仮面ライダーセレナ第壱拾七話後編「ガイストモード/毒性衝動」
 コレまでの仮面ライダーセレナは


 変態は滅べ by赤坂鷹音


***








「ケケケケケケ、こんばんは、こんな時間に子供が夜遊びとは感心しねぇなぁ」
「五月蝿いよ、痴漢にどうこう言われたくないし」
「ケケッ!そいつぁ失敬」






 こんな遣り取りが有ったのと大体同じ時
 少し離れた所で黒いずんぐりした影――スカラベファクターの近くで、先程投げ飛ばされた黒い服を着た女性――クロが頭をさすりながら身体を起こしていた。

「いったぁ…いきなり投げ飛ばさないでよぅ…頭打った」
「仮面ライダーはアッチが受け持ってくれるみたいだな。
 あのやたら危なっかしい刃物ない以上、お前に俺を倒す術はないぞ」
「…ふん」

 スカラベファクターの字面だけは強気な言葉に、憮然と息を吐きながらクロはスカートの汚れをはたく。
 そして背中の翼を広げると、両手にそれぞれ数枚ずつ羽根を毟り取り、束ねたそれらから両手一対の長剣を構築する。

「お前を倒してから存分に見せつけてくれる!」
「あっそ」

 意味を考えれば最低極まりないスカラベファクターの言葉、しかし元が動物であるクロにとっては倫理の差からか特に気にすることでもなく、むしろ今のクロにとっては少しでも己の存在感をアピールする事の方が遙かに重要な事であった。
 翼を広げ、剣を構える。

「はっ!」
「うわっ!?」

 声と共に低空を突進して、スカラベファクターの肩口に剣を叩き付ける。
 当然刃は通らず、上の方に弾かれたそれをクロは反動が手に伝わる前に未練も見せずに手放し、半歩退いて反対の手に持っていた剣を、今度は腹部に向かって突き出した。

「ひゃあっ!」
「チッ…(効いてないか…なら!)」

 ソレも甲高い音を立てて甲殻に逸らされると、それも手放し、翼を広げて後ろに飛んで距離を取った。

「ッ!?まて!」

 その行動に不穏な物を感じたスカラベファクターはクロの後を追おうとするが、その前に上に弾かれていた剣が彼の上に落ちてきていた。

「も一発受けて見てよ!」“ドドゴォン!!”

 瞬間、スカラベファクターの頭上と足元、二本の剣が同時に爆発する。
 それもただ爆発するのではなく、柱状の爆炎が上下からスカラベファクターを挟み込み、衝突によって更に起こった爆発がその体躯を飲み込んだ。

「……やって…ないよね」

 爆煙と粉塵を目に捕らえつつ、再度剣を創造し両手に持ち直す。
 羽根の爆発のコントロールによる、爆発の衝撃と熱の収束。クロが新たに手に入れた力であり、現時点での彼女の最大火力でもあった。

 やがて煙が晴れ、スカラベファクターの姿が見えてくる。

「……」
「…ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ…ウゴホァッ!……ハァ、ハァ、も、モロ埃が入った…」
「………?」

 どうやら喉に粉塵を吸い込んでしまったらしく、激しく咳き込んでいた。
 が、その甲殻には相変わらず傷一つない。しかしクロは僅かに違和感を感じていた。上手く説明できない、不確かで小さな違和感。

「確かめてみるか…それっ」

 今度は両の剣をスカラベファクターに向けて同時に放る。

「くっ、でも効かないn“ドゴォン!!”ぶわーっ!?」

 真っ直ぐ飛んだそれは、しかしスカラベファクターに命中はせず、両脇に滑り込む様に肉薄し爆発した。至近距離で爆発を受け、またしても彼は喉を詰まらせる事になった。
 もしやこうやってチクチク攻めるつもりなのか?等と勘ぐってしまう程に。

「ち、窒息させるつもりか…っ?」
「……」
「普通じゃ攻撃が効かないからって…」
「………」
「お、おい、何か言えよ」

 応えないクロに、何だか不安になってくるスカラベファクター。どうやらこの隙に攻撃をぶっこめー、と言う思考は彼にはないらしい。本来戦闘中に敵に恐れを抱くのはマイナスな場合が殆どだが、中身が基本的に一般人なのでそれも仕方無い事であろうか。
 今のクロは、“黙って居れば”綺麗にカテゴライズされる様な容姿だ。裏を返せば、無表情ではやや愛嬌に欠けるとも言える。
 或いはそこに威圧感を感じる事もあるだろう。顔が整っている分、それはなおさらだ。
 やがて一度鼻を“すん”と鳴らすと、そこでようやく口を開いた。

「……あァ、成ァる程」
「?」

 バサリと翼が広げられ、黒い羽根が舞った。そして一度大きく羽ばたくと

「いけっ!」

 巻き起こった風に乗って羽根がスカラベファクターへと殺到する。

「ま、またかk“ドドドドドドドドドドドドドドォォッ!!”」

 案の定、羽根は彼の近くで一斉に爆発し、彼を炎と煙で包み込む。

「…」―――ドドドドドドドドォンッ!!

 しかしクロはそれでも翼を動かし、羽根を次々と送り込んで行く。当然、爆発は途切れることなく延々とスカラベファクターを襲い続けている。

“――――”
“――――――――”
“―――――――――――――”

 やがて一分程爆発を起こし続けた所で、クロは羽根を送るのを止めた。

「こんな感じかな?」

 クロはそう呟くと最後に一度、羽根を分離させずに大きく羽ばたき、煙を散らす。

「――――う…ううぅ…くぅ…」

 出てきたのは、やはり甲殻に傷一つ無く、しかしうずくまり苦しむスカラベファクターの姿だった。

「あ…が、身体が、いてぇ…お、前、何し、やがった…ぁ」

 苦しみながらも、どうにかクロに問いかける。
 それを見たクロは、してやったりといった表情を浮かべ、得意げに口を開いた。

「フライパンの上のお肉みたいなものだよっ!」
「い、や…訳、分かんね…」
「えー?あー、ええと…爆破した時さアンタの身体から、ちょっとだけどお肉が焼ける匂いがしたんだよね。だから焼いてみた!」
「っ…そういう…こと、か、っ」

 疑問で返されたのが不満だったのだろうか、ややめんどくさそうに、しかし態々説明するクロと、その言葉に合点が行った様子のスカラベファクター。
 爆発を受けてからのスカラベファクターの微妙な匂いの変化、甲殻越しに焼かれた肉のそれを、クロは微かにだが感じ取っていた。
 クロはこう見えても動物である。五感の感度は人間より敏感で、それがキメラとなった事で更に強化されている。僅かに漂うその匂いをキャッチ出来る程度には。
 そこから辿り着いた推測は、“スカラベファクターの甲殻は温度の変化をそれほど遮断できない”と言う事。そこに付け込んだ結果は見ての通り、内部を焼かれたスカラベファクターはダメージで動けなくなっている。

「さぁ、コッチはまだまだ余裕だよ、もっと焼いてあげようか?」

 這いつくばるスカラベファクターを睥睨し、羽根をトランプの様に構えた。
 その仕草にスカラベファクターが一瞬びくりと震える。

 カラスとは元来、陰湿で狡猾な生き物である(正確には学習能力が高いのであり、自然の中で暮らすカラスは普通の鳥レベルの頭脳だったりするが)。
 仲間内ではバカだの子供だのと舐められがちな彼女であるが、普段の言動は飽くまで元来の性格が子供っぽいのと、かつての根性焼きで心をへし折られた結果で、その本質は彼女とて例外ではない。
 いや、真剣にならないと物覚えが悪いのも有るのだが。
 馬鹿ではあるが阿呆ではない、或いはその逆、それが元都会派カラスであるクロという鳥の本質だ。

「が…くそ……ぅ、ぉ」
「降参して変身を解くなら許してあげるよ?どうかな」

 クロは勝利を確信していた。だが、だからといって直ぐに気を抜いてスカラベファクターへの注意を弛める程、彼女は愚かでも楽天的でもなかい。
 油断無く羽根を構え、神経の殆どを向けている。少しでも怪しい動きを見せれば即座に蒸し焼きに出来る体勢だった。


………しかし、否、だから彼女は忘れてしまっていた。そして、それへの対処が遅れてしまった。


“―――ヒュッ、ぺちょ”
「は?」
「お?」

 突如クロの背後の方からヌメッた赤っぽい紐の様な物が伸びてきて、その端を未だ蹲るスカラベファクターの身体に貼り付けた。

「おぅっ!?」

 次にその赤い紐が、ぐん!とスカラベファクターの身体を引っ張った。かなりの力なのか、その身体は路面から離れて宙に浮く。

「っ!?きゃっ!」

 そのコース上にいたクロはスカラベファクターをとっさに避けようとするも、間に合わずに肩口を翼ごと吹き飛ばされてしまう。

“ゴウっ”

 続いて頭上の方から何か大きな物が空気をかき分ける音。衝撃で倒れ込み翼も片側がスカラベファクターの直撃を受けてイカれ、咄嗟の回避も出来ない状況。
 何とか視線だけ上を向けるとそこに映ったのは…

「ひっ…」

……己に向かってハンマーの如く振り下ろされる、スカラベファクターの甲殻に包まれた巨体その物だった。





「ぅ、う……うぎゃ―――ッ!!“ごっ!”――きゅう」



***



「まさかッ!?」
『クロさん!』

 耳に突き刺さるクロの声。私とセレナはHファクターを探すのもそっちのけで声のした方に目を向ける。

「っ…い…って……」

 クロが居るはずの方向には、砕けた道路の上に倒れ伏して呻くスカラベファクター

「………」

 そして…その下敷きになって地面にめり込んだままピクリともしないクロ。

「! 拙くない!?」
『クロさんのナノマシン活性反応が急速に下降中』

 セレナが落ち着いているって事は死んではいないんだろう。でもスカラベファクターに押しつぶされる格好なのには変わりない。とにかく退けないと。
 そう思って駆け寄ろうとすると、スカラベファクターが身じろぎし、そのままの姿勢でイキナリこっち目掛けて飛んできたのだった。

「うおあー!?」

 危機感以上に吃驚した私は、間一髪ヘッドスライディングする様に伏せた事でギリギリ飛来コースの下を潜り抜ける事に成功する。

「ケケケケケッ、よそ見は良くねぇ」

 聞こえてくるのはヤッパリHファクターの声。背後で“ズシャ”とスカラベファクターが地面にこすれる音がした。この口振りからして、今のはアイツがやったのか。

「よそ見も何も、姿が見えないじゃない」
「ケッケ、そりゃそうか」

 くそう、ヤッパリ分からない…。スカラベファクターがクロの上から退いたのは良いけど。

「おい相棒、いい加減起きてくれよ」
「るっせぇ、お前がブン回すから吐きそうなんだよ…」

 げぇっ!スカラベファクターも起きてきた…。

「に、二対一…」
「ケケッ、最初に相棒を二人がかりでやっちまおうとしたヤツが今更何を?」
『タシカニ』
(お前が答えるなよ!確かに卑怯だなんて言う権利無いけどさ…)

 心の中で文句を言いつつ辺りを見渡す。だけど後ろでノロノロと立ち上がるスカラベファクター以外に姿は見えない。


―――ヒュッ
『来ます!』
「っ、くそっ!」

 微かに聞こえた風切り音に、私はセレナに答えるより先に前に跳ぶ。追撃を警戒して、耳に神経を集中させる事にする。

―――シュッ
「やっぱりかっ」
 案の定、私が着地して直ぐ、さっきと違う方向から再度の風切り音。今度は左に跳ぶ。
 くそっ、とてもじゃないけどスカラベファクターの行動に気を張ってる余裕が無い!

―――ヒュッ

 三度目。今度は後ろに一歩下がり。

―――ヒュッ
 更に後ろに跳んで…「おろっ!?」

 そこで私の体が跳んだのは、後ろじゃなくて少し横にずれた方向だった。こんな咄嗟の場面で予想外の動きをした自分の体に私の反応が追いつく訳もなく、背中から倒れ込む事になる。

「ちっ、おらっ!」
「―――っ」

 倒れた私の上から振ってきた舌打ち。それを聞いた私は確かめる前にその場から飛び退いた。送れて私の居た所に黒い足が踏み下ろされる。

(もう起きてきたのか…)

 いや、むしろ遅すぎた位だ。と言うより私が翻弄されている所にタイミングを見計らって割り込んできたのか。
 私はスカラベファクターに背を向けて走り出した。とにかくスカラベファクターから距離を離したかった。幸いにも硬さ以外は大したことが無い相手だし、視界に入れてさえいれば不意を突かれる事もないはず。

「さっきのはセレナがやったの?」

 逃げながら問いかける。“さっきの”とは突然足がもつれた事だ。

『あそこで警告しても間に合いませんでしたからね。
 必要な事だと認識できた(・・・)ので勝手ではありましたが動きに干渉させて貰いました』

 そう言えば私が気絶してる時に体を代わりに動かしていた事もあったんだったか。
 本来なら特殊な条件が揃わないと使えない機能らしいけど、今みたいにちょっと干渉する程度なら平常時でも出来るって事か?

「って、おっと、余り離れすぎてもいけないか」

 そこで体ごと振り向いてスカラベファクター達を視界に入れ直した。
 これで直ぐに包囲される事はないは…ず…

“ブゥン”
「なん…だと…?」

 しかし私が見たのは追いかけてくるスカラベファクターではなく、その黒い体が何かに持ち上げられる様に勢い良く空に飛び上がる所だった。
 それはブゥンブゥンと空中で振り回される様に何回か円運動すると、ハンマー投げのハンマーの様に此方にぶっ飛んできた。

「ひいぃっ!!」
『何と』

 流石に驚いた私は、今度は打算抜きで逃げ出した。

“ゴッォオン!!!”
「ひゃあああああああっ!?」

 黒い巨体は私の直ぐ後ろに着弾して、砕け散ったコンクリートごと私の体を吹き飛ばした。

「ケッケケ!残念残念、外しちまったなぁ」
「……イテェ、まだあちこちイテェ、しかも…うぷ…目が回る」

 変態共が何か言ってるが、私は聞いちゃいなかった。
 吹っ飛ばされた私は勢いのままゴロゴロ転がり

「ふべっ!?」

 少し離れた電柱に顔からぶつかって動きを止めた。幸いバイザーのお陰で鼻を打ったりはしなかったけど。

「うぅ…くっそ、やっぱこのまま(・・・・)じゃ無理か…」
『あんなやり方で機動力を補うとは予想外でしたねぇ』

「ケケッ、じゃ相棒、もう一発行くぞ」
「えぇー…」
「俺だって楽じゃねぇんだから文句言うな」

「やば、選択の余地無し、かな」
『クロさんは気絶しています。これなら巻き込んでも(・・・・・・)問題は無いかと』
「だぁね、まぁ他に問題が無い訳じゃないけど…」

 しかしまた今の攻撃をされたら敵わない。覚悟を決めて、起き上がりながらベルトのリングを()に合わせると

「コイツらに負けるよりはマシかなっ」

 弾く様にリングを押し込んだ。

 次の瞬間、セレナ本体(ベルト)以外のアーマー全体にヒビが入って、その隙間から紅い光が溢れ出した。




『ガイストモード』








(オイオイ、一体何する気だ)

 Hファクターは、スカラベファクターを舌で振り上げながら、様子のおかしい仮面ライダーを訝しんだ。 因みに舌を使っている最中だから勿論喋れない。

(ったく、相棒が露出した時に逃げない様に道を塞ぎつつ尻をさわるだけの簡単な仕事のハズだったのに…)

 そして突然、仮面ライダーの全身にヒビが入り、紅く輝きだす。

(マジでヤバイか?)

 そう思わずには居られない、不吉な紅。
 直ぐに攻撃を加えたいが、決して軽くない彼の相棒を撃ち出すには振り回すなどして勢いを着けなければいけない。どうやってもタイムラグが出来てしまう。
 すぐさま回転を加えて加速させるが、ソレを始めるのとほぼ同時に変化は起きた。

“ビシ……ボンッ!”

 白い仮面ライダーの全身が内側から紅い光に突き破られる様に爆発し、そこを中心にして白銀の霧が撒き散らされ、周囲一帯を包み込む。

「―――っ!?」

 霧はHファクター達の方まで届き、彼らをも呑み込んだ。
 スカラベファクターを撃ち出すのに十分な勢いが着いたのは、その一瞬後。

「――――っはぁ!!」

 とにかく状況を変える為にスカラベファクターを、仮面ライダーが居た方向に向けて放った。
 余程密度が濃いのか、その黒い巨体は一瞬で霧に紛れて見えなくなる。
 そして…


“――ドゴォン”


 離れた所から響く着弾音。霧のせいなのか、思っていたよりも小さくぼやけて聞こえた。
 しかしHファクターはソレを聞いて愕然する。
 何故なら―――

「……」

 何故ならその音が聞こえてきたのは――――


「おい……何の冗談だ」


――――何故か空しかないはずの上から(・・・)だったのだから。





【おい……何の冗談だ】
「おおぅ、説明書通りに上手く行ってるね。奴等の位置も手に取る様に分かる」
『ええ、「ミストセル」の機能は今のところ問題は無いようです』

 私のかなり前方(・・・・・)から聞こえてきた轟音と、Hファクターの戸惑う声を感じて(・・・)、私はこの姿が思惑通りに働いている事を確認して一先ず胸を撫で下ろした。

 霧の結界の中心であり発生源となった私の姿(ガイストモード)は、今までとは違った傾向の変化を果たしていた。モードを象徴する色――この場合は紅――のラインが走っているのは他のモードと同じだけど、その他の部分が違う。いつもはどのモードでも白が基本なのは変わらなかったのが、このモードに限っては、まるで白さを霧として吐き出しきった様な漆黒に成っていた。血の様にも見える紅いラインのせいで、今の私はどっちかと言うと悪魔系な姿なんだろうと思わずには居られなかった。

「よし、さっさと決めよう」
『トランスフォーム:ガイストリッパー』

【そこかっ!】

 セレナの読み上げ音に反応したのか、Hファクターが舌を伸ばしたのが分かった。
 ま、無駄なんだけど。

【よし、つかまえt…うおっ!な、何で地面に!?】
【うぅえ…くっそ、お構いなしにブン回しやがって…】

 私に向かって伸ばされたハズその舌は、まっすぐに地面を捕らえ(・・・・・・・・・・・)、それを思い切り引き寄せたHファクターは体ごと地面に叩き付けられた。

 そんなHファクターと、目を回してorz状態なスカラベファクターを放って、私は悠々とバックルからキーを引き抜いて左手に現れたガイストリッパーのスリットに宛がう。

【今度こそ…ふぶっ、こ、今度は壁っ!?】
【とにかくココから出て、うおっ塀が。ならコッチに行けば…また塀だと!?】

 変態共は思った通りの行動が出来なくて混乱しているようだ。

 この霧から逃げるのは、まともにやってもまず出来ないし、この中で私を見付けるのはもっと無理。そしてコッチは相手が何処にいるのか、何をやっているのか手に取る様に分かる。
 範囲内の存在のあらゆる感覚を狂わせ、私にとっては逆に感覚器になる霧。
 それこそがこの霧…ガイストモードの能力だ。
 説明書によると、霧の影響を受けた相手は外部からの情報どころか、自分自身がどの方向を向いているのかすら誤認させられるらしい。
 ガイストモードの見た目に相応しい、陰湿で悪魔っぽい能力かもなぁ…。
 最大の欠点は、効果は範囲内全てに及んで対象を選べないって事。
 だからクロが気絶したのは都合が良かった。

 姿を消そうが気配を消そうが問題じゃない。実体があるのなら霧に触れることで感知できる。

『イグニション』

 セレナの声と共にガイストリッパーから毒々しい赤黒い光が漏れ出し始める。

「っ!?」

 その時、私の頭に鋭い痛みが走った。一瞬だけど、とても強い、それでいて不快じゃない。
 何だろう、この、感覚……懐かしい?

『マスター、どうかしましたか?』
「っえ、っと」

 セレナの声でトリップしかけていた意識が正常に戻る。
 今の感覚は何だったのか。懐かしいと言う感覚。でもそれが に対しての物なのか分からな い。

「と、とにかく終わらせよう!」
『? はぁ』

 誤魔化す様に ガイストリッパーを構えて駆け出す。戸惑う変態ズの位置はミストセルが正確に教え てくれる。相手は私を認識できず、此方からの補足は 完璧。
 だから問題無い 。距離を詰めて、この輝くガイストリッパー でHファクターを―――



―――ころそう。
 どうやろう。くびをきろう。
 ああそうだ、それがいい。
 くびをきればキメラでもしぬ。
 キメラをころさないりゆうはあるか?ない。
 “やつら”のいさんをのこしておくりゆうがあるか?ない。
 ころそう、ころせ、それがいい。
 ほらもうめのまえに。
 これをふりおろせば―――
『いい加減、起きろっ!!』―――っ!?

 気がついてみれば、私は赤黒く輝く刃をHファクターの首に向けて下ろそうとしていた。
 むこうはミストセルの作用で、こんなにも近付いている私に気付いていない。



「―――――っ、ああああああっ!!」“ゴッ”



 私は、首を刈らんと振り下ろされようとしていた左腕に、思い切り右拳を叩き付けた。

【こんどこそっ!】

 私の声が聞こえたのかHファクターは反応するが、振り返った方向は真下。
 当たり前だが私は其処に居ない。
 殴ったことで逸れたガイストリッパーの赤黒い剣閃は、首を切るはずのコースから外れ

“シュッ”

 その肩の辺りを僅かに掠めて終わった。

(私は今、何をしようとした…?)

 振り切ってから私は愕然としつつ安堵した。
 殺したかった訳じゃ無い。だから首を斬らずに済んだのは良かった。とは言え…

「外したね」

 ボコってブタ箱に叩き込みたかった訳でもあり、全くのカス当たりも好ましくなかった。

『いえ、問題有りませんよ』
「え?」

 予想を裏切るセレナの言葉。一体何が問題無いのか、あんなギリギリ当たっ…た?程度の深さなのに。
 そう思っていたら変化は直ぐに訪れた。

【ぐ…ぅぁが…ぐああああああああ!!?】
【あ、相棒!?どうした!】

 ガイストリッパーが当たった部分が、その輝きと同じ色にジワリと染まり、Hファクターは苦しみ始める。

「え、え、えええぇ?」
『マスター、説明書の必殺技の部分、読んでなかったんですか?』
「…うん」
『一言で言えば猛毒の刃、って事です。
 擦っただけだろうと、当たれば終わり、そんなレベルのね』
「恐っ」

【く、ぐぎああぁぁっあああっ!!」

「なっ!?く…っ」

 その時、全くの偶然か、もがいていたHファクターの両手が私の方に伸びてきた。
 当然、私は焦って避けようとするも、再び頭に走る激痛に思わず足を止めてしまった。
 ヤバイ、ガイストモードはニムブルモードと同程度の装甲しかない。
 やられる!?そう思ったが…



“ぺたり”



「はっ!?」



“ぺたぺたさわさわ、さわさわさわさわさわ――”



「は?…へ?」

 その両手は、私のの辺りに張り付き、無遠慮に撫で回した挙げ句…










「―――――畜生っ “がくっ”」








 そう言って崩れ落ちた。

「……ど、ど、どどう言う意味だゴラァぁぁぁ―――――!!!」
『マスター落ち着いテ!きっと変身してたから!装甲越しだったからですよ!』

 人の胸をあんなに触って置いて(アーマーの上からだったけど)出た言葉が「畜生」だと!?
 激情のまま、私はガイストリッパーをHファクターに叩き付けた。

“パキン”

 殺す積もりはなかったので刃を立てずに叩き付けた訳だが、当然ガイストリッパーは軽い音を立てて粉々になる。
 それと同時にHファクターも小爆発を起こして人間に戻った。

「……」
『……』
「…し、しまったぁぁぁ――――っ!!」
『あーあ、まだ終わってないのに…』

【おい!おい!!くそっ、やられたのか!?】

「ええい、ガイストリッパーをもう一度構成しなおして…“ブツッ”っ…あれ?」

 そこでまた襲ってきた頭痛と同時に、さっきまで判ってた周囲の状況がボヤけ始めた。

『ミストセルからの情報が不安定化しています。やっぱり碌に動作実験していなかったから…』
「おい、リハーサル位しとけや」
『時間の都合です』

 コレだから大人は…。気にしても仕方無い、今は…

「一度戻るか…コッチまで影響受けたら問題だし」
『そうですね…モードリリース』

“カシャ、ヒュオオオォォォォォォ―――”

 霧が私にまとわり付く様に私に集まり始め、黒くてやや刺々しい装甲を白く染めて行く。
 そしてその後二秒ほどで私は元の姿に戻った。

「―――っふぅ」

「お、おお?霧が晴れた…ってゲェ――――ッやっぱり相棒がやられてやがる!」

「っ!逃がすか…ってうおぇ?」

 霧が晴れて解放されたスカラベファクターがHファクターの状態を見て逃げだそうとするのを、すぐさま追いかけた私だったが、直ぐに足がもつれて膝を付いてしまう。

「…セレナ!?」
『私じゃありませんよ』

 って事は私自身の不調か?アーマーの不具合ならセレナが気付かないはずはないし…。

「何だか分からんが…俺は逃げる!一人でなッ!!」
「あ、待てこんにゃろっ!」

 翅を広げて浮かび上がり始めたスカラベファクターを止めようとしたが、どう言う訳だが足に力が入らなかった。

「なん…で…っ。このっ!」“カシャ”
ディストモード…大丈夫なんですか?』
「無理でもやるしかないでしょうが…」

 グリップだけになったガイストリッパーを拾い上げ、キーを挿しっぱなしにしたまま赤いスティックを引き抜いて、緑色の物を叩き込む。

「(クロが使うのは斬撃と爆発だった…なら)赤い方で!」
トランスフォーム:ディストジェミニ…イグニション:パターン【フレイムストライカー】

 二丁の拳銃を接続するというプロセスをすっ飛ばして緑色の光の中から現れたのは、紅と橙でカラーリングされた、大型のライフルみたいなモノ。
 クリスタルランチャーに比べて、より細身でより長い。

『バイパス解放、照準リンク、チャージ開始…マスター、大丈夫なんですか?』
「いいからやる。今はそれだけで良いでしょ…」
『とは言っても、今のマスターの体力だと出力は66%が限界ですよ』
「それ、でも…っ」

 ヤバイ、フレイムストライカーを構える腕が震えてきた。足だけじゃなくてコッチにまで影響が出てきたか。
 バイザーに現れた〔田〕が捕らえるスカラベファクターは、もう大分小さく見えている。

(くっそ!どうなってるのさ、この体は!)

 あちこちが思う様に動かない。何が起こっていて、何が原因なのか、どのみち考えている暇はなかった。
 無理にでも震える腕で照準を合わせる。そして、定まらない腕で、外れるのを覚悟で引き金を引こうとした時


“ジッ”

「『?』」

 聞こえたのは遠く、小さな音。同時に、スカラベファクターに向かって歪な軌道を描きながら伸びる光を見た気がした。




“     ――――――!!!!”




「ひゃわああぁぁっ!!?」
『!』

 聞こえたのは「ドカーン」とも「ビシャーン」とも「ゴロゴロ」とも付かない、或いはそれらを全部混ぜた様な、重く震える様な轟音。離れた所では、スカラベファクターが煙を上げながら墜落して行くのが見えた。
 一言で言うと、雷が落ちた時の音に似ていた、かもしれない。そう考えると、さっきの光も横向きの稲妻に見えなくもなかったかも、そう思い当たった。


「やーれやれ、何とか間に合ったわねぇ」

「えっ?」

 私とスカラベファクターの中間辺りの道の脇に立っていた電柱、そのてっぺんにいつの間にか光の塊が立っていた(・・・・・)
 ほんの一瞬前まで、そこには何も居なかったはずなのに。

「こんな時期にこう言うことをさせておくのは都合が悪いもの。ねぇ…」

 そしてソレはコッチを向いて言った。


「仮面ライダー、さん?」









「…イヤ知らんけど」

 問いかけられた私の最初の言葉はそんなんだった。

「だぁよねぇw」

 そう言って笑う光の塊――いや、よく見ると人の形をした物が全体から強い光を放っているようだった。

「ふむむ、こんなタイミングで私の姿をさらすのは予定になかったんだけど…」

 そう呟くソレの姿は、女の人のシルエットに馬と龍を掛け合わせた様なイメージの衣装を被せた様な感じで、頭からは斜め上に生えた一本角と、後頭部から垂れ下がる様に伸びる太い鎖の様な金色のパーツ…いや、よく見ると生えてる部分的に太い三つ編みの金髪に見えなくもない。
 右腕には大きく長い四角錐状のパーツが付いて、まるで右腕の肘から先が丸ごと突撃槍(ランス)の様だ。
 そして光に紛れて近寄るまで良く見えなかったけど、腰の辺りに金属で出来てるっぽい筒の様な物を二本下げている。
 体全体としては、所々から体毛の様な揺らめく()が生えていた。どうやらソレが輝いて見える原因らしい。
 
 そしてその光の生え方は、何となく以前見たフレイムファクターの炎の(たてがみ)を連想させた。

「まさか…エレメント、シリーズ?」
『ですがレーダーに反応はありませんし、データベースにも該当する個体は存在しません。
 本当にキメラかどうか』
「そりゃジャミング掛けながらココまで来たしね。反応があっちゃショックだよ」
『はっ!?』

 今のセレナの言葉は、内部スピーカーを通して私にだけ伝えられた言葉のハズだった。
 それに向こうが反応してくるとは…どう言うことなのか。

「不思議そうねぇ。でも残念、答え合わせは無しよ。自分で考えなさい」
「くっ、待て!」

 私は慌てて、電柱の上で踵を返す彼女にフレイムストライカーの銃口を向ける。

「止めなさいよ物騒な」“ガンッ”
「なっ!?」

 だがその瞬間、フレイムストライカーは金色に輝く四角錐に弾き上げられていた。

「い、いつの間に…」
「ん〜…今のが追えないなら私に喧嘩を売るのは止めた方が良いわね」

 右腕でフレイムストライカーを弾き、話し掛けてくる相手は今私の横にいた。
 目を離した訳でも、目眩ましをされた訳でもない。ヤツは、ディストモードでしっかり見ていたはずの私の認識を、ただ振り切って移動していた。
 だからって何もしないで降参する理由には成らない。そう思い、グリップを持つ手に力を込め、砲身を動かそうとする。

「こ、の「“カツ…”だから止めなさいって」っ」

 今度は、後ろから首元に四角錐が突きつけられていた。
 やっぱりその動きは見えなかった。こんな近くで起こった事なのに。

『各種センサーにも感無し、本当にただ速いだけ…?』
「不思議?不思議かな?タネも仕掛けもあるけど、別に感覚を誤魔化してる訳じゃ無いわよ」

 からかう様にそんなヒントを与えてくる彼女。

「貴女…何者?何しに来たの?」
「うん?女の子が痴漢を撃退するのに理由が要るのかな?」
『巫山戯てるんですか?』
「別に嘘は言ってないよ。まぁ、さっきも言った様に、ああ言うのが私に取って都合が悪いってのもあるけど」
「一体何がどう都合が悪いってのさ」
「それはダメだなぁ。そう何でもペラペラ話してあげる訳には行かないよ」

 振り向いてフレイムストライカーで殴ってやりたい気分だけど、ランスを突きつけられている状態じゃ下手に動く訳にも行かない。
 と言うかさっきから私の体もおかしいし、動いた所でどうにかなる物なのか…。

「ま、いずれ分かると思うわよ。むしろ、そうならなきゃいけないんだから」

「それってどういう…」

「だって―――私は貴方達、仮面ライダーが倒したがっている(・・・・・・・・)ハズの存在だもの」

「!?」

「ま、精々精進なさいな、じゃね」



 いつの間にか突きつけられていたランスの感覚はなくなっていた。
 慌てて振り向くも

「………いない…セレナ」
『反応は有りません。研究所のレーダーにも引っかかってないみたいです』
「そか…」

 目を懲らしても見える範囲にそれらしい光は見当たらない。
 逃げられたのか、見逃されたのか。
 どちらにせよもう終わったって事なんだろう。そう考えてフレイムストライカーを下ろす。

「とにかく封印して帰ろうか」
『ええ、ちゃんとクロさん回収していってくださいね』
「……」
『忘れてました?』
「あ、あははー」
『…はぁ、今怒っても仕方ないですね。早く行きましょう』
「よし…けほっ」
『どうかしましたか?』
「いや、ちょっとむせただけ。どっこら…」

 フレイムストライカーを杖代わりにして立ち上がろうとするが、途中で力が抜けて体ごと地面に倒れ込んでしまう。

「あ、あれれ?」
『立てないんですか?』
「いや、ちょっと待って…けほっけほっ…ごほっ!…っ」
『ちょっ!なんかやばい感じですよ!?っていうかバイタルも!』

 焦ったセレナの声が聞こえてくる。
 一方の私は、体に力が入らないわ、だんだん咳がキツくなるわで、少しずつ余裕が無くなってきてきた。いや、元からあんまり余裕なんて無かったけれど。

「あー、なんかマズいかも、ごほごほげほゲホっ“ぴちゃ”…え」

 小さく響く水が何かに当たるような音、そして暗くてよく見えないけど、顔の近くの路面に出来た赤くてくてツヤのある染み。鉄っぽいにおいが鼻をついた。
 0.2秒ほど考えて、この染みの正体を理解する。

「ちょwwwww吐血とかwwwwwwマwジwでwシャレにならんwwwwwwww」
『マスター!?マスター!!正気に戻ってー!!』

 混乱して思わず笑い出してしまった私に、セレナが泣きそうな声をかけてくる。

「wwwwww、ハッ」
『戻りましたか!?』
「う、うん…ゲホゲホっごほっ…がはっ!?」“ビシャッ”

 ま、また血が…。

『とにかく巻奈さん達に連絡を…』
「ごほっけほっ…くぅ!?あ、ああ…」

 更に私の体の異変は続く。

『今度はどうしたんですか!』
「あ、ぐ…い、たい…熱い…」

 全身を襲う強烈な痛みと熱。それがまるで体中で心臓が脈動しているみたいに波打っている。
 藻掻こうにも体は動かず、激痛と熱さに加えてもどかしさの中で私は苦しむ。

「ぁあぁ、ぐ…っ!……っぃ!……!…っ」

 その痛みと熱さはだんだんと大きくなり、思考も混濁して来た。

『マス……?…ス……!……り……て―――――』

 もう、セレナが何を言っているのかもよく聞こえない。
 とりあえず途切れ途切れな思考回路でぼんやり考える。

(うーあー、今日は痴漢を捕まえに来て、クロの胸に嫉妬して、痴漢が思いの外強くて、何とか倒したと思ったら片方に逃げられて、そしたらなんかエレメントシリーズが出てきて…最後にこんな状態)

 なんかあんまり良いこと無かったなぁ。そう心の中だけで苦笑するが、すぐに痛みでそれも続かなくなる。

(…痛いなぁ…熱いなぁ)
『――――――』

 なんか理不尽な気がするが、もう苛つきもしない、というか出来ない。
 セレナが叫んでるようだけど、もう何も聞こえない。目もかすんできた。

(はぁ…厄日だ)

 そう心の中でため息をついたのを最後に、私は意識を投げ出した。




***





 夜の町、もう窓から漏れる灯の数も減ってきている、しかし完全になくなることはない。
 そんな中を、建物の上を飛び移る様に突き進む光の塊がある。


「ふん、ふん、ふっふふ〜ん♪っと」
(やっぱ私が出たのは間違いだったかしら)


 後頭部から鎖状のパーツを尾の様に引き、鼻歌を歌いながら駆けるそれは、先程スカラベファクターを撃ち落とし、仮面ライダーセレナと問答を繰り広げていたキメラだった。


「らーらーるららーらー♪」
(探知能力と機動力を両立したキメラが私しかいなかったとは言え、迂闊だったかもねぇ)


 思案しながら一歩ごとにビルの屋上や高い家の屋根を飛び移り、街の外をに向けて最短距離を進んで行く。


「たったたー♪らったらったらんらー♪」
(しっかし、さっきの仮面ライダーの顔、何処かで見た気がするわね…)


 進んで行く内に、街の境目(・・)に差し掛かった。
 それを飛び越えるべく、足に力を溜める彼女、その全身でピリピリと微弱な電気が跳ねる。

「よっし、面倒だし一気に……“ゴゥオッ!!”っと!?」

 だが、それは突然横から襲いかかった炎の壁に阻まれた。

「くっ」

 間一髪それを回避するが、境目を飛び越える子は出来ず、体勢を崩して近くのビルの屋上に何とか着地する。
 そこへ一瞬遅れて、少し離れた建物の上に、もう一つ別の光に塊が落ちてきた。
 “ズン”と重い音を立てて『着地』したそれをみて、彼女は驚きの声を上げた。

「まっ、さか…よりよって…っ」

 もう一つの光の塊――赤く煌々と揺らめくソレは、片膝をついた姿勢から立ち上がると何も言わずに彼女に向かって飛び掛かってきた。

「よりによって貴方に見つかるなんてねぇ!」

 繰り出された拳の一撃を飛び退いて躱し、追撃で放たれた炎の塊を右腕のランスで打ち払いながらそう叫ぶ。
 ランスを構えて警戒していると、赤い光の塊…フレイムファクターの方から口を開いた。

「…貴様は何者だ。キメラがこんな所で何をしている」
「いきなり攻撃して来る人に教えると思う?」
「教えられない様な事、と言う事で良いのか?」
「…ご自由に」

 彼女がそう答えると、フレイムファクターは眼を細め、その鬣の揺らめきが激しくなる。

「そうか…なら―――」“ボンッ”
「げっ」

 そして破裂音と共に()がフレイムファクターの背後の夜空を舐め付くさんばかりに広がった。

「ここで灰になれ!!!」
「こ、ここでそんな技―――」

 フレイムファクターが咆吼し、その殺意が爆発する。





 そしてその殺意が形を持ったかの如く、炎の津波が周囲一帯の上空ごと、彼女を呑み込んだ。



***



『―――!――――!!』
(セレ…な…?)

 視界全てを包む黒。その()から響く合成音声の様な女性の声。
 それを聞いて、彼女は黒の中から抜け出そうと動いてみる。

(な、何だここ。体に絡みついて動き難い!)

 もがいてみても、体のあちこちに黒が纏わり付いて思う様に動けなかった。
 しかも今居る所はすり鉢状の凹みの底らしい。

「うっお――――!!くっあ――――――!!ざけんな―――――!!!」
『!――――!―――ん!』

 諦めず無理矢理掻き分ける様にして、少しずつ凹みを這い上がって行く。
 そして遂に…

「ぷはっ!!はーっ!はーっ!…っセレナ!」

 真っ暗な空間から、月明かりが照らす道路へ。

クロさん(・・・・)っ!』

 自分を呼ぶ声に、彼女はソッチの方を向く。

「ふひぃー…セレナ、どうかし…ってわぁー!!?」

 そこに有ったのは、血の海に沈む白い仮面ライダーだった。
 雑食動物であるクロに取って大量の血その物は恐ろしい物ではないが、いきなり目に入って流石にビビってしまう。

「ど、どぉしたの!?」
『説明は後です!とにかく私達を研究所まで運んでください!』
「ろろりょ、りょ、了解!へぇんしぃん!!」

 今のままでは体が小さすぎるので、戦闘態に変身するクロ。

「よっし、さっそく運ぶよ!」
『ちょっとクロさん!その前に服来て下さい、服!』
「服?」

 言われて自分の体を見下ろすと、いつもの様な黒いゴスロリではなく色白な肌色。
 一言で言うと裸。英語で言うとヌード(nude)であった。

「…何か問題が?」
『これだからアニマルはっ!良いから着て下さい。捕まりますよ』
「捕まるって…」
『白バイに繋がれて取り調べとか市中引き回しとかされる…かも…嘘だけど
「ひっ…ひきっ!?…直ぐに着てきまぁす!!」

 以前鷹音達にされた仕打ち、それはクロの心に深い傷を刻んでいた。
 慌てたクロは気絶する前に着ていた服を探してキョロキョロと視線を彷徨わせる。

「服っ、服は…あった!」

 さっき自分が藻掻いていた場所、路面に出来ていたクレーターに黒いタンクトップとスカートが落ちていた。どうやらさっきまで自分はあの中にくるまっていたらしい。そうクロは理解した。因みにパンツは見事にズタズタに成っていた。
 それを拾い、いそいそと着込む。

『早くして下さい!』
「無理言うな、ボク服着るの慣れてないんだから!」

 慣れない作業にもたつきながら、たっぷり1分半かけて何とか着終えた。
 もちろんノーパンノーブラである。

「うーん、腰の辺りがスースーする。こう、下から風が吹き込むというか…」

 しかもスカート+タンクトップ。因みにスカートはロングではない。
 もはやちょっとしたセクハラちっくな感じ。

「よし、それじゃ早速」
『その前にキメラ達の封印もお願いします!』
「え、急がないと『だから急いで!』は、は〜い…」

 セレナコアから吐き出された二つのリングを血溜まりの中から拾い上げると、クロは一度高く飛び上がってスカラベファクターとHファクターだったであろう人影を探す。そして両方の姿(裸)を認めると、それぞれの傍に降り立ちリングをセット、セレナの元へトンボ返った。

「やってきたよ」
『なら直ぐに私達を運んで下さい!』
「い、イエスマム」
『あとはスカートがめくれないように』
「?」

 労いの言葉がなかったことが悲しかったのか、幾分ションボリしながら仮面ライダーセレナ=鷹音を持ち上げ背中に背負う。だがその瞬間、クロはぎゃあと叫んで鷹音を取り落としてしまった。

「あ、熱っ!何じゃこの熱さ!?」
『いいから運ぶ!』
「ひーん、熱いよー、あとお腹減ったよー;;」

 半泣きになりながら背負い直したクロは、翼を大きく広げ夜空に舞い上がる。
 そして帰るべき方向に向き直ると、そちらに向けて一直線に加速させた。






 そしてその遙か後方で巨大な炎が星空を焼いているのを、幸か不幸か彼女等の内の誰も気付くことはなかった。



…STAGE END
@PF
2010年11月14日(日) 21時57分51秒 公開
■この作品の著作権は@PFさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
『話をしよう……

あれは今から360…いや、90日前だったか…まぁいい。
私に取ってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては多分…今し方の出来事だ。

彼には8通りのHNがあったから、何て呼べばいいのか…
確か、この話を書いた時は…@PF…そう、アイツは最初から言うことを聞かなかった。
私の言う通りにしていればな…
まぁ、良い奴だったよ』



ようやく…ようやく書けましたよ後編!
しかももう遅れかけてるネタを臆面もなく盛り込む、何て恥知らずっ!
オマケに超展開かつ尻切れトンボ、もう舐めてんのか!って言われても仕方無いな。
話分割してるのにこんなに間が開くなんて、自分の様な雑魚キャラがやって良い事なのか…?
ええ、これ以上ネガっててもしょうがないので、サクサク行きましょう。

軽く本編の解説を

・クロの新能力
本編でも書いた通り、羽根を纏めて変換することで剣の形や大きさをある程度変化させられる様になりました。
あとは爆発の制御。威力、方向、等を爆発の瞬間に制御できる様になりました。

・ガイストモード
黒い体に赤いラインのボディを持ち、本体を中心として半径20Mの球形に白銀の霧「ミストセル」を展開し、撹乱と認識拡大を行うモード。
この撹乱効果はかなり強く、範囲内の仮面ライダーセレナ以外の存在の方向感覚を徹底的に滅茶苦茶にしてしまう。
五感から入ってくる外部情報は勿論、自身の向いてる方向、行動をしている方向をも狂わされる事に成る。
ミストセルはガイストモードが散布していると言うよりは、ガイストモードの一部その物。
弱点は、考課対象の選択が出来ず、範囲内の存在には敵味方問わず無差別に効果を及ぼしてしまう事。
そして、ガイストモードが動くと、ミストセルも本体を追う様に動きはするが、その速度は非常に遅い為、ガイストモード自体の行動範囲も制限されてしまう事。

必殺技は『ヴェノムインパルス』
強い毒性を持つ赤い光を纏ったガイストリッパーで相手を斬ることでキメラのナノマシンを強制的に暴走させる信号を撃ち込み、最終的に戦闘不能に追い込む技。この効果は僅かにでも刃が相手に食い込めば効果が出る。
しかし現状、キメラ以外の存在には余り効果がない。精々前後不覚にする程度。

因みに、今回鷹音が血を吐いて倒れたのは製作者にも予想外の事態。
詳しい説明は次の…次の話で。

・光るエレメントシリーズ
スカラベファクターを撃ち落とした攻撃から分かる様に、電気を操るエレメントシリーズ。
外見イメージは聖獣『麒麟』
瞬間移動っぽいことが出来るが、タネも仕掛けもある。


さてこんな物でしょうか。
ではレス返しです。

>鴎さん

>琥珀「セレナ、お前一体どこでそういった知識仕入れてくるんだ?」
『まぁ、主にネットとかですかねー。ボイスは基本的に自作アレンジです。
 あとはテレビや動画からサンプリングもしてますね。
 サンプリングさせて貰えるのでしたら、慧さんやその他の方の声でお好きな言葉とか言って上げましょうか?あんな言葉やこんな言葉や「○○○」とか「×××」とか何でも良いですよ。
 フロッグポッドみたいな物ですかね?』
「自重しろ」

>スリーアウト、チェンジ。
>何ちゅう悲惨な展開で戦いに挑んでいくのやら。でもこう言った展開がセレナならではのユーモアあふれる雰囲気。
徹頭徹尾シリアスってのもガラじゃありませんし、トレハ殿みたいに突っ切ることも出来ませんからねぇ…こういう付け足した様なユーモアが限界です…;;

>晶「・・・・こ・・これは・・・キツ過ぎる・・・・よね・・・・・晶も男だし・・・・ううっ、何だか想像しただけで寒気と震えが止まらないよぅ・・・・」
>慧「あたしもケンカで何度も潰していたけど、かなり痛かったんだろうな・・・反省」
鷹「いやぁ、あの状況なら撃つでしょJK」
竜「(((;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

>琥珀「その純真さとひたむきさ、健気さはあんたならではの宝物だ。クロ、あんたみたいに素直で明るくて無邪気なヤツと・・・一人でもいいから知り合いがほしかった。あたしの周りが一筋縄じゃいかないバカぞろいでな・・・」
ク「て、照れちゃうな…えへへ」
セ『だからって調子に乗ってるとまた空気になりますよ』
ク「空気じゃない!出番が少ないだけだ!」

>琥珀(アメジストと同じ気配がするんだが・・・・ヤンデレってヤツか、おい)
>アメジスト「気が合うわね、自分が愛する人こそが世界のすべて、それ以外はゴミ、それでいいじゃない、ねえ、フォルテ?」
フォ『正直、確かにそうしたい所なんですけれどね…私は手も足もありませんから…やっぱり他の人に頼るしかないんですよねぇ…はぁ』

>トレハ殿

>博士のヘルメットが墓穴掘りマシーンに…
健「ちょっと思考感応の感度が高すぎるな…」
セ『でもそれって結局本音って事ですよね』
健「まあねーwww」
鷹「………」

>当初はあんま出ないみたいな言われようだったデイストモードが最近意外と大活躍。
>いやまあ出るに越したことは無いんですけどね。結構好きだし
正直自分でも予想外です。もっと使いにくくなるはずだったんですが、意外に有用な場面が多い…

>ぺったん娘ってのはその姿形のみならず、自分の体形にコンプレックス持っててそれを指摘されたりするとムキになってブチ切れたり反論したりするようなリア クションも含めて素晴らしいものなのです、ということを先日知人に話した所、なにか可哀そうなものを見る目で一瞥されました。ったく、これだから左翼は。
鷹「褒められてるのかな、バカにされてるのかな」
セ『両方じゃないですかね』
鷹「なにおぅ!」

>>【変】スカラベファクター【態】
>キャラ変わり過ぎワロタ。
>スカラベさんとカメレオンさんといいキメラの方々ってのはキャラ作りが重要なのでせうか。
まぁ、割と人それぞれです。でもキャラ作りする人は多いです(笑)

>ひだりさん

>>クロ(大)
>ボクっ娘、黒髪ロング、モデル体型、おまけに無邪気&無警戒……俺に善し、俺に善しだぞ!!!!!!
>ビジュアルもさることながら、内面であるボクっ娘と、クロ(小)の頃のままのキャラと言うのがまた素晴らしい……まさに俺得。
>戦闘面でも以前よりは戦力になりそうな感じで……今回は相手との相性が悪かったですが、今後も共闘があればキタイシタイです。
今回、裸族属性がついた…かも?まぁ、服を着るってこういにイマイチ馴染んでないだけなんですけどねw
あと、知らない相手にはちょっと腹黒になるかも。

>うん。………………ばかだあ(しみじみ)。
>ちょっと逸りすぎた中学生が思いついちゃうような事に一年以上の歳月を費やしちゃうキメラの人って……
>しかし手段そのものは改造人間だからこその芸当、これは考えようによっては途方も無いポジティブ野郎……ただし末期の変態!
まぁ、意識的に進化するにはこの位のアフォじゃないとなれませんw
つーか素直に覆面した方が色々釣り合う気が…w

>新たな力は、珍しいことに武器のみの先行登場。
>ていうかそんな事できたのかーと感心はするがどこもおかしくはない。
武器に関しては、モードに関係無く使用可能です。
但し、クラッシュモードがニムブルクロウを装着できません。腕のパーツ的に。
あとはクラッシュハンマーもクラッシュモード意外で使うには重すぎる。
それ以外は基本的に自由です。

>話戻して、切った野菜が再びくっつくのでお馴染み(馴染んでません)のスゴ技な太刀筋をデフォルトでやってのける単分子カッター。
>そんな鬼畜武器を振り回していざゆけ鷹音ちゃん変態を絹ごし豆腐が如くスッパンスッパンと……折れたあ!?
>ま、まあ便利すぎる武器に設定的・作劇的な都合で多くのデメリットがつきまとうのは悲しき宿命……にしても脆い! 脆いぞ!
薄ければ脆いのは仕方無いね。具体的な脆さとしては、氷細工程度です。

>ガイストモード自体は次回登場とのことで、そこでリッパーさんも復帰、鮮やかな勝利を収めてくれるに違いない。そう信じずにはいられないっ!
鮮やか…かなぁ?

>青嵐昇華さん

>男の娘って普通にうろついてるものかぁ・・・
>フッ、まったくいい世の中になったもんだぜ(ぉ
いや、ただの偶然です(ドきっぱり)

>内臓っていうか神経集中というか・・・ヒィイイイイイイイ!??!?!
>まぁ、こやつの場合は自業自得ですね。
まぁ、ちょっとやり過ぎたかな?w

>これと同じく扱いされるエレメントシリーズぇ・・・
>変態ファクターさんは要素組に謝るべきだと思うの。
早速出た要素組、決着はまた今度。

>あ、クロちゃんって言うと腹からガトリング出すサイボーグ猫思いだしま(ry
>ミーくんはオレの嫁!!
ミーくんは俺のお母さん!



では、こんな物で。
御意見、批判ありましたら、そう言うのも書き込み歓迎です。
物によっては直ぐに書き直して対応などもしますので、ココが分かり難い!とか、日本語おかしい、勉強しろ!とか、期待外れだ!ココもっとしっかりやれ!とかありあましたらどうぞ書いて下さい。


次回は、鷹音はお休みで、野郎共が主役な回に成る予定。
或いは茶夜編でもやろうか…

※誤字を修正
※描写に矛盾を発見、修正しました。その結果、クロのきわどさが更に酷いことに。どうしてこうなった!

この作品の感想をお寄せください。
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まーた点数弄ってねえよ。
許してくだしあorz
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ちょりーっす、転校生のYPでぇっす!(ウザい笑顔

> 変態は滅べ by赤坂鷹音
ちょっと じゅかい いってくる

>スカートの汚れをはたく。
たしかこの服はマジモンの服なはず。
それを綺麗にするってことはある程度の衛生観念は備わってるのか?

>「フライパンの上のお肉みたいなものだよっ!」
まぁ重装甲にすればするほど中の温度調整はやりにくくなるからねぇ。
こういうことに気がつくあたり、クロは意外と頭が回るのかもしれぬのう。
「賢い」とはまた違う気がしますがががが。

>『ガイストモード』
ガイストとか言われるとアポロガイストさんを思い出してしまうのだ、婚活に必死だったのだ。
しかしセレナのフォームはどれもこれも個性的でいいなぁ羨ましいなぁかっこういいなぁ憧れちゃうなぁ。
こうホイホイアイディア出てくるなんて妬ましいパルパルパル。

>「―――――畜生っ “がくっ”」
甘いな、やつは小さいおっぱい略してちっぱいのよさをわかっていない未熟者よ。
大きけりゃいいってもんじゃないんだよ、大事なのは感度――――おや、なんか霧が出てきt

>「ちょwwwww吐血とかwwwwwwマwジwでwシャレにならんwwwwwwww」
れれれ冷静になれれれ。宮に吐血とか一体何が起きたし……?

>「ここで灰になれ!!!」
れれれ冷静になれれれ。街中でそんなことしちゃいけんでしょうに。

>「ひーん、熱いよー、あとお腹減ったよー;;」
いっつも貧乏くじ引いてる気がするぞ。
俺のクロちゃんをいじめるとは……ゆ゙る゙ざん゙っ!!!

ではーこんかいはーこのへんでー。
10 YP(儚い海老、醤油のブリ天丼) ■2010-11-28 10:46:48 i114-190-82-238.s11.a028.ap.plala.or.jp
自分とこ上げてから伺おうとか思ってたら例の如く遅くなった次第です。
でも、いい加減ここらで感想を!!

・・・とかね意気込んでも皆さんもうほとんど美味しいとこ持ってってますよねぇ、ははは(ぉ

>変態は滅べ
チガウ、ボクハヘンタイジャナイ
カリニヘンタイダトシテモ、ヘンタイトイウナノシン(ry

クマァァァーーーーッッ!?(ぉ

>クロ
>「……あァ、成ァる程」
賢い!なんかクロが賢いぞ!!って思ってましたが・・・
あぁ、烏って賢かったですよね。失敬失敬忘れてました。

それで、囮捜査も終わりましたけどこの後の身体ってどうなるんですかね・・・?
今まで通り半ロリなのか、このままお姉たまのままなのか・・・
私にはそれだけが気がかりです(ぉ

>鷹音ちゃん
>おさわり
ハッハッハ、こやつめww
まぁ、野良犬に噛まれたと思っ・・・・あれもの凄く痛いらしいよネ。

>私の頭に鋭い“痛み”が走った。
>それでいて“不快じゃない”。
>“トリップしかけていた”意識が
ふむ、悦に入るほどか・・・まさか昔の鷹音ちゃんはこんなにもどえm(ry
あれ?でも、殺っちゃえ殺っちゃえ思考なんだからドSなのか・・・?
分からん・・・教えてえらい人!!

とかね、そんなとこばっかり食いついてるからクマーーーッッ!??(ぉ
冗談(?)はさておきおき。
いかんですねぇ、精神面でも肉体面でも何やら穏やかでないご様子で。
ホント最近踏んだり蹴ったりですねこの子は・・・鷹音ちゃんに救いの手を!

>麒麟さん
>内部スピーカーを通して私にだけ伝えられた言葉のハズだった。
電気信号とかから盗聴したのでしょうか。
麒麟さんならエスパー的な超能力があっても可笑しくはなさそうですけど

電気っていうと機械なセレナさんには天敵ですからね。
ショートとかしないようにお気を付けをおば。

しかし、挨拶帰りに火の人に引っ掛かるとは・・・なんという藪蛇ッ!!
寒い季節は火の用心ッ!!カッ!カッ!(ぉ

>男祭り
フフ・・・フフフ・・・

幼少時!!姉上さまから押し付けられた某乙女ゲーを!!
超勤しんでいたこの青嵐に!!死角なんぞは一ミリもなかったッ!!(マテ


と、言うことで次回もわっしょい楽しみにしてます。ワッショーイ。

50 青嵐昇華 ■2010-11-26 21:28:37 i220-221-121-203.s02.a040.ap.plala.or.jp
ズバッと遅れてひだり参上!
大丈夫、安心して。ちゃんと執筆作業も滞り無く滞ってるから!!
等と意味不明な供述はさておいて、チャチャッと感想へへへい。

>クロ VS スカラベファクター
なんか、ライダーじゃないキャラ……言い換えると、必殺技システムを持たないキャラクターの戦闘って珍しいですよね。アーンド、難しいですよねぇ……
勝利パターンみたいなものも作り難く、行動の一々を描写するとダレるし……というジレンマに苛まれながら毎回毎回戦闘を書いてます。アレッ気がつけば自分の愚痴垂れてた!っべー!
さておき、故にアイディアというスパイスが必要不可欠?な怪人VS怪人。
今回のバトルではBBQ奉行ことクロちゃんが見事な炙りテクを披露してくれました!
良き哉良き哉、こういう発想はひだりも見習いたいです! ただウチの属性持ちは風と雷の変態兄妹だけなんで、咄嗟にはスカートめくりとか感電プレイぐらいしか思いつきません(思いつかない方が良かったとは言ってはいけない)。
しかしもはや勝利は確定かと思われたクロが外部からの横槍(横ベロ?)でまさかの敗北。そして……

>セレナ VS Hファクター&スカラベファクター
1VS2! イッツァ・ピンチですね!
不可視のHファクターが堅固な甲殻のスカラベファクターを振り回す……これは強い。
単に強い相手を出すのは簡単ですが、難しいのはその打開策……今回のセレナ(鷹音ちゃん)のとった手段は……

>ガイストモード
新フォーム! 出てくるだけで勝利フラグ(ぅぉぃ)!
モードチェンジ時のエフェクトからして異色なガイストモード。剣主体のフォームなのに、と考えると増々もって異質な存在ですネ。
………………。
(ここから)ところでどうせ相手には知覚も視認も出来ないなら外装自体を全てミストセルとして噴出してしまって本体である仮面ライダーセレナ=鷹音ちゃんは全裸もしくは限りなくそれに近いあられもない姿を晒してしまっても良かったのではないでしょうか?(ここまで一息に気持ちの悪い笑顔で)
なんて世迷言は無視して頂いても結構ですが、すんげー能力だなあ。
むしろ今回がたまたまクロと共闘していただけで、普段はライダー一人で戦う場面が多いですし、仮に民間人なんかを巻き込まない保証があれば無敵じゃね? っていう。効果範囲を選べない以外に具体的な弱点欠点なんぞはあるんでしょっか。
そしてその必殺技は猛毒の刃――ヒット寸前まで鷹音ちゃんの意識を専有していたどす黒い思念も超気になりますナ――、カスっただけでお陀仏さ(死にません)!

>「―――――畜生っ “がくっ”」
ぼくもちくしょうちくしょうってなきながらさけんでおんなのひとをおっぱいをこねくりまわしたいです。

>エレメントシリーズっぽい人
馬と龍で麒麟な彼女は強敵っぽいですが、灰人くんとカチ合ったのはどうなるやらやら……

吐血とか引くわーwwwwな感じの鷹音ちゃんはどうなるどうなるどうなる次回……は、男祭り!? よし、許す!


この感想は、一度感想を書くか! と思い立つと最初から最後まで指先任せなヒドい文章を書き殴る事に定評のあるひだりがお送りしますた。
ではまた次回も超絶楽しみにしてマス!
50 ひだり ■2010-11-22 18:18:59 p5105-ipbfp303takakise.saga.ocn.ne.jp
新作楽しみにしておりました!!!
遅くなりましたが感想を投稿いたします。

>変態は滅べ by赤坂鷹音
これはまさしく「ヘブン」におけるほとんどのキャラクターには思い切り当てはまるお言葉ですな・・・。

暁「悪いやつばかりじゃないんだけど、いかんせん相手には疲れているよ。鷹音さんみたいに明るく元気で常識のある人がほとんどいないしな」

>「お前を倒してから存分に見せつけてくれる!」
悲惨極まりない死亡フラグ。
これだけは勘弁願いたいですね。

>カラスとは元来、陰湿で狡猾な生き物である(正確には学習能力が高いのであり、自然の中で暮らすカラスは普通の鳥レベルの頭脳だったりするが)。

マリア「ほう、なかなかの作戦を思いつきますね。しかしこれだけの作戦を思いつくほど頭がいいのにもかかわらず、諜報活動やセレナに関する情報を敵にリークしたりとか考えられないほどに・・・・ひどいものなのですか、根性焼きとは」

>「―――――畜生っ “がくっ”」
貧乳には貧乳の需要がある・・・・・。
穏「気にすることはない・・・私は好きである」
昴「うちらもそういうの好きだし(ロリコンでもあるし・・・)」
凛「鷹音さん、この二人にいっぺん根性焼きやってくれ。変態治るかなそれで?」

>ノーパン
穏「・・・・・・・!!神秘的な君の魅力にメロンメロン(パシャパシャパシャ)」
昴「まさか、上も、つけてないっ!?」
「「クロ様最高」」

暁「・・・・・こういう変態には気をつけてね」

>ガイストモード
霧を発生させて敵の思考を狂わせる上に、猛毒の刃とは・・。
「暗殺者」のそれを思い浮かべるような斬新でカッコいいフォームの活躍に興奮しました。毒を操れるということは・・・同じように戦いながらも体力の回復とかを図れるそんな機能のアーマーも作ろうとすれば作れるということでしょうか。無限の可能性に満ちているセレナの今後の活躍が楽しみです。

それでは次回も楽しみにしております。

50 ■2010-11-04 20:26:01 118.103.4.58
ここか、祭の場所は…!
と浅倉威ばりのテンションで呟いてしまいそうなレベルの盛況っぷりでありまして、遂にはセレナの最新話が投稿されたぜってなもんで感想失礼します。

>コレまでの仮面ライダーセレナは
毎回地味に楽しみにしてるこのコーナー。
今回はどんなネタを仕込んでくるのかと期待に胸を膨らませていたらですね、

>変態は滅べ by赤坂鷹音
耳が痛いッ!!
この言葉に心抉られる辺り僕はもう駄目だと思います。

>「お前を倒してから存分に見せつけてくれる!」
普通に最低過ぎて噴いたw
しかしながら今回のセレナ、心象的に何故かスカラベさんに感情移入してしまう…(ぇー
まあ近しい者同士親近感湧くってことですかね!…いや流石に露出癖は無いですけど

>【変】スカラベ焼き【態】
いやもうこういった押してダメなら引いてみる的な頭使った戦闘思い付ける人って羨ましいですホント。

>【変】スカラベハンマー【態】
敵同士の能力を活かした連携ってのもライダー作品では珍しいというか熱いですよねー。最近ではWでBとZのメモリ使ってた人達的な。

>(ったく、相棒が露出した時に逃げない様に道を塞ぎつつ尻をさわるだけの簡単な仕事のハズだったのに…)
ちょっと喋り方が変なだけの人だと思ったら結局変態でした!

>ガイストモード
剣を使うフォームって、ガイストリッパーさんが優秀なだけに武器だけあれば正直要らないんじゃないのと思ってたらまさかの霧細胞散布機能搭載。良い意味で予想GAYGUYでした。方向感覚狂わせるってのは恐ろしい。
でもこれって相手がキメラで霧に巻き込んでさえしまえば結構無敵な感じなんじゃないでしょうか。複数人に囲まれてても関係無いし、ガイストリッパーの切れ味からして防御は意味無いだろうし、毒がメインだからカスリさえすればOKだし。
その辺の鬼畜っぷりと今までのモードとは違うダークなカラーリング、戦闘中に出てきた謎の意識も相まって、なんかアナザー鷹音ちゃんと関係あるんじゃないかとか勝手に考えてみたり。

>フレイムファクター
灰人さんぱねぇぇぇぇ!久々の登場でエレメントVSエレメント(…ですよね?)とか展開的に熱いっす。

>野郎共が主役な回
男祭!!!!(ぇー
いいのかい、俺はソッチ系のSSでも構わず読んで(ry
と、あまり他人様の感想欄でやらかしますと失礼以前の問題というか通報されかねないので冗談はこの辺にしておきまして、次回はこれまでとは少し違った雰囲気のお話になりそうで楽しみです。或いは茶夜さんのお話でもこちらとしては大歓迎。
どちらにせよ次回に期待させて頂きつつ、今日の所はここで。それではー
50 トレハ ■2010-11-04 15:05:35 softbank220026120007.bbtec.net
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