仮面ライダーバルキリーたん&仮面ライダーイグナイト!!「奇跡」 |
「第12章」 ガキィンガキィンガキィンガッキィィィン!!!! 槍とライフルの銃身との轟音が止まることなくなり続け、火花を激しく散り褪せて、ランスフォームとストームフォームが息つく間もなく攻撃を繰り広げる。 一瞬の隙さえあれば、確実に死が訪れる。 ランスフォームの槍は確実にストームフォームの急所を狙い、正確無比な槍の猛ラッシュが繰り出され、ストームフォームの鋼鉄をもぶち破る強靭な蹴りが乱れ舞う。 修羅の如く赤き光を帯びて繰り出される槍を繰り出す憤怒に満ちたランスフォーム。 羅刹の如く銀色の光を帯びて放つ蹴りのラッシュを繰り出す憎悪を全身から放つストームフォーム。 一瞬でもかするだけで、肉が裂け、血が飛び散る。 突き出す槍も、繰り出す蹴りももはや一瞬一瞬が無駄打ちできない。 Stフォーム「何故だ・・!?何故お前たちは受け入れられない!?殲鬼姫様の寵愛を受け入れれば永遠の千年王国における家畜を支配できる高次の存在が約束されるのに!?」 Lフォーム「それが・・・本当の幸せなのか?」 Stフォーム「そうだ!!あのお方こそ、愚かな人類における真の統率者にふさわしいのだ!!平和だ秩序だを謳っておきながら、同じ人間同士無意味に争い、醜く差別し殺しあう。そんな愚かな生き物他にいないだろう?そんな愚かな生き物が支配する世界など、何の価値もないでしょう?」 Lフォーム「…その言葉、慧殿も晶殿もよく言われていた…」 慧(好きで強くなったりしたわけじゃないし・・・不幸じゃないのにな・・・・どうして・・・喧嘩もうしたくないのに放っておいてくれないんだろう・・・・もう・・・人間嫌いだよ・・・あたしのまわり・・・敵が多すぎるよ・・・苦しいよ・・・・うう・・・もう・・・いや・・・だ・・・) 晶(イマジンだろうとレジェンドルガだろうと、己の欲望をかなえるためなら何にでもすがりつき、他人を蹴落とし、苦しめ、たとえ破滅しようとも己の欲望に囚われて自分以外を憎む・・・どこまでも堕ちて行くんだな、人間て言う生き物は) 二人とも、人間を憎悪していた。 自身にもどうする事も出来ない不運さを他人から嘲り、笑い、迫害され続けてきた慧。 その存在を守ろうと奮闘するも欲望に狂った人間に期待を裏切り続けられてきた晶。 Stフォーム「分かっているのね。こいつらはさ。それなのに、どうして人間などという愚かな存在を守ろうと正義の味方気取りでこうして戦い続けるのかしら?そういうのを、偽善者っていうのよ。偽善というのは、この世における最も重い重罪。そのくせ、絶望したら差しのべられた手すらも気づかず、破滅の道へと転がり落ちていくだけ。救いようがないわ。もうさっさと人間なんて言う愚かな種族を捨てて、荒魔に生まれ変わるべきだったのよ。あのお方の、殲鬼姫様の寵愛を受けてね!!でも、もう、遅い。こいつだけは、天童慧だけは、絶対に許せない。たとえ、殲鬼姫様が許しても、私がその存在を否定してやる!!」 Lフォーム「何故そこまで慧殿を憎まれるのだ!?」 Stフォーム「・・・こいつだけはどうしても許せない。こいつは、この世から消し去りたい!!私からすべてを奪い去っていくから!!」 ―自分と同じように人間に絶望していたくせに― ―なぜ、あがき続ける!?― (過去) あの場所で。 自分が死んだ場所で。 また不幸な目にあってか、全身ずぶぬれで、靴はボロボロ、沈みきった瞳をして歩いてきた慧。そこへ、トラックが通りかかり、泥水を跳ね、慧に容赦なく降り注ぎ、慧が倒れこむ。 運転手「ぎゃはは!!やっちった!!わりーわりー!!ぎゃははは!!」 慧「・・・わりー・・・じゃねーよ・・・」 ずっと心ない人間に囲まれ続け、心のよりどころは家と晶だけ。しかしそれももう限界に近かった。悪意と憎悪に満ちた一言を呟くと、そのまま座り込む。誰も気にも留めない。橋で膝を抱えて呆然と女子高生が座り込んでいても。ただ、奇異と好奇の視線で見てくる奴らばかり。 慧(・・・まあ・・・いつものことか・・・・) 雨に濡れて、膝を抱えて泣き続けていた慧。 人間を憎み、悲しみと怒りに全身を震わせていた慧。 あの地にとどまり続けていた時に見て、慧の憎しみが手に取るように分かった。 Stフォーム「こいつなら、殲鬼姫様が見逃すはずがない。この憎しみを、怒りを、あのお方のために使うべきだったのだ。人を超越した存在になるべきだったのに、なのに、偽善者気取って時の運行を守る!?ふざけんじゃないわよっ!!」 Lフォーム「ふざけてなどないっ!!あのお方を、慧殿を辱めるなあああああああっ!!許さん!!!あのお方は、慧殿は強いお方だ!!!私が一目で惚れた!!あの人のどんな不幸にもめげずに戦い続けるまっすぐな姿勢、後先考えずに行動する馬鹿さ加減、いかなる時も自分を失わずに逆境をぶち壊し続けるしぶとさ、すべてが私の憧れだったんだ!!」 Stフォーム「・・・何それ、まるで、慧がバカだからついていくっていっているようなものよ」 Lフォーム「その通りだ!!!私は慧殿がバカだから、大好きなんだ!!!普段は冷静で大人ぶっているのに、いざとなると一番真っ先に暴走して突っ走って撃沈するけど、懲りずに立ち上がっていく慧殿が好きで好きで仕方ないのだぁああ!!」 Stフォーム「・・・あんた・・・・救いようがないくらい・・・・趣味悪すぎ」 Lフォーム「あのお方に今でも、ついていって、良かったと思っている!!それまで、過去すらも存在もない私たちだったが・・・・あのお方についていって共にすごしてきた日々はすべて覚えている!!!あのお方がくれた“時間”!!どれ程嬉しかったことか!!たとえ、世界中の不幸が敵に回ろうと、誰が敵だろうと、共に闘うまでよっ!!」 Stフォーム「戯言を・・・・死ぬがいいわ!!」 ストームフォームがパスをバックルに通すと、嵐が吹き荒れ、雷が光り輝き、吹雪が取り巻く。その渦の中に飛び込み、右足を突き出し、宙に浮かびあがる。 ランスフォームが槍を構えるが遅かった。 St「テンペスト・・・ライダーキック・・・・はああああああああああああっ!!」 想像を絶する破壊力にあふれる暴風を全身に纏って、一気に超高速の速さとなって弾丸のごとく飛び出し、ランスフォームを蹴り飛ばす!! Lバルキリー「うわああああああああああああっ!!!」 アーマーが大爆発を起こし、槍が折れ、吹き飛ぶランスフォーム。そして、ルーベットの姿となって地面に転がり落ち、倒れこむ。 Stフォーム「はあっ・・・はあっ・・・分かった?あなた達なんかに守れるものなんかありはしない。お前たちはしょせん家畜でしかないのよ!!!私たち、荒魔という高次の存在に永遠に支配され蹂躙され続けるがいい!!」 高らかに言い放ち、立ち去ろうと後ろを振り返る。 しかしふと、足が止まる。 なんだ、この震えるような冷たさに満ちた光の気配は・・・。 恐る恐る振り返ると、そこには信じられない光景があった。 Stフォーム「・・・な・・・ぜ・・・?!」 ルーベット「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・・」 折れた槍を杖代わりにボロボロの身体で立ち上がってきたルーベットであった。 口からは血を垂らし、所々が砂となって散り落ちている。 もう、いつ消滅してもおかしくない状態だ。 それでも、その表情に力強い視線と光は消えない。 それが白羽根には信じられない脅威であった。 ルーベット「どうした?私はまだ・・・死んでないぞ」 Stフォーム「何故だ・・・なぜ立ち上がるのよ・・・!?」 ルーベット「・・・このままでは死ねない。慧殿を取り戻すまではな」 Stフォーム「…来るな…来るな!!近づくな!!」 背中から翼を広げて無数の羽手裏剣を発射し、それが身体に無情にも次々と突き刺さっていき、激痛が全身を走る、それでもよろよろと歩む足取りを止めない。 そしてストームフォームの肩につかみ、もたれるように倒れこむ。 ルーベット「・・・慧殿・・・・必ず貴女は助ける・・・・この命に代えても」 Stフォーム「やめろ・・・やめろやめろ!!!」 ルーベット「慧殿・・・・貴女に仕えることができて・・・今でもいえる。幸せだったと。心から笑って死ねる。貴女と一緒にいた過去を思いながら死ねるなど・・・幸せですぞ。貴女の舞台はまだこれからだ・・・・まだ幕を下ろすな。赤薔薇殿が言っていた。人生まさに一度限りの至上の舞台。ならば舞台の幕を下ろすことは自分で選べるけど、いついかなる時も自分が後悔されることがないよう・・・・最後まで生きてくだされ・・・それが私が貴方に託したい願い・・・・生きていてほしい・・・・慧殿・・・月並みだけど・・・これだけは言わせてほしい・・・・」 ルーベットは見る者が心を奪われるような優しく母性に満ちた笑顔を向ける。 ルーベット「慧、貴方のことを心から、愛している」 そして、折れた槍の穂先をバックルに突き立てた!! バックルが罅を立てて割れ、バックルが崩れ落ちると、ストームフォームが変身を解除され、中から白鳥の化身スワンスペクターが飛び出してきた!!それと同時にルーベットが力なく崩れ落ちて…そのまま横たわり倒れこんだ。 スワンスペクター「バカな・・・慧を完全に抑え込んだはずなのに!!!」 そう、そしてそこにいたのは、自分が先ほど憑依していたはずの少女がいる。 そして、傷ついたルーベットを抱きしめ、涙をポロポロこぼし、顔を真っ赤にして泣きじゃくっている黒いロングヘアの少女がいた。 慧「・・・ルーベット?ルーベット?」 うつろな声をかけるが、ルーベットは答えない。瞳を閉じて、沈黙しているままだ。 慧「ルーベット・・・・ルーベット・・・・起きてよ・・・・あたしだよ・・・慧だよ・・・起きてよ・・・・ルーベット・・・・起きてよ・・・・」 涙がルーベットに零れ落ち複数の水滴となってこぼれおちる。 慧「ルーベット・・・嫌だよ・・・・死んじゃ嫌だよ・・・・あたし・・・まだルーベットに・・・返してないよ・・・・あたしの願いをかなえてくれたお礼・・・あたしが・・・あたしらしく生きたいって願いを・・・笑いたいっていう願いを叶えてくれたのに・・・・もっといっぱい笑っていたいよ・・・・ルーベット・・・・」 悲しみに打ち震えて、言葉が出ない。 今の自分がいるのはルーベットがいてくれたからだ。 いつも馬鹿ばっかやっていて、ハイテンションで、おっちょこちょいで、すごく真面目で、空気が読めないで・・・。 でも、時々見せる優しさや勇気が、自分にこれまでどれほど助けられてきただろうか。 こうして自分が「バルキリー」として戦えるのは、彼女と出会っていたからだ。 スワンスペクター「二人まとめて・・・始末してあげるわ」 スワンスペクターが羽を構えた瞬間だった。 青い光が飛び出し、羽手裏剣が弾き飛ばされる!! スワンスペクター「何っ!?」 そこへ飛び込んできたのは、ボウガンを構えていた青いメッシュを入れた眞子だった。青い光を宿した瞳が怒りに燃えている。 S眞子「お前だけは・・・・絶対に許さない。女の子だろうと・・・殺す」 サファイアの怒りに満ちた声が眞子からつぶやかれる。 T祥子「私たちを本気で怒らせるとはな・・・・引導渡してやる!!」 トパーズも怒りで普段の冷静さをまるで感じさせない荒げた声を出す。 A春姫「・・・あんた・・・・地獄が見たいようね・・・・」 アメジストも珍しく怒りと憎悪に満ちた声で静かに言う。 K彩乃「テメェは確実に・・・刺し違えてでも・・・殺す」 琥珀が暗殺者としての冷たい本性を彩乃の顔からも読み取れるほどの怒りを発する。 E奈々美「あたしたちの大切なダチを・・・・よくもやってくれたな!!」 剣を構えてエメラルドが涙を流して叫んだ。 そして憑依が解け、飛び出すと無数の軍団にとびかかっていく!! Sフォーム「あたしのビートで・・・イカせてやらぁああああああああ!!」 Aフォーム「全員チェックメイトだ・・・待ったなどきかんっ!!!」 Gフォーム「お前ら・・・全員ロックオン、確実に殺してやるよ」 ASフォーム「死刑台にようこそ・・懺悔も聞く気もないから殺すよ」 Pフォーム「闇に全員飲み込んでやる・・・・!!」 ソードフォームが剣を振り回し、アックスフォームが重厚な斧を振るって、向かい来る無数の敵を切り裂き、打ち砕くと、その中をかいくぐるようにアサシンフォームがクナイとハンドトマホークを振り回し、そしてファントムフォームがハルバートで向かい来る敵を吹き飛ばす。 さらに後ろからガンフォームが銃弾を乱射し、それを受けて敵が消滅していく。 春姫「・・・許せません・・・」 奈々美「絶対に許さない・・・・!!」 眞子「眞子ちゃんも怒り完全MAXモードってやつよ・・・!!」 彩乃「すべてを断ち切ってあげる・・・・!」 祥子「皆!!いくわよっ!!」 「「「「「変身!!」」」」」 その様子を上で見ていた智が「やっぱこうなるか」と呆れたようにスワンスペクターを見ていた。 智「まっ、はなからあんたには期待してなかったけどさ。もう少しあがいて見せろって」 そして、オーガバックルを取り出すと、バックルが黒い光を帯び、それをスワンスペクターめがけて投げ放つと、腰に自動的に巻かれだす。 スワンスペクター「な・・・何よこれ!?」 智「それ?まっ、ゲームも佳境、あんたが頑張れば荒魔の逆転勝利。いっちょ勝負に出てみないってことで、とりあえず、“あんた”は死んでよ」 すると、バックルに無数の闇が一気に流れ込み、つけていたスワンスペクターが異常に苦しみだし、全身から闇を放出させて、激しく身もだえして、うめきだす。 スワンスペクター「き・・・ぎざ・・まああああああ・・・!!うわああああああああああああっ!!!」 スワンスペクターが闇にのまれて真っ黒となり、やがてその姿が数倍以上に膨れ上がり、巨大な翼が生え、鋭いかぎ爪をはやした足が地面を震わせて、鋭い嘴と巨大な4対の翼を広げて町全体を翼で覆い尽くせるほどの巨大な鳥の怪物となって空中に舞い上がる。羽ばたくたびに風が吹き荒れ、あらゆるものを吹き飛ばし破壊していく。 智「さーてっと、ラストゲームの開始だ!!きゃはははははははははははは!!」 智が笑いだし、それに合図するかのように異形が吠えて、町を吹き飛ばそうと翼を広げる。 ヴァーユ「こんなのアリ!?」 イグナイト「最後まであきらめるわけにはいかないわ!!」 マータ「でも、慧さんが・・・!」 その時だった。 慧に近づく一人の人物がいた。晶だ。 そして、かがむと、右手をかざした。 慧「・・・晶・・・?」 晶「ちょっと・・・待ってて・・・」 そして、チェックメイト・フォーのキングの紋章が光り輝くと、青い光がルーベットに宿り、見る見る傷が回復していくではないか。そして、ルーベットの口を開き、取り出したあるものを思い切り放り込んだ。 「生ハバネロ入り激辛唐辛子」10本分の唐辛子をまるごと、口の中に。 数秒後・・・。 ルーベット「・・・むぅ・・・・?」 そして、一気に眼が見開いたかと思うと・・・。 ルーベット「が・・・がらぁあああああああああああああああ!!!!!」 晶「ショック療法成功です♪」 天使のような笑顔で、口から火を噴きながら絶叫し地面を転がりまくるルーベットを見てあっけらかんと言う晶。 慧がぽかんとその様子を見ていると、ルーベットが口を真っ赤にして迫ってきた。 ルーベット「な・・・何があったのでしょうか・・・?」 晶「ショック療法だよ〜♪最新の方法ってね、口の中にタバスコや激辛唐辛子をたくさん突っ込むと死にかけていても飛び上がって起きて、一気に元気になるんだって」 ルーベット「おおっ!!ということは、晶殿に助けられたということか!!かたじけない!!」 「「「「「いや、そこ礼言うところじゃねーだろっ!!!!」」」」」 「「「「「それはありえないでしょう!?」〜?!」」」」 彩乃たちとイマジンズが全員で突っ込むが、ルーベットは「そういう方法があるのですなぁ」と納得しているようだ。馬鹿だ。 慧「あ・・・あのさぁ・・・・晶・・・・」 晶「慧、落ち込んでるひまはないでしょ?今は、あのバカ、何とかしないとさ」 晶が上を向けると、そこには自分たちを見下ろすように空中にはばたく異形がいる。 晶「慧、何があっても、お前の心を閉ざしてしまう闇があるなら、俺が光り輝き続けて照らし続けてあげるから。だから・・・もう一度立ち上がろう。俺が支えているから大丈夫だよ」 慧「・・・・晶・・・・うん・・・皆に後でしっかり謝らなきゃね・・・まずは・・・あいつ何とかしないとね!!」 晶「そういうことです」 そう言って、慧を起き上がらせると、バックルを巻きだし、さらにイカロスショットを取り出す。晶もルーク、クイーン、ビショップのデバイスを取り出す。 二人が傷だらけの笑顔で拳と拳を軽く打ちつけ合う。 イグナイト「・・・なんだか絵になる二人だなあ。まるで、二人いつも一緒にいることが当たり前のように思えちゃう」 マータ「慧さんが闇なら・・・晶さんが光になる・・・」 ヴァーユ「アキが闇になったら、慧が光になる・・・・」 ヴォルグ「・・・・晶の隣には・・・もうあの子がいるのね・・・」 リクォール「・・・祥子ちゃん?」 ヴォルグ「・・・なんでもない。ふふっ、それじゃあ、派手に行くわよ!!彩乃!!」 イグナイト「はいっ!!」 天高く翳した剣から何体もの炎の龍が姿を現し、彩乃を中心に荒々しくも美しい舞を見せる。やがて龍達は彩乃に纏わりつき一つとなって巨大な火柱と化して、聖なる騎士へと変身させていく。 イグナイト「プロミネンスフォーム!!!降臨!!」 晶「こっちも行くよ!!変身!!」 「ULTIMATE FORM」 慧「分かってる!!変身!!」 ルーベット「全身まとめてクライマックスですぞぉおおおおおおお!」 トパーズ「ああ、派手にいくぞ!!」 エメラルド「よっしゃああああああああああああ!!ルーベット復活記念じゃああああ!!」 サファイア「やれやれ、それじゃ役者はそろったし、やるとしますか」 琥珀「あたしたちの力見せてやろうぜ!!」 アメジスト「今回はちょっと楽しめそうね」 「CLIMAX FORM」 青い稲光が晶を包み込み、黄金の荘厳な鎧に身を包んだ異形の竜王と化したアルティメットフォーム。 そして、6つの光を受けて背中から翼をはやした極彩色の鳳凰を模した戦士・クライマックスフォームが立ち上がる。 異形が咆哮を上げて、翼から黒い嵐が吹き荒れ、あらゆるものを吹き飛ばしていく。 その中にいる人物を見て、慧は思う。 慧(白羽根・・・あいつは・・・・昔のあたしそのものだ。人間を嫌っていた時の・・・すべてに絶望していた時の・・・・だから・・・全部にケリつけてやるっ!!) そして、空間の光が飛び出し、中からVライナー・フェニックスと、キバライナー・セイリュウが飛び出し、空中に線路を敷きながら爆走する。それに飛び乗り、線路を走りながらすれ違いざまに全砲門を開放し、無数の銃弾やミサイル、爆弾が発射されて異形が吹き飛び、苦しそうに絶叫を上げる。 圧倒的な火力で攻め込み、連携のとれた動きで確実に追い詰めていく。 その中をプロミネンスフォームが飛翔して、全身を炎で包み込む。 それを合図に同時にアルティメットフォームが運転席から飛び出し、クライマックスフォームが同時に飛び出す。 バイクから飛び降り、空中に浮かびあがると同時にパスを通した。そして3人同時に足を突き出し、蹴りの構えに出る。 Cフォーム「これが・・・」 Pフォーム「あたしたちの・・・!!」 Uフォーム「クライマックスだあああっ!!」 「「「トライアングル・ライダー・キック!!!」」」 極彩色の光が巨大な槍と化して飛び出し、青い光を帯びた竜が口を大きく開いて飛び出し、聖なる炎で包まれた不死鳥が一斉に三方向から発射されて大爆発を上げる!!! ギャアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!! 絶叫を上げて巨大な空の覇王なる存在が陥落した。翼も爆発によって吹き飛び、もはやその巨体を支えるものは存在しない。 そして落下してきたところへ、ヴァーユがボウガンを構えていた。 そして、青い水流の力が、緑の雷の力が、黄色の大地の力が、桃色の風に一つになって巨大な光の矢と化していた。 ヴァーユ「これで・・・ラストだぁあああああああああああ!!」 そして光の矢が額に直撃し、巨大な光が爆発しそれに包まれるかのように異形の姿が飲み込まれ、中から白い宝珠に白鳥の金色の像が入っている宝石が飛び出した。 それをつかみ取り、そのままアルティメットフォームとクライマックスフォームが変身が解除され、晶と慧の姿に変わり、それをプロミネンスフォームが受け止めた。 抱きかかえた眠りについている慧と晶の姿は、どこにでもいるような安らかな笑顔を浮かべている普通の高校生。 ヴァーユ「終ったわね・・・・」 ボウガンをふっと一息で煙を吐き、ヴァーユがつぶやく。 そして、プロミネンスフォームが二人を下ろすと、慧を春姫が、そして晶を祥子が抱きかかえてそのまま帰ることになった。 安らかに寝息を立てている慧の顔を見て、春姫がほほ笑む。 春姫「本当はどこにでもいる、可愛い普通の女の子なんですよね〜」 そして、寝息を立てている晶に祥子がほほ笑んだ。 祥子「・・・・カッコよかったよ、晶、慧がいるのが妬けちゃうくらいにね」 眞子「こんな二人を追い詰めてしまうのが、私たちが守るべき人間かあ。かなり皮肉な話」 奈々美「でも、そんな人間ばかりじゃないよ。それは・・慧さんたちも分かっているはず」 彩乃「これだけ広い世界だもの。きっと分かり合える人はいるよ」 そう言い合うと、それを証明するかのように広がるのは、満天の星空が光り輝く美しい夜空。さらに、先ほどまで町全体を覆っていた禍々しい闇の波動も消えていた。今目の前に広がるのは平凡な、少々暇さえ感じるような天明の町。 守り抜いたことに充実感を感じ、5人が笑いあう。 一方・・・。 その戦いを一部始終を見ていた、銀色のショートカットに甲冑を着込んだ一見小柄な美少女を思わせる可憐な顔立ちの少年、ルシファーと着物を肩まで大きくはだけて、豊満な胸をあらわにしている扇情的な服装に長い黒髪をかんざしで結った妖艶な女性が座っている。 ルシファー「たかが人間にしてはやるじゃねぇか」 アスモデウス「あたしもぉ・・ちょっと切り刻んでみたくなっちゃった・・・・うふふ」 アスモデウスが間接剣を取り出し、刃をレロリと紅をさした唇から舌を出して舐める。 ルシファー「バーカ、今回は偵察つったろうが。智のヤツ、何かあったら動けるように控えておけとか言っていたけど、結局先に帰っちまったじゃねえか」 アスモデウス「そりゃしょうがないじゃない。まさか、この地に宿っている殲鬼姫様とやらの怨念というか怒りに火をつけちゃって、無数のスペクターに囲まれて、ようやく自分がやばい状況に置かれているって気がついたんだから。一気に逃げるわよねえ」 マモン「大兄貴、やべぇぜ」 下から眼鏡をかけて、紺色のロングヘアをポニーテールに縛り上げた知性的な顔立ちの女性が上を見上げて言う。 ルシファー「何がやべぇの?」 マモン「囲まれているぜ。無数のスペクターとかに」 ルシファー「俺たちで腹いせに殺ろうってか」 アスモデウス「かわいい女の子一人もいないじゃない・・・やる気しないなあ」 ベルゼブル「どう・・・する・・・・・」 レヴィアタン「きひひひひひ、人間だろうとスペクターだろうと、あたしたちに喧嘩を売るならやることなんて決まっているじゃない」 サタン「そうだな。考えること自体無駄だ」 ベルフェゴール「・・・全員・・・・殺しちゃうの」 ルシファーが槍を回転させて構えると、獰猛な笑みを浮かべる。 ルシファー「だわな。さーてと、まずは肩慣らし程度にこいつら全員ぶっ殺すか。あいつらとの戦いも控えているからよぉ、しっかりと身体温めておけよ。ついさっきまで墓土と骨でしかなかったんだからな。体なまってて死にましたじゃ洒落になんねーぞ」 「「「「「了解、兄貴」」」」」 ルシファー「セブンズヘブンの実力、見せてやれ!!」 合図とともに、7人の凶悪極まりない殺戮の外道集団「セブンズヘブン」がいっせいに動き出した。 この日、たった1時間のうちに、すべてのスペクター(のみ)が皆殺しにされたという。 エピローグへと続く。 |
鴎
2010年06月22日(火) 23時14分13秒 公開 ■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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どうも、黒です。すみません連続投稿しつれいします。 >各章の感想を…そのA 「第九章」〜「第十二章」まで >サファイア 本気(マジ)きれモード >青鰭 まさにこの時は因果応報の報いと。 Gバルキリー「覚悟するのはそっちだろ・・・さんざん好き勝手やってくれちゃってさ、もうこちとらとっくに・・・ブチキレてんだよっ!!」 ルーベット「…さ…サファイア殿が…キレた…」 琥珀「…おいおいおいおい…ヤバすぎねーか…これ…」 アメジスト「…敵ながら…もはや気の毒すぎるわね」 3体が茫然唖然とした状態で、慧を拉致した憎いはずの敵をもはや憐れむようにコメントを漏らす。相当危険なのか、顔は青ざめているし、全身が寒さか恐怖で若干震えている。 Gバルキリー「世界なんかどうだっていいんだよ、あんたの敬愛する殲鬼姫様を復活させるだの、荒魔が支配する世界だの、勝手にやってろ言ってろって感じ。でもね、あんたたちはよりによって一番やっちゃいけないことをやらかしちまった。慧を利用したってことさ。あたしは…あたしの命は慧にとっくに預けているんだ。慧のものなんだ。慧がいてくれるから、戦えるし生きていて楽しいって思える。好き勝手バカやってられる。そんな自分が好きでねぇ」 Gバルキリー「なのに、智の差し金で蘇って、勝手に大事な人を奪われて憑依されて好き勝手されてじゃさ、キレるなって方が無理だろ?あいつらは優しいからねぇ、ギリギリのところで理性保っているし、常識も良識もあるから、一見どうとでもなると思われがちだろうけど…あたしはそうじゃないんだよ」 Gバルキリー「あたしは…慧を手放さない。必ず助け出すんだ。その為なら…鬼でも夜叉でも殲鬼姫にでもなるさっ!!」 真剣な表情で一括するその姿は勇ましく、信念はまっすぐ力強く地盤が固まっている。 その決意を決めた姿はまさしく「戦士」そのものだ。 魂(心)は「熱く」、思考(頭)は「冷く」まさに『戦士』の基本。 サファイア自身とっくに『超絶変態白鳥王子』て言うなの「荒魔(イマジン)」です。 >訂正部分 ルーベット「なるほど…あいつ…本当にキレているわけではない」 ルーベット「なるほど…本当にキレているわけではない」 >黄兜 サファイアの策と攻撃に見事に嵌ったねー 地震=破壊の象徴(シンボル)の上に、どんな『頑丈』な盾と鎧でも、無数の小さな傷に、超振動が加われば、いかなるモノも壊れるてw 黄兜「貴様・・・・やはり・・・どこまでも・・・狂っている・・・・憎悪、憤怒、殺意、負の感情に満ちた漆黒の闇が・・・・お前から感じられる・・・・お前とて・・・・俺たちとさほど・・・・変わらない・・・狂った破壊者だ・・・・」 黄兜、勘違いしちゃだめかと『狂った破壊者』を慧ちゃんは、まさに地でいってますから。(笑) 二代目『殲鬼姫』とか『鬼神姫』こそ「慧」ちゃんにはふさわしい。 >自然災害(地球全体の脅威) 地震・雷・噴火・洪水・竜巻・吹雪・重力異常(ブラックホール)など これが自分の考える脅威。 >トパーズ さすが、慧組の「策士」兼「作戦参謀」だね。 小悪党(黒棘)の策すら読みきってるし。 >黒棘 トパーズの方が何枚も上手の「策士」だったね。 上には上がいるを証明された瞬間だな。 あと口は災いの元、だから雷の封魔師に敗れたんだよ。 >慧ちゃん やっぱ、予想道理「ブチキレ」したのね。 自分的には荒魔5人を「フルボコ(半殺し)」をやってる印象が(笑) 慧「はあっ・・・はあっ・・・・いい加減にしろよ・・・これ以上やるなら・・・マジで殺すぞ・・・」 両手から血をにじませて、息も荒く、しかしその瞳には全てのものを圧倒するかのような威圧感と狂気と憎悪に満ちた深く黒く凶暴な獣の光が宿っている。 そして、地面には全身の棘という棘をへし折られボコボコに殴り倒されたハリネズミの異形が人間体となった青年と、鉈がたたき折られ、泥まみれになって全身のいたるところが真っ赤に腫れ上がり、激痛に全身を身もだえしている鮫の異形が化身した茶髪の少女が呻いていた。 黒棘「こ・・・こいつ・・・・本当に・・・・人間なのですか・・・がはっ・・・まさか・・・私たちが・・・・ここまで痛めつけられるなんて・・・・!!!」 青鰭「・・・・こいつ・・・・鬼じゃん。人間じゃないって、家畜じゃないって。化け物か鬼の類だって・・・・。かはっ・・・・・ちくしょう・・・・こいつ・・・・化け物だ・・・!!」 >黒棘&青鰭 化け物か鬼の類だって…ええその通りです(笑)。 慧「あたしのどこが化け物だって?どっから見ても一般市民Aの平凡な女子高生でしょうよ」 絶対それはない。少なくとも生身で超荒魔を二人殴り倒すなど信じられない所業である。いや、そう思い込みたかったのかもしれない。 慧(これで、もし荒魔を殴り倒した女子高生なんて肩書きついた日には、もうまともな生活送る自信がない・・・!) >慧ちゃん あなたは荒魔・イマジン・レジェンドルガを殴り倒した、最凶の女子高生ですから(笑) 慧「ああ、もうっ、何でこうなるのっ!?不幸だ、不幸だ、はいもう不幸です!!!!!」 絶叫しながら天明市に飛び出し、街中を爆走し、Vライナーが止まっている空き地近くの公衆トイレの扉に向かっている。時計を見ると、もうすぐ出発時間だ。そう思いきや、突然目の前に無数の異形の集団が立ちはだかる。そしてそれの筆頭をしているのが、白鳥の異形たる存在、スワンスペクターこと白羽根であった。 慧「・・・・しつこいな、本当に。こちとら、イマジン追いかけて一戦やらかして疲れているっていうのに、わけの分からない鉈振り回してくる危ない女の子や眼鏡の兄さん、軍服きているオッサンに薔薇を加えながらわけのわからないことをいうポエム兄さんにからまれてボロボロだっつーのに・・・・今度は何?」 もう今日は仏滅、ぶっちぎりで運勢最悪の日だ。 しかもイマジンたちがこいつらによって遠くまで吹き飛ばされ、現在彼女のみでこういった異常事態を切り抜けなければならないのだ。 白羽根「手間かけさせないでよね。所詮家畜ごときが、この世を支配する最強の一族に歯向かうなんて無謀のきわみよ。おとなしく投降しなさい、命が惜しければね。あんたなんかいつでも殺せるけど、智とかいうヤツがうるさいのよ。それに、あんたがいなければ、長い時間身体が維持できないしね」 慧「また智か。どうしてこうもまあ人の神経逆なでするようなことばかりやらかすかなあ・・・!!」 あのにやけた顔を思い出すと、拳をプルプル震わせて血管が浮き出し、歯を食いしばり、全身の血が一気に沸騰するかのように熱く燃え上がる。 白羽根「いい?これは命令なのよ。従わなければ・・・殺すわよ」 慧「・・・・ああもう、どいつもこいつも同じことばかり。どうやら、本気で一度暴れなきゃ分からないのかなぁ?だったら・・・こっちだって・・・もう形振り構ってられない」 白羽根「何をゴチャゴチャ言っているの!!少し痛い目にあわないと分からないようね!!」 そういうと、いっせいに彼女の配下であるスペクタ−達が一斉に飛び掛っていく。 >慧ちゃん 「本気で一度暴れなきゃ分からないのかなぁ?だったら・・・こっちだって・・・もう形振り構ってられない」てまさか(悪寒が) 欲望と本能に狂った瞳をぎらつかせ、鋭く光る爪と牙を振りかざし一斉に襲い掛かる。しかし、その瞬間、慧の唇がにたりとつりあがった・・・そう彼女は「笑った」のだ。 そしてその表情には、これまでの家畜からは見られなかった凶暴な光が瞳に宿り、獰猛な笑みを浮かべて、手に持っていた鉈を持ち上げる。先ほど青鰭と名乗る少女から勝手に持ってきたものだった。それを軽々と片手で持ち上げて回転させると、構えだす。 慧「痛い目見るのは・・・・・あんたらだ・・・・くくくっ!!」 そして、一気に飛び出し、スペクターの首を鉈で吹き飛ばし、同時に攻撃をよけると、振り上げた足で首の骨をへし折り、もう片手で頭をつかんで一気に他のスペクターに叩きつけて、勢いをとめることなく殴り、蹴り、切り倒していく!!! 慧「・・・・全員ぶっ殺す・・・・・覚悟・・・・決めろ・・・・」 その声はどこまでも低く、うなり声に似ているかのような重い口調・・・。 そして、スペクターの血しぶきを全身に浴びながらも、彼女はぎらつく光を瞳に宿し、怒りと憎悪の咆哮を喉が張り裂けんばかりに叫び、四肢を振るって次々と大群を殴り倒していく。 その光景に、白羽根はもはや驚きを隠せなかった。 まさか抵抗するなど思いもしなかったのだ。しかも圧倒されている。 全身を血にまみれ、激しい感情を瞳に宿し、迫り来る敵を次々と切り殺し、殴り倒し、蹴り飛ばすその姿はまさに「鬼」そのもの。 慧「うおおおおおおおおおおっ!!!!!ぐああああああっ!!」 咆哮を力いっぱいに叫び、鉈で殴り、切り殺し、鮮血に全身を染めながら、拳を荒魔の顔面にめり込ませてそのまま首の骨をへし折り、放り投げる。これが人間の姿とは思えない。完全にブチキレた慧は、まさしく「化け物」だ。その姿はどこまでも純粋な「暴力」。限りなく人間の欲望のひとつ「憤怒」を形にしたような存在。にもかかわらず、黒いロングヘアをなびかせて、端正な顔立ちを怒りに歪ませて、全てを断ち切り蹂躙し支配する姿は・・・ある意味何かをひきつけるような「闇」があった。それはもはや美しくさえ見えた。 包み隠さない欲望丸出しの、純然たる「怒り」。その光景に白羽根がもはや凍りついたように動けない。目の前の惨劇が受け入れられない。足が動かない、声が出せない。自分が圧されている・・・!? >慧ちゃん まさかの『本気(マジ)キレ』の黒(ブチキレ)モード慧ちゃん降臨?! もしかして『全力全開(フルドライブ)』モード(怖) >晶くん 質問ですが、これが『全力全開(フルドライブ)』の『本気(マジ)キレ』の黒(ブチキレ)慧ちゃんですか? 白羽根「ああ…ああああ……何よ、何よ、こいつ…!!」 黄兜「これは…どういうことなのだ…あの女…化け物か…?」 青鰭「あたしが知るかって…!あいてて…あいつ…メチャクチャ!!」 黒棘「我らを…我らを生身で圧倒するなど…ありえない…!!」 赤薔薇「美しい…」 そう言ったのは赤薔薇であった。薔薇を片手に暴れ狂う慧の姿を見て、感心しているかのように言葉を次々と語りだす。 赤薔薇「純然たる怒り…激しき烈火のごとく燃え上がる情動…身を焦がすような狂気に満ちた黒き炎を全身から発してなお、彼女は美しく光り輝く…。まるで…美しき夜叉…すばらしい…!!」 その言葉にもはや我を忘れて見ほれているかのような赤薔薇。そして、青鰭もまた暴れ狂う慧の姿に家畜とは違うなにかを感じているのか、見入っていた。 青鰭「…あんなに…激しく…暴れ狂うヤツが…家畜の中にいたの?あははは…あははは…すごい…あの鬼の子…すごい…欲しい。あいつ…すごく欲しい…あははは…あはははは…!!もったいないよ、人間なんかにさあ!!ほしいよぉ…あははは…あああ…ほしぃ…」 >赤薔薇&青鰭 慧ちゃんに対して高評価ですな。 >白羽根&黄兜&黒棘 慧ちゃんに対して『脅威』と『本能』が感じなきゃ『アウト』です。 圧倒的な強さ。あの時、あの強さがあれば、あの約束を果たすこともできた。 あの時、青鰭に殺されることもなかった。 なぜ、選ばれた自分にあの強さがない?なぜ家畜ごときにあそこまでの闇を操る強さがある?あそこまでひきつける「狂気」を、「闇」をもっていながら、なぜ人間などに甘んじる?全てが腹ただしい存在だ。 >白羽根 そりゃ「慧ちゃん」の不幸は常人超えて、超人離れの上に、疫病神に好かれ、死神を従え閻魔すら携えて来そうな人生です。 S慧「・・・・あんたはいつもそう。勝手に人のことをかき回して、こっちが何か言い返そうとするとすぐに煙に巻くんだから・・・・でも・・・返事くらいさせてよ」 屋上に寝転び、届きそうで届かない星に手を伸ばしながらつぶやく。 S慧「私だって・・・強くなれる、あんな家畜なんか、いつだって殺せる。私は超荒魔、選ばれた者、家畜同然の人間など恐れない!!」 トパーズ「独り言はイタいぞ、見ていてな」 サファイア「やーれやれ、うちのチビスケやってくれちゃってさ、負けてないって暴れて大変だったんだよね?」 そこへ、トパーズとサファイアが歩いてくる。 それを見て、慧が起き上がり、バックルを構えなおす。 トパーズ「君で最後だ、覚悟しろよ。私は白鳥と変態とバカが大嫌いだ。変身」 サファイア「あたしを見て言うなよ!!変身!!」 S慧「・・・ふふふ、あははは、上等じゃない。あんたたち全員殺してやる。こいつにあんたたちを傷つけたという絶望を刻ませてやる、私は、こいつを壊してやる!!変身!!」 Aバルキリー「ぐあああああああああああっ!」 Gバルキリー「嘘っ!?」 Sバルキリー「私は負けない。慧なんか、怖くないっ!!私は、選ばれた者なんだっ!!!慧なんか・・・あんな家畜なんか・・・怖くないんだっ!私の居場所を、私のいたい場所を、あいつなんかにぶち壊されてたまるかっ、私の存在を汚させるものかっ!!!!赤薔薇に気に入られる?!青鰭に認められる!?許せない、あいつだけは許せない!!」 もはやヒステリーのような絶叫を上げながらガンフォームを蹴り飛ばす。 そして、パスを通し、雷が、吹雪が、嵐が全身を渦巻き、空中に舞い上がる。 Aバルキリー「まずいな・・・!!」 Gバルキリー「つーか、エメラルドの言ってたこと、マジみたいね。あいつ、もう完全におかしくなっちゃってる!!」 Aバルキリー「お前が言うんだから処置なしだな」 Gバルキリー「やかましいわ、バカ!!」 Sバルキリー「荒魔の力を思い知れ!!!」 照準が定まると同時にミサイルのように発射され、蹴りがアックスフォームとガンフォームに炸裂すると、大爆発を起こし吹き飛んだ!! Aバルキリー「バカなああああっ!!?」 Gバルキリー「うわあああああああああっ!」 二人がビルの屋上から投げ出され、落下していく。 下を見ると、夜の闇にまぎれて何も見えない。まあこの高さから落ちたら無事ではすまない。 Sバルキリー「これで・・・また二人だ。あははは・・・あとはあの赤いヤツだけ。それと封魔師・・・あんたたちを全員黄泉の国に案内してあげるわ・・・ふふっ!!」 >Sバルキリー まさに最強の『ヤンデレ』戦士 >ルーベット ルーベット「私はバカですからな、大事なもの奪われて、力及ばず朽ち果てて倒れても、どうしても取り戻したいと思う気持ちばかりが先走って、気がついたらもう一度立ち上がって取り戻すために突っ走っている。理屈とか力の差とかそんなものいくら聞かされても、結局は私がどうしたいしか考えてない」 「平穏な、少々暇なくらいなこの天明で、慧殿や皆と思い切り笑ってバカやりたい」 優しい笑顔で、しかし強い光を帯びた眼差しで話す言葉に、全員が胸を打たれる。 ルーベット「あの人と出会って、ほれてしまった以上、あの人の隣で一緒に歩いていくためには、いつどんなときでも背筋伸ばして、お天道様真っ直ぐ見て生きて生きたい。この空、慧殿が好きな青空がない。なら、私たちがでかい花火打ち上げて青く澄み切った青空にしないとね。さて、私は先に参りますぞ」 ルーベット「トパーズ、エメラルド、サファイア、琥珀、アメジスト、次会うときは・・・陽の下で・・・・待ってますからな」 これぞ「ルーベット」、女傑だねー。 >慧ちゃん&晶くん 慧(好きで強くなったりしたわけじゃないし…不幸じゃないのにな…どうして…喧嘩もうしたくないのに放っておいてくれないんだろう…もう…人間嫌いだよ…あたしのまわり…敵が多すぎるよ…苦しいよ…うう…もう…いや…だ…) 晶(イマジンだろうとレジェンドルガだろうと、己の欲望をかなえるためなら何にでもすがりつき、他人を蹴落とし、苦しめ、たとえ破滅しようとも己の欲望に囚われて自分以外を憎む…どこまでも堕ちて行くんだな、人間て言う生き物は) 二人とも、人間を憎悪していた。 自身にもどうする事も出来ない不運さを他人から嘲り、笑い、迫害され続けてきた慧。 その存在を守ろうと奮闘するも欲望に狂った人間に期待を裏切り続けられてきた晶。 二人とも苦労してるんだね。(泣) >白羽根ちゃん Lフォーム「ふざけてなどないっ!!あのお方を、慧殿を辱めるなあああああああっ!!許さん!!!あのお方は、慧殿は強いお方だ!!!私が一目で惚れた!!あの人のどんな不幸にもめげずに戦い続けるまっすぐな姿勢、後先考えずに行動する馬鹿さ加減、いかなる時も自分を失わずに逆境をぶち壊し続けるしぶとさ、すべてが私の憧れだったんだ!!」 Stフォーム「・・・何それ、まるで、慧がバカだからついていくっていっているようなものよ」 Lフォーム「その通りだ!!!私は慧殿がバカだから、大好きなんだ!!!普段は冷静で大人ぶっているのに、いざとなると一番真っ先に暴走して突っ走って撃沈するけど、懲りずに立ち上がっていく慧殿が好きで好きで仕方ないのだぁああ!!」 Stフォーム「・・・あんた・・・・救いようがないくらい・・・・趣味悪すぎ」 Lフォーム「あのお方に今でも、ついていって、良かったと思っている!!それまで、過去すらも存在もない私たちだったが・・・・あのお方についていって共にすごしてきた日々はすべて覚えている!!!あのお方がくれた“時間”!!どれ程嬉しかったことか!!たとえ、世界中の不幸が敵に回ろうと、誰が敵だろうと、共に闘うまでよっ!!」 慧組の面子はそこに『惚れている』から『強い』です。 ルーベット「・・・慧殿・・・・必ず貴女は助ける・・・・この命に代えても」 Stフォーム「やめろ・・・やめろやめろ!!!」 ルーベット「慧殿・・・・貴女に仕えることができて・・・今でもいえる。幸せだったと。心から笑って死ねる。貴女と一緒にいた過去を思いながら死ねるなど・・・幸せですぞ。貴女の舞台はまだこれからだ・・・・まだ幕を下ろすな。赤薔薇殿が言っていた。人生まさに一度限りの至上の舞台。ならば舞台の幕を下ろすことは自分で選べるけど、いついかなる時も自分が後悔されることがないよう・・・・最後まで生きてくだされ・・・それが私が貴方に託したい願い・・・・生きていてほしい・・・・慧殿・・・月並みだけど・・・これだけは言わせてほしい・・・・」 ルーベット「慧、貴方のことを心から、愛している」 そして、折れた槍の穂先をバックルに突き立てた!! バックルが罅を立てて割れ、バックルが崩れ落ちると、ストームフォームが変身を解除され、中から白鳥の化身スワンスペクターが飛び出してきた!!それと同時にルーベットが力なく崩れ落ちて…そのまま横たわり倒れこんだ。 スワンスペクター「バカな・・・慧を完全に抑え込んだはずなのに!!!」 そう、そしてそこにいたのは、自分が先ほど憑依していたはずの少女がいる。 そして、傷ついたルーベットを抱きしめ、涙をポロポロこぼし、顔を真っ赤にして泣きじゃくっている黒いロングヘアの少女がいた。 慧「・・・ルーベット?ルーベット?」 うつろな声をかけるが、ルーベットは答えない。瞳を閉じて、沈黙しているままだ。 慧「ルーベット・・・・ルーベット・・・・起きてよ・・・・あたしだよ・・・慧だよ・・・起きてよ・・・・ルーベット・・・・起きてよ・・・・」 涙がルーベットに零れ落ち複数の水滴となってこぼれおちる。 慧「ルーベット・・・嫌だよ・・・・死んじゃ嫌だよ・・・・あたし・・・まだルーベットに・・・返してないよ・・・・あたしの願いをかなえてくれたお礼・・・あたしが・・・あたしらしく生きたいって願いを・・・笑いたいっていう願いを叶えてくれたのに・・・・もっといっぱい笑っていたいよ・・・・ルーベット・・・・」 少し泣けた。(泣) そこへ飛び込んできたのは、ボウガンを構えていた青いメッシュを入れた眞子だった。青い光を宿した瞳が怒りに燃えている。 S眞子「お前だけは・・・・絶対に許さない。女の子だろうと・・・殺す」 サファイアの怒りに満ちた声が眞子からつぶやかれる。 T祥子「私たちを本気で怒らせるとはな・・・・引導渡してやる!!」 トパーズも怒りで普段の冷静さをまるで感じさせない荒げた声を出す。 A春姫「・・・あんた・・・・地獄が見たいようね・・・・」 アメジストも珍しく怒りと憎悪に満ちた声で静かに言う。 K彩乃「テメェは確実に・・・刺し違えてでも・・・殺す」 琥珀が暗殺者としての冷たい本性を彩乃の顔からも読み取れるほどの怒りを発する。 E奈々美「あたしたちの大切なダチを・・・・よくもやってくれたな!!」 剣を構えてエメラルドが涙を流して叫んだ。 そして憑依が解け、飛び出すと無数の軍団にとびかかっていく!! Sフォーム「あたしのビートで・・・イカせてやらぁああああああああ!!」 Aフォーム「全員チェックメイトだ・・・待ったなどきかんっ!!!」 Gフォーム「お前ら・・・全員ロックオン、確実に殺してやるよ」 ASフォーム「死刑台にようこそ・・懺悔も聞く気もないから殺すよ」 Pフォーム「闇に全員飲み込んでやる・・・・!!」 春姫「・・・許せません・・・」 奈々美「絶対に許さない・・・・!!」 眞子「眞子ちゃんも怒り完全MAXモードってやつよ・・・!!」 彩乃「すべてを断ち切ってあげる・・・・!」 祥子「皆!!いくわよっ!!」 「「「「「変身!!」」」」」 >慧組(サファイア・トパーズ・アメジスト・琥珀・エメラルド) >封魔師(春姫・奈々美・眞子・彩乃・祥子) まさかの全員『本気(マジ)キレ』、『ブチキレ』、『全力全開(フルドライブ)』モード(怖) その様子を上で見ていた智が「やっぱこうなるか」と呆れたようにスワンスペクターを見ていた。 智「まっ、はなからあんたには期待してなかったけどさ。もう少しあがいて見せろって」 >智(馬鹿)へ 一様、『未来』の君の将来の姿だよ。 そして、オーガバックルを取り出すと、バックルが黒い光を帯び、それをスワンスペクターめがけて投げ放つと、腰に自動的に巻かれだす。 スワンスペクター「な・・・何よこれ!?」 智「それ?まっ、ゲームも佳境、あんたが頑張れば荒魔の逆転勝利。いっちょ勝負に出てみないってことで、とりあえず、“あんた”は死んでよ」 >バックル うわ、呪い『バックル』ですか しかも賭けの掛け金は『命』で勝てば『荒魔』の勝利、負ければ『奈落』落ちか。 その時だった。 慧に近づく一人の人物がいた。晶だ。そして、かがむと、右手をかざした。 慧「・・・晶・・・?」 晶「ちょっと・・・待ってて・・・」 そして、チェックメイト・フォーのキングの紋章が光り輝くと、青い光がルーベットに宿り、見る見る傷が回復していくではないか。そして、ルーベットの口を開き、取り出したあるものを思い切り放り込んだ。 「生ハバネロ入り激辛唐辛子」10本分の唐辛子をまるごと、口の中に。 数秒後・・・。 ルーベット「・・・むぅ・・・・?」 そして、一気に眼が見開いたかと思うと・・・。 ルーベット「が・・・がらぁあああああああああああああああ!!!!!」 晶「ショック療法成功です♪」 天使のような笑顔で、口から火を噴きながら絶叫し地面を転がりまくるルーベットを見てあっけらかんと言う晶。 慧がぽかんとその様子を見ていると、ルーベットが口を真っ赤にして迫ってきた。 ルーベット「な・・・何があったのでしょうか・・・?」 晶「ショック療法だよ〜♪最新の方法ってね、口の中にタバスコや激辛唐辛子をたくさん突っ込むと死にかけていても飛び上がって起きて、一気に元気になるんだって」 ルーベット「おおっ!!ということは、晶殿に助けられたということか!!かたじけない!!」 「「「「「いや、そこ礼言うところじゃねーだろっ!!!!」」」」」 「「「「「それはありえないでしょう!?」〜?!」」」」 彩乃たちとイマジンズが全員で突っ込むが、ルーベットは「そういう方法があるのですなぁ」と納得しているようだ。馬鹿だ。 >晶くん(汗) それは『ショック療法』と言う名の『拷問』ですよ。 >彩乃たちとイマジンズ うん、その認識は『正しい』です。 二人が傷だらけの笑顔で拳と拳を軽く打ちつけ合う。 イグナイト「・・・なんだか絵になる二人だなあ。まるで、二人いつも一緒にいることが当たり前のように思えちゃう」 マータ「慧さんが闇なら・・・晶さんが光になる・・・」 ヴァーユ「アキが闇になったら、慧が光になる・・・・」 ヴォルグ「・・・・晶の隣には・・・もうあの子がいるのね・・・」 リクォール「・・・祥子ちゃん?」 ヴォルグ「・・・なんでもない。ふふっ、それじゃあ、派手に行くわよ!!彩乃!!」 イグナイト「はいっ!!」 >絵になる なぜかな、『夕日』を『背』に、笑顔で拳と拳を軽く打ちつけ合う『男(友情)の姿』 に思うの『自分』だけ? 天高く翳した剣から何体もの炎の龍が姿を現し、彩乃を中心に荒々しくも美しい舞を見せる。やがて龍達は彩乃に纏わりつき一つとなって巨大な火柱と化して、聖なる騎士へと変身させていく。 イグナイト「プロミネンスフォーム!!!降臨!!」 晶「こっちも行くよ!!変身!!」「ULTIMATE FORM」 慧「分かってる!!変身!!」 ルーベット「全身まとめてクライマックスですぞぉおおおおおおお!」 トパーズ「ああ、派手にいくぞ!!」 エメラルド「よっしゃああああ!!ルーベット復活記念じゃああああ!!」 サファイア「やれやれ、それじゃ役者はそろったし、やるとしますか」 琥珀「あたしたちの力見せてやろうぜ!!」 アメジスト「今回はちょっと楽しめそうね」 「CLIMAX FORM」 青い稲光が晶を包み込み、黄金の荘厳な鎧に身を包んだ異形の竜王と化したアルティメットフォーム。 そして、6つの光を受けて背中から翼をはやした極彩色の鳳凰を模した戦士・クライマックスフォームが立ち上がる。 >3戦士 カッコいいDEす。 慧(白羽根・・・あいつは・・・・昔のあたしそのものだ。人間を嫌っていた時の・・・すべてに絶望していた時の・・・・だから・・・全部にケリつけてやるっ!!) >白羽根 まさに鏡合わせの双子、希望が慧なら、絶望は白羽根。 Cフォーム「これが・・・」 Pフォーム「あたしたちの・・・!!」 Uフォーム「クライマックスだあああっ!!」 「「「トライアングル・ライダー・キック!!!」」」 極彩色の光が巨大な槍と化して飛び出し、青い光を帯びた竜が口を大きく開いて飛び出し、聖なる炎で包まれた不死鳥が一斉に三方向から発射されて大爆発を上げる!!! ギャアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!! 絶叫を上げて巨大な空の覇王なる存在が陥落した。翼も爆発によって吹き飛び、もはやその巨体を支えるものは存在しない。 そして落下してきたところへ、ヴァーユがボウガンを構えていた。 そして、青い水流の力が、緑の雷の力が、黄色の大地の力が、桃色の風に一つになって巨大な光の矢と化していた。 ヴァーユ「これで・・・ラストだぁあああああああああああ!!」 そして光の矢が額に直撃し、巨大な光が爆発しそれに包まれるかのように異形の姿が飲み込まれ、中から白い宝珠に白鳥の金色の像が入っている宝石が飛び出した。 それをつかみ取り、そのままアルティメットフォームとクライマックスフォームが変身が解除され、晶と慧の姿に変わり、それをプロミネンスフォームが受け止めた。 抱きかかえた眠りについている慧と晶の姿は、どこにでもいるような安らかな笑顔を浮かべている普通の高校生。 >合体必殺技 まさに『王道』です。 一方・・・。 その戦いを一部始終を見ていた、銀色のショートカットに甲冑を着込んだ一見小柄な美少女を思わせる可憐な顔立ちの少年、ルシファーと着物を肩まで大きくはだけて、豊満な胸をあらわにしている扇情的な服装に長い黒髪をかんざしで結った妖艶な女性が座っている。 ルシファー「たかが人間にしてはやるじゃねぇか」 アスモデウス「あたしもぉ・・ちょっと切り刻んでみたくなっちゃった・・・・うふふ」 アスモデウスが間接剣を取り出し、刃をレロリと紅をさした唇から舌を出して舐める。 ルシファー「バーカ、今回は偵察つったろうが。智のヤツ、何かあったら動けるように控えておけとか言っていたけど、結局先に帰っちまったじゃねえか」 アスモデウス「そりゃしょうがないじゃない。まさか、この地に宿っている殲鬼姫様とやらの怨念というか怒りに火をつけちゃって、無数のスペクターに囲まれて、ようやく自分がやばい状況に置かれているって気がついたんだから。一気に逃げるわよねえ」 マモン「大兄貴、やべぇぜ」 下から眼鏡をかけて、紺色のロングヘアをポニーテールに縛り上げた知性的な顔立ちの女性が上を見上げて言う。 ルシファー「何がやべぇの?」 マモン「囲まれているぜ。無数のスペクターとかに」 ルシファー「俺たちで腹いせに殺ろうってか」 アスモデウス「かわいい女の子一人もいないじゃない・・・やる気しないなあ」 ベルゼブル「どう・・・する・・・・・」 レヴィアタン「きひひひひひ、人間だろうとスペクターだろうと、あたしたちに喧嘩を売るならやることなんて決まっているじゃない」 サタン「そうだな。考えること自体無駄だ」 ベルフェゴール「・・・全員・・・・殺しちゃうの」 ルシファーが槍を回転させて構えると、獰猛な笑みを浮かべる。 ルシファー「だわな。さーてと、まずは肩慣らし程度にこいつら全員ぶっ殺すか。あいつらとの戦いも控えているからよぉ、しっかりと身体温めておけよ。ついさっきまで墓土と骨でしかなかったんだからな。体なまってて死にましたじゃ洒落になんねーぞ」 「「「「「了解、兄貴」」」」」 ルシファー「セブンズヘブンの実力、見せてやれ!!」 合図とともに、7人の凶悪極まりない殺戮の外道集団「セブンズヘブン」がいっせいに動き出した。 この日、たった1時間のうちに、すべてのスペクター(のみ)が皆殺しにされたという。 >あれ? 『号令』はルシファーで 『返事』はアスモ・マモン・ベルゼ・レヴィ・サタン・ベル としたら 誤「「「「「了解、兄貴」」」」」 正「「「「「「了解、兄貴」」」」」」 >鴎さんへ質問 5人の超荒魔がそろっている状態でないと変身できない『パニッシャー』フォームはラストで再び登場いたしますて書いてあったのですが 『オーガ』フォームと違うのですか? ちなみに『パニッシャー』は(執行人)だそうです。 >表記のお願い ソードフォーム=Sバルキリーだと ストームフォーム=Stバルキリー S慧=サファイアが憑依している状態なので SG慧なら、S=白鳥(スワン)・G=幽鬼(ゲシュペンスト) 白羽根に憑依されている状態になるかと。 A慧=アメジストが憑依している状態 AG慧なら A(青)・G=幽鬼(ゲシュペンスト) 青鰭に憑依されている状態になるかと K慧=琥珀が憑依している状態 KG慧ならK(コーサカス)・G=幽鬼(ゲシュペンスト) 黄兜に憑依されている状態になるかと |
10点 | 黒 | ■2010-06-25 17:34:42 | 210-20-28-195.rev.home.ne.jp |
どうも、小説感想、出させてもらいます。 冒頭から語られているルーベットと白羽根のぶつかり合い!そしてそこで語られていた慧と晶が内に抱えている人間に対しての“憎悪”の“思い”…。ある意味二人ともかなり辛い思いをしているのに、それでも誰かを守ろうとしている姿には憧れを覚える気がします。ある意味、どんなに辛い目に会おうとも、そのこと以上に自分を支えてくれる人がいれば乗り越えられるのだと、私は思います。このことは、現在進行形で慧ちゃんが晶やルーベット達と出会わなければ知りえなかったことでもあると思います。……どんなにボロボロになろうとも、大切な人のために命を賭けるルーベットの姿は、見る限り、まさに誇り高き“騎士”か“武士”を感じさせるものがありました。…ある意味彼女が男だったら惚れない女性はいないだろうって感じでしたな。 ボロボロになって倒れたルーベットを抱きしめて泣きながら彼女に目を覚まして言う白羽根から解放された慧…。そんな彼女達を襲おうとする白羽根ことスワンスペクターでしたが、そうはさせるかといつの間にか来ていた《バルキリーイマジンズ》と《封魔士ライダーズ》!!全員己の怒りを爆発させ、迫りくる敵を一気に殲滅する様子を想像すると凄まじいものがあります; …しっかし、折角のシリアスシーンなのに、いくらルーベットを起こすためとはいえ辛子を飲ませますか、晶君!?あんたかなりの“S”だよ!!んでもって納得すんな、ルーベット!!他の皆もツッコンでんだろうが!!?ホントに、慧ちゃんがあきれるのも無理がないと思います…; ……それにしても祥子さん、本当に残念な感じですね。ちょっと気になった男の子には既に好きな相手がいるってところが……。 …そして、最終決戦と言わんばかりに、智の手によって暴走体になったスワンスペクターとぶつかり合うことになったライダー一同!それぞれの主役格の『ライダー』である三人はそれぞれの最終形態(…『バルキリー』の場合は現段階的にだが…)に変身!!“各時の列車”も登場し、かなりの大バトルを演じる状態になり、最終的にトリプルライダーキックと“炎”を除いた属性の力を加えた『ヴァーユ』が放った“光の矢”でチェック!!ある意味とてつもなくカッコ良かった気がします!! …それにしても、まさか最後辺りに《セブンヘブン》の連中が登場するとは思ってもいませんでした。智の馬鹿のミスの結果、雑魚“荒魔”達と戦うことになったけど、それすらも殲滅させてしまうところはさすがといえましょう。ある意味今後の慧達の戦いに関して一番関係してきそうな気がします; そんな感じで感想は以上です。エピローグを楽しみにしています! それでは…… |
50点 | 烈 | ■2010-06-25 10:36:10 | 202.242.7.42 |
早いなー鴎さん!錆び付きまくりの私とは光速と鈍亀並の差がありますよ! それはともかく感想開始です。 今回、白羽根を通して私の中の荒魔の持つアイデンティティを鴎さんがきっちり 摑んでいるか分かりました!ありがとう!自分達以外を家畜と見なし、殲鬼姫を 頂点とし殲鬼姫に選ばれた自分達を真の支配者する極端なまでの選民思想。これぞ 荒魔達の行動理念です。 一方慧ちゃんに晶君、どんだけ不幸なんだよ。これだけ不幸で人間の負の感情に 振り回されまくりの鬱人生なら人間に絶望していてもおかしくないのに。 しかし、例え小さくても希望がある限り決して人は闇に堕ちたりしないもの。 例え不幸でも傍にいてくれるルーベットや皆がいてくれたから、白羽根のように 人を捨てずに生きてこれたのでしょうね。そう考えると慧ちゃんの言っていた通り、 白羽根は人間に絶望した慧ちゃんの成れの果ての姿なのかも。 そしてバトルも全員纏めてクライマックスな彩乃、晶君、慧ちゃんの最終フォーム登場という 大盤振る舞いの激燃え展開!しかもトドメは三人同時の必殺合体キック! 次回、エピローグ目指して頑張ってください! 彩乃「慧ちゃんは一言で言えば強い人。かなぁ。だってあれだけ不幸な目にあって 心無い人に苦しめられれば誰だって心が荒むよ。それなのに精一杯心を 捨てずに真っ直ぐ生きられるなんて、私には出来ないよ。」 眞子「正直私って自分が言うのも難だけど、結構恵まれてると思うのよね。だから なんで慧さんは今を強く生きているのか分からない。だからそういった 強さには」凄く憧れちゃうな。」 奈々美「私、慧さんになんて言ったらいいか分からない。でも、私、今回を通して 慧さんという存在を知る事が出来たから、自分なりに何が出来るか考えたい。」 祥子「人は闇を恐れながらも時にそこにある巨大な力に甘美な魅力を感じる。人は 自分が弱ければ弱いほど力を求めるもの。人が持つその欲望を否定する事は 誰にもできない。でもその力の渇望に魅入られず、人の持つ本来の力だけで もがこうとする慧は本当の意味で人を超えた存在よ。」 春姫「私には貴方の心を癒す事は出来ません〜。でも私は貴方と知り合え友達になれました。 ですから辛い事があったら何時でも頼ってきてください〜。同情や哀れみなら いらないと言われるかもしれませんが、同情や哀れみは他の動物にはない 人だけが持つ素晴らしいものだと思います〜。」 彩乃「最初祥子さんとフラグが立ったとおもってたけど、実際に目にして分かったよ。 晶君の心には慧さんだけがいるんだって。」 眞子「きっとお互い支えあってきたから闇に堕ちずに人の心を守り続けられたんだよ。 まさに、愛の力だね。」 奈々美「どれだけ慧さんを思っていたのか、赤薔薇や白羽根達を前にした時の 晶さんの顔、凄く必死で悲しそうだった。私、二人を応援したい。 これからも末永くお幸せにって。」 祥子「初めて会った時からダブって見えたのよね。昔の私と。そういう奴には 自分を縛り付ける怒りや憎しみ、悲しみを取り除いてくれる誰かが必要なのよ。 私には春姫がいたようにあんたの傍には自分の悲しみを理解し癒してくれる 娘がいる。もし悲しませたり不幸にするような真似したらあたしがあんたを ぶっ殺すからね!」 春姫「最初に会った時、一目見て似てるなって思ったんです。伊織お姉さんを 亡くした時の祥子ちゃんに。だからという訳じゃありませんが、晶君は 私にとって放っておけないんです。見ているだけでこっちまで 悲しくなってしまいそうです。ですから、慧ちゃんと一緒に何時でも 遊びに来てくださいね。」 |
50点 | イタリアーノリク | ■2010-06-24 10:47:10 | i118-16-179-58.s10.a022.ap.plala.or.jp |
どうも、黒です。お久しぶりです。 >鴎さんへ >タイトルに関して タイトルを仮面ライダーバルキリーたん&仮面ライダーイグナイト!! 「ミッドナイトカーニバル」で統一して >サブタイトル @『遭遇』A『作戦開始(ミッション・スタート)』 B「戦慄・ストームフォーム」 C『狂おしき愛情』 D『頭脳戦』E「戦う理由」 F「奇跡」 なんてどうでしょう。 >各章の感想を 「第一章」から >バルキリーオーガフォーム 左肩に薔薇、右肩に鮫、そして、左脚にハリネズミ、右脚に白鳥、頭部に黄金の3本の兜虫て、『クライマックス』と見比べるとバランス悪いなー(笑) >サファイアのEROレーダー 一目見ただけで3サイズや性格が分かるとは…まさに変態白鳥。 >「第二章」から >床をぶち抜き、落下し見事に頭を撃って気絶していた・・・。 ドリフのコントかい(笑) >「第三章」〜「第八章」まで >ルーベット さすが生粋の戦バカ…小細工や策略一切なしの、単純(シンプル)に『突撃』のみといったその姿はまさに『武人(もののふ)』です。 >エメラルド 質問…「新発明の“ステルスホーネット”」について 監視カメラの機能に気配を完全に消すステルス機能がついているだけでも十分すごいと思うのに エメラルド「もう少し時間があればいろいろ機能つけられたんだけどね」 いったい『どんな』機能追加してたの? >晶くん フラグ立てる…君はどこぞのエロゲの主人公?! 晶「・・・・ありがと・・・頼む・・・・」祥子「・・・・・・うん」 この時の映像を慧ちゃんが見たら…(怖) >サファイア 白鳥の姫君(白羽根ちゃん)のたわわな胸(おっぱい)や人魚姫(青鰭ちゃん)のキュートなお尻にゾッコンLOVE。これに萌えない日にゃ、王子の看板下ろすしかないね!」 >赤薔薇 『この世は舞台、人生は脚本、己は役者』だったかな? とにかくルーベットと勝負は『最高』だった? >琥珀 青鰭とアメジストにこんなこと言われる辺り、ご愁傷さま >青鰭とアメジスト 「「殺してやる!!」」 お前ら似たもの同士(とくに『琥珀』に関して)。 >青鰭 変態白鳥(サファイア)にはキュートなお尻ていわれて 青鰭「…だぁれのお尻がキュート…ですってぇ?あははは!!だぁれが人魚姫ですってぇ!?あはははは!!そぉんなに褒められるとぉ…斬り殺すのが楽しみになって仕方ないじゃない、もうっ♪」 最後 「何で・・・・・・何でよ!私は!私は青鰭!殲鬼姫様の下僕にして最強の荒魔よ!お前らなんて私の気分で泣いたり叫んだり命乞いしたり苦しんでもがくだけしか・・・能がないくせに!!」 AS「ナメんなよ、人間を」 P「イマジンもね」 まさに窮鼠、猫を噛むだよね。 >S慧(慧In白羽根) ストームフォーム 白鳥が舞い降り、虹色の光と共に雷雲、雨雲、嵐、雪の光が取り囲み、虹色の翼が広がる。 天候の力を取り込んだ最強最悪の戦乙女が舞い降りた。 元はネガ電王+電王ウィングフォーム+ウェザードーパント すみません 連続投稿します。 |
10点 | 黒 | ■2010-06-23 14:51:09 | 210-20-28-195.rev.home.ne.jp |
合計 | 120点 |