仮面ライダー(?)珀羅 超外伝 『鉄機の友と不動の絆≪知恵と勇気だ!編≫』 |
“メダロット” それはテクノロジーが生み出した、 まったく新しいロボットである。 ティンペットと 呼ばれる基本フレームに人工知能メダルを搭載。 更に様々なパーツを合体させることにより、 無限の能力を引き出す事が出来るのだ! ちゃー♪ てんてんてんっ♪てんててんてんっ♪てーんてんてんててててててってーん♪ てんてんてんっ♪てんててんてんっ♪てーんてんてんてててててててててて♪ ででっででっででっででっで♪ででっででっででっででっで♪ でっかく生きろよ 男な(ry 『仮面ライダー(?)珀羅 超外伝 〜鉄機の友と不動の絆〜知恵と勇気だ!編』 ● 「ん゛〜・・・・zzzz」 布団から腕だけだし、ケータイの目覚ましのアラームを止める恭也。 気だるそうに唸ると手を引っ込め、二度寝に入ろうとする。 『あぁっ、駄目だよキョウヤ!早く起きなきゃっ!』 ケータイから焦ったような声が聞こえて来た。 誰かと電話中、ということではなくこのケータイの中には恭也の相棒がいるのだ。 メダロッチと呼ばれるこのディバイスは数年前までは腕時計の形をしていたが、最近になってケータイ型が発売されていて今ではほとんどのメダロッターがそれを使っている。 “メダロット”はメダルで動く人の腰の丈ほどの大きさのロボットだ。 だが普通のロボットと違いメダロットには心があり、自分でものを考え動くことが出来る。 中には未だに彼らをモノ扱いしたり、道具として利用することしか考えない者もいるが、多くの人間・・・もちろん恭也にとってもメダロットとは大切なパートナーであり、友達なのである。 話を戻すが、恭也はその友達に必死に起こされている最中だった。 恭也のメダロット、クラックはメダルの状態でメダロッチに入れられているので今は声を上げることしか出来ない。 『早く起きないと遅刻しちゃうよ!』 「んー、なんだよクラック・・・今日は日曜だし店も定休日だろ・・・もう少し寝かせ・・zzz」 『今日は大会の日でしょ!!何の為に定休日したのさ!?』 「ん〜・・・・・・・・・・ん、んん!?」 がばっ、と上半身だけを起こし布団を器用に跳ね上げる恭也。 枕元に置いていたケータイを拾い上げるとようやく焦り始めたらしく顔を青ざめさせた。 「い、今何時だ!?」 『08:55だよ』 「やべぇええええええええ!???!?!?か、開始九時からだったよな!???!?!?」 一か月前に同居人で親友の濠とクラスメートの鴉美と三人で組んで*“ロボトル”町内大会で優勝した恭也達は地区大会への出場権を手に入れていた。(*メダロット同士を戦わせるある種のスポーツのようなもの。) 今日はその地区大会の日だったのだが、濠は昨晩から用事で家を開けていて直接会場に行っているらしい。 いつも濠に起こして貰っている恭也は完全に寝坊してしまった。 「うわぁああああああ!?!??マジやべぇええええ!!?!?!?」 エントリーは済ませてあるが自分がいなければ三体三の所を二体三で戦うことになる。 二人がいかに強くても流石にきついだろう・・・・ というのは建前、とりあえず恭也は遅刻して鴉美のお怒りを買うのが一番まずかった。(ぉ 『落ち着いてキョウヤ!初戦は間に合わないけど、大丈夫だから!』 「なっ、ええ!?どうゆうことですのん!?クラックたん!?」 『チーム戦でも決勝戦以外はワンオンワンの勝ち抜き式だからハクラとランバなら大丈夫だよ。三人同士のロボトルは決勝戦だけ』 「まじ?あー、なら決勝まではオレらいらない子だよな?なんだよ、あと五分寝れるじゃん・・・・・zzzz」 『普通に急いでよ!?アミもカンカンみたいだよ!?ほらメールアプリ開いて!』ピッ 「うげっ!?なにこれこわい」 そんなこんなで漫才しつつ恭也が家を出るのにはそれからしばらくかかった。 ●地区大会 会場 「ハクラ!ジンカイブレード充填!懐に入り込め!」 『承知した』 ハクラと呼ばれた翡翠と白を基調とした四足・二本角を持つメダロットは右手を胸のあたりで構えると敵に向かって駆けて行く。 「ブ、ブルースドッグ!え、えっと、ヘッドキャ・・あ、やっぱりエイムライフルだ!」 『り、了解!』 相手メダロッターは上手く指揮が出せていないようでメダロットの動きもワンテンポ遅い。 大勢の人が見ているという緊張もあるだろうが・・・それ以上に相手が悪かった。 「銃身の動きを見切れ!ハクラ、かわせるなっ!?」 『当然だ!』 相手は“ライフル”というスタンダードな攻撃。 基本的にこのくらいの距離だと真っ直ぐにしか飛ばないようになっている。 撃つ瞬間に銃口の向けられた先、その一点だけを避ければさほど問題なく対応出来るのが理屈・・・とは言っても並みの者ではそんなのを一瞬で狙ってやれる訳もない。 だがハクラは位置やタイミングなどを的確に判断し、かつ足を止めることなくそれをやってのけた。 それに怯んで逆に動きを止める相手に、ハクラは一気に駆け寄ると“じゅうてん”が完了した右腕を振り上げた。 「うわっ!?ブルースドッグ!」 『れ、“れいきゃく”が間に合わな・・』 「遅い・・・!行けっ!ハクラ!!」 『はぁっ!!』 ザァンッ!!ザァンッ!! ハクラの攻撃、“ソード”が敵の胸部装甲を×の字に切り裂く。 相手の機体は衝撃で吹き飛びうつ伏せに倒れ込む。 ≪頭部パーツダメージ100%、機能停止、機能停止≫ ピンッ 相手側のメダロッチからアナウンスが流れるとメダロットの背中のカバーが開きメダルが射出される。 「ブルースドッグ機能停止!雷鳴堂チームの勝利ぃぃぃ!」 “1”の時代から変わることなく頑張り続ける名物レフェリーが声高らかに告げた。 ● 濠とハクラがステージから降りると鴉美が駆け寄って来るのが見えた。 「また三人抜きですよ!やりましたね濠さんっ!」 「あぁ、これで二回戦突破だ」 『あややぁ、結局あたしの出番はありませんでしたかぁ』 『あれしきの相手に手を焼くようではナヴァグラハの相手は出来ん』 鴉美の相棒、ランバは烏天狗型メダロットだ。 ひこう型は空も飛べて動きも速いが一点には留まり切れないのがネックで今は二人と一機の頭上をゆっくりと飛び回っている。 ちなみにナヴァグラハというのはメダロットによって世界の破滅を目論む悪の秘密結社だったりしなかったりする。 何故かハクラのメダルを執拗に狙ってくるので本人としては鬱陶しいことこの上ないようだ。 『いやいや、そうはいいますけど相手もそこそこ強いんですよ?一応他の町の町内大会を勝ち抜いて、この大会の一回戦も突破してるんですからぁ。それにですねぇ――‐』 ランバの趣味は隠密行動(忍者ごっこ)で、ハクラの戦っている最中にもこっそり相手チームの情報集めに勤しんでいたようだ。 最後に戦った相手のメダロッターも全国高校メダリンクでは40位くらいには入り込んでいることも調べていた。 だがその彼は信頼する仲間達を鬼(のように強い一人と一機)が文字通り秒殺するのを見た後だった・・・・まぁ、ご愁傷さまと言ったところだ。 「だいぶ早く終わりましたよね。もう一回勝てば決勝戦ですか」 「あぁ、そういえば恭也からの連絡は来てないのか?」 「今さっきお店を出たそうです・・・・(♯」 あれほど遅れるなと言っておいたのに、と鴉美は拳を固く握る。 「むっ・・・向こうのステージが騒がしいな。行ってみるか」 「そ、そうですね・・・・」 鴉美は顔の辺りまで昇って来ていた右拳を左掌でイクサよろしく押さえつけ何とか引っ込めた。 『ニンニンジャ機能停止!蓬縁神社チームの勝利ぃぃぃ!』 二人がステージについた時にはもう決着が着いていた。 「やったなリオン!三人抜きだっ!」 『うん、何とかなった』 「お疲れ様。燎子ちゃん、リオン」 「リオンは回復装置のところに言った方がいいわ。ちょっとダメージを受け過ぎたわね」 『うぅ、ごめんね・・・わたしが最初でやられちゃったから・・・』 『大丈夫、ブラスは援護が得意。三人の時、皆で頑張る』 『わたくしの出番がなかったのは少しもの足りませんが・・・ま、二人ともよくやりましたわ』 女の子三人チームと♀型メダロット三機、何とも華やかなチームがステージの下で話している姿が見える。 「やはり雪乃も勝ち上がって来たか・・・」 「お知り合いですか?」 「あぁ・・・決勝で当たるかもしれないな。恭也が間に合わなかったら本当に危ないだろう」 「い、いくら何でも・・・・間に合いますよね?」 「・・・・・・・・・・」 鴉美は苦笑いで濠に同意を求めるが濠は微妙な顔をしていた。 ● 「えっと・・あの角をとりあえず右、次左、道は探すさ?」 『違う違う!左に行った後、真っ直ぐ交差点を直進して少ししたところだよ!ボクがナビゲートするから急いで!』 「お、おう・・・!」 クラックに急かされ恭也は駆け足で目的地へ向かう。 二人で移動すると若干移動速度が遅くなるのでクラックはまだメダロッチの中だ。 ででー でっでー♪でででーででで♪でっでー♪でででーででで・・・・ 『あ、メールだ・・・』 例の戦闘BGM1の着メロが響き、メダロッチがメールを受信した。 『わっ、もうすぐ決勝戦始まっちゃうって!?キョウヤ!急いで急いで!!』 「いやいや、どんだけ試合展開早いんだよ!?」びしっ! 恭也も二試合目ぐらいまでには着くつもりだったのでこれは予想外過ぎた。 普段は恭也がボケサイド、クラックがツッコミサイドの担当をしているのだが、思わずツッコミサイドしに行くほどのファングジョーカー(イミフ 「困ってるみたいじゃねぇか、坊主」 「おうっ!?お、おっちゃん!?」 赤いざんばら頭の男。サングラスと麦わら帽子がトレードマークのヒヨコ売りのおじさんだ。 時々グッと来るアドバイスしてくれたり、珍しいアイテムやパーツ等を(有料で)譲ってくれる割と親切な人だ。 何故か今日は頭の上には鶏が乗っている。 「あらー、暫く見ない間に随分育っちまって・・・・」 「坊主、ながい人生一度や二度は道に迷ったり行き先を見失ったりするもんだ。そんな時どうすりゃいいかお前にわかるか?」 『あ、いや・・・道ならボクが知って・・・』 「兎に角走れぇいっ!!!!」 『「えぇっ!?」』 「闇雲でもなんでもいい、走っていればおのずと道は開けるもんさ・・・・・・」 ごくっ、と常備している杯を一啜り。 まだ昼間だと言うのに・・・何と言う駄目男・・・! 男は一息つくとまた喋り出す。 「一番いけねぇのはなぁ、坊主。だらだらとその場に留まっていることさ」 『いや、引き止めたのおじさんだよね?ボク達元から急いでたんだけど・・・・』 「・・・・・・・」 『「・・・・・・・」』 「だが、人間!!!時には立ち止まって自分の道を確かめねばいけねぇときもあるぅ!!!!間違ってると思ったらそんときゃぁ、全力で駆け戻れ!!!!」 『「なんか言ってること無茶苦茶だぁぁあぁ!?!?」』ガビーン 「いけぇい坊主お前の信じる道をぉぉぉ!!!」びしぃっ! 『(あぁ、もうこの人面倒くさい)』 合う時は大体いつもお酒が入っているが、今日は特に面倒くさい部類に入っていた。 「おっといけねぇ、もうこんな時間だ。ほら、コイツを持ってさっさと行きな」 「おう、なんかくれるなら貰っとくぜ」 呼びとめて置いて何事かとも思ったが、恭也はこの男との付き合いも長く気も合うので素直にそれを受け取った。 貰ったのは見たことのない一枚のアプリカードだった。 「ク、クラフ・・?なんだ、これ・・・?」 『ごめん、おじさん。キョウヤ急いでたからお財布を家に・・・』 「なに、ちっこい坊主は今度の祭りで出店の売り子。坊主はパンチラ談義にでも付き合ってくれたらそれでいいさ。それより急いでるんだろ、さっさと行きな。」 「おう、そんじゃ!またな、おっちゃん!」 『おじさん・・・・ボク女の子だっていつも言ってるのに・・・・』 ぶつぶつとクラックが言うのを気にせず恭也が再び走り出した。 恭也が見えなくなってから男はヒヨコ売りセットを片づけ始めたが、その時銀髪の巫女さんがやって来るのを見た。 「よう、お前特等席で大会見物してるんじゃなかったのかよ?」 「今は昼休みだ。それより・・・・何でわざわざ今日のこの日にアレをやった?次の試合で燎子達とぶつかるんだぞ」 「そんなもん・・・・」 男はニハッと笑って見せた。 「そっちの方が面白いだろ?」 ●地区大会 会場 「それでは全国ロボトル大会予選、地区大会決勝戦!!ロボトルゥゥゥ、ファ『「ちょっとまったー!!」』」 ズサァァァ、とヘッドスライディングして恭也がステージの指定位置に着く。 「ぜぇ、ぜぇ・・・メ、メダロット!転送!」ぴー メダロッチからレーザー信号のような光が放たれその先に光の玉が出来る。 光の玉の中からは烏賊と人魚を足して割ったような機体が現れ、恭也はそれにメダルをセットする。 頭部の電子センサーがぱっと輝き、クラックが起動した。 「よう、みんな待たせたな!」 「むっ、やっと来たか・・・間に合わないかと思ったぞ」 「遅いですよ!本当に決勝戦直前まで来ないってどういうことですか!?」 『ご、ごめん!いくら何でも予定より二時間も早く始まるなんて思わなくて・・・』 『ムッ、すまない。時間配分は考えていなかった』 『あややぁ、まぁ間に合ったからいいじゃないですかー』 「あのー、合意と見てよろしいでしょうかぁ?」 レフェリーさんが困ったように恭也達を見る。 「あ、すんませんっす。始めちゃって下さい」 「こほんっ・・・えー、それでは改めまして!雷鳴堂チームvs蓬縁神社チームの試合を始めます!!・・・ロボトルゥゥゥ」 「よし・・・・行くぜ、クラック・・・!」 『うん・・・!』 各ポジションについた六機がレフェリーの声にゆっくりと身を屈める。 「ファイトォォオ!!!」 カンッ!! 試合のゴングが高らかに鳴る。 六角形のフィールドの各端から一斉にメダロット達が動き出し、ロボトルは幕を開けた。 ● 「リオン!先手必勝だ!ベニホオヅキをお見舞いしてやれ!」 『わかった』 一番に“じゅうてん”を完了したのはリオン。 格闘攻撃で近くに接近していたハクラに目がけ、右腕の“ファイア”スキルの刀で斬りかかる。 『狙いが甘い!』 と正面から来る攻撃を危なげもなく避けるハクラ。 それに続き僅差でハクラも“じゅうてん”を終えて反撃に移る。 「ハクラ!ジンカイハンマーだ!」 『承知した!』 ガンッ!! “ねらいうち”の行動直後は回避が極端に難しくなり、そして“なぐる”の直後には防御がほとんど出来なくなってくる。 リオンのベニホオヅキも“なぐる”なので攻撃を受ければ大きなダメージを貰ってしまうのだ。 「っ、リオン!」 『大丈夫、間に合った』 リオンは足の頑丈な部分をわざ先にとハクラのハンマーへと当てに行き、腕への攻撃を防いでいた。 心がずれた攻撃は威力が半減して脚部へのダメージも最小限に抑えることに成功した。 『やるな。腕の一本くらいは持っていくつもりだったが・・・まさかあの態勢から防御に入るとは・・・』 『ギリギリ、でもよかった』 静かに言うハクラだが今のを防がれたのには内心とても驚いていた。 目の前のこの機体、ぽわぽわしているだけではなくかなりの強者のようだ。 『フン、久しぶりにいい戦いが出来そうだな・・・!』 「熱が入って来たな、ハクラ。」 「今の危なかったよな・・・やっぱ本気で行くしかねぇ!リオン!レクリスモードだ!」 『わかった』 燎子の指示でリオンが高く跳び上がる。 ぺかーっ、とリオンの体から朱色の光が放たれ変身ヒロインとかでお約束のシルエットだけ状態になった。 『・・・ん、ん』/// くねくねと身体を動かしつつ四つん這いになるリオン。 「おぉっと!蓬縁神社チーム、燎子選手のリオンが何かを始めたようです!解説の門矢さん!あれは何をしているんでしょうか!?」 「アレだ、アレ。ちょっとくすぐったい感じのやつだな」 と中継席からのコメントが入る。 燎子のメダロッチのディスプレイにも全パーツのHPが一つになった数値と新しいコマンドが表示された。 フィールドに降り立ったリオンの姿は人型から獣型に、“にきゃく”タイプから“たきゃく”タイプへと変形を遂げた。 『変身完了。がおー、食べちゃうぞー』 『面白い・・・どこからでも掛って来い!』 ● 「おぉ、濠達の方盛り上がってるなー」 「向こうは濠さんに任せましょう。こっちはこっちで行きますよ、ランバ!」 『ハラショーハラショー、張り切って参りましょー!でぇぇぃやっ!』 「ぶ、ブラス!防御して!」 『う、うん!≪ザッ≫ひっ!?≪ザクッ!≫ぃたぁっ!?』 ランバが素早い“ソード”攻撃、セイランケンで斬りかかる。 ブラスが腕で防御しようとしたが痛みにびっくりして防御に失敗し片腕に大ダメージを受けた。 「ブラス、大丈夫!?」 『うぅ・・・痛いけどまだ大丈夫。弾も撃てるよ』 「がんばって!あのひこう型の子は動きが速そうだから最初は・・・“レーダーサイト”!」 『わかった!』 ぴぴぴぴぴ ブラスは相手の情報を集め送信し、チーム全体の“せいこう”を上げた。 「攻撃わざひとつしかないけどオレ達も行っとくか」 『わかった。ハッカーコード充填開始!』 「こちらの方が早かったようね。ゲッカ、クレッセント発動」 『待ち侘びましたわ!』 ゲッカがフワフワと前に出で行き両腕を広げる。 すると白いオーロラが発生し、ゲッカ達を護るバリアを作った。 「ありゃ“ガード”か?でも“ウイルス”があたれば“ガード”中でも“せいこう”は落せるんだぜ!いけクラック!」 『ハッカーコード!≪ジュァッ!≫わっ!?』 クラックのコードがゲッカに伸びて行くがバリアに触れると攻撃は強制的に中断され“れいきゃく”の状態に移行された。 『そう簡単にわたくしのやわ肌に触れられるとは思わないことですわね』 「“かんぜんガード”タイプかよ・・・!くそぉ、DS版とかチート過ぎだろjk(常識的に考えて)」 「な、何言ってるんですか恭也さん?」 大変メタく悪態をつく恭也だが、“かんぜんガード”は本当に厄介なものだ。 効果が継続する間は自分と味方への攻撃は一切通じないとか本当に反則だ。 『あややぁ、ここはメダフォース行っときますかー?』 「うーん、カミカゼシュート撃つには最低でも5チャージは要りますからね・・・今はちょっと・・・」 「ブラス、今のうちだよ!撃って撃って!」 『えい!えい!』 パンッ! ガガガガ! 『うあっ!?』 『あいたっ!?』 隙を見つけて香織が指示を飛ばすと指示待ちのクラックとランバにブラスが“ライフル”や“マシンガン”を撃ちまくる。 “レーダーサイト”で命中率もアップしている為、ブラスの弾が当たる当たる。 “かいひ”が自慢のランバが普通に当たるくらいだから元々結構射撃は上手い方なのだろう。 『えい!えい!えい!えい!』 『ちょっ、あの子目を瞑ってる!?あぶないって・・!いたっ!?』 『≪バゴッ≫ギっ!?あややぁ!?み、右腕やられました!』 「あちゃー・・・あのブラ子ちゃんも結構やるのなぁ、jk(女子高生)」 「こんな時に何言ってるんですか!?」 特に“ハート”のメダルは“たすける”のパーツに当たりやすいようになっていて“たすける”を頭パーツに持つクラックやランバに対して大変痛い所をついて来るのだ。 当然ながら頭部をやられたら機能停止、つまりは負けだ。 『ちぃっ、あのドジっ子めぇ!報復に“トルネード”で泣くまでスカートめくりの刑ですかね?夜道には気をつけやがれってんですこんちくしょー!』 「ちょっとランバ!?恭也さんみたいなこと言わないでくださいよ!!」 『フォロー出来ないのが辛いよ・・・。それは置いといて、どうしようかキョウヤ・・・・?』 「うーん、こっちも“コマンダー”で“かいひ”上げに行ってもいいけどなぁ・・・」 向こうにも“レーダーサイト”があるならプラマイゼロだし何か言い手はないものか、と端末を操作する恭也。 するとふと目についたあるコマンドの所で指が止まる。 「ん?これさっきおっちゃんに貰った・・・」 【メダチェンジ・クラフティモード】と表示されたコマンド。 ひょっとするとこれで逆転への道を見つけられるかもしれない。 都合がいい話かもしれないが恭也はこれを使う以外の行動を頭から除いていた。 「“とにかく走れ”ってな・・・・なっ、クラック!」 『“もし駄目なら全力で駆け戻れ”だね。・・・わかった、やってみよう!』 「よし、行くぜ!メダチェンジ!クラフティモード!」 ぺかー、っとクラックの身体とメダロッチが光を上げる。 メダロッチからサイドカー付きのバイクのようなサポートメカが転送され、飛んで行くとクラックの身体や足のコードなどがかぱぁっと開いていく。 『え、ちょっ何これ・・・・ぁ、ふぁ、ぅっ・・ぅぅ』/// メカはそのままがっちょんがっちょんクラックにくっ付いて行きみるみる内に新たな姿を形創っていく。 「門矢さん!これは・・・」 「あぁ、やっぱりアレだ。ちょっとくすぐったい感じのやつだな」 と、また中継席からコメントが入った。 ジャキーン!!! と効果音付きで、フィールドにそびえ立ったのは単眼の巨人。 巨人と言っても元々他のメダロットより小さめなクラックの三倍ほどだから、人間より少し大きいくらいのサイズだ。 “たきゃく”から“にきゃく”に変わり、しっかりとフィールドを踏みしめている。 『わぁ、なんか凄い力持ちになった感じがするよ』 「えーっと、マニュアルマニュアル・・・っと、ミョルニルハンマ?よし、それだ!!」 『わかったよ!せぇのっ、よいしょぉおおおおおおお!!!!』 ふんぬっ、っと大きなモーションで背中に付属されていた巨大ハンマーを抱えてジャンプする。 “がむしゃら”のこうげき、“ハンマー”は誰に狙いをつけるでもなく一番近いゲッカの方に向かう。 『無駄ですわ。“かんぜんガード”が効いてる以上≪パリィンッ!≫・・・・え?』 バリアに“ハンマー”が当たるとそれはガラスか何かのように割れてしまった。 そのままクラックの“ハンマー”はゲッカの元へと落ちて来る。 『嘘・・・!』 「呆けないでゲッカ、正面からの攻撃よ!避けられるわ!」 『わ、分かってますわ!』 ひょい 無駄のない動きで回避行動を取るゲッカは難なくそれをかわしながら武器の“じゅうてん”を始めた。 “がむしゃら”の直後は一番隙が大きいため大ダメージを与えられるのだ。 『さぁ、今度はわたくしのば ≪ズガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンン!!!!!!!!!!!!≫ ひゃっ!?』 ゲッカをスカしたクラックの“ハンマー”は勢いを保ったまま盛大にフィールドを叩いた。 地震が起こったように大地が揺れるとフィールドの表装が剥げて行き、地面が凹んだり盛り上がったりする。 ついには地形≪スタジアム≫が≪さんち(山地)≫に変わってしまった。 物音に驚いたゲッカは“スリップ”を喰らったのと同じく、次の行動を忘れてしまった。(雷とか超苦手らしい) 「ぱ、ぱねぇええええええ!??!??!なんぞこれ!?!?パラメータいったいどうなって・・・・“いりょく”99以上・・・表示不可!?おいおい、上限限界超えちまってるじゃねぇかっ・・・・!?」 『あ、でも何回か行動したら変形も自動で戻るみたいだよ。』 『あややぁ、クラックさんいつの間にこんな・・・これは色々調べ直しですかねぇ!』 「空飛んでるからってのんきなこと言わないでくださいよ!」 『山地か・・・私の得意な地形だ。勝負はここからだな』 「ここで躓いてはいられないぞ、ハクラ」 『山地、リオンもよく動ける。負けない』 「よしっ、好きなだけ暴れて来い!」 『あぅ、足がひっかちゃったよぉ・・・・ふぇ〜ん、リオンちゃん助けてぇ・・・!』 「ブラスー!?が、がんばってー!」 『ま、まぁ・・何であろうとわたくしの前では関係ありませんわね。さぁ雪乃、早く指示なさい』 「そうね。それじゃ、私たちも反撃に出ましょうか」 見せる反応は様々だがみんなどこか生き生きしている。 この状況をそれぞれで楽しんでいるようだった。 「何が起こるが分からないのがロボトルの醍醐味か・・・なんか、こういうのすっげぇ楽しい・・・!」 『うん・・・・キョウヤ!この試合、絶対勝とうね!』 「応!行くぜクラック!!!」 少年少女達とメダロットの物語はまだ始まったばかりだ。 |
地中メダロッターS(instead by seiran-syouka)
2010年06月28日(月) 00時33分12秒 公開 ■この作品の著作権は地中メダロッターS(instead by seiran-syouka)さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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…………まさかここで、【メダロット】ネタを使ったものが出てくるとは思ってもいませんでした。私も【メダロット】はゲームボーイ版の頃からやっている方なので【DS】が出たことに対してはうれしく思います。…まあ、できればマンガ版の連載が【コミックボンボン】であったなら、もっと嬉しかった気がしますがね。 …しかし、何気に【メダロット】ネタを使用しての【仮面ライダー珀羅】の話を出してくるとは思ってもみませんでした。それも主要人物が“変身”する『仮面ライダー』というべき『戦士』達を擬人化ならぬ擬メダ化するというのには結構驚かされました。…ところで、この“話”的に主人公ポジションになっている恭也君に『メダロット』を“クラフティモード”に変形させるデータを入れるアプリカードを渡した“赤いざんばら頭で、サングラスと麦わら帽子がトレードマークのヒヨコ売りのおじさん”というのは、【朱凰】で登場した燎子さんのお祖父さんなのですか?何気に玉緋さんらしい人も出てきてましたし、可能性としては間違っていないと感じています。 …にしても、“解説の門矢さん”というのはやっぱり『通りすがりの仮面ライダー』さんの方なのですか?それともその人に似た別人なのですか?あの『ちょっとくすぐったいぞ』という言葉や呆れるくらいマイペースな感じを文章から読んでいくとどうしても気になってきます。 後、この“作品”に登場した『仮面ライダー』達をベースにした『オリジナルメダロット』達や『オリジナルメダル』などはどういった具合に考えたのですか?単に機体に合わせて考えたというだけではなさそうな気がしますけど、その辺のことも教えてください。 …色々とツッコミたいところも多いですが、なんだかんだいって面白い作品だと思っています。……ところで、態々『地中メダロッターS』などという別名を使う必要があったんですか、『青嵐昇華』さん…;結構呆れましたよ、実際…; そんなこんなで、感想は以上とさせていただきます。今後も面白く、かっこいい作品を待っていますので、頑張ってください!! …ちなみに私は『カブトバージョン』をよくやっていました。 |
50点 | 烈 | ■2010-06-08 13:36:58 | 202.242.7.42 |
地中メダロッターS…一体何者なんだ…? こんにちは、神隠しに遭っていた@PFです、嘘です 今回はメダロット話と言う事で、珀羅に関しての部分には触れずに 書いてみようかと。 朱凰は相変わらず未読ですしね。 しかし良いなぁ、自分、DS買っても未だにプレイしてないお… いや、魔装機神にかまけてたからですが、それ以上に忙しいのなんの ああ、4でマスターに成る為に一週間粘った思ひ出 しかも丁度イベントのスキマにセーブしたせいで、鍛え直す事も出来なかったあるさ ブロッソメイルを火薬化ビームで穴だらけにしてやったあの日の快感は今でも忘れられない そしてこの話で完全防御のチート化を知って軽く絶望したZE! 何度撃っても何度撃っても無効化されたあの日のトラウマが更に進化して蘇るだと…? 運が悪いと相手の頭部回数が無くなるまで付き合わされたからなぁ…ほんと DSだと運とかそう言う問題じゃ無さそうだけど >メダロッチ う〜ん、やはり多機能化によるデザインの変遷は起こる物ですよね。 というかもうメダロフォンとかに名前変えた方がいい気がしてきた。 でも何故かメダロッチと聞くと「ダービーボール」が真っ先に思い浮かぶ自分は、何かに洗脳されているんだと思う。 >大会 きた!うるちきた!メインレフェリーきた!これでロボトれる! こう言う大会では、選手の実力如何ではスケジュールが大きく前後する場合があるのが恐いところ。遅刻ダメ、絶対 >解説の門矢さん ここは…「メダロットの世界」か。 メダチェンジをFFR扱いとは…分かっておる憹。 海東さんなら「一瞬痛い感じ」とでも言うというのか…? >オリメダ ちょっと前にオリメダ集てきな同人誌を手に入れて、こう言うの考えるセンス凄いなーと思ってたんですが、Sさんにも似た様な匂いが… 元ネタがあるとは言え、いや元ネタという一種の枷の中でココまで考えられるとは…やはり天才 ではでは、肝心の本編にはヤッパリ書き込めないでしょうけど、何時も読ませて戴いている事だけは念を押しておきます。 さよーならー |
50点 | @PF(横道逸れずにまっしぐら!過激に生きてr(ry) | ■2010-06-07 23:59:39 | i60-46-206-162.s11.a021.ap.plala.or.jp |
く、流石地中メダロッタ―S…メダロットDS未だクリアできずしかも自分のSSの進行具合もすっかり停滞してるクズの僕とはえらい違いですぞ…!ドークス配布にギリギリで間に合いましたわい。 と、一応僕も1●以上前からメダロットにどっぷり洗脳されてる自称メダロッターでありまして、やはりそうであるからには反応せざるを得ない訳でして。あまりにも懐かしかったもんで今DVD引っ張り出して見てます。 いやまあ『“8年”ぶりの新作』ってね、オフィシャルかつ完全に真型って無かったことにされてるwww それにしても宇宙メダロッタ―Xの登場台詞を未だに覚えている人間が僕以外にも存在したとわ。宇宙メダロッタ―X、アニメでは一番好きなキャラでした。テンション的な意味でw 個人的にはVSタワラーマ戦が一番好き。 今回装甲インフレ起こし過ぎだろとかティンペットのデザイン変わっちゃってるよとか色々と語りたい事はありますが、まあいい加減他人様の感想欄で駄弁ってもアレですので、感想をば。 >メダロッチ よもや携帯になってしまうなんて、時代の流れを感じますなあ… 時計型ってのもあれはあれで趣があってよかったと思うのですが。 >恭也くん 今回のお話では主人公的ポジションのご様子。 相方がボクっ娘系な世話焼きさんなんて完璧セクハラのターゲットじゃねえか!…と、思いきや >『ちぃっ、あのドジっ子めぇ!報復に“トルネード”で泣くまでスカートめくりの刑ですかね?夜道には気をつけやがれってんですこんちくしょー!』 と思いきやそんなことは全然無かった。 >解説の門矢さん もんやさんなにやってんすかw >オリメダ 中々細かい所まで考えてらっしゃるみたいで、というか、そのぴったりなネーミングセンスが羨ましい。今回登場メダは五体、すなわち20のパーツに名前を付けられてるわけで、なんかもう凄い。自分で何言ってるのかわかんなくなってきたけど<ぇー では、最後に。 ゾーリンは俺の嫁<えぇぇー |
50点 | トレハ | ■2010-06-06 18:37:26 | softbank220026120007.bbtec.net |
合計 | 170点 |