仮面ライダーヘブン 第5話
第5話 「The hand discovers it the borrowing.」

星見市高原の丘の上にある喫茶店「フォーシーズンズ」。その近くにはかつてこの町の名士である華族が住んでいた避暑用の古びた洋館が人知れずあった。
昼間でさえも日の光がわずかに差さない鬱蒼とした森の中はひんやりとした空気に包まれており、その奥にある荘厳な二階建ての洋館がこの森の主であるかのように存在している。

かつては図書室として使われていた大きな広間には、あふれかえるほどの本で埋め尽くされていて、その真ん中で妖艶な色香を漂わせる美しく知性的な雰囲気を漂わせる美女、マリア・シャークエッジがソファに寝ころびながら本を読んでいた。
読みつくした本の量はもはや数知れず、数十冊以上の本が傍らに積み重なっており、読んでいる本の種類も分厚い辞典から週刊誌、漫画に専門書、理数系の専門用語が載っているマニュアルなどもはやジャンルすらも問わない。それを読み終えるたびに傍らにおいて、また読み出す。時々机に置いてあるコーヒーやサンドウィッチを口にする以外はずっと本を読みふけっているのだ。

これこそが彼女の欲望「探求心」「知識欲」というものである。
「知りたい」「学びたい」「勉強したい」「成長したい」という異常なまでに膨れ上がる好奇心を彼女は「読書」と「研究」というやり方で発散しているのだ。一見理知的のようにも見えるが、それは目的のためならばいかなる手段をも問わない危うさも秘めている。

マリア(・・・・セレスさんが言っていた石板。あれは1枚限りではない。あれは間違いなく時の列車、原初の列車のある場所や時代を指し示している石板。情報の漏えいを恐れて列車の封印とともに石板も封印されていたと聞いていましたが、まさかこの町で見つかるなんて。でも、妙だわ。どうしてそのことを聖が知っている?私たちを蘇らせたこと、アヴァロンの一族にうまく取り入るための手段とも言えるかもしれないし、まさか、今回のこの事件、私たちの知らないところで違う何かが動いている?そうだとしたら、石板をただ見つけて回収することだけでは、真実にはたどり着かない?それに、聖やイングリッド様の目的は何なの?エリザベート様にしたって、イングリッド様を蘇らせることで頭がいっぱいのようにも見えるし、イングリッド様はそれを利用して私たちを手ごまのように動かしているようにも思える節がありますね・・・)

ようやく今読んでいた「治水の研究」の本を置くと、眼鏡をかけなおし、スーツを着て、部屋を出て行く。自分が見つけ出した「疑問」「謎」を解き明かすべく。

マリア「アヴァロンに四天王、こんなものに何の価値もないわ。私はただ知りたいだけ・・・私の夢を・・・・私だけの“百科事典”を作り出すためにも・・・!!そのために、まあありがたく利用させていただきますよ、この地位や名誉もね」

彼女にとって「アヴァロン」や「四天王」の地位さえも「知識欲」の前には何の価値もない代物であるかのように、ほくそ笑んで部屋を出て行った・・・。

私の夢は、誰にも邪魔させない。


そして彼女が向かった先には、「フォーシーズンズ」があった。

マリア「・・・・その前にさすがに3日間何も食べずに読みまくったのはこたえますね・・・お腹空きました・・・・少しコーヒーとパンでも食べましょう・・・(グギュルルルル・・・)」

もはや空腹で倒れる寸前で、本能的に食事に向かったのであった。そうなる前に行け。
(研究に没頭しすぎてそれ以外が全くダメになるタイプ)


マリア「・・と・・・トーストセット・・・・一つ・・・・ああ・・・(グギュルルル・・・)」
暁「いらっしゃいませ・・・・って、マリアさん!?まーたぶっ倒れる寸前まで読書してたのかよ!?」
マリア「おや、この声は暁くんではありませんか。大丈夫ですよ、ちょっと3日間くらい徹夜してダムの本を読んでいただけです。今度、ちょっと最中ダムまで研究の一環で出かけるので、必要最低限の知識を持っておかないと」
暁「それで本人がぶっ倒れてたら世話ないだろ?もう、分かった。奥に俺が夜食用に作っておいたスープあるから、それご馳走するよ。ほれ、しっかりしろって、全く、大丈夫かよ?」

(暁視点)
全くこの人は・・・。
この人はマリア・シャークエッジ。本人曰く「イギリスからの帰国子女で、知識の見聞の旅をしている学者の卵」と言っている。世界中を回って色々な学問の研究をしているらしい。確かにこの人は頭がいい。それに人当たりもいいし、礼儀正しいし穏やかで物腰柔らかいし、時々俺が疲れていると「大丈夫ですか」といっては飴や健康にいいというお茶とかくれたりするから、俺的には結構好きだったりする。
だから、仕事終わった後、彼女が住んでいる洋館に時折差し入れでコーヒーや夜食を作りに行ったりしてる。なんていうか、彼女と話していると色々と知らないことや面白い話が聞けるから俺はマリアさんと話しをするのが結構楽しみだったりする。穏や凛、昴たちも彼女の気さくで穏やかな人柄をすっかり気に入っており、この店では大切な常連様としてお客様として、そして気心の知れた友人として親身に接している。特に昴とはパソコンのプログラムとか調べ物とかで彼女に惜しみなく知識を提供するため、親友のように話したりパソコンをいじったりしている。
だけど、欠点というのが一度興味を持つとほかの事に何も興味がなくなるというか、全く目に入らなくなる、意識から抜け落ちる、そのために徹夜でぶっ通し読書や研究をしまくって、ぶっ倒れる寸前でうちの店に来て食事をしていくのがもはや日課だ・・・。
いい人だし、俺のこととかみんなの事を気遣ってくれるし、物知りで色々と教えてくれるし、ほっとけないよな。

マリア「・・・ああ・・・美味しい・・・!!」
マリアさんが俺が作った巣篭もり風ブレッドコンソメスープとパン、サラダに自家製ジャムとバターとマーマレード(全部俺が作ったヤツな)、苺を砂糖で煮詰めたものを特製ヨーグルトに乗せたデザートを美味しそうに食べている。満足そうな笑顔がとてもうれしく思える。

暁「よかった」
マリア「暁くんは本当に料理が上手ですね。どこかのお店で働いていたんですか?」
暁「両親が共働きだからさ。レトルト嫌いだし、両親が病気にならないように俺に何ができるか考えて、まあ、栄養管理とか俺が支えようと思って、それなりに勉強しただけ」

昔からそうだったしな。
ファンガイアの王としてファンガイアと人間の共存という途方もない理想を果たすべく政務やファンガイアという種族の存在を理解してもらうためにビショップとクイーン、ルークの4人で世界中走り回っていて、仕事で家に帰ってきたことなんてほとんどないし、従者のファンガイアとかが世話に来てくれたけど、誰かに世話になりっぱなしなんてどうにも自分が何も出来ないままでいるようで嫌だった。だから、料理や洗濯、掃除とか自分がこの家を守ろうと決心し、小学校4年生から一人暮らしのような感じだ。
いつか二人が家に帰ってきたとき、いつでもくつろげる場所であるように・・・。
俺がしっかりしなくちゃな。


暁「まあ・・・・大したこと出来てないし、まだまだ学ばなきゃいけないこと多いからな」
マリア「・・・・学ぶとは?」
暁「色々さ。しっかりとした一人前の男になって父さんや母さん、そして、俺の大切な親友たち、同僚とか、何か困っていたら力になれるようになりたい」
マリア「・・・・誰かのために・・・・出来ること?」

暁(クリスやクロキバ、凛たち、母さんに父さんがいなかったら・・・)

マリア「君は不思議な人ですね・・・。どうしてそのようなことを考えられるのか」
暁「ははっ、気にしないでいいよ、ガキの言うことだしな」
マリア「いいえ、非常に興味深いです。どうして、誰かのためにそんなに熱くなろうとするのか、優しくなれるのか、強くなろうとするのか・・・私は知りたいです」

意味深な表情で考え出し、マリアさんが思考にふけっていく。
まあ、俺自身もどうすればいいのかなんて分からないけどな。

こうして、マリアさんとの夜の食事は終わった。

暁「・・なんだかクリスみたいだよな、マリアさんって」
クリス「いきなりどうしたんですか、暁?」
暁「いやさ、話していると安心できるというか、つい甘えたくなるというか」
クリス「ふえっ・・・!!!あ、いや、その、あの、ありがとうございましゅ・・・えへへ♪」
暁「たださ、不思議なんだよ。なぜか、人との触れ合いとか、誰かのためにやろうってことが不思議でならないっていつも言っているし、どこかクールでミステリアスだよな」
クロキバ「ほう、暁が他人にそこまで興味を示すとはな」
暁「・・・まあ、なんていうか、気になるっていうかね」



翌日。放課後に教室でいつものようにダベっていると、穏から信じられない話が告げられた。
暁「この間の博物館爆発騒ぎの犯人が、この町にいるだって!?」
穏が言い出した言葉に俺たちが唖然として聞き入る。
その事件とは、前回の話で襲撃された英国博物館で鳥の怪人によって展示されていた石板が盗まれ、爆発騒ぎが起こったという騒ぎだ。まあ真実はあのフレアとかいうガキ(アリスいわくあの鳥怪人はフレアの手下らしい)が起こしたイタズラ花火というはた迷惑なものだったんだけど、まさか石板を盗んでいたとは。

穏「・・・それだけじゃない。この騒ぎ、今回だけじゃなくて、第二、第三まであるみたい」
凛「マジかよっ!?」
昴「どうして?!」
穏「・・・・・・あいつらの会話録音していたら、博物館のほかに、まだ狙いのものがある場所を言っていた」
凛「それって、どこなんだよ?」
穏「・・・・・・くちなし池公園と、最中ダム」
昴「・・・・博物館と、自然公園と、ダム。つながりも何もなさそうだけど・・・」
穏「・・・・そこに石板があると言っていた」
凛「確か博物館から盗まれたものも石板だったよな・・・・?」
昴「どうしてそのことを警察に言わないの?」
穏「・・・・・・・・今後の諜報活動がやりにくくなる」
暁「・・・・バレたらお前が捕まりそうだもんな」
凛「そりゃ、否定できねぇわ」
昴「うん・・・・・」
暁「というか、お前、まさかくちなし池公園でも盗撮とかやってねぇだろうな?」
穏「・・・・・失敬な(ぶんぶん)」
昴「本当?」
穏「・・・・・・・・・神に誓って(きりっ)」
凛「この間撮ったアベックがイチャついている写真、あれ、くちなし池写ってなかったか?」
穏「・・・・・・・・・カマをかけても無駄(ふっふっふっ)」
昴「教えてくれたら暁くんのパンティあげるけど」
穏「あそこは絶好のアベックがイチャつき放題のスポット。おかげで隠し撮り写真のネタには事欠かない聖地にして行き着けの場所(即答)」

暁「アホか、テメェらああああああああああああああああああっ!!!!しかも、人のパンツ、何どこから持ってきやがったあああああああああああああっ!!」

昴のアホが!!!いったいどこから人のパンツなんぞ持ってきたんだ!?そういえばこの間干しておいた洗濯物が足りないと思っていたら、こいつがくすねておったか!!ちくしょう、珍しく家事手伝うとか言ってくれたから助かると思ってお願いしたのに!!
穏と昴をドロップキックでぶっ飛ばし、パンツを取り返すと、俺はかばんに押し込める。ああ、もう、こいつらは本当に・・・・!!

凛「お前ら、それ、犯罪」
穏「・・・・・・暁のほうがひどい」
昴「いくらなんだって、下着ドロボーくらいでかよわい女子相手にドロップキックかまさないよねっ!?しかも本気で!!!」
暁「・・・お前ら、やってることがことごとく犯罪者ギリギリアウトなくせに何を抜かしてやがりますかぁあああああああっ!!!」

ああ、もう、本当に泣きたくなる。
本当にこういったバカしかいないのか、俺の周りには!?
いや、クリスにマリアさん、凛は・・・だいぶましなほうだ。

それに、その情報気になるな・・・。
最中ダムにくちなし池公園か。最中ダムはここからかなり離れた場所にある山間部にあるんだよな。くちなし池公園は30分くらいでつく。でも、離れている場所を先に休みを使ってじっくりと調べてみる必要があるな。

暁(クリス、最中ダムとくちなし池に関する情報、第2諜報部隊の人たちに調べてもらえる?)
クリス(琥珀さんとアメジストさんですね。かしこまりました!!)


さてそれから1時間後・・・。

最中ダム。
山間部に位置する巨大なダムは連日の大雨による増水で、上流が波打つ激流となり緊迫している空気に包まれており、山間から吹く強風が雨を受けてダムや木々に激しく打ち付ける。

ダムの上からその様子を見ていた琥珀とアメジストは息を呑む。
琥珀「この長雨・・・・かなりやばいな」
アメジスト「川の堤防ももう限界まできているらしいわね。調査を早く切り上げるに限るわ」
琥珀「しかし、ダムの周辺を探し回ったけど、石板らしきものはないな・・・」
アメジスト「ダムの周辺、廃村跡、麓の寺社・・・・どこにもないわね」

そういいかけたとき、二人の目があるものを捕らえた。
その視線の先には・・・・ダムの付近をうろつきまわっている一体の異形。
それは、女性の体つきをしている姿に角が所々生えている巻貝を組み合わせたような姿をしているヤドカリのプレデター、ハーミットクラブプレデターだ。
そして、ダムの近くに行くと、水の中に飛び込んだ!!!

その様子を見ていた二人があるひとつのまだ探していない場所を見つけて唖然とする。

アメジスト「・・・・そういえば、ダムの底、昔は村があったらしいわね」
琥珀「・・・そうだよ、盲点だった。ダムの貯水池になっている廃村があったんだ」
アメジスト「敵が調べているってことは・・・」
琥珀「可能性がある・・・ってことだな」
アメジスト「こうなると、暁とアクアマリンに連絡したほうがいいわね」
琥珀「ああ、それともうしばらく敵の動きを確認しよう」
アメジスト「ええ・・・」

シャークプレデター「覗き見とは感心しませんねえ・・・」

後ろから声と同時に水の三日月型の刃が飛び出し、二人に向かって放たれる!!

琥珀「うおっ!!」
アメジスト「きゃあああああっ!!」

二人が吹き飛び、ダムへと急降下して地面に着地する。すると目の前にサメを模した怪人・シャークプレデターが現れた。二振りの青龍刀を持ち、悠然とした足取りで歩み寄る。

琥珀「くそっ、いくぞ、アメジスト!!」
アメジスト「ええっ!!」

腰にベルトを巻きつけると、パスを通す!!
オレンジ色の光と紫色の光が飛び交い、二人の姿を戦士の姿へと変形させていく。

琥珀・アメジスト「「変身・・・・!!」」

「Assasin form」「Phantom form」

暗殺者と奇術師、二人の歴戦の戦士たちが立ち、それぞれ武器を身構える。

Asバルキリー「さあ、尋問タイムだ。おとなしく聞かせてもらうぜ、お前らの目的をな」
シャークプレデター「嫌だといったら・・・?」
Asバルキリー「お仕置きタイムに・・・ようこそってところか?」

Pバルキリー「貴方・・・私の闇に染まってみる?」

二人が同時に飛び出すと、ハーミットクラブプレデターも飛び出し、アサシンフォームに襲い掛かり、シャークプレデターにハルバートを振り下ろしたファントムフォームと、それを青龍刀で受け止めるシャークプレデターが対峙する。

シャークプレデター「ふふっ・・・諜報専門の戦士の戦い方・・・・研究させていただきますね」

ハルバートを振り上げて襲い掛かると、それを青龍刀で受け止め、もう片方で切りかかり、それを避けると飛びのいたファントムフォームを逃がさんとすばやく駆け出し迫る。ハルバートの横なぎの一撃を飛び避けると、そのまま蹴りを繰り出し、頭部を何度も何度も蹴りつける!!

シャークプレデター「やあっ!!はあっ!!だあっ!!」

蹴りを受けてファントムフォームが吹き飛び、地面に転がるが、同時に手を開き無数のトランプを放ち、それが目くらましのようになり視界がふさがる。
しかしシャークプレデターは落ち着いている。

シャークプレデター「目くらましですか・・・・。なるほど、奇襲としては常套ですね。こういう場合、上か、もしくは後ろか、それとも・・・・」

かすかに聞こえる水音・・・。
呼吸、鼓動、不規則なリズムが入り混じる。

そして、前方から突き出されたハルバートを受け止め、驚きで目を見開かれているファントムフォームを見て笑みを浮かべる。ファントムフォームは信じられないといったように驚きをあらわにしている。

シャークプレデター「奇襲と見せかけて正面から・・・ですか。ですが、視界を防いでも、足音とか気配が悟られたら意味ありませんよ・・・?」
Pバルキリー「くっ・・・!!」

ハルバートを掴まれて動けない彼女を裏拳で吹き飛ばし、ファントムフォームが吹き飛び地面に転がる。何とか立ち上がろうとする彼女を冷たい瞳で見下ろしながら静かに近寄る。

シャークプレデター「面白い手品ですね。それでは、私もお恥ずかしながらお見せしましょう。貴方の子供のお遊戯とは違う、技をね!!」

すると地面にあった水が盛り上がり、見る見る無数の分身へと姿を変えていくではないか!!水から生み出した無数の分身が一気にファントムフォームに襲い掛かる!!
多数の猛攻にファントムフォームがハルバートを防いで切りつけるが、分身は水となってはじけ飛び、消えていく。しかしあまりの多さと、四方を囲まれているため、どこからか攻撃が来るか予測ができない!!


一方。
クナイとハンドトマホークでハーミットクラブプレデターと対峙しているアサシンフォームも苦戦を強いられていた。分厚い貝の鎧はなかなか傷つかない上に、敵の耐久力もかなりのもので、先ほどから何度も攻撃を続けてもまったくきいていないのか、右腕の貝のドリルを高速回転させて対抗してくる。その一撃はダムの地面を一撃で穴を開けてしまうほどである。素早さがウリのアサシンフォームも避けながら攻撃するヒットアンドアウェイ戦法を繰り出すが、スタミナがだいぶ消耗されていく。

Asバルキリー「くそっ!!!このままじゃまずい!!!!」
ハーミットクラブプレデター「グオオオオオオオッ!!」

ドリルを回転させて、地面に突き立てると同時に地面を転がり、ドリルが地面から抜ける前に手からネットを発射して動けなくし、動けなくなると、素早くパスをバックルに通す!!

「FULL CHARGE」

シャークプレデター「何ですか?」
Pバルキリー「今だ、隙あり!!」
Asバルキリー「ああ、いくぜ!!」

アサシンフォームが投げ渡したパス、そしてその位置まで一気にシャークプレデターを踏み台にして飛び上がるとパスを通し、紫色の光が全身を渦巻く!!

「FULL CHARGE」

Asバルキリー「一気に決めるぜ!!」
Pバルキリー「はあああああああああああっ!!」

二人が挟み込むように二体を挟んで一気に攻め込み、クナイとハンドトマホークをバツの字に構えてオレンジ色の光となって突撃し、ファントムフォームが両足を広げて紫色の光を帯びてそのままハーミットクラブプレデターとシャークプレデターに攻撃を仕掛ける!!

「「これで終わりだっ!!」」

ハーミットクラブプレデター「ぎゃああああああああああああっ!!」

火花を受けて大爆発するハーミットプレデター。しかしシャークプレデターは水柱となってはじけ飛ぶ。

Asバルキリー「これも、偽者!?」
Pバルキリー「本物はどこ・・・?」
シャークプレデター「ここですよ」

二人からかなり離れた位置からシャークプレデターが出てくる。気配を感じさせないあたり、これまで戦ってきたのは全て分身であったらしい。戦っている様子を高みの見物していたらしい。そして、吹き飛んだ部下の残骸を見て、顔色ひとつ変えずに冷静につぶやく。

シャークプレデター「ふむ、今後の諜報活動においては、耐久力やいかなる戦術にも対応できる知識と経験が部下には必要ですね。いいデータがとれました」
Pバルキリー「データ?まさか、あんた私たちの戦闘力のデータを盗むために部下を見殺しにしたの?!」
シャークプレデター「部下?ああ、そこの“それ”?こんなもの、ただの“実験道具”ですよ。代わりなんていくらだっていますしね。まあ、貴重なデータを得ることができましたし、彼女の役目はここでおしまい、ってところですね」
Asバルキリー「・・・・!!テメェ・・・・腐りきってやがる・・・・・!!情けも心もあったもんじゃねぇな!!!」
シャークプレデター「情け?心?情?・・・ふむ、そうでもありませんよ?最近は一人だけ、人間の男の子に興味を持っています。彼になら全てを委ねてもかまわないと思うくらい・・・・最近は心が熱く激しく彼のカラダを、ココロを追い求めている。ただ、なぜか、彼は自分よりも他人のために何かしようという不思議な思考を持っていて、それがなぜそこまで熱くなれるのか非常に興味深い。それ以外になど、興味なんてない。私の知識を満たすための実験道具でしかない。せいぜい利用させてもらうわ。使えなくなったらまた新しいものを用意すればいいのですから」

部下でさえも実験器具呼ばわりして、使い捨て感覚で見捨てる。
自分の欲望のためならいともあっさりと見放し、殺されても顔色ひとつ変えず、己の欲望のみに忠実な態度に、二人の怒りがもはや爆発寸前にまで膨れ上がる。

その時だった。

ヘブン「お前・・・・ムカつくな・・・・!!」

怒りで震える静かで重く低い声が飛び、振り返ると、そこにはマシンフレスベルグにまたがったヘブンがいた。仮面越しでもわかるように全身から激しい怒りを噴出している。

琥珀「暁!」
ヘブン「琥珀さん、アメジストさん、あとは俺に任せろ。こいつだけは・・・どうにも許せない!!」

バイクで一気に走り出しシャークプレデターに突撃を仕掛け、すれ違いざまに銃剣を繰り出し、それを青龍刀で受け止め、火花と轟音が鳴り響く!!
そして、バイクを止めると、降りて銃剣を振りかざし一気に走り出す!!

シャークプレデター「おや、アリスさんの旦那様ですか。私にまで手を出すつもりですか?」
ヘブン「余裕かましているヒマなんて、与えないぜ!!覚悟しやがれ!!」

銃剣と青龍刀の刃が激しくぶつかり合い、火花と轟音がダムに響きあう!!

ヘブン「部下をもの呼ばわりしやがって・・・・仲間をゴミみたいにあっさり捨てやがって・・・・!!!お前・・・・自分が何やったか分かっているのか!?」
シャークプレデター「何を怒っているのか分かりませんね?所詮実験器具なんて実験以外何も存在価値がないでしょう?私がどう使おうと関係ありません」
ヘブン「・・・・この、野郎ォオオオオオオオオオオ!!!」

(暁視点)
もう完全にブチキレた。
自分の部下や仲間を見殺しにするようなやつ、自分以外の命をなんとも思っていないやつ、俺は大嫌いなんだよっ!!!!!ぶん殴ってぶっ飛ばして二度と侵略なんて馬鹿なこと考えられないようにするまで痛めつけないと気がすまない!!!!
その上琥珀さんとアメジストさんをここまで痛めつけやがって・・・・・!!!

ヘブン「許さない・・・・お前だけは許さねぇぞおおおおおおおおおおおおっ!!」
シャークプレデター「激情にかられるだけですか、所詮その程度では私には勝てませんよ」

銃剣の攻撃を青龍刀でふさがれ、もう片方の剣の一撃で吹き飛び、たじろいだところへ奴が放った水流弾が地面に当たるたびに爆発し、水柱を上げる!!
しかしそれでも俺は銃剣を振り上げて一気に走り出す!!

ヘブン「仲間を大事にしねぇヤツなんざ・・・・俺はそんな奴らに好き勝手させられねぇ!!!絶対に許さない!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

シャークプレデター「分かりませんね・・・なぜそんなに他人のために怒れるのですか?」


その様子を見ていたセレス、フレア、アリスの3人が見ていた。
セレス「今度はヘブンも年貢の納め時かしら?」
フレア「じゃねえの?マリア、強いし」
アリス「・・・・・・ちっ」

アリスがその場を去り、苛苛しながらタバコをくわえて吸い出す。
ライターの炎を見て、その炎に暁を思い浮かべる。

アリス「お前はそんな簡単にくたばらない・・・私だけが分かるんだ。暁、お前はここでくたばるようなヤツじゃないよ」

続く
NEXT LINE 「Dancing sniper」
2010年11月04日(木) 20時06分58秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
あとがき
凛「仮面ライダーヘブン第5話を見てくださった読者の皆様!」
昴「いつも熱いご声援!!」
穏「・・・・ありがとうございます」

今回から、あとがきでこの3人組を登場させます。読者の皆様のご感想やご意見を取り入れ、今後の作品活動に取り入れてヘブンを盛り上げていきたいと思っております。

凛「今回の話のポイントを説明するぜ。まず、新しく登場した四天王の一人、シャークプレデターことマリア・シャークエッジ。知識欲を追い求める四天王で、この世の知識をすべて学んで自分自身がどんな知識や情報をも精通している百科事典になろうとしているのが彼女の夢らしい。しかし、一度熱くなるとほかの事に興味を示さないのが欠点。今回の話のとおり空腹で倒れる寸前まで読書しているしな」
昴「そんな彼女をプレデターとも知らずに、暁くんは放っておけないらしくて、いつも無料でご飯ご馳走しているんだよね。暁くんが珍しく気に入っているらしいの」
穏「・・・・女の教師に初恋する小学生のような憧れに近い感情を持っている」
昴「そして、彼女は最近興味を示しているのが“他人のために一生懸命になれる”こと。もしかしてそういった感情が理解していないから、部下も平気で見殺しにしちゃうし、誰かに対する興味がほとんどないというか、そういったことを知らないらしいね。それを激怒するヘブンの行動にも理解できないみたいだし」
凛「そんな中でも暁に興味を示したのは、もしかしたら何かの変化の予兆なのかもしれねぇな」

凛「そして今回のポイントは石板の正体が何であるかだよな」
穏「・・・・・作者によると、第9話で明らかにするらしい」
昴「それまでに残りの石板を手に入れるために戦うってことだよね。そして今回、ダムの周辺には何もなかったらしいけど・・・・いったいどこにあるんだろうね」

そして次回、新しいフォームが登場します!!

凛「それじゃあ、レスを返すぜ」

>烈様
凛「いつも応援ありがとうございます。烈様の暁、クリス、クロキバ、そして星さん、今後ともよろしくな」
穏「・・・機会があったらお話とかしよう」
昴「ボクたちで答えられるようなことならどんどん質問してね!」

>暁「……いや、いくら何でもほど過ぎだろ? 今回の話での【ヘブン】の俺の不幸っぷりって; 何気に昔の母さん(慧)よりも性質が悪い感じなんですけど!?」

凛「確かにな。でも作者によると、これから先さらに受難だらけになりそうだと」

>星「凛嬢の方はあっちの暁の事をただの弟分としてしか見ていないって感じがしたが、実際はどう何だ? それに【ヘブン】の暁のほうはほうで自分が凛嬢に抱いている“想い”に気づいているのか?」

暁「凛は小学校のころからの親友で、いつも大人びているししっかりしているし、何かあったら俺に任せろって感じの頼りになる姉さんのような存在だったんだ。でも今はもう俺も高校生だし、男として守れるようにならないとな」

凛「・・・俺は・・・坊主のことが男として、弟として、大好きなんだ。たださ、どうやってうまく思いを伝えればいいのか分からないというか、言葉が詰まっちまうし、恥ずかしくなってショートしちまう。でもいつか、ちゃんと告白して思いを伝えようと思っているよ」

>穏
穏「・・・・・・・暁の女装写真は高く売れる。だから、全神経集中していい写真を作らなければならない。ほかの雑念など考えている余裕はない」
昴「要するに忘れていたんだよね」

>@PF様
凛「仮面ライダーセレナ、いつも楽しく読ませていただいております!」
昴「ちなみに、作者は一番セレナさんと鷹音さんのペアがお気に入りとか」
穏「・・・クロさんセクシー過ぎて、いつも登場楽しみにしている」

>死ぬ事は墓場行きとは言うけど、何で墓場は墓場でも人生の墓場的な話になってるんだwww

暁「まだ17の身空でこれだよっ!?ホンット泣きたくなるぜ・・・・!」
アリス「いいじゃない、永遠の快楽と不老不死の命を持つことが出来るんだから」

>なん…だと…フォームチェンジする度に財布が軽くなる…だと?

暁「実はもう一人いるんだわ。俺の家計を圧迫させる大食らいがな・・・とほほ」

>トレハ様
穏「仮面ライダー鉄は名作・・・・。第2号ライダーの登場や己徹さんたちの暴走っぷりがテンポがよくって面白い・・・」

>初見で全くと言っていいほど違和感を感じなかった辺り、僕もフレア様と同レベルのおバカなんだと思います。

凛「まあ、晴れやかな笑顔で死を迎える心構えって思うのもある意味哲学だよな」

>いや着るんだ!?とツッコミつつ僕は断然似合ってれば性別なんて問題無いサ派なんですけどね!

暁「いや、そこは全力で止めてください!!!マジ泣きそうなんでっす!!!」

>と、いうことは、暁君は猫耳メイド服姿でファーストキスを奪われたってコト!?
暁「・・・・・・そうだよ・・・・・・・」
アリス「ふふっ、美味しかったなあ・・・・暁の唇。しかも見た目もかなり可愛いし、もう、最高だな」

次回もよろしくお願いいたします。

この作品の感想をお寄せください。
k729Q5 Appreciate you sharing, great post. Really Cool. 30 oem software ■2012-05-02 06:54:35 91.201.64.7
か〜な〜り〜遅くなりましたけど、まずは【仮面ライダーヘブン】《第5話》の感想を書かせてもらいます。

暁「…にしても何だな。今回の敵であるマリアさんって、しっかりそうに見えて、結構抜けているんだな。自分なりに知りたいことを調べているうちに、三日間何も食っていないってオチだもんな…;」

クリス「……《アヴァロン四天王》の人たちって、どこか抜けているところが多いのでしょうか?」

クロキバ「その可能性は大だな…; こんなんでいいのか敵の上位幹部;」

星「てか、よくもまあ、【ヘブン】の暁のヤツもマリアさんが敵さんだって気づかないもんだな…。ちょっとは怪しいかなって思っても不思議じゃない気がするが…」

彼女に普段の様子が様子だからじゃないですか〜? 普段の色々と調べ物をしているうちに何も食べていないって駄目人間ぷりや人のいい雰囲気とかを見る限りだと、そうは思えないって感じなんじゃないかな?

暁「…まあ、確かにいえているな。…それにしても、『シャークプレデター』ことマリアさんの場合は主に自分の“探究心”と“知識欲”を求めて《アヴァロン四天王》に身をおいていて、最終的目的が自分だけの“百科事典”を作り出すことだって言うんだから、随分な感じだな…」

地位も名誉もそのための“道具”って感じに思っているようですね。その過程で元ビショップこと聖のアホの悪巧みとかに気がついているようだし、《アヴァロン》の連中の首領であるイングリッドいたっては何を考えてんのかが分からずじまいだもんね。

クリス「でも、確かにどうして【ヘブン】の暁の住んでいる町に、“原初の時の列車”のことが書かれている“石版”が存在しているんでしょう?」

クロキバ「それが案外、【ヘブン】の暁が“力”を手にしてしまった原因なのかもしれないな……」

星「…しっかし、ここでも【ヘブン】の暁のヤツがどうして料理がとても上手いのかって事の理由が語られているな」

まあ、予測していた通り、両親が他の皆さんと一緒に“ファンガイア”を始めとした“魔族”の一族方との共存をしっかりするために世界中を飛びまくっている結果、家事全般が得意になってしまっているようですね。慧さんや晶さんも忙しいのは分かりますけど、もうちょっと息子さんのことを考えてあげたほうがいいですよ?

星「しっかし、マリアさん自身、『誰かの為に』ってことについて知ろうとしているけど、それって単純そうに見えて難しいもんなのは確かだな……。とは言っても誰もが当然だと思えることだけどな」

詳しいことは《第6話》の感想の際に書かせてもらいます。

クリス「…それにしても、以外にも、【ヘブン】の暁がマリアさんのことが気になっているというのが、正直私も気になりますね…」

おそらく、彼女の人なりとかが関係しているからでしょうね。

星「ンでもって、漸く穏嬢の口から《アヴァロン四天王》の会話のことが聞けたわけだけど……、昴嬢に穏嬢、あんましそっちの暁で遊ぶのは止めておけ…;」

暁「…【ヘブン】の俺、ナイスツッコミ!! もっとやってやれ!!(涙)」

クロキバ「……本当に、女性関係だと碌な目にあっていないな…;」

クリス「本当に、まともそうなのって凛さんとあっちのほうの私ぐらいじゃないですか?」

まったくです。そんなこんなで、穏さんの話を聞いて《最中ダム》のほうを琥珀さんとアメジストさんの二人に捜索してもらうことにしたけど、その結果、見事にドンピシャ。“石版”はダムの中に沈んでいる廃村のどこかにあるということが敵さんの部下の行動で分かった。

星「しっかし、彼女達の様子をいつの間にかそこに居たマリアさんこと『シャークプレデター』に見つかり、攻撃を受ける二人。それをかわすと同時に、それぞれの『バルキリー』へと変身。戦いが始まった」

クロキバ「『シャークプレデター』と『ハーミットクラブプレデター』の二体を相手に戦う二人の『バルキリー』。どうにかして撃退したかと思ったが、『シャーク』のほうは水分身を利用し部下である『ハーミットクラブ』を囮にして回避した。その結果、琥珀殿達の戦闘パターンをしっかりと研究し、対策をどうするかと考えている辺り、ある意味恐ろしい感じだな…(冷や汗)」

暁「……己の部下を“実験道具”と言って使い、己の“探究心”を満たすために使うってところ、正直マジでむかつくぜ…#」

それについては同感# …まあ、それについては【ヘブン】の暁も同じようだけどね。……しっかし、『シャーク』ことマリアさんの方はあちらの暁の正体とかを知っているけど、暁のほうは知らないっていうんですから、正直、複雑な感じですね……。

クリス「……そうですね。片方はその正体を知らない結果、以外にいい感じの人間関係を築いている感じなのに、それに気づかないまま戦うと言うのは、正直、複雑です……」

ですね。まあ、【ヘブン】の暁が『シャーク』の言動で切れるのも無理ないけどね。なんせ“前世”が“前世”だし。

クロキバ「そして、戦いを始めた『ヘブン』と『シャーク』の様子を見て、今回で『ヘブン』は終わったと思った他の《四天王》のうち二人。…しかし、そんな中でアリスだけは暁の勝利を疑っていないと言った感じで今回の話は終了しているな」

ここまで来ると、本当にどうなるかが分かりませんね。

星「ンでもって【ヘブン】の3人娘さん達も敵さんの説明とかご苦労さん。凛嬢は気をつけないと【ヘブン】の暁を吸血鬼どもに獲られるぞ?」

ですね。しっかし、例の“石版”には、どのような秘密が隠されているのかが気になりますね。

クロキバ「そして《第6話》で登場する新フォーム。うちの筆者(『烈』)が考えて送ったやつの一人である『チューン』こと『流水(るみ)』の出番と言うわけだな」

場所が水場ですし、《第6話》を見る前からそうではないかって気はしていましたしね。

そんな感じで、感想は以上です。

暁&クリス&クロキバ「「「それでは、」」」

一同『今後も頑張って下さい!!』


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