とか!日本人として恥ずかしくないんですか!?」 とか、バンバンと机を叩いて訴えてくる如月 アリスさん(英国出身)。 言ってることはもっともなのだが、金髪碧眼巨乳の少女にそんなこと言われても説得力が……と戸惑う面々。 と言うより、それ以前に―― 「そったらなしてアーたんは英語でけひんのん?」 ――そのものズバリ。どこの訛りか知らないが、姫子が言い放った。 「 」 ビシッと石化、派手にひび割れるアリス。なんとかフォローしようとあわわあわわしているゆかりが余計に哀愁を誘う。 「ねえなんでなんでなんでー!おせーておせーてオラその人の頭ぐらいありそうなおっぱいで答えてみろよヘイヘヘイふたつでひとつのおっぱいコノヤロウ!」 そこに傷口に岩塩を刷り込むように軽快なフットワークでアリスの周りをトンタン跳ねる姫子。 それを伊織の必殺サマーソルトキックで沈め、以降しばらくはとても静かに勉強が続いた。 尚、危険防止の為にあらかじめ荒縄は撤去されていた。 ◆ “害群”・“炎環”・黒崎、そして配下のヘイズ達の去った空間。 “遇奇の帥”ロキと、彼の有する集団・『 ぼうっと色の無い天井を仰いでいる“遇奇の帥”に、二つの影が近づく。 「おやぶーん。さっきは待機だなんて言ってたけど、本当はどうするの?」 声をかけたのは、あどけなさの残る顔立ちの少年だ。 身の丈に合わぬサイズの白く柔らかな質感のコートを羽織っており、首から提げた懐中時計が印象的だ。 「うフ。解ってしマいマした?」 「親分がご馳走を前にお預けなんて出来るタチじゃないってのは知ってるけどさ。“害群”さんを出し抜こうってのは、ちょいマズくない?」 「同意。頭目の思いつきで我々にまで累が及ぶのは遠慮したい」 白の少年に追従したのは、頭の先から足の先まで、至る所に様々な大きさ・太さ・長さの布を巻き付けた男だった。 片目と、あとは無造作に肌が覗くだけと言う、まさに「奇妙」と言う言葉の相応しい風体だ。 「おや手厳シイ。デは君達だケにタネを明かすトしましョウか」 “遇奇の帥”はそんな風に嘯いて、背後に控える異形の群れに身を向けた。 「実はコノ近くの山でとォッても大キナ揺らぎが発生したラシイのデスよ」 「質問。その情報の元は?」 「先日、暇ナ時に 「……まァたそんな悪趣味な」 肩を竦める白の少年。布の男も呆れたように首を振っている。 「デ、そノ揺らぎから生マレたヘイズさんが、ゆっクりとこの街ニ向カって来ていルようナのデス」 「へえ」 興味を持ったのか、白の少年が僅かに身を乗り出した。 布の男も静かにそれに耳を傾けている。 “遇奇の帥”は、そんな二人の同胞と、その奥の多くの影達に笑いかけた。 「私とシましテハ、そのヘイズさんトモお友達になりタイ、と言うワケデスよ♪アトナくん、トキトガミくん」 「意見。頭目をして大きいと感じさせる揺らぎならば、不用意な接触は危険では?」 「僕もアトナと同意権かなぁ。こないだのヤっちゃんさんはいー人だったけど、彼もやられちゃったしね」 二人――布の男はアトナと呼ばれ、白の少年はトキトガミと呼ばれた――が口々に言い、、そうだそうだと他のヘイズ達がそれに同調した。 『 「………………まァ、 ◆ 「……」 「……」 ちゃぶ台を挟んで、睨み合う二人。 伊織と悠一だ。 それを、休憩中のアリス・姫子・ゆかりが見守っている。 「行くぞ……」 ゆっくり口を開く悠一に、 「…………来い」 伊織が返し、 「………………」 わくわく、と書いてありそうな顔の姫子が、その手に何故か持っているおもちゃのゴングを―― ――カーン! ROUND1 「『寝耳に』?」「蜂!」「怖っ!」 「『泣きっ面に』?」「鞭!」「惜しいけど酷いです!」 「『犬も歩けば棒に』?」「うたれる」「普通に虐待だよそれ……」 「「「「「……」」」」」 ROUND2 「『風神』?」「ガイジン」「だけじゃないフウジン!」 「『朝令』?」「ながい」「言葉の響き的には近いですけどチョウレイ違いです!」 「『門外』?」「流出!」「つこうたら駄目だよ……」 「「「「「…………」」」」」 ROUND3 「『小豆島』」「あずきとう!」「予想通りにベタだ!」 「『御徒町』」「おとまち!」「期待通りにベタです!」 「『雰囲気』」「ふいんき!」「そんな伊織ちゃんそこまでベタな!?」 「「「「「………………」」」」」 「「「「「………………………………」」」」」 そして、五人の少年少女が一様に沈黙を重ねる。 アリスの答案ご開帳の時ほどではないが、どうにも居た堪れない雰囲気だ。 はらはら、と書いてありそうな顔の姫子がその手に何故か持っているおもちゃのゴングを―― ――カーン! 「ぶへあー!」 ゴングに救われたボクサーの体でその場に仰向けに崩れる伊織。 そんな彼女を見る三人はいずれも沈痛な面持ちだ。 「い、伊織ちゃん……」 「これは……なんと言うか、想像以上ですね……」 「追試以前の問題だろこれ……と言うか、幼馴染みの学力低下をここまで見過ごしていた事がただ悔やまれる……!」 ゆかり・アリス・悠一が続けざまにこぼし、深く深く溜め息を吐いた。 特に悔しそうに歯噛みする悠一の両肩に、それぞれアリスとゆかりの手が乗せられる。 お前のせいじゃない、お前はよくやったよ――的な、健闘を讃える視線のおまけ付だ。 その労いさえも、虚しさを加速させるだけだったが。 兎にも角にも、伊織の精神的疲労が相当な所まで来ているので再び休憩だ。向坂 悠一、基本的に甘い。 脱力しきっている伊織とアリスを見、中々長続きしないなと嘆息する悠一だが、一朝一夕に身につくものではないなと諦めておく。 と、考え事中の無意識な視線が、伊織に眼鏡をかけて遊んでいる姫子とぶつかった。 「ぁそーいえば先輩先輩。あといおりんも」 「なんだ?」 「わたしはついでかよー……」 それぞれに返事をする二人を見比べて、姫子。 「二人って幼馴染みなんですよねー?いつからの付き合いなの?」 「いつから……と言われてもな。俺が生まれて、伊織が生まれて……まあ、それからずっとだな」 なあ?と伊織(姫子提供の伊達眼鏡装備)に言葉を渡す。伊織もうんうんそーだねそーですねーと無気力に相槌のバーゲンセールだ。 そして姫子の頭上にピコン!と豆電球が出現。瞳も猫目でなにやら悪戯っぽく、 「ふんははん。じゃーつまり、いおりん的には生まれた時からこーさか先輩と一緒なのん?」 「むゲッ!?そ、そりゃ大げさすぎだろっ、ばかヒメ!」 「おほう!?イイっ、今のイイ!なんか懐かしイイ!ねえもっかい、もっかい言っていおりーぬ!」 「うぎゃあキモい!?ののしられてどんだけ食いついてんだよこいつ!」 いつも通りのごく自然な流れで伊織を押し倒そうとする伊織と、姫子を押し返そうとする伊織。 その様子を眺めながら首を傾げるのは、この面子で一番の新参者であるアリスだ。 「……懐かしい?「ばかヒメ」が?どういうことなんですかゆかりさん」 「え?ああうん。えっと、伊織ちゃんと私達が知り合ったのは中学入ってからなんだけど、その頃は伊織ちゃん、姫ちゃんのこと「ヒメ」って呼んでたんだよ。私が「姫ちゃん」って呼んでるのを真似したんだったかなぁ」 「ああ、あったな。そんなことも」 相槌を重ねる悠一。その脳裏には当事、 『あのねあのね悠一!がっこーで早速ともだちが出来たんだよ!ゆかりちゃんとヒメってゆーの!』 とかエアしっぽをパタパタ振って嬉しそうに話していた伊織を思い浮かべている。……所為か、少々表情が緩い。 しかしそれとは対照的に、アリスの首は更に傾げられる。 「でもそれじゃあ、なんで今は呼び捨てなんですか?私につけやがった「アー子」よりは全然まともで可愛いあだ名じゃないですか」 根に持ってるのか?ええ割と、と言うやり取りに苦笑しつつも、ゆかりが言葉を整理しながら答える。 「んと、ね。伊織ちゃんって実は結構人見知りなとこあって、なのにちょっと、偏った考え方してるみたいで……「友達には必ずあだ名をつける!」、とか」 「「あー」」 納得が行ったとばかりに声を漏らす悠一とアリス。恐らく二人の頭の中には、豪快に笑う同じ女性の姿が浮かんでいるだろう。 「でもほら、その……姫ちゃんって、ちょっと、なんか、色々、………………アレじゃない?」 「「ああーー」」 先程よりも更に合点が行ったとばかりに長めに声を漏らす。確かに、アレだ。 「だからかな?途中でヒメって呼ぶのがばかばかしくなっちゃったみたいなの。知り合って2、3ヶ月もしたらもう呼び捨てになってたよ」 「へぇー……人に歴史ありと言いますか……」 しみじみ呟くアリスの視線は、伊織と姫子へ。悠一とゆかりも釣られてそちらを向く。 「ぐおおおおおあああああああああああ」 「ぼはあああああああああああああああ」 割といつもの事だが、貞操をかけた攻防がエスカレートしすぎて二人体制の大車輪のようになってる伊織と姫子を眺める。 十数分後、玄関から沙希の元気な声が聞こえてくるまで、無言で眺め続けた。 ◆ 「……我が主“害群”。先程は黒崎が失礼を」 黒崎が抜け、残った二人。 “炎環”アロケン。“害群”ダンタリオン。 「瑣末な事だ。あれもそろそろ時間が無い。焦りもするだろう」 前に出、頭を下げたアロケンの脇を、“害群”が通り抜ける。 「、それが分かっておられるのであれば、計画を少し前倒しにしても宜しいのでは」 ――通り抜けて、立ち止まる。 「……“炎環”アロケン。勘違いをして貰っては困るぞ」 振り向きざまに放った言葉は、冷たい。 「重要視すべきは優先順位である。 淡々と述べられる 「……ッ」 小さくアロケンが息を呑むのが、しかし“害群”には瞭然と聞こえた。 そして、そのアロケンの後ろに潜む影が、“害群”には瞭然と見えた。 「客だ」 「客――?」 振り返る。 二人の視線を受け、その影が物陰から姿を現した。 それは年老いた男の姿をしていた。 皺の刻まれた顔に白い髭を蓄えた、深く落ち着いた物腰の老人だ。 だが“害群”は、老人の姿を見るなりに踵を返し、また歩き出す。 「我が主――」 「対応を任せる。私は先に帰らせて貰おう」 言葉に詰まっていたアロケンが慌てて引き止めようとするが、逆に言葉をぶつけ、“害群”はその場を立ち去った。 残されたアロケンの元に、老人が歩み寄る。 曲がった腰。低い目線からアロケンを見上げ、 「……久しいのう御大将。話を、少しよいか?」 「……ああ。場所を変えよう、“ ◆ 「今夜のテーマは『お泊り』!てェことで、シンプルにカレー&サラダだ!」 そう宣言して、沙希がじゃーんっ!と大鍋の蓋を開け放つ。 「わーいカレーだー!」 「うわぁ、すごくいいにおい……」 「すげえ!ぱねえ!んまそう!これ一般家庭の夕飯ってレベルじゃねーぞ!」 部屋中を満たすカレーの極上の香りに、乙女達が一様にドオオオと沸き立つ。 「うわひょう待てないからあたしも手伝うー!皿これ!?」 「ああもう姫ちゃんそんな勝手に!?で、でも私も手伝うっ、とりあえずサラダとか取り分けて……」 パタバタと準備に加わる客分二人。家人の悠一と伊織、それから出遅れたアリスは先に居間の方に落ち着く。 「そいえば、なんかカレーって久しぶり。だよね沙希さーん?」 居間から続く台所スペースの沙希に向かって声を投げる。 「おーぅ。最近は和食続きだったからなー。気合入ってるぜ?」 「あー、ほんとアー子が来るようになってから和食漬けだもんなー。美味いからいンだけどさーぁー?」 返って来た言葉に、伊織はなるほどと頷きアリスの横腹を肘でつつく。 「ぅぐ、そう言われると返す言葉も無いです……でも、カレーも美味しそうですね。ねえ悠一さん?」 「………………」 「?、悠一さん?」 伊織の追及から逃れようと話を振ったが、悠一は夕飯前の賑やかな雰囲気とは真逆、深刻そうな表情でそれに気付かない。 数秒遅れて、やや驚いたように悠一がアリスに気付く。 「……、ぁ、ああ。なんだ?」 「いえ、カレー。美味しそうですねって。もしかしてお嫌いとか?」 「いや、そういうわけじゃ、ないんだがな……」 「……?」 返す言葉もどうにも歯切れが悪い。 一体どうしたのかと更に尋ねようとするが、 「ただいまー。あれ、今日は賑やかだね」 「おわーパパさん何日かぶりです!姫子ちゃんです!」 「やぁ姫子ちゃん、何日かぶり。ゆかりちゃんもいらっしゃいだね、うん」 「ぁ、ぉ、おじゃま、してまスッ!」 「ゆかりん噛んでる」 「かか、噛んでにゃいヨッ!」 「うん、噛んでるけどね」 帰宅した信護と姫子らの騒がしい声に気を取られ、 「よーっしゃ出来た完璧。ホラお前ら座れ座れー」 更には料理を終えた沙希の一声が飛び、結局は訊けず仕舞いとなった。 「ほらお前ら手ェ合わせろー。…………うし、そんじゃーいただきます!」 「「いっただっきまーす!」」「「「「いただきます」」」」 沙希の号令に続く六人。 まずは伊織と姫子が、スプーン山盛りにすくったカレーを一気に口に放り込んだ。 その間抜け二人があふいあふいぃいいとのたうつのに遅れ、ゆかりもカレーを食べる。 続けて沙希と信護、そして悠一が妙にゆっくりと口に含んだ。 そして全員が一様に絶賛の言葉を口にするのを見てから、ようやくアリスはカレーを頬張った。 まずは驚くほどの熱気。次にスパイスのピリっとしたささやかな刺激。 大きめに切られた野菜の様々な食感や鶏肉の旨味が次々に流れ込み、アリスの全身を幸福で満たしていく。 コクン、と嚥下し、ほふぅ、と一息。 「ぉ、おいひいですぅ〜……」 うっとり頬に手なんか当てて、恍惚とした表情で絶賛の言葉を漏らす。 「(……はて、しかしこれだけ美味しいカレーを前に、悠一さんは何を憂い顔してらしたんでしょうか?)」 先程の疑問がまた鎌首をもたげたが、今はカレーの方が大事だ。 さてもう一口、とスプーンを運んで、はたと手を止める。 喉に、僅かな違和感がある。 そしてそれの正体を探る前に気付く。 「……?」 姫子とゆかりが、 「、姫子さん、ゆかりさん、どうし――!?」 「「「ひ、ぁ、ぃ、ひはああああアアァぁァアぁああアぁアぁアアアあッッッ!?」」」 少女達の悲鳴が、見事な三重奏となり、響く。 「くぁwせdrftgyふじこlp;@!?!?!?」 「ひぁうあ、み、ずっ、らめ、おみずぅ〜!?」 「辛っ!ぃや熱……痛!?な、んでずがっごれ゛……ガレ゛ーが喉に゛噛み゛付ぎま゛じだよ゛!?ぅぁうあふえあぐぅぅううっ!?」 ドッタンバッタンゴロゴログワアアアー!と。 のたうち暴れる乙女×3。 一部はスカートを履いているにも関わらず……と言うか、気にしていられないと言う様子で畳の上を転げ回っている。 「うん、相変わらず美味しいね」 「いや、でもこれは……沙希さん、味付け少し変えました?」 「おっ!よく分かったなーユウ。隠し味のバランスを変えてみたんだよ。見破られたのは悔しいけど、成功だなこりゃ」 対して向坂家の面々はなんとも平然とした様子で談笑までしながら箸を、もとい匙を進めている。 「ゆ゛。悠一ざん達は辛くなイ゛んでずが……?」 喉をやられたデスボイスでアリスが訊く。 「いやまあ、辛いが。ウチのカレーはいつもこうだからな。対処法ぐらい身につけている」 「た、たいしょほう……?」 と、涙目でヒーヒー言っているゆかりもちょうど近くに転がってきた。 大胆にスカートがめくれ上がっているのから目をそらしつつ、 「一口食べる毎にしっかり水を飲んで、一回ずつ辛味を消していく。辛さを勢いで誤魔化そうとがっつくと、そこで死にかけている進藤さんみたくなる。ほら水」 等と説明しながら、グラスに注いだ水を皆に手渡して回る。 がぼごぼと乱暴にコップを煽って、ようやく人心地がついたと息を吐く三人。 ぜーはーと苦しそうにしながら、その中でアリスが疑問に思ったことを口にした。 「び、びろいめ゛にあ゛いまじだ……」 まだ半ば舌が回っていない。 「げど悠一さん?ほうじでそんな゛、対処法を゛編み出しでまでぼん゛な激辛カレーを……?」 尋ねられた悠一は、食事前の様にまた言い淀み、視線を横へ流す。 「まあ、それは……家人にこのカレーが好きな奴がいるから、だが……」 どうやらその視線の先にこのカレーを好むと言う アリス・姫子・ゆかりは悠一の視線を追う。 それは会話を楽しみながらカレーを食べる信護と沙希を通り越し―― 「沙希さーん!おかわりっ!」 「「「うぅうえぇぇぇえええええぇえ!?!?!?」」」 ――今まさに元気よく空っぽの皿を掲げる、八坂 伊織その人に向いていた。 「あいよー。てかペース早すぎだろお前。ちゃんと、ゆっくり、味わって食べやがれっての」 「カレーは飲み物!」 「どこのフードファイターだテメエ!?」 と言うやり取りをしてる伊織と沙希を他所に、アリス達が悠一に詰め寄る。 「ど、どういうことでふか悠一しゃん!」 「こーひゃか先輩!はれってひほひんのヒャラ的ひアリなんれすか!?なしっしょ!?」 「ひょ、ひょうでしゅよっ、私も、いおひちゃんがこんにゃにかやいもの食べへるとこりょ見たこおないでしゅ!」 未だに呂律の回ってない三人にズズイと迫られ、たじろぎながらも悠一が答える。 「あ、ああ。言いたいことは分かる。あいつは普段は「超」どころか「超絶」のつく甘党だからな」 「だったやなんれ?」 「さあ、なんでだろうな……なんでか、カレーにだけは並々ならぬ情熱を燃やしてるんだ……食べる方専門だが」 「うんうん。で、八坂家秘伝のカレーをうちの優歌が引き継いで、それに沙希が自己流にアレンジを加えちゃったものだから、それはもう物凄いんだよね」 悠一の説明と信護の補足を受け、はあ……と神妙に頷く一同。 その視線は、いつの間にか食べていた三杯目を過ぎ、四杯目に突入する伊織のニコニコ笑顔から離れなかった。 |
ひだり
2009年11月24日(火) 02時32分46秒 公開 ■この作品の著作権はひだりさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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lPFrTM A big thank you for your blog article. Keep writing. | -20点 | Cheap Seo Services | ■2012-08-08 20:08:57 | 91.201.64.7 |
イヤッホゥいぇーいレイキきたぁぁぁぁーっ! とまぁこの上無くウザ目のテンションで申し訳ありませんが、常日頃からこの掲示板にアクセスしては 「あ、投稿件数増えてる!どの作品だろなー?」 ↓ 「クソが、スパムかよ!」 といった行為を繰り返しておりました所、先日久々にレイキを発見して大興奮。 予てより次の話が投稿されたら感想を入れさせて頂こうと考えてましたので、では早速……とか思ってたら台風やら台風のせいで、えぇ、その、出遅れちまいましてね、すみません。まぁそうこうしてる内に既に五人の方が感想入れてらっしゃる御様子。出遅れるにも程がある。ひだり 。 あと、Wの尻彦さんが一々変態かっこよ過ぎると思います。 それにしてももう五ヵ月になるんですねー……前回、前々回が番外篇だったので本編は何ヵ月ぶり…とかそんな計算しちゃいけませんね、うん。 >R41点 >G35点 ……ごめん、リアル莫迦の立場から言わせて頂きますと、甘いわ!<ぇー いや、その程度でヘコむとかですね、まぁ外人さんだからジャップに英語で負けるのはショックかもしれませんが、真の莫迦ってのは百点満点かつ平均点八十点のテストで二点とか平気でとっちゃう世界ですからね。一桁とか本当莫迦じゃないの。僕の事ですけど。 >「……んで、エロ本どこー?」 >(中略) >「……ベッドの足元だ」 なんか悠一くんとプリンセスがいつの間にかわりと仲良くなってるようで微笑ましいですな<違 まぁアレですよね、拳で語り合った仲ですし<違 >28点 うん、凄い親近感<ぇー ……物理とか死滅すればいいのに >ふたつでひとつのおっぱい つまり右のおっぱいがサイクロン!左のおっぱいがジョォカァァァッ!な訳ですな<意味不明 >カレー 甘口しか食べられない僕には縁遠い世界ですねー…… 基本甘党って辛い物駄目なイメージあるんですが……まぁ、いおりんだし!<失礼 |
50点 | ぴあの(もうその内尻彦さんもプリキュアと踊りたいとか言い出しかねない) | ■2009-10-13 14:23:29 | p7101-ipbffx02sasajima.aichi.ocn.ne.jp |
ヒャアッハッハッハッハァ! とうとう追いついたぜコンチクショォ!! どうも、「セレナ」壱拾五話完結編に手間取っている@PFです。 皆ポケモンが悪いんだぁ! あとW面白れぇ 先日ようやっとレイキ全話に目を通せましたぞよ。 と言う訳で念願の書き込みだぁい >「ッしゃあ行くぜ行くぜ行どぅわおうのわ!?」 >「おいこらまだ動くな暴れるな危ないだろうが!」 この状況で危ないと言うより、タンデムシートで暴れる女の子というシチュである事に、何処か萌ゑを感じてしまう自分は、きっと末期。 でも、この後作戦通りとは言え、バイクの横っ腹を蹴り出されて路上の紅葉おろしと成り果てなかった、悠さんのドライビングテクニックと度胸に感服していたり >第一回・追試なんて怖くない!ドキッ☆美少女だらけの一泊二日大勉強会!~おばかもいるよ~ しかしアレだな、何か悠さんがこんなに女の子に囲まれてて、羨ましいのか羨ましくないのか非常に判断しかねる面子だと、つくづく思いますねぇ。 いやでも、ゆかり嬢は… >姫子 自分、ずっとこの子百合か両刀なんだと思ってたけど、ひょっとして只の女の子(或いは乳?)好きなんでしょーかね? いや、やっぱ百合かも。 取り敢えず分かっている事は、彼女が今回の勉強会では賑やかし程度にしか成ってないって事だけだ。 >くそう、この学校では優等生キャラで通したかったのに…… セ『身の丈に合ったキャラ作りをするべきですね(笑)』 鷹「よ、余所様のキャラに何言ってんのアンタ!? もっと言葉を選べ!」 セ『ハイハイ分かりましたよ』 鷹「良かった…じゃあ、take2どーぞ」 セ『身の程を知れ、バカが』 鷹「もっと酷くなった!」 セ『アレか?大方中学時代の栄光とやらも、脳内にのみ存在する歴史ってヤツですよね?』 鷹「おぉぅい!」 セ『人生勉強だけじゃ有りませんよ、只のドMとして<自主規制>な感じで生きていくというのもそれはそれで一つの選択だt』 鷹「ストップストップ!!」 >伊織達と知り合ってからこっち、『人生最大の屈辱ランキング』を凄い勢いで更新しているアリスも、何とか冷静さを取り戻せたらしい。 逆に考えるんだ。 今日が酷いなら明日はもっと酷い事が待って居ると。 つまり、明日やその先の起こるであろう自体に比べれば、今日はまだマシだって事サ! >28点 >「もういきててもしょうがないじゃないですかぁー」 セ『大丈夫、貴女にはドMと言う素晴らしい才能が有るじゃないですか その才能を伸ばせば貴女はきっと』 鷹「やめろ!それは伸ばしちゃいけない才能だ!!」 セ『いえ、Mの体質を生かして異常な打たれ強さを手にした格闘家の話を、マンガで読んだのでその事を言おうかと』 鷹「へぇ……」 >言葉を一度区切るごとに、つまんだ伊織のほっぺを90度ずつねじりながら悠一。 ひーふーみー…四回? じゃあ合計360度? すげぇ軟らかさだ…(愕然) >カリー ふむぅ…@PFは割と辛党だけど、コレは行けるのか流石に不安になるレベルだぜ… >蠢く闇 自分で言うのも何だけど、セレナの敵は割とこう…それほど恐ろしい存在じゃないからなぁ…。 いや、町とか余裕で壊滅させる奴とか居るけど、そう言う意味じゃなく 自分のとこと比べて余計に壮大さを感じてしまうじぇ。 ふぃ〜、何かひさっびさな気がする、こう言う感想書くの。 途中で自キャラ使うのも何か初体験チックだし…。 キャラがキャラだけに、内容が過激になりがちなのが困ったモンだぜ とりあえず「ありす」と入力して変換すると「ドM」と成るように辞書登録を(ry 今回の書き込みがひだりさんの逆鱗に触れてない限り、次回以降も書き込むつもり何で、今後とも宜しく? と言う訳でサラダバー! |
50点 | @PF(波乗りピカチュウ+でんきだまマジぱねぇ) | ■2009-10-05 04:34:37 | i60-46-202-191.s11.a021.ap.plala.or.jp |
おひさしぶりでございますひだりさまー。 いそがしくてはなしかくひまがありませんひだりさまー。 ではではかんそうをばー。ばー。ばー。 >鋼鉄の悍馬に跨る男の後ろにしがみつく、一人の騎士。 いちゃラブマシンは今日も頑張ってます。 誰か洗車してあげてー! 労ってあげてー! こんなときは洗車大好き草加さんの出番だ! >どM 公式設定おめ。 なんかオイラたちが「どMどM」って連呼したせいな気がしないでもないかもしれないけど多分違うよね。 >「くぁwせdrftgyふじこlp;@!?!?!?」 >「ひぁうあ、み、ずっ、らめ、おみずぅ〜!?」 >「辛っ!ぃや熱……痛!?な、んでずがっごれ゛……ガレ゛ーが喉に゛噛み゛付ぎま゛じだよ゛!?」 ほほぅ、どうだい沙希さん、嫁に来ないかい?(←カレー好き たまーに喉が痛くなるぐらい辛いカレー食べたくなるんですよねー。 ……やべぇ、腹へってきた。 >ヘイズs とまぁ、伊織んたちが馬鹿やってる裏側では幹部クラス(わぴたんの独断と偏見)がミーティング。 詳しいことはわかりませんが、待て次回! っつーことですね。 ここからが本題。(ぉ 11月以降に『ベン・トー5』発売決定ですってよ奥さん! こりゃぁ買うしかないね、まいった! でわでわ、宣伝もこのぐらいで感想もこのぐらいでー。 |
50点 | 『ベン・トー』普及委員会会長わぴたん(またの名をYP、現在ポケモン廃人) | ■2009-10-05 00:54:38 | i118-18-118-1.s11.a028.ap.plala.or.jp |
ご、五ヶ月・・・だとっ・・・・許せる!!(ぇ 冬眠中のせーらんは"遅筆友の会"所属のひ・だーりんが現場復帰されたのが大変喜ばしくもあり・・・妬ましィー!ギギッ!(ぉ 相変わらずの高クオリティで楽しませて頂きましたw 書きたい・・・・でも書けない、ギギッ! >敵さんぞろびくの巻(? 裏側で色々している敵さんの動きが中々掴めない・・・・! 伊織ちゃんの謎も含め気になる所です >ドキッ☆(略 伊織ちゃんはちょいとおバカなのがアイデンティティなので赤点は予想通り(←ちょ、おまっ!?) だったのですがアリスちゃんは・・・・というかこれ、アリスちゃんを精神的に蹂躙して悦ばせてあげる企画なんですね、わかります どMは関係ありませんが最近(?)の二人はなんかよく似てますねーw >英語28点 勉強してもそんな残念な点数を出すなんて・・・・(英語が)おバカな自分を虐げて欲しいんでしょ!本当は首括りながら圧迫感と周囲の視線で悶え(ry 調子に乗り過ぎた、反省はしていない。(ドきっぱり) >一口食べるごとに水 青嵐は辛いものでもホイホイ放り込んで後からこれは孔明の罠だぁー!と気付くタイプなので中々ありがたい対処法だったりします そうだ、カレーを食べようということで今回はこの辺で |
50点 | 青嵐昇華〜幽霊楽団〜 | ■2009-10-04 13:39:58 | proxy3111.docomo.ne.jp |
どうもご無沙汰してましたAヨスケです。 約五ヶ月ぶりですか…、感想専門なもので自然消滅しかけてた自分ですが、久々のひだりん節を拝めて向こう一年は頑張れそうな予感。書くのは感想だけですが。 冒頭でのバトル、いちゃラブマシーン天馬の名を欲しいままにする悠一くん&鈴騎とランスロットの連携はすっかり板についてきた感じでなにより。 おばかもいるよ 勉強は学生の本業ですからね。しかし"復讐者"とは決して"成績がよろしくない"事の言い訳にはならバツないとバツ思うバツよアリ…ドMちゃん と、13話もまだ前編らしいのでひとまずこの辺で、また後編で。 |
50点 | Aヨスケ | ■2009-10-04 01:19:51 | pv02proxy02.ezweb.ne.jp |
始めまして♪今回初めて感想を投稿させていただきます「仮面ライダーバルキリーたん」を書かせていただいている「鴎」といいます。 今後ともよろしくお願いいたします。 >正確には、鋼鉄の悍馬に跨る男の後ろにしがみつく、一人の騎士。 正義の味方が交通違反ぶっちぎっていいんでしょうか? しかしこの「鋼鉄の悍馬」という表現すごくカッコいいですね。 >「第一回・追試なんて怖くない!ドキッ☆美少女だらけの一泊二日、大・勉・強・会〜〜〜ッ!~おばかもいるよ~」 ひだりさんのかかれる小説はこうした戦闘のシリアスな部分と普段の日常風景のイメージが思い描くとき、それぞれの場面での雰囲気を伝えるのがすごく上手ですね!!こうした実況も臨場感があり、笑いました。 >些細なトラブル 自殺未遂でさえもはや些細と片付けますか・・・ある意味強者ですな。 そんなこといったらうちの娘の不幸話はトラブルのフルコースのようなもんですわ。 >28点 結論:アリスさんはマジで英語が出来ない。 ものすごい展開ですね。というか、ロープを常に常備してるんでしょうか、この子は? >「どれ。……そうだね、名前だけだねってばかやろう」 大爆笑。 最高です、このネタ最高。 名前だけってそれないでしょ。 というか、追試以前の問題のこのレベル。 結論;伊織ちゃんはマジで国語が出来ない。 この二人最高です。周りの皆さん、見捨てないでください。 この後の展開も楽しみにしております!! |
50点 | 鴎 | ■2009-10-03 23:49:25 | st0416.nas931.ichikawa.nttpc.ne.jp |
合計 | 280点 |