仮面ライダーセレナ第壱拾六話前編「復活の黒/初めまして我が愚妹」
 もうみんな(作者も)忘れてる、これまでの仮面ライダーセレナは!

 赤坂鷹音は仮面ライダーである。
 初戦闘はスパイダーファクターだよ。
 次のクロウファクター戦では、周りの視線に心の傷を負いつつも、専用バイクマシンアクセラーでクロウファクターの心を折って撃破!ペットにしたよ、名前はクロ。
 ニムブルモードはリンクスファクターで使ったんだよ。
 フォックスファクターはフレイムファクターに殺されちゃって鷹音ちゃんマジ凹み。
 ベアファクター戦でクラッシュモードを発動させつつ立ち直ったけど、今度は筋肉痛でさあ大変!
 この時は前々から暗躍していた巻奈さんが何とかしたんだけどね。
 次のトータスファクター戦ではオレンジ色のストレイトモードではギガ○リルブレイクモドキを使って勝ったんだ、やったね!でもその反動で酔っちゃったみたい。
 クロとの模擬戦では何と引き分け、ダメダメだね!
 バカップr……マンティスファクター戦では負けそうになった仮面ライダーセレナが暴走、大変!巻奈さんにしばかれて戻ったけど、何と体が縮んじゃった!
 バットファクターとの戦いではまた新しい力、ディストモードを使ったんだけど、縮んだままだから色々足りなかったみたい、残念だね!
 あとはフレイムファクターの話とか番外篇とか有ったけど、ここで言う必要は無いからカット!自分で読んでね(生意気)






***



『“ザザ――――”』

 響く波の音、それをBGMに何かが殴り合っているような音が聞こえてくる。

『ハアッ!ダアッ!』“ガッ…ドゴッ”
『フンッ!』
『ハッ、ハアッ!“ドッ”ヤアッ!』“ドガッ!”
『グッ!…ふん!!』“ドンッ”
『ウグッ…この!!ハアッ!ダアッ!』

『(冴子…君と笑い合えた思い出は数えるほどしかないが、君と居て良かったと思えた事は、数え切れないほどある… )

『ふっ…ハアッ!』“ドンッ!”

(そしてなにより……なにより君の笑顔が忘れられない…)

“ガキィン!”

(遅いかなぁ…)

“ドガッ、ドガッ、ドガッ!”

(今頃になって言うのも…… )

“バゴンッ……”

(私は……!)

“ドガンッ!”

(…“僕”は……… )

“ドガンッ!!”

(僕は君が好きだった。君の事を大切に思っていた……!)』

『ふん!』“シュバババババッ!”
『ハッ!』“ダダダダ…ドゴンドゴンドゴンッ―――――……”

『グゥ……ウアァ…』

【ナスカ…マキシマムドライブ!】
『ザエ゙ゴォォォォォォォォ!!!!』 』




………
………………
……………………


「………」
“ガシッ…ガン!ガン!ガン!ガツン!ガツン!”
「ふんっ!!」
“ヒュッ……ガシャァン!…カシャン”
「………」



『酷いじゃないですか』
「うっさいわァ!!!」

 カーテンの隙間から日差しが射し込む朝。
 妙なテンションで起こされた私は、布団を跳ね上げ、私は壁際に転がっている白い携帯ゲーム機モドキに怒鳴った。

「なんなのさ!今の訳分からない独白は!!」
『今のはですね、敵に利用された挙げ句、その敵に愛する者を奪われたネタキャラだったはずの男が、その敵と決別し、討ち取るという「何でそんな物流したかって聞いてるの!」いや、朝の爽やかな目覚めをプロデュースするために、名シーンのアレンジを』
「……ハァ〜」

 私は大きく溜息をつく。

「そのチョイスが訳分からない…それに音と声だけでイマイチ状況が伝わってこなかったし」
『成る程、今度からはナレーション(地の文)も入れる様にしましょう』
「そう言う事が言いたいんじゃないっての、大体今は夏休みだよ?
 朝わざわざ起こされる理由が無いと思うんだけど…」
『何を言っているんですかマスター、休みだからこそ早く起きて朝の日差しを浴びた方が良いんですよ』
「成る程、思いつきか」
『そしてその為にも名シーンで心を燃やしつつ起床する、うん、完璧ですね』
「つーかネタが不謹慎すぎるでしょ。霧彦さんを汚すな!」
『? わたしきかいだからわかんない』
「踏み砕くぞコノヤロウ…」

 前にも似たような事有ったなぁ。まぁらしいっちゃらしいけど。

「何か変な汗かいた」

 そう言って自分の銀色の髪に触れる。
 私が理想とするサラサラヘアーじゃなくて、どことなく嫌な感じのしっとり具合だ。
 輝きもくすみ気味だし、これじゃタダの若白髪じゃないか、もうっ!

「髪洗ってくる…」
『おや、寝汗ですか?まぁ、夏ですし昨晩の気温も比較的高めでしたからね、仕方無いかもしれませんね』
「うん、それも有ると思うけど、起きる直前に変な物聞いたからそれで嫌な汗かいたんだと思うよ」
『はて、変な物?悪夢でも見ました?』
(白々しい)

 私は大きく溜息をつくと、お風呂場に向かう事にした。


***


 髪のお手入れを終えた私は、既に起きていた巻奈さんが作ってくれた朝食をもそもそと食べているのであった。

「モムモム……むー…」
「鷹音ちゃん、朝から元気がないですね。ご飯不味かったですか?」
「いや、セレナの悪フザケで少し寝覚めが悪かっただけだよ」
「おや、どんな事をしていたんですか?」
「うーん、まぁ…」

 どう説明したらいいのか、ちょっと悩む。大体人に話す程大したことでもないし。

「それほど大したことじゃないし、巻奈さんは気にしなくて良いよ」
「そうですか…でも、眼に余る事があったらいつでも言ってくださいね。」
「ん、分かってるよ、ありがとう」
「いえいえ…あ、ご飯のおかわり要りますか?」
「うん、大盛りでね」

 そう言って私が茶碗を差し出すと、巻奈さんは笑顔でお代わりを盛ってくれた。


 その後も何度お代わりをしてお腹が膨れてきた私は、食事を終える頃には大分気分も優れてきていた。


***


「そう言えば今日のお昼に竜斗さんが来るそうですよ」
「へっ?」

 朝食を食べた後、テレビをつけて何と無しにN○Kチャンネルを見ていると、巻奈さんが皿を洗いながらそんな事を言ってきた。

「竜兄が来るの?」
「ええ、何でもお父さんが渡したい物が有るとかで呼ばれたから、ついでにお昼ご飯を食べていく事にしたのだとか」

 竜兄――麻倉竜斗――は、私が目覚めた時に一番最初に会った年上のお兄さんで、しばらく私のお世話をしてくれていた人だ。
 その時色々助けられた事から、私が巻奈さんと同じ位頼りにしているのだ。
 まぁ、お兄ちゃんみたいな物である、きっと。
 私の前に、研究所で働きながら巻奈さん達と一緒にココに住んでいたらしいんだけど、今は少し離れた所に部屋を借りて、バイトをしながら大学に通っている。
 今でも時々研究所に呼ばれたりした時には、ココにご飯を食べに来たりするんだけど。
 あとお金が無くなった時とか(汗)。

「へー、何だろ、やっぱりロクでもない発明の実験台にするのかな」
「何だかんだでお父さんも笑って済むようなバカしかやらかしませんし、それは無いと思いますよ?」
「じゃあ、何だろ、改造人間関係かな?時期的に」
「……」
「巻奈さん?」
「…え?あ…あぁ、そうですね、自衛の道具とかその辺ではないでしょうか。
 私も詳しくは聞いていないんですよ」
「ふむ」

 私はともかく巻奈さんにも内緒なんだろうか、珍しい事もあるモンだ。

 巻奈さんは其処で言葉を切ってしまった為、私も話を止めてテレビに眼を移す事にした。
 テレビでは、ピンク色の恐竜のぬいぐるみが、青いカタツムリにローリングソバットをかましていた。


***


“ピンポーン♪”

 12時過ぎ位、スカパーで“ドラマ版・仮面ライダー”の再放送を見ていると、インターホンが鳴り響いた。

「鷹音ちゃーん!代わりに…」
「はいはーい!」

 巻奈さんが言い終わる前に私は玄関に向かい、カギを開ける。

「“カチャ”はーい、どちら様でしょう」

 扉を開けると、半袖のアロハシャツに、サングラスをかけたチンピラっぽい男の人が立っていた。

「……あー…俺、麻倉竜斗と言うんだけれど…」
「お、竜兄じゃん、いらっしゃい」

 そう、この人がチンピラっぽいのが麻倉竜斗こと竜兄である。

「え…あれ…俺、君と知り合いだったっけ?」

 おや?何だか様子がおかしいぞ…。

「えー!私の事忘れちゃったの、竜兄?確かに久しぶりだけどさぁ…」

 うぅ、割とショックだ…。
 私は、記憶が無くて右も左も分からなくなっていた私のお世話を一生懸命してくれた竜兄の事が結構好きなのに。
 露骨にションボリした私に竜兄が、アタフタしはじめた。

「い、いや…君は鷹音ちゃんに似てるけど、あの子に妹が居るなんて聞いてないし…」
「ふえ?妹?」

 そこで私は竜兄と私の齟齬に気付く。

「ち、違うよ!私が鷹音!今は諸事情で縮んでるけれど、私が赤坂鷹音その人です!」
「ヱ?いや…でも…ゑ?」
「ああん、もう!」
「ちょっ!うお!?」

 戸惑う竜兄を家の中に引き込み扉を閉じる。このまま言い争ってたら近所の噂になってしまう!
 不完全とは言え改造人間の私に取って、一般人の竜兄を無理矢理引き込む事なぞ縮んでいても簡単な事であるのだ。
 このまま私だけが言っても納得して貰うのには時間が掛かる、ここは…

「巻奈さーん!はやくきて〜はやくきて〜!」
「はいはい、どうかしましたか?」
『もうついたのか!』『はやい!』『きた!保護者きた!』『メイン保護者きた!』『これで勝つる!』
「…セレナ、何言ってんの?」
『いえ、別に』

 私の声に反応して巻奈さんが来ると、何故か玄関の近くに移動していたセレナが妙な事を言い出していた。
 しかも一言ごとにボイスパターンまで変えて。
 巻奈さんはキョトンとしているし、竜兄は唖然としていた。

「お……ま、まぁいいか。
 それより巻奈さん、良かった、やっと知り合いに会えた。
 この子は一体…?」
「え?連絡行ってませんでした?
 鷹音ちゃんは一身上の都合で(体が)幼児対抗してしまったんですよ」
「……」

 言われた事が一瞬理解出来なかったのか、竜兄は少し黙り込むと、サングラス越しに私を凝視し始めた。
 何かちょっと照れる…///

「…って事はこの子が鷹音ちゃんって事か?」
「ええ、と言うか銀に色の髪と瞳なんて普通居ませんし、その位は自力で推測できた方が良いと思いますけどね」
「悪かったな、頭の回転が遅くてよ…。
 しかし…見れば見る程信じられんなー、最初に聞いた時も半信半疑でそのまま忘れてたし」

 珍しい物を見る眼で竜兄が私を観察してきた。
 サングラス越しとは言え、ヤッパリ少し恥ずかしい。

「もー!私少し悲しかったんだから、竜兄に忘れられたと思ってさ」
「いやゴメンゴメン…しっかし元々小さめだったのが更に小さくなったなぁ」
「元々小さいは余計だよっ」
『はっはっは!マスターは元々背も胸も小さかったですしね。
 縮んでる今の方が言い訳が立って良いんじゃ無いでしょうかね!』
「……」
「……」
「……」
『おっとと折角の再会シーンに余計な横槍を入れてしまった感』

 竜兄がまた黙り込んだ。
 そう言えば竜兄は私が仮面ライダーになったって知らなかったっけ。
 当然セレナの存在も知らない訳で。

「そこの白い携帯ゲーム機は?」
『だれがP○Pですか!』
「これは“セレナ”と言って、鷹音ちゃんのサポートロボットみたいな物ですよ」
「そう言えば何でココに移動してるの?私の部屋にほかって置いた筈なんだけど」
『巻奈さんに頼んで運んで貰ったんですよ。マスターが出掛ける時私を忘れない様に。
 あとあの場所微妙に電波状況が悪いんですよ』
「へぇ…“アイツ”と似た様な物かな。
 俺は麻倉竜斗、まぁ、鷹音ちゃんの昔の世話係みたいなモンだ」
『ふむ、貴方がかのえいy…いえ、まぁ、以前からマスターや巻奈さんから話は聞いていましたよ』

 セレナも竜兄も何処か含みがある様な物言いだ、何か隠し事でもあるんだろうか?
 まぁ、巻奈さんが気にしてない様だから、私も気にしない事にしておこう。
 忘れがちになるけど、私は飽くまで監視対象、隠し事をされるのは仕方無いし、もう慣れた。

「三人とも、こんな所で立ち話もなんですから、お昼にしましょう」
「うん!」
「ああ、分かった」
『私は食べれませんが』


***


「“ずぞぞぞぞ”でさ、俺のサークルの仲間のバカップルの片割れが自分がキメラだって事カミングアウトしたんだよ」
「“ずずぞー…ちゅるん!”へぇ、私は良い事だと思うよ?
 隠してても気疲れするし、隠すって事は改造人間だって事を自分で卑下してる様なモンだしね」

 数分後、私達はお昼ご飯を食べながら最近会った事を話していた。
 因みにメニューは“素麺”と“シーチキンと水菜のサラダ”
 暑い中を歩いてきた竜兄を気遣っての選択だ。

「“ずぞー”いや、そこまでは良かったんだよ、だが問題はその時のアイツ等の態度だ」
「“シャリシャリ”態度?」
「“ずぞるるる…”ああ…アイツら………バカップル度合いが増してやがった…っ!」
「“ずびー”はぁ…」

 仲が良い事は悪い事でないと思ったので生返事。

「別にアイツ等が俺の知らない所で何処までの関係に成ろうが【創聖合体】してようが気にしねぇ。
 だが事ある毎に惚気たりイチャイチャベタベタしたりされるとなぁ……」
「うわぁ…」

 何だか疲れた様な声だ。
 サングラスのせいで表情はハッキリとは分からないけど、きっとウンザリしてる。

「ふむ、少子高齢化社会とキメラの未来は明るいですね」

 いや、巻奈さん、論点が違う。

『はっは!大方独り身の嫉妬でしょう。
 でしたら自分もイチャイチャベタベタ出来る相手を作るか、そのカップルのどちらかを闇討ちするかしたらどうですか?(笑)』

 セレナはセレナで酷すぎる…。

「……なぁ鷹音ちゃん、コイツっていつもこうなのか?」
「…まぁ、今日はちょっと酷めなほうだけど」
「…苦労してるんだな」
「あはは…」

 竜兄の同情が痛い…。

『ああそうだ、マスターはフリーなんですから竜斗さんの相手に成ってあげたらどうですか?』
「はえっ!?」

 ちょ!?矛先がコッチに!

「え…いいいいや…そんな私なんか…。
 そ、それにそんな同情で付き合うみたいになったら竜兄に悪いよ。
 大体私は竜兄の妹みたいなモノでそんな…」
『竜斗さんはどうですか?』
「やっぱり俺に振るのかよ…。
 まぁ、俺の事はどうでも良いけどな、でも鷹音ちゃんは可愛いんだし、俺じゃなくてもっと良い奴が居るはずだろ」
「そんな可愛いだなんて…」
『お、反応した』
「うっせーわ!!」
「そう言えば目覚めたばかりの鷹音ちゃんは、竜斗さん以外の人だと恐がって話を聞いてくれませんでしたねぇ。
 でも何故か竜斗さんにだけは懐いて…」
「巻奈さんまで何言ってんの!?それは多分刷り込みだって話になったでしょ!」

 何だこの流れ!?色々露骨じゃない!?
 人の黒歴史を勝手に暴露するとか、巻奈さんはそんな悪ノリする様なキャラじゃ無かった筈…。

「“ずぞぞぞぞ”二人とも、鷹音ちゃんをからかうのは程ほどにして置けよな。
 ほら、鷹音ちゃん、早く食べなよ、素麺温くなっちゃうぞ」
「う、うんっ!そうする…“ちゅるちゅる”」
「あらら…ゴメンナサイね」
『まぁ、その辺の話はまた昼食の後にしておきましょうか』
「もう止めて…“ずびびびー”」

 取り敢えず追求が止んだ事に安堵しながら、私は素麺を啜るのを再開した。
 竜兄はそんな私を見て、何故か少しだけ嬉しそうだった。


***


「あー…」

 現在、私は食卓に突っ伏しながら唸っていた。
 お昼を食べ終わった後に本当に再開された弄りのせいもあるけど…

「あーあー、竜兄行っちゃったなー…」

 まぁ、そう言う事。
 お昼を食べ終わり、セレナ達に弄られた後、竜兄は「もう時間だな」と言って研究所に出発してしまったのだ。
 元々そっちがメインで、ウチに寄ったのはついでだとは分かっていたけど、もうちょっと居ても良いのに…。

『マスターさっきからそればっかりですねぇ。
 ハッキリ言ってウザいので“自嘲”して欲しいのですが…』
「………あ〜…………今、字が違わなかった?」

 さらっと言われた暴言には動じない。
 この程度で折れていたらコイツとは付き合って行けないのは周知の事実。

「お父さんから受け取る物を受け取ったらまた寄ると言っていたじゃないですか」
「それは…そうだけどね」

 いつまでも唸っていても仕方がない。

「はぁ、宿題しようかな…」
「それが良いですね、夏休みを満喫するには、如何に早く宿題をこなすかに掛かっているらしいですか」
『それか、宿題をしなくても気に病まない胆力……おや』

 そこで何かに気付いたかの様にセレナが言葉を止めた。

「?……まさか」
『ええ、キメラが出現したようです』
「くそっ、面倒臭い!」

 私はセレナを引っ掴んで部屋に引っ込むと、携帯を取り出して、アプリケーションを起動した。
 すると画面に現在地を中心とした地図が表示され、そこから離れた所に赤い光点が点っていた。

「ここって…微妙に町中じゃない、急がないと!」
『アクセラーが使えれば無用だったのですけれど』

 これは最近追加された私の携帯及びセレナの新機能で、セレナが受信したレーダーの内容をリアルタイムで表示する特殊アプリなんだけど、今回初めて使った物だ。
 結構便利だけど、向いている方向で地図が回転しない分、アクセラーのディスプレイより少し使いにくい気がする。
 あっちはあっちで地図が表示されないから一長一短だけど。

「よし、行くか。竜兄が帰ってくる前に終わらせよう!」
『了解です』

 携帯をポッケにしまうと、部屋から一旦食卓に戻って牛乳をコップに注ぎ一気飲み。

「じゃ、行ってくる!」
「気を付けてくださいね」
「はいさ!」

 そして私は玄関のドアを開けて外に飛び出し…


「変身!」
『マテリアライズ…ニムブルモード


 青い装甲を纏った私は近くの家の屋根の上に一跳びで昇り、目的地に目を向ける。

「さっき見た感じだと…コッチで合ってるよね?」
『ええ、ただ今回は車通りが多そうなルートばかりですから、途中でストレイトモードに切り替えたりしない方が得策でしょうね』

 ストレイトモードはニムブルモードの全速力よりもかなり速く走れるが、ある程度見通しの良い平地でないと危ないのだ。
 逆に途中に人通りの少ない、且つカーブの緩い道がある場合、ニムブルモードで建物の上を最短距離で駆けるより多少遠回りになっても切り替えた方が早く着くんだけど。

「なるほどね、分かった、ありがと」
『いえ、それより急ぐのでは?』
「もちろん!」

 やっぱりこう言う試算は機械の方が早くて正確だ。
 ネットから交通情報をリアルタイムで引っ張ってきたりもしてるんだろう。
 私は内心でセレナの仕事に感心しながら、建物と建物の間を飛び跳ねていった。




***




「うふふふふふふ…あっははははははは!!」

 目的地に近付くと、“ドカーン”だの“バキィ”だのと断続的に何かを破壊する音と一緒に、そんな風に高笑いする女の人の声が聞こえてきた。

「うわ、派手にやってるっぽいなぁ…」
『目的地の温度、光から推察するに、火事になっている可能性があります』

 前方の今居るビルの屋上からではハッキリと下の状況は分からないが、彼方此方から煙や炎らしき紅い光が上がっているのが見える。
 大きな商店街ではないとは言え、今は夏休みのお昼時、どれだけの人が居るかも知れない。
 慌てて声の聞こえた方向の建物に飛び移り、下を覗いてみる。

「そーれそれそれ!お逃げないさーい、一般人(バンピー)共!!」

 そこには、甲殻類の様な赤黒い装甲を纏った女の改造人間(蟹っぽい)が暴れ回っていた。
 道を悠々よ歩きながら、巨大なハサミ状に変化している右腕で建物や電柱を叩き壊したり、人を見かけるとハサミを振り回して襲いかかったりもしている。
 幸い本気で殺す気はないのか、適当に近くの物を壊して人々が驚いて逃げて行く様をケラケラ笑いながら見ているだけの様だけど、それでもその蟹女が取ってきたと思しき方向の建物は尽く鋏の爪痕が刻まれ、彼方此方から火の手が上がっていた。
 幾つかの建物は既に瓦礫の山に変わっている。
 間に合った…とは言い難い状況だ。

「行くよっ!」

 私はビルの上から、蟹女ことクラブファクターに向けて飛び降りながらバックルを操作する。
 空中で体が紫色の光に包まれ、アーマーが形を変えて行く。

クラッシュモード…目標接触』

 光が弾けると同時に開けた視界に見えたクラブファクターの背中、その首の辺りに思い切り組み付く。

「なっ!?誰よアンタ!」
「うっさい!」
「えっ、うわ!?…“ごむっ!”ふぎゅっ!!」

 落下の勢いを利用して体全体でクラブファクターのバランスを崩し、相手の踏ん張りが効かなくなった所で思い切り体を後ろに反らして、後方ブン投げた。
 ジャーマンスープレックスの変形みたいな感じと行ったら伝わるかな。
 クラブファクターはモロに路面に叩き付けられたのか、空気が抜けた様な呻き声を上げていた。

 一方の私は、ブン投げて仰向けに倒れ込んだ体を直ぐに受け身を取る様に体を回転させて、出来る限り素早く起き上がる。
 そしてスティンガンを左手に取り、ボックスから取り出した紫のスティックを刺し込んだ。

『トランスフォーム…クラッシュハンマー』

 そして私に合わせてか、以前に見た時より一回り小さくなった紫色のハンマー(けん玉)を倒れて居るクラブファクターに向けて油断無く構えた。
 ヤバイ感じに首を打っていた様にも思ったけど、変身が解けていないから、きっと大丈夫だったんだろう。
 さっきのでケリが付いてくれていたら楽だったんだけど…。

“ザリ…”「!」

 クラブファクターの体が僅かに動くのを見て、私は一気に相手に駆け寄り、ハンマーを振り下ろした。

“ガキィン!!”

 だがそれは相手の体を捉える前に、振り上げられたハサミに受け止められる。

「チッ!」

 ハンマーを弾かれる前に、私は自分からハンマーを引き、勢いを利用して一回転、今度は横殴りにハンマーを叩き付ける。

「うわっと!危ないわねぇ!」

 しかしそれはバックステップでアッサリと回避される。
 蟹の癖に後に跳ぶとは何事だ。
 ひょっとしたらザリガニだったのかも知れないけど、改造人間だと見分けがつかない。

「今度はコッチから行くわよ!」
“ガッ” 「っ!」

 突き出されたハサミを何とかハンマーの柄で弾く。
 鋏の一撃は思ったよりも重い。思わず動きが止まってしまう。

「ほらっ!!」
“ギャリン!” 「うっ!」

 その隙にクラブファクターはハサミを引いて、再び突き出してくる。
 それを慌ててハンマーで弾くけど、反撃に移る前に次の攻撃が来る。
 動きが見えない訳じゃ無い。だが今の私では、防戦一方に成らざるを得なかったえなかった。

 何となく分かっていたが、今のクラッシュモードは弱い。多分全モード中最弱だ。
 原因は私の体が小さくなった事。
 そのせいで、私はパワーが大幅に低下していて、その影響は全てのモードにも出ている。
 当然、パワーがウリのクラッシュモードはその影響をモロに受けている訳で。
 さっきハンマーを受け止められたのが良い証拠だ。
 デフォルトモードはともかく、ほかのモードは基本的に腕力はオマケに過ぎないから、余り気にならないんだけど…。
 スピードは多少上がっているから、ニムブルモードなんて逆にパワーアップしてるし。

(このままじゃ埒が開かない…!)

 そう思った私は賭けに出る事にした。

「しぶといわ……ねっ!」

 焦れたクラブファクターは大振りな動作で鋏を引いた。

(ここ…だっ!)

 私はそのハサミの先端に向けて横から左腕のシールドを叩き付けるようにして無理矢理逸らす。
 同時に右手に持っていたハンマーを片手で無理矢理振り上げ、クラブファクターの脇腹に叩き込むッ!

“ギャリィッ…ゴメキィッ!!” 「ごぶおあぁぁぁあっ!!?」

 目論見は成功、クラブファクターはおかしな悲鳴を上げて吹っ飛んでゆく。

「うわっ…たっ…たっ…たっ…あうっ」

 同時に無理な体勢で片手、しかも利き腕ではない方の腕でハンマーを振ったせいで、私も体制を崩して尻餅をついてしまう。
 ハンマーも手放してしまい、少し離れた所に落ちていた。

「いっつつ…う、上手く行った…」
『左腕部シールド損傷、なんとも…思い切った事をしますね…』

 左腕がじーんと痺れるように痛む。見るとシールドの表面が深く抉れていた。
 痛みは少しずつ消えて、シールドも段々修復されているけど、思った以上のダメージに少し驚く。

「防げて良かった…」
『まともに受けていたらクラッシュモードの装甲でも風穴を開けられていたかも知れませんね』
「恐いから止めて…」

 セレナの嫌な予言にゲンナリして返すと、私は周囲を見回しながら立ち上がった。

『…む?』
「ん?どうかしたの?」
『あ、いえ、きっと気にしすぎですね』
「機械が気にしすぎとか(笑)……しかし今のでどれ位効いたのかね」

 左前方の方を見ると、左脇腹に小さなヒビの入ったクラブファクターが呻きながら立ち上がっている所だった。

「ぬ…くぅ…こンのガキ……やってくれたわねぇ…っ」

「やっぱりそう簡単には仕留められないよねぇ」
『あの一撃をイグニションして放っていたなら分からなかったですが…』

 クラブファクターの甲殻は、見た目ほど防御力が高くないようだ。
 今の大幅弱体化したクラッシュモードの一撃でヒビが入るのだから。

 私はバックルのダイヤルに手をかけながらセレナに声を掛ける。

「セレナ、ハンマーの構成を一旦破棄して」
『了解』

 ハンマーが紫色の光に変じて砕けるのを意識しながら、ダイヤルを“白”に合わせる。

『モードリリース』
(突破口は出来た、あとは基本形態でも…)
「こうなったら…“ヒュ…ドガン!”
「えっ?」

 私はその行動が分からず訝しんだ。
 私がデフォルトモードに変わった直後、クラブファクターは何も無い路面にそのハサミを叩き付けたのだ。
 砕ける道路、飛び散る破片。
 マンガみたいに地を這う衝撃波を飛ばしてくるとか、破片で攻撃して来るとかでもない。
 だが――

『マスター、回避を!!』
「っ!?」

 セレナの悲鳴のような警告に、私は疑問を抱くよりも早く後方に飛び退いた。

“ボゴン!”
「!」

 私が飛び退いた直後、その爪先を掠める様にさっきまで居た所に緑色のハサミが“生え”た。
 セレナの警告に反応できたのは僥倖だったし、クラッシュモードを解除していたのは幸いだった。
 どちらかの要素でも欠けていたら、あのハサミに貫かれていたか、足を掴まれていた筈だ。

“ズ…ガガガガガガガ…”

 そのハサミは周りに何も無い事を確かめるように閉じたり開いたりすると、今度はアスファルトを削りながら路面を円形に切り取るように動き始め、最終的に歪なマンホールの様な物を作り上げて引っ込んだ。

「な、なんだったの…?」
『……』

“ドガァン!!” 「うわあぁ!?」

 突然、目の前で“蓋”が砕け散りながら吹き飛ぶ。
 下にあった地面も跳ね上げられたのか、アスファルトの破片と一緒に土砂も宙に舞う。
 そして、“蓋”が有った場所には、ぽっかりと穴が残っていた。

“…ガシ”
「!!」
『やっぱりですか…』

 その穴の縁に、一対のハサミが手を掛けるように引っかかる。
 続いて、緑色の装甲に包まれた何かが坑の奥からぬっと顔を出した。

「おいおい姉ちゃん、一人でやりたいっつっといてもう俺の出番か?」
「うるさいわね、そう言うアンタだって奇襲失敗してるじゃないの!」
(仲間?……伏兵って事!?)

 ボンヤリしていた頭でそこまで思い当たり、私は軽く絶望した。
 一人でも大変なのに、二人なんて…。
 今までも一対一しかやってなかったから、戦える自信が無い!
 ドラマとかで多数相手に戦える仮面ライダー達は化け物か!?

「ハッ!大方、姉ちゃんが何か感付かれるような事したんだろ…よっこらせ、っと」
「弟の癖に生意気なのよ!黙って言う事聞きなさいよ!」
「へいへい」

 出てきたそいつの全身像は、正に蟹怪人と行った風体だ。
 一応人型っぽくなっているが、全身を覆うゴツゴツした緑色の甲殻に、両腕に装備された大きなハサミ。
 眼球は人間みたいに顔に埋め込まれているけど、それは何処を向いているのか分かりにくい黒一色で、口元には小さな節足がキチキチと聞こえそうな感じに蠢いて時折泡を吹いている。
 もう一人の蟹女よりよっぽど蟹っぽい。
 仮に女の方をクラブファクターA、もう一人をクラブファクターBとしよう。

「セレナが言ってくれなかったら危なかったよ…。
 どうして伏兵が居るって気付いたの?」
『建物の傷ですよ』
「傷?」
『詳しい説明は省きますが、所々に左側から着けたらしき物が混じっていたんですよ』
「成る程、蟹女は右にしかハサミがないから…」
『ええ、左にハサミを持った別の個体が居るかも知れないと推測しました。
 まぁ、偶々右のハサミで付けた可能性もあったので、あの場では気にしすぎとしましたが…』

 そこで二人のクラブファクターが並び立った事に気付く。
 どうやら喋っている時間は無くなったようだ。

「さて、今度はさっきとは違うわよ?」
「そりゃ二人がかりなんだから数からしてちげーだろうがよ」
「アンタは人の話の腰を折る事しか出来んのか!」
「一々反応するなよ鬱陶しい」

「あまり仲は良く無さそうだけど(小声)」
『だからといって連携がダメだとは限りませんよ(内部スピーカー)』

「まぁ良いわ、説教は終わってからするから」
「返り討ちにしてやんよ」

 微妙に噛み合わない事言いながら、クラブファクターズが突撃してくる。
 突き出されたクラブファクターAのハサミを横にズレてやり過ごし、首を刈り取るようにスイングしてきたBのハサミに対してはスライディングするように下に躱す。
 そこへ追い打ちを掛けるようにAのハサミが振り下ろされ、転がって何とか回避すると、今度は私を両側から挟み込むようにBが両のハサミを振ってきた。
 左右の逃げ場を塞がれた私は、体全体のバネを使って、コメツキバッタのように跳ね上がりながらバク転をしつつ、私を攻撃する為に丁度良い高さにまで降りてきていたBの顔にドロップキックをかまし、その勢いで少し離れた場所に着地する。

「チッ、すばしっこい奴め」

 勢いも体重も乗ってない一撃だったから、クラブファクターBは多少怯んだ位だったけど、距離は稼げたので問題無い。
 最期のバク転からの一連の行動は我ながらヒヤっとした。
 体が軽くなっている現在じゃなかったらきっと出来なかっただろう。
 まぁ、小さくなっていなければ、クラッシュモードで纏めて叩き潰せた気がしないでもない訳だけど。
 二撃目をスライディングで躱したのは失敗だったなぁ…。

 そうしている内に、私を射程内に捉えたクラブファクターAのハサミが迫る。
 それを凌げば次はいつの間にか接近していたBのハサミが、次はA、その次はB……。

 なかなかどうして厄介な連携だ。
 同時に攻撃しようとせず、お互いの隙を潰すように交互に攻撃をしてきている。
 単純だけど、一対二という状況では非常に効果的というか、私からしたら厄介な事この上ない。
 絶えず避け続けるのは精神的にも体力的にも消耗が激しいし、何より反撃する隙がない。
 幸い、デフォルトモードなら回避し続ける事はそう難しくない、体力に関しても変身している限りは本当にやばくなった時までは疲労を感じない様に成っている。
 ちょっと危険な香りのする特典だけど、こう言う状況では有り難い。
 スティンガンの再構築をしたい所だけど、もし迂闊に取り落としてしまえば、再々構築が必要に成る。
 この装備(セレナ)の戦闘機能の殆どは、私の体力をエネルギーにしている。
 今は大分変換効率が上がっているとは言え、再々構築は余計に残りライフを減らす行為に他ならない。

(まずいなぁ)

 次々と繰り出されるハサミを躱しながら考える。

(どうする?反撃出来なきゃジリ貧だ。そうで無くても何処かでヘマをすればそこでアウト。
 フルボッコにされ、アワレにもそのまま骨になる)

 防御は無理だ。クラッシュモードの装甲でもあそこまで破損した。
 今食らえばどうなるか想像も出来ない。

「はぁっ!」
「おわっと!」

 Bのラリアットを避けて体制が崩れた所に、顔面目掛けて突き出されたAのハサミを、体を反らして何とか躱す。
 顔は潰されずに済んだけど、バイザーに少し傷が出来た。
 すかさず来た足払いは、躱さず少しだけ跳び上がり、敢えて足に食らう。
 その勢いに逆らわずに側転のように一回転、何とか着地した。

「いたた…」

 殆どは回転の運動エネルギーとして受け流したけれど、それでも側面から叩かれた足がジンジンと痛む。
 痛みに呻きたくなるけど、敵は容赦してくれない。
 目の前で大胆な回転をされて僅かに呆気に取られたようだけど、直ぐに気を取り直して攻撃を再開してくる。

「…段々狙いが際どくなってきてるような」

 見えはするし対応も出来る、が、少しずつ回避が難しくなっていっているように思えた。

『向こうがこちらの動きに慣れてきたのかも知れません』
「成るhうわっ!」

 またしてもギリギリ。このままじゃ何れ保たない時が来る。

(何か無い“ガリッ” え!?)

 回避の為に後に下がった時、足に予想と違う感触を感じた。
 何かを踏んでしまったらしいが、只分だけならともかく今は不味かった。
 丁度その足に体重を掛けていたから、バランスが――

「うわあぁっ!!?」『マスター!』
「ヒャッハァ−!」“ドゴムッ!” 「かふっ!」

 そこへお腹にハンマーのようにハサミを叩き付けられ、体がバラバラになったかと錯覚するほどの衝撃を感じながら吹き飛ばされる。

“ガンッ” 「があっ!……“ズズ…” くぅ」

 私はそのまま後方のビルの壁面に叩き付けられ、ずり落ちるように尻餅をついた。
 ショックと痛みで視界と思考が明滅する。

(あ…い……った…くそぅ…一人だけなら何とかなるのに)

「いやー、運がなかったなぁ、白い仮面ライダーさんよ?
 ココが真っ平らだったらもうちょっと保ったのかも知れねぇが、生憎さっきまで俺等が壊していた物の破片がそこら中に転がってるからなぁ」
「ふん、私の手に掛かればこんな物よ!」
「殆ど運だし、やったのは俺だけど」
「アンタはオマケよ!」
「だからうるせぇって…」

 余裕のつもりか、言い合いながら、クラブファクター達が私に一歩一歩近付いてくる。
 普通なら「舐めるな」とでも言う所なのかもだけど、私からしてみれば有り難い。

「く……」

 体のあちこちが痛い、動こうとする度に体中の骨がギシギシと軋むような違和感を感じる。
 一応、少しずつ痛みは軽くなっている。セレナが急ピッチで体の修復をしてくれているのだろう。その代償か痛覚の遮断はされないけど。

「やられて…たまるか」

 ここで私が倒れたら、コイツらはきっと町の破壊を再開する。
 そうなったら私の日常を支えてくれているこの町の人達が不幸に成ってしまう。

(それ以上に…)

 思い出すのはクラッシュモードを手に入れる直前の戦い、目の前で改造人間が一人焼き殺された時の事。
 私が倒れ、コイツらが好き勝手しはじめれば、その内あのフレイムファクターが動き出す。
 あの敵の命を何とも思ってない改造人間は、目の前の彼等を、小枝でも燃やすようにアッサリ焼き殺すはずだ。

(ダメだ)

 あの時決めたはずだ、そんな事は許せないと。だから立つ。
 町の為、目の前の敵の為、何より私自身の為に。

(根っ性ぉ!!!)

 己の体に活を入れ、壁に背を預けながら立ち上がる。

「へぇ、結構上手く当てたつもりだったんだが」
「ボンクラのアンタじゃ所詮はこの程度よ!」
「何で姉ちゃんそんなに自信満々なんだよ…」
「次は私から行くわ!!」
「さっきも姉ちゃんからだった気がするが…」

 起き上がった私を壁ごと砕かんと迫るハサミを、何とか壁に沿って転がるように避ける。

(痛みなんか…知るかぁ!)

 そしてぼやきながらさっきの様に、私を挟み込む形で繰り出されたBの両腕のハサミには、躱さず両足を揃えて持ち上げ、背中を壁面に、足をBの腹部に当て、丁度壁とBの間に私という突っ張り棒を挟み込むような形にする。

「でぇえいっ!」

 そこから迫るハサミが私にヒットする前に、全力を籠めて足を思い切り伸ばした。

「ぬおっ!?」

 渾身の押し出しを食らってBの巨体が吹き飛ぶ。
 当然私に迫っていたハサミも彼の体ごと吹っ飛んでいった。
 硬い甲殻の上からじゃダメージは通らなかったけど、距離は取れた。

「しゃっ!」
“ヒュ…”「っ…」

 案の定、入れ替わる様にAの攻撃が来るが、今度はそれを屈んで潜る様に躱しつつ、最初の攻防でヒビの入っていた部分にカウンター気味にパンチを叩き込む。

“メキ…”

 ヒビが広がる様な音はしたけど、どうやら痛くなかったらしい。
 Aは突き出したハサミを引っ込めずに、そのまま下にいる私に向かって打ち下ろしてくる。
 だけどさっきの案外巧妙だった二人がかりの連携に比べれば見え見えだ。

「おっと!」“ドッ、ミシ…”
「っ!」

 多少余裕を持って躱しつつ、甲殻のヒビに今度は蹴りを入れる。
 そしてその反動のまま、クラブファクターを両方とも視界に収められる所まで距離を取り、また背中を壁に預けた。
 今度のは多少は効いたのか、クラブファクターAはヒビに手をやって動きを止めていた。

「ッ…はぁー」
『無茶をしますね』

 壁にもたれながら一息つく。
 クラブファクター達は、殻が重いのか関節の可動範囲が狭いのかBが起き上がるのにもたついているらしく、直ぐに追撃しては来ないようだ。単独では私に負けるでは私に負けるかも知れないと思っているのかAもBが起き上がるまで待っているらしい。
 一方の私はまだダメージが回復していない。それどころか今の攻防で痛みが強くなった様な気すらする。
 だけど…

「そうも、言って、られないでしょうが…」

 状況は殆ど改善してない。でも時間を稼げればダメージは少しずつでも回復して行く。
 だからとにかく逃げまくる。格好悪いけど仕方無い。
 私は仮面ライダーであるけど、ヒーローなんて器じゃない。
 どんな困難でも華麗に格好良く切り抜けるなんて出来やしないのだ。

「だから、形振り構ってらんないのよ!」
『正直言って個人的には逃げて欲しいんですけどねぇ…』
「はは、悪いね」
『何時もの事です』

 ウンザリしたようなセレナの言葉に、心の中で礼を言いつつ、クラブファクター達に視線を戻す。
 丁度クラブファクターBがAに手を貸して貰ってようやく起き上がった所だった。
 どうする?さっきはダメージが無い状態でしくじった。
 今から回復しきったとして、それでこの状況を打開出来るのか…。

“―――――”

『? 何者かが此方に近付いてきます』
「え!?」

 増援!?それは洒落にならん!

『キメラ反応ではなく、識別ビーコン…仮面ライダーのようですけど……。
 識別コードは…“ARS−02”?』
(えーあーるえすって…たしかセレナのコードだった様な)

“…オォォォォ――――ン”

 その時、遠くからエンジンの駆動音見たいな音が聞こえた。
 遠くで誰かバイクを乗り回しているのかと思ったけど、その音は段々と近付いてきている。
 おかしいな、この改造人間達が暴れていた所は、相当数の日尾が目撃していたはずで、それなりの騒ぎになっていると思うんだけど。
 だからこんな所に一般車両が来るのは変だ。

“ブルオォォォォ―――――…”

「ったく…窮鼠猫を噛むってやつか?」
「アンタがダメなだけでしょ」
「まぁ、そうかもな…」
「認めた!?」
「俺にどうしろと!?」

 私のダメージがまだ大きい事に余裕ぶっこいてるのか暢気に言い争っているクラブファクター達は、この音に気付いていないらしい。
 或いは気付いても関係無いと思い込んでいるのか。
 そうしている内にも音はますます近付いてくる。

“ブオォォォォ――――ン!”

「まあいい、俺から行くぜ?」
「好きにしたら、精々私の引き立て役になるが良いわっ」
「へいへいっと」

 クラブファクターBがハサミを振り上げて走って来る。
 それに対して私は動こうと足に力を籠めたけど…


「食ら“ドゴォン!!!”ギャルッボアァァァ――――!!?


「「……は?」」

 Bは突然もの凄い勢いで横から飛び込んできた黒い影に撥ね飛ばされて、悲鳴を上げながらぶっ飛んでいった。
 そして私とクラブファクターAは同時にポカンと口を開けてしまった。



“ドッドッドッドッドッドッドッド…”
「これは…美味しいタイミングと言うべきか、KYと言うべきか悩む所だな…」



 重低音のアイドリング音を響かせる、クラブファクターBを撥ねたそれ――黒いバイクに乗った、これまた黒いライダースーツに黒いヘルメットと黒尽くめの人物が、そんな事をぼやいていた。
 でも、この声って…

「よぉ、鷹音ちゃん、大丈夫か?」
「りゅ…竜兄?」

 ヘルメットを脱いで代わりにサングラスを掛けたその顔は、間違いなく昼に会った竜兄の物だった。
 しかし今は私は変身してるはず。顔もバイザーで殆ど隠れてるはずだし。

「あれ?私が私だって判る…の?」
「ああ、それは…」
「いってぇ、マジいってぇ…これからだって時に横槍入れるの止めてくださいませんかねぇ。
 人を撥ねといて普通にくっちゃべるとかお前それでも人間か?
 一般人の癖に、キメラに楯突きやがって」

 そこで撥ねられたクラブファクターBが竜兄に文句を言ってきた。
 さすがに甲殻のあちこちに擦り傷やヒビが入っている。
 クラブファクターAはちょっと心配そうだ。

「悪ぃが、大切な妹分のピンチに手段選んでられるほど人間が出来ちゃいねぇんでな。
 それに俺は一般人じゃねぇ」

 そう言って竜兄はセレナに似た、黒い携帯ゲームモドキを取り出した。

「お前まさか!
「え、何々?「判んねぇなら姉ちゃんは黙ってろ」アンタ姉に向かっ「黙ってろ」……」
「竜兄、それ…」

 竜兄は驚く私に目も向けず、クラブファクターの方を向いたまま、腰の前に構えた黒いバックルの両端からバンドを伸ばして、両端についていたパーツを腰の後で接続する。
 そう、私がセレナで変身する時の様に、竜兄の腰にベルトが巻かれたのだ。

「久々の戦いだ、大丈夫か?フォルテ」

 そう言って竜兄はバックルに設置された縦長の菱形に手を掛ける。

『問題無い、いつでも征けるぞ、主』

 竜兄の声に応える、やや機械風味だけど大人っぽい女の人の声。
 ヤッパリあれは…

「…変身」“カシャ”
『源素展開』“バシュッ”

 私の予想と違い、竜兄が菱形を寝かせるように45°回転させると、その体が一瞬で黒い結晶のような物に覆われた。
 いきなり現れた歪な人型のオブジェに私達が身構える前に、その全体に音を立ててヒビが入る。

“ギシ…” 「ふん!」“パキィ―――ン”

 瞬間、黒いオブジェは粉々に砕け散り、中から振り払うような仕草をしながら別のモノが姿を現した。


 全身に纏った黒い甲冑のような装甲。
 所々から覗くその下に着込んでいるらしい白いラインの入った、装甲と同色のスーツ。
 頭部を覆う兜の額の辺りからは二本のアンテナっぽい物が生えていて、口元は銀色、目の部分には大きな朱色の複眼が嵌っている。
 私とは頭部の形が大きく違うけど、その姿はむしろテレビドラマでやっている“仮面ライダー”のそれに近かった。


形成完了、全機能問題なし。
 久々だからアジャストに多少ズレがあるが、この程度の相手には問題無いレベルだろう』
「まぁ、肩慣らしって所か」
『うむ、初対面とは言え愚妹の前だ、お姉ちゃんとして良い所を見せねばな』

(やっぱり仮面ライダー…でもこの仮面ライダー、何処かで見たような…?)
『愚妹って私の事でしょうか?…』

 ネットや雑誌じゃない、何処か別の場所でこの仮面ライダーを見た事がある。
 そんな確信にも似た強い既視感。
 あとセレナが何か言ってるけど無視。
 そんな私を余所に、変身した竜兄はクラブファクター達を指さし宣言する。




「さあ、これが俺『達』……“仮面ライダーフォルテ”の復活戦だ。
 負ける気はねぇ、油断もしねぇ、腹を括ってかかって来な」





 そう啖呵を切る竜兄――否、“仮面ライダーフォルテ”の姿に、私は奇妙な胸の高鳴りを感じていた。




『愚妹って…』

 それはもう良いから。




To be continued→
@PF
2010年02月08日(月) 13時44分14秒 公開
■この作品の著作権は@PFさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
わーい、書けたー!
うん、生きてるよ、止めてないよ。
感想すら書かなかったけどね。
この時期は忙しいと言う事で!

今回はフォルテ登場編。
0話以来の登場ですね、キャラが変わりすぎてないか不安です。
竜斗がサングラス掛けてるのは、理由はあるけどそこまで深くないです。

鷹音の竜斗に対しての感情は結構微妙な所。
好きではあるけど家族に対しての物、少なくとも本人はそう思っています。
まぁ、読んでくださる皆さん的には、竜斗はぽっと出同然なので、いきなり好きだのどうだのってのはアレでしょうし。

今回の敵、クラブファクターは実はそこまで強くありません。
でも二人がかりな上、連携を強引に叩き潰せそうなクラッシュモードは大幅弱体化しているのでどうしようも無い相手と化しています。
ストレイトモードは避けられやすいしエネルギーの消耗も激しいしね。

あ、冒頭の小ネタ書いた時は、まさか霧彦さんがあんな事に成るなんて想像も付かなかった時期でしたから、削除しようか悩みました。
結果、多少後の分を直して投稿、と言う事にしましたが、やっぱ不謹慎かな…
「フィクションのキャラに不謹慎も何もねーよwww」と仰る方も居るかもですが、自分は結構悩んでます。

ではレス返し

>鴎さん

>事故にあったと伺って驚きました。お体の具合は大丈夫ですか?
>どうかお体をお大事に・・・。

心配してくださってありがとうございます。
病院の診察でも異常はなかったですし、一ヶ月以上経った今でも特に不都合は無いので、きっと多分大丈夫、なハズ!

>彼女のお茶に対する愛着はかなりのものですね。
>でも、息抜きとかで飲むお茶は格別に美味しいですよね。自分も作品を書いている間とか仕事の休憩中に飲むお茶はなぜか美味しく感じますし・・・。

仕事合間の一杯、この為に生きてきた!とまでは行きませんが、余計に美味しく感じるのは事実ですよね。

>ルーベット「茶夜殿、トパーズ殿の淹れる紅茶や緑茶は格別に美味しいですぞっ!Vライナーにお立ち寄りの際にはぜひ御馳走いたしますぞ♪」

茶夜「うーん、ライダーシステムを集めているとは言ってもさすが時の列車のパスは持ってないからねぇ。
   師匠は持ってたんだけど…。
   ま、巡り合わせが合えばその内…ね」

>なるほど・・・新しいレジェンドルガの情報はとても面白いものですね。
>お話を何度も読み返してみましたが、世界観とか種族にこだわりを持たれている設定がとても興味深い内容です。

ある程度の自由幅は効かせつつも、ある程度設定を煮詰めないと落ち着かないタチでして…
そのせいで身動きが取りにくくなったりしてしまう事もあるのですけれど(苦笑)
特に、他作品とクロスしようとすると結構問題になるかも

>興味を持つこと、それがまず何より大切なことですよね。
>向上心をもって色々と考えて行動することで予想もつかなかったものを生み出したりすることが楽しかったりしますよね。

何事も思い立たなければ始まりませんからね。目的があるならなおさらです。

>マモン「知識やアイテム…茶夜の考え、少しでも兄貴やアスモにも分けてほしいくらいだぜ。あの二人は戦闘じゃ負け知らずだけど、頭悪すぎるからな…足し算引き算もできないし、漢字も読めないし・・・(涙)」

茶夜「ま、まぁ生まれが日本とは限らないし、漢字が必ずしも読める必要は無いと思うけど…ルシファー君はリーダーなんだから最低限の教養と割り算位までは出来た方が…(汗)
 可愛い妹たちに余計な負担掛けちゃうわよ?」

>意味深な発言ですね。
>この言葉の真意…それはやはりポーンとナイトが大きくかかわってくるのでしょうか?この後の展開が楽しみです。

言葉通りに茶夜は自分を失っている、少なくとも当人はそう思い込んでいます。
ポーンとナイトは結構関わってくる予定ですが、実は茶夜本人はそこまで深い関わりがあるとは思っていません。
彼女自身も知らない事は結構あるのです。

>レジェンドルガに並々ならない恨みや負の感情むきだしの様子ですね・・・。
>過去に何があったかわかりませんが、相当因縁深い出来事があったご様子で。
>彼女のクエストがどのような未来につながるのか、興味深く感じられます。

実はほんの少しだけ茶夜の描写には嘘にならない程度にフェイントが仕掛けてあります。
そこは追々開かして行くと言う事で。


>ひだりさん

>『レイキ』へのご感想アリガトゴザマシタ。こちらこそ遅くなりましたけど感想スタートぅー。

何か、あのタイミングで感想書くと、まるで「ウチにも感想書け〜」って強要してるみたいで段々申し訳なくなってきた…。
他意はない!他意はないですから!!

>お茶ホリック富豪ームレス

あ、新しい…新しい表現だ。
茶夜のプロフィールは結構邪気眼というか厨二病というか…って感じだったりするのです。
だから所々ご都合主義っぽい感じで、デタラメなのですよ。
因みに収入はトレジャーハントと傭兵モドキ、デイトレード、それらを元手に幾つか買収した会社から出ています。

>さっぱりとした自由人な風情で、加えてちょっと照れ屋さん?なのでしょうか。
>飄々と、淡々と己=レジェンドルガの情勢を語りながらも、その裏に覗く『望み』だとか『約束』だとか。
>それは『本当の「私」を手に入れる』のが『約束』と言う意味なのか。
>あるいは『望み』の為に『本当の「私」を手に入れる』のか。ひだり脳では読み切れナイッ!
>今回の番外篇では彼女の深い部分にまでは踏み込んでいない感じですが、今後の展開で彼女の本性・本質が晒される事になると、また今の印象とは違ったものを抱くことになるんでしょうなぁ。楽しみデス。

ええ、感謝される事に慣れていない感じなのです。
所々淡々としているのは彼女の経歴故の事なのですが、まあそれも追々…
約束関係は、『望み』=『約束を果たす事』で『約束』=『本当の「私」を手に入れる』なのです。
微妙に茶夜自身の意志が入ってない気がしますが、そこもまた追々
まださわりなので(次の登場はいつか判らないけどな!)

>次回は普通に『セレナ』ですかな?なんにしろ楽しみ極まるワケですがががっ。

前回こう書いて戴きましたが、大きな期待外れになってないと良いなぁ…
見捨てないで貰えれば嬉しいです!


>YPさん

お体は大丈夫ですか?
YPさんなので、結構普通に心配してしまいす(失礼)

>しかし名は体を現すといいますけれども、“茶”夜だからお茶ジャンキーとか?
>…………ははっ、真坂ネー、ンなワケないですヨネー。

……別にストーリーに関わる事でもないんで言いますが、茶夜は別に日本生まれじゃありません。
つまりもっとそれらしい本名があり、日本っぽい名前は偽名なのですよ。

>ライダー少女といえど、格差には勝てなかったのか……。
>せちがらい世の中、どうかしてるZE!?

結局持ってない人は持ってなくて、持ってる人は持ってる、ソレが現実。

>はて、茶夜さんの目的はなんじゃらほいっ、と。
>この二人(?)を探してるってことは、キバエンペやダキバに準ずるものを作らせるのが目的なんでせぅかネー。
>仮にそうだとして、使い道なんてホリケソ(ぉ)をシメるぐらいしか思い付きませんががが。
>その先に何があるかは『待て(いつかわからない)次回!』っつーことっすね。

うん、大体あってる(お
微妙に違っては居ますが、説明するのはネタバレなのでw

>なにこれアホ可愛い。
>クロー!俺だー!結婚してくれー!(爆

クロ「ごめん、ボク、クチバシと羽のない人はちょっと…」



さて、バレンタインデー編を書こう、と思ったけどキャラが出そろってないので無理!

設定更新はまた次回

誤字脱字誤用など、気付いた点がありましたら是非お知らせ下さい

投下してからの修正が多すぎる・・・何と言う怠慢orz

この作品の感想をお寄せください。
ojEU9M Hey, thanks for the blog post.Really thank you! Much obliged. -20 Article submission ■2012-08-09 10:47:05 91.201.64.7
アロゥ!ひだりです。
もはやひだりは常人とは異なる時の流れで生きているのではと思わせる遅筆&遅感想ぶりです。

>麻倉竜斗
通称竜兄。鷹音ちゃんにとってどういうポジションなのかな〜と常々思っておりましたが、気のいい兄貴分キャラでしたか。しかしなにゆえアロハ。
食卓ではちょっとしたラブ!コメ!心こそばゆいー。
縮んでるのもあって、普通に親戚の兄ちゃんに懐いてる子供みたいな感じデスガ。

>バトル
家を出るなりニムブルモード。キメラに組み付く時にはクラッシュモードで、距離をとってのクラッシュハンマー装備。
イイデスネー。この後の肉を切らせて骨を断つ様な戦法もグッドデスネー。
元々ある個性豊かなフォームに、鷹音ちゃん自身がミニマムてる影響を加えて、更に戦略性が増したと言いますか、工夫あるバトルは見てて楽しいものでふよね。
そんでなんか弟出てきて苦戦苦戦。そこに、

>「よぉ、鷹音ちゃん、大丈夫か?」
惚れてまうやろーーーーーーーーー!
そりゃ鷹音ちゃんも、
>そう啖呵を切る竜兄――否、“仮面ライダーフォルテ”の姿に、私は奇妙な胸の高鳴りを感じていた。
なんてことになりますわ(それはたぶん別の原因です)!
とにかく、ようやくと言った感じで出てきた仮面ライダーフォルテ。
と言いますかフォルテさんですが、

>『うむ、初対面とは言え愚妹の前だ、お姉ちゃんとして良い所を見せねばな』

セレナさんのことは愚妹呼ばわりで、自分のことはお姉ちゃんとか呼んじゃうのが微妙な可愛気。
セレナさんと比べてこちらは熟練の貫禄と言うか、そういう習熟したフランクさが魅力なきゃらくたあなのでせうか。

ザザッと書きなぐった感じですが、でわー、今回はー、この辺でー(まさかのパクり)。
50 ひだり ■2010-02-27 15:09:44 p5234-ipbfp201takakise.saga.ocn.ne.jp
感想遅くなって申し訳ございません・・・。
それでは、レスを投稿させていただきます。

>麻倉竜斗
今回久しぶりに登場しましたね。
一見妹のような鷹音さんに優しい、思慮深くそれでいてどこか子供っぽいような人間くささに満ち溢れている青年ですね。しかし、鷹音さんに手を出したクラブファクターたちにはクールなようだけど、容赦ない怒りを感じさせる雰囲気がいいです。

特に「悪ぃが、大切な妹分のピンチに手段選んでられるほど人間が出来ちゃいねぇんでな」といった台詞にはマジで憧れます!!
今後応援いたします!!

ルシファー「全くだ。妹分がピンチなら助けるのが兄貴ってモンだしな。お前なかなかいいこと言うじゃねぇか」

>『はっは!大方独り身の嫉妬でしょう。でしたら自分もイチャイチャベタベタ出来る相手を作るか、そのカップルのどちらかを闇討ちするかしたらどうですか?(笑)』

それやったらアカンですやん。
つか、セレナさん何を期待してるんですか、何を。
しかし鴎はそんな貴女の大ファンです。応援してます。

>「そーれそれそれ!お逃げないさーい、一般人(バンピー)共!!」
バンピーとはまた・・・(汗)
今回の相手は二人がかりで鷹音さんを追い詰めていたぶる様な外道ですね。これはもはやフォルテさんの怒りの必殺技で成敗してくれることに期待しております。

>人を撥ねといて普通にくっちゃべるとかお前それでも人間か?
全くです。でもまあ、アンタらがやろうとしていたことを粛清すると言う名目ならば・・・OK?ですかね?

琥珀「これだけの台詞なら完全竜斗さんが悪人だよな」

>セレナさん
今回も毒舌が冴え渡っておりました。
そして鷹音さんとの連係プレーややりとりも、まさに相棒といえる絶大な信頼関係が感じられます。

琥珀「何だかんだ言って、いいコンビだよな。セレナさんと鷹音さんって。・・・あたしは最近相棒の暴走に振り回されて、生命の危機すらも感じ取っている始末なんだが・・・慣れるしかねぇのかな、セレナさんの暴言を流す鷹音さんのように・・・とか。鷹音さん、お互い頑張ろうな・・・(涙)」

次回も応援してます!!
50 ■2010-02-15 05:40:55 st0416.nas931.ichikawa.nttpc.ne.jp
シンケンジャーは近年稀に見る良作戦隊だと自負してやまない俺、参上!
ま、他の戦隊はアバレとデカぐらいしか見たことないんですけどねー。
どっちからもWにゲスト出演するだなんて運命感じちゃうよオイラ!

>霧彦さん
公式と@PFさんが相乗り……だと……!?
それは置いといて、霧彦さんは仕方なかったとはいえ、ちょっと急展開すぎた希ガス。
もう少し前からジワジワと株を上げてれば、もっと自然な流れだったんだけど。
ま、あれはあれで面白いからよかったのかもしれませんががが。

>麻倉竜斗
前から名前はチラホラ出てた、噂のあの人。
出番少なすぎてイマイチ人となりがつかめませんが、まぁ悪い人ではなさそう。
だっていちゃつくバカップルを煙たがってるもんね!(ぉ

>「巻奈さーん!はやくきて〜はやくきて〜!」
>「はいはい、どうかしましたか?」
なにこの親子、ワムゥ。
もちろん鷹音ちゃんは子ね。
だって……(二人を見比べて)……ねぇ?

>セレナ VS 蟹ズ
なんという噛ませ犬、もとい噛まセレナ。
まぁフォルテのお披露目がメイン要素な今回、ロリ音ちゃんの存在価値は“ピンチに陥って、助けられる”ことなんでむべなるかな。
対してフォルテは出番が少なすぎて何とも。(ぉ
それにしてもなんという噛ませ犬、もとい噛まセレナ。

>お体は大丈夫ですか?
>YPさんなので、結構普通にしてしまいす
(((;゚д゚)))。oO(……ナゼセンジツブッタオレタコトヲシッテルンダオ……)
(´・ω・)<まぁPC壊れてGWあたりまで何も書けないことの方が問題なんですけどね……。

でわー、今回はー、この辺でー。
50 YP(病弱ドジっ子メガネ) ■2010-02-14 14:59:20 proxybg021.docomo.ne.jp
合計 130
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