仮面ライダーヘブン 第17話 |
第17話 「Whereabouts of noble wind」 クロノポリス。 第9レスキュー部隊のオフィスが同居している巨大救急施設「レスキューライナー」。 巨大な列車には大型病院の施設におけるありとあらゆる災害、事故、救助活動に必要な医療設備が整っている「走る救急病院」ってヤツだ。 その施設内の部屋、その病室内でマラカイトさん、ヒルデさんが長い間かけて調べてくれた「結果」に俺たちが誰もまばたきもせず、重苦しい空気の中で聞いていた。 暁「・・・・・セレスさんは・・・ウルフェン・・・・」 ヒルデ「・・・ああ、DNAデータの調査によって出た結果だ。間違いはない」 マラカイト「しかし、これはDNAそのものを“書き換えた”ものよ。ウルフェンのDNAのデータを何らかの方法によってプレデターへと変えられて、セレス・ホーネット・・・いえ、月華さんはプレデターとしての能力も気配さえも持っていなかった」 ヒルデ「しかし、それが無意識のうちに実の弟である冷牙くんが危機に陥ったとき、そのDNAデータの書き換えられたものがさらに修正されて、本来のウルフェンの姿に戻すことができた。つまり、彼女は感情の高ぶりによって、ウルフェンにも、プレデターにもなれるってこと」 暁「・・・・・聖が実の弟である冷牙と戦い合わせるために・・・やったかもしれないってこと・・・・か?」 雷斗「・・・・それにしては・・・・まどろっこし・・・すぎる・・・・」 暁「雷斗、どういうこと?」 雷斗「・・・・もし・・・・俺が・・・・聖なら・・・・わざわざ・・・・プレデターになんて・・・しなくても・・・・戦い合わせるだけ・・・なら・・・そのままの・・・状態でも・・・・・いろいろ・・・・方法は・・・・あるはず・・・・それに・・・・もし・・・つぶすなら・・・・あの駅の時・・・・・無理やりでも・・・・セレスさんを・・・使うと・・・思う」 雷斗の話だと、もし聖のアホがセレスさんと冷牙を戦い合わせるなら、あの駅の事件を引き起こしたときに洗脳してでもやらかしそうだ。しかし、それどころか、セレスさんは全くのノーマーク、つまり、あの聖がそんな機会を見逃すはずがない。 暁「・・・・確かにそうだな」 ヒルデ「雷斗のも一理ある。今は、セレスのことは、私たちに任せて。あなたたちは、マリア・シャークエッジの行方を追って」 マラカイト「セレスさんのことは、お任せを・・・」 暁「・・・・ああ、頼むよ。大切な・・・・仲間なんだ」 雷斗「・・・・・お願い・・・・します」 二人で頭を下げ、病室で眠っているセレスさんを心配そうに付き添っている冷牙とクロキバに声をかけようとするが、雷斗が止めた。 雷斗「・・・・今は・・・・そばに・・・いさせて・・・・やって」 暁「・・・・雷斗」 雷斗「・・・・・・行こう」 雷斗がいいたいことを察して、俺たちは二人に何も言わずに立ち去る。 こいつはこういうとき、人のことを誰よりも気遣って、沈着冷静に振舞える大人な一面があるんだよな・・・・俺もこういう気遣いができるようにならないと。 暁「・・・・セレスさんと、冷牙、どうするんだよ・・・」 雷斗「・・・・・何でも、やってやろうと、思わないこと、だな」 暁「・・・それ、どういうことだよ」 雷斗「・・・見捨てる、と、いうことでは、ない。冷牙と、セレスさんが、どうするか、見守ってやる、という、こと。俺達、まで、参っていたら、この先、動けなく、なる。一緒に、転んで、痛みを、分かち合うことが、大事、じゃない。転んだ時、手を、差し伸べるくらいの、距離で、いて、やれ、と、いうこと」 暁「・・・・なるほどな・・・・」 雷斗「・・・・もっとも、これが、最善か、と、いわれたら、俺も、自信は、ない。気に、ならない、なんて、嘘、だからな」 雷斗が冷牙とクロキバを心配そうに見て、俺に諭す。俺も雷斗の気持ちは伝わった。 でもさ、正直あの二人だってどうやってお互い話し合えばいいのかわかるわけがないよな。 冷牙にしてみれば、ずっと死んでいたと思っていた姉さんが、吸血鬼になって、再び目の前に現れてもさ・・・。 考えれば考えるほどどんどん重苦しい方向に思考が考えていく。 これじゃ何の解決にもなってないっていうのにな・・・・。 でも、今は落ち込んでいる暇はない。どうにかしないと・・・。 しかし、こういうときに限って・・・・。 トラブルというものは予測不可能な方向からやってくるものである。 それがこれだ。 「ふざけんな、あのバカ親父、アホお袋ぉおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!」 暁の怒号が家中の窓は割れよ、壁は裂けよと言わんばかりに響き渡ったのだ。 怒りでふるふると震えている暁を、クリスとアリス、凛が恐る恐る離れてみている。 見ると、手には一枚のメモがあり、それを見て、大激怒している様子であった。 クリス「・・ど、ど、どうしたんですか、暁!?」 凛「・・・おいおい、これ、マジギレじゃねえか?」 アリス「どうしたんだよ?」 暁「・・・・・・うちの両親のあまりの突拍子のなさに思わず、ブチキレたんだよ・・・。あの二人は、どうしていつもいつも勝手に行動するかな・・・!?俺に一言くらい声かけてくれてもいいのにさ・・・・常識あるのかさえ疑わしいよ・・・・!!マジでグレるぞ、しまいには・・・!!」 珍しく本気で怒っている。 そして手にあるメモをクリスたちが見る。 「愛する愛息子の暁くんへ!! お父さんとお母さんは急なお仕事で今日から2か月ちょっとばかり、ドイツに行ってきまーす♪思えばお父さん、お母さんと旅行なんて結婚して以来だから、ちょっとした新婚旅行って感じで楽しんできまーす♪お土産楽しみにしてね♪クーちゃん(クリスのことね)とキバっちにもよろぴく♪じゃ、行ってきまーす♪ パパより(はぁと)」 「暁へ 悪い、あたしも唐突だったから相談しないで行きます。じゃ、そういうことで。あ、それと、近いうちにそっちにお母さんたちの知り合いの子がしばらくクロノポリスでお仕事するということで日本に来日するから、受け入れよろしくね。長期間でのお仕事になるから、しばらくうちに下宿することになりました。だから、その子と一緒にしばらく一緒に暮らしてね。 お母さんより」 クリス「・・・・・なんでこんな時に・・・・」 凛「・・・・相当のスチャラカ夫婦だな、おい・・・」 アリス「・・・・つまり、暁のところに、慧の知り合いが来るから、しばらく一緒に生活してくれってこと?」 暁「せめて、いつ、誰が来るのかくらい、書けやぁあああああああああああああああ!!!!」 あまりにも引き継ぎ作業が杜撰すぎる・・・というか、丸投げしっぱなしの無責任な行動にその場の全員が溜息と頭痛をこらえきれずにいた。 こんなどこか常識が欠落しているから、暁が年相応に似合わない大人びた考えの持ち主になるんだよ。それで「子供らしくない」「もうちょっと甘えてほしい」など無理に決まっている。間違いなく監督不行き届きが原因なんだから。 暁「・・・・・もうアッタマきた・・・・・クリス、凛、アリス、今日はもう俺のへそくり切って、豪華な料理作ってやる、食っていけ。もう、こっちだってたまには贅沢してやるっ!!!!食いたいもの、言え。何でも作ってやるぅうううううううううううう!!!」 凛「・・・昔からストレス爆発すると料理作るクセ、変わらねぇんだな(汗)」 アリス「マジで?!それじゃあ、あたし、肉料理!!!そうだなあ、この間食わせてくれたハンバーグステーキがいいな♪」 クリス「それでは、私は、マシュマロを使ったデザートが・・・・」 凛「・・・・いや、注文する前に止めろよ、お前ら」 暁「よっしゃあ!!今からスーパー行ってくる、意味なく売れ残りお惣菜品コーナーでのタイムセール大戦争に殴りこみかけてこの怒り発散してきちゃるううううううううう!!!ちくしょぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 大泣きというか、ヤケクソで、ドアを吹き飛ばして走っていく悲しき姿を凛たちが憐れむように見送っていた・・・。 アリス「わーいわーい、暁の手料理だぁ!!嬉しいぜぇ〜♪」 暁大好き、ピュアなハートのままに部屋で笑顔ではしゃいでいるライオン娘を除いて。 ちなみに、その日のスーパーにおける「売れ残りお惣菜品争奪戦バトル」は、暁の大暴走により、その場にいた猛者のほとんどが泣いて暴れまくる暁にぶっ飛ばされて入院沙汰になるという大騒ぎに発展したそうな。 翌日。 穏「・・・・今日の暁、機嫌悪い」 昴「というか、もう全身から殺気放ってるよ、何があったの?」 凛「・・・まあ、しいて言うなら、親子喧嘩?まあ、しばらくすれば大人しくなるだろ」 昴「・・・今日は暁くんからかうのやめとこ」 穏「・・・・こくこく」 もはや、暁の機嫌は見てわかるくらい最悪だ。 その無表情に近い表情からは怒りがあふれんばかりに出ており、顔中に「近づいたら殺す」と言わんばかりの怒気と殺気を放っている。普段あまり怒りを見せないために、その場に居合わせたクラスメート全員が近寄れず、彼の周りから遠ざかっている。 教室の扉が開き、このクラスの担任である青馬 風子(あおば・ふうこ)が入ってくる。2学年で英語を担当しており、おっとりとした柔らかい物腰が特徴的な優しい笑顔がよく似合う可愛らしい女性だ。 青馬「はい、皆さん、おはようございます」 「おはようございます」 青馬「今日は、皆さんに新しいお友達をご紹介いたします。このクラスに転入生が入ります!」 青馬先生の言葉にクラスがざわめき立つ。 「転校生?」 「どんな子なんだろう?」 「女の子!!女の子であってくれ!!!」 凛「へえ、この季節にねえ」 昴「・・・あのさ、そろそろ機嫌直したら?いきなり転校生にその殺気はないよ?新しい門出を祝う日にいきなりナイフ突きつけて殺すよって言っているようなもんだよ?トラウマもんだよ?」 暁「・・・・・・・・・ふん」 穏「・・・・・・・・ダメだこりゃ」 その転校生が願わくば暁の殺気にあてられてショックで翌日から転校騒ぎとか、登校拒否とか、暁を不良呼ばわりして恐れるとか、最悪の展開をなんとか回避させようと必死で打開策を考える3人。しかし暁の機嫌は一向に良くならない。完全にふてくされてしまっている。こうなると、もう落ち着くまで手がつけられないのだ。 すると、その人物が入ってきた。 その直後・・・・。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 クラス中の驚きの声があがった。 青銀のロングヘアにウェーブがかかっており、それを後ろで縛っている小柄な人物は、そのあどけない幼さが残る可愛らしい顔立ち、大人しそうで儚げな、触れただけで壊れてしまいそうな繊細ささえ感じてしまう華奢な体つき、ぱっちり開いた青い瞳、真白な肌、「小動物」を思わせるほど小柄な姿をしている・・・・。 青馬「今日からこのクラスに転入してきました、イーズ・フロストルティナくんです!皆、仲良くしてあげてね?イーズくんは、ドイツのハンブルグから転入してきて、日本にきてまだ日も浅いけど、向こうで日本語を勉強してきたからお話はできます。でも、知らないことやわからないことがあったら、いろいろと教えてあげてね!」 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 イーズ「・・・・い、イーズ、フロストルティナ、です。皆さん、はじめまして。ま、まだ、ドイツからやってきて、日本は初めてなので、いろいろと不慣れなこともありますが、皆さんと仲良くできればいいなあと思ってます・・・。よろしく・・・お願いします」 「イーズちゃああああああああああああああん!!」 「可愛いぜええええええええええええええええええ!!」 「結婚してくれえええええええええええええええええええ!!」 「5人目の天使が教室に舞い降りたぁああああああああああああ!!」 うるさいことこの上ないクラスの男子(ケダモノ)たち。 それを聞いて、蔑むが吹雪のごとく、見下す視線が破壊光線ばりに発しているどす黒いオーラを放つ女子たちなど目もくれず騒ぎ出す。 青馬「み、皆さん、落ち着いてください。静かに!!」 凛「おい、うるせぇぞ。少しは静かにしやがれ。転校生びびってんだろうが」 昴「はいはい、あとで、イーズくんへの質問タイム、および交流を深めるためのレクリエーションタイムはクラス代表のボクが設けるから、落ち着いてね♪」 昴が営業用スマイルでやんわりと流し、凛のクールかつ苛烈な一言でクラスが静まる。 クラスが静かになると、この怒涛の大騒ぎに思わずどうすればいいのか分からない(そりゃそうだな)イーズがおろおろとしている。 青馬「そ、それじゃあ、イーズくん、イーズくんは、ええと、そうねぇ、大友くんのお隣の席空いてるから、そこに座ってね」 あまりにも絶望的な展開に涙が出そうになる3人。相変わらず暁はというと、転校生など知ったことではないといわんばかりに機嫌が最悪だし、いまだに怒りのオーラが漂っている。こんな状況下で彼の隣になど行くやつはもはや勇者であろう。というか、この状況で彼の隣の席に座れなど死刑宣告以外何物でもない。 イーズ「・・・は、はい・・・」 おずおずと小さな身体を震わせるように机と机の間をすり抜けて、いすに座る。 そして、隣にいる暁を見ると少し驚いた様子になるが、にっこりと笑顔を浮かべて話しかける。 イーズ「・・・・よ・・・よろしくね・・・・大友暁くん・・・・・」 暁「・・・・・・・・暁でいい」 そういって、振り返ると、そこで暁の顔が一時的に止まった。 驚きというか、ぽかんとしたようになり、不機嫌さが一気に吹き飛んだようだ。 その姿、今日初めて見たはずのイーズに、暁が思わず口から言葉がこぼれていた。 暁「・・・・・・マリア・・・・・さん?」 イーズ「・・・・・・・・・え?」 暁「あ、悪い、つい、友人に似ているから」 イーズ「・・・お友達?」 暁「あ、ああ、まあ、なんていうか、憧れの人・・・かな」 イーズ「・・・・そ、そうなんだぁ。よろしくねぇ!!」 暁「・・・・・ああ!!よろしくな」 そういって、恥ずかしそうに笑う。どうやらもう心配はないようだ。 暁が恥ずかしそうに頬をかいて、顔を赤くして目を背ける。 暁(どうして、俺、今、こいつのことが、マリアさんに見えたんだろう・・・・?) どこか困惑している暁、そんな彼を見ていたイーズはというと・・・。 イーズ(・・・・君がそうなんだね・・・・大友暁くん・・・・) 一方そのころ。 親子連れの家族でにぎわう児童公園。楽しそうな歓声でにぎわっている平和な光景。 そこへ、マリア・シャークエッジが歩いてやってきた。 どこへともなく、目的もなく、ただぶらりとやってきた彼女は公園のベンチに座り込む。 その時だった。 コロコロコロ・・・・・。 足元に何か転がってきてぶつかる。見ると、それはサッカーボールだった。 そして声がするほうを見ると、小さい小学生くらいの男の子が走ってきた。 「すみませえええええええええん!!ボール、とってくださあああああああい!!」 マリア「え、ええ」 ボールを持って手渡そうとすると、その男の子が転んだ。マリアが駆け寄ると、男の子がひざをかかえて、次第に泣き出した。 「うえええええん・・・・・痛いよぉ・・・・・」 マリア「大丈夫?」 マリアが男の子にしゃがんで話しかける。そして、血がにじんでいるひざ小僧を見て、ハンカチを取り出すと消毒液をかけて縛りつけた。そして、泣きじゃくる男の子の頭をなでた。 マリア「もう痛くないよ・・・」 「ううん・・・・痛い・・・・痛いよぅ・・・・」 マリア「・・・男の子でしょう?男の子だったらあまり泣いちゃダメじゃない」 そういって、頭を優しくなで続けている。その姿は洗脳されている今でも、彼女の本来の持つ心優しい性格は失われていないようである。 マリア「・・・・痛くなくなるまで撫でてあげる。ほら、痛いの痛いのとんでけー・・・」 「・・・うん・・・・・痛いの・・・・・痛いの・・・・とんでけー・・・」 マリア「痛いの痛いの・・・とんでけー・・・・ふふ」 「・・・うん・・・・・もう、痛くない。もう、泣かない」 男の子が涙を袖で拭いて、真っ赤な顔をして、それでもマリアの目をまっすぐ見て言った。 その子の力強い視線に、マリアも微笑んだ。 マリア「よしよし、いい子だね・・・・」 「うん、もう、泣かない」 マリア「男の子はね、泣きたいとき、つらいとき、悲しいときがあっても、すぐ泣いちゃダメ。転んでも、転んでも、泣きたくなるのをぐっと我慢して、もう一度立ち上がって頑張らないと。そんな男の子は、とてもかっこいいよ?」 「・・・・・うん・・・・・ぼく、おとこのこ、もう、泣かない」 マリア「でもね、どうしても思い切り泣きたくなったときは、いっぱい泣いて、明日からは笑顔でいられるようになるのよ?泣いた分だけ、また明日には、きっといいことあるからね・・・」 「・・・うん!!ありがとう、お姉ちゃん!!!」 マリア「うん、ばいばい・・・」 笑顔でお礼を言って、男の子が走り去っていく。その姿を見送りながら、ふと、その姿にもう今はいない弟の姿がかぶって見える。 マリア「・・・・・アルト・・・・」 その光景に目を細め、脳裏に思い浮かぶのは。 過去に、家族がいて、弟がいて、幸せだった昔の光景−・・・。 もう二度と取り戻せない過去。 愛する家族ももう遠い昔に亡くなって、ずっと一人ぼっち・・・・。 胸がきゅうっと締め付けられそうになり、その顔が悲しそうな悲壮感を見せる。 マリア「・・・・・・・あたしはもう、過去を悲しんでいるだけの、悔やむだけの、弱い吸血鬼じゃない・・・・あたしは・・・・生まれ変わったんだ・・・・あたしは・・・・強いんだ・・・・・強いんだ・・・・!!」 まるで自分に言い聞かせるように、必死な表情で何度もつぶやく。 「アルト・・・暁くん・・・あたしはもう弱くない。あたしは強い」 その時だった。 「きゃあああああああああああああ!!」 公園から悲鳴が聞こえ、マリアが駆けつけると、そこでは信じがたい光景が広がっていた。 そこでは公園中の子供や大人たちが倒れており、苦しそうにうめいていたではないか。 そして公園の真ん中ではスワローテイルプレデター(アゲハチョウ)と聖の姿があった! 聖「ふふふっ、さあ、次のゲームも盛り上げていきましょうか」 スワローテイル「ふしゅううううう・・・・・」 スワローテイルプレデターが青色のりん粉をばら撒くと、その粉を浴びた大人や子供たちの体に蝶のあざが浮かび上がると、じわりじわりと、石そのものに変わっていく!!! マリア「あれは、石化病を発生させるウイルス!!!このままじゃ、皆、24時間後には完全な石像になってしまう・・・・!!聖、いったい、何をやらかすつもりなのよ・・・・!?」 思わず助けなくてはと、動き出そうとする・・・・しかし・・・・その足が止まった。 なぜなら、目の前には・・・・もう一人の自分によく似た・・・・いや・・・・自分自身がいたから・・・・赤いオーラを発し、赤い瞳を向けて、自分をさげすむように冷たい光を帯びた瞳で見ている。 「何を手助けするつもりなの?貴方は強くなりたいのでしょう?」 マリア「・・・・・あたしは・・・・でも・・・!」 「なら、馬鹿なことはおやめなさい。貴方は強くなりたいのなら、人間なんかに情などかけるなんて馬鹿なことは・・・・してはいけないわ。弱さを捨てるんでしょう?いつまでも弟の死や、愛する人に迷惑をかけたくないという不安に、縛られる毎日から逃げたいんでしょう?」 マリア「・・・・・・!!」 弟の死から立ち直れない弱い自分・・・。 暁という愛する存在にいつも助けられてばかりいる情けない自分・・・。 そんな自分が・・・・大嫌いだった。今でも嫌いで仕方ない。 「分かった?なら、早く、あたしにその体、委ねなさい!!」 そういって、赤い光がマリアに重なり、胸に宿る「女教皇」が光りだし、マリアの瞳から正気が消えていき、狂気の笑みを浮かべる。 マリア「ふふっ、さあ、来なさい、ヘブン。今日が貴方の命日よ・・・・!!」 その数十分後。 穏「・・・・あたし、なんか、変な感じがする。頭に、何か、遠くから聞こえてくるし、気配を、感じる・・・!」 凛「それが、ライダーになったってことだ。この気配、相当やべぇぞ、暁!!」 暁「ああ!!急ぐぜ!!」 暁がマシンフレスベルグ、凛がマシングリムドラゴン、そして穏がマシンブレイズホーン(カブトムシ型モチーフのバイク)に飛び乗り、現場へと急いで向かっていた。 暁「アリス!!プレデターだ!!!力を貸してくれ!!」 アリス「ああ、もう、向かってるぜ!!」 暁「よっしゃ!」 携帯で連絡を取り合って一気にバイクのエンジンを最大出力でふかして走り出す。 暁「行くぜ!!変身!!」 凛「おう!!変身!!」 穏「・・・・・変身」 赤、緑、水色の光が飛び交い、やがてその姿を仮面ライダーヘブン、仮面ライダーシルヴァン、仮面ライダーナパームへと変わり、一気に突き進む!!! 一方・・・。 アリスがいち早く児童公園にたどり着き、そこで見た光景は・・・・!! アリス「・・・な・・・・何だよ、これ!?」 公園中で倒れて苦しそうにうめいている大人や子供たち。 見ると、体のいたるところが少しずつ石のように硬く黒く変色しているのだ。 「お姉ちゃん・・・・痛いよぉ・・・・痛いよぉ・・・!」 「助けてぇ・・・・・誰かぁ・・・・・!」 「うわああああんん・・・・苦しいよぅ・・・・・痛いよぅ・・・!!」 アリス「・・・・ひでぇことしやがる」 珍しくアリスが怒りをあらわにして、言葉に出す。 そして丘の上から何か気配を感じ、本能で察した「危機」を回避するために飛び上がると、そこへ飛んできた三日月型の刃が地面を激しくえぐり、鋭く切り裂いた!!! やがてそれが水となってはじけとび、消えていく!! 見上げると、そこにいた人物を見て、アリスは言葉を失う。 青龍刀を構えて冷たくゆがんだ笑みを浮かべている、眼鏡をかけた、青いメッシュを入れたロングヘアを風になびかせる、スーツ姿の少女・・・・!! アリス「・・・ま・・・マリア!?」 マリア「おや、お久しぶりですね、アリスさん。まずは、貴方から倒しますか。ヘブンがくるまでの退屈しのぎにでもね」 アリスが周囲の子供たちを巻き込まないように飛び出し、ものすごい速さで駆け出すと、すぐさまマリアがいる土手の上まで駆け上がってきた。 そんな彼女に向かって青龍刀を振り上げると、無数の水の刃が飛び出し、アリスに襲い掛かる!!それを野獣のようなしなやかさでかわして、ソウルトリガーを構えて発射すると、黒い紋章が浮かび上がる!! アリス「変身!!」 アリスの姿が仮面ライダーボルダーへと変わり、水の刃をよけて、かわし、マリアに向かうとマリアの姿がシャークプレデターに変わると青龍刀で切りかかる!!それをナックルで防ぐと、蹴りを放つが、もう片方の青龍刀ではじかれ、続いて放ったストレートをよけ、カウンターで拳を入れられると、土手の反対方向の野球場に転がり落ちる!! ボルダー「ぐあああああ!!」 地面に転がり落ちるボルダーに向かって、青龍刀を構えると、水の刃を無数発射し、それがボルダーに向かって放たれる!! その水の刃を、ジャガーのフットパーツからエキゾーストを発し、高速移動能力を発動させると、目にも止まらない速さで駆け出し、シャークプレデターの青龍刀を制した!! ボルダー「マリア、お前、いったい何があったんだ!?前のお前なら、あれだけたくさんけが人前にして、何もしないなんてこと、しなかっただろうがっ!!!!」 シャークプレデター「・・・生まれ変わったんですよ。あたしは。弱い自分、情けない自分、そういったずべての弱さをあたしは・・・・捨てたんです。そして、あたしは、最強のプレデターになる・・・・」 ボルダー「ふざけんな!!目を覚ませよ!!お前は、お前は、そんなヤツじゃない!!お前は、ずっと、誰かを助けるために。一生懸命になって、戦ってきたじゃないか!!そうだよ、あたし、知っているんだ!!」 ボルダーがシャークプレデターの剣を防いで叫んだ!! ボルダー「お前が、セレスを、聖やイングリッドから守るために、偽りのプレデター化させたことも!!!!」 アリスの言葉、それはつまり・・・。 セレスを吸血鬼にさせたのは、マリアであったこと。 聖やイングリッドから、守るために・・・・。 ボルダー「当時、お前とあたしが遠征先で、滅んだウルフェンの村で見つけたセレス・・・・月華は、もう、死ぬ寸前だった。聖のヤツに痛めつけられてな。それでお前は、生き残ったウルフェンである月華をあいつらに利用されないために、お前の得意の魔法医術で、月華の体に覆いかぶさるようにもう一体のDNAデータを取り込んだ偽りの姿を与えた。それが今のセレスだ。お前があいつを守るために、やったんだ!!それすらも忘れちまったのかよ!?」 シャークプレデター「世迷いごとを・・・!!」 ボルダー「あたしはお前のそういうところを、すごくカッコいいって思っていた!!今だってそうだ。お前が月華に、セレスに、やったこと、約束したこと、叶ったんだよ、お前のおかげで!!!」 ―回想− アリス「こいつをプレデターとして仲間にする?どういうことだよ」 マリア「・・・・彼女は記憶も失っている。自分が誰かも、どこに住んでいたかも、思い出せない。そんな状態で放っておけません。それに、そんな彼女を利用してろくでもないことになる前に、対策を打つ必要があります。あたしは、イングリッドも、聖も、信用出来ない」 アリス「・・・でもよ、どうしてそこまで」 マリア「・・・・彼女が大事に持っていた首飾り・・・・・」 首飾りをあけると、そこには小さな男の子と一緒に映っている微笑んでいる月華の姿があった。幸せそうに仲睦まじく写っているその写真を見て、マリアが悲しそうに、それでも決意を秘めた強い光を宿した瞳で、眠っている月華を見て、いう。 マリア「・・・・・もし、家族がまだ、生き残っているなら、会わせてあげたい。あれだけひどい怪我をしているのに、ずっと大事につかんでいたから、会いたくないわけがない。だから、あたしは約束したんです。いつか、家族に会わせてあげる、それまで、貴方を生かして、守るって・・・・!」 アリス「・・・・お前」 マリア「・・・・大切なものを失ったからこそ、分かる。その失ったものの・・・大切さが。だから、あたしは、自分が失った痛みを、誰かが味わって苦しむ前に、どうにかして、助けたい・・・!!それが、あたしが、医者であることの譲れない信念ですから」 そして、アリスにマリアが言った。 そして今、その言葉をアリスがマリアに叫ぶ。 ボルダー「患者がまだ生きたいと願うなら、その願いを全力でかなえるのが医者の務めだ!!!そんな優しかった、強かった、お前に暁が惹かれるんだろ!?分かるんだよ!!!あいつが、お前にあこがれていることも・・・・・!!!」 シャークプレデター「・・・・!!」 青龍刀で切り裂かれ、ボディパーツが切り裂かれ、鮮血が舞う!! ボルダー「あいつが・・・・あいつが・・・・お前のことが好きだってこともなぁあああああああああ!!!」 刃が容赦なく仮面を、鎧をたたきつけ、ボコボコにへこむまで殴られ続けて、やがてアーマーから火花が飛び散る!! 全身に激痛が走る!!しかしそれでも歯を食いしばって痛みを必死でこらえて叫び続ける。 ずっと暁を追い続けているから分かる。 あいつが、マリアのことを心からあこがれて、尊敬していることも。 その感情が本人も気がついていないだろうけど、きっとそれは恋愛感情に近いものなんだろうって。 そんなマリアがうらやましいし、自分もそういう風に見てほしい。 愛してほしい。 心配してほしい・・・。 ボルダー「・・・そんなお前がこんなことになって、暁が見たら、悲しむに決まってる!!!それだけは絶対にさせねぇんだよ!!!!あたしはっ、あいつの笑顔が大好きだ!!どんなにバカだエロだといって殴られても、突っ込まれても、構いやしねぇ!!!あいつの笑顔が、あいつの強さが、あいつの全部が好きなんだから!!!」 そして青龍刀をナックルで弾き飛ばし、右拳にためていた大地の光を一気に放とうとする!! ボルダー「お前を絶対に取り戻す!!!絶対に!!!その上で、お前と、クリスと勝負して、暁に好きになってもらうんだああああああああああ!!」 暁が心から好きで仕方ない。 正直、クリスのお嬢様らしいしぐさも上品なことも出来ないし、マリアみたいに頭もよくない。でも、これだけは譲れない。暁が好きだから、暁の笑顔を、大事な友達も、好きであろう憧れも、失わせはしない。 あたしは“大地”だ。 あいつの笑顔を、あいつの戦うための足元を、支えてやる。 ボルダー「お前を取り戻すんだぁああああああああああ!!テラブラスタァアアアアアアアアアアアア!!!!」 拳を胸に思い切りたたきつけ、胸のアルカナ「女教皇」が砕け散る!!! シャークプレデター「くはっ!!!!ああああああ!!!」 シャークプレデターが後ろに吹き飛び、地面を転がり、やがてその姿がマリアの姿に戻ると、地面を転がり続け、土手の下へと落ちていった。 ボルダー「・・・マリア・・・・・!!」 マリアの下へと駆け寄ろうとしたその時!! スワローテイル「ギシャアアアアアアアアアアア!!!」 上空から飛び込んできたスワローテイルプレデターの口から火炎弾が吐かれ、それがボルダーの無防備な背中に直撃した!!!! ボルダー「ぐあああああああああああああ!!!!」 ボルダーのボディパーツが爆発を起こし、巨大な炎を吹き上げて破裂し、黒い光に包まれてその姿がアリスへと戻っていく。髪がほどけて、腰まで広がるロングヘアがくしゃくしゃになり、いたるところにやけどと切り傷がついた痛々しい姿となって横たわる。 アリス「・・・ぐ・・・・あああ・・・・・」 不意打ちの攻撃のダメージが予想よりも重く、呼吸さえもろくに出来ず、意識が反転する。 そんな満身創痍のアリスにも容赦なくスワローテイルプレデターが攻撃を加え、やがて、スワローテイルプレデターが手から放ったりん粉が降りかかり、それが爆発した!! アリス「うわああああああああああああああ!!!」 アリスが吹き飛び、空中に舞い上がる。 アリス(・・・・あたし・・・・もう死ぬのかな・・・・死ぬ前に・・・・一度でいいから・・・・暁に・・・一度でいいから・・・・・!!バカとか、エロとか、ボケとかじゃなくって、女の子として、見てほしかったな・・・・) その時だ。 ヘブン「アリス――――――――――――――――っ!!!!!!」 アリス「・・・・・え?」 見ると、いつの間にか宙を舞っているはずなのに、自分を抱き上げている感覚。 見ると、そこには、目の前に暁の勇ましい姿が・・・!! アリス「さ、さ、暁・・・・・?!え、なに、あたし、暁に、お姫様抱っこされてる・・・・?」 ヘブン「おい、大丈夫か!!!!ったく、無茶しやがって!!」 いつもと変わらない気の強い暁、でも、その腕はアリスを強くしっかりと抱きかかえている。そして、地面に降りると、傷ついたアリスをマシンフレスベルグ(自動操縦モード)に乗せると、それがジェット機のような形へと変わり、上部の乗り込み口の扉が閉まる。 ヘブン「・・・・・・悪い、遅くなって」 アリス「・・・・・・!!暁・・・・・あたしのこと・・・・心配してくれてるの?」 ヘブン「・・・・・え!?・・・・そんなの・・・・当たり前だろっ!!!!お前のようなバカでも、大事なダチなんだし・・・・!!」 暁の顔が真っ赤になり、やがて恥ずかしそうにアリスにそっぽを向いてつぶやく。 「−女の子なんだしよ。男が守らないでどうするんだ・・・・」 アリス「・・・・・ええ・・・・・ええええ・・・・!!(///)」 アリスの耳に聞こえてきた暁の静かな、力強い、言葉。 それがアリスの頭に焼きつく。胸が熱くなる。じんとして、胸の奥から湧き出る感情があふれんばかりにみなぎる。目がにじみ、嬉しさと恥ずかしさでいっぱいになり、全身が震える。 アリス(・・・・暁・・・・・!!!!あたしのこと、初めて、女の子として、見てくれた・・・・・!!) 嬉しくて嬉しくて・・・・もう死にそうだ。 涙が止まらない。嬉しくて、生きていて、ここまで沸き立つ感情を抑えきれないことはない。 アリス(やっぱり、暁、すごくかっこよくって、好きだぜええええええええええ!!) ヘブン「・・・・なんか後ろのバカが暑苦しいけど、無視ということで」 シルヴァン「お前もう少しアリスに優しくしてやれって」 ヘブン「俺の人生の修羅場における8割がた原因とも言えるトラブルメーカーにかける情けなんてねぇ」 ナパーム「・・・・・鈍感にもほどがある」 ヘブン「けっ」 ヘブン「・・・まあ、どうしようもない、バカだろうけども」 しかし、その顔は、はっきり言って、マジで怒っていた・・・・。 暁「お前は俺の“仲間”に、やっちゃいけねえことしやがったんだ」 確かにアリスのことを仲間と認めている。大切な存在と。 スワローテイルプレデターを前に、暁、穏、凛がそれぞれ構える。 ヘブン「ちょっとばかり、ツラ貸せやあああああああああああ!!!」 シルヴァン「さーてと、俺も熱くなりますか」 ナパーム「おいっす」 その頃・・・・・。 救急病棟では、大騒ぎになっていた。 「た、大変です!!!セレスさんが、病室を・・?!!」 冷牙が病室をわずかに抜けていた間に、病室はもぬけの殻となっていた・・!! 冷牙「ね、姉さん・・・・・!?」 そして・・・・。 セレスは、一人、よろよろとトンネルを歩いていた。 セレス(・・・・誰かが私を呼んでいる。この気配、私知っている。私を昔、助けてくれた誰かの・・・・) かつて自分を助けてくれた・・・あの暖かい手が・・・・。 セレス(・・・・私が失ってしまった・・・・私が本当は誰なのか・・・・知っている・・・人が・・・・いる) そしてトンネルの向こう側に、誰かがもう一人よろよろとおぼつかない足取りで歩いてきた。しかし、その人物は力なく倒れこみ、それでも必死で起き上がろうと四つんばいで地面を這っている。 荒い息遣い、満身創痍というか全身傷だらけ、そして、ぼろぼろになったスーツ・・・・。 その人物の姿に、セレスも言葉を失う。 そしてその人物を見たとき、自分が捜し求めていた人物と重なる・・・。 「必ず助けるから・・・・・!!」 その人物は・・・・・!! セレス「・・・・・マリ・・・・ア・・・・・?」 マリア「・・・・・・セレス・・・・・・さん」 マリア・シャークエッジの変わり果てた姿との再会であった。 続く Next Line 「The evolution futurity is opened.」 |
鴎
2011年02月06日(日) 21時40分46秒 公開 ■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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それでは今回の小説感想といかせてもらいます。 …その前に、前回の話の際に出した感想の返信をして頂き有難う御座いますm(_ _)m 暁「……しっかし、うちの筆者(『烈』)の予測通り、『ナパーム』の基となった物が、重火器系の『ガンダムヘビーアームズ』と『仮面ライダーオーズ・ガタキリバコンボ』が関係していたわけだけど、まさか【超星神グランセイザー】とかのやつも加えられているとわな。……穏嬢が女性版の康太ってことも関係して、射撃と暗殺が得意ってところを加えてんのには、驚いたけどな」 明久「まったくだね。…それにしても、アリスさんが乗っていた三輪バイクってベースがもろに【魔弾戦記 リュウケンドー】の主人公の専用マシーンともいえる『レオンストライク』だってところには、何気に納得がいくね…」 星「……ところで、【ヘブン】のほうの暁に関してだけど、確かに普段の様子からだと、【バカとテストと召喚獣】における主要メンバーの男子三人を混ぜたような目にいっつもあっているよな〜……(呆れ)」 明久「……ごめん。流石に否定できない……」 暁「……わかっていたことだから、気にすんなって親友……(涙)」 …見事なまでに説明されている三人にとって、一番ついていないことに関してのところが当てはまっているもんな……。【ヘブン】の暁君、本当にご愁傷様です……; クロキバ「それでは、改めて今回の小説についての感想に行ってみよう。前回の話のラストで分かったセレス殿の正体。それが行方不明になっていた【ヘブン】の冷牙にとっての姉君である『月華』殿であったという衝撃な事実。そして、彼女が“プレデター”になった理由に関わっていたのがマリア殿であったというところが驚きだな…」 クリス「“作者からのメッセージ”のほうで【ヘブン】の冷牙さんが言っていますけど、本当に四天王の皆さんって良い意味での人格者が多いんですね」 フェザー「…アリスさんに対しては、なんとも言えませんけど……; まあ、良い意味でのバカではありますけどね」 モモタロス「…しっかし、あのサメ姉ちゃんが魔法医術ってやつに精通しているっていうのは、なんとなくだけど納得するな。伊達に多くの知識を集めちゃあいないってこった」 ある意味、流石ってところですね。聖のバカに操られていても本質ともいえる優しさが無くなっていないのは、わかりやすいって感じですね。……それにしても、『レスキューライナー』って、随分なものを作っていますね本当に。 冷牙「……本当に、マリアさんには感謝しないとな……。彼女の優しさが今回の奇跡ともいうべき再会を起こしてくれたわけだ」 流水「でもでも、問題はまだ多くあるよ? セレスさんこと月華さんの記憶はまだ戻っていないし、今のところの体質とかも考えていかないといけないってこともあるし」 電「…雷斗の、言っている、ことも、間違って、いない。一番、心配、している、あっちの冷牙と、クロキバの、ダンナのこと、も、しっかりと、考えないと、いけない…」 それはそうと雷斗君。外道バカシスターの性格的にやりそうなことをことに対しての説明、ありがとうございますm(_ _)m 暁「……それにしても、こういろいろと大変な時に、本当にあっちの父さん達は何をやってんだよ……;(呆れ)」 明久「……ある意味、もう少し息子さんのことを考えて行動したほうがいいと思いますよ、慧さんに晶さん……; それが原因で【ヘブン】の暁が大人びた性格になっちゃったみたいなんですし……;」 星「……本当に、何やってんだよ、姉さんに義兄さん……; こんなトラブルが起きていえるときに……。慧姉の置手紙はいいけど、晶のは明らかにどうかって感じがするぞ!! 本当に仕事でドイツに行くのか、おいッ!?」 フェザー「……それにしても、キチンと下宿に来る人のことをしっかりと書いて説明しないっていうのは、どうかと思いますよ…;」 ……まさに、監督不届きなうえに、スチャラカ過ぎでしょう、本当に……; ???「…それはそうと、いくらストレスが爆発したからって、その勢いで料理を作るって、どういった癖なの!? どこかの“青い秘石の一族”さんなの!?」 ナイスツッコミだ、『翠』。初登場と同時にそういったツッコミを入れるところはさすがだな……! ???→翠「…褒められてもうれしくないです……; あ、初めまして『鷗』さんに【ヘブン】の皆さん。僕は【アスレイ】の暁の双子の妹である『大友 翠(おおとも すい)』です」 暁「本当にいきなりの登場だな、翠」 翠「いい加減、ここいらで来たほうがいいかなって思ってね。それにアキ君達の様子とかが気になったしさ♪」 明久「え、そうなの!?」 翠「そういうことだから、よろしくね♪」 星「つうわけでうちの姪っ子も加わったところで、感想の続きだが、スーパーに来ていたお客さんの皆さん……合掌……;」 どんだけ暴走していたんでしょう? …それにしても、状況的にツッコミを入れましょうよ、アリスさん……; 本当に純真過ぎ…; ところ変わって次の日ですけど、先日のことでいまだに不機嫌マックスな【ヘブン】の暁君。そんな彼のクラスにドイツからの転校生がやってきたわけですけど、それがなんと、 イーズ「【ヘブン】版の僕だっていうんですから、随分だなって感じですね……しかし、いくら女顔だからって、あそこまで男子の皆さんに騒がれるもんなんですか!? っていうか担任の青馬先生もきちんと男子だって説明してくださいよ!!」 んでもって、そんな男子達の暴走を止めた凛嬢と昴嬢、グッジョブ!! ……それにしても、いくらなんでも不機嫌状態の暁(ヘブン)の隣の席に転校生である彼を座らせますかね、本当に…; まあ、結果的にマリアさんに似ていたことが幸いになりましたけどね…。 イーズ「……正直、複雑な気持ちです……;」 翠「……まあ、そうだろうね…(苦笑) ところで、今後あっちのイーズ君がどんな活躍をするのかが気になってくるね」 クリス「……そして、マリアさんの方は方で、聖のバカがやろうとしていることを阻止しようとするけど、聖のバカが植えつけた『女教皇』のアルカナのせいで“心の闇”によって生まれた別人格に支配されてしまう……本当に、人の“心の闇”をつくことに容赦しない方ですね!!# それにしても、本当にいったい何のために石化ウィルスなんて放ったのでしょう?」 “作者からのメッセージ”で【ヘブン】のクリスが言っていることですけど、今までの破壊活動に関係しているらしいですが、もしかして、残りの“時の列車”を手に入れるための作戦とでもいうのでしょうか? その辺が本気で気になってきますね……。 フェザー「各ライダー、それぞれが己の専用マシンに乗りながら変身をし、事件が起きている現場へと向かう学生三人! 先に現場に辿り着いたアリスさんが見たのはまさに地獄といっても過言ではない光景……。そこで彼女は聖に操られているマリアさんと戦うはめになってしまうところが、随分と仕組まれた戦いだと感じます……」 クロキバ「流石にこのときのマリア殿が聖のうつけに操られているとは知らず、変わってしまった感じの彼女の様子に驚くアリス殿こと『ボルダー』。そんな彼女の本来の強さともいえる『優しさ』のことを強く話すアリス殿。…しかし、ここで彼女がセレス殿こと月華殿が“偽りのプレデター”になった理由を言ったところが、驚きだったな……」 冷牙「…聖のお遊びによって滅ぼされてしまった“ウルフェンの里”で死ぬ寸前だった月華さんを見つけ、彼女が聖やイングリッドのやつに利用されないように彼女は得意の魔法医術で彼女を“偽りのプレデター”に変えた。その理由が月華さんが身に着けていたロケットペンダントの中になったあっちの俺と一緒に撮ったらしい写真…。自分が大切な人を亡くしてしまったからこそ、同じような苦しみを味わう前に助けたい。それが医者である自分の譲れない信念だって言うところには、本当に感謝したりないぜ……」 モモタロス「その時には、まだ爆発鳥娘(フレアのこと)は加わっていなかったようだけど、エロ獅子女もよくその時のことを覚えてんな〜…」 っていいますか、セレスさんの事情を知っていたのなら、正体がわかった時にちゃんと説明しなさいよ!! 翠「……それにしても、あっちのお兄ちゃんの気持ちを察しながら、己の気持ちをしっかりと恋敵ともいえる相手にきっぱりと言っているアリスさんのそういったところには憧れるね。……瑞希ちゃんや美波ちゃんもちゃんと告白すればいいのに……まあ、僕も人のことは言えないけどさ……(ボソ)」 明久「ん? 何か言った翠?」 翠「!? な、なんでもないよ///」 明久「???」 暁「……本当に、鈍感だな……」 星「んでもって話は戻すが、己の気持ちをしっかりとマリアさんに伝え、操られている彼女を助けるために、ボロボロになりながらも必殺技を放ち、『女教皇』のアルカナを破壊するところは見事だな。満身創痍だって言っても違いないのに、本当に無茶するぜ…」 流水「それが彼女なりの“純真”ってことじゃないかな? 一応これで聖のおバカの呪縛からマリアさんは助かったってみてもいいけど、操られた状態でのことを記憶にあって、罪悪感に沈む可能性が高くない?」 電「…その、時、は、【ヘブン】の暁や、【ヘブン】のイーズが、何とか、する、と、思う…」 イーズ「……本当に、姉さんはどうなるんですか?」 それは次回でわかることだろうさ。……それにしても、念には念を入れて伏兵を隠しているところは、相変わらず隙がないって感じだな、あの外道シスターは…# 明久「とはいっても、ほんの些細なところでミスをして失敗するんだろうけどね、某TRPGに出てくる美少女魔王みたいに……」 翠「ああ。“蝿の女王”さんね」 暁「しっかし、本当に《並行世界》の我ながら、美味しいところで登場するもんだね〜、本当に」 星「ピンチになった女の子のもとに、颯爽と登場するヒーローってお約束だけど、本当にいいタイミングだな。流石は我が甥っ子」 クロキバ「身内自慢してどうする…;」 クリス「……うらやましい…///(ボソ)」 フェザー「…ま、まあ、それはともかく、アリスさんの熱い視線を無視しながらも、大切な仲間を傷つけた相手に向かっていく三大『ライダー』達。その一方、セレスさんが救急病連から抜け出し、自分を助けたマリアさんのもとに向かったわけですけど、ボロボロになったマリアさんとの再会で、セレスさんはどうなるのでしょうか?」 …本当に、気になるところ満載ですね、今回も。そんなわけで、今回の感想は以上です。次回あたりでセレスさんやマリアさんがどうなるかが気になりますけど、どうか頑張ってください。 イーズ「【ヘブン】の僕! 姉さんをよろしくね!!」 冷牙「【ヘブン】の俺も、セレスさんこと月華さんのことを支えろよ」 クロキバ「三世。負けるでないぞ」 暁&翠「「それでは、」」 一同『物語の展開的に心配ですけど、今後も頑張って書いていってください!!』 星「……ところで、【ヘブン】の俺の活躍は何時頃?」 それも含めて期待しています!! それでは!! 〜…時と次元を超え、俺、参上!!〜 〜……限界を超えて、参る!!〜 |
50点 | 烈 | ■2011-02-07 14:48:40 | 202.242.7.42 |
合計 | 50点 |