仮面ライダーヘブン 第48話 |
第48話 そこに正義などない。 聖人君子のような清らかな信念や誓いもない。 世界を救いたいとか人類を守るとか大風呂敷めいた願いなどない。 そこにあるのはただ一つ。 俺のことを―・・・。 私のことを―・・・。 受け入れてほしかった。 愛してほしかった。 赤い満月が浮かび上がり、不気味な月の光が工事現場の鉄骨がむき出しになり組み合う鋼鉄の殺風景な風景を照らし、その鉄骨の上に座り、煙草をふかしていた凛が煙を吐く。 その横顔に浮かぶ憂いを帯びた顔は、何を思うのか。 凛「・・・・・・・・・・・暁・・・・・・・・ナイトメアの幕はお前が引いてくれ」 同時刻。 ルシファーズハンマーの事務所のドアの前。 暁が花束を持ってドアの前に立ち、何か思いつめた表情で立っていた。 暁(・・・・・・いいか、暁。これから俺は人生最初で最大の戦いに身を投じる。そう、心から彼女に思いを伝えろ。もう何も考えるな、これはもう後戻りなど出来ないのだ。昔不良グループのアジトに殴りこみかけた時のことを思い出せ。あれと同じだ。失敗など考えたら未来を切り開くことなどできない。ただ思いを伝えることに全てをかけろ。もう決めたんだ、俺は、あいつを、愛しているって!!!!伝えずに不完全燃焼よりも、伝えて燃え尽きて灰になるのだ!!!!フラれてももう悔いはねぇ!!!!もう後は野となれ山となれだ!!!!) もうこうなると潔いのかネガティブなのか訳が分からない。物事を前向きに考えるなど全く出来ない天性のネガティブ志向にしてヤケクソで何もかもを乗り越えようとするパワフルな相対する二つのダメな思考を決意に変えて、暁はドアを勢いよく開けた!! 暁「たのも――――――――――――――――っ!!!!!!」 道場破りか、お前は。 襲撃でも仕掛けに来たのか、あまりにも滅茶苦茶な威勢のある大声を張り上げ、暁が部屋の中に乗り込むと、そこには・・・・呆気にとられたエリザベートと冷牙と流水、雷斗がいた。トランプ遊びに興じていたらしく突然の来訪に言葉も出ない。 エリザベート「・・・・・・何やっておるのだ、とうとうトチ狂ったか、小僧」 冷牙「・・どうしたんだ、お前。熱さで頭やられたのか?」 流水「あれ、何それ綺麗な花束?はは〜ん、さては、あれだな♪」 雷斗「・・・・・なる、ほど」 暁「・・・・・・あれ?いない・・・・。あの、その」 今、告白しようとした相手の名前を言って、どこに行ったかと聞くと。 流水「にゃるほど、あの子か〜♪」 雷斗「・・・・・そうか、そうか、暁、ついに、決めた、か」 冷牙「しかし、たのもうはないだろう。道場破りでもあるまいし。もしあいつに聞かれたら告白の前に引かれてしまうぞ」 エリザベート「・・・全くじゃ」 流水「・・・でも、つくづく運がないよねぇ」 雷斗「・・・・あいつなら、さっき、帰った」 冷牙「くくく、こうなると、もう部屋に押し掛けるしか、ねぇなあ?もうここまで来たんだ、とことん突っ走るしかねぇぞ。このやるせない思いを抱いたまま眠れないだろう?」 流水「まあ、告白しても、どのみち、お熱い夜になりそうで眠れなくなりそうだけどね〜♪きゃははは♪」 エリザベート「・・・ふん、このエロガキどもが」 暁「・・・・・・・そうか、もう、逝くところまで逝くしかないのか」 冷牙「・・・・何で今にもゼロ戦で特攻しに行くような思いつめた表情なんだ」 流水「あれで本人は腹をくくっているつもりなんだよ」 雷斗「・・・瞳に、希望の、光が、ない」 エリザベート「今から自殺でもしかねない雰囲気じゃな」 そして部屋を出ていこうとする。 流水「・・・暁!頑張ってね♪」 雷斗「・・・俺、たち、いつでも、お前の、味方」 冷牙「骨は拾ってやるぜ。全力で行って来い!」 エリザベート「半端な気持ちでいくな。己の全てを心からぶちまけてくるがよい」 暁「・・・・・おう!!!当たって砕けてくるぜ!!!いざ、突撃――――――!!!」 そして部屋を飛び出していった。 その直後、廊下を走っているとき、携帯が鳴りだす。見ると、画面には非通知とでている。 暁「はい、もしもし!!誰だか知らんけど、今、告白で忙しいのであとで!!!」 無茶苦茶な返答をするが、電話口から聞こえてきた声に立ち止まる。 「うふふふふ・・・その告白したいお相手とは誰なのでしょうかね?もしかして今、私と一緒にいる子なのでしょうかねえ?」 底冷えのする凛とした美しい声。しかしそれは毒のような甘く危険な香りがする。 暁の顔色が凍りつき、みるみるどす黒い負の感情でこわばっていく。 暁「・・・・・お前、生きていたのか」 「・・・・ええ、貴方には大変お世話になりましたねぇ。お礼といっては何ですが、彼女たちを無事解放してほしければ、今から、霧咲山の工事現場に一人で来なさい。そこで、決着をつけましょう」 その言葉を聞いたとき、暁の中の、何かが「切れた」。 暁「・・・・ふふふ、あははは、いいよ、今からすぐに行く。首洗って待ってろ。くく、あははは、ははははは、あー・・・・・もう、マジキレたわ。お前・・・・殺すから覚悟しろや・・・・・・あはははは・・・!!!」 携帯を切り、狂ったような笑みを浮かべておかしくてたまらないように笑いだし、外に出ると、思い切り壁を殴りつけた!!!! ドゴォォオオォォオオオオオン!!!!! 壁が思い切り拳で割れ、亀裂が入る。超重量級の鉄球で叩きつけたように人間の拳でここまでの破壊力が出ることから、もう制御不能の怒りと狂気が暁から満ちていた。 暁「・・・・・上等だぁ・・・・・人が告白しようって時によぉ・・・・・うざってぇ・・・・うざってぇぇぇぇぇ・・・・うざってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!・・・あー、マジ、殺すわ」 もうそこには少年らしい面影はなく、狂気と怒りを全身から発しながら一人の狂人と化した暁がゆらりゆらりと静かに歩きだした。 コロス、コロス、コロス・・・・・。 もう躊躇はない。 Priiiiiiii・・・・ 再び携帯が鳴りだす。とると、画面に「大地昴」と表示されている。 暁「・・・・・昴?」 昴「暁くん、緊急事態!!落ち着いて聞いて!!」 暁「・・・・あー、こっちも、緊急事態の真っただ中ですよ?どうしたの?」 昴「え?あ、いや、その、緊急っていう割には・・・落ち着いてねえ?」 暁「・・・うん、やることはもう決まってるし、今、これから取りかかる所」 昴「・・・・まずは、落ち着いて聞いてね。神代聖のことなんだけど」 暁「ああ、もうどうでもいいや。それ。今から殺すし」 昴「・・・・ちょっと待って、どうしたの、躊躇いなくいきなり過激なこと言ったけど」 暁「だから、もうアイツどのみち殺すから、知ることなんて何一つないのよ。アイツさ、人がこれから告白しようっていうのに相手の女の子拉致ってくれたのよ。暁さんは完全にキレました。ひと暴れじゃ済まないくらいに、ね」 昴「・・・・あっちゃあ、あのバカ、やってくれたか。あれだけやられてダメージあるから大きなことは出来ない、それでいて暁くんにとって一番こたえることといったらそれくらいだと思ったけど、まさか本当にやるか・・・」 暁「話はもうおしまい?じゃあ、切るわ」 昴「あ、タンマ!!あのさ、実は、神代聖のことなんだけど・・・!!」 通話が続いたとき、ふと、気配に気づく。 暁が振り返ると、そこには無数のサーベルタイガーファンガイアがうごめき、牙をぎらつかせて、鋭い爪をかざし、暁に迫っていた・・・! 暁「なんだと・・・!?確か・・・なんだな・・・?ふむ・・・なるほど・・・・そういうことか。分かった。後は俺に任せな。今の話聞いて、俄然殺る気出たわ。アイツのことは、俺に任せろ」 そういって、携帯を切ると、巨大な銃剣「アイオーンブラスター」のバスターパーツを外すと、大剣の刀身があらわになり、絶対零度の冷気が純銀色に光り輝き、目の前に広がる異形たちに眩しい光となって照らす。 暁「さァ来いよ。準備運動にはちょうどいい。本気でブチキレた俺がどれだけ怖ェか、いっちょ地獄でも見せてやるからよォ・・・覚悟しやがれ」 もう我慢は一切しねぇ。全部ぶっ壊してやる。 赤い満月の光が静かに降り注ぐ。 血のように濁った光、それを受けて、凛は一人鉄骨の上で寝そべっていた。 凛(・・・どうしてこんなことになっちまったかな) 言うまでもない、自分で選んだ道であるから。 凛(・・・・・いや、これでいいんだ。もう後には引けない) こうしなくてはいけない。自分ごとアイツを消し去るためには。 凛(・・・・・・それに、アイツに殺されるなら本望ってヤツだしな) 時間にも、病気にも、他人にも、殺されたくない。 でも、命を賭けても構わないほど一時は愛したアイツになら。 凛(・・そろそろ来るころかな) その時だ。扉が開く音がし、足音がきこえる。 入口に近づくと、暗がりから一人の影が歩いてくる。 「・・・・よぉ、凛。いるんだろう?俺だ、暁だ」 来た。この時をもしかしたら待っていたのかもしれない。 もうすぐだ。 もうすぐで、こんな人生とおさらば出来る。 こんな狂った悪夢のような世界から抜け出せる。 誰にも裏切られずに済む。 唯一この世界で愛することが出来る人、そして、この人になら殺されても構わない。 もし、自分が殺してしまったとしても、永遠に彼の亡骸を一人占めすればいい。 そして、これからも“世界”がある限り、自分が壊し続けるだろう。 彼は自分のそばでいつもいてくれればいい。 凛「・・・・・・・・・・逝くか」 そういって、少女はシスターの修道服を着こみ、下はショートパンツで、艶やかで魅力的な太ももを恥じらいもなく大きな切り込みが入ったスカートを風になびかせ・・舞い降りた。そして、左目には赤く光る狂気と混沌と無貌の神の名を座する呪われた秘宝「ナイアルラトホテップ」を身につけていた・・・・。 少女が舞い降りる。少年の目の前に優雅に現れて、静かに微笑む。 少年は顔色を変えずに、いつものようにぶっきらぼうな口調と無愛想な顔つきで睨む。 暁「・・・・・よぉ、凛。いや、神代聖のほうか?待たせたか?」 凛(聖人格)「・・・・いや、早いほうじゃないですか?周りにあれだけの敵を用意したんですがね?まさか、複数で乗り込んできたとか・・・?」 暁「そしたらここに俺だけ一人でいるわけねぇだろうが。全員・・・ぶっ殺した。暴れまくってな、おかげで、少しはお前の話を聞けるほどの冷静さは取り戻した。じゃなきゃ、今頃パニくって、訳の分からないことやってたかもしれねぇ」 凛「・・・・なるほどな、落ち着いているように見えるけど、お前の瞳の中にあるものが見えるぜ。憎悪と狂気にまみれた、憤怒に酔った蕩けるような濁った銀色の瞳がな」 暁「・・・・・・・まあ、色々と言いたいことはあるんだけどな、とりあえず俺は、お前を、思い切り、ぶん殴りに来た。まあ、ぶん殴った後で間違ってポックリ逝っちまったら何でこんなことやらかしたのか、分からないままだ。とりあえず、話を聞かせてくれないか?お前だってもし俺を殺すつもりなら、何も知らないまま殺すなんて・・・お前らしくないだろう?いつも通り話してみろよ。絶望と破滅に満ちたあんたの神様とやらのありがたい説法ってものをよぉ?シスター・サヤカ?もしくは、話さなけりゃ腕ずくでも聞き出すがな、凛?」 凛(聖人格)「・・・・・ねえ、暁くん。貴方は、この世界に人間なんて本当に守る価値などあると思いますか?この世界における正義が全て正しいと思えますか?」 暁「正直、俺は人間なんて大嫌いだ。人を平気で一人ぼっちにさせても何も感じない自己中なところあるし、平気で人裏切るし、自分の欲望のために人の人生平気で滅茶苦茶にするし、な。守っても全部が被害者だったってわけでもない。中には守るべきものが実は悪人で、そいつに追い詰められてどうしようもなくなって俺達に敵として戦いを挑まなくてはならないこともあったし、守ってもその後でそいつが新しい火種をまいたせいでまた争いが起きて、そいつらに命じられるままに助けなくちゃならない。理不尽なもんさ。だから、俺は“正義”も“人間”も、大嫌いだ。・・・・でもな」 一呼吸置いて言う。 暁「・・・・・“仲間”は好きだ。大切なものだと思っている。自分が心から信じられるもの、それだけかもしれない、それだけでも、俺にとってはとても大切なものだ。そしてそれは、俺にとっては守る価値があると思える。だから、どんなに大した正義を掲げられてもどんなに正しいことを言われても、俺の心に響かないのなら、そういった正義は俺にとっては必要ないんだ。俺は俺の信念のままに動く、正義も悪も聖人君子も全部信じない、それを信じるとしたら気に入ったからであって、固定概念によるものではない。俺を動かすのは、俺に命令していいのは、俺だけだ」 傲慢かもしれない。でも、何物にも縛られず、己の心が守りたいと思うものを守ることこそが暁の正義なのである。そこに正義も悪もいかなる思想も関係ない、自分がどうしたいか、思うように行動する。それで何も守れなくなるよりははるかにマシというものだ。それを、皮肉にも両親を見てそれを感じ取ったのだ。世界というものを守る、それも一つの正義だろう。しかしその為に彼らが切り捨てたものはあまりにも代償が大きすぎた。その被害者ともいえる存在が暁なのだ。だが、もうあの過去を恨むことはない。蔑むこともない。かといって、肯定するわけでもない。もう、自分は両親を待つことはない。いつか自分の元に帰ってきてくれるという、甘い考えはもう捨てた。これからは、自分の意思で動いて自分で未来を切り開く。そんな自分を支えてくれる仲間がいるから、もう孤独も怖くはないと心から思えた。 凛「・・・・そうか、そうだよな。お前はお前のルールでしか動かない。俺と同じだよ、俺も自分のルールで動いて自分の決断で全てを決める。この世界における人間なんて皆罰を受けるべきなんだ。俺は下してきただけさ。神罰を」 暁「神罰・・・?」 凛(聖人格)「貴方もどこまでご存じだか知りませんが、私は凛の心から生まれた。小さい頃から凛は親にさんざん酷い目に遭わされて、甚振られ、挙句の果てに家族を人質にされて人殺しや盗みまでさせられていた。彼女の心はもう崩壊しかけていたんです。その時私は生まれた。凛の中で、自分がやりたくてやっているわけではない、自分は悪くないと、認めてしまえば自分自身の全てが壊れてしまう、最後に残ったわずかな心のかけらが生み出したのが、私という存在だったのですよ」 凛「・・・・俺の両手は血に染まっている、鏡を見るたびに血まみれになっている自分が映っている。目を閉じるたびに俺が殺した奴らが恨みに満ちた目つきで俺を睨んでいる、死体の腐った匂いが鼻について離れない。俺の周りにくっついて離れないんだ、俺を地獄に連れて行こうとする腐った死体が離れないんだ。今もいるぜ、俺の身体にくっついて、離れようとしない・・・」 凛(聖人格)「それから逃れるためには戦うしかなかった。正義の味方として、絶対的な正義を持って自分が悪とみなした存在を、世界を、滅ぼすことこそ、私に唯一出来る償い・・・」 暁「じゃあ、なぜ、ウルフェンやマーマン、フランケンの一族を滅ぼした?」 凛「奴らの一族の中にいたからさ。人間を襲ってライフエナジーを吸っているイレギュラーがな。でもこいつらだけ殺してもまた出てくるかもしれない。だったら、根絶やしにする。これ、当たり前だろう」 暁「親父がいた世界をなぜ滅ぼした」 凛(聖人格)「ファンガイア一族の中に人間を襲うイレギュラーがいた。その世界はファンガイアと人間が共存し合う平和な世界、ファンガイアが人間を襲ったことで、彼らとの間に不協和音が生まれた。この不協和音はいずれ争いを呼ぶ。そうなる前に、世界ごと滅ぼしてしまえば争いは起きない」 暁「そうか、いわゆるパラレルワールドとこの現実世界を自由に行き来できるのが、お前の特異点としての能力だったわけか。そしてお前はいくつも分身を作りだし、自分勝手な理屈で世界を滅ぼし、それで、罪滅ぼししているつもりだったんか」 凛(聖人格)「・・・・ええ、彼らは滅ぶべきして滅んだ。私は神の罰の代行をしていたにすぎない・・・」 凛「俺がやらなくても、いずれは滅ぶ運命だった。それが早まっただけだ」 あまりにもそれは自分勝手すぎる理屈、いや、それは狂信的な妄言だった。 自分の犯した罪に耐えきれず、身の回りに振りかかる悲惨すぎる辛い体験に、心が耐えきれず壊れ切った。そして、そんな彼女が最後に取った救済、それこそが彼女の狂気の原動力であり動機であった。彼女にとっては、ライダーとして戦うことも、神代聖として虐殺を繰り返すことも、同じ原理に過ぎなかったのだ。 彼女は告白する。全ての行動は彼女にとっては「正義」なのだと。 暁「・・・・・俺を生かしておいた理由は?お前の企みをことごとく潰してきた邪魔な俺のこと、お前にとっては一番倒したかったんじゃないか?」 凛「・・・・・・・・・・・・・・・お前、本当に鈍いのな」 凛がふうっと呆れたように溜息を吐く。 凛「俺にとっては、お前は必要不可欠の存在だったからだ。俺は・・・壊れていくお前のことを見ていたかった。俺の手でお前を汚したかった。お前を犯したかった」 暁「・・・・・・そりゃ、どういうことだ?」 凛(聖人格)「・・・・本当に鈍いのですね。貴方は、私や凛も含めて、唯一心から気に入った人間でしたのよ。分身体が未来から来た貴方に倒された時、私は迷いもなく自分の信念を一途に貫く汚れのない真っ白な貴方を・・・・・この手で滅茶苦茶にしたかった」 凛「俺はお前と初めて会ったとき、俺にいつも笑いかけてきてくれた、心優しくて素直で純粋だったお前を、俺の手でお前の心を俺だけを見てほしいって思った。恨みでも憎しみでもいい、俺以外のものを全部消し去りたいと思った。お前の心には俺だけがいればいいって思った。お前は俺のものだ」 この手で壊したかった。 この手で殺したかった。 永遠に自分のものにしたかった。 壊れていく姿が何よりも愛おしかった。 何度倒れても何度も立ち上がり戦っていき、ボロボロに朽ち果てていく姿を見て、得体のしれないエクスタシーを感じる。 もはや常人では理解できない、光さえも届かない偏執的な狂愛。それが彼女の蕩け切った光のない瞳に宿っている。澄みきった絶望の闇が暁をとらえる。 しかし、それを聞き、頭をポリポリ掻き、気だるげな様子で、それでいて鋭い銀色の瞳が凛の姿を、いや、彼女を取り巻いている黒いもやのようなものを確認した。 暁「・・・なるほどね。それじゃあ、もうおしゃべりも飽きたし・・・・殺るか」 凛(聖人格)「・・・ひひひ、そうこなくてはねえ、さあ、神に祈りなさい、せめて良き地獄に逝けるように・・・」 そう言いかけた時だった。暁が一瞬姿を消し、すぐさま目の前に迫っていたのだ。そして、あわてる間もなく凛の顔を白く細い手で、力強く抑えると、怒気をはらんだ鋭い瞳を向けて低い声でつげる。 暁「・・・だから、早く凛から出てこいや」 その直後。 暁の左手に「キング」の紋章が浮かび上がり、それをかざしてそのまま凛の頭をアイアンクローの要領で握りしめる!! すると、眩しい聖なる光が凛を包みこみ、凛が苦しそうに暴れ出す!!抵抗するが指の力は凄まじく離れない!! 凛「うああああああああああ・・・・・!!!」 暁「さっきから凛や聖の声色で話している時から気づいているんだよ。怒り狂って俺が凛を殺そうとするのを楽しみにしているその・・・ゲスな笑顔がな・・・!!!俺が気づかないとでも思ったのかァ!?ようやく魔力を解放して、その気配をのぞかせやがったか、クソ野郎・・!!」 怒りをはらんだ声で暁は凛の中にいる何かに話しかける。それを聞いて、凛の全身から黒い靄が動揺したように揺らめきだす。 凛「・・・どういうこと・・・・だ」 暁「・・・・・・・・まあ、今気づいたけど、前々から、凛が俺に言っているように聞こえていたんだ。それがどういうことなのか分らなかったけど、今、ようやく分かったよ。お前がいつも俺に言っていた言葉が」 一呼吸置いて、言った。 暁「“助けてくれ”ってずっと聞こえていた。だから、今、お前を助けるぜ、凛・・・!!」 そして、キングの光が工事現場全体を照らすように光り出すと、その光に耐えきれなくなり、黒い靄が一気に噴き出した!!!工事現場の天井にまで届く巨大な靄、そして凛が崩れ落ち、暁が支える。 そしてその靄は明らかに怒気をはらんだように、巨大な一つ目を見開き、暁を見下ろしている。その眼から放たれる狂気、憎悪、殺意は威圧感だけでも人を殺せるような凄まじいものであった。 暁「ようやく会えたな、ナイアルラトホテップ・・・・・だっけか?呼びにくい名前してんじゃねえよ、バカが」 そう呼ばれていた、邪気の化身。そして邪神の名を冠する「ナイアルラトホテップ」がその姿を・・・表した!! 黒い靄の中に浮かび上がる赤い一つ目、それのみの巨大な怪物がやがて太い6つの脚をもち、獣のような姿へと化身し、具現化していく・・! 暁「・・・・こいつが・・・・ナイアルラトホテップ・・・!無貌の獣、混沌の神とかいわれているクトゥルーの神ってヤツか・・・・」 暁もナイアルラトホテップが放つ強大な邪気に全身から冷や汗が滲みだし、全身がいつの間にか震えだす。しかしそれは暁が相手の強さを肌で感じ取っているからだ。 『・・・・ククク・・・6年前は・・・・・ただ孤独と絶望に震えていたただの子供にすぎなかったお前が・・・・ずいぶんと大きな口を叩くようになったか・・・。全くあのままアイオーンに飲み込まれてしまえばよかったものを・・・!』 暁「・・・・・・生憎まだ死ねないんだよ。お前みたいなクソ野郎にいくつもぶっ壊されてしまった世界で、消えていった人たちの無念を晴らすためにも、冷牙たちの一族をぶっ殺された復讐を果たすためにも、大事な人たちを失って悲しんでいる人たちの思いを無駄にしないためにも、お前は・・・・絶対倒す!!」 『ククク、倒す!?我を!?愚かな!!あの忌まわしい真夜の神器も仮初のヒュプノスを封印するために使ってしまい、いまや魔力もない状態!!ククク、それを狙ってあのようなヒュプノスまで仕向けていたのに、それに気づかないで解決したと思い込んでいるか、阿呆どもが!!今のお前らにはシャイニングトラペゾトロンもない!!恐れるに足らず!!』 暁「・・・・・ふん」 『その娘の体は非常に心地よかったなあ!!この世のすべてを激しく憎み、恨み、壊したいと願っておった!!じゃから我が憑依し、周囲の家族を操り、絶望のどん底に叩き落としてくれたわ!!そうしたら、自分が手に掛けた罪から逃れたい一心で力をふるうも、それも歪んだ力となってもう一人の人格を生み出し、すべてを壊したいという本能のままに暴れ狂い、いくつもの世界を壊した!!多くの命を奪った!!我が願うままにな!!すべての魂を我が食らい、我の糧となる!!そのために動いてくれた!!じゃが、こうして蘇ることができた以上、もはや用済みよ!!!その娘とともに死ぬが良いわ!!』 凛「・・・・さ・・・・さとる・・・・・」 暁「凛!大丈夫か!」 横たわる凛を抱きかかえて暁が呼びかける。 凛「・・・・暁・・・・・あたし・・・・・ごめんなさい・・・・!あたし・・・・暁に・・・・みんなに・・・なんてことを・・・・・・・!」 暁「・・・・そんな自分自身を止めたかったんだろう。だから、仮面ライダーシルヴァンとして、アルコバレーノとして、自分でも止められなくなった自分自身を止めたくって・・・!!お前も、神代聖も、苦しんでいたんだろう。何を憎んだらいいのか分からなくなって、憎みたくなくても憎まずにはいられなくて、ずっと何かに自分の心をぶちまけて、楽になりたかった・・・そうだろう?」 かつて戦った黒い仮面ライダーシルヴァン。 それはかつての凛の姿を投影していたのだろう。 パスが邪悪の力で満ちていただけではなく、そのパスには過去の凛の変身する仮面ライダーの姿も記憶に含まれていた。あの力を使って過去にいくつもの敵を滅ぼしてきた。神代聖として、いくつもの人々の命を奪い続けてきた。自分自身が望んでいたわけではない暗闇に押しつぶされて、なお、救いを追い求めていた。 暁「・・・それなら、俺がお前を、いや、お前らを救ってやるっっ!!!凛も、神代聖もっ!!!」 その迷いのない言葉は、凛の瞳を大きく見開かせる。 凛(聖人格)「・・・・どうして、どうして、そんなことが言えるんですか?私は・・・お前たちを滅ぼそうとした・・・・それなのに、どうしてそんなことが言える・・・?」 暁「・・・・理由なんてどうだっていいだろっ!!俺がそうしてぇからだよっ!!!お前も凛の一部なんだろっ!?だったら、お前も凛も守ってやらあっ!!俺はなあ!傲慢なんだよっ!!!自分のやりたいようにやるし、自分の守りたいと思ったものは敵だったとか何だとか関係なく守る!!!どいつもこいつも難しいこと言いまくりやがってうるせぇんだよっ!!!俺は俺だ!!!俺のやりたいように戦って何が悪い!!ここで女一人守れない奴なんて、王なんて名乗る資格すらねぇんだよっ!!!!だから、俺は俺の正義(ワガママ)のままに戦うぜ!!お前らを、俺が守る!!」 理屈なんか知るか、正義や悪の道理なんてくそくらえだ。 元々自分のやりたいようにやってきた。仲間を何があっても守る。 その自分なりのルールを貫く。 そのルールに、命をかける。 仲間を守る、そしてその約束を最後まで守るためにも、俺も仲間たちも死なせない!! 『フハハハハハハハハハ!!!つくづく愚かな男よ!!ならば、己の欲望に溺れて朽ち果てるがよい!!大事な女も守れない無力さを呪いながらなあ!!』 そうして、瞳が赤く光り、四本の腕が出来上がり、一気に殴りつけてくる!!凛を抱きかかえて暁が走り出す!! 凛「さとる・・・・にげろ・・・・あたしは・・・もう・・・いい」 暁「・・・・お前、いつまでそんなこと言っているんだ。お前を置いて俺が逃げられると思っているのか?俺は何があってもお前たちの手を離しはしない。何も信じられないなら俺だけは信じろ。お前らの全部を俺に預けろ!!俺はお前らを・・・絶対に捨てない!!」 凛を抱きかかえる手を力強く抱きしめて、暁が全力で走りだす!! そして入口に差し掛かったその時だ!! 『暁、避けてください!!ゲイルキャノォォォオオオオオオオオン!!!』 『テラブラスタァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』 『双波裂斬(そうはれつざん)!!!』 暴風の破壊砲弾が、裂光の拳が、流麗なる鋭き刃が飛び出し、混沌の神を打ちすえる!! 『グゥウウ・・・!!な、何だ・・・・!?』 クリス「凛から暁がまた一人で単独捜査しようとしていると聞いて、現場で待機してとっちめようと思えば・・・・!」 アリス「まさか、こんなドデかい大物が現われていたとはなぁ!!ずりぃぜ、こんな怪物一人だけでぶっ倒そうとするなんてよぉ!!」 クロキバ「暁!!大丈夫か!!」 暁「・・お前ら!?どうして、ここに!!俺は、お前らが神代聖に捕まったって聞いて、それで、飛び込んできたのに・・・!!」 そうそこには、とらえられているはずの、クリス、マリア、アリス、そしてクロキバが立ちかまえていたのだ。 マリア「・・・そう、それで怒り狂った暁くんに・・・殺されるつもりだったのですね。もしくは、暁くんが途中で戦えなくなったら、私たちがそれを見てあなたに襲われたと思い込ませて殺されようとしていたってこと」 クロキバ「つまりだ、暁。お主は凛に騙されていたのだろう。お主の手にかかるために」 そして、マリアが冷たい瞳で剣を構えると凛の首元に突き付ける。その殺気は全てを凍りつかせんとするほどに冷たかった。 マリア「聖、私はお前を許しはしない。お前一人が死ねば全て解決する、そんなの戯言にすぎない。私はお前が死をもってその罪から逃れることは絶対に許しはしない。生きて、自分自身の罪から逃れず、立ち向かって乗り越えてみろ。どんな方法で何ができるか考えろ。罪から逃げることは許さない、次、暁くんを悲しませるようなことをしてみろ。死の恐怖が生ぬるく感じるほどのお仕置きをしてやる・・・!!!」 その殺意は暁ですら、心底ビビらせた。クリスも、アリスも思わず泣き出したかった。 クロキバも暁の肩に止まり、静かに構えているが、若干全身が青ざめて震えていた。 鬼と恐れられる慧よりも、あの慧よりも・・・怖かった。 暁「・・・・・・・・・・・・・・マリアさん、その、ごめんなさい・・・」 クリス「・・・あそこまで怖いと思わなかったです・・・!」 アリス「・・・アタシ、もう、マリアからかうのやめる」 クロキバ「・・・う・・・うむ・・・ビショップよりも怖い女性がこの世にあろうとは・・・」 マリア「・・・・それと凛、貴方は自分の存在をないがしろにしすぎです。暁くんはあなたを守るためにここまで駆けつけたのですよ。その思いすら踏みにじるつもりですか。彼の思いをこれ以上傷つけるというなら・・・・・・絶対に許さない」 ふと、マリアの目に優しい光が戻った。 マリア「・・・・貴方はもう一人じゃない。暁くんや私たち、昴さんだっているんですよ。さっき昴さんと穏さんが電話で泣きついてきましたよ。何があっても、凛と暁くん、死なせないでって・・・・」 アリス「あいつらがアタシたちに、土下座してまで頼み込んだんだ。思い切り泣いてた。お前らが死んだらもう生きていけないとまで言ったんだ」 昴「凛と暁くんを助けて!!!!二人とも、ボクたちの大事なダチなんだっ!!!!アンデッドのボクに生きることの楽しさを教えてくれた・・・!!」 穏「・・・・両親が死んで寂しかった。でももう寂しくない。あいつらがいてくれたから!!あいつら、失いたくない!!お願い、助けて!!!!」 凛「・・・・あいつらが・・・・・・!!」 暁「・・・・・昴・・・・・穏・・・・・ったく、俺の周りは本当にバカばっかりだぜ。でも、最高の仲間じゃねえか!!」 それを聞いて、涙をぬぐい、暁が立ち上がる。 暁「凛、聖、悪夢にケリつけるぜ。そう、あのバケモンぶっ飛ばす!!そして、全員で帰るぞ!!」 クリス「暁、本気で行きますよ!!」 アリス「へへへへ!!こりゃあ、暴れがいがありそうだぜぇっ!!」 マリア「さてと、これまでのデカいツケ、払っていただきましょうか。貴方の生命でね」 クロキバ「まずはあいつを倒す!!全てに決着をつけるのだ!!」 暁「・・・ああ、そうだ。お前ら!!!これが仕事のひと収めだ。ルシファーズハンマーの暴れぶり、とくと見せてやれっっ!!!」 「「「了解!!!!」」」 クロキバ「暁!!行くぞ!!」 クロキバがアイオーンの右腕に止まり、すると、クロキバの体が光りだし、その身体が膨れ上がる・・!! クロキバ「・・・魔力解放!!」 やがてその姿が黄金の翼を広げ、竜を思わせるような雄々しき巨大な蝙蝠の姿へと変わり、盾のように変化する!!そのスロット部分にヘブンボイスターを差し込み、ENTERボタンを押す!!! 「ヘブン!!ボルダー!!セドナ!!アイオーン!!!!セットアップ!!!ファングフォーム!!!」 そして少年はパスを握りしめる。すると虹色の光を放ちだし、その光にクリス、マリア、アリスが吸い込まれ、そのパスをアイオーンブラスターに装着させる!!! 暁・クリス・アリス・マリア「「「「変身!!!」」」」 暁の身体が仮面ライダーアイオーンに変わると、その全身にヘブン、ボルダー、セドナが重なって仮面ライダーヘブン・ファングフォームへと変身し、キングの紋章を浮かび上がらせて光の中から現われる!! そしてその時だ!! 星「俺もいるぜ!!いくぜ、フェザー!!」 フェザー「はい!」 星・フェザー「「変身!!」」 大型バイクで工事現場内に乗り込み、星とフェザーが到着する! 赤いカードを取り出し、ジークバックルに差し込むと全身が紅蓮の炎で包み込まれて荘厳な不死鳥と竜の力を備えた騎士、仮面ライダージーク・イカロスフォームが現われる!! 暁「星!!フェザーも!」 ジーク・イカロスフォーム「こっちにも昴ちゃんたちから連絡あったぜ!!」 アリス「こいつちゃっかりしてるよな、出会った次の日にうちらの全員分のアドレス聞いて登録しちゃうんだから」 ジーク・イカロスフォーム「・・だ、だってよぉこれからはアドレス登録して電話しても、俺の記憶やデータは消えないから、いつでも電話しても、『どなたですか?』とか言われなくて済むと思って・・・つい嬉しくて」 赤いジークカードの影響か、もう、自分自身の存在が消えないと知って、星の喜びようはなかった。この世界で生きていけるために、フレアが作ったカードから膨大な時間が少しずつ、星の記憶の代わりになくなっていくのだ。つまり、カードの中の時間がなくならないうちは、星に関する記憶は一切消えないということになる。 ヘブン・ファングフォーム「さあ、一気に行くぜ!!ちっとばかし正念場迎えるからな、気合い入れろよ、星!」 ジーク・イカロスフォーム「はっ!!お前よりは勝負の場数は踏んでいるぜ!!お前こそ無様にやられて女の子たちに愛想尽かされるなよ!!」 お互いにそういって、拳と拳を突き合わせて構える!! ジーク・イカロスフォーム「「さあ、裁きの刻(とき)だ。もう後悔しても・・・遅いぜ!!」」 ジーク・イカロスフォームがイカロスディバイダーを構えて、巨大な炎の翼を広げる!! ヘブン・ファングフォーム「「「「・・・限界を超えて、推して、参る!!」」」」 大剣クロノカリバーが現われ、それを握りしめる!!すると、それがさらに輝きだし、その姿を変えていく!!それは・・・!! 暁「・・・これは!!十字槍・・・!?」 そう、光の中から現われたのは、黄金の風をまとう荘厳な十字の刃を持つ槍!! そしてそれを握りしめると、脳裏に声が聞こえてくる! 「よくここまで来たな。今のお前なら俺の力も使いこなせる。そいつを使って悪夢を終わらせな」 暁「・・・・お前は・・・・・」 「派手に暴れろ。お前は俺の生まれ変わりなんだからな。半端は許さねえ、“堕天使の王(ルシファー)”の名のもとに、全身全霊で戦え!!」 暁「・・・ありがとよ、ルシファー」 そう呟き、手に宿した十字槍を構える!!! 暁「さあ、始めるぜ。ドデかい大喧嘩をなあああああああっ!!!」 今、最終決戦の幕が開く!!!! 最終話に続く |
鴎
2012年07月09日(月) 19時58分12秒 公開 ■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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……更新されるのを、かなり待ちました! それでは、ラスト一歩手前の【仮面ライダーヘブン】の感想です!! 明久(電) 「その前に、感想返信の返信だね」 ですな。……それにしても……魔具『ナイアルラトホテップ』ですけど……それ自体が意識を持った存在であるとは予測しましたけど、真の“黒幕”はそいつ自体だったとは……。 雪奈 「…本当に、驚くべきオチですね。しかも凛さん自身も『《平行世界》に自由自在に干渉できる能力』を持っているなんて……」 よくまあ、そんな“能力者”を見つけられたもんですな。本当に狂った神様らしいですわ。# 暁(アスレイ) 「…しかし、本当の先代『ビショップ』こと『サーベルタイガーファンガイア』って、どんな人だったんだろう。其処も気になってくるぜ……」 翠(アスレイ) 「だね。……それにしても、凛ちゃんも無茶をするよね。いくら全てを終わらせる為だからって、自分の“命”をかけようとするんだもん」 クリス(アスレイ) 「自身に責任を感じる気持ちは察しますけど、もう少し、仲間のことも考えてあげた方がよかったと思いますよ? 今まで積み上げてきた絆のおかげで、何とかなったんですから!」 星(アスレイ) 「…だな。昴嬢と穏嬢の二人、どうにか間に合わせた辺り、すごいもんだぜ…」 フェザー(アスレイ) 「普段はふざけてばっかりでも、やっぱり友達のことは大切にしているんですね……」 礼(アスレイ) 「そんでもって、【ヘブン】の暁! しっかりと大切な連中を護る為に、自分の“傲慢(我侭)”を貫き通せ!!」 ……しかし、続編である【仮面ライダーワルキューレ】は誰とも結ばれなかった“未来”の話ですか。……ですけど、【ヘブン】のクリスにアリス、マリアさんのことですから、絶対に【ヘブン】の暁のことを諦めないと思いますよ〜。 翠(アスレイ) 「……それにしても、会話ネタのやつですけど、いくら僕でも父さんみたいにお兄ちゃんのことを女の子みたいに扱うことはありません!! いくら多少天然が入っているからって、これはないから!!」 蒼真(アスレイ) 「……何気に、【ワルキューレ】の俺の命が危なくなっているって……; いくら俺でも、嫌がっている相手に無理矢理女装はさせんぞっ!! 一応、許可とかを貰わんとせんわ!!」 こんな感じです。 それでは改めまして、今回の小説感想! 暁(アスレイ) 「【ヘブン】の俺よ……告白をする為とはいえ、何やってんだよ!? いくら何でもテンパリ過ぎじゃねぇ!? 俺でもここまではならんわ!!#」 礼(アスレイ) 「……考えがネガティブ思考になりすぎだな; 今までの不幸経験がこうした考えを生むようにしたんだろうけど、もうちょっと明るい考えを持たんかいッ!! 祖父ちゃんとしては、告白する前にお前の頭が大丈夫かと聞きたい……」 冷牙(アスレイ) 「…とりあえず、あっちの俺達とエリザベート嬢から後押しされて、改めてクリス(ヘブン)達三人を探しに請うとしたわけだが……」 流水(アスレイ) 「このタイミングを計ったように、凛ちゃんこと聖のバカからの連絡! 嘘を交えた挑戦状を叩きつけてきた訳だけど、この際の凛ちゃんは色々と心苦しいものがあっただろうね……」 電(アスレイ) 「……今まで、大好き、だった、友達、を、傷つける、ことを、繰り返して、きたん、だ。これで、終わり、に、する、って、心を、決めて、も、辛かった、はず、だ……」 とはいえ、聖の電話の所為で若干負の感情に沈みかけた辺り、【ヘブン】の暁君も色々といっぱいいっぱいだったようですな〜…; 素手で壁を壊してしまった辺り、その狂気と碇は計り知れないものだと感じられます…; 電話が掛かった後のタイミングに、昴さんからの電話が掛かってきたわけですけど…………一応、聖の正体を知ったみたいですが、かなり暴れまくること確定だと様子から感じました…; イージス 「……これはこれで、厄介極まりないといったところだですね…; 凛さんも凛さんで本当に無茶をしますよ…(呆れ)」 やっぱり、無茶をする者が集いやすい感じのようですな〜……; そんでもって、暁(ヘブン)と凛(聖)の会話なわけですけど……《世界》に対しての価値観は人それぞれでしょうね。暁(ヘブン)の“信念”、凛(聖)の“絶望”。そういった感じに《世界》は暮らす人達に様々な“試練”ともいえるものを与える……。大切なのは、その“試練”をどう乗り越えるかですね。本当に複雑なものですわ〜……。 星(アスレイ) 「【ヘブン】の晶兄と慧姉がやっちまったことが、何よりも今の【ヘブン】の暁の性格を形成する原因を作っちまったんだから、結構皮肉だな……」 フェザー(アスレイ) 「…ですね…」 真夜(アスレイ) 「……そして、語られた“神代 聖”の誕生の話……。その“反存在”として生まれた私としては、本当に複雑なものです……」 蒼真(アスレイ) 「…しっかし、各“魔族”達や《世界》を滅ぼしてきた理由が一部の“イレギュラー”が生まれ、その所為で争いが起こるだろうからその前に滅ぼすって……本当に一方的な“正義”って名前の“傲慢”だな! クソ下らなすぎるわ!!」 ……ご両親の所為とはいえ、ここまで来ると本当に“狂気”の度が過ぎまくっているにも程がありますね……。暁(ヘブン)を生かしていた理由も、「好きだからこそ、側で狂って行くのを見ていきたい」って感じでしたから、もう、複雑な“歪み”ですな……; シャナツネ 「その凛殿を取り巻く“狂気”を生み出していたのが、魔具の姿をとっていた『ナイアルラトホテップ』だったというのだから、本当に嫌なものだな……#」 モモタロス(明) 「…しかし、【ヘブン】の暁の奴も、よくまあ、クソ神の存在に気付いたもんだな。これも“キング”の紋章を持った恩恵ってやつか?」 それ以外にも、彼の精神的な成長ということもあるでしょうね。 礼(アスレイ) 「…まったく、気持ちのいいほどにいい性格に成長してくれたもんだぜ。こういった面に関しては、『ナイア』のアホに感謝せんとな♪」 カグヤ 「それはいえているね♪」 ンでもって、『ナイア』のアホが攻撃しようとしてきた瞬間、【ヘブン】の暁に恋する三人娘さん方が助けに現れてくれたわけですけど、色々とタイミングがいいもんですな〜(笑) イーズ(アスレイ) 「……なんだかんだで、マリア姉さんが一番カッコいい役を取っていった感じですね。…っていうか、慧さんよりも怖いって…;」 暁(アスレイ) 「……何気に、色々と成長したってことじゃないか? 特に精神的に…;」 翠(アスレイ) 「……でも、お母さんよりも怖いって……」 星(アスレイ) 「それほど心配していたってことだろう。ンでもって、昴ちゃんと穏ちゃんには感謝しないとな♪」 礼(アスレイ) 「……しかし、あっちのお前はお前で随分な感じになっているみたいだな(呆れ)」 星(アスレイ) 「……周囲から忘れられる心配が当分ないってことになったから、その分、多少ははっちゃけても仕方ないかもな(苦笑)」 フェザー(アスレイ) 「そうですね♪」 そして並び立つは【仮面ライダーヘブン】、最強『仮面ライダー』コンビ! しかも、『ヘブン・ファングフォーム』にいたっては、暁(ヘブン)の前世の“力”まで発動する始末…! これはまさにラストバトルにふさわしい感じになりそうですね! カグヤ 「それでは、いっちょ、ド派手に行きますか♪」 モモタロス(明) 「とことんクライマックスだぜッ!!」 シャナツネ 「推して参ろうぞ!」 イージス 「覚悟の差……しかとごらんあれ!!」 クリス(アスレイ) 「勇ましき“魂”の輝き! しっかりとその目と“魂”に刻みなさい!!」 フェザー(アスレイ) 「後悔しても、遅いですよ!!」 暁(アスレイ) 「そんなわけで、」 一同 『ラストバトルも楽しみにしています! 今後も、どうか頑張って書いていってください!!』 〜……時と次元と……己の限界すらも越えて、いざ参る!!〜 〜……時と次元を越え、……己の限界をも超えて推して参るッ!!〜 |
30点 | 烈 | ■2012-07-10 00:02:28 | i114-189-62-120.s10.a044.ap.plala.or.jp |
合計 | 30点 |