仮面ライダーバルキリーたん 第27話 「The unfathomed dark」
「The unfathomed dark」

―お前なんかに、あたしの気持ちは分からねえよ。お前みたいに強くて、他人からちやほやされるのが当たり前と思ってる奴なんかにはよ。

―どうせ、あたしなんか誰も振り向いちゃくれやしねぇ。70年近く生きてきちゃいるが、これまで誰一人、あたしを必要としてくれたことなんてねぇ。

他人の幸福を妬み恨み、決して得られない自分の人生をまるで呪うかのように暗く沈んだ気持ちで生きてきた。
幼いころに戦乱で顔の左半分を焼かれて、醜く焼け爛れたのは自分のせいじゃない。
しかし周囲から向けられるまるでゴミか虫けらでも見るかのような冷たいまなざし。
他人の幸福を妬んで、恨んで何が悪い?
どんなに追い求めても、どんなに努力していても、ただ「自分らしく生きたい」だけなのに、それすらも嘲り笑って、踏みにじって見下すようなお前らのほうが悪党じゃないか。自分みたいな役立たずなんか一族の名を汚すからとかいうわけの分からない理由で、まだガキだった自分がこの世界から消えてくれることばかりを願っていた実の親、一族を恨まないなんて出来るか。

しかし、その嫉妬に醜くゆがんでいた心を救ってくれたのは決して美談などではない。

この世で自分が一番強いと豪語する自分よりも明らかに年下のレジェンドルガの少年の傲岸不遜ともとれる傲慢さと、鬼のような強さ―。

あらゆる敵を槍一本のみで叩きのめし、地面を真っ赤に染め上げ、血の海と化した戦場で唯一立ち続けている歴戦の覇王のような少年。
彼は自分の名前を「ルシファー」と名乗っていた。


ルシファー「レヴィ、お前毒作るのホント上手いよなぁ。今回の戦争、お前の毒がなけりゃ正直危なかったぜ。ありがとうよ。頼りになる妹分だぜ」

レヴィアタン「・・・正直もうダメだと思いました・・・でも・・・兄貴が頑張ってくれたから・・・今回は生き残れたんです・・・・あたしなんか・・・・何の役にも・・・」

ゴンッ!!

すると、ルシファーはいつも自分の頭を小突く。
そして殴られた頭を抑えている自分にしゃがんで顔を覗き込んで話しかける。

ルシファー「お前よぉ、どうしていっつもすぐもうダメだ、どうせこんなもんだろうって言うんだよ?いっつも言ってんだろー?もうダメだ、どうせこんなもんだろうって諦めてしまったら、その時からそいつの魂は腐っていくんだ。そんなの、ただ死んでないというだけで、生きてるとはいえねぇんだって。俺の妹分のレヴィアタンはな、もはやレジェンドルガどころかほかの一族にもその名を轟かせている最強の毒使いなんだよ。それにだ、お前は俺の妹としてすごく頼りにしてるし・・・お前がいてくれてよかったって思ってるんだよ。俺は毒なんか作れないしな。だから、自分なんかっていうな。俺は毒使いはお前以外にいらねぇつもりだし、可愛い妹分としていると思ってるんだからよ」

そういって、最後には頭を優しく撫でてくれる。

ルシファー「お前を悪く言うやつがいたらいつでもいいな。そしたら、兄ちゃんがぶっ殺してやるからよ」
レヴィアタン「兄貴・・・・・ありがとう!」

この世で自分が一番偉いから、自分の大切な仲間を馬鹿にするやつは殺してもいい。
自分だけの理屈だけで我が物顔で戦場を渡り歩くようなゴーイングマイウェイな殺人鬼であろうけども、兄貴だけが自分のことを必要としてくれていて、自分が唯一この世で信じられる仲間だと思えた。

その「思い」が、ファントムフォームと対峙していても決して彼女が倒れずに立ち向かい続ける原動力となっていた。

レヴィアタン「あたしはもう迷わない・・・兄貴がいてくれる。それだけでもう負ける気がしない!!」


炎と瓦礫に覆いつくされようとしてる研究所内の一室。
レヴィアタンレジェンドルガとファントムフォームの激戦がさらに過熱している様子であった。
ファントムフォームの繰り出すハルバートの攻撃を避けながら、器用に杖の中に毒液を流し込み調合し、霧状へと作り変えていく。

レヴィアタン「いい加減・・・くたばれっ!!!」
Pバルキリー「お前がな」

レヴィアタンが杖から青色の霧を噴出する。
その霧に触れたものがドロドロと赤茶色の液体と化してとけ落ちていく。

レヴィアタン「きひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!あたしの毒は・・・兄貴が認めてくれた最強の毒だぁ!!あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!溶けろ!!苦しんで、もがいて、のた打ち回って絶望しろっ!!!」

次々と毒の霧を発射し、ファントムフォームは縦横無尽に部屋の中を飛び回るが瓦礫などの障害物に阻まれ、次第に不利な立場へと追い込まれていく。

Pバルキリー「・・・ちっ、しつこいわね・・・」
レヴィアタン「あひゃひゃひゃひゃ!!!あーっひゃっひゃっひゃひゃひゃひゃ!!!あたしをバカにするやつ、あたしを蔑むヤツ、皆死んじゃえばいいんだぁ!!!けひゃひゃひゃ!!」

今度は赤色の霧を噴出する。するとその霧が火に触れると同時に凄まじい音と共に火花を破裂させる!!その熱風と衝撃にファントムフォームは目を見開く。

そして、飛んできた瓦礫の破片をかわし、ハルバートを構えなおす。

Pバルキリー「起爆性の毒ガスとはね。これは・・・ちょっとキツかったかしら?」
しかし、その表情には余裕の笑みが浮かんでいる。唇の端を吊り上げ、にたりと笑う。

Pバルキリー(まあ、せいぜいあがいてみなさいよ。その自信も戦意もあなたの心の全部ぶっ壊して、そして止めを刺してあげるからね)


そのころ・・・。
森の中で待機していた慧たちも、目の前でオオカミのようなレジェンドルガの姿に化身したアスモデウスレジェンドルガと対峙しており、緊迫した空気に包まれていた。

アスモデウス「えっへっへっへっへ・・・・どこから切り刻んであげようかなぁん。顔だけは最後にとっておくからねぇん。おっぱいかなぁん?おしりがいいかしらぁん?」

慧「・・・こいつの目。見ているだけでゾクゾクする、人殺しが好きで好きで仕方ないっていう目だ。どこまでも真っ暗で冷たい闇が・・・・広がっているのに・・・・その中で宿っているものは・・・触れただけで焼き尽くされそうな狂気の炎。負けるわけにはいかない!!エメラルド、本気でいくよっ!!」

Sバルキリー「よっしゃあ!!」

ソードを構えて、一気に頭部を低く下げて地面を駆け出すと同時に、アスモデウスレジェンドルガが関節剣を振り上げる!!
剣が銀色の光を帯びて、縦横無尽に曲がりくねって地面を削り、木々を吹き飛ばし、予測不可能な動きでソードフォームを追い詰める!!

Sバルキリー「なめんなよ・・・・あたしの足の速さをよぉ!!!」
さらに加速する!!
そして一気に飛び上がると木々を飛び移り、幹を蹴り上げ、刃の猛襲を次々と避ける。

Sバルキリー「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
さらに加速する!エメラルドのバイタリティと足の速さは尋常ではない。
すばやいスピードでソードを構えるかと思いきや・・・・。

アスモデウス「はにゃっ!!」
Sバルキリー「くらええええええええええええええ!!」

蹴りを勢いよく繰り出した!!
ブオン!!

音を立てて、足がアスモデウスをかすめるが、その威力は凄まじいものであろう。
そして地面に着地すると同時に肘鉄を入れ、よろめいたところへソードを取り出し、一気に叩き込む!!

Sバルキリー「おりゃおりゃりゃりゃりゃ!!」
もはや剣を無茶苦茶に叩きつけている。
しかし、それが逆に効果的であった。
鞭として伸ばした剣が戻ってくるまでの間にすばやく踏み込んで急所となっている部分を徹底的に叩けばダメージを与えられる。

アスモデウス「おっと!あぶねっ!!」
Sバルキリー「一度走り出したら止まらないじぇえええええええ!!」

もはや止まらない暴走機関車と化したエメラルドのお得意のラッシュ戦法。
その極意とは・・・素早さを生かして敵の急所をつかみ、一気に切り刻む!!後先考えずに突っ込む!!それがエメラルドの戦い方である。

しかし、次の瞬間。

アスモデウス「ほいっ」
アスモデウスが横に飛びのく。それと同時だった。
勢いつけて猛ラッシュを繰り出していたままソードフォームは爆走し、ソードから次の攻撃に繰り出そうと一気に振るう。

Sバルキリー「くらぇええええええええええ・・・?あれ?」

その直後だった。

ドッガアアアアアアアアアアン!!!!!!

火花が轟音と共に炸裂する。
そして、彼女の先にあったのは・・・Vライナーの車体であった。
そしてアスモデウスに振り下ろされるはずだった剣の刃は見事車体を切りつけ、導線やらケーブルやら叩ききって車体に刃がめり込んでいた。
黒い煙をぶすぶす上げて無残な傷跡を作ってしまい、ソードフォームが呆然と立ち尽くす。

ルーベット「ぶーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
トパーズ「あ、アホかああああああああああああああああ!?」
サファイア「ま、周りをよく見ろよおおおおおおおおおおお!!」
慧「何やってんすかああああああああああああああああ!?」
Sバルキリー「あ・・・あれ?やっちゃった・・・みたいな?」

アスモデウス「きゃははははははははははははははは!!ひーっひーっ!!!な、何、何それ、何やらかしてくれちゃってるの!?自分の時の列車を間違ってぶっ壊してどうするのさ・・・きひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!あーっ、もうお腹痛い・・・ぷひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

もはやアスモデウスは大爆笑していた。
涙を浮かべ、地面をバンバン叩き、のた打ち回り転げまわっている。

一方。
自身の手で時の列車を破損させてしまったことで、慧はもはや放心状態であった。
いくらなんでもここまでツイてないとは、予想外だったらしい。
ふるふると全身が震えだし、込みあがってくる怒りを必死で押さえつけながら、慧はぶつぶつとつぶやく。

何でこう・・・次から次へとトラブルがこうも舞い込んでくる!?

慧「・・・エメラルド・・・・あとで・・・・おしおき(怒)」
エメラルド「ご・・・ごめんなすわいいいいいいいいいい(泣)」
慧「・・・サファイアさん、代わってくれる?」
サファイア「は・・・・ひゃい・・・・(怯)」

もう慧の顔は無表情で、瞳は完全に輝きを失い、ゆがんだ笑みだけが浮かんでいた。

慧「ナンパなんてしたら・・・・怒るからね」
サファイア「りょ、了解しましたっ!!」

「Gun Form」

そして青い白鳥が施された仮面と甲冑に身を包んだガンフォームへと代わる。

Gバルキリー「君のハートに・・・ロックオン!ばぁん」
アスモデウス「おろ?変わっちゃった?」
Gバルキリー「早く何とかしないとこっちの命が危ないからね・・・本気でいくよっ」

ダダダダダァァァァァン!!
無数の光弾(たま)が飛ぶ。それを避けながら何とか関節剣を振るうタイミングを見計らうがなかなか隙を与えない。

アスモデウス「よっと!ほっと!おうっと!!ほりゃっ!!」
Gバルキリー「早いね・・・もう」

ダダダダダァァァァァン!!
ダダダダダァァァァァン!!
ダダダダダァァァァァン!!

無数の銃弾が飛び交い、それを次々と避けていくアスモデウス。
それを追跡するかのように銃弾を発射する。
しかし、その時だった!!

チュンッ!!

ダダダダダァァァァァン!!
ダダダダダァァァァァン!!

頬を目にも見えない速さで何かが掠め、それが後ろへと飛んでいく。

Gバルキリー「・・・あり?」

後ろを見る。
すると、それを見て、サファイアの目が驚きで見開かれる。
飛んできたそれは光弾であり、そしてそれは木々によって跳ねて反射し、見事・・・電車の車体を穴だらけにしていた・・・。
蜂の巣と化した車体を見て、あんぐりと口を開く。

慧「・・・・・・・・・・・・・・・・!!?」
サファイア「あ・・・・あれ・・・・・・?」


そして車内では、飛んできた無数の光弾をテーブルやソファで必死の形相で防いで、顔を真っ青にし汗が全身から噴出して肩で息をしているエメラルドたちがいた。

そう、飛んできた無数の銃弾を必死で防いでいたのだった。

トパーズ「お・・・お前は私たちを殺すつもりか?」
ルーベット「い・・・・生きてて・・・よかった・・・・・死ぬかと思った」
エメラルド「このバカ!!ドバカ!!!エロ!!!ポンコツ!!!!オタンコナスッ!!!」

涙混じりに怒号が飛び交い、それを聞いてアスモデウスがお腹を抱えて顔を真っ赤にしながら地面に転がり大爆笑している。
一方慧の表情からはもはや無表情通り越して能面のようになってしまい、洒落にならない怒りが湧き上がっている。

慧「・・・なんで・・・どうして・・・・こうなるの・・・・?」
サファイア「・・・・・・・ごめんなしゃい」
慧「・・・・トパーズさん・・・・・いくよ」
トパーズ「やれやれ・・・だ」

そして、トパーズが憑依し、アックスフォームへと変形していく。

Aバルキリー「チェックメイト、待ったはなしだ」

もうこっちがある意味追い詰められてはいるが、それを感じさせないように冷静に努める。
斧を肩に担いで構えると、アスモデウスも目じりにあふれ出る涙をふき取り、剣を構えだす。

その時だった。


ふしゅう・・・・・。

細かい泡が湿疹のようにいくつも浮いた、まるで赤い血に灰か煤でも混ぜ合わせたかのような、毒々しい色の霧が一気に森中に吹き出てきたのだ。

それを嗅いでアスモデウスが顔をしかめる。

アスモデウス「こいつは毒?!レヴィのヤツかしら?くっ、いいところで邪魔しないでよね!!慧ちゃん!!一旦引くわよっ!!早くしないとあんたまで死んじゃうわよ!!」

そういうなり、突然アックスフォームの体を抱え込むと、一気に飛び上がる。
その強靭な身体能力と屈強な力に、アックスフォームは驚きを隠せない。
超重量級を誇る重厚なアックスフォームを軽々と持ち上げて飛び上がることが出来るなど、信じられないことであった。

Aバルキリー「おい!!何で私まで担いでいくんだ!!!」
アスモデウス「ふえ?だぁって、毒で死んだらあたしが殺せないじゃん。レヴィなんかに慧ちゃんあげないもんね。えっへっへっへぇ〜、こぉんなに可愛い獲物ほかに誰が渡してやるかっつーの!」

無邪気に笑いながらアスモデウスがいい、その屈託のなさにアックスフォームが混乱する。
人を人とも思わない残忍さ、人を殺すことに快楽を感じる残虐さに、子供のような無邪気さやあどけなさを併せ持つエキセントリックな彼女の思考回路が読めない。

Aバルキリー「ええい!!離せ!!離せ!!」
アスモデウス「離せっていってもねぇ、あんな毒の中にいたらイチコロだっつぅの。どうせなら安全な場所まで避難して、そこで続きやろっ!!」
Aバルキリー「おのれええええええええええ!!!」
アスモデウス「ああん、悔しがる慧ちゃんもかーわいいなぁ」


一方で、まるで新しい玩具を買ってもらった子供のようにはしゃいでいるアスモデウスを見上げて、一人の眼鏡をかけた知性的な雰囲気の女性が眉間にしわをよせ、それを親指と人差し指でつまむ。
つややかな黒髪を後ろで短く束ねてシニョンにしており、青い甲冑を身につけ、手には小型のハンドカノン(手製の片手大砲)を仕込んだ鎌を持っている。その銃口から先ほどの赤黒い霧が吹き出ていた。どうやら先ほどの霧は彼女が発射したものらしい。

セブンズヘブンの知将、マモン。
参謀的存在ともいえる存在であった。

マモン「アスモのバカが・・・・。連絡こねぇからどこで道草食ってやがると思ってきてみれば、このザマかよ。まあ、バルキリーはあいつに任せて、レヴィのヤツ、この様子だと何かトラブルに巻き込まれたな。早く行かないと」

まあ、あいつに目を付けられた時点でこっちが手を出さなくても悲惨な目に遭うだろうしなと、残酷にアックスフォームの末路を決定付けてマモンはきびすを返す。

「マモン・・・のぉ・・・姉者」

すると、そこへもう一人女性が現れた。
小麦色の肌をした健康な魅力と色気が特徴的な長身の凛々しい雰囲気の女性だ。
紫色の長い髪を後ろで紐でくくり、鋭く冴えた月のような光を宿した青い瞳を持ち、肩にはかなりの重量を誇る大剣を持っている。顔の右頬に仏教では真言を意味する青い紋章を刺青として刻んでいる。

セブンズヘブンきっての怪力の持ち主で大剣使いのベルゼブルである。

マモン「ベルゼ!!様子はどうだった」
ベルゼブル「・・・・研究所・・・崩れている・・・姉者・・・襲撃・・・受けている・・・かも」

少女は人間の言葉をまた片言でしかしゃべれないらしい。
たどたどしく、それでいて物静かに説明すると、事態を飲み込めたのかマモンの顔色が険しくなる。

マモン「ちっ!!入り口が崩れているとなると、搬送用のターンテーブルから脱出するつもりか?いずれにせよ、行くしかねぇな」
ベルゼブル「姉者・・・守る・・・・・」


そういって、防毒マスクを着用し、二人が霧の中へと飛び込む。


その頃。
地下での戦いは苛烈極まっている状況であった。
仕込み杖から放たれた刀の刃がハルバードと激しくぶつかり合い、そのたびに火花が飛び散る。だが戦いが始まってから数十分後にその戦いに変化が生じた。

レヴィアタン(まずい・・?!!毒がもうない!!)

そう、この激しい戦いで彼女の持っている毒薬は底を突きかけていた。
しかしファントムフォームは無数ともいえるカードや花、花火などを出しては幻惑し、ハルバートを突き、斬り、押してくる。
怒涛の攻めにレヴィアタンが徐々に押されているのだ。

しかし後ろをふと見ると、マモンが作ってくれたお手製のハンドカノンが残り一本おいてあった。
唯一の希望が見えた!!
あれならどんな化け物でもイチコロだ。

レヴィアタン「ぐっ!!!」

仕込み杖を一気に持ち上げてハルバートを振り上げようとしていた手を止め、後ろに飛びのいた。
そしてハンドカノンを取り出し、一気に身構える!!!!

Pバルキリー「ちっ・・・」
ハルバートを構えるが彼女のハンドカノンはもはや標的を定めていた。

レヴィアタン「死ねぇえええええええええええええ!!!!!」
その直後だった。

ザクッ!!!

胸に鋭い一撃が走る。見ると、胸から銀色に光る刃が赤い血を滴り落ちている。
何が起こったのか彼女が理解するのに、数秒かかった。
目が見開かれ、やがて止まっていた思考回路に何が起こったのか自覚する。
そして激痛が走り、口からごぼっっと音を立てて血液が逆流する。

そして振り返ると、そこにいた人物を見て恐怖で血の気が一気に逆流するかのような感じに襲われる。

その人物は憐憫の情など塵ほども感じさせない低い声で、たった一言だけ、言った。

「テメェ・・・・人の仲間に何してくれてやがる」

鋭い6本のカギ爪を持つ腕を持ち、手にはクナイを持ってそれを深々と彼女の胸に突き刺しているのは、琥珀であった。

しかしそこにいたのはいつもの温厚で姉御肌を利かせている琥珀ではない。
仲間をやられて、怒りと憎悪に満ちた氷のような冷ややかな視線を持ち、全身から吹き上がる青い炎のようなイメージを感じさせる。

そして振り返り、爪を振りかざす!!しかし、それをすばやく掴み取る。
「な………!」
 目の前に迫っていた琥珀の、底の知れない琥珀色の瞳がレヴィアタンを見据える。そこに先程までの悠然さはなく、だからといってレヴィアタンの切羽詰った行為に焦燥した風でもない。ただ何事も窺えない無表情をその端整な顔に決め込み、そこに琥珀とは全く違う種の冷気を漂わすだけだ。

握り締めた手首を通して、細く華奢な身体が小刻みに震えているのが分かる。だが、レヴィアタンは自分のそんな状態までは気が及んでいないらしく、半ば無理やりといった様子で、猶も口元に歪んだ笑みを作った。

レヴィアタン「あ、あひゃひゃ、まだ、いたのかよぅ?で、でもぉ、もう遅いわよ!!もうすぐ研究所は崩れ落ちる!!仲間なんか見捨ててさっさと逃げればよかったのにぃ!!ベタな正義感とか熱血振りかざしてウザいったらありゃしな・・・あがっ!!!」

琥珀「・・・・変身」

アサシンフォームに変身し、言葉を紡ぐに連れ、落ち着きと余裕を取り戻しつつあったレヴィアタンの顔が、瞬間、苦痛と苦悶の表情に豹変する。手が、掴んだ細腕をぎりぎりときつく握り締めていたのだ。

レヴィアタン「やめっ…、離せっっ!! 痛いっっ!!!」
激痛に耐えかねて、女は喚きながら、自身を締め上げてくる手を、身体を引くことで無理やり引き離そうとする。が、いくら試みても、
それを剥がすどころか、微塵も動かすことさえできない。琥珀の力の前に、レヴィアタンの抵抗など全くの無意味だった。

Asバルキリー「へえ」

細い手首を手中にしてから、ずっと黙したままだった口が、感心と嘲りを込めた口調でそう言い、低く、笑った。

Asバルキリー「まだ痛覚は感じるか、ちょうどいいや」

背筋がぞっとするような冷たい声と、言葉。だが、それを感じる間も与えず、アサシンフォームはきつく締めた腕先を、さらにゆっくりと掌握した。

たちまち、レヴィアタンは苦痛に歪んだ顔で、手首から先以外の身を悶えさせながら、声にならない絶叫を発する。この時確かに、アサシンフォームを見る、その濁った瞳には全てを剥ぎ取られた後の「恐怖」しかなかった。
そこに映るのは、「冷酷」などという一言ではとても済まされない。
 
レヴィアタン「…っ、な、ぜ…」

震える、崩れ落ちそうな疑問詞。それに続く問いかけも、継続される痛みに伴って、切れ切れになっていた。

レヴィアタン「わ・・・あたし・・・セブンズヘブンなのに・・・どうして・・どうして・・・イマジンごときに・・・・―――ひぃっ!!!」

そこまで口にしたところで、レヴィアタンはまた短い悲鳴を上げて、喘いだ。アサシンフォームの指が寸分の容赦なく、その腕に食い込んだからである。
そのまま、加えた力を少しも緩めることなく、アサシンフォームは残酷な冷笑が浮かんでいる自身の口を、レヴィアタンの耳元に近づける。華奢な身体はそれから逃れようとするが、両手首が捕まった状態では、そんな事ができるはずもない。


Asバルキリー「お前がどこの誰だとかそんなの関係ねぇ。お前は・・・あたしの妹分を痛めつけた。お前がたとえ神だろうが悪魔だろうが、あたしは仲間を痛めつけるヤツは絶対に許せない。必ず追い詰めて・・・・ブチ殺す。慧じゃまだ甘いからよ、あたしはそう割り切ってるんだよ。守るって事はこういうダークなことも全部含めていうんだ。甘っちょろい情など時に全部切り離してでも守りたいもののために・・・あたしはどこまでも冷酷になってやる」

そして、パスを通す。
オレンジ色の光が飛び交い、クナイを突き刺したまま一気に空中に向かって投げ放つと、蜘蛛の巣にかかった獲物のように縛り付けられて動けなくなり、そのまま落下してくる。

Asバルキリー「アメジスト!!行くぞ!!」
Pバルキリー「・・・あんたも大概ブチキレてる性格だったってわけね。でも、ますます惚れたわ」
Asバルキリー「あん?なんか言ったか?」
Pバルキリー「・・・別に・・・いつでもいいわよっ」

Asバルキリー「おらぁあああああああああ!!」
Pバルキリー「はああああああああっ!!」


蜘蛛の巣にかかった獲物めがけてアサシンフォームの右足とファントムフォームの左足を一気にたたきつけられ、オレンジ色の光と紫色の光が全身を駆け巡り、傷口から原子崩壊を引き起こし、粉々に崩れ落ちていく。

レヴィアタン「ああ・・・・いやああああああああああああああああ!!!!」


爆発を起こし、火の中から緑色の光を帯びた手のひらくらいの大きさの宝石のようなものが落ちてきた。
それを手にし、アメジストがまじまじと見つめる。

アメジスト「・・・こんな宝石で蘇ったっていうの?」
琥珀「何だそれ」
アメジスト「ヘビ女を現世に繋ぎとめていたものらしいわね。回収して調査してみるわ」
琥珀「よっしゃ!それならもう脱出しようぜ!!カートリッジも手に入ったし、機関車も準備OKだ!」

二人が炎の海の中に消え、電気機関車で脱出し、炎の海が遠ざかっていく。
こうして、カートリッジを手に入れ、そしてセブンズヘブンの一人「嫉妬のレヴィアタン」を見事討ち取ったのであった。


その頃。
森の中では・・・・。

慧「いやじゃああああああああああああああああっ!!!!」
アスモデウス「待ってよぉん、慧ちゅわ〜ん♪」

慧が絶叫を上げて、涙を流しながら、後ろから迫ってくるアスモデウスから必死に逃げまくっていた。

慧「もう最悪!!最悪じゃあああああああああああああっ!!!もうイヤッ、もうバカとエロなんか大、大、大、大嫌いじゃあああああああああああああああああっ!!!!」


慧の絶叫が山脈内に響き渡った・・・。


続く
(現在の戦況)
仮面ライダーバルキリーAsフォーム○―×レヴィアタンレジェンドルガ(嫉妬)
仮面ライダーバルキリーPフォーム

戦利品:エネルギーカートリッジ
レヴィアタンの魂

時の崩壊まであと5日間。
2009年10月09日(金) 06時42分46秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
さて本日ついにセブンズヘブンの一人、レヴィアタンレジェンドルガが倒され、残り6人となったセブンズヘブン。
そして、アスモデウスにロックオンされてしまった不幸の権化ともいえる慧の今後の行く末およびアスモデウスの恋の行方を今後とも応援よろしくお願いいたします。

さて、いつも貴重なご感想ありがとうございました。

>烈様
>大切な仲間の事を馬鹿にされてしまったことにより慧の怒りに触れてしまったと同時に仲間達との“絆”の“力”と持ち前の周囲の様子などを良く観察をし、その結果敵対する相手の戦法の弱点などを見抜くなどの様子が結構かっこよかったです。

ありがとうございます!!そこは力を入れて書きたいと思っていたので嬉しかったです。
慧の長所が荒っぽくも熱血で仲間のために体を張ってでも助けようとする姿勢は難しかったです。でも、そう言って頂けると非常に嬉しく思います。

>それとアメジストの言うとおり琥珀さんのポジションというのはみんなの“ツッコミ&オカン&保護者役”というのはあながち間違っていないと思います(笑) 
確実に心労および筋肉痛および頭痛は耐えないですけどね。
しかし今回の話で、この2人も普段はおとなしいけれども一度切れたら手がつけられないクセ者であることが判明、今後とも彼女たちは慧たちの見えないところではこういった黒い面があるといった話を書いていきたいと思います。

>敵といっても自分達の大切な妹分(仲間)を大切に思うところは実に男らしいと思いました。ある意味“ルシファー”は平行世界の“慧”ともいえる感じがします。もし、この二人が同じような思考の持ち主で同じような生き方であったのならば、仲良くなっていたように思えます。

慧とルシファーは確かに似ている雰囲気がしますが、決定的に違うのは慧にはないルシファーの「冷酷さ」でしょうね。戦場において、敵であったり、仲間に手を出そうものなら彼は確実に殺します。慧にはたとえ敵であろうとも「殺す」といった行為には否定的だし、アスモデウスにも抵抗はするけど殺そうとはしていないわけでして。これがルシファーだったら確実に殺されますしね。

>アスモデウス
実は彼女、セブンズヘブンの中でもかなりの強さを誇っております。
その上、子供っぽいし我がままだし、自分の欲望には忠実なのですが、そういった我がままを叱りつけながらも面倒を見てくれているルシファーなどの存在から結構悪役だけど憎めないキャラを考えながら作っております。

>“Pヴバルキリー”
読み直して驚きました。本当に誤字だったうえに、間違えてハルバートフォームの意味で「H」と書いてしまったのです・・・。
ご指摘ありがとうございました。

>黒様
リクエストありがとうございます!!
大変嬉しく思いまして、自分でも想像してみるとこれは面白い!!と思えます。
しかし・・・一度に15体は正直難しいです。Vガッシャーのほかにも武器を作ったりイマジンを憑依させたりする物語を考えていくと、自分でもストーリーが把握しきれなくなる恐れがありますので・・・ですが今後、このアイディアは使っていきたいと思います!!
本当にありがとうございます!!
今後ともバルキリーよろしくお願いいたします!!

そしてセブンズヘブンの一人「レヴィアタン」について少しだけ紹介いたします。

かつては毒や薬などを作ることに長けていたミドガルズオルム一族の娘だったのですが、戦乱で顔が焼けただれたせいで、両親をはじめとする一族全員から「戦乱で唯一生き残った恥知らず」という戦で追いやられた敵への怒りを理不尽にも受け続けて迫害を受けてきた彼女は、それが原因で卑屈な性格になってしまったのです。そして毒薬つくりの腕前も我流で生み出し、薬学者としては優秀な腕前を持っていたにもかかわらず、誰からも認められず、必要とされないまま生きてきましたが、彼女の一族の隠れ里を他の一族に襲われ焼き討ちにあった際、そこに偶然傭兵として世界中を旅していたルシファーと出会い、彼を一晩宿代わりに家を貸したという理由だけで彼はレヴィアタンを助け、毒使いとしての腕前を見込んで仲間にしたという過去があります。

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