仮面ライダーヘブン 第35話
第35話

(セレス視点)
司令室から受けた情報を聞いて、最初は驚きで泡食ってしまったけど、それは私にとっては待ち望んでいたとても嬉しく、心に重くのしかかっていたものがまるでなくなったように軽くなり、晴れ晴れとした気分にさせてくれた。

マリアが生きていたこと。
これが何より嬉しかった。あの子は私にとっては可愛い妹のような存在、ずっと連絡がなかったし、もし、聖やイングリッドの手に堕ちて、操り人形のようにこき使われていたらとか、最悪殺されていたらとまで考えていたから。でも、無事生きていて、そして坊やたちと無事合流出来たことは、思わず涙が零れた。ムッシュにも気遣わせてしまったわね?私が泣きやむまでハンカチ出してくれたり、羽根でずっと頭をなでてくれていた。とても温かくて優しくて嬉しかった。ありがとう、ムッシュ。愛してるわ。

クロキバ(・・・うむ///)

そして驚きだったのが・・・エリザベート様。
坊やとのわだかまりは消えてなかったけど、今回の一件でエリザベート様も今度の侵略計画の裏で何か別の計画が蠢いていることを気づいたようね。結局あの後、坊やとまた口喧嘩になって、大声で「バカ姫」とか「オカマ」とか、聞けば聞くほど脱力してきそうな子供じみた喧嘩を繰り広げ、姫様が「覚えてろ」とか陳腐な捨てゼリフ残して走り去ったと聞かされた時は、もう違った意味で泣きたくなった。姫様、一応貴方様はプレデター一族の王家の血を引き継ぐ高貴な身分であるのだから、もう少し優雅な振る舞いがあるでしょうに・・・。坊やも坊やでチェックメイト・フォーのキングの資格が与えられし選ばれたものならば、もう少し自分の言動や行動というものに空気を読んでから動くといったことを覚えて欲しいものだわ・・・。

暁(・・・面目ねえ)

そして、アンジェリカ・シャークエッジことニクス。
真の四天王に関することは、私たちはほとんど聞かされていなかったから、情報がほとんどなかったけど、まさかマリアのお母様が四天王としていたとはね。そう考えると、私たちは戦いにおいて捨て駒同然、敵を前線で駆逐するための実働部隊に過ぎなかったってことかしらね?まあ、いいけど。それで暴走していた原因であるメダルを取り除き、今は大人しく眠っている状態で医務室に寝かされている。

その後、緊急のミーティングが開かれて、マリアが集めていた情報を頼りに、昴ちゃんが参謀として今後の作戦の展開及び敵対する勢力への対策を検討して・・・3時間通しての綿密なミーティングが行われたわ。

さて、そのミーティングでまとまった情報を一つ一つ整理しておこうかしら・・。

(1) 結界について
暁「こんな紋章が町中にあったなんて知らなかったな・・・」
昴「メダルアニマルでも感知できなかったなんて、相当人目についたらヤバいんだろうな。敵もうじゃうじゃこの結界の周りにうろついているようだし」
流水「番人なのかな?」
雷斗「・・・・・・・・・・・・違うと、思う。この紋章が、ある、と、いうことは、結界の、先に、ある、ものが、目的、だろう、けど、結界が、破れず、誰かが、封印を、解くのを、待って、開いた、と、同時に、一気に、攻め、込んで、くる、の、かも・・・」
暁「まあ、それが妥当かもな。でも、この先に何があるっていうんだ?」
凛「マリアさんの話を参考にすると、その八番目のアイオーンシステムに関する何かがあるというのは可能性が高いな」
クロキバ「うむ・・・しかし守護者である我ですらも、このシステムは聞いたことどころか存在さえ知らなかったぞ。伝説のパスは全部で七つ、八つ目があるなど聞いたことがない」
暁「つまり、能力もどんなものか、分からないわけか」
クロキバ「うむ、このことは、晶殿や慧殿にも連絡した方がよいであろうな。ここまで来ると我等だけでは心もとない」
暁「・・ああ」
冷牙「それで?大将、今後この結界の調査ってところかい?」
暁「ああ、体調やコンディション整えて、万全の準備で行おう。いつ敵がどんな手段でやってくるか分らない。あっちももうほとんどの幹部がやられて、痛手だしな。四天王も残り二人・・・・確かあのバカ姫の情報だと、「ショール」と「ニクス」っていう二人が残ってるんだよな」
マリア「ば、バカ姫って・・・(汗)」
フレア「バカさ加減だったら、テメェと大差ねえだろ。ジャリガキ」
暁「誰がジャリガキか(怒)。見た目からしてお前の方が年下だろが」
フレア「ああ?お前、17歳だろうが。アタシ21歳(享年)だよ。十分ガキじゃろがい」

あら?脱線しかけてるわね?まあ、そうなのよね。それどころか、この四天王の中で一番最年長なのは・・・フレアなのよね。私もよく間違われるけど、享年19歳だし、まだ未成年なのよね。アリスは17歳、マリアは16歳。マリアが一番年下なのよ。そのことを皆に話した時は全員驚いていたわね。ましてや坊やなんて、椅子からひっくり返るほどだったし。

暁「マリアさんが俺より年下?いやいや、ないっしょ。あれだけ大人びていてクールでしっかりしている人が俺より年下だったら、俺、こんなちゃらんぽらんでどうするの?」
と、放心状態でブツブツ言ってたわね。目が完全にトンでたし。

まあ、脱線しかけていたところを止めて、もう一度作戦会議ね。とりあえず、結界に関しては、体調が整い次第調査ということで話がついたわ。

(2) 敵の戦力について
暁「さて次の話だが・・・敵の戦力及び能力はどうなのだろうか」
アリス「知らん」
フレア「知らねえ」
暁「いきなりバッサリ言わないで。もうアタシ心折れそうよ」
凛「はいはい、気持ちは分かる。だからもう膝を抱えて打ちひしがれるなって。しかも何でオネエ口調になってるんだよ」
流水「つまり、真の四天王に関して、ほとんど知らないってこと?」
アリス「うん」
フレア「つーか、知ったところで、どうよって感じだったし。相手がどんな手段で来ようが、要はギッタギタにしてやればいいんだし」
マリア「・・・・それじゃ思うつぼよ。私も調べてみたけれど、四天王は本当どういう人物なのか、どういった能力なのか、ショールという人に関してはまるで掴めなかったです。存在そのものに関するめぼしい情報は見つけられませんでした。ですが、ベリルの能力に関しては分りました」
暁「マジでか!!マリアさん、もう、アンタだけだ、頼りになるのは!!」
マリア「ふにゅ!?ふ、ふにゃあ、その、あの、せ、せちゅめいしましゅ!!」

あらら、マリアったら坊やに褒められたくらいでタコみたいに真っ赤になっちゃって。相変わらずウブねえ。見ていて微笑ましいのだけれども。あら?クリスちゃんは羨ましそうに見ているわね。もう、罪作りな男ね、坊やは。アリスのこともあるし、坊やは一体誰を選ぶのかしら?

穏「・・・・・・・・・ソウルイーター?」
マリア「はい、ベリルは文字通り“能力を食べる”んです。そして食べた能力を自分の能力として使うことが出来るんです。私は一度、ベリルが“食べる”ところを見たんです」
セレス「食べるっていうけど、具体的にはどうするの?」
マリア「・・・・・相手の身体を丸飲み、です。あいつの体内に取り込まれてしまったら最期、意識を完全に取り込まれて能力がベリルのものになってしまうんです」
暁「・・・うわ、悪食にも程あんだろ」
凛「で、誰を食ったんだ?」

マリア「・・・・・スフィンクスレジェンドルガ、確か、智と呼ばれていたらしい少女でした。倒されたあとの残骸らしきものが回収されてきたことがあったんですが・・・その身体を・・・・全部食べてしまったの。あんなおぞましい光景・・・思い出すだけでも・・・」

全員が想像して顔を青くする。まあ、イメージするだけでも凄惨極まりないわね。確か記録によるとかつて仮面ライダーバルキリーこと坊やのお母様が倒したという、神代聖にそそのかされて一族の復興のために、時間を破壊する古代兵器「ヒュプノス」を蘇らせて時空を荒らしまわっていたというスフィンクス族の少女、それが智って子だったわね。それで、ヒュプノスごと倒されたと聞いていたけど、精神を完全に破壊された廃人になっていたとはいえ、まだ、生きていたなんて。でも、それをイングリッドと聖に見つかって、ベリルに食い殺されてしまったってこと?つくづく救いがない話ね・・・。それで、ベリルが廃人になった智を食い殺す光景なんて・・・・もう生き地獄そのものじゃない。
マリアも思い出してか、顔を青くして気持ち悪そうにしているし。

冷牙「つまり、智とかいうヤツの能力を自由に操ることが出来るってことか」
雷斗「・・・・・・・・・・恐ろしい」
流水「それだけじゃないよ。もし、ヤツがライダーの力狙って着ていたら、ボクらだって食われるかもしれないじゃん」
暁「・・・・おいおい、マジかよ。煮ても焼いても食えない連中ばかりだっつーのに、相手も物好きなこったな」
「「「お前が言うか」」」
暁「何でお前ら3人揃って、俺を見て言うんだよっ!?」

苦笑する、まあ、そうよね。私もその辺は自負しているし。煮ても焼いても食えない、食べたら確実にお腹壊すどころか生命維持機能の強制停止さえやりかねないでしょうし。

暁「ま、これについてはアンジェリカさんに聞いてみるか。一般病棟について落ち着いてからの方がいいだろうしな」
昴「そうだよね〜♪ちゃんと話さないといけないし、挨拶もまだでしょう?」
穏「・・・・・・・暁はしっかりやるべき」

あら、随分と熱心ね。失礼だけど、そういう社交辞令に関しては普段の生活ぶりを見ていると、意外といえば失礼だけど、この二人が率先して言うなんてね。

暁「あ、ああ、そのつもりだ」
昴「緊張すんなよ〜♪あの通り、マリアさんの母親とは思えないほど、いや、二児の母とは思えないほど美人だし、暁くん、顔真っ赤になって上手く話せなくなりそうだし」
穏「・・・・・・・・・でも、男としてちゃんと挨拶するべきところはするべし」
暁「?挨拶?ちょっと待て、お前ら、さっきから事情を聴きだすところよりも、挨拶にさっきからこだわっているように思えるんだが?」

そういうと、二人が「だってねえ」と頷きあって、言った。

昴・穏「「結婚を前提にお付き合いさせて下さいって言いに行くんでしょ?」」

前言撤回、どうやらこの二人、坊やをからかうためなら空気を読まない発言も覚悟のうえで相当おちょくり倒したいらしいわね。案の定、坊やはしばらくフリーズ、マリアは顔を真っ赤にして口をパクパクさせて頭から湯気出しているし・・・・。

昴「アンジェリカさん、マリアさんを俺に下さいっ!とか(ニマニマ)」
穏「・・・・・一生をかけて幸せにいたします、とか(ニタニタ)」
昴「・・・・俺の一生をかけて、愛し、守り抜きます!!とか!(ケタケタ)」
穏「・・・・既成事実を作っておいたほうがいいかもしれない(フッフッフ)」

暁「・・・・・お前ら・・・・・・・いい加減に・・・・!!」

ガッシャアアアアアアアアアアン!!!!

あら・・・?坊やがキレそうになった瞬間、突然水差しが投げつけられ、昴ちゃんと穏ちゃんの後ろの壁に叩きつけられて派手な音を立てて割れた。二人が投げた相手を見て、震えあがったように顔を青くしてがたがた震えだす。私もその相手を見て、思わず怖くて震えあがったわ。坊やもクリスちゃんもムッシュ、冷牙くんに流水くん、雷斗くん、アリスやフレア、マリアでさえ驚いて見ている。それは・・・・・。

凛「・・・・・・いい加減にしろよ。そろそろ大人しくしないと、キレるぜ?」

凛ちゃんだった。もう空気は凍りつきそうなくらい、ナイフをまるで付きつけるような鋭く冴え切った光を宿した瞳、普段よりも格段重く低い声、憎悪と憤怒を全身から醸し出し、見る者全員を圧倒させる。ここまで怒った凛ちゃん・・・初めてみるわね?

昴「わ、わ、分かったよ、悪かったよ、もう言わないよ!(ど、どうしよう、穏。凛マジでキレてる!)」
穏「・・・・・・・・・・失礼した、もう、しない(キレたら、暁よりもお仕置きが容赦ない。下手すれば病院どころか殺される・・・)」
暁(や、ヤバい!凛がこうなったら俺でも止められねえぞっ!?下手すりゃ俺より強いんだから!)
クロキバ(そ、それは、つまり、本気で暴れ出したら誰も止められないということであるか!?)
クリス(・・・・・凛さん、怖い・・・・!!(ガクガクブルブルガクガクブルブル))

そういって、昴ちゃんと穏ちゃんの二人が慌ててスライディング土下座して、何とか会議は再開・・・しかし凛ちゃんの不機嫌極まりない様子はしばし収まらなかったけどね。でも、どうしてあそこまで怒ったのかしら・・・?

アリス(凛、キレると暁より怖い・・・・・!)
フレア(・・・あ、アタシ、完全にビビった・・・・・)
マリア(こ、こ、怖いよぅ・・・・!)

四天王三人、いえ、私もかなりこれは来たわね。全員を震え上がらせるほどのこの怒り・・・この子もただの一般人の中ではかなりの修羅場をくぐってきた猛者のようね。

(3) ヘブンボイスターについて
流水「そういえばさ、さっきのあのグリフォンフォームって、あれ、何なの?」
暁「・・・・・あ、ああ、あれか」

そういうと、坊やがヘブンボイスターを取り出して机に置いて話しだす。

暁「俺もまさかアリスとこうなるとは思わなかったんだよな・・・」
そういって、遠い目をして話し出した姿がやけに疲れているように見えたのは、恥ずかしいからかしら?

(回想)
あの森の中でアリスと大見栄切って、暴れに暴れまくっていた俺たちだったんだが、まさか敵が伏兵、援軍と呼びこんでいるとは思わなかった。知らずしらずして敵を打ち倒していたはずが、まさか追い込まれていたとは。敵も策士のようだった。大勢で襲いかかり、行く手を阻みながら、少しずつ少しずつ、自分たちの優勢な位置になるよう移動させていたとは。

アリス「確か、あまりに敵が多すぎて、暁が「多すぎるんだよっ、バッキャロォオオオオオオオ―――ッ!!!!」てブチキレて敵を追いかけまくって、そしたら道に迷った上に敵の陣地に迷い込んで追い込まれたんだよな♪」

うるさい。テメェこそ「もっと殴る!もっと暴れる!!」とかいって、はしゃいで戦って右に左に走りまくったせいで、麓へのルート外れまくって道迷ったんじゃねえか。俺は・・・まあ、ちょっと若気の至りで後先考えないで暴走してたが、天然バトルジャンキーのこいつと同レベルかと思われると俺のプライドにかかわる。(結局は似た者同士)

そしたら、突然電車の警告音のメロディが鳴りだし、空が光ると中から突如このヘブンボイスターが飛び出して来たんだ。それをつかみ取り、ずっとメロディが流れていたから、最初は何なのか分らないから、どうすりゃ分からなかったんだけど。

ボルダー「これ、こうすればいいじゃん!」
ヘブン「あっ、バカ!」

まあ、こいつがメチャクチャボタン押しちゃったと。
そしたら、ヘブンボイスターの音が止んで、何か入力したような音がすると・・。

「Fusion! Griffon form!」

そしたら、ヘブンボイスターから光り輝く線路が飛び出し、それが俺とアリスを包みこみ、光の中に飲みこまれた。それで、俺の中にアリスの意識が入りこみ、イマジンが憑依しているような状態になると、そのまま俺とアリスが合体して、あんな状態になったわけだ。

(回想終了)

暁「つまり、このヘブンボイスターは、複数のライダーを合体させて新しいライダーを生み出すことが出来る。でも、フィードバックが半端じゃない。下手したら命すら危ない危険な代物なんだ。そうそう出来るものじゃない」

昴「ほー・・・アリスちゃんとついに・・・」
穏「・・・・・・・・・・・大人の階段を上ったのだね」
暁「待てコラ、どうしてお前ら二人はそう人がそれで死にかけていたというのに下世話なネタに持っていくか」
流水「やめようよ、また、凛怒るよ?」
凛「・・・・・・・バカは死ななきゃ治らないってか?(ゴゴゴゴゴゴ)」
昴・穏「「(ズザザ)サーセンしたっ!!」」orz=×2

クリス「・・・・アリスさんと憑依・・・・一心同体・・・うう・・・私の立ち位置が・・唯一暁のそばにいられる安心感が・・・・居場所が・・・・・・うううう」
セレス「はいはい、泣かないの。壁に向かって体育館座りしてへのへのもへじ書かないの・・・」
クリス「止めないでください―・・・。もうこの世界、何かがおかしいと思うんです―・・・」
クロキバ「相当ショックのようであるな」

暁「クリス、一体何があったんだ?情緒不安定か?」
クロキバ「暁、今のクリスは優しく見守ってやれとしか言えんのである」
暁「?」(まるで気づいていない)

フレア「・・・・おい、タヌキのオッサン、あのチビジャリ、ニブすぎるんじゃねえのか?」
クロキバ「とりあえず我はタヌキではないし、暁をチビジャリ呼ばわりしたことについては後で噛みつきでシバくとして、何とも女性心の分からない点においては頭が痛いものであるな。あれではクリスも、アリス殿も、マリア殿も、凛も報われぬぞ・・・」

冷牙「あいつの鈍さは、もう神経系に異常がある先天的なものなんじゃないかとしか思えんな」
雷斗「見た目、性格、いい、のに、あれ、じゃ、モテ、ない」
流水「・・・・・まあね」

暁(・・・・・?なぜだろう、俺、今、皆に物凄くバカにされているような感じがするんだけど・・・)
知らぬが花、知ったらもうキレて大暴れして会議どころではなくなるだろうし。

(4) 仮面ライダージークについて
暁「そういえばさ、マリアさんが会ったとかいう、ライダーって?」
マリア「え、ええ、ええっと・・・・あれ?」
フレア「おい、どうした?」
アリス「・・・まさか、忘れた?」
マリア「・・・・ええっと、うーん、どうしてかな?記憶力だけは自信あったのにな・・・あ、でも、そのライダーと一緒に戦っているフェザーさんっていう、イマジンのことは覚えているのに・・・どうして一緒にいたはずの・・・・誰かがいたような・・・」
セレス「・・・マリアの記憶力は秀逸そのもののはず、そう簡単に忘れるはずがないわ。なのに、存在そのものがまるで、最初からいなかったように、存在が忘れることがあるの・・・?」

先ほどまでのジークとの出会い、その“記録”がカードの消費とともに消え去っていった。

しかしそこで、意外な人物から声が上がった。

凛「フェザー・ブリュン・・・。あ、ああ、確か、あのライダー、星とか言われてたな。その、星とか名乗ってたヤツ、そいつが仮面ライダージークって名乗ってた」
暁「お前、知ってるのかよ!?」
凛「ああ、この間、フレアが絡んでた見たことないライダーがいたんだ。でもあの後、フレアもそのことをなぜかすっかり忘れてた。だから、妙に気になっていたんだよ。で、あのジークとかいう野郎が何かしやがったかと思ってな」

そう言って、オオカミのメダルを取り出し録画していた映像を出すと、そこには、セドナとなり戦っていたマリアとともに戦っている美しき仮面と装甲を身にまとった竜騎士・ジークが映し出された。そして、映し出された少年、「天童星」の姿を見て、暁が声を上げる。

凛「こっそりこいつにつけさせていたのさ。どこのどいつだか知らねえが、俺たちの周りをうろつきまわるなんざいい度胸だから、ぶん殴ってやろうかと思ってな」

星くん、御気の毒様。凛ちゃん言っておくけど喧嘩メチャクチャ強いわよ?喧嘩相手の8割は集中治療室送り、2割は殴られたことによるトラウマで社会復帰が困難になるまで追い込まれているから。(暁だって集中治療室送りは6割ほど、2割は消息不明、2割が更生といった感じなので、暁よりも容赦がない)

暁「・・・・か、母さんにそっくり?」
クリス「え、ええ・・・。よく見れば、慧様によく似ております・・・」
冷牙「あ、ああ。慧が髪を切ったらこんな感じだろうな」
雷斗「他人、の、空似、に、して、は、似、すぎて、いる」
流水「でも、慧さんって一人っ子のはずでしょ?」
暁「ああ、俺も母さんに兄弟がいたなんて聞いたことねえ、でも、よく見ると似ているな」
昴「隠し子とか」
暁「ンな器用なこと出来るタマじゃねえ、あの母親は」
穏「・・・・・・・・実は男装した慧さん」
暁「する理由分からん」
クリス「というよりも、誰なんですかね、その天童星というのは・・」
クロキバ「・・・・うむ、我も長い間キングに仕えてきて、様々な時の運行を守り続けているライダーを過去の時代から知っておるが、この者は見たことがないのである」

フレア「つーかよ、マリアが覚えてないってどうよ」
マリア「・・・面目ありません」
セレス「でも、凛ちゃんよく覚えていたわね・・・・」

凛「・・・・ちょっと、気になっていて、な」

そうこうしているうちに、会議は終了したの。
でも気になったのは、凛ちゃん。何だか、ずっと何か考え込んでいるような、すごく思いつめている様子だった。普段から感情をあまり見せない飄々としているタイプの子だと思っていたけど、今日は何か一瞬だけど普段見せない表情を見せていた。とても深く光がまるでささない暗闇の中にいるような、沈み切った、どこか冷めきっている冷たい瞳、それに反して触れたら火傷してしまいそうなほど冷たくも苛烈な激情・・・。


セレス「・・・フレア」
フレア「あ、何だよ」
セレス「・・・凛ちゃん、何かあったの?」
フレア「・・・・ここ最近何かあったのか知らないけど、なんか考え込んでいるというか、ずっとあの調子なんだよ。アタシも聞いてみたけど、「何でもねえ、ちょっと気になることがあって」としか返ってこないし、凛が大丈夫って言うなら大丈夫だろうって信じることにしたんだ。まあ、不安だけどよ」
セレス「・・・そうね、私も気になることがあったら聞いてみるわ。坊やにも協力頼んで見る」
フレア「ああ、あいつ、あのチビジャリには心開いているみてーだしな。頼んで見るわ」

そういって、フレアも心配そうに凛ちゃんを見ていた。やっぱりここ最近、凛ちゃんの様子がおかしいのが気になっていたのね。凛ちゃん一体何かあったの・・・?


(凛視点)
会議が終わって、皆で夕食を食べようってことになったが、俺は一人だけ「用事がある」といって出て行った。時間は午後9時を回っている。俺は一人、ゴルフ場横の深い草むらを一人歩いている。煙草の火がぼんやりと浮かび上がり、わずかにゆらめく光を頼りに、目的地にたどり着いた。

森の奥の廃墟の団地。月明かりにさらされて錆びたコンクリートの巨大な団地がいくつも立ち並ぶ荒れ果てた光景が広がっている。その中を歩き、割れたガラスを踏みつけるたびに響くパリンパリンという音が耳障りで仕方ない。そして、目的の団地、4号棟にたどり着き、俺は足を止めた。そして、その右はじの一室、「104号室」であったかつての部屋だけがやけに黒ずんでいて中も見る影もないほどに荒れ果てている。壁も床も天井も焼き焦げて炭と化しており、他の部屋とは異なった異様な感覚に包まれている。その部屋・・・・は過去の俺にとっては、二度と立ち入りたくないまでに忌み嫌っていた場所。何があっても行くまいと思っていたが、ここ最近起きた出来事が、俺をここに来させずにはいられないまでにさせた。そして、部屋の前に落ちていた一枚の朽ちた「表札」の残骸を見て、俺は苦々しく呟く。

凛「・・・・・あの時、確かにあいつはくたばったはずだ。それで、俺は解放されたはずなのに・・・・・」

「そう、まさかこの私が、ここで死ぬ、いえ、殺されるなんて思いもしませんでしたよ」

後ろから声が聞こえてくる。ちっ、もうそろそろ来るかと思っていたが、こうしてこられるとやっぱり・・・・俺の中にくすぶっていた黒い炎が燃え上がり、思わずすぐにでも飛びかかって殴りたいという衝動にかられる。しかし、そんな不意打ちですらもあいつには聞かない。なぜならあいつも「殺し」のプロフェッショナル、人を殺すことが唯一の快楽であり、それゆえに自分自身もいつ誰かに殺されるか分らない、故に、自分に襲いかかってくる相手に対する奇襲への対策は万全だ。下手に動いたら俺が逆に殺されかねない。なぜなら、俺に対してあいつが警戒しないはずがないんだからな。

凛「・・・・・・・・ああ、そうだったろうな。なのにこうしてまた蘇って俺の前に現れやがった。しかし、不思議なもんだな。ここ最近妙なことが立続きに起きて、こうして、死人が蘇るなんていうことも珍しくなくなっちまった。しかし、あんたまでもが蘇るなんてな・・・」

振り返る。すると、壁にもたれるようにして一人の女の姿が浮かび上がる。
忘れもしない。
銀色に染め上げた腰まで伸ばしたロングヘアを後ろに縛り、光を失った両目を向けて、しかしそいつは俺がどこにいるか分っているらしく、俺の方を見て笑っていた。懐かしむように久しぶりに会えたことに喜びを感じているように、そしてその中に感じる毒々しい殺意と狂気を、どんなに笑顔で隠そうとも俺には分かる。

輝かに俺に殺意向けてるだろ。

「・・・・・懐かしいですね、昔、ここで貴方と私と、母さんで3人で住んでましたね。思えばここで起きた出来事も、今となってはいい思い出ですね。毎日毎日酔った母親に殴られ、蹴られ、食事を抜かれ、何度も死にかけたことか。ですが、あいつをいつか殺してやるという執念のみで生き伸び、ようやく不意をついて成功した。それで、全てが終わるはずだったんですがね」

凛「ああ、あの日か。よく覚えているさ。12月24日、全く皮肉極まりないもんだな、サンタクロースなんぞ信じてるようないたいけな純情少女のもとにやってきたのは、実の母親を斬り殺し、ガソリンまいて火をつけようとしている、返り血浴びた実の・・・・・・」

俺は言葉を少し詰まらせ、静かに呟く。
かつての「家族」であり、今は俺やダチの命を狙う「敵」に。

凛「姉なんてよ。なあ、驚きだよな?その後、俺まで母親の無理心中に仕立てられて殺されそうになったんだぜ?でもな、俺だってわかっていたんだよ。あんたが母さん殺したあと、まだガキだった俺を邪魔者と思っていたのもよ。だから、俺も、ただで殺されるなんて冗談じゃなかった。ましてや、たまたま遊びに来ていた親友まで殺そうとするなんてよ」

そこまで言って、俺は煙草を床に落として踏み消す。そしてもう一本くわえて火をつける、これで最後の一本だ。

凛「・・・・・・・・・・・何でだ?あんた、どうして、いつまでも暁まで狙いやがる。あいつは俺が守る、あいつは俺のすべてだ、世界なんだよ。あいつを殺されるくらいなら、誰かに奪われるくらいなら、俺は誰でも殺す、覚悟は出来ているんだよ。俺の命はとっくにあいつのものだ。あいつに・・・これ以上手を出すな・・・・・鏡子!」

そう言われ、かつて血が繋がっていた姉・・・今は俺や親友の命を狙い続ける敵として現れた、「殺人クラブ」最後の一人、タイガープレデターこと「鏡子」の姿が浮かび上がった。

そして、壁にかかっている表札には・・・・。

「白銀 円華(まどか)・鏡子・凛」と書かれていた・・・!!
そう・・・凛とタイガープレデター、鏡子は・・・実の姉妹だったのだ。
(新海は父親の姓だった)


暁「夜も遅くに襲撃しかけやがって、コンチクショォオオオオオオオオ―――――ッ!!!テメェら、TPOって言葉知らねえのかああああああああ――――っ!!」
もう、時刻は夜11時過ぎた真夜中。
俺、アリス、マリアさん、穏、昴の5人は夕食を終えて、談笑して、そろそろ寝るかなという頃になり、突如鳴りだした緊急警報の下、現場である海岸の浜辺を爆走していた。

アリス「昴、TPOって何だ?」
昴「T(となりの)P(パパさん)O(オカマやねん)の略」
マリア「嘘八百言わないで下さいね!?」
穏「・・・・・・・・・・・昨日の現代国語のテスト、そう書いちゃったぞ!?」
昴「あちゃー・・・・まさか本気にするとは。ごめん、留年しそうになったら補習手伝う」

緊張感なさすぎる、まあ、これが普段の俺達。気張らず、常に自分を保ち、全力全開。そう思いこもうとしている最近の俺。うう、もう、こいつらに真面目にやれって言っても、全然聞きやしないんだもん。泣いてないよ。

夜の浜辺はカップルたちが突然現れたプレデターの襲撃に驚き、逃げまどう騒然とした光景だった。この海岸はカップルで昼も夜も、この季節はかなりにぎわう人気のデートスポットらしい。穏曰く「・・・・・・お宝映像がバンバン撮れるけど、あまりにきわど過ぎる。暁が足を踏み入れるなら覚悟は必要」らしい。まあ、つまりあっちでイチャイチャ、こっちでチュッチュという、あまりに過激かつ甘ったるいラブシーンが行われていると。

まあ、そんなことどうでもいいが。

アリス(マジでか、それだったら今度暁と一緒に来てイチャイチャするぜっ!)
マリア(さ、さ、しゃとるきゅんと・・・・チュッチュッ・・・・イチャイチャ・・・はうう・・・///)
昴「マリアさん、鼻血出てる、鼻血」
マリア「大丈夫です、ちょっと熱帯夜特有の生暖かさにあてられて・・・(プシャアアアア・・・)」
穏「・・・・・・・そんな理由で噴き出すものか、鼻血って」

マリアさん、大丈夫かな?ちょっと休ませた方がいいかも。

そして、海岸に現れた人間の女性と巻き貝を合体させたような、珍しく人間に近い形態をしていて、右腕に巨大なドリルを備えた怪物・シェルプレデターと、頭からドレッドヘアーのように触手をなびかせ、左腕に爪のパーツを備え付けた大砲を持つシーアネモネ(イソギンチャク)プレデターが現れた!

シーアネモネ「来たわね、ルシファーズハンマー!ここが貴方達の墓場にしてあげるわ」
シェル「裏切り者の四天王のアリスとマリア!貴方がたの数々の無礼な振る舞い、イングリッド様はお怒りですよ?よって、ここで処刑いたします」

昴「しゃべれるの?へえ、というとかなり高位クラスか」
マリア「水棲生物のプレデター、調査によると、これはショールの使い魔!」
暁「なるほど、そのショールってヤツが動き出したってことか」
アリス「行くぜぇ!!」
穏「バッチコイ」

「「「「「変身!!」」」」」


鏡子「ふふふ・・・、貴方はいつもそうね。暁くん暁くんって、口癖のように言っている。そんなにあの子のことが大事かしら?」
凛「ああ、あいつは俺が唯一心を許している存在だ。この世界で唯一信じられるものだ!」
鏡子「ふふっ、そうやっていつもいつも一生懸命自分の存在をアピールしているのに、振りむいてくれることすらしないのにねえ?」
凛「・・・・ケッ、それがどうした。俺みたいなロクデナシといつまでも一緒にいたって、あいつのためにはならねぇよ。俺はただ、あいつが幸せになってくれればそれでいい。俺なんかあいつの人生において、ただ仲の良かった友人、その程度のことで覚えていてくれればそれでいいさ。だけどな、あいつに手を出す奴は何が何でも許さねえ。あいつから手を引け。そしたら、命だけは見逃してやらなくてもいい」

鏡子「嫌だといったら?」

瞬時に鏡子の目が開き、光がない濁った瞳と、凛の一気に殺気で血走った瞳がぶつかる。

凛「もう一度“殺してやるよ”」
鏡子「ふっ!」

言葉も出さずにシルヴァンになると、関節剣を振り回し、それがタイガープレデターの首めがけて飛んでいく!それを右腕で防ぐが関節剣が巻きつき、やがて鋭い刃が切り落とした!落ちた右腕を見て、一瞬激痛で腕を押さえ、必死で叫ぶのを押さえるが、シルヴァンを見てタイガープレデターが狂ったように笑い出す。

タイガープレデター「くっ、くくくっ、やっぱりあんたいいねえ。その目、まともな目じゃないよ!?さすがは殺人鬼をも殺した殺人犯、ずっと燻っていたその殺意、狂気、むき出しになった今の姿、すごくいい、いいよぉ!!」
シルヴァン「・・・・・殺してやる」


シェル「アネ、敵を分散させます!貴方はまず、ボルダー、ナパームとメルクを!」
シーアネモネ「あいさ!シェル、ヘブンたちは強いよ、油断するなよ!」
シェル「アネも、お願いします!」
シーアネモネ「アイアイサー!!」

そういって、シーアネモネプレデターがバズーカを構えて強力な焼夷弾を発射し、メルクとナパーム、ボルダーに向かって爆撃する!砂浜という悪地、キャタピラも重装甲のナパームも思うように動けない!

メルク「くっ、相手も考えたモンだね!!」
ナパーム「一気に畳み込むしかない・・!」
ボルダー「うおらああああああああああああっ!!」

ボルダーが飛び出し、次々とパンチ攻撃を繰り出すが、シーアネモネプレデターがバズーカを乱射し、思うように動けず、苦戦する!

ボルダー「くそっ、この銃弾破壊力半端ねえ!」
シーアネモネ「今までのザコと一緒にするなよ?ショール様の部下は全員鍛え抜かれた戦士なのさ!」

シェル「マリア、せっかくのご友人との再会に水を差すようで申し訳ございませんが、倒させていただきます」

そういうなり、ドリルを砂浜に突き立てて高速回転させると、地中にもぐりこみ、やがて・・・姿を消した!

気配さえ絶ち、ヘブンとセドナは背中合わせに立ち、身構える!

ヘブン「マリアさん、油断するなよ!あいつ、マジで強いぞ!」
セドナ「まさか、気配をここまで完全に消せるなんて・・・!」

シェル「武術をたしなむものにおいて、気配を完全に絶ち、相手の油断を誘う。あらぶるままに戦うだけでは能がないのですよ。心平静に保ち、冷静な分析、そして、機を熟したと確信した後、すぐさま・・!!」

そして突如ヘブンとセドナの地面が盛り上がった!

ヘブン「下だ!!」
そういうなり、ブースターエンジンを飛翔させセドナの手を持って飛び上がる!それと同時にシェルプレデターがドリルを突き上げて砂浜から飛び出てきた!!

シーアネモネ「ヴァーカ!!無防備だよっ!」
それが狙いだった!!空中に飛び上がり無防備となったヘブンとセドナに向かってバズーカを発射し、それが炸裂する!!

ヘブン「うわああああああああああっ!!」
セドナ「きゃあああああああああ!」

ボルダー「テメェ!!」
飛び込もうとしたとき、シェルプレデターが入り込み、ドリルで拳をはじくと、もう片方の左腕を触手化させて、縛り上げる!そして、地面に倒し、身動きを取れなくする!

シェル「足元がお留守ですよ」
ボルダー「くそっ、放せ、放しやがれ!!!」
シェル「アネ、ボルダーの動きは封じました。これで、人質は確保です」
シーアネモネ「ナイス!それじゃ、こっちもやってくるよ!」

そういって、ヘブンとセドナに襲い掛かり、次々とバズーカを乱射して追い詰めていく!

そしてシェルプレデターは倒れたボルダーを足元にやり、メルクとナパームに向かって告げる。

シェル「さて?どうします?私に攻撃を仕掛けるのはいいですが、ボルダーまで巻き込んでしまいますよ?」
そういって、ドリルをボルダーの頭部に突きつけ、高速回転させる!

メルク「くっ・・・これが暁くんなら、それがどうしたって攻撃バンバカ出来るのに!!」
ナパーム「・・・貴重なグラビアモデル(盗撮写真)を危険にさらすわけには・・・」
メルク「こうなったら、暁くんの首差し出すから、アリスちゃんを助けてって言うのはありかな?」
ナパーム「妥当な考え・・・」
メルク「巨乳モデルと男の娘、どっちをとるか、考え物だけどさ・・・」
ナパーム「・・・・・・・どっちがいいか、迷いどころ」

ヘブン「そりゃどういう意味だ―――っ!!!!ざっけんなあああああああ――――っ!!」
ボルダー「巨乳モデルって何だ?美味しいの?」
シェル「・・・・貴女方、色々と突っ込みたいけど、何か・・・疲れてきました」
メルク「何が?」
ナパーム「・・・・・何で?」
ボルダー「何でだー?暁―、マリア−、何でだ?」

ヘブン「知るかバカ!!」
セドナ「・・・暁くんの普段の苦労が分かりました」
シーアネモネ「・・・あんた、大変だねえ」
シェル「・・・・もういいです、とりあえず、続行させていただきましょうか」
シーアネモネ「ま、なんていうか、強く生きな」

シェルプレデターが呆れてやれやれと首を振る。ここまで敵に呆れられるライダーというのもいなかろう。そしてバズーカを乱射しながらシーアネモネプレデターが同情しているように慰めの言葉をかける。

ヘブン「くそっ、あいつらのせいで、かつてない屈辱を受けたぞ・・・!」
セドナ「ですが劣勢には変わりません。どうしましょうか・・・」
ヘブン「あいつら、砂地と水上戦、両方に優れている。反面こっちは不慣れな上に、人質までとられている。そうなると、どうするか・・・もうこうなれば、あのバカ呼ぶしかないか」
セドナ「バカ?」

ヘブン「大変だ―――っ!!アヴァロン家の問題児の三女、アリスちゃんが浜辺でコスプレした変態の双子に襲われて、裸に剥かれているぞ―――――――っ!!」

大声を出して浜辺中に響き渡った。皆、俺の奇行に突然何があったのか分からないといった様子で見ている。ふふん、でも俺には確信があるのさ。こんな古典的極まりないバカな方法に引っかかるバカなんざ・・・・。

エリザベート「アリス――――――――――っ!!どこじゃ、どこじゃあああああああああああああああっ!!」

ヘブン「ほら、来た、バカ姫」
セドナ「・・・あの、私、泣きたくなってきました。というか、暁くんもやっぱりどこかおかしいというか・・・」

エリザベート・アヴァロン召喚!
ふっ、まさか本当に召喚できるとは、さすがはアリスやマリアさんを心から溺愛している子煩悩将軍、愛する娘たちのためならたとえ火の中水の中・・といったところか。

エリザベート「貴様ら・・・・!!ワシの娘に手を出すとはいい根性じゃなぁ・・・!!極楽浄土に逝く準備は出来てるかのぉ・・・!!」
おお、全身からドス黒いオーラを噴出させて悪鬼羅刹が浮かび上がっている。真っ赤な目が光り輝き、髪が逆立ち、怒りでゆがんだ表情は鬼婆のそれだ。

シェル「ちょっ、ちょっと、お待ちください、エリザ!貴女はこちら側の将軍でしょうに!」
シーアネモネ「というか、こいつら裏切り者で、処刑命令出てたじゃん・・・」
エリザベート「ぶっ殺しまくり決定じゃあああああああああああああああっ!!!!」

「「聞いてよ人の話を!!!」」

ふっ、まさかここまで怒り狂うとは。さすがはバカ、扱いやすい。
ヘブン「さーてっと、今のうちに作戦立てるかっと」
セドナ「どうしよう、暁くんがこういうとき落ち着いて物事を考えられることが、怖くて仕方ない・・・・!」(マリアさん、あんたはヘブンの常識人として君臨していてほしい)
ヘブン「このヘブンボイスターで、あいつと合体すれば勝てるかもしれんけど、フィードバックが問題だよな・・・」
セドナ「これがそのヘブンボイスターですか・・・」
ヘブン「ああ、アリスがメチャクチャ押し捲って、奇跡的にあんなことになったけど、そう簡単にあんな合体なんて出来るわけない・・・」

そういって、ヘブンボイスターを振っていると・・・。

カチャッ(ボタンが岩にぶつかり押された音)

ヘブン「あ・・・?」
セドナ「え・・・?」

「Fusion! Forneus form!」

そのとたんだった。ヘブンボイスターがマリアさんのベルトに装着され突如青い光の線路が飛び出し、俺とマリアさんを包み込んで、光の渦が舞い上がった!

ヘブン「う、う、うわああああああああああっ!」
セドナ「きゃああああああああああああっ!!」

や、やっちまった!!というか、ボタン一つで合体できるほどのメチャクチャなことが発動できるってどうなの!?安全性ゼロじゃねえかっ!!くそっ、俺の身体が、この間と同じように、マリアさんに合わさって・・・溶けて・・・いく・・・。

エリザベート「さて・・覚悟は・・・・むっ!?」
シェル「なんですか、あれは・・?」
シーアネモネ「青い光が・・・!?うわっ、まぶしっ!!」

そして・・・!
岩陰から青い光があふれんばかりに輝きだし、やがて、巨大な水柱となって噴出し、その水柱を割るように飛び出した・・・!

サメの頭部を模した仮面をまとい、女性の美しいプロポーションを引き立てるような流麗なスタイルを覆う青い装甲、そして手には黄金色に光り輝く青い刃を持った三叉槍が握られている!背中からは虹色に光り輝く背びれが翼のようになっている。それが広がり、三叉槍を身構えた戦士が名乗りを上げる。

ヘブンFフォーム「参上・・・!フォルネウスフォーム!!(こ、これでいいんですよね、暁くん!)」
暁(・・・ああ、まさかこのフォームが意識はマリアさんが動かすことになるなんてな。ごめん!)」
ヘブンFフォーム「(い、いいえ、考えるとこれはチャンスです。新しいこの力、十二分に役立てて見ます!)さあ、海の藻屑となって・・・眠りなさい!」

三叉槍を振り回し、マリアの意識にある、新たなる海のヘブン「フォルネウスフォーム」が登場した。


同じころ・・・。
シルヴァンとタイガープレデターが戦う団地内。その中を、白銀色に光り輝く物体があった。爬虫類・・・いやそのフォルムは恐竜を思わせるような長く裂けた口に生える鋭い牙、目は黒いマスクに赤い光が単眼で光り輝いており、三角形にとがった尻尾の周りについている刃でコンクリートをも豆腐のように削り取る。

「・・・・アレガ・・・ワレの・・・マスター・・・・。アイオーン・・・ノ・・・テキゴウ・・・シャ・・・・」

その視線の先には・・・シルヴァンがいた・・・!

続く
2011年09月16日(金) 18時33分29秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
さて・・・急展開となりましたが、ここでいえるのは、今後8番目の「時」をつかさどるライダー・・「アイオーン」が目覚めることになります。装着者は直に明らかになりますが、もうご存知かもしれません。そのことについては次回から明らかにしていきます。そして、今回登場したヘブン第3のフォーム、水中戦を得意とする「フォルネウス(ソロモン72神の一体、ビーストモードに変身した姿が人魚よりもこっちのほうがいいとおもい、選びました)フォーム」!マリアさんがリードする形で流麗な槍さばきを披露する「技」に長けたライダーの活躍、次回大活躍します!そして・・・読者の皆様には本当に申し訳ございません、重い展開になってしまって。「新海 凛」についてです。暁を好きになりすぎてしまったがゆえに暴走しヤンデレ化してしまった上に、過去に母親と姉を殺してしまったこと、そのトラウマにかられている凛が、次回も迷走します。そして、なぜ、彼女が「ジーク」こと「天童星」くんの存在が記憶から抹消されないのか、それは、彼女の存在が「特異点」の中でもかなり特殊の部類に入るからです。

レスをお返しします。
>烈様
>烈様
>フェザー(アスレイ)
「……それにしても、【ヘブン】の私ですが、何気にドジっ娘ってことになっていますけど、バイクに乗った瞬間にエンストや壊れたりするってどうなったらこうなるんですか?! 状況とか見ても納得がいきません!! ッていいますか、私はここまでドジじゃありません!!」

申し訳ございません、ちょっと悪乗りしすぎましたね、今後気をつけます、というよりも投稿してくださったキャラクターの人物設定、どんな感じでどういった行動がキャラクターの設定にあっているのか、もう一度見直します。

>星(アスレイ)
「…っていうか、【ヘブン】の俺よ、マイペース過ぎだ…; 性格的に多少は母さんに似たのか? …それにしても、恥ずかしいことを簡単に言いやがって……///」

星「伝えたいときに伝えられないって言う後悔はしたくなかったのさ。それに、俺はフェザーのそばが今すごく落ち着くし、ずっとそばにいてほしい。俺にはフェザーが必要な存在なんだ。まあ、恥ずかしかったらごめんな。でも、俺、あいつのことメチャクチャ好きでさ、まあ、ちょっとのイチャつきは許してくれ」

>使用者が消したい“時間の記憶”を消すなんて機能をどこで思いついたんですか?

星が何かを背負って戦う、それが時間を守るためだけに自分が犠牲になって・・・とまで考えたのですが、ここで、星が戦士としての決意、それが故の悩みを乗り越えて、今自分とともに道を歩んでくれるという相棒、フェザーさんの存在の大切さを改めて強調したく、このような設定を無理やり入れてみました。さらにいうと彗さんと星くんがライダーになったきっかけ、父親の事故死、それも実は「アイオーンシステム」にからんでのこと、つまり「特異点」であることに目をつけた何者かの手により、父親が殺害され、星くんをライダーにさせるよう誘導させていた人物が・・・「バルキリー」で彗ちゃんがバルキリーとなってその力をヒュプノスに利用しようとしていた「神代聖」とつながっていた人物がいるのです。それが今回の事件の黒幕です。

>暁「【ヘブン】の俺ってどれくらい幽霊嫌いなんだ? その辺がマジで気になってくる……;」

クロキバ「実はだな、これについては暁が怖がりだということではないのだ。暁の持っているパスは「聖」の力を持っておる。つまり、聖なる光は死者にとっては天国に誘ってくれる唯一の道のようなものとさえ思っていただければよい。さらに、深い恨みを残して死んだものが地縛霊となってこの世に縛られていたり、自分が何で死んだか分からず現世をさまよう浮遊霊にとっては、暁にすがりつくことでしか成仏できない、だが、それら全部が救われる存在とは限らない。救われなかった幽霊はなぜ自分たちを成仏させてくれないのかと暁を逆恨みし、暁の魂を自分たちと同じ目に遭わせようと地獄に引きずり込もうとすることもあった。暁はそういった類でも特に救いのない悪霊まがいのものまで呼び寄せてしまうのでな、そういった心霊スポットには本能で恐れているのだよ。本人は殴れないと言っているが、解決しようにもどうにもならないからなのだ」

>クロキバT世
「ところで、おそらくオルゴールは【ヘブン】の暁の部屋の中にあったのだろう。どうやって《大友家》の家の中に潜り込めたのだ? いくら非常時とはいえ普通はそう簡単には入れんと思うぞ…;」

セレス「それはね、事務所に待機していた私が大友家のまわりでうろついていたフェザーちゃんを見つけて、捕まえて事情を聞いたのよ。それで、ボウヤが購入していたオルゴールは、私が手作りして売り出していたものでね、ちょうどボウヤにお渡しする予定でいたのよ。それで、渡したの」
マリア「セレスさんはデザイン事務所のデザイナーとして人間界にもぐりこんでいたんです。それでお金を稼いで、生活費や諜報作戦に必要な機材を買い揃えてくださったのです」
フレア「月収は・・・げっ、35万円!?ちょっとしたものだな」

クロキバ、こんなにも才色兼備で才能豊かな美女が貴女の彼女ですよ?異端審問会にかけあったら襲撃間違いナッシングですね。

>彼女だけが人魚という幻想の存在の姿をしているのは何故ですか?
マリン「本来私はサメの姿をしているんだけど、ぶちゃいくだから、修行して力を得て、このような姿になれるよう努力したのです」

>暁(アスレイ)「……平行世界とはいえ、自分がしたことだと思うと情けない……; ってか外見が外見だからって、アリスとは“百合コンビ”って認識すんな〜〜!!!# ついでにカップルでもねぇ〜〜〜〜!!!!#」 

アリス「そうか、分かった!夫婦だったよなっ!!(満面の笑顔で言い切った)」
暁「・・・すまん、アスレイの俺。このバカ、何を言っても言語理解力がなさ過ぎる・・・。お前、悪いけど、引き取ってくれんか?」

>元ネタはもしかして【家庭教師ヒットマンREBORN!】からですか?
もともとこの作品を書くときから、最初は「セブンズヘブン」がらみで、7人のライダーを出したかったんですよ。それで、どうせ7人にするなら、7のつながりで何かカッコいい呼び方というか、グループ名がほしくて、七人組でいろいろ探していると「虹」という単語に行き着きまして、虹のほかの国の呼び方を探していると、「アルコバレーノ」というのがあり、これが一番言いと思い、これにしたんですよ。「セプトクルール」とか「アルカンシエル」とか候補はあったのですが、これにしました。

>星(アスレイ)「完全に自業自得だからな。怒らせてはいけないバカ二人を怒らせちまった奴のミスだ」

暁「誰がバカだっ!!!バカはこのババァだろうがっ!?」
エリザベート「訂正せい!!バカはこの女装趣味の変態小僧じゃろうがっ!」

「「やるのかゴルァアアアアアアアアアアッ!!」」

大乱闘になりました。

やっぱりこの二人は今後ともこのような喧嘩というコミュニケーションを楽しんでもらいたいものです。

次回もよろしくお願いいたします。

この作品の感想をお寄せください。
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やっと追い付いた……大分久方ぶりの感想になってしまい申し訳ありません。

それにしても、しばらく見ない内にメダルアニマルなるガジェットの登場や頭部胴体脚部の三部構成の能力を持つライダーなどオーズ成分がてんこ盛りになってた事のみならず、暁君の仲間たちが次々変身していったり真の四天王の登場やエリザベート姫様の変貌や紆余曲折ありながらも彼女が仲間に加わったり、ちゃっかりクロキバさんがセレスさんとカップル形成してたりで驚愕の連続であります。おのれリア充コウモリめ……!

さて今回のびっくりサプライズは殺人クラブの最後の一人が凛ちゃんのお姉さんな訳ですが、……うん、凄い悪い人だコレ。よろしくない人達に囲まれながらも彼女らを反面教師にしてまっすぐに成長した凛ちゃんは立派だと思います。

ライダー同士を合体させてしまうトンデモアイテム、ヘブンボイスターにより今回登場したフォルネウスフォームが今後一体どんな活躍を果たすのか、アイオーンに目をつけられちゃったっぽいシルヴァンはどうなってしまうのか、とにかく色々と期待させていただきつつ今日はこの辺りで。
50 トレハ ■2011-10-10 16:00:36 pd82b4e.mie-nt01.ap.so-net.ne.jp
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小説感想です〜♪ 
まずは前回や前々回の話の感想への返信に対しての返信。

フェザー(アスレイ)
「…本当に、もうちょっと設定を読んどいてくださいよね#」

星(アスレイ)
「……本当に、言いたいことを言う奴だな…/// 《平行世界》の自分だと思うと、恥ずかしいよ……/// …しかし、【ヘブン】の『ジーク』の設定にかなり辛い物を追加した理由っていうのが、なんてもいえないな……」

暁(アスレイ)
「…それにしても、何気にもしかしてとは思ったけど、祖父ちゃんの事故死って、誰かに仕組まれたものだったとはな…。感想返信の話からだと、どうもあのバカ外道シスターと協力して行っていたとはな…# どこのどいつだ、その母さん達の時代から今までの戦いを裏から意図を引いていた“黒幕”って言うのは!! イングリッドの奴でもある可能性はあるけど、それ以外の誰かか? ……それにしても、【ヘブン】の俺の幽霊嫌いってところには、属性である“聖”が関係していたとはな……正直、複雑だ…(T T)」

冷牙(アスレイ)
「…【ヘブン】のフェザーが持っていったオルゴールって、セレスさんこと月華姉さんが作ったものだったとはな。貰っていたお金の様子から見ても、本当に対したもんだよ……」

フェザー(アスレイ)
「…あちらの私に代わって礼を言わせて貰います。本当にありがとうございましたm(_ _)m」

クロキバT世
「……【ヘブン】の私ことV世。《異端審問会》の連中が現れたら、全力で逃げろ!」

流水(アスレイ)
「マリンちゃんが人魚の姿をしていた理由って、何気に女の子らしい理由だったんだね…; 結構大変だったんだろうね」

暁(アスレイ)
「……すまん、【ヘブン】の俺。……全力で断る!!」

…なるほど。《セブンヘブン》にちなんで七人の『仮面ライダー』を登場させたわけですか。そこで“虹”というのは、確かにあっていますね。

星(アスレイ)
「…いや。“バカ”の意味合いが違うぞ、二人とも; 聞いちゃいないだろうが、もう少し意味合いを考えんかい!!#」

以上が感想返信に対しての返信です。
それでは続いて今回の話の感想です。


「驚いたところとしては、凛ちゃんが《殺人クラブ》最後の一人である『タイガープレデター』である『ホワイトレディ』こと『白銀 鏡子』と姉妹だったってことと、【ヘブン】の『ジーク』が持っている“機能”が一切効かない特殊な“特異点”であり、【ヘブン】のお兄ちゃんを護る為に実姉を殺したって言うところだね。……何気にヒロイン中、一番暗くて重い“心の闇”を抱えているんだ……」

クリス(アスレイ)
「…本当ですね……。しかも何気に『“時”のライダー』である『アイオーン』の適合者らしい描写がされています。『アイオーン』の守護者は姿は恐竜のをモチーフにされているみたいですけど、一体どんな姿なのでしょう?」

…何気に【オーズ】の『プトティラコンボ』の姿が浮かびました…;

カグヤ
「…それはそうと、ドンだけ凛の家族って人間としては駄目駄目な人達だったの!? お母さんである『円華』さんって人は酒に酔いつぶれて毎日毎日自分の子供に暴力を振るっていて、本来だったら警察に通報されてもおかしくない人だったみたいだけど、実の娘(長女)に殺されるほど憎まれていたなんて、本当にどれだけ母親失格の人だったの!?」

雪奈
「でも、これの所為で鏡子さんが殺人鬼になるきっかけを生んで、凛さんにも癒えない“心の傷(トラウマ)”を植えつけてしまったってことなんでしょうね……。本当に酷過ぎます……」

しかも、鏡子さんが実の母親を殺し、妹をも殺そうとして逆に妹である凛に殺された日というのが12月24日=クリスマス・イブだったというのが、なんとも皮肉ですな……。本当に鏡子さんの目的というのは何なんでしょう…?

モモタロス
「…どうせ碌でもねぇことなんだろうさ。…しっかし、あの姉御女(凛のこと)の過去が、こんなにも辛いものだったとはな…」

シャナツネ
「凛殿にとっては、そう簡単に癒せる“傷”ではないな……。ところで、あまり描写されてはおらぬが、凛殿の父親は何をしておるのだ?」

明久(電王)
「…気になることはかなり多いけど、今回の話はセレスさんの視点から始まっているね。彼女のなりの周りの様子の感想とかを言っているから、それなりに新鮮な感じだね。……それにしても、あっちの暁とエリザベートさんのやり取りって、どこからどう見ても子供の喧嘩としか見えないし、セレスさんの言うとおり、立場や周りの空気を考えた方がいいと思う」

イーズ(アスレイ)
「結局のところ、エリザベートさんとの蟠りは消えなかったようですけど、それでも少しは協力してくれる感じですね。……それにしても、あっちの母さんは今後どうなるのでしょう?」

流水(アスレイ)
「今のところは寝たまんまみたいだからね。あっちの僕との関係も気になるけど、無事に本当の意味での家族の再会が出来るかが心配だね…」


「…しっかし、《真、の、四天王》、の、こと、は、あまり、知ら、れて、いない、よう、だな。ベリルの、こと、ぐらい、しか、マリア、さん、も、知って、いな、かった、ようだし…。…しかし、どれ、だけ、ベリルが、誰か、を、喰らう、様子、って、どれ、だけ、えげつ、なかった、ん、だ?」

冷牙(アスレイ)
「…しかし、まさかベリルのアホが『スフィンクスレジェンドルガ』の智のバカを喰っていたとはな…。【バルキリーたん】の最後辺りで死んだと思っていたのに、生きていて結局は今のところの敵さんに喰われて“能力”を使われてしまうとは、本当に碌な目に遭ってねえな……まあ、同情はしないけどな」

星(アスレイ)
「…それにしても、アンジェリカさんのことで、かなりあっちの暁とマリアさんが昴嬢と穏嬢にからかわれているな…; もう少し、恋愛状況を見守ろうという考えはないんかい!!#」

フェザー(アスレイ)
「結果的に凛さんに怒られましたけどね。まあ、機嫌が悪かった理由が実姉である鏡子さんのことだったんでしょうから、なんとも言えませんが……」

《アヴァロン四天王》まで怯える様子って、本当にドンだけですか……;

クロキバT世
「…それはそれとしても、今後“結界”の方をどうするかということも、会議の際にあったが、それは慧殿と晶殿が帰ってきてから決めようということになったな。……しかし、《アヴァロン四天王》のメンバーの年齢というのは、死んで“プレデター(吸血鬼)”になったときの姿に準じているのだな…」

クリス(アスレイ)
「一番年上なのが、一番子供っぽいフレアさんで、その次に年上のなのが一番大人びているセレスさん。その次がアリスさんで、一番年下というのがマリアさんだというのには驚きですね。……しかし、精神年齢的にはセレスさん、まりあさん、アリス&フレアって順番のようですけど……;」

暁(アスレイ)
「【ヘブン】の俺、マリアさんの肉体年齢のことを聞いて、唖然としていたぞ…; 放心すんな、落ち着け。あくまで“肉体年齢”がそうであって、見かけ以上に年は食っているだろう; ……まあ、女性には失礼な言い方だとは思っているけどな……」


「…だったら、言わなければいいのに…(苦笑) …まあ、あっちのお兄ちゃんの恋愛がどうなるのかが、本当に気になるけどね。あっちのクリスちゃんにマリアさん。凛ちゃんとアリスちゃんの四人に愛されている【ヘブン】の暁お兄ちゃんの明日はどっちだ!」

暁(アスレイ)
「……【ヘブン】の俺よ……少しは女心というものを理解しような…。俺も少しは人のことは言えないけどよ……;」


明久(電王)
「そんでもって、『ヘブンボイスター』で融合変身した『ヘブン・グリフォンフォーム』のことだけど、融合変身できたのは、かなり偶然だったって……どれだけボタンを押して成功したわけ!? 今回の話で登場した第2の融合フォームであるマリアさん主導の『ヘブン・フォルネウスフォーム』だけど、この際も偶然キーとなるボタンが近くの岩に当たった結果でなっちゃったらしいし、何気に『ケータロス』を使用して『クライマックスフォーム』に最初に変身した『電王』ですか!?」

モモタロス
「…確かに、この辺りは“てんこ盛り”が初登場したシーンに似ているぞ;」

シャナツネ
「あの際は消えてしまったと思った皆の声が『ケータロス』から聞こえた為、驚いたモモが落としてしまった結果、偶然にもキーボタンが落とした先にあった石にぶつかって押されたんだったな」

カグヤ
「……なんだかね…;」

星(アスレイ)
「んでもって、【ヘブン】の俺こと『ジーク』の話をしようとしたけど、『ジーク』の持っている“特性”の所為であっちのフェザーのことは覚えているのに、あっちの俺のことはマリアさんが覚えてないってことになっちまっているな…」

フェザー(アスレイ)
「運良く……と言えばいいのか判りませんけど、凛さんがあちらの星のことを覚えており、《ルシファーズハンマー》の皆さんに存在を知られることになりましたね」

星(アスレイ)
「…てかちょっと待てよ、凛さん! あっちの俺は別にあんたらに被害を与えようとか考えていないからな! あっちの俺にも皆に会えない理由っていうのがあるんだから!!」

暁(アスレイ)
「それはそれとして、見事に《ルシファーズハンマー》の皆が驚いているな。まあ、《世界》から存在が忘れられることで、強大な“力”を手に出てきるって言うのがあっち『ジーク』であり、『ゼロノス』同様に使用回数がある所為で、マリアさんもフレアも覚えていないってオチだ。V世の奴が知らないのもしたかない…。あっちの母さんに聞いても知らないっていわれるだけだろうけど、今後はどうするんだろうね、あっちの叔父貴達は……それにしても、本当に凛はどんな“特異点”何だ?」

そのことは追いとくとして、夜遅くにある浜辺のところを襲撃してきた新たなる“プレデター”! それは《真・四天王》の一人であるショールと言う奴の使い魔であり、かなりの強敵! 新たな融合フォームと共に、彼らは敵をどのように倒すのかが気になってきます。

明久(電王)
「……それにしても、襲撃されている現場に向かう際の会話って、本当に緊張感が削がれる感じのヤツだよね…; っていうか、アリスさんにマリアさんも妄想にしたってどうするんだよ!? 特にマリアさん! 貴女が鼻血を出している言い訳はムッツリーニの奴がよく言っているようなことだけど、そちらの状況では一切関係ないと思うよ!」

雪奈
「…戦いの際にもボケがかなり出ていますし、敵さんにも同情される始末……; 本当にあちらは苦労が耐えないようですね…(呆れ) ってうか、昴ちゃんに穏ちゃんも何をバカらしいことを言っているの!?」


「んでもって、言葉を巧み扱い、子煩悩皇女エリザベートさんを呼ぶ辺り、あっちのお兄ちゃんも周囲の人のことは言えないと思う…; そんでもって、どれだけ部下思いなのよ、エリザベートさんは!?」

暁(アスレイ)
「……マリアさん、お疲れ様です…;」

イーズ(アスレイ)
「次回はどうなるんでしょう?」

二つの場所で行われている戦いの中、彼らが見つけ出す“答え”が気になるところですね。

モモタロス
「……それはそうと、【ヘブン】の方に登場していた《ライダー少女》版の『電王』達はどうしたんだ? その辺りが気になるんだけど」

そんな感じに今回の感想は以上です。次回もいい感じの作品を書いていてください。それでは、

一同
『今後も、頑張ってください!!』




〜……限界を超えて……参る!!〜 〜……時と次元を超え……俺、参上!!〜



30 ■2011-09-17 17:38:16 i125-205-43-158.s10.a044.ap.plala.or.jp
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