仮面ライダーPIRATES epY 『海王』 |
◇ 航海日誌 担当:アルフレッド・カレトニア この日誌も随分久しぶりのように感じる。ようやく長過ぎる一日が終わった。 今日、例の海域の海底調査に向かった俺達は、そこで、巨大マフィア【サラマンダー】の襲撃を受けた。 調査の為に潜っていたキッドとゴウが帰って来るまでなんとかサラが応戦していたが、アイツが出て来てから状況は一変した。 サラマンダーの首領、ディーノ・・・・あいつはヤバ過ぎる。素手でライダーの兵装を壊すなんて芸当をやってのける、ラプターの中でも群を抜くような化け物だ。 海底から戻ったキッドが迎撃したが、ディーノが変身する新手のライダーにやられて海に沈んでしまった。 エレナは出て行ったまま行方不明、連れ戻しに行ったゴウとも通信が途切れてしまう。 船に残った俺とサラは、アリアを浚いにやって来たディーノに海へと突き落とされ・・・・・ シーサーペントはかつてない絶対絶命の危機に陥っていた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 仮面ライダーPIRATES epY『海王』〜〜〜〜〜〜〜 ◆ 『ヴリトラァアアアアアア!!』 どんよりと淀んだ灰色の天上、空一面を覆う暗闇の中を稲妻が走る。 竜の意匠が施された黄金の鎧を纏うその仮面の海賊は、外套をカイトのように広げて亜光速で空を翔けていた。 分厚い雲を払い海上に出た海賊の目の前には深青の翼を持つ天使の姿があった。 ≪ほぅ、まだ動けたか≫ 『っ、その子の声で喋るな・・・!!』 ≪ククク・・・気に入ったぞ、この身体は!まだ馴染まぬが・・・・この力、まさに今の我‐オレ‐が欲するものだ!!≫ 『黙れぇえええええええええええ!!!!!!』 妖しく嗤う天使の喉元へ海賊はサーベルを突き付けた。 だがそれは喉を裂くことはなく、震える光刃は直前で止められる。 『・・・・っ・・・!』 ≪ククク、賊よ・・・貴様に我は滅せぬ。我を滅せばこの娘も・・・っ、ぬ・・・!?≫ ビュウッ!!! 突如、吹き抜けた一迅の碧い風。 その突風はカマイタチのように天使を襲い、その片翼を捥ぎ落とした。 『貴様の相手は俺だ!!』 風が凪ぐと、碧い飛竜の面影を持つ仮面の武人が海賊の隣に並び立った。 『タケル・・・!?』 『戦えないなら下がっていろ、バーク』 『馬鹿言うな!お前、そんな身体で・・・!』 『今のお前よりは遥かにマシだ。それに奴の言うようお前にあの子は殺せない』 『っ・・・だけど・・・』 ≪おのれシラサワタケル・・・!!憎き彼奴の写し身めが・・・・!!≫ 切断された翼を押さえながら苦痛に顔を歪ませる天使。その口元が動いた。 いくつか言葉が紡がれると周りに光が集まり、天使を包む大きな膜を形作った。 光に守られた天使は、海賊達に背を向け荒れ狂う海へと身を沈めていく。 『逃がすものか!!』 それを追って海へと潜行する碧竜の武人、黄金の海賊も遅れて続く。 進んだ先で二人は海底に聳え立つ巨大な遺跡へと辿りついた。 天使を探して内部に突入する二人は暗い石造りの通路の中に響き渡る妖しい歌声を聞いた。 『・・・・・・』 『・・・・・・』 『・・・・・・』 浅暗闇の中から魚ようなの特徴を持った、銛と鎧で身を固めた兵士達が現れた。 魚人の兵士達は二人を阻むように立ち塞がり、また圧し潰すように襲い掛って来る。 『何だ、こいつら・・・・!?』 『奴の傀儡にされているのか・・・・哀れとは思うが、今は!!』 碧い武人は長刀で魚人の一群を容赦なく切り捨てた。 飛沫が返り血となって鎧を汚す、だがその手と足が止まることない。 通路を真っ直ぐ突き進んだ二人は行き止まりの広い空間に出た。 ≪フンッ、足止めにもならぬか・・・・だが、よく斬れたものだ≫ 『この戦だけは敗北が許されない。たとえ外道に堕ち地獄に突き落とされようとも、ヴリトラ・・・・貴様だけは道連れにしてゆく!!』 ≪吼えるな、ホシナギの無い貴様など所詮はただの人間よ!!≫ 『異界の蛇神!!・・・成敗っ!!!』 ≪―――――――――――――――――−≫ 地を蹴り出し、一飛びで天使に肉薄する碧の武人。 刀が天使を斬り裂く・・・その直前、天使の周りの光が強くなり、一気に爆ぜた。 ギィン!!!! 『っ!!?が、ふっ!!??』 ≪ククク・・・―――――――――――――−≫ 弾き飛ばされた武人は硬い石床に叩きつけられた。 更に追い打ちをかけるよう紡がれる黒い響き。 『ぐ、ぅぁああああああああああっ!!!』 『タケル!?・・・うっ、ぐ・・・!』 空間を圧し潰すような重たい波動が二人を苦しめ、その動きを封じ込める。 『がはぁっ!!?・・・ぐ、ぅ・・・・!!』 ≪ククク、病魔に侵された身には呪いの音色はさぞ辛かろう。そこで大人しく見ているがいい・・・・―――――――――――-≫ 『っ、ぐ・・・貴、様ぁ・・・・!!』 ≪口惜しいが、この身体に貴様らを始末する余力はない。しかし、この寄り代は実によい・・・今紡いだ忘却の謳が直に貴様達からこの戦の記憶を拭い取るだろう。その後にゆっくりと紡がせて貰おう。竜神共を呼び起こす、目覚めの歌を・・・・・ぬ、っ≫ 酷く歪な笑みを浮かべ更に次の詩を紡ごうとする天使だが、ふと眉を寄せる。 『・・・・その、身体も・・・!』 ≪貴様・・・っ!?≫ 呪いの謳で動きを封じたはずの海賊がサーベルを杖にして起き上がった。 ふらふらと覚束ない足取りながらも、天使の方へと一歩、また一歩と近付いていく。 『心も・・・旋律も、全部あの子の・・・あの子だけのもんだ・・・!!』 ≪賤しき賊めが!!無駄なあがきをまだ・・・!!≫ 『そうだ・・・オレは海賊だ!!!だから!!』 腰に巻かれたベルトのドクロが眩い輝きを上げた。 海賊の掲げた手の先の空間に亀裂が入り、電光を撒き散らしながら一本の槍が現れる。 その光は海賊を縛り付けていた天使の謳を掻き消し海賊の腕へと収まった。 『だから、アリエル・・・!!お前の自由、オレが奪い返してやる!!!!』 ≪ぬぅぅっ・・・!!!≫ 急ぎ別の歌を紡ごうとするが、天使がそれを唱え終わることはなかった。 巨大な三又の槍先から流れ出る清らかな光が海賊を包んだ。 そして、その光は天使へと加速し―――――――――――――――――――――− 『ぅぉおおおおぁああああああああああああああああああああ!!!!!!』 ――――――――――――その身体を貫いた。 ○ ・・・・・なん・・・だ?今のは・・・? ≪気が付きましたか≫ 水のように澄んだ、それでいて聞いていると心が安らぐ優しい声がした。 目の前に天使がいた。 オレの頭を膝に置いた・・・いわゆる膝枕の状態で、こちらを無表情に見降ろしている。 何のご褒美だ? ・・・・あぁ、なるほど。そういや、恐竜ジジィの新しいオモチャにぶっ飛ばされて海に落ちたんだったな。やっぱ装甲の薄いダイバーで喰らったのがまずかったか・・・かなり打ちどころが悪かったらしい。 ちっ、美女に囲まれて150歳まで生きるつもりだったんだがなぁ、まさかこんなに早くお迎えが来るとは・・・予定外過ぎるぜまったく。 いや、待てよ・・・・こんなに可愛い娘が迎えに来てくれたんだからこれもこれで悪くないような・・・寧ろ、有りなのか?うん・・・? ≪・・・・・≫ オレが軽く現実逃避しているとその天使は困ったように目を伏せた。 別に無視してたわけじゃないんだがなぁ・・・心が痛い。 あぁ、ちょっと混乱してただけで話は聞こえてたから、そんな悲しい顔はよしてくれ。 美人が悲しんでるのはオレとしても心苦しいことこの上ないし、向こうに着いて早々歓迎代わりにご先祖さま達から一斉にボコられるのはノーセンキューだ。 ≪どうやら大丈夫のようですね・・・まだ、少し寝ぼけているようですが≫ 一見すると無表情のようだが、僅かに下がった目と緩んだ口元から彼女が微笑んでいるのだと分かる。 オレのよく知っている顔、だけど知らない表情だ。 あの海底遺跡の壁画に描かれていた紺青の天使、さっき夢の中で金色のパイレーツライダーと戦っていたのもこの子だった。 だけど、今のこの子からはあの氷のような冷たさも、ライダーと戦っていた時の凶悪な感じもしない。 まぁ、色々聞きたいことはあるが・・・・まずはお名前を聞かせてくれるかな、お嬢さん? ≪・・・私は、アリエル≫ ≪調律者-セイレーン-のアリエルです≫ □ 淀んだ白色の竜から伸びる鉤爪。それに串刺しにされた濠はピクリとも動かなくなっていた。 いつも着いて回ったその大きな背中は暗い赤に染まっている。 裂けた傷口から黒みを帯びた血が流れ続け、床に滴って跳ねた滴が少女の頬を汚す。 覚えているのはアリアと一緒に部屋に居た所まで・・・・ 急に意識を失って次に目を覚ました時には、少女は惨劇の真っ只中にいた。 いったい何が起こっているのか・・・・理解出来るはずもなかった。 ただ目の前に広がった恐ろしい赤色だけは、この震える身体がよく知っていた。 息苦しく充満した鉄臭さ、生命の深い部分に刻まれた記憶を明確に刺激する“死の匂い”。 タスケテ 少女の内では何かが危険を訴え、ここから離れろとうるさく叫んでいる。 だが、恐怖に縛られたその身体は指の一本たりとも動かすことが出来なかった。 そして身体はもとより、思考の方はもうグチャグチャになっていた。 何で・・?分からない、何が、死、何処、誰?・・・・誰が――――――――――− ゴウ 竜の爪が振るわれると濠の身体が船の外へと投げ出され、再び鮮血が飛び散った。 その瞬間、少女の頭の中が恐ろしいほど冷たい白に染まった。 わけのわからない感情が爆ぜ、少女に言葉にならない悲鳴を上げさせた。 腰に巻かれたままのドクロは少女の心に感応し、けたたましく輝きを放つ。 だが少女の首に嵌められた“枷”がその光を吸収し、力の発現を許さない。 少女の中の獣は未だ鎖に繋がれたまま、解き放たれることはない。 助けは来ない。 膨れ上がる恐怖や悲しみに押し潰されるよう、少女の意識は再び絶えた。 ■ ≪ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!≫ 天を衝くような咆哮に強い風が巻き起こり、浅霧の張った水面を空へと巻き上げて行く。 空まで届くような巨大な竜巻が周囲に発生し、海が酷く荒れ始めていた。 大きな波に揺さぶられる船の上、甲板が傾いたことにより気を失った無防備な少女の身体が硬い船縁に転がって行く。 その時、艦橋から降りて来た白衣の女が少女を庇うよう抱き抱え、代わりに背中から壁に打ち付けられた。 「ぅっ、・・・・・・!!」 ≪ァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!≫ 「キ、ルシェ・・・!!」 その緊迫した面持ちに普段の余裕はない。この暴走は女、レティにも想定外のことであった。 今のアイギスは限界を遥かに超えてシステムとリンクしている。兵器としては究極の状態にあり、その力は気象さえも揺るがすほどの強力無比なものだ。 だが、いかに優れた兵器であろうと人の意思を持ってコントロールが出来なければ、それは獣・・・それ以上に手に負えないバケモノだ。 このままでは、女神の盾-アイギス-は装着者を含めたありとあらゆるもの命を枯らす死神の鎌へとなり果てる。システムリンクの異常がこのまま続ければ・・・それは最悪の事態に直結する。それだけは自分、そして彼女にとっても・・・この世界にとってさえ絶対に避けなければならないことであった。 (まだ間に合う・・・!) ―――――――−鎮めなければ、この子の激情を・・・!! レティが動いた瞬間、魔竜の黄金の複眼がそれを捉え、標的を彼女に定めて爪を走らせる。 それは人間どころか並みのラプターにでさえ、とても反応出来るようなものではなかった。 戦闘能力に関しては大して人間と変わらないレティでは迫り来るアイギスに対応することは出来るはずもない。 「っ・・・!?」 ギィンッッッ!!!! だが、魔竜の爪がレティを切り裂く前に、潜り込んで来た黒い影がそれを弾き返した。 その黒い影はアイギスの周りを高速で翔け、攻撃を繰り返し、その動きを封じている。 ≪グルゥァアアアアアアアアアア!!!!!≫ 「あれは・・・・っ!」 突然の乱入者に驚くレティだが、この好機を逃す訳にはいかない。 抱えていたエレナの首元に手を伸ばし彼女を拘束していたリングに触れる。 指先が触れた瞬間、四つに分かれて展開したそのリングは黒い影に翻弄されるアイギスの首元に飛んで行き、再び結合して魔竜を縛り付ける首枷となった。 ≪ガァアアアアアアッ!?!?! ≫ 脳波干渉装置、グレイプニールはアイギスの怒りの感情、闘争意識を一気に刈り取って行く。 禍々しく変化していた鎧は力の供給を断たれ、徐々にその形状は元のものへと再構築された。 ≪ゴっ、が・ァ・・ぁ、ぁ・・・・・・・≫ 鎧が完全に元に戻ると、白騎士は両膝から折れて崩れるように倒れ込んだ。 変身が解除され、床には気絶したキルシェの姿がある。 「バイタルは・・・大丈夫、ね。はぁ・・・・・」 呼吸や心音などをチェックし、そう判断したレティは安堵の息を漏らす。 そして顔を上げると戦艦に設けられたアンテナの柱の先を見た。 「それで・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「貴方はどんな御用なのかしら・・・亡霊さん?」 黒い飛竜、スレイヤは未だ鋭い眼差しで刀を構えたままレティを見降ろしていた。 ○ セイレーンのアリエル・・・か、いい名前だな。 それでアリエル、さっそくで悪いんだが教えてくれないか? さっきの夢のことだが、あれはもしかすると――――――− 『あなたからすれば400年前ほど前の出来事です。実際に起こった大戦終幕の記録、私の中に残されたその断片を見せました』 ――――――−ビンゴ。 『“海神の揺り篭”に埋もれていたトライデントの鍵・・・そこに私のカケラが宿っていました。極僅かで酷く希薄な存在だったそれをあなたが手にしたことで、何とかこうして話が出来るまでになったのです。この世界に再び危機が迫ろうとしている今、私はあなたに・・・力を持つ者達に真実を伝えなければなりません』 ・・・鍵って言うと、やっぱ海底の遺跡で拾ったあのコインのことか。 なんか大層な拾いモノしちまったらしいが、そこまで言われちゃやっぱり聞かない訳にはいかないな・・・・。 その世界の危機ってのは、というかまず君は・・・、そのセイレーンってのはいったい何なんだ? 『順を追って話しましょう・・・・』 『それは遥か昔、まだこの星が生まれる前に遡ります。こことは違うとある世界で神々の戦いがありました。世界に終焉をもたらそうとする破壊の権化と、それを防ごうとする創世の化身が衝突したのです』 違う世界の神サマの戦い・・・・だって? こりゃ予想以上にスケールがデカいな。開いた口が塞がらないぜ・・・ まぁ・・・驚くのはとりあえず後にしよう。続きを頼む。 『戦いの末、創世の化身・・・・超龍の能力に鬼神の肉体、そしてヒトの心魂を持った雷の神はその力によって時空の壁を裂き、自身の存在を楔としてその永遠の流れの中に破壊者を封印したのです。ですが、創世の神にはその器となった者がいました』 『破壊者と創造者が消え、時空の狭間に独り取り残された彼は辿り着きました・・・この世界、いえ世界を形創る遥か以前の混沌の闇へと。始まりの闇の中には大いなるもの・・・星の中核となる超龍が存在していました』 『彼と超龍との接触、本来ならば決して交わることのないその出会いは星の誕生への契機となりました。闇に光が差し、天地は開闢を迎え、超龍は空と海と陸、そのそれぞれに分かたれました』 『しかし、分かれとは新たな始まりであり、一つのであったものが三つへと分かたれてしまった超龍達にも変化が生まれたのです。神々は知りました。同等の他者が存在することへの安らぎ、そして二度と交わることのないという孤独を・・・。神々は互いの存在を忘れぬよう、それを伝え合う為の媒介を生みだしました。それが・・・・・』 セイレーンって訳か。 『はい。・・・・この星で最初に誕生した生命である私は唯一超龍達への接近と、そして彼らに流れ込んだ創造神の記録に触れることを許されました。それから彼らはそれぞれの場所でヒトを含めた様々な生命を生み出し、私にそれを見届けるよう託して深い眠りに着きました。暫くの間は泰平の時代が続きました・・・・ですが、大戦が始まったことでその平和は脆くも崩れ去りました』 戦争の始まりか・・・・確か昔話では、陸のお偉いさん方が海の領域欲しさにラプター作って戦争仕掛けて来ただとか 『いえ、それは書き換えられた誤った記録です。そう、先に領域を侵したのは・・・』 『海の民なのです』 ■ 「オイ」 「あら・・・・?」 燃えるような赤髪に、ギラつく金色の目をしたラプターの男。 ディーノが船に戻ると、ブリッジにいたはずのレティがいなくなっていた。 彼女を探して、船を歩き回っているとほとんど彼女の私室と化していた医務室の前で鉢合わせた。 「遅いお帰りだったわね。どこで寄り道してたの?」 「あぁ?急に海が荒れやがった所為で慣れねえ荷物運びが余計に手間取っただけだ」 「あらそう・・・・・じゃあ、その子なのね」 ディーノの肩に担がれた村娘のような風貌の少女、それをレティは興味深げに見まわした。 「・・・あ、そうそう。ちょっとトラブルがあってキルシェちゃん、今休ませているから。船の守りはお願いね」 「あァ、寝てるだァ?・・・・・まぁいい、面倒なヤツは潰したからな。あとは手下の連中の好きにやらせる」 ○ 先に吹っ掛けたのは海側・・・か。 なるほど・・・そう聞くと確かにショックな話だな。 『そう・・・海の民が他の領域を侵したのは紛れもない事実です。しかし・・』 ん、どうやらまだ続きがありそうだ。 『まずはその後のことからお話しましょう。・・・空と地の民は、空の優れた技術によって生み出された竜人達を用いてその報復を行いました。それは過剰に膨れ上がり、戦禍は海界全域を覆いました。そして圧倒的な物量の前には成す術もなく、海は瞬く間に支配されて行きました』 『この世界はまだ生まれたばかりの赤子です。大変不安定な状態・・・・三界の内、海の領域に異常が生じた結果、均衡を崩し大きく転んだ世界はとうとう声を上げて啼き出しました』 『気候は乱れ、無数に生じた巨大な嵐等が自然や動植物を襲い、多くの命を奪い去りました。そして、世界が悪い方向に進む最中・・・追い打ちをかけるよう突如、ヒトに使役されていたはずの竜人達がその手を離れて暴れ回り、破壊を繰り広げるようになったのです。その竜人達の暴走が世界の崩壊を更に加速させました。』 『それを止めるべく動いていた私は、それらは全てが一人の悪意ある者によって画策されたものであったことを知りました』 その竜人ってのはラプターのことか・・・?なら、それを作ったのは・・・ いやそれより、たった一人で世界を手玉に取るなんて・・・何者だい、ソイツは? 『宇宙を塞ぐもの【ヴリトラ】・・・かの者は異世界からの招かれざる来訪者でした。事の初めに海界の一部を影から動かし、その後も大戦の裏で戦禍が広がるよう謀っていたのもかの者でした』 飛ばされて来た神様-イレギュラー-といい他所からの客が多いんだな、この世界。 だけど、今度のエトランゼは相当イカれたヤツらしい・・・・ 世界中をメチャクチャにしていったいソイツにどんなメリットがあるってんだ? 『かの者の思考は本質的にあなた方とは異なっています。ただ、破壊を成す為の事象として存在しているのです・・・・ですが、それを知ったところで私には何も出来ませんでした』 『混乱を治めようにも世界の異なる力は私の調律が及ぶ処ではなかったのです。私が手を拱いている間にも厄災は止まることなく広がり続け・・・また多くの生命が散らされました』 ・・・アリエル・・・・・・ 『・・・・ですが』 『誰の心にも影が差しかかり、明日に絶望しか抱くことが出来ない・・・そんな荒廃した世界の中にも、一際輝く光がありました』 『切り立った海岸のある小さな浜辺で、私はその若者と出会いました。彼はその辺りの村に住む青年で、村々を襲い破壊を繰り返す竜人達から故郷をたった一人で守っていたのです』 『ご存じの通り、ヒトと竜人には埋まりようのない能力の差があります。それに多勢に無勢・・・苦戦は必至でした。ですが、彼はどんな苦境に陥ろうとも決して折れずに立ち向かい、己の守るべきものをその手で守っていました。私は彼からヒトの心の強さを学び、また新たな希望を見出しました。そして彼の守護する海岸に降り、その想いを形にする力を与えたのです』 なるほど、それが・・・・ 『そう、あなた方がライダーと呼ぶ力です』 『創造神の遺産がこの世界で生み出したその新たなる力。それはヒトの心、その想いを糧とし発現しました。』 『彼は暴走する竜人達を鎮圧する旅を始め、その勇ましい姿は虐げられていた人々の心の支えとなって行きました。旅の中で彼は友と出会い、彼らと力を合わせ、ついに異界の侵略者を追い詰め、その寄り代となった竜人の肉体を滅ぼしました。ですが・・・・』 『かの者のカケラ、その力と邪念を完全に消し去ることは叶わず・・・戦に勝利したかと思われた直後、私は肉体を奪われ・・・・私を救おうとした彼らを窮地に陥れました。その結末は・・・あなたにお見せした通りです』 ・・・・なるほど、な。 大体分かったが、話が大き過ぎてイマイチ何をどうしたらいいんだか。 『お願いします』 『セイレーンの謳は星を導く調律の力・・・ですが、ひとつ誤ればその力が星に滅びをもたらすこともあります。そして、かの者は未だどこかに身を潜めその力を狙い、星に滅びをもたらそうとしているのです』 『どうか、かの者の手からセイレーンを護り、世界の崩壊を防いで頂けないでしょうか』 前半に関しては当然、断る理由がないな。 後半は・・・・ぶっちゃけ、世界がなんだのってのはオレの一人の手にはだいぶ余りそうだが、ウチの愉快な仲間達は結構な粒ぞろいだし、特にミスターあたりはそういうの好きそうだから・・・まぁ、どうとでもなるか。 てか、困ってる女の子は須らく手取り足取り腰取り助けるのが我が家の家訓だからな。 オーケィ、その依頼はこのキール・D・コースト・・・出張海賊シーサーペントが、きっちり引き受けるぜ。 『依頼、ですか?』 あぁ、これは君からの依頼だ。ウチも半分慈善事業だが一応生活掛ってるからな。 当然ながらお代はきっちり払って貰わないとなぁ。 『お代・・・・』 そう、とびきりのスマイルをふたつ、分割払いで頼んだぜ。 『っ・・・・・・』 『・・・ふふ・・・そう言う所は本当によく似てますね』 おっと、こういう時に他の男の話されるのはノーセンキューだぜ? 例えそれがご先祖様でもな。 『ふふ・・・ごめんなさい。それでは、お願いします・・・・』 あぁ・・・大船に乗ったつもりでいてくれよ。 もっとも、君が乗るのは・・・・“オレ達”の海賊船だけどな。 ● ザパッ!! 「っぷは・・・・おい、おい!・・・おい、サラ、しっかりしろ!」 「けほっけほっ!!けほっ・・・・ご、ごめ、なさ・・・・」 「いい、それより離すなよ」 流石に渦飲まれそうになった時はこれまでかとも思ったが、必至の思いで沈みかけていたサラを引っ掴み、なんとか海上へと顔を出したフレッド。 近くを漂っていた船板をサラに掴ませ、泳ぎを進めるフレッドは半壊したタイニーホープへと再び乗り込んだ。 「っ、アリア・・・・!!アリア、いないのか!?」 船に戻るとフレッドはすぐさまアリアを探したが、その姿はどこにもなかった。 「・・・やっぱりあいつに・・・」 「フレッド・・・」 (クソッ・・・・いったいどうすればいい!?) 状況は最悪だった。 エレナは飛び出したまま帰らず、連れ戻しに行った濠とも連絡が取れない。 アリアは連れ去られ、キッドは・・・・。 (キッド・・・お前・・・大丈夫、だよな・・) 「っ、フレッド!!前っ!!」 「っ!!?」 フレッドが顔を上げると、戦艦から放たれた砲弾がすぐ近くまで迫っていた。 ほとんどの砲門はスピカが破壊したはずであったが、それでも何基かは生きていたのだ。 回避行動・・・間に合わない。とっさに、サラに覆い被さるよう倒れ込むが船に直撃すれば、二人ともただでは済まない。 「ッ・・・・!!」 ザパァッ!!!! その刹那、海から飛び出して来た青い影が砲弾を二つに斬り裂いた。 船を掠めるよう両脇で小さな爆発が起こり、それと同時にボロボロの甲板へ誰かが音を立てて着船した。 「っ、お、お前・・・・!?」 「あーあ、ヒドいなこりゃ・・・ったく、人の船になんてことしやがんだ」 ● 「キッド!!」 「よぅ、フレッド、サラ。一応大丈夫みたいだな。無事で何よりだ」 「お前・・・!!この、心配させやがって・・・!!」 「遅くなって悪かったな。っと、それより・・・サラ、頼む」 「ぇ・・・っ!!?」 キッド、レイヴァンが抱えている男・・・それはアイギスに胸を貫かれ、海に落ちた霧島濠だった。 全身に重度の裂傷を負っていて出血も酷く、呼吸もしていなかった。 「かなり危険な状態だわ、早く手当てしないと・・・・!!」 「あぁ、今すぐここからずらかるぞ・・・フレッド、近い岸に舵を取ってくれ」 「逃げるだとっ!?待てくれ・・・アリアやエレナはまだ・・・」 「それでもだ。死にかけてる仲間を見殺しには出来ないし、最悪このままじゃ全滅だ」 「だ、だけど・・・・・・・」 「挽回のチャンス来る・・絶対にな。船長命令だ、副長。全速でこの場を離脱するぞ」 「・・・・・・分かった」 何も出来ずアリアを連れて行かれた手前、後ろ髪を引かれる思いであったが・・・ 確かに、キッドの言うよう濠の事もあるし、サラや自分の体力もそろそろ限界であった。 チャンスは来る、その言葉を信じてフレッドは舵を握った。 「動力部に異常が出てる、まともなスピードが出るかどうか・・・これだと逃げ切れる保証もないぞ」 「オレ達の船-タイニーホープ-を信じるさ。それに、考えがある。フレッド、サラ、お前達ミスターを固定してどっかに捕まってな。かなり揺れるぞ」 「え・・・何するつもり?」 「置き土産だ・・・連中に、ちょいと釘を刺して来るのさ」 ■ 「意外と持つわね」 「バカ野郎どもが・・・あんなボロ船相手に何時まで手こずってやがる」 葉巻を吸いながらブリッジで見物していたディーノだったが、何時まで経っても沈まない船に苛立ちが募っていた。 「仕方ねぇ、面倒だがオレが・・・・」 「・・・?あら、あれってもしかして・・・」 「アァン?・・・・・・・、ッ!!?」 『・・・・・・・・』 その小さな船の先に佇んでいるのは深い青色の鎧の男。 紛れもない・・・ディーノが撃破し、海の底に沈めたはずの男が変身する仮面の海賊だった。 「あの野郎、生きてやがったのか・・・!!」 キィン!! その海賊は、絵柄の無いまっさらなコインを取り出すと指で弾き上げた。 回転するごとにその表面が変化し、落ちて来る頃には、そこには荒ぶる雷の紋様、【海王-ネプチューン-】の印が刻まれていた。 カシャンッ!! 『オーバーライド!!!!』 コインとベルトが交差する瞬間、ドクロの【海竜】のコインと容れ替える。 その瞬間、仮面の海賊レイヴァンは金色の光に包まれた。 ディープブルーの鎧を包み込むよう、その背にはマントが、全身にゴールドの装甲、力を象徴する黄金の色が覆い被さっていく。 冒険者をイメージさせるようなシャープなシルエットは、ディーノの駆るガンディーヴァにも見劣りしない力強いフォルムへと変化・・・進化を遂げていた。 新たな姿となったレイヴァンが掌を掲げると乱れ落ちる雷と共に三又の槍が海を割って現れる。 『トライデント、モードリリース・・・!!!』 ドクロのレリーフからコインが外され、槍へとセットされると、槍先や柄の部分が展開し、柄の中程には引き金の突いたグリップが姿を現した。 ガシャリ・・・・・ レイヴァンの身の丈よりも大きなその銃槍が鈍重な音を立てて戦艦へと向けられる。 バチバチと凄まじい稲光を上げながらその砲身には膨大なエネルギーがチャージされていく。 『どうせ聞こえてるんだろジジィ・・・』 「小僧ォ・・・・テメェッ!!!!」 『どうも、ウチの子たちが世話になってるらしいが、レディへの持て成しは丁重にな』 『すぐ迎えにいく、もし傷付けたりしてみろ・・・・その時は―――――――――――−!!!!!!!!!!!』 ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!! 引き金を引く。 その瞬間、海神-わだつみ-の咆哮の如き轟音が響き、解き放たれた青い雷が大海原を真っ二つに引き裂いた。 ◇ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 結論から言えば俺達は助かった。 キッドがどこからか手に入れて来たあの槍(大砲だろうか) それを撃った反動は凄まじいもので、俺達は船ごと一気に陸まで押し進められた。 しかし、当の砲撃自体は相手の船から大きく逸れた所を通り過ぎていった。 当然か・・・・あれにはアリアや、恐らくエレナも乗っていたんだからな。 海をごっそり抉り取るほどの威力だ。もしあんなのが当ろうものなら塵の一つも残らなかっただろう。 そういう訳で、あの槍に警戒したのか、あいつらが追いかけて来るようなことはなく俺達は無事に陸へと上がることが出来た。(単に俺達にはもう用がない可能性もあるが) 瀕死の重傷を負っていたゴウだが、陸に上がってからは近くの病院に担ぎ込まれ、航行中の応急処置の甲斐もあってか何とか一命は取り留めようだ。 しかし、危険な状態であることには変わりなく、やはりいつ目を覚ますか分からない。 医者曰く、心臓付近に風穴を空けられたにも関わらず、息を吹き返したのは奇跡的だそうだ。 そう言えば治療に立ち合ったサラがおかしなことを言っていたが・・・それはまた後で聞いておこう。 そしてキッドはと言うと、陸に着くなりパタリと倒れて、ゴウと同じく集中治療室に担ぎ込まれた。全身に重度の打撲、やけど、骨の幾らかが折れるかヒビが入るかしていた。 そんな状態なのに戻ってくるなりあんなのぶっ放すなんて・・・また随分と無茶をした。 今は泥のように眠ってるが・・・・それでも、こいつなら直ぐにでも戻って来るだろう。 奪われたのはうちの大事なクルーだ。それをじっと寝てるなんてこいつに出来るはずがない。 いつでも出航出来るよう、準備はしっかり整えておくからな。 待ってるぞ・・・・キャプテン。 |
青嵐昇華
2011年08月11日(木) 00時00分38秒 公開 ■この作品の著作権は青嵐昇華さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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50点 | Unk Fiddes | ■2011-11-08 13:41:21 | interesno.com |
アマガミのモジャ子さんがとんだ伏兵でいやがりまして、悶えてる間に時間は無情にも過ぎ去りて未だに全キャラできてないぜちくせう。 ってモタモタしてる内に珀羅外伝まで投稿なされちゃって一体全体どんな投稿スピードなんだよ僕もなんとか夏休み終わるまでにもう一話投稿したいと思いつつまだギリギリ間に合うよねってなもんで感想失礼しまっす。 >ヴリトラァアアアアアア!! 最初っからクライマックスで五臓六腑噴いたw え、誰この人って感じで思わず設定とepXを見直してしまいましたが先代バトルの過去の記憶でしたか。 濠君ポジションの方は相変わらずのイケメンっぷりで安定してますがキッドさんポジションが熱血キャラっぽいのがちょっと意外w にしてもアリアちゃんポジの人が敵さんに乗っ取られてるっぽい事からして現代でも同じことが起こり得るんでせうか。まあ初っ端からディーノの親分に狙われてらっしゃったのでキーパーソンには違いないのでしょうけども。 >アイギス暴走 あっれ、てっきり100%レティさんが仕組んだものだと思ってたのに……。なんかレティさんって『計画通り!』みたいな感じで裏でものっそい悪そうな顔で常時ほくそ笑んでるイメージあったんですけど、何気にアリアちゃん庇ったりキルシェさんの安否を確認してたんでこりゃ少し彼女に対する認識を改めなければなりませんなげへへ。いやなんだよげへへって。 要するに悪役のセクシーなお姉さんって最高だよねってことで!シンケンの太夫とかゴーカイのインサーン様とか大好きです。 それにしても白衣に網タイツとかレティ姐さんってばとんだ萌えキャラだぜ! >スレイヤ レティ姐さん危機一髪に駆けつけたのは濠君とそっくりで何かとややこしいことで有名な亡霊さんだー!……すんません僕の頭の処理速度と読解力がアレなだけです。 カトラス潰しの高機動タイプまじぱねえってな感じで暴走したアイギスも難なくあしらってますなー >ネプチューンフォーム 新フォームキター! フレッド夫妻のピンチに駆け付けるタイムリーさ加減や回転する毎に絵が変わっていくコインの演出とか強化フォームの証の黄金の装甲とか槍なのに引き金が付いてる新武器とか海かち割って親分達ビビらせて退かせちゃう見せ付けっぷりとか海神と書いてわだつみと読ませるセンスとかなんかもーホント超絶熱いっす。 残念ながら今回は直接対決とは相成らずトライデントぶっ放しのみに留まった訳ですが、今後のネプチューンフォームの活躍に期待しつつ今日はこの辺りで。 完全に蛇足ですが最後に一言。 カザリ、さよなライオン |
50点 | トレハ | ■2011-08-25 12:19:10 | pd82b1d.mie-nt01.ap.so-net.ne.jp |
海を割る一閃、轟く稲妻は怒りと誓い 前回、キッド達全員が戦闘不能に追い込まれ、窮地に立たされたシーサーペントですが、そこは流石海賊。手にした絵柄の無いコインに宿った【海王】の力を纏い、繰り出した会心の一撃。転んでもタダじゃ起きないとばかりにピンチをひっくり返したキッド。 しかしディーノから受けたダメージも重く、エレナちゃんとアリアちゃんは捕らわれ、濠くんも満身創痍の状況。痛み分けになりましたが、より強く志が定まったように思います。 また、これとは別に気になる事もちらほら。 過去の大戦の黒幕と思わしき存在、ヴリトラ。『異界の蛇神』『破壊を成す為の事象』と聞けば、思いあたる影が一つ。珀羅の世界では一度は砕かれましたが、事象そのものであり消滅は無く、過去幾度も復活した事を考えれば、例え世界を超えても再び現れる可能性がある者。 こちらの世界でも“凶星”たる意思が動いているようですね。 白い魔竜の爪を弾く漆黒の翼、スレイヤ。元々キッド達の目的がこの謎のライダーの調査であり、図らずもキルシェさんエレナちゃんの危機を救う形で現れるというのがなかなか皮肉なタイミングですね。 奇しくも同じ首輪の装置を使われる姉妹というのも、何か強い縁を感じます。 セイレーンのアリエルさん、アリアちゃん。キッドの見た記憶のこともあり、敵に奪われたという事実が、過去の出来事と重なります。嫌な予感は外れて欲しいものですね。 そして地味な、しかし堅実な実力を発揮したフレッド。生身で無傷かつ海ポチャライダーのピンチを救い、半壊船をなんとかしなきゃいけない苦労人パワー。泣けるで キッド、濠くん共にしばらくまともに動けなさそうですが、ディーノ達も待ってはくれないでしょう。次回はどう展開するのか、期待の高まるAヨスケでした。 |
50点 | Aヨスケ | ■2011-08-14 03:08:46 | pv02proxy02.ezweb.ne.jp |
新しい話の更新を待っていました! そんなわけで、今回の話の感想ですけど、結果的にアリアさんはディーノさん達に連れ去られてしまったわけですけど、彼女を連れ去って一体何をするつもりなのかが気になります。 ……エレナさんの方は方で、暴走してしまった結果、濠さんを瀕死の重傷した姿を見た結果、色々な絶望感に陥ってしまい、そのまま気絶。…彼女は彼女で、どうなってしまうのかが気になりますけど、それ以上に気になるのがエレナさんのお姉さんであるキルシェさんが変身した『アイギス』のことですな。彼女の激情が発動した結果、暴走モードになってしまい、其れを止めるためにレティさんがいつも何か来ていたことが驚きです。……本当に、彼女は一体何者なのですか? ……んでもって、何が理由で出てきたんですか、『スレイヤ』さんは!? 一方のキッドさんですけど、彼は精神世界ともいえる場所で目覚め、そこで出会った最初の“セイレーン”である『アリエル』さんと出会ったわけですけど、彼女から自分達の《世界》の生い立ちや過去に起きた出来事の真相を聞くことになりましたけど、……どこか、“超龍”と呼ばれる存在は濠さんに近いものがありますね。もしかして、何かしらの関係があるんじゃないですか? 其れと真の敵だといえる『ヴリトラ』と数千年前の『ライダー』達との戦いの記憶の様子ですが、昔の『ライダー』の二人だけですけど、どこか、今のキッドさんと濠さんを髣髴させるところがある感じだったと思います。 今回の話で、新たな力である『海王(ネプチューン)』の力が宿るコインによって、新たな姿へと進化した『レイヴァン』…! 新たな武器を使い、場所から離脱しましたけど、ある意味、凄まじい威力の砲撃だったのだなと思いました。 色々と厄介な状態になってしまったキッドさんと濠さん。彼らが目覚め、再び守ると決めた乙女達の元にいけるのは何時になるのでしょう…。どうかがんばって欲しいものです……。 そんな感じで、感想は以上です。次回の更新が何時になるかが気になりますけど、どうか今後も頑張って下さい!! |
50点 | 烈 | ■2011-08-11 23:47:30 | i125-205-43-158.s10.a044.ap.plala.or.jp |
合計 | 280点 |