仮面ライダーヘブン 番外編
番外編(36.5話)

(ニクス視点)
暗い暗い闇の中。
私ははるか遠くに見えるかすかな光を求めて、おぼろげな目で、どれほど歩き続けたか分らない、疲弊し切ったふらふらとした足取りで、ただただ前へ前へ追いやられるように歩き続けていた。自分の意志というわけではない。何も考えられない、ただ、暗く重い闇に押しやられるように、歩く。
そして、ようやく、光が近づいてい来る。
しかし、その光の向こう側に見えるもの、それは本能的に私の神経に電流が流れたように「見てはいけない」と危険を訴える。
しかし、それでも、足取りは止まらない、眼は閉じようとしない、必死で抵抗するが、虚しくこの身体は動き続ける。そして見えてしまう。

そこは記憶におぼろげに残っている見慣れた風景だった。
殺風景なレンガ作りの建物の中に設けられた小さな中庭、一本の木の周りに芝生が植えられ、ベンチがいくつか置いてあるだけのもの。その中庭の一角に、一人の女性が低くかがんでいる。その女性は、白衣を着こみ・・・いや、その白衣にはいくつも黒いしみがついていて、茶色いロングヘアが乾いたように張りついている。一見浮浪者のようにも思えるほどみずぼらしいと思えた。

ニクス「・・・・・ここは・・・?」

問いかけにはこたえない。

ニクス「・・・・君は・・・何をしているんだい・・・?」

ふと、何かをつぶやき続けている声が止まった。わずかだが、それは、歌のようでもあり、何か呪文を唱えているようでもあった。

ニクス「・・・・?」
「・・・・・むすこが、むすめが、しんじゃった。だから、おきょう、となえてる」
ニクス「・・・・え・・・・」
「・・・・むすこはじっけんざいりょうにされて、まっくろのにくのかたまりになりました。ピアスのみが、ゆいいつのこった。あかるくてやさしくて、あたまがよくって、しょうらいが、たのしみ、だったのに」

壊れたような、抑揚のない声。重苦しい影が濃くなっていく。

「むすめは、かみしろさやかに、ころされました」
ニクス「・・・神代、聖!?」
「ひどいです。むすめは、もしかしたら、みちをまちがえて、ここにまよいこんだのかもしれないのに、もっていたじゅうは、みをまもるためのものだったのかもしれないのに、あいつは、むすめのくびをつかんで、たつまきできりきざんで、ころしました。むすめはちまみれになってしにました。わたしはなんどもなんどもなんどもなんどもむすめのなまえをよびました。でも、へんじはしてくれませんでした」

そうだ。自分の娘、マリアを殺したのは・・・!
自分の目の前で娘を殺したのは・・・!!!
そしてその後、自分を拉致し、吸血鬼にされてから・・・記憶がない。
そうしたのも・・・・!

「ひどいものです。わたしはときのうんこうをまもるために、かていをかえりみないで、みをこなにしてはたらきつづけてきたのに、かめんライダーになって、イマジンとたたかったこともある。きずだらけ、ぼろぼろ、なんにんもなかまをうしなって、それでも、あきらめないでたたかいつづけて、まいにちやすまないでけんきゅうをつづけてきたのに、まっていたのはこのしうち。ゆるせない、ゆるせない」

やがて、怒りがはらんだ呪詛をブツブツと口ずさみ、狂気をはらんだように、髪をグシャグシャにかき乱し、地面に拳を打ちつける。何度も何度も、拳が地面に食い込み、はれ上がり、肉が裂けても、血が出ても止まらない。

ニクス「やめないか!!」

思わず私は止めた。そしてつかんだ白衣を握り締めた時だ。
振り返ったその姿は・・・・!

肉が乾いたように骨にはりついただけのミイラのような荒んだ顔つきをしている自分自身。その時だ。後ろから私の肩を何かが両側から掴んだ。思わず振り返り、私は凍りついた。

黒く腐った肉の匂いを全身から噴出させて、見るも無残な姿となった肉の塊。
そして、全身を切り刻まれ、至る所から血を噴出し、肉が腐り落ちて、骨がところどころ見え隠れしている無残な少女の亡骸が・・・私の肩を掴んでいた。
そして、私の首に鬼と化した自分が首をものすごい力で締め出す。呼吸ができない、声も出ない。苦しむ私を、私はケタケタと狂気をはらんだ笑い声をあげていた。

「ゆるせない、ゆるせなぁい、でも、いちばん、ゆるせないのは、おまえだぁああああああああああああああっ!!!!!おまえがだまされさえしなければぁ、あのこたちは、しななかったのにぃいいいいいいっ!!」

そして、後ろの二人の亡骸が思い切り私の首に鋭い歯を立てて、思い切り噛み付きだし・・・。


「うわああああああああああああ――――っ!!!」


目を思い切り開き、跳ね起きる。
全身から汗を噴出し、目から涙がポロポロこぼれだす。息が苦しい。
しかし、肩に手をやってもそこには・・・何もない。
目の前には・・・・誰もいない。

ふと、周りを見ると、そこは見慣れない風景だった。
医務室のような、真っ白なベットに寝かされていた。消毒薬のにおい、白く殺風景な部屋、保健室のような部屋だ。

ニクス「・・・・・・・・ここは?」

ふと、壁を見ると、いくつもポスターが張ってある。

その中にあるポスターを見て、目が止まる。

「今週の保健室掃除当番 冷牙 流水 雷斗 サボったらケツバット by暁」

ニクス「・・・・る・・・・み・・・?」
ここに、自分が知っているあの子の名前がある。

流水。マーマン族の生き残りにして、ルシファーズハンマーの一員であるあの天使のように可憐で愛くるしい男の娘。あのあどけなく幼い顔立ちと華奢な体つき、天使のような笑顔がよく似合う彼は、思わず市役所で戸籍登録を間違えたとしか思えないほどの美貌の持ち主で(マーマン族にそんなものあるかは知らんけど)、私の命を助けてくれた恩人だ。

でも・・・・私は彼にもはや合わせる顔もない。
私は彼を裏切っていたからだ。私が彼に近づいたのは偶然だったが、ともに行動をしていたのは、彼を通してルシファーズハンマーの行動の動きを探るためだったのだから。
つまり裏切っていたのさ。
こんな薄汚い女、彼のような美しい心を持っている少年には不釣合いだ。友人と思っていた自分が恥ずかしいほどに。彼と私が一緒に行動を共にすること自体がおこがましいのだ。

ニクス「・・・・・最低だな・・・・・私は・・・彼を振り回しまくって・・・・」
流水「もう今更、振り回されることには慣れてるけどね?いっそもう派手に踊ってやろうかなって思ってるよ。ここ、人使い荒いし」

え・・・・・・・?

声がする。振り返ると、そこには、呆れたように自分を見ている・・・あの・・・子がいた。

流水「全く、ずーっと寝ていたかと思えば、起きたらいきなり落ち込んでるんだもん。どう声かけたもんかなと、考えちゃったじゃないか」

そういって、近づいてきて、自分の額に人差し指をやる。

流水「熱は・・・ないな。うん。後は傷が癒えるまでゆっくり休むと、じきによくなるよ」
ニクス「・・・・・まさか、また、君が・・・・」
流水「・・・全く、最初に出会ったときといい、素直に助けてもらったお礼くらい欲しいもんだよ。病人が難しいこと考えてたら治る傷も治りが遅くなるってもんだ。ほら、寝た寝た」

そうして、寝かしつけ、シーツをかけると、額に冷やした濡れタオルをおく。ひんやりとした感触が額から伝わり気持ちいい。ああ、この子は本当に強引で優しい。だから、逆にこの子の優しさに甘えている自分が許せない。

ニクス「・・・・・流水くん・・・・・」
流水「・・・・なぁに?」
ニクス「・・・・・少しだけ、お話したいことがある・・・」

だからこそ、すべてを懺悔して、彼に思い切り嫌われなくてはならない。
そしてそれが自分自身の決別、ケジメなんだ。


(雷斗視点<台詞以外は片言ではありません>)
ルシファーズハンマー事務室。
俺と冷牙が、ソファーに向かい合って座り、重苦しい空気が漂っている。
さっき、流水たちが助けたというニクス=パーンプレデターのことを調査して調べ上げたことが乗っている資料を見て、もうため息しか出ない。冷牙も怒りを必死でこらえ続けていたが、やがて、もう疲れきったようにため息を繰り返している。あまりにも想像しがたい怒りが極限まで達すると、もう疲れてしまうのかもしれない。

雷斗「・・・・・どう、思う?」
冷牙「・・・・貴様はどうなんだ。あの女のこと、許せるのか?」
雷斗「・・・・ううん、彼女は、間違ってる。その、事実は、変わらない」
冷牙「・・・なら、どうしたい」
雷斗「・・・・分からない」
冷牙「・・・・だろうな。しかし、まあ、こういうとき、流水の考えはすごいと思えるな」
雷斗「・・・・流水、こういう、時、すごく、頼りに、なる、ね」
冷牙「・・・ふん、あいつに遅れをとるとはな。正直、このまま、あいつに頼りっぱなしというのは俺のプライドが許せないな」
雷斗「・・・・男の、プライド、ってもの、が、ある、よね」
冷牙「・・・・ああ、今はあいつに任せるしかないな」
雷斗「・・・うん」

その時だった。

警告音が鳴り響き、マップに赤いランプがついている。
画面を開くと、そこに映っている電子画面には・・・プレデターの姿があった!

冷牙「くっ、暁たちがいない時に来たか・・・!」
雷斗「・・・・・行こう。俺たちの、やることは、一つだ」

珍しく、俺が冷牙にうながす。その時の俺の顔は、冷牙が一瞬驚いていたが、ふっと笑みを浮かべてうなづいていた。両手の骨をボキボキ鳴らし、力がこもる。うん、今日の俺は、どうやら、本気で暴れたいらしい。胸のうちに湧き上がるマグマのような怒りが噴出すようなこの感覚、今日くらいは手加減一切なしで最初からクライマックスでいいかもしれない。まあ、いつでもそうだけど、今日はもう途中で止まらないだろう。暁もいないし、止められるやつはいないのだから。

雷斗「・・・・・行こう」
冷牙「・・・・・ああ、流水にあの女のことは任せるとして、俺たちは俺たちの戦いをしようぜ」
雷斗「・・・・おう」

二人で廊下を飛び出し、思い切り走り出した。

雷斗「人の、幸せを、踏みにじり、家族を、バラバラに、するような・・・」
冷牙「幾度となく自分の快楽のために他人の人生を奪い、蹂躙し、不幸を撒き散らすような・・・」

「「大バカ野郎は、思い切り、ぶちのめしてやるっ!!」」

神代聖、お前のことは、絶対に許せないっ!!


(流水視点)
ニクス「え・・・・?」

そんな意外に驚くことかな。というか、ここは仮にも敵の施設、君は幹部、保護という形でもその際調査をするのは当たり前だと思うけどね?まあ、申し訳ないかなと思いつつも、もうとっくに、あなたのことについては調査済みで、大体何があったかはこっちも了承済みだ。一部始終、ニクスさんが話してくれたこと、彼女が四天王の一人であったこと、あのメダルを使って死刑囚を蘇らせたこと、おそらくそれは神代聖かイングリッドの仕業だろうね、あのメダルを作り出したのが彼女なら、大量に取り込んでも暴走の対処法くらい知っているだろう。でも、それが出来なかったってことは、彼女も任務の結果次第では捨て駒にするつもりだったのだろう。それを知っていて、なお、保護したということを彼女が話し終えた後に言うと、こういった反応なわけ。

ニクス「・・・それを知っていて・・・どうして・・・助けるんだい?むしろ、殺したほうが・・・・君にとっても得なのに・・・」
流水「僕が何を感じて何が得なんて、勝手に決め付けないでほしいな。君は悪くないと思うけど?悪いのはそのバカシスターや吸血鬼のアホ女王なんだから、君が死ぬ必要なんかないっしょ?堂々としていればいいんだよ」
ニクス「・・・・だって、この戦いで、たくさんの犠牲者が出たんだろう?それなのに、私だけがのうのうと生きているなんて許されるはずない」

沈んだ声で、呟くように言う。言うたびに自分への責任がどんどん重くなっていってる。にしたって、こういうの、見てられないよね。クリスがいい例だもん。まるであいつを見ているようで、もういわずにはいられなかった。

流水「はあ、もう、そういうのやめない?めんどくさいよ」

ニクス「?」
あまりにも不釣合いなボクの能天気な声に、ニクスさんの目が見開く。何言ってるのかって?まあ、そうかもしれないけど、ボクはかまわず続ける。

流水「責任とか犠牲とか、今考えたって、その人たちが生き返ってくるわけでもないんだしさ、どうにもならないじゃん。むしろ、ここで死んだら、いい厄介払いが出来たってあいつらに笑われるだけじゃないかな?償いでもなんでもない、あいつらを喜ばせるだけ」

ニクス「・・・・!でも、私は、償いを・・・」
流水「償う?どうやって?死ぬっていうのはなしね、重いし、めんどくさいし」
ニクス「・・・でも、私のせいで、取り返しのつかないことになった・・・・・。どう償えば・・・」

流水「じゃあ、生きて償えば?」

ニクス「・・・・・・・え?」
流水「なんていうかさ、そういうのって、生きて償ってナンボじゃん。進んで死にたいわけじゃないなら、それが一番いいだろ?」
ニクス「・・・だが、そんなの、どうやって・・・・」

流水「知らない、そんなの、自分で考えなよ」

突き放すような言葉だけど、ボクは迷わないよ?こういうとき、迷いのある言葉ほど胡散臭くなるようなものはないもんだ。
流水「別に今すぐ、結論出さなければならないことでもないしさ。そういうことについて、考えるために、生きるってのもいいんじゃない?暁が言ってた。生きる理由なんて、どんなちっぽけなものでも、根拠のないものでも、無駄なことだろうと、それを確かめるために生きて確かめることも、立派な生きる理由だって」

ニクス「・・・・・!」

流水「分からないなら迷えばいい、迷いたければ考えればいい、考えたければ生きればいい!誰かのために、何かのために、自分が犠牲になればいいなんていうことほど、バカげているものなんてないよ」

そういって、ボクはニクスさんの顔を覗き込んだ。彼女の目から涙がもうあふれんばかりに流れ落ちていた。その顔を見て、一瞬、綺麗だと思ってしまった。

流水「生きて償おう。ボク、君に付き合うよ」
ニクス「・・・・なんで・・・そこまで・・・・」

そうたずねられ、ボクは心にある恥ずかしさや照れというものを全力で押さえつけて、言う。ボクの心の中にわきあがったこの感情を、包み隠さず伝えるために。

流水「・・・・君を、心から、愛しているから」
ニクス「・・・・!!」
流水「・・・・・ボクは、君が、好き。好きな人が、憧れの女性が、涙して落ち込んでいたら、死のうとしていたら、放っておくことなんて出来ないよ。何が何でも君を受け止めて、苦しいこと、一緒に受け止めて解決したい。一緒に笑っていたい。君のそばに、いつまでも寄り添っていたい。そのために、ボクは、君を・・・・守る!」

もう行動にためらいはなかったよ。決めたから、心に愛した人を、絶対に守るって。
オトメンにだって、男くさい意地や魂、矜持ってものはあるんだ。

その時だ。
警告音が鳴り響いた。この反応はプレデターだね?もう、邪魔しないで欲しいな。
ふうっと息をついて、ボクは立ち上がり、出動準備を整えると、部屋を出ようとする。
でも、ふと足を止めて、ボクはニクスさんに近寄る。
うん、これだけはやっておきたかったから。

驚きで目を見開いているニクスさん、そんな彼女のことがもう、いとおしい。
近寄って、顔を近づけて、自分の唇と彼女の頬の距離が一気に0になる。

チュッ♪

ニクス「!?なっ・・・・あの・・・その・・・・!?」
顔が真っ赤になって、あたふたしている。ふふっ、やっぱりこの人、可愛いなあ♪
自分の唇を軽く舐めて、ボク、今にも幸せで爆発しそうな気持ちを抑えて、笑顔で言う。

流水「・・・続きは、あとで、いい?」

ボンッッ!!!

そういうと、頭から煙を出し、真っ赤にして・・・・頷いた。

ニクス「・・・・・優しい、キス、もっと、したい・・・・♪」
流水「ラジャ♪それじゃ、ちょっと暴れてきますね〜」

そういって、部屋を飛び出し、先に走っていた二人に合流する。

雷斗「・・・いいの?」
流水「うん、大事なことは伝えたし、後は彼女しだいかな」
冷牙「・・・・大丈夫なのか?」
流水「大丈夫。だって、これからは、ボクがいるんだし♪」
冷牙「・・・時々、お前って妙に男らしい時あるよな」
雷斗「・・・うん」
流水「くしし、惚れんなよ♪」

「「誰がだ、バーカ」」
3人でハイタッチ決めて、よっしゃ、気合十分っ!

そして、事件現場で暴れまくっているアリクイの怪物とサイの怪物を前にする。(アントベアプレデター、ライノセラスプレデター)

流水「まぁた、派手に暴れてるね」
冷牙「ふん、このくらいいきがいいほうがちょうどいいさ。今日の俺様にはなっ!!」
雷斗「・・・・今日は、派手に、暴れたい、気分!」
流水「だぁね。それで、これ、暁が何かあったら使えって!」

そういって、取り出したのはヘブンズドライバーの量産型。これに、それぞれのデモンバレットを差し込んだから、これを使えば、1回限りだけど、変身できる・・・!

雷斗「・・・・・やろう!」

流水「うん!」

冷牙「行くぜ!!」

ボクたちがベルトを巻きつけて立ちはだかると、アントベアプレデターとライノセラスプレデターが息巻いてボクたちに襲い掛かろうと、身構える!

「「「変身!!」」」

青い風が冷牙を囲み、その姿を青き狼が宿りし狂剣士、仮面ライダーヘブン・ヴォルファスフォームへと変え、銀色の稲光が雷斗を覆い、銀色の重装甲闘士、仮面ライダーヘブン・トーライフォームへと変えていく!

そしてボクの周りを紫色の水柱がいくつも囲み、その中を潜り抜けて仮面ライダーヘブン・チューンフォームへと変身していく!

Vフォーム「激しく吼える魂を・・・感じなっ!!」

Tフォーム「静かに、激しく、轟く!!」

Cフォーム「舞うように・・・・行くよっ!」

ヴォルファスフォームが目にも止まらない速さでけん制し、トマホークを次々とアントベアプレデターに叩きつけていく!傷口から火花が飛び散り、頑強な甲冑を傷つけていく!

Vフォーム「ウオオオオオオオオオオッ!!グオオオオオオオオオッ!!!」
吼えに吼えまくって、次々と休む間もなく斧の刃が襲い掛かっていく。

Cフォーム「それじゃ、行きますか♪」
ライノセラスプレデターを遠くからチューンシューターを構えて、次々と水鉄砲を発射して装甲を爆撃していく。そして、そこへ飛び込んできたトーライフォームがトーライハンマーで殴りつけ、相手が武器のドリルを突き出そうとすると、突進を銃弾で足元を打って威力を半減させる。その間にトーライハンマーの猛ラッシュを繰り広げる!

Tフォーム「はあっ!!」
Cフォーム「さてと、そろそろ決めますか?」

アントベアプレデターが背中のミサイルポッドからミサイルを発射し、それを壁を蹴り上げて飛び上がってヴォルファスフォームがよけ、そのミサイルに照準を向けてボクは水鉄砲を発射し空中でミサイルが爆破する!

Vフォーム「さっさと片付けちまおうぜ!」
Tフォーム「今、思いついた、新しい、技、やってみる!」
Cフォーム「3人同時にいくとしますか!」
Vフォーム「ほう?付き合おうとするか。どうする?」
Cフォーム「うんとね、まず、冷牙、思い切りジャンプして!雷斗のほうに足を向けてね?そしたら雷斗がそれを・・・受け止めるから!」
Vフォーム「・・・了解だ!」

ふらついているライノセラスプレデターとアントベアプレデターを前に、3人同時にベルトのパワーを最大出力に引き出す!そして、青い風をまとったヴォルファスフォームが飛び上がり、作戦とおり両足をこっちに向けている!そして、その足に向かって銀色の稲光をまとったハンマーを思い切り振り回して、トーライフォームが構えた!

よっしゃ!発射準備完了だっ!

Vフォーム「はっ?ちょっと、おい、こら、待て!?この構えって、まさかっ!?」
Cフォーム「その名も、ヴォルファスキャノン〜!!!!」
Tフォーム「た〜ま〜や〜っ!!」

ドッカアアアアアアアアアアアアアン!!!

思い切り打ち出した!!!!
さらに後ろからボクが乱射した水鉄砲が膜を覆い、風が、水が、雷が一つになり、その力を集めた斧の刃を構えると、光の狼と化したヴォルファスフォームが、目にもとまらない速さで飛んでいき、すれ違いざまに思い切り一文字に切り裂いた!!

アントベアプレデター「ぎゃああああああああああああっ!!」
ライノセラスプレデター「ぐおあああああああああああああ!!」

二体が三人分のエネルギーの刃を受けて、爆発し、飛び散った!!

ヴォルファスフォームが上手く木に足をかけて天空に舞い上がり、回転して地面に降り立った!

Vフォーム「・・・はっ、即興にしては、俺がかなりリスキーだったような気がするが、見せ場をもらったと思えばいいか」
Cフォーム「そうそう、大人だねぇ〜」
Tフォーム「・・・・・・・・上手く、まとめている」

変身を解いたと同時に。

冷牙「何ていうと思うかぁっ!?このバカがあああ!危ねぇだろっ!!」
流水「あいたっ!もうっ、痛いって!ヘッドロック、痛いってえええええっ!!」
雷斗「二人、とも、喧嘩、辞めて・・・」
冷牙「やかましいっ、デクノボウ!!貴様もなぜ協力したあっ!!」
雷斗「お、面白、そう、だった、から・・・」
冷牙「俺は面白いどころか、危なかったわああああああああああああっ!!」

冷牙がボクにヘッドロックをかけたまま、両足を持ち上げて雷斗の首に引っ掛けて、思い切り締め上げる!おのれっ!!ここでやられっぱなしのボクではないっ!!クリス対策用に鍛えたプロレスの関節技で応戦してやるっ!!

こうして、街中で第2ラウンドの試合が始まった。

(ニクス視点)
その光景を私は見ていて、いつの間にか、さっきまでの重苦しい闇が薄らいで、周りの景色が色づいて見えるように見えた。そしてさっき彼が言っていた言葉を思い出す。


流水「分からないなら迷えばいい、迷いたければ考えればいい、考えたければ生きればいい!誰かのために、何かのために、自分が犠牲になればいいなんていうことほど、バカげているものなんてないよ」

ニクス「同じバカなら、生きて違う選択肢を選ぶのも、ありか・・・。あの子を信じて、みよう」

画面で仲間とじゃれあっている満面の笑顔を浮かべている彼を見て、少しだけ、希望というものが胸に熱く燃え上がったような気がした。

そして頬にさっきのやわらかい感触を思い出し、胸が高鳴る。あれ以上のすごいこと、されてしまうのだろうか?自分は・・・抗うことなど出来ないだろうな♪

マリア、アルト、そして貴方・・・。許されないかもしれない、でも、もし、一度だけチャンスがあるなら、この罪、償うために生きることを許してくれないだろうか・・・?

そう、自分がしていたサメのピアスに、願いをこめた・・・。



この数時間後、暁がとんでもないことになり、ルシファーズハンマー始まって以来の危機にさらされることになるのは、また、次回で・・・。

続く
2011年10月20日(木) 22時33分38秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
さて、今回ニクス(アンジェリカ)編の決着、流水の魂をかけた説得により幾分か開放されたという形になりました。流水の台詞の言葉は、暁にもある意味向けられているのではないかと思う言葉になりました。自分はどうなってもいい、他人を助けられればそれでいいという考えは、結局自分自身を放っておいてしまっている一番悲しい考えだと思い、この言葉を考えました。そして、流水くんを今回主役的存在として書き上げました。オトメンだけど、純真で人一倍思いやりが強いからこういう言葉も思いも素直に告白できるとして書きました。次回からまた、本編が再開されますが、応援よろしくお願いいたします。

バカテスト投稿いたします!
今回は「大友 翠」さん、よろしくお願いいたします。

「アイスクリームやカキ氷など、冷たいものを急いで食べたあと、こめかみのあたりが痛く感じてしまう症状を何と言うか答えなさい」
答え:アイスクリーム頭痛

クリスの回答「アイスクリーム頭痛、です」
「私もよくなるんですよね・・・」

大友暁の回答「冷凍頭痛」
「偏頭痛があるんだから、こういうのもあんだろ」

大地 昴の回答「冷え性」
「ちなみにボクは今、翠ちゃんの隠し撮り写真を売りさばいたことがバレて、シャナツネさんにぶっ飛ばされたので、全身に氷嚢を乗せて看病して欲しいです(翠ちゃんにバレたら殺される・・・)」

次回もよろしくお願いいたします。

この作品の感想をお寄せください。
nO546Q Muchos Gracias for your article.Much thanks again. Really Great. -20 bookmarking ■2012-05-18 09:34:07 192.162.19.21
《番外編》の感想です。……と、その前に《バカテスト》に対してのコメントをいきます。翠、よろしく。


「OK♪ まっかせてね♪」


クリス(ヘブン)の回答についてのコメント


「正解だよ。特に夏には良くある症状だよね〜。冷たい物の食べすぎには注意ってことだね。【ヘブン】のクリスも自重しようね♪」


暁(ヘブン)の回答についてのコメント


「……不正解だよ。確かにこういった風に考えてしまうけど、この回答だと凍らされて頭痛になっちゃったみたいに聞こえるよ。怖っ!!」


昴の回答についてのコメント


「………回答は不正解だとして、何をやっているの!!# どこから人を隠し撮りしてんのよ、まったく!# それはそれとして、シャナツネさん、グッジョブ!! 後は私が直々にお仕置き……」

カッ!

ドッカ―――――ン!!


「ん?」

暁(アスレイ)
「あ、お前のことを昴のバカが隠し撮りしているって聞いて、明久の奴が即行に向かっていったみたいだぜ」


「へ!? あ、アキ君が!?//////」

クリス(アスレイ)
「ですから、翠さんは安心してください」


「…う、うん……//////」


そんな感じで、《バカテスト》に対してのコメントは以上です。
それでは改めて、《番外編》の感想です。

流水(アスレイ)
「なんだかんだで、ニクスさんことアンジェリカさんは漸く自分を許せたって感じだね。【ヘブン】の僕もナイス説得♪」

暁(アスレイ)
「…だな。しっかし、ニクスさんが見ていた悪夢だけど、間違いなく彼女の後悔の表われって感じだな……」

クロキバT世
「…間違いなくそうであろうな。悔やんでも悔やみきれぬのだろう。己の愛する我が子達を死なせてしまったことが……」

…っていうか、ここでも暗躍しとったんですか、あのクソ外道シスターは!!# 本当に、誰かが辛い目に遭っているところには、必ずとして彼女の影が尊台しているように思えてきますな…#

明久(電王)
「だね。アンジェリカさん達《シャークエッジ母子》のところにまで暗躍しているなんて、どれくらいの頃から“プレデター”達に協力をしていたんだろう?」

雪奈
「……かなり昔から協力をしているように思えますね。あの外道シスターでしたら、そういう可能性が高いですし…;」

カグヤ
「…同感。本当に嫌なことばかり残していくわね〜…#」

モモタロス
「本当だな〜# あのクソシスターが残したもんがどれくらい多いか判らねえけど、それを全部、ぶち壊してぇ気分だぜ#」

シャナツネ
「それに関してはモモに同感だ# 拙者もここまで頭にくるのはカイのバカ以来だ!#」

星(アスレイ)
「そんでもって、何気に改めて【ヘブン】の流水がアンジェリカさんに告白しているな。…てか、一応彼女が未亡人だって知ってて好きだって言ったんだよな?」

フェザー(アスレイ)
「そうじゃないと納得も出来ませんしね; 実際のところはどうなんでしょう?」

イーズ(アスレイ)
「…将来、流水さんのことを“お義父さん”って呼ぶことになるのかな?」

その可能性が高いでしょうね(笑) 
それはそれとしても、今後、本編の方で『アイオーン』肉体を奪われてしまった【ヘブン】の暁を助けるためにも、アンジェリカさんの知恵が必要となるでしょうから、これはすごい味方が出来たと考えていいでしょう。

冷牙(アスレイ)
「んでもって、なんだかんだで【ヘブン】の俺達が大活躍♪」


「…ある、意味、あっち、の、俺、達、の、活、躍、が、メイン、と、言っても、おかしく、ない、だろう、から、な」

流水(アスレイ)
「まったくだね♪ ……それにしても、まさか【ヘブン】の僕達が各フォームの『仮面ライダーヘブン』に変身するとは思わなかったよ……」

それに関しては私も同意権です! クロノスキバットV世がいないのに、どうして『ヘブン』に変身できたのかが気になります。って言いますか、そう簡単に『ヘブンドライバー』の量産型とか作れるもんなんですか? っていうか、“オリジナル”とはどこが違うんですか?

暁(アスレイ)
「…一回限りの変身とはいえ、本当にすごいもんを作ったもんだな…;」


「作ったのって、エメラルドさんかな?」

その可能性が高いでしょうな。

冷牙(アスレイ)
「しっかし、本当にあっちの俺達が大活躍しているな。…最後に放たれた『ヴォルファスキャノン』って技には、かなり文句を言いたいがな…# どう見てもあっちの俺を使い捨ての弾丸に使っているところがムカつく!!#」

流水(アスレイ)
「落ち着きなって…; 気持ちは察するけど一応無事だし、一番活躍が出来たんだからいいじゃん」


「…言って、おく、が、俺と、流水(アスレイ)に、八つ、当たり、しても、困る、ぞ」

冷牙(アスレイ)
「そりゃあ、判ってる! ……だけどな……それでも納得できないって時があるわ!!#」

明久(電王)
「……っていうか、合体技の具体的な部分をもう少し聞いてから動いた方が良かったんじゃない?」

シャナツネ
「……それは言えているな…(苦笑)」

モモタロス
「…さてさて、次はどうなるのかね〜……」

そんな感じで、今回の感想は以上です。最大の危機的状況をどのように《ルシファーズハンマー》の面々が超えていくのかを楽しみにしています。

イーズ(アスレイ)&流水(アスレイ)
「「それじゃあ、」」

一同
『今後も頑張って書いていってください!』






〜…限界を超えて……参る!!〜 〜……時と次元を超え、俺、参上!!〜

50 ■2011-10-21 15:15:55 i125-205-43-158.s10.a044.ap.plala.or.jp
合計 30
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