仮面ライダーヘブン 第38話
第38話

(セレス視点)

ヘブンたちが戦いを行っている廃墟の団地よりも北東の、とある遊歩道。昴ちゃんから連絡を受けた私とフレアは、『30秒で支度しな!』と言って声を張ったフレアの号令のもと、即座に準備を整えて出撃し、怒涛の勢いで穏ちゃんの後を追っていた。もちろん護衛のために。

フレア「っっっんのヤロォオ―――――ッ!!やりたい放題、やってくれやがってぇえ―――――っ!!」
セレス「フレア、落ち着いて。その怒りは戦闘のときに十二分に発揮すればいいわ」
(さすがは四天王きっての常識人にして歴戦の戦士。常に冷静沈着かつ優雅な態勢を崩さない)

フレア「クソがぁっ!!無事でいられると思うじゃねえぞっ!イングリッドといいあのニヤケ面かましたバカ虎といい・・・・!!まとめてぶっとばしてやるぜ!!」
(・・・・さすがは四天王きっての武闘派。たけり狂う怒りを露わにして猛然と突き進む姿は勇猛果敢そのもの)

フレアをなだめながらも、私の心中もかなり穏やかではなかったわ。
まさか、坊やがこんなことになるなんて。このチームは坊やの優れた陣頭指揮と状況を冷静に分析し的確な判断を瞬時に下す司令塔としての役割、そして抜群の行動力と統率力がものをいう集団。最近はマリアや昴ちゃん、微力ながらも私がいくつか戦略を思案し、それを坊やに進言してはいるけど、正直あの子の指揮官としてのスキルには到底及ばない。(実は参謀としての役割は大半はクロキバとセレスが勤めている。昴はいい加減だし、マリアさんは暁がからむとすぐ暴走するため)
その坊やが減っただけでも、かなりの大打撃よね・・・。

まあ混乱する頭を必死で冷静にさせて、私たちは諜報活動に向かっている穏ちゃんと合流することにしたの。ところが、昴ちゃんから気絶しているエリザベート様を看護するよう言われ、今、私の車の後部座席でぐっすりと寝ているエリザベート様を連れている。

セレス「・・・・はあ、あの二人も何を考えているのかしら。まあ、その前の戦いで魔力を消費されているから、魔力を完全に回復させておくということで納得するしかないでしょうけども」
フレア「お前も相当プラス思考だよな。どう見ても、あいつらにとっては都合のいい解釈じゃねえか」
セレス「・・・・・そうとでも思わないとやってられないの」

ここであの二人の暴挙を咎めている時間はないわ。あとで、みっちりとムッシュと坊やにはお説教でもしてもらおうかしらね。

アクセルをさらに踏み込み、走り出したその時・・!

「アハハハハハハハハハ!!」

車の前に飛び出してきた黒い影。思わずブレーキを踏み、車を急停車させる。
車のライトで映し出されたその姿は・・・・あまりにも醜くて思わず吐き気を催しかけた。
クラゲと人間の女性を組み合わせたような異様な怪物、体中の至る所から人やそうでない怪物の顔らしきものが内部からはみ出すように浮き出ている。両手のゲル状の触手が伸び、車に向かって打ち出される。

セレス「まずい!」
フレア「ちくしょうがっ!!」

フレアがエリザベート様を抱きかかえて車から飛び出し、私も飛び出すと、車が触手で打ちつけられ派手な音を立てて炎を吹き出し爆発した!

エリザベート「・・・む、うむ、何じゃ、これは・・!?」
フレア「敵襲だよっ!!寝ぼけてんじゃねえっ!!」
セレス「好きで寝ていたわけではないと思うけど・・・姫様、ここは気を引き締めて取り掛からないと、まずいですよ」

触手を振り回しながら迫ってきている敵を見て、私は戦闘の構えをとる。
こいつは・・・・かなり危ないわね。直感で感じる。ランスを取り出し構えて姫様の前に出る。

フレア「おい、こいつ、やっちまって構わないんだよな。アタシ、もう度重なるトラブルでイライラ限界まで来てるんだ」
セレス「脳みそ沸騰してるわね。やってもかまわないけど、相手の力量を見極めながら冷静に思考を張り巡らせて戦わないと、危ないわよ」
フレア「バカヤロウ、ケンカに思考もヘッタクレもあるか。こういうのはな、ヤケクソになったもん勝ちなんだよ。相手を最初から殺すつもりでやるのが、ケンカの流儀じゃねえか」
セレス「殺しあいとケンカを履き違えてかかると、えらい目見るわよ」
フレア「アタシは、特攻隊じゃああああああああああああああっ!!」

もう勢いよく飛び出し、クラゲの怪物に向かって走り出すと、そのまま両足を持ち上げて顔面に一気に決めたわ。ドロップキックをね。

バゴ―――――――――――ンッ!!!!

フレア「アホンダラァアアアアアアアアアッ!!」

もう、坊や・・・・。
貴方、この間フレアに喧嘩を教えたでしょう。(教えたわけではない。凛とフレアがバイトしているクラブで暁が用心棒として営業妨害していたヤクザと大乱闘やらかして店を壊滅状態にするまで暴れまくったのを、終始見ていたフレアが暁の喧嘩のやり方を真似しているだけなのだが)
あとで、坊やもムッシュにお説教してもらうわよ。いたいけな美少女に何てこと教えているのよ・・・。

フレア「暁仕込みの喧嘩殺法、とくとおがみやがれぁあああああああああ!!」
エリザベート「あ、あの、ジャリガキ、何てこと教えてくれたのじゃ・・・・!!」
セレス「これ以上先行き不安にさせないでほしいですね」

フレアがファルコンプレデターに変わり、かぎ爪で切りかかり、蹴りつけ、触手の攻撃を避けながら激しい戦闘を行っている。

エリザベート「くっ・・!」
セレス「姫様、姫様は穏ちゃんの後を!彼女はひとりでショールの後を追っています。ここは、わたくしたちに任せて!」
エリザベート「・・・分かった!終わったら後を追ってこい!」
セレス「御意!!」

エリザベート様が呼び寄せた「マシンダークフォックス(フライングフォックス=オオコウモリ)」を呼び寄せると、六門のパイプからけたたましい爆音を立てて大型バイクが召喚された。エリザベート様がまたがり、アクセルを一気に吹かせると、クラゲの怪物の横を通り過ぎるように走り出す!

セレス「・・・必ず合流を果たします。姫様!」
さあ・・・私も行くわよ。
ジャケットを脱ぎ捨て、自身の体をホーネットプレデターの姿へと変えると自分の周りを無数の蜂が大軍を率いて舞い始める。私の精神で操っている蜂たちは自身の意のままに飛び交い、いつ突撃してもいいように鋭い毒針を構える。

ホーネットプレデター「・・・どこの誰かは分からないけど、敵として会った以上、覚悟はよろしくて?」
ファルコンプレデター「・・・・四天王ナメんじゃねえぞっ!!」

そういうと、クラゲの怪物が突然、動きを止めた。

「ふふふふ・・・あははははは・・・!相変わらず、変わらないんだねえ、血気盛んなところは・・・・フレア・・・・・いや・・・・神官長様」

ふと、その時、フレアの動きが止まった。
その顔には・・・驚きがうかがえる。呆気にとられている。

ファルコンプレデター「・・・・ああ?何言ってやがる・・・・何で・・・・アタシのことを知っているんだ?」

すると、クラゲ女の姿が光を放って見る見る人間の姿へと戻っていく。

「あれ?忘れちゃったのかな?まさか、長い長い時を経て、こんな時代で会えるとは思わなかったよ・・・・。ねえ・・・・・フレア・・・・神官長殿・・・」

その姿は年端もいかない少女の姿だった。
黒髪のショートカットをあしらえ、褐色の肌を持つエキゾチックな雰囲気を持つ紫色の瞳をもつ小柄で華奢な姿の少女・・・。

フレア「!!?お・・・・お前・・・・・!」

フレアの顔色が青ざめて、冷や汗のようなものが吹き出し、若干震えている。まるで信じられないものを見ているかのように。

セレス「・・・・・?貴方は・・・・確かデータベースで見たことがあるわね・・・」

「久しぶりだね。フレア」

フレア「・・・・智・・・・・・・!!」

智。
その言葉で、セレスの脳裏に思い出した。

セレス「・・・智・・・!?スフィンクスレジェンドルガにして、先のヒュプノス事件を引き起こし、セブンズヘブンを蘇らせて、過去に時の運行を崩壊にまで導いた・・・あの?」

そう、目の前にいる人物。
それは、間違いなく先のヒュプノス事件の首謀者・・・・智だった。

智「そして、今は・・・・ベリルっていえば・・・いいのかな?」

そして・・・・!

フレア「・・・・・・お前・・・・どうして?」
セレス「智、貴方はマリアの話だとベリルに食い殺されたはず。なのに、どうしてここにいる?」

智「ああ、ベリルってヤツに食い殺されたさ。でもね、あんな形で死んで、挙句食われて、恨みつらみないわけないだろう?もう、あのバルキリーたちや神代聖への憎しみと報復で意識だけが残ったのさ。そして、内面からベリルの人格や精神、全部ボクが奪ってやったのさ。そして、ボクは蘇った。今こそ、あの邪魔な神代聖ももういない。バルキリーたちと、ボクに攻撃を仕掛けてきたあのフレスベルグの忌まわしい生まれ変わりが率いているチームも、全部ぶっ潰すためにね!!」

凄まじいまでの狂気と復讐心。
それだけでここまで地獄から這い上がってきたというのか。
あまりの状況に二人は戦慄する。

智「・・・・ふふふふふふっ、まさか、君がいるとはね。後で聞いた話だけど、君は、神代聖に・・・殺されたはずだって話を聞いていたのに・・・・そうか・・・君も一度死んで蘇ったってヤツか・・・・」

セレス「ええ?!」
フレア「・・・ケッ、思い出したくもないこと、思い出させやがって・・・!」

フレアが顔をしかめる。その様子だと、あいつの言っていることは・・・・。
フレアが神代聖に・・・殺されている?
この子も、神代聖に人生を狂わされた一人だっていうの?!


フレア「あんなヤツのことなんか、思い出させるんじゃねえ!!!」

智「・・・そうそう、君の妹も、見かけたよ。彼女もまさかライダーになっているとはね」
フレア「あいつのことはどうだっていいだろうがっ!!!」
セレス「・・・妹?」
フレア「お前も気にするなっ!!」

智「教えてあげようか?どうして彼女が四天王として戦っているのか・・・・」
フレア「智―――――――っ!!テメェ・・・・その話、話したら、殺す・・・・!!」

フレアがかつてないまでに怒り狂って、全身から炎を噴き出して巨大な翼が広がる。
ふう、まあ、人には言えないこともあるでしょうね。さてと、悪霊退治は早めにやるに限るわね。でも、こいつ一体何があってフレアに近づいたの・・・?


フレア回想

まさか、こいつに会うなんて・・・・。
神様はつくづく、「皮肉な運命」がお好きなようだ。

そう、こいつ・・・スフィンクスレジェンドルガこと、智。
そして、アタシ。
そして、もう一人、アタシの妹・・・・・・。

アリス・ビストレオ。

まさかこの3人が死んだあと、こうしてもう一度顔を寄せ集める羽目になるなんて、どういう運命なんだか・・・・。


時はさかのぼること、どのくらい前だったか・・・。

当時のアタシはイタリア・ベネチアにいた。
当時イタリア全土はもちろん、他の諸外国にも、アタシの名前は知れ渡っていたらしい。

一人は「史上最年少の天才神官長」。
一人は「稀代の聖女」。
一人は「聖なる火を操る女神の化身」。

別に、たまたまだ。
だけど、世間はアタシをもてはやし、あれよあれよと持ち上げられて、気がついたとき、アタシは神官長なんかの座に収まっていた。

当時のアタシは、まあ、スラム育ちで貧乏から抜け出したい一心で、適当に職つけりゃなんでもいいって感じで、やってただけにすぎない。
ましてや、神様とか信仰とか、これっぽっちも信じてなかった。
見たこともないものなんかに人生をいいようにいじられているようで、いけすかなかった。

それに、当時のアタシは、貴賎問わず誰にでも平等に接する、常に同じ立ち位置で信仰を広める珍しい神官だったらしく、権力欲や己の身分に明かして好き放題やるような神官や、高いお布施をとるようなことをしなかった。それで、アタシを疎ましく思うヤツもいたし、邪魔だと思うのもいた。でも、アタシの能力とカリスマ性によって人気を支持してくれる教徒の中には、上流貴族も何人もいたため、下手に手を出せなかった。

別にアタシは神官としてやっていたわけではない。誰に対しても平等に接していたこと、お布施も何も求めなかったこと、それは、ただ単に、「何にも興味がなかった」だけだ。

どいつもこいつも、「神様」ばかり。見たこともないくせに、どうして信じられる?バカらしくてやってられない。根拠もない幻に踊らされているようで、滑稽だった。周りを見下すことだけが、アタシの楽しみだった。

フレア「・・・バッカじゃねーの」

神官1「どうかされましたか、神官長様」
フレア「・・・・何でもない。少し、外の空気を吸ってきます」

外に出て、自分の部屋に入る・・ふりして、隣の空き部屋の扉を開けて入る。
そして天井の一角を押し上げて梯子で上り、塔の上に出る。
そこで、煙草を(当時はキセルだけど)加えて、思い切り吸い、煙を吐き出す。

フレア「はあ・・・・やってられねぇ。神様にお願いだけして世界が救われるなら、世話ねぇぜ」
「神官長とは思えないお言葉だねえ」

そういって、屋根の上で本を読みながら神官の服を着た褐色肌の少女・・・智がいた。

フレア「智、お前またこんなところで本読んでたのかよ」
智「周りが馬鹿ばかりでうるさいんだよ。本すら読めやしない」
フレア「なるほどな」
智「・・・・というか、神官長が堂々煙草吸ってていいんですか?」
フレア「灰皿は持ってきてるぞ?」
智「マナーの問題じゃないって」
フレア「お前も吸う?」
智「こっちは・・・間に合ってる。葉巻あるし」
フレア「人のこと言えないじゃねえか」
智「煙草と葉巻から学ぶ、人の生と死のあはれ・・・とは」
フレア「最後には煙になって、はい(灰)さようなら・・・ってか」
智「花に嵐の例えもありて・・・」
フレア「さよならだけが、人生だ」

「「あははははははははは・・!!」」

二人で昔聞きかじった聖書や古書のつづりを言って、この世界を皮肉る。
そして、二人で酒を飲み、煙草を吸い、他愛もない話をする。

そう、アタシと智は・・・・・。

「親友」だった。

お互い、この世界をバカにしていて、神様をバカにして、そのことが分かっている自分たちだけがこの世で一番偉いと思い込んでいた。たとえ、鼻持ちならない奴らだと思われるだろうけども、こうしている間、何も知らなかった「子供」だったころの時間は、とても、楽しかった。

フレア「でよ、お前、スフィンクス一族のほうは最近どうよ」

夜、アタシの部屋でカード(当然お金かけてる。ギャンブルです)をやりながら、智にアタシが話しかける。
智「うん、部落のほうで、少しずつだけど、再興の準備は整っているよ。まあ、かつての知識と叡智を追求した学者として活躍の目はまだないけど、貧しい片田舎で畑なんか作りながら、子供たちを集めてわずかに学校なんてもの作ってる」
フレア「お前が仕送り送っているのもそれか。この間、たくさん古書や文房具送ってたもんな」
智「・・・・スフィンクスはいつか必ず復興する。ボクの夢だ。かつてこの世界の生きとし生けるものたちに、知識と叡智に満ちた文明を与え、繁栄を導いた種族。必ず、かなえてみせる。お父さんやおじいちゃんも、いつか、再びスフィンクスは蘇るって信じている」
フレア「・・・・なるほどね」

その時だった。

アリス「おいーっす!夜食持ってきたじぇ――――――――っ♪」

そういって、部屋に入ってきたのは、金色の髪をポニーテールにして縛り上げ、姉のアタシよりも妖艶な美貌と健康的な色香を備えたスタイル抜群の美女、アリス・・・アタシの妹がいた。手にはハムやパン、ワインにチーズが載っている。

フレア「おっ、ありがとよ」
アリス「しっかし、あんたもワルだよね。食糧庫の中に、こっそり自分の酒のつまみと酒をチョイスしておくなんてさ」
智「君、やりたい放題だな・・・」
フレア「うるせぇ、あんなデブオヤジども、メタボなんだから、野菜だけ食べてりゃいいんでぃ」

「「「あはははははははははっ!!そりゃいいわっ!!」」」

アリス「そういえばさ、この間、また遭ったってよ。ファンガイア一族による、狩り。この間、ゴブリン族が滅ぼされたって」
フレア「ああ、それでだろ?神官たちが粛清に向かったファンガイア一族たちとまた激突して闘いがあったとか。でも、近々王とうちの法皇とで和平交渉に持ち込むらしいぜ」
智「和平交渉?これまで度重なる争いがあったというのに、どうして?」
フレア「・・・もともと法皇のオッサンは闘いが嫌いだ。それにこんな闘いが今後何回も会ったらこの街も危ない。そうなる前に、お互い犠牲は多く出ていて疲弊しきっている。なら、この辺でもうお互いバカはやめましょうってことだよ」
智「・・・ずいぶんと勝手な話だね」
フレア「・・・まあ、理にかなっている話だけどな」

智「・・・・スフィンクスは大丈夫だよね?もうこっちから手出しはしないし復讐だってしない。見逃してくれる・・・よね」

どこか不安そうだった。
この頃のファンガイア一族は他種族を次々と根絶やしにするべく大軍を率いて乗り込んでは虐殺と破壊の限りを尽くしており、世界中で畏怖されている存在だった。彼らが侵攻を仕掛けた一族は全員根絶やしにされていく。スフィンクスもそのうちのひとつだった。

フレア「・・・大丈夫。何があっても、アタシが守ってやるよ」
智「・・・・・でも・・・」
アリス「なあなあ、今度の休みに、智の家に遊びに行ってみればいいんじゃない?」
フレア「・・・神官長の権限で、一族の保護も、可能、か」
智「・・・でも、そんなことしたら、お前の立場が」
フレア「ケッ、クビが怖くてやってられっか。それに、神様とやらは困っている人を無償で助けろって教えてるんだろ?じゃあ、その通りにやるだけじゃないの?神様の教えに逆らうのは・・・異教徒だって、言い返せるもんね―♪」
アリス「あははは、姉さんは本当こういうときには頭の回転速いんだから」
フレア「いつもそうだよ」
智「・・・・本当にいいの?」
フレア「ああ、幸いうちの連中は、ファンガイア一族の襲撃に遭っている種族の救済に力を入れている。今回も簡単にいくさ」


そう、この頃のアタシは出来ないことなんてないって、本気で思っていたんだ。

フレア回想終了

フレア「・・・お前、やっぱりあのことで、アタシを恨んでるのか」
智「・・・・まさか、君は心の奥からボクたち種族のことを気遣ってくれた。君との過ごした日々も、ボクは一日たりとも忘れられない、他種族の民ということで、誰からも迫害され続けてきて神官としての居場所がなかったボクに居場所をくれたのは、君だった。君に罪があるわけじゃない」

フレア「・・・・なら、もう、こんなことやめろよ。復讐なんかしたって、もう何も帰ってこねえんだよ・・・。アタシも、妹を、アリスを・・・・失った。今も、失ったままで、もう、二度と、取り戻したくっても取り戻せない」

セレス「・・・アリスが・・・・貴方の・・・妹!?」

フレア「目の前にいるのに、もう、名乗ることすら叶わない。アタシはあの事を思い出させるわけにはいかねぇんだ。あいつに殺された時のショックで、あいつは完全に記憶を失っちまった。心もなくなって、アタシが植え付けた、あいつのものではないあいつの心があるだけの・・・・アタシからみれば人形なんだよ。もうアタシの知っているあいつじゃない。だから、アタシがあいつを守らなくちゃいけないんだよっ!!あいつが自分が殺された時の死の記憶を取り戻さないように!!」

智「・・・・そうして、生きるしかないか。でもね、ボクは、そんな弱くなった君なんか、もう、用はない!君はもう自由じゃなくなった。君は自由奔放にやりたいようにやって、好き勝手に生きている姿が一番似合っていた。過去に縛られて、こんなつまらない連中と徒党を組んで上からの命令に屈して動いている君なんか、もう、消えてしまえばいい!」

フレア「・・・弱くなったか。それは違うぜ」

フレアがにぃっと笑みを浮かべる。

フレア「セレス、ここはアタシに任せてくれねぇかな」
セレス「フレア!?でも・・」
フレア「これは、アタシとこいつの喧嘩だっ!!アタシがケリつけねぇといけねぇんだっ。頼む、お前は、姫さんとムッツリスケベを頼むぜ・・・!!」

いつになく、真剣な瞳でフレアがセレスに懇願する。
その真剣な雰囲気に、セレスがうなづき、背中の羽を生やし空中に舞い上がる!

セレス「・・・・必ず無事で帰ってきて」
フレア「・・・分かってる」

そして、空高く舞い上がると目にもとまらない速さで飛翔する!!

フレア「さあ、始めようぜ!!大馬鹿野郎がっ!!大喧嘩でもよぉおおおおおおお!!」
智「・・・・殺してやる。そして、君も食べてやる!!」

フレアがファルコンプレデターに、そして、ベリルがスライムプレデターに変わり、お互いに殴りかかっていく!!!

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」


フレア回想
こうして闘わなくちゃ・・・いけなくなるなんてよ・・・。
あの時から、アタシたちの人生の歯車は狂ったのかもしれない。

一族の保護という名目で、スフィンクス一族の隠れ里に向かったアタシたちは、それから何回か訪れて、一族の民とも交流を深めて、村の長とも保護という形でうちらが守るという名目で同盟を結んだ。それで、全てが解決すると思っていたんだ。

ある日、いつものように村の交流に向かった・・・あの日。

アリス「なあなあ、智の村って、美味しいおやつとかあるんだよなっ。強いヤツとかいるのかなっ♪思い切りケンカできるかなっ♪」
フレア「交流にいくのに、ケンカしてどうすんだ、バカ」
智「そういうお前こそ、交流とか言って、酒盛り夜通しやるし、ギャンブルやるし、やりたい放題じゃん」
フレア「あれが、アタシ流の交流よ」
智「・・・・あれ?」

ふと、智が何か異変を感じたように足を止める。

智「・・・・何か変なにおいしない?」
フレア「・・・・何かが燃えるような匂いだな・・・」
アリス「・・・ねえ、あれ、教会の異端審問会の旗じゃねえかっ!?」

そう、異端審問会。いわゆる、神の教えに背く種族や人間を「異端者」と称し、強制的排除および浄化を目的としている武装集団。その旗が・・・智の村に!?しかも、村の至る所には火が立っており、ただ事じゃない!

智「そ・・・そんな・・どうして、村がっ!?保護してくれていたはずじゃないの!?」
アリス「ね、姉さん!!」
フレア「ちっくしょぉおおおおおおおおおっ!!どうなってやがるっ!!」

急いで村に駆けつけてみれば・・・そこは・・・・。

スフィンクスの一族が・・・・根絶やしにされている地獄・・・・。

女も子供も、老人も、全員、カマイタチで切り裂かれたように鋭い切り傷を残して死んでいる。

そして同じように異端審問会の教徒も死んでいた。この戦いで討ち死にしたのだろう。赤い血で大地が塗りつくされている。絶望と腐臭が立ち込める・・・地獄だ。
建物は焼き払われ、つい最近まで酒を飲み交わした民までもが・・・死んでいる。

フレア「・・・これは・・・どういうことだっ!?」

するとそこに、一人の・・・異端審問会の教徒らしき人物が歩いてきた。

「ローズベル聖教会勤務にして、伊法王庁神官長フレア・ファルシオン。謀反をもくろみ、ベネチアへの侵攻計画を隠密に画策していたスフィンクス一族と結託し、度重なる交流で計画の打ち合わせ、そして、明日にベネチアに侵略計画を執行せんと不穏な動きあり。異端者とみなして、全て処罰せよ」

そういって、そいつはアタシを笑った。

「笑っちゃうわね。まさか、この程度のデマで、こんなに貴方を異端者とみなし、皆殺しをするなんて。神の名を借りてやれば、それは神様への供物として、悪しき異端者を払い、正義の行為としてほめたたえられる。くすっ、あはははははははは・・・・いい感じでゆがんでますねえ、貴方がたの正義というのは・・・!」

神代聖。
そいつは、アタシのもとへ笑いながら歩み寄ってきた。

聖「・・・だからこそ、こうして、邪魔な人間ごと始末もできる」
フレア「・・・・お・・・前・・・・が・・・やったのか・・・・・!?」
聖「・・・・ええ。ふふっ、この地方の侵略を行うことになったのですが、貴方がたはファンガイア一族を恐れているでしょう?だから、警戒もかなり重厚でてこずりましてねえ。特にこの異端審問会。これが曲者でして。でも、考えましたの。どうやったらこの邪魔者をうまく始末出来るか・・・」

そして、悪魔は静かに邪悪な笑みを浮かべていった。

聖「貴方がたの交流を利用しようと思いまして。幸い、貴方のことを疎んじている神官はかなり多くて、彼女を陥れるためなら、一族の一つや二つ、この世から滅んでも構いはしないとおっしゃってましたの。なぜなら、自分たちが神に選ばれたのだから、誰にも間違っているといわれはないと、ね。そして、貴方がスフィンクス一族と交流を深めて謀反を起こそうとしている。そう噂を流せば・・・後はこの通りということですよ」

フレア「・・・・・・テメェエエエエエエエエエエエッ!!!!」

聖「ふふっ、それもこれも、自分勝手にやってきたツケ。大人しく誰からも愛される教会の犬でもやってればよかったのに。お尻振って、ワンワン唱えていればよかったのよ。そうすれば、貴方の妹だって・・・こうならずに済んだ」

そういって、手にしている何かを・・・ゴミを捨てるように投げ捨てた。
それを見て、アタシは言葉を失った・・・・。

全身を切り刻まれ、血まみれになった変わり果てた妹の姿・・・。
そして、同じように全身を鋭い刃で切り刻まれ、血の海に沈み動かなくなっていた親友・・・。

フレア「アリス!智ぉおおおおおおおお!!」

駆けつけてみたが、もう、智は・・・死んでいた。

アリスも虫の息だった。アリスを抱きかかえて、アタシは自分がこれまでやってきたことを呪った。アタシが好き勝手やってきたせいで、アタシが自分がだれよりも優れているって自惚れていたせいで、結局、妹も、親友も・・・・・!!

アリス「・・・・・ねえさん・・・・」
フレア「・・アリス!!」

アリスはもう息絶える寸前だった。うつろな瞳で、息も絶え絶えになっている。

アリス「・・・・・・・ごめんね・・・・・」
フレア「・・・何でお前が謝るんだ・・・・・アタシが・・・アタシのせいで・・・」

アリス「・・・・・ねえさんは悪くない・・・・。アタシ・・・ねえさんと・・・血が・・・つながってないけど・・・・本当の・・・・ねえさんのように・・・思ってる。いつもわがままで・・・・自分勝手で・・・でも・・・どこまでも自由な姉さんが・・・・大好き。だから・・・ねえさんを悪く・・・・いうヤツがいたら・・・・アタシがぶっ飛ばしてあげる・・・・ずっと姉さんの味方で・・・いる。そのために・・・強くなろうとしたのに・・・ごめん・・・・・負けちゃった・・・・姉さん・・・・・」

最期、あいつはアタシのことも恨みもせず、自分の敗北を嘆き、反省しながらつぶやいた。

アリス「・・・・・・アタシ・・・・もっと・・・・・つよく・・・・なりたいな・・・・つよくなれば・・・・・・みんな・・・・まもってあげられるのに・・・・・・」

そう言って、息絶えた・・・・。
その後のことは覚えていない。次に視界に映ったのは・・・全てが赤く染まり、風が吹き、全身に走る激痛と、そして、深い深い闇に飲み込まれていく感覚・・・・。


聖「・・・・ふう、虫けらのくせに、なかなかやりますね。さて、このスフィンクスの少女、少しは使えそうですね。私の操り人形として、役立ってもらいますか」

そういって、死体に術を施し、蘇らせて、彼女を意のままに操る操り人形としてバルキリーたちに差し向けていたのだ・・・・。


あの時ほど痛感した言葉はない。
「この世には神も仏もない。信じられるものは自分のみ」。

でもその自分すらもなくなった時、初めて知ったのかもしれない。
その「自分」こそが一番もろくて壊れやすいものなんだと。


「聖女」も「神の使い」の二つ名など、もう何も意味がなかった。
アタシはアタシ、「フレア・ファルシオン」という無力な人間でしかなかった。

そしてその後、アタシはなぜか蘇っていた・・・・。
エリザベートというヤツに拾われ、再び命を与えられたのだ。
生き返らせた理由を問い詰めると、「まだやり残したことがあるように見えた。なら、ワシとともに来て、やり残したことを果たしてみないか」と言ってきた。

正直、最初はそんなつもりはなかった。でも、エリザベートのそばにいたあいつを・・・アリスの姿を見つけた時、アタシは思わず話しかけた。でも、あいつは・・・。

アリス「・・・・お前、名前、なんていうんだ?アタシ、アリス、ビストレオ!まあ持っていた名札に書いてあった名前だから、アタシの名前かは分からないけど、よろしく!」

フレア「・・・・・・・・・・!!」

エリザベート「・・・・アリスは、記憶を完全に失っておった、生前に何か余ほどつらいことがあったようじゃ。思い出そうとすれば、精神や心が壊れてしまうのではないかと思うくらいの暴れぶりで、ようやく落ち着いたところじゃ。お主は?お主は、アリスの知り合いかえ・・・?」

フレア「・・・・・・・・・アタシは・・・・」

ふっ、何を言おうとしているんだ。
アタシが・・・名乗れるわけ・・・・

フレア「・・・・すまねぇな。知り合いに似ていたもんだからよ。こいつなんざ、今日が初対面だ。アタシはフレア・ファルシオン。・・・・ただの不良娘さ」

ねぇじゃねえか・・・・。

神官長としても、聖女としても、もうそんなものなんて意味なんてない。
ましてや、あいつの姉だと名乗れば、あいつが壊れちまう・・・。

それなら、名乗れなくてもいい。
もう、家族としてではなく、赤の他人としてでもいい。

あいつが生きている。
あいつが生きて元気そうに笑っているなら、その笑顔を見守るだけでいい。
あいつのそばにいてやらねぇといけねぇ。

それは神官長としてではなく、アタシ個人が唯一出来ることなんだからな・・・。


回想終了

ファルコンプレデター「ケリをつけてやるぜ!」
スライムプレデター「やれるものならやってみなよっ!」

かつては親友として心を通い合わせていたはずの二人。
しかし、今、敵として激しくぶつかり合う・・・!!

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」

続く
2011年11月12日(土) 17時22分02秒 公開
■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
>烈様
レスのお返しです。
>明久(電王)「正解だね。それにしても、本当にあっちの暁も愛されているんだな。ただ、それに気づかないって鈍感なところもあるのが難点ってことだね…;っていうか、気づけ!」

暁(ヘブン)「鈍感って、俺がかよ(驚)。まあ、何に気付いてないか、まるで見当がつかねぇんだけど・・・。なあ、ユキ(雪奈)、シャナツネ、カグヤ。明久は何が言いたいんだ?まるで分からないんだけど、いつものトチ狂った暴走か?」(本気で分からないらしいです、この超鈍感馬鹿)

>カッ! ドドカ〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!!
凛「・・・本当にすまねぇ。翠ちゃん可愛くてどうしても欲しくて・・・・反省してるよ、本当にすまん・・・(欲望に負けた自分が情けない・・・)」
昴「・・・・・・・失礼しました(今度はばれないようにやればいいか)」
穏「・・・・・・・・・・・反省してます(もちろん)」

>シャナツネ
「…本当に碌なことを考えん女子だな…; それを他に生かすことが出来んのか……(呆れ)」


「無理。ボクはボクの欲望の赴くままに生きるのさっ!(キラーン)」

「(ゴンッッ)迷惑かけて、本当にすまねぇ・・・」

「(ゴンッッ)・・・・謝ります」

>暁(アスレイ)
「……例え、《平行世界》のことであるとはいえ……人を何だと思っとるんじゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!!# マジで殺すぞ、オイ!!」

昴「オモチャ」
穏「・・・・・・・商売道具」
凛「お前ら本当にバカだなっ!!!暁、こいつらには俺からキツく注意しておく・・」

>イーズ(アスレイ)
「…見事なまでに、自業自得的な状態ですね。……そして、危機的状況になっていたアリスさんと姉さんを助けたのが、昴さんが連れてきてくれたアンジェリカ母さんだったわけですけど、何時の間に『バースバスター』モドキなバズーカと敵の“メダル”を打ち消す“白いメダル”とかを作ったんですか!?」

アンジェリカ「イーズ君、こういうメダルの暴走に備えて対策はもともと打っておいたのだよ。研究室に残っていたデータと私の記憶を頼りに備えてあったメダルを持ってきて、それを見て、エメラルドというイマジンがすぐバスターを作ってくれたんだ」

エメラルド「ボクに任せりゃこの程度、お茶の子サイサイってね」

そして今回、ベリルの正体=ベリルの意識を乗っ取ったスフィンクスレジェンドルガこと智であることが判明。さらに、智がバルキリーで事件を引き起こした原因、そして、智とフレアがかつての親友であり、これまで唯一過去が明かされなかったアリスの真実について書きました。

アリス「記憶がない」。神代聖によって殺されてしまっていた。しかし、心の奥底から、「誰かを守るために強くなりたい」という欲望だけは引き継がれていたようで、彼女はそのために、「自分よりも強い相手を超えて、さらに強くなりたい」という欲望にかられている。そこで暁に出会い、暁の強さにひかれて現在に至る。

フレア「四天王として活躍しているのは実はアリスを守るため」。神官長として自由気ままにやってきていたフレア。そのせいで、大事な友達や妹まで失い、自分がこれまで優秀だと優れていた誇りも粉々にされ、自分の弱さを改めて知り、その弱さを克服するために、記憶を失った妹を見守り続けることにした。もう、自分から「姉」ということは名乗らない。

そんな過去を背負っているんです。何にも縛られない、それでいて、誰かを守るために動くことができる「本当の自由」というものをフレアは追い求めているんです。

フレア「・・・・それで、何もかも失っちまって、挙句蘇ってみたら、自分の家族からは忘れられていて、思い出そうとしたら壊れちまう。だから、距離をとり続ける。でも、守り続けるために闘う。つくづく滑稽だよな。アスレイの暁、翠、あんたらはアタシみたいにならないでほしい。今、周りにいる仲間たちを大事にしてほしい」

そして智も神代聖によって操られ、挙句の果てにヒュプノスのエサにされ、死体を食われたにもかかわらず、恨みのみで現世にとどまり続けているというあまりにも救われない状態。本来はスフィンクス一族を再興しようと一生けん命になっていた真面目で優しい心を持っていたんですよ。

あと、冷牙くん、流水くん、雷斗くんへ。

君たちの故郷と一族を滅ぼしたのは、実は、神代聖だったんだよね。
智はその身代わりとして操られ、結果、あんな非業の死を遂げ、今なお、悪霊として現世に縛られ続けているんです。許してとは言えないけど・・分かってあげてください。彼女自身が望んだことではなかったと。

さて混戦入り乱れる状態ですが、次回もよろしくお願いいたします。

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……まずは最初に、感想への返信、ありがとうございます。それではその感想返信に対しての返信ですが、

雪奈
「……あ〜、《【ヘブン】の世界》の暁君。アキ兄が怒っているのは、あなたの恋愛に対しての感覚のことだよ…;」

シャナツネ
「土地狂った暴走というのは、我々の《世界》の明久は主にやっていないぞ!? その辺は《FFF団》が主にやっているから、勘違いしないように!!」

カグヤ
「……っていうか、そういったことしか思い浮かばないところから、既に恋愛に対して理解があまり出来ていないって証拠のようなもんね……;」

次。


「……2名ほど、全然って行っていいくらい、懲りていないね…(呆れ) ……今度は、どういったお仕置きをするべきかな……」

さらに次。


「……苦労、して、いる、凛と、あっち(ヘブン)、の、暁に、同情、する……; 雷斗。しっかり、相手、を、しろ、よ…」

では続いて、

暁(アスレイ)&翠
「「反省のないバカ二人には天誅!!# 合体奥儀! ハイドロストーム!!!#」」


カッ! ドドカ〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!!


―……ちょっと、やりすぎ〜〜〜〜〜〜!!?―(by.反省のないバカ女子コンビ)


改めて次。

イーズ(アスレイ)
「……母さん。用意周到ですね。…そして、流石はエメラルドさん…!」

そんな感じで、感想返信の返信は以上です。
それでは、改めて今回の話の感想、行ってみましょう!!

暁(アスレイ)
「今回は、前回の話では出番がなかった面子にスポットが当たっているのが特徴」

星(アスレイ)
「……とは言っても、あっちの“俺”とフェザーの出番はなかったがな……」

フェザー(アスレイ)
「……ですね……」

モモタロス
「そこ! だからって拗ねるな!! こっちまで暗い気持ちになるわ!!」

明久(電王)
「……それはともかく、今回の話では、色々と驚かされるところが多かったな。アリスさんとフレアさんの出生や、ベリルの正体とかさ」

雪奈
「そして、【仮面ライダーバルキリーたん】が始まる前の時代から現在の“時間”までに起きた出来事に関係していたのが、あの“ファンガイア”の元“ビショップ”であった『神代 聖』だったって言うところね。……本当に、碌なことをしてくれない悪女ですね…#」

冷牙(アスレイ)
「まったくだな# …しかも、あっちの俺達の“一族”を間接的に滅ぼしたのがあいつだってことが本当に腹が立つぜ!#」

流水(アスレイ)
「同感!# ……それにしても、まさかあの智とフレアさんが親友ともいえる間柄だったなんてね。これは驚きだよ……」

モモタロス
「それと、あの獅子女(アリス)と隼女(フレア)が義理とはいえ姉妹だったって言うのも驚きだがな。こいつらの“過去”が本当に凄まじいことだったのには、本当に驚きだぜ……」

持っていた“アイテム”の名が示すとおり、聖はまさに邪神『ナイアルラトホテップ』だったわけですね。今現在、彼女は死亡したということになっていますけど、彼女の“怨念”とも言うべきものが、彼女が持っていた“アイテム”に宿っている可能性が高い上に、それをイングリッドが所有しているとすれば、最悪にもほどがありますがね……。

???
「…そうなると、やはり最終的な敵は聖ということになりますね。しかも、イングリッドとおそらくは融合を果たした彼女の“怨念”……」

明久(電王)
「あれ? 『真夜』さん。来てたんですか?」

???→真夜
「ええ。私もいい加減、参加した方がいいと思いましてね。はじめまして、『鴎』さんに【仮面ライダーヘブン】に登場する皆さん。私は『魔狩 真夜(まがり まや)』と申す者で、聖が保有していた『ナイアルラトホテップ』のついてもいえる“神具”『シャイニングトラペゾヘドロン』の化身であるものです。」

ちなみにパートナーである人物がいるのですが、アイディアが纏まっていませんので、ここでは登場はさせません。……なお、彼女の外見は髪の色と目の色以外は殆ど聖と同じです。……そして、彼女の性格は聖とは正反対と言うのが、何よりの特徴です。

真夜
「そんなわけで、よろしくお願いします♪」

カグヤ
「それはそうと感想の続きね。ベリルの正体が、その『ベリル』と呼ばれた『スライムプレデター』の“肉体”を乗っ取った、聖や『仮面ライダーバルキリー』達に『ルシファー』の“転生体”である【ヘブン】の暁に対しての“怨念”と“狂気”の“塊”となった智だったって言うのも正直、驚くべき真実ね……」

本来の彼女は、自身の一族を再興させるために一生懸命に頑張っていた心優しい人物だったそうですが、ここまで心が狂い、ある種の“悪霊”ともいえる存在となったのは、聖のバカに利用されてしまった所為なのでしょうね……。

星(アスレイ)
「…しかし、まさかフレアとアリスが義理とはいえ姉妹だったっていうのには、驚きだな……。しかも、アリスの方は自分の“過去の記憶”を思い出そうとすると心が“壊れてしまう”可能性があるといった始末だ。…これは何が原因なんだ?」

フェザー(アスレイ)
「…おそらくですけど、フレアさんや智さんを護れなかったって言う“トラウマ”ともいえるところから来ているのではないですか? その忘れられた“トラウマ”をどうにかできれば、心が“壊れる”こともなくなるはずですけど……」

クロキバT世
「……難しいものではあるがな……」

クリス(アスレイ)
「……そう、ですね……」

星(アスレイ)
「…しっかし、例え血の繋がりがなくても、姉妹だったんだから、そのことを言えないのは辛いだろうな……。俺も絶賛体験している身だから、気持ちは分かるわ……」

イーズ(アスレイ)
「…おそらく、【ヘブン】の方の私も同じような感じでしょうから、辛いでしょうね……」

クリス(アスレイ)
「…【仮面ライダーヘブン】の話ですけど、色々と複雑な関係の兄弟姉妹が多いですね、本当に……」

シャナツネ
「…話はずれるが、かつての親友同士の死闘。これがもたらすものとは一体何なのだろうな……。拙者としては、虚しいものが残るような気がしてならない……」

雪奈
「それと、ショールを追っていった穏の元に向かったエリザベートさんとセレスさんだけど、彼女達も大丈夫かどうかが不安になってきますね……」

真夜
「…何かが待ち受けているでしょうからね。一体、どうなるのでしょう……」

明久(電王)
「…本当に、辛い“過去”を持っている人が多いね。メンバーの中で、比較的にそういった“過去”がないのって穏ちゃんぐらいなのかな?」

モモタロス
「…今んとこ、見ている限りだと、そんな感じだな。あのムッツリ女は一体どうなんだか……」

暁(アスレイ)
「フレアさん。アンタの言った事、肝に免じておくよ。俺も“前世の頃”に同じようなことを体験しているから、アンタの気持ちは分かるからさ」


「僕も気をつけるよ。大切な人達がいなくなるのは嫌だし、誰かに気持ちを利用されたくないもん!」

混戦入り乱れる状態が続く中、どのようなことが次に起こるのやら……。
それでは、

一同
『今後も、どうか頑張って書いていってください! 応援しています!!』




〜…限界を超えて……参る!!〜 〜……時と次元を超え、俺、参上!!〜



……質問ですけど、【仮面ライダーヘブン】の《第36話》と《番外編》に出した感想の返信がありませんでしたけど、どうしてですか?

今度こそ以上です。



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