仮面ライダーバルキリーたん 第46話「Petal that dances and scatters」 |
貴方に「仲間」としてついてこいと言われた時。 泣いていたのは。 貴方が怖かったからじゃない。 やっと会えたから。 あたしを暖かい温もりで包みこんでくれる人に。 ギャリギャリギャリギャリギャリッッ!!!! 鋭い刃が空を切り、壁を天井を床を飛び跳ねるように削れる摩擦音と火花を散らせながらプリーストフォームとアルティメットフォームに襲いかかる!! 刃を避けながらプリーストフォームが槍から激流を放出し、怒涛の水流が地面をえぐるほどの破壊力を持って襲いかかり、アルティメットフォームは全身を電流で覆うようにして飛び交ってくる刃をいたるところから噴出する電流ではじきながら攻撃の機会をうかがう。 アスモデウス「ほらほらほらぁっ!!!」 Pバルキリー「くっ、どこから来るのか分からない以上、闇雲に動くのは危険ですね」 Uワイバーン「しかも室内だっていうのに、限られた空間内で剣を最大限に振るう長さと感覚を図りつつ、敵を確実に追い詰めるやり方でくるからね。しかも二人を同時に相手にして、だ。かなりの戦闘能力だよ」 アスモデウス「ふふっ、どうしたのぉ?時間ないんだしぃ、さっさと殺られちゃいなさいよっ!!そして、慧ちゃんを全裸にひんむいて血まみれになったところを抱きしめてクンカクンカ、ハァハァするんだからぁ!!」 Uワイバーン「・・・・へぇ・・・二人って・・・そういう関係だったの?殺してやりたいほど妬ましいったらないねぇ・・・うふふ・・・くすくす・・・」 慧(晶!?あたしは言っておくけどそっちの趣味はないからねっ!?そんな命をかけたドギツいアブノーマルな不純同性交遊なんて一生やらないからねっ!?) マラカイト(うふふふ・・・お姉様と・・・・抱き合いっこ・・・?我が人生に・・・悔いなしですわぁ・・・・(ブシャアアアアアアアッ)) ダイヤ(マラカイト!?どんな想像をして、そんな致死量の鼻血を吹きだすんだい!?) ムーン(マスターとの・・・濡れ場・・・・お・・・俺・・・・どうしよう・・・・そんな・・・マスター・・・・俺とマスターの間には色々と問題が・・・血液型とか・・) ダイヤ(ムーン、問題があるとしたら君の思考回路全体だろう。それに、血液型は大した問題ではない) Uワイバーン「うふふっ、もう皆、嬉しくなっちゃうほどクズぞろいだねっ。晶、あとでどんなお仕置きして、社会的制裁の名のもとに処刑にしようかなって色々とプラン考えちゃったよっ♪きゃはは」 慧(晶・・・・・とりあえず・・・まずは落ち着いて。そして、マラカイトさんとムーンとはあたしもじっくりと話しあいたいから付き合うよ) いっぺん拳と拳で語り合いたいと思っていたところだと、追記したのは内緒です。 アスモデウス「ほらほらぁっ!!」 関節剣の刃に炎がともり、凄まじい速さで全体にいきわたると、超高熱の火炎をまとった刃がまるで獲物に襲いかかる獣のように凶暴な光を宿して襲いかかってくる!! 今、こうして暴れていると実感する。 こうして、剣を振って血にまみれて屍の匂いにまみれて、血に染まる大地を駆け抜けている間だけが「生きている」って実感できる。 「平穏」とか「平和」なんて退屈で仕方ない。 暴れている間だけがあたしが生を実感できる一時。 獲物に狙いを定めて忍び寄り、隙を突いて襲いかかり、追い詰めるあの快感。 「狩り」だけがあたしの唯一の存在意義だったんだ。 そうだったはずだった。 そのはずだったのに。 あいつと出会う前までは。 あいつと、兄様と出会ったのは、もう数百年以上前かなあ? あの時はあたしはロキ一族の中でもあまりに暴れん坊だからって一族からも白い目で見られて、疎まれたり嫌な目で見下されたり誹謗の対象になっていたっけ。 正直、お前らだって似たようなもんじゃないの。 何、あたしだけ悪者にして、自分たちはさも理性とか知性とか兼ね備えている至高の存在、暴れるだけのあたしなど屑のような存在って見下して、優越感に浸っているんだか。 そうやって同族でも自分が気に入らなければ、もしくは自分が優越感に浸るためなら無理矢理理屈つけ偉ぶっている、そんな裸の王様気取りの連中なんてあたしは大嫌いだった。 それでこっちから出て行ってやったんだ。 そんな弱っちいクズたちなんかに別に認めてもらいたくなかったし。 それで、世界中を転々と渡り歩いて、うるさいヤツ、人のことを裸にひんむいて色ごとに持ちかけようとするヤツ、まあ女の一人旅をしていると、こういう下等な連中が後を絶たないからちょうどよかった。 肉を切り裂き、噴き出す血にまみれながら、力いっぱい暴れ狂うあの快感が。 あたしにとって全てだったんだから。 そうこう好き勝手やっているうちに気がついたら、結構多くの敵が出来ていて、いつのまにか派閥だの組織だの徒党を組んで大勢で襲いかかってくるようになったのよね。 今までは奇襲とか闇討ちとかそういう手段を選ばないやり方は数多くあったけど、全部返り討ちにしてきたし、まあ、自信過剰なところもあったんだけど、それがまずかったのよね。 数百年前。 あたしは当時、どこかの大きな都で、その都の中でも一番偉いヤツが反乱を企てて化け物になって化け物を従えて大暴れの限りを尽くしているからとかって話で、ああ、ここなら大暴れに欠かすことはないなって気楽な考えでわざわざそんなところまで行って、喧嘩吹っ掛けにいったはいいんだけどさ、相手があたしのことを知っていたのがまずかったのよね。一気に討ち倒せるように、あまりに単体一体一体の戦闘力が強すぎる上に今までの常識を覆すかのような人海戦術、まあ一人の喧嘩馬鹿相手に数百体以上で一気に襲いかかってくるなんていうことになり、まあ、自業自得といえばその通りなんだけど、追い詰められていたってわけ。 全身傷だらけ、玉の乙女の肌に容赦なく引き裂いてくれたことで、血はいたるところから噴き出ているし、血に染まった服や身体がとても重くて寒くて、やがて呼吸さえおぼつかなくなったとき、あいつが現れたんだ。 「よお、お前か?さっきから“誰か”のこと呼び続けているのは」 「・・・何?あたしは誰も呼んじゃいないわ。ボウヤ、ナンパのつもり?こんな死にかけている女でもいいのかしらぁん?ふふっ、そういう趣味はまだまだ早いわよ、大人しくオウチに帰りな、目ざわりよ―」 「嘘こけ、今だってずっと“誰か”を呼んでいるだろうが。いい加減うっせーぞ。一発ぶん殴って静かにしてやろうかと思って来てみたんだが、気分変わった。お前、俺と一緒に来い。この都出るぞ。酒もねぇし、化け物しかいねぇし、つまんねぇんだよ、ここ」 「・・・・・はあ?」 この一見美少女のようにも見える、銀髪のロングヘアをポニーテールに縛り上げている、赤く光る澄んだ瞳をもち、陶磁器のように真っ白で透き通った肌を持っている少年は、声変りもしていない可愛らしい声で傲岸に言い切った。 「・・・・残念だけど、もうこのあたりは化け物に囲まれてるわよぉ?あたしのカラダが目当てで、数百体のケダモノが群がってきているからさぁ」 「何だ、数百体しかいねぇのか」 「はぁ!?」 「そのくらい、すぐ片づけてやるぜ」 「・・・あんた、正気?つか、バカ?出来るわけない」 「出来るさ。その代り、もしこの町出られたら―」 少年がにかっと陽気な笑みを浮かべて、言った。 「お前、俺と一緒に来いよ。お前、何だか面白そうだしな」 面白そう。 気まぐれに尽きる一言。 その気分のみで、バカ正直な気持ちをストレートに言い放って、少年は槍を構えて無数の化け物の集団の前にまるで遊びに行くかのように鼻歌など歌いながら立ちはだかった。 「あ、そうだ。お前名前は?」 「へっ?」 「逃げるとき名前なけりゃ、お前のこと、繋ぎ止められないだろうが。お前とか、テメェとかいちいち面倒くせぇしよ。お前の名前、教えろよ」 「・・・・珊瑚(さんご)・・・だよ」 「珊瑚か。いい名前じゃねぇか。俺は・・・瑪瑙丸(めのうまる)・・・覚えておけよ、俺もお前の名前、忘れないから」 名前を呼び合った時、あたしの中で何か得体のしれない熱い何かが生まれた。 そして、あたしはその後何が起こったのか今でも思い出せる。 金色の風を纏い、銀色の美しく流れるような髪をなびかせて、槍を片手に敵を切り裂き、深紅の血液を浴びてなお美しく光り輝き続ける、まるで呪われた宝石のように血を吸い続けて光をより一層増す、危険な妖しさと魅力を秘めたあの人の強さに、大暴れぶりに、あたしは心を奪われたんだ。 ―数百体以上を・・・一人で・・・しかもあんな楽しそうに、美しく舞うように殺し続けている・・・。 綺麗・・・。 心の奥底からあたしはあいつに全てを奪われた。あいつという凶暴な嵐に飲みこまれたような感じがした。 そして気づいた。 あいつの言うとおり、あたしは誰かを待ち続けていたような気がする。 あたしのことを受け入れてくれる、「誰か」を。 アスモデウス「ほらほらぁっ!!もう半分以上時間過ぎたんじゃないのぉ?早くしないと死んじゃうわよぉっ!?」 Uワイバーン「お生憎様、1分くらいしか経ってないです。あんたを倒す時間くらいはきっちりあるよっ!!」 Pバルキリー「一気に決めますよ・・・!」 プリーストフォームがトライデントを振りまわすと、三叉の刃に水流がまといだし、空中を優雅に流れるように舞う。意のままに水を操り、トライデントを構えながら突き出すと水が矢のように飛び出し、アスモデウスに向かって放たれ、鋭い刃で襲いかかる!! Pバルキリー「ウォーターアロー・・!!」 アスモデウス「水遊びくらいじゃあたしは倒せないよっ!!」 Pバルキリー「ええ、遊びじゃありませんよ。本気ですから!!」 すると矢が突如水流の形に変わり、アスモデウスの周りを取り囲むように踊り出し、形を変えてまるでオリで閉じ込めるようになる。 アスモデウス「矢はあくまでダミーだっていうのっ!?」 Pバルキリー「水は千変万化・・・いかなる形にも変わります」 アスモデウス「しまった・・!相手が水じゃ火は不利だった・・!」 Pバルキリー「そして・・・その勢いが増せば増すほど・・・その破壊力は・・・増します」 空中に舞い上がった水流がオリに閉じ込められたアスモデウスめがけて巨大な水圧弾と化して超重量級の水圧をもってものすごい速さで襲いかかり、一気に押しつぶした!! 水によって全身や関節剣にまとっていた火は消え、重圧で押しつぶされたアスモデウスが床に叩きつけられ、内臓や骨が圧迫され激しい重圧を受け苦悶の表情を浮かべる。 アスモデウス「かはっ・・・!!くっ・・・・!おのれ・・・・・!!」 Pバルキリー「・・・・まだ、やるのですか?」 アスモデウス「まだまだぁっ!!」 Pバルキリー「・・・そうですか・・・ならば・・・ここで決着をつけます!!」 Uワイバーン「慧、行くよ!!」 「「Full Charge」」 同時に電子音が鳴り響き、槍を構えたアルティメットフォームが電流を全身から発生させ、プリーストフォームが三叉槍を構えると全身から水流が噴き出し、緑色の電流と青色の水流がうねるように迸る!! Pバルキリー「フリージング・ギルティー・ディープ・・!」 水流がやがて巨大なサメのような姿「チャリオット」に代わり、凶暴な牙を生やした口を開いてものすごい速さでアスモデウスをとらえると、一気に飛び出し、アスモデウスに直撃する!!すると、みるみる身体中が凍りだし、たちまち動けなくなる!! アスモデウス「ヤ、ヤバッ!!!」 同時にアルティメットフォームが飛び上がり右足を突き出したまま、高圧電流を全身に浴びて、凄まじい速さで一気に飛び出し、プリーストフォームが槍を突き出したまま一気に駆け出し槍を突き出す!! 「「はああああああああああああああああああっ!!!!」」 息があった同時攻撃。 蹴りが炸裂して高圧電流が全身に流れ込み、さらに槍の破壊力抜群の突きを受けて、アスモデウスが爆発を起こして吹き飛んだ!!! アスモデウス「きゃあああああああああああああああ・・・・・・!!」 関節剣が砕け散り、アスモデウスが部屋の奥へと吹き飛んでいき、やがて巨大な炎を上げて大爆発を起こした・・・!! Uワイバーン「・・・はあはあ・・・・急がないと・・・!」 Pバルキリー「そうですね・・・もう時間がありません!!」 慧(・・・でもさ、地下のプラットホームなんて、どうやっていけばいいのっ!?) Uワイバーン「・・・確かこの近くにエレベーターがあったよっ!!」 晶が指差した先には非常用エレベーターがあった。扉がちょうど開き、晶と慧が駆け出し、一気に中に流れ込む。 そして、重い扉が音を立てて閉じた・・・。 一方・・・。 部屋中が崩壊を始めている中、アスモデウスが崩れゆく部屋の中で壁に背をもたれたまま、虫の息で倒れこんでいた。もう指一本動かすことも出来ない。 アスモデウス「・・・慧ちゃん、甘いなあ。最後の最後で手を抜いちゃって。まあ、その優しいところが慧ちゃんの強さの源なんだろうけども」 ほくそ笑む。 慧と出会ってからずっと楽しくて楽しくて仕方ない。 慧をからかうたびに、慌てふためく慧のことを見るたび、かぶって仕方ない。 自分が心から尊敬している人に。 アスモデウス「慧ちゃんと兄様って・・・やっぱり似てるよねぇ」 本当似てるんだ。 大人ぶってるけど、結構意地っ張りで、おっちょこちょいで、子供っぽいところがあって、一緒にいるとついついからかいたくなっちゃうんだよねぇ。 (過去) ルシファー「なあ、珊瑚、俺さあ、最近“ルシファー”とかいう通り名ついちまったんだけどさあ、ルシファーってよくねぇか?カッコよくてよ」 アスモデウス「ええ?でも、瑪瑙丸っていうのもカッコいいと思うけど?」 ルシファー「あー、あれ?なんかもうダッセェから、やめる。自分で考えた名前だったけど、なんだか、ルシファーの方がいいような気がするんだよ、よっしゃ、今日から俺はルシファーだな」 アスモデウス「ホント気まぐれで生きてる人よね・・・」 ルシファー「いいじゃねぇか、名前なんてつけてくれるような親もいねぇんだしよ。つーか、お前の珊瑚だって、本名じゃなくて遊郭の時の源氏名じゃねぇか。そろそろ、テメェの好きな名前名乗ったっていいんじゃねぇのか?」 アスモデウス「うーん、名前なんて別に面倒くさいから、考えもしなかったけど、それなら・・・アスモデウスがいいかな」 ルシファー「七つの大罪にちなんでか?ははっ、俺が傲慢で、お前がエロか」 アスモデウス「色欲っていってよ・・・」 ルシファー「七つか・・・うーん・・・それなら・・・本当に7人揃えちまうか?」 アスモデウス「はあ?」 ルシファー「あのさあ、これ、俺の提案なんだけど、俺達傭兵とかやってみねぇか?」 アスモデウス「傭兵って、御金もらって暴れまくるっていうアレ?」 ルシファー「そうさ、こんな乱世だ。暴れまわる戦場を駆け回って金がもらえるなら願ったりかなったりじゃねえか。どうせ好き勝手やるなら、やってみねぇか?その中で、面白そうな奴がいたら仲間にするんだよ」 アスモデウス「ふぅん・・・面白そうじゃない。まあ、兄様はやるなら、あたしも付き合うわよ。一緒に派手に暴れまくりましょうねっ!!」 ルシファー「ははっ、そうだな。楽しみだよなぁ、腕が鳴るぜ」 そうやって一人、また一人と仲間が出来て、今のセブンズヘブンが出来上がったんだ。 そうしているうちに、生きていることに「楽しい」と感じている自分に気がついた時は驚いた。それと、同じくらい嬉しかった。 今も・・死にかけているというのに、死を恐れていない自分がいる。 恐れる必要なんてない。 思い切り全力全開でバカやって、好き勝手やって、やりたいようにやってきたのだから、後悔などする必要なんてない。 アスモデウス「慧ちゃん・・・・兄様・・・・・結構・・・・楽しかったなあ・・・あたし・・・・生きててよかった・・・・あんたたちと会えて・・・本当に良かった・・・」 そっと瞳を閉じる。 その時だった。 「役立たずのクズが・・・骨に帰りな」 憤怒と邪悪に満ちた声がして、首に何か突っ込まれたかと思いきや、自分の首から水色に光る宝石が取り出されたのが見えた。そして、そこにいたのは、智だった。 ああ、あたし、これで死ぬのか。 でもまあ、悪くないわ。 このまま・・・ゆっくり眠りたい。 「アリガト・・・ケイチャン・・・・ニイサマ・・・・・」 それがあたしの最後の言葉だった。 智「フン、どいつもこいつも使えないな、もう!!」 そういって、智がアスモデウスの骨を蹴り飛ばし、粉砕する。骨が無残にも壁に叩きつけられ、音を立てて砕け散り、それを容赦なく足で踏みつぶす。 智「・・・・もうあいつら・・・許せない・・・・・・ヒュプノス・・・・動かすか。皆殺してやる・・・・殺してやる・・・殺してやる・・・・・殺してやる!!!!」 ボコボコに殴られ、はれ上がった顔には憤怒に満ちた凶悪な気に満ちており、呪詛をブツブツつぶやきながら智はトドメといわんばかりに骨を蹴り飛ばし粉砕するとその場から出て行った。 一方。 海の上ではもはや戦況は大逆転であった。 Lバルキリー「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」 Lバルキリー(ヒルデ)「はあああああああああああっ!」 Vライナーを動かしていたヒルデが戦線に趣き、ランスフォームに変身すると、ルーベットと共に艦内で槍を振り回し、一騎当千の活躍を見せていたのだ。 Gバルキリー「あ、あの二人ってかなり強いね・・・」 Aバルキリー「さすがはかつてのバルキリー、実力はかなりのものだ」 Wバルキリー「ふむ・・ヒルデの動きについていけるあたり、あのルーベットとかいうイマジン、かなりの戦闘能力だな。パワーもスピードもバランスがとれていて、無駄な動きが一切ない。実に興味深い」 シズカ「へえ、ティンクルが褒めるなんて珍しいねぇ。しっかし、あの子、マジで強いわよ」 Gバルキリー「ああ、それは認めるね」 Aバルキリー「それだけがヤツの取り柄だしな」 Lバルキリー「慧殿のためならぶぁああああああああ、エンヤゴルアアアアアアアアアアアアアッですぞぉおおおおおおおおおおぉおおおお!!!!」 Lバルキリー(ヒルデ)「・・・ねえ、君のさっきからのその掛け声、気が抜けるからやめてくれないか?」 Lバルキリー「一つ槍を振っては慧殿のためぇっ!!!二つ突き倒しては慧殿のためぇえええ!!そして三つ、勝利を挙げることは・・・やはり慧殿のためよぉおおおおおおお!!」 Lバルキリー(ヒルデ)「人の話全然聞いてないし」 Gバルキリー「一途というか・・・」 Aバルキリー「大バカだな」 全くです。 そのときだった。 パラリラパラリラパラリラパラリラ〜♪ 汽笛と警告音が鳴り響き、水面から巨大な何かが飛び出してくる。 空中に線路が次々と敷き詰められ、それに乗って爆走してくるのは・・・ゴールドの車体が光り輝く緊急脱出用列車!! 愛「慧ちゃん!!」 ルーベット「慧殿ぉおおおおおおおおおおおお!!」 ルーク「キング!!」 慧「遅れてごめんなさい!!」 晶「皆!!俺たちは無事だああああああああああああっ!!」 トパーズ「当然だ」 サファイア「慧いいいいいいいいいいっ!!晶ぁぁあああああああああああああああ!!よく無事で帰ってきたね。さあ、いろいろとあっただろうけども、お姉さんのこのお胸でお泣きぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 スッパアアアアアアアアアアアアアアアアン(琥珀がハリセンでサファイアをドツいた音) ゴンッ(ムーンが鉄アレイでサファイアを殴った音) バッキイイイイイイイイイイイイイン!!(アメジストが金属バットでサファイアをかっとばした音) サファイア「・・・・うふふ・・・泣いていいかい・・・・・この理不尽な仕打ちに」 血の海に沈む馬鹿を見て、3人がため息をついた。 琥珀「こっちがもう泣きたいよ。お前の馬鹿さかげんに」 ムーン「どこまでエロなんだよっ!!」 アメジスト「この、エロウイルス」 晶「脱出するよっ、この時代から!!」 慧「全員脱出!!」 慧の掛け声とともにVライナーとキバライナーが時空間に開いた光の中に飛び込む!! それと同時に無敵を誇った巨大戦艦が炎に包まれて、海の奥深くへと沈んでいった。 慧「・・・今度ばかりはどうなるかと」 晶「全くです」 慧「・・・でも、生きてるんだよな、あたしたち」 晶「ふふっ、運がいいのか悪いのか」 慧「・・・・晶」 晶「はい?」 ラウンジで、二人が寄り添ってソファに座っている。 そして、誰ともなしに、慧が晶に目線を移して、話す。 慧「・・・・助けに来てくれて・・・ありがとう・・・・嬉しかったよ」 晶「・・・・何をいまさら」 慧「・・・・いつも、迷惑かけてごめんねしかいってないから・・・」 晶「・・・・慧のいいたいことは分かりますって」 慧「・・・これから更に戦いがきつくなる・・・よね」 晶「そうだろうね」 慧「・・・・晶・・・・一緒に戦ってくれる?」 慧が晶に向ける視線には、決意を秘めた真剣な光が宿っていた。 まっすぐな視線に、晶は一瞬魅入られたように口を開くがすぐさま、微笑を浮かべていう。 晶「ここまで来たんだから、とことん付き合いますよってね。慧の背中を守れるのは、晶だけ・・・なんてね」 そういって、慧を両腕で引き寄せて抱きしめるようにして、慧の頭を自身の頭に近づける。 慧「あ・・・・あああああああああきらぁっ!?」 予想もしない強引かつ情熱的なハグに慧も驚いて顔を真っ赤にしてうろたえだす。 晶「これからは・・・傷つくのも・・・ずっと一緒だ」 慧「・・・・え」 晶「お前にだけ傷つけさせはしない。俺も一緒に戦う。一緒に傷ついて、それでもなお立ち上がって試練を乗り越えていこう。慧が倒れたら俺がお前を支える足になる。お前の背中は俺が守り続ける。だから、慧は自分が信じる道を進め。俺が・・・いつもそばにいるから!!」 そして、慧の顔を見据えて、晶がこれまでにない真剣な表情で強い口調で言い切った。 慧の眼に涙がいつの間にか溜まって、ひと粒、またひと粒零れおちた。 自分を支えてくれる人が、今、ここにいることが嬉しすぎて。 慧「・・・・晶・・・・・」 晶「うん?」 慧「晶ぁあああああ!!」 晶の小さな体を覆うように抱き締め、慧が思い切り泣きじゃくる。 感情のダムが崩壊してしまったかのように。 慧「いつも不幸の巻き添えにさせてごめんなさい!!すぐにキレて暴走してごめんなさい!!一人でいつも落ち込んでばかりいてごめんなさい!!」 晶「俺も黙っていてごめんなさい!!自分勝手でごめんなさい!!慧を信じきれなくてごめんなさい!!」 「「それからっ!!」」 二人同時に息を吸う。 「「勝手に自分の運命諦めていてごめんなさい!!」」 そうだ。慧も晶もどこかで自分の人生に諦めというか見限っているようなところがあった。 「不幸」や「運命」というのは必ずしも誰にも訪れる試練のようなもの。 それを乗り越えていくことはとても辛く大変なことだろうけども、生きていく限り、胸の内に一握りの希望があれば、恐れも諦めもしない。 「「そして!!」」 お互いに同時に息を吸う。 「俺は慧のことが・・・!!」 「あたしは晶のことが・・・!!」 「「大好きです!!」」 一言一句同じ。 言いきった後で、慧と晶がお互いに赤くなった顔を見合いながら、優しげな笑みを浮かべる。おかしくって、嬉しくって仕方ない。 慧「晶・・・大好き。好きで好きで・・おかしくなっちゃうかも」 晶「存分おかしくなって下さい。晶も負けず劣らずおかしくなってますから」 そういって、笑いあう。 晶の天使のような極上の笑顔に、慧も慈愛に満ちた優しい頬笑みを浮かべていた。 ―一方。 その様子を見ていたイマジンズはというと・・・・。 ルーベット「・・・・よかったですな、晶殿、慧殿」 サファイア「お幸せにってね」 エメラルド「およ?てっきりあまりのショックで落ち込むかと思ってたのに」 トパーズ「ふっ、そこまで野暮じゃなかったってことさ」 マラカイト「やれやれ・・逃がした魚は大きすぎますわ」 ムーン「でも、晶なら文句ねぇよ」 アクアマリン「そうですね」 ダイヤ「これからは彼がいるなら、自然とレディへの階段を上がることでしょうね」 ガーネット「そうだな!!」 クイーン「・・・・キング、よくぞ自分の気持ちに向き合われましたね」 ルーク「これで、一安心だな」 ビショップ「ええ・・・・」 アメジスト「次はあたしたちの番・・・さあ、琥珀、この婚姻届にサインを書いて、市役所で事務員さんに提出」 琥珀「ちょっと待てや!?そんな遊園地でヒーローと握手みたいなノリで言われても、あたしは行かねぇからなっ!?」 パール「あれ?はえ?マモンお姉ちゃん、どうしたの?」 そこにいたマモンだけが、なぜかそっぽを向いて外の風景を見ている。 パールが近づくと、マモンがどこか切なげな顔で言った。 マモン「・・・気にするな、今はあいつらの邪魔をする気はねぇよ」 パール「・・でも、お姉ちゃん、泣いてるよ」 マモンの瞳から涙が零れおちていた、そしてとても悲しげな顔。 マモン「・・・・・アスモ・・・が・・・・・死んだ」 パール「・・・・・お姉ちゃん」 マモン「・・・・あのバカ・・・・・最後まで笑って逝きやがった・・・・散々利用されて挙句の果てに捨てられたのに・・・・それでも楽しかったって・・・・石から伝わってくる・・・・あいつの最後の気持ちが・・・・・そして・・・・あいつを殺して全てを踏みにじったあのクズ野郎のムカつく顔が・・・・最後にやったことが一部始終なぁ・・・伝わってきちまってるんだよ・・・・・ちくしょう・・・・!!」 マラカイト「マモン様・・・」 マモン「だけど、あいつらの邪魔はしねぇよ。今怒りのままに暴れ狂ったって・・・どうにもなるもんじゃねぇ。この怒りは・・・・あいつをぶち殺すまでとっておくさ・・・・。だから・・・今はやるせない気持ちを抑えきれないから・・・一人にしておいてくれねぇか?」 パール「・・・お姉ちゃん」 愛「・・・ラピスさん・・・・・。パールちゃん、ここはあたしに任せて」 パール「う、うん」 そういって、立ち去った後で、愛が近くの椅子に座り、静かにマモンを見守る。 気持ちの整理がついて、自分から話してくれるまで待つつもりらしい。 一方。 石から一部始終を、アスモデウスの死を看取ったルシファーは、いつになく何かを決めた真剣な表情でカオスライナーの中にいた。 ルシファー「・・・・アスモ・・・・・。そうか、お前も死んじまったのか。マモンは・・もう・・・・戦えないよな。・・・・これで、セブンズヘブンも、おしまいだ」 ふうっとため息をつく。 そして、きっと表情を引き締める。 ルシファー「しかし、やってくれたよな、智。俺の仲間に手を出すってことはどういうことか・・・きっちりヤキ入れてやらないと分からないようだなぁ。その後でもいいだろう・・・それまでは持ってくれよ・・俺の命・・智とバルキリーとチェックメイトフォー・・・全員打ち殺すまでは・・・・!!」 凶暴な怒りをあらわにして、セブンズヘブンの首領が戦場へと赴いていた。 あのチビガキ、ぶち殺す。 そう物騒な言葉をつぶやきながら・・・。 続く |
鴎
2010年04月14日(水) 23時31分50秒 公開 ■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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どうも『鴎』さん。新しい“話”が更新されるのを待ってました。 『烈』です。 今回新しく更新された【仮面ライダーバルキリーたん 第46話「Petal that dances and scatters」 】の感想を投稿させてもらいます。…って、いつも同じ感じで文章を書いていて飽きられますかね?とはいえ、感想を出させてもらいます。 暁「冒頭では、何気に“《セブンヘブン》編”でもお約束になっている《セブンヘブン》メンバーの誰かの“過去”において“ルシファー”との“出会い”で感じた“思い”っていうのが語られているな……。“前世”が“あいつ”な分、結構複雑な気持ちになるな、これは……」 クリス「暁からすればそうでしょうね。正直、“物語”からしても《セブンヘブン》のメンバー全員が悪党とは言えず、皆過去に何らかの事情で“ルシファー”と出会い、救われたって感じですものね……」 今回の話で語られた“アスモ”の“過去話”ですけど、昔から結構暴れん坊だったんですね、彼女…。まあ、そこら辺は予測できましたけど、“ルシファー”との“出会い”が結構いい感じなものがありますね。他の《セブンヘブン》の皆さんと同様に。 暁「…“前世”の我がことながら恥ずかしい〜〜///」 クリス「……確かに、相手のことを思いやれるような傲慢な言葉を言えるあたり、間違いなく暁の“前世”だといえますね///」 “「お前、俺と一緒に来いよ。お前、何だか面白そうだしな」”ですからね。本当に傲慢そうに聞こえますが、そうそう言える言葉ではありませんね。“アスモ”さんがああ見えて寂しがり屋だってことが今回の話でよく分かりますね、本当に。 暁「…にしても、冒頭の方での戦闘での会話だが、流石に退くぞ、あの晶さんの言動は…;」 クリス「…ついでにマラカイトさんやムーンさんの言葉にも退きますね;ダイヤさんもツッコミご苦労様です(_ _)」 それはそうと今回の“話”で明らかになりましたね。“ルシファー”と“アスモ”の本名。 クリス「『瑪瑙丸』に『珊瑚』ですか……。まさかお二人とも、日本人的な名前であったとは思いもしませんでした」 一応質問しますが、どうしてそのような“名前”にしたのですか? 暁「んでもって、息の合ったコンビネーションの必殺技で戦いに決着をつけた『ワイバーン・アルティメットフォーム』と『バルキリー・プリーストフォーム』の二人。『プリーストフォーム』の戦法のところもあったけど、やっぱりこの二人じゃないと決まらないって感じがするんだよね、これが」 クリス「ふふふふふ、そうですね。慧様と晶様のお二人じゃないとできないって感じがしましたしね」 にしても脱出の際に、よく近くにありましたね。エレベーター; それはそうと、確かに甘いところもあるみたいですけど、それこそが『バルキリー』である慧ちゃんの強さなのは違っていませんね。“アスモ”さんの言う通り、似てますね、“ルシファー”と慧さんは根本的なところが。 暁「……それにしても、やっぱり許せん!!あの腐れ外道は〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!#」 クリス「まったくです!!無抵抗な相手をあのような風に殺したうえに、その死体にあのような八つ当たりみたいなことを行うのは、“人”としても最低です!!#」 二人の言うとおりです!!#流石にやりすぎな気がしますよ、『鴎』さん;一応笑って行けたことがせめてもの“アスモ”こと珊瑚さんにとっての救いだと思っていいのでしょうけど……。 暁「にしてもあの腐れ外道、慧さんにボコボコにされた憂さ晴らしとして『ヒュプノス』を使って皆を皆殺しにしようって考えているみたいだけど、そううまくいくものかね〜?」 クリス「確かに『ヒュプノス』が暴走すれば皆殺しも可能なのでしょうけど、逆に自分の身のことを考えているのでしょうか?」 どの道、智の奴には“碌な最後”が待っていないでしょうがね。 暁&クリス「「確かに」」 その一方で、海の上の戦いも終わりを見せた訳ですが、本当にコンビ組むとすごいな、旧新『ランスフォーム』コンビ……。 暁「でもルーベットの“あのセリフ”だと、ヒルデさんの言うとおり気が散りかねない気がする…;」 クリス「そうですね…;」 トパーズとサファイアが呆れても仕方がありませんね。そんでもってなんとか無事に地下から脱出して海の上で戦闘に参加していたメンバーと合流した慧ちゃんと晶君!!仲間たちも皆二人の無事を喜んでいましたね♪ 暁「でもその際のサファイアさんの台詞には呆れるものがあるぞ;琥珀さんやムーンさん、アメジストさんの三人が物理的にツッコンでいたけどさあ〜;」 クリス「そうですね…;本当に“エロ”ですね、サファイアさまは…;」 ……自嘲しろって、“変態青玉白鳥”; そして無事に“時代”から脱出した《新旧バルキリーズ》&《チェックメイトフォー》の皆さん。そしてこの際に一番驚いたのは、慧ちゃんと晶君、お互いの“想い”の明かすこととお互いからの“告白”でしょうね。ある意味読んでいて微笑ましく思えました。本当にいい感じです。 暁「…正直、“両親”のお互いの“想い”を打ち明けあう姿を見るのは、“子供”としては恥ずかしい感じがしました///」 クリス「…私も、少しですが恥ずかしい気持ちです///(……私も暁さんといつかは……///)」 暁「ん?どうしたクリス?」 クリス「は!?な、なんでもありません!!?」 暁「そ、そうか?」 クリス「は、はい!そうです!!」 …こちらでも少々のラブコメが出ていますが、無視してください。 にしてもそれを見ていた《イマジンズ》や《チェックメイトフォー》の三人の心遣いとかにも共感を思えますね。 ……それにしても、“マモン”さんことラピスさんの暗くなってしまった気持ちはどうなるのでしょうね。流石に大切な“仲間”が亡くなった理由を“宝石”をとうして理解してしまうという辺り、きついものがある気がします…… 暁「…まあ、な。愛さんが暫く彼女の様子を見るみたいだけど、今後どうしていくのかが心配だな…」 クリス「…ええ、その通りですね」 ……“ルシファー”の方もそのことを感じ、智の元に向かうようですけど、本当に今後どうなってしまうのかが心配で気になります。 …そんな訳で、今回の感想は以上のものとさせていただきます。いつも私のくそ長い感想文の返信をありがとうございます。それでは、 一同『どうか、今後も頑張って書いてください!!』 以上です。 |
50点 | 烈 | ■2010-04-15 12:46:00 | 202.242.7.42 |
合計 | 50点 |