【L-R!×@びっくり!ハロウィン外伝】超☆怪傑 ハロウィン仮面“M” |
【本編に関する諸注意】 ・拙作『LEANGLE-REVERSE!』『@びっくりそうだんしつ!→side:B→』の流れを汲んでいます。 当時ハロウィンの時期にやってたアレです。 ・このお話は2010/04月にこっそり書いていたハロウィン回です(当時よりちょっとだけ修正) 3年半前に書いているものですので、いろいろアレな感じですがご容赦のほど。 ・原案元となったゲロロ軍曹(Geroro-Gunsou)さんに敬意を称しまして。 ・最後にちょっとしたお知らせ付き。 【Super Extraordinary Masked-Helloween “M”】 【Zero】 ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ 滴る汗、暗がりの部屋。 殴れど殴れど現れるUnknown。 『チィッ・・・・・・『ファイア』!』 ≪BURNING≫ 燃え盛る炎を杖に集め、一気に振り撒く。 焼けるUnknown。 しかし、自分の身に襲ってくるこの感覚は、もうこんな物では抑えられない。 身体の奥底から無性に込み上げてくる衝動。 ついに私は壁際のスイッチを叩き、燃え盛りながらもうごめくUnknownを『消した』。 と同時に、身体から力が抜け、冷たい地面に転がり込む。 やはり制御したのがいけなかったのか、はたまたもっと制御すべきなのか。 中途半端に制御しかけた自分が甘かったのか。 露出していた口元に冷たい風が当たる。 息は荒く、顔が高揚しているのもすぐに分かった。 いつしか、自分の手があらぬ場所に伸びる。 身体の底から湧き出す衝動が全身を包み、もはや抑え切れないものとなっていた。 なんとかその衝動から脱するために、冷たい地面を転がりながら一心不乱に・・・・・・ 『やっぱり・・・・・・こんな記憶なんて・・・あっちゃいけ・・・ ぁあああああああ!!!』 身体を包む衝動が自らの身体から一気に昇華していく。 同時に、腰に巻いていた銀色のベルト―額に『MD』と書かれたカボチャエンブレムが中央にある―が外れ、 身体を縛っていたSuitsが光となって発散していった。 「やっぱり・・・自覚がある内はちゃんと動かせない・・・か」 シャワーを浴び、白衣を羽織ながら再び元の場所へと帰ってきた。 それでも、最初の内は先程のVisionが身体を支配し、出るまでに1時間もかかってしまったが。 「かと言って、全遮断したら“あいつら”に勝てる見込みはまず無い・・・・・・」 今回だって、出来る限りのLimiterを施して臨んだ“最後の”試験のはずだった。 「やはり・・・制限は無い方が返って扱いやすいのかも・・・・・・ね」 目の前の机には、先程のベルトと、もう一つ、それと瓜二つの―とはいえこちらは少し丸みを帯びている―ベルトが置かれていた。 「それに・・・・・・こんな後に引くような記憶・・・・・・あって欲しくないものね」 そう言う“彼女”の足に、つらりと雫が光っていた。 「どうしたら・・・・・・あのお方に近づける・・・・・・のかな・・・・・・?」 と、“彼女”はおもむろに携帯電話を取り出し、どこかへ電話をかけ始める。 「・・・・・・あぁ、もしもし?急な話だけど、ちょっと出てきてくれない?・・・・・・・・・えっ!?」 【First】 所変わって、とあるアパートの一室。少し開いた窓からトントンとリズミカルな音が漏れる。 西に面したその窓の外からはもう夕焼けが見えてきていた。 ところで音の正体は包丁だった。 隣では小鍋で水を沸騰させ、自分は商店街の八百屋さんで買ってきたカボチャを一口大に切り分けている最中。 ??:「ん〜?何だか良い匂いが・・・・・・?」 すると、匂いにつられてキッチンに“毛布を被った何か”が、のっそりのっそりと歩み寄っていく。 静かに、それでいて大胆にも“それ”はそのままキッチンに近づいて・・・・・・ ??:「うん?・・・・・・ダーメですよ、瑠華さん。もう少し待ってくださいね?」 しかし当の相手は作業をしながら背後の存在を戒め始める。 もう慣れているのか、驚愕、怯え、それに準ずるものが全く感じられなかった。 バレたら仕方ないと、“それ”は毛布からウェーブがかった茶色のセミロングをひょっこりと出し、 紫色の瞳を浮かべた眼をこすりこすりしながらまな板の上を覗き込んだ。 瑠華:「さすがに・・・・・・お腹が・・・・・・(ぐー」 ??:「当たり前です。一昨日の晩からずっと寝ていらしたでしょう?」 そして彼女はようやく振り向いて、『瑠華』と呼んだ“それ”に微笑みかけた。 ただ、夕日に光る包丁を持ったままで。 彼女の名前は、 少し前にこの西園市に越してきて、訳あって一人暮らし・・・・・・ではなく、 気だるそうに毛布を被っている彼女―『 クールな印象を魅せる裏で性格はまさに『Pure』の字が似合う、黒髪ショートの少女である。 瑠華:「今日は・・・・・・カボチャですか〜?」 優子:「えぇ。いつもよりちょっと安くしていただけたんです」 瑠華:「なるほどぉ・・・・・・あっ、そういえば、明日は・・・」 壁にかかった日めくりカレンダーは『10月30日』。 それを確認して、ボソッと一言・・・ 瑠華:「・・・・・・はるるぅん?」 優子:「・・・・・・ハロウィン、です」 10月31日・ハロウィン。 それは、ある意味では悲劇の前触れなのかもしれない。 裏でうごめく“組織”の存在。 それらは着々と、この街に“またしても”近づき始めていた。 瑠華:「このカボチャの煮付け・・・はむはむ・・・食が進みますねぇ♪」 優子:「よほどお腹が空いていたんですね・・・;;」 完成したカボチャの煮付けを泣きながらご飯と一緒に食べつくす瑠華の横で、ふと優子はテレビに映っていたニュースを見ていた。 と、ちょうど全国ネットから地方局の時間に周る頃、その最初のニュースに優子はふと反応。 どうやら近くの商店街が舞台のようである。 ニュースによると、商店街の外れにある駄菓子屋を含め、西園市内で数件、お菓子を巡る強盗事件が多発しているというものだった。 先述の駄菓子屋はまさに2、3時間前に襲われたばかりで、現場検証の様子がリアルタイムで報道されている。 優子:「駄菓子屋さんを狙った強盗だなんて・・・・・・」 瑠華:「強盗?・・・・・・あ、ここ知ってます」 優子:「知ってるんですか!?」 瑠華:「先週、サっちゃんズのお二方に連れて行ってもらったんです。今までに味わった事の無い感覚でした・・・♪」 優子:「いつの間に・・・で、でも・・・何で駄菓子屋さんなんでしょうか・・・?お菓子ばかりだなんて・・・」 瑠華:「ふぅむ・・・・・・あ、ごちそうさまでした〜。では、私はまた寝ますねぇ・・・・・・ぅわふぅ」 たくさんあった煮付けを残り7切れまで残して、瑠華は椅子にかけてあった毛布を再び被り、奥の部屋へと消えていってしまった。 優子の分まで微妙に残っている分だけ、彼女の優しさも微妙に垣間見れるところである。 優子:「瑠華さんってば・・・・・・でも、ちょっと気にはなりますね・・・・・・」 微妙に残った煮付けを頬張りながら、彼女は引き続きそのニュースを凝視していた。 ―――――後に、その裏で動く事件に大きく関与する事も知らずに。 【Second】 今宵は満月。 優子は雲の無い綺麗な夜空と月を、ベッドに横になりながら観賞していた。 隣からは瑠華の静かな寝息が耳元で聞こえてくる。 それにつられるかのように、優子も少しずつまどろみの中に身を委ねる・・・・・・。 ガタンッ!! ・・・が、今宵はいつもと違っていた。 びっくりして跳ね起きた優子は、目を丸くしながら近くの窓から外を眺める。 しかしそこは普段と同じ、いつも通りの夜の風景。 ガタタンッ!! またしても奇妙な音。まるで、何かが動いているような・・・・・・ ズガァアアアアンッッ!!! そしてこの有り得ない爆発音。 いつしか、優子の足はベランダの方に向いていた。 ―――そう遠くない先で、煙が立ち昇っていた。 方角的には・・・商店街の入口に近い。確かあそこには・・・・・・ 気になって、パジャマの上にカーディガンを羽織り、優子は玄関から飛び出した。 嫌な予感がする。 何か、とてつもなく大きい・・・曖昧だが確実に存在するこの危機感。 それだけで、優子の足は現地に向いていた。 思った通り、そこは夕方に現場検証されていた駄菓子屋だった。 夕方のニュースであらかたの場所は掴めていたので迷うことなく着いたものの、駄菓子屋はすでに木造2階の家屋に火の手が上がっていた。 その刹那、暗がりから赤い車両が到着し、消火作業に入る。 ―――キンッ! ふと背後で聞こえる金属音。 路地の入口に背を向けていた彼女は、気のせいかと一度は思ったが、生憎家に帰るにはその道を戻るしか方法が無い。 仕方なく、恐る恐るその路地に戻・・・ バァアアアアアンッ!! 優子:「きゃああああああああああああ!?」 目の前を黒影が横切り、右の壁に叩きつけられる。 急な事で優子は思わず悲鳴を上げ、その場に尻餅を着いてしまった。 黒影が飛び出してきた壁は崩れ、そこから別の影が姿を現した。 背後の火災のおかげで、その姿ははっきりと見て取れた。 オレンジのラインが入った黒いボンテージ、頭にはよく目立つお化けカボチャを模したメットの女性。 背は高く、胸は肌の部分が多くすごく大きい。 見るからにそれは・・・・・・どう見ても“ろしゅつきょう”と呼ばれるものだと最初に分かった。 ??:「ハァ・・・ハァ・・・あ、あなた・・・てぃ、TOTの・・・残党・・・ね?こ、今年も・・・」 しかし、その女性はぱっと見傷一つついていないにもかかわらず、動きも鈍く今にも倒れそうだった。 顔が少し高揚しているようにも見える。 ・・・・・・だが、優子の記憶はここで途絶える。 恐怖と吃驚が入り交ざり、そのまま気絶してしまったから・・・・・・。 【Third】 優子がその目を覚ますと、最初に視界に入ったのは暗いアスファルトの天井だった。 どこかに寝かされているらしい。 優子:「ここ・・・は・・・?」 ??:「目が覚めたようね・・・・・・大丈夫?」 優子:「はい・・・」 傍らには、白衣を来たツインテールのメガネ少女。 ??:「『あなたは誰?』とでも言いたそうね、あたしは、『ドクトル☆シホ』。 しがないごくふつ――――うの研究者よ」 優子:「はあ・・・・・・」 Dシホ:「まぁ、あなたの言いたい事もおおよそ検討はつくわ。 自分が何故ここにいるのか、あのカボチャ頭の女の人は誰?あの時、何があったのか」 自分で言う前に全て見透かされ、優子は呆然と彼女を見つめる他なかった。 そう、全てがおかしい。 駄菓子屋が次々と襲われ、裏ではあんなカッコをした女性が戦っていた。 間近で見たとは言え、にわかに信じがたかった。彼女、ドクトル☆シホという名前も含めて。 Dシホ:「・・・・・・奴らの名前は、TOT。ハロウィンの夜に軒並みお菓子をふんだくりまくるアダルトチルドレン集団よ。 そして、あなたが見たカボチャ頭は、『ハロウィン仮面』」 優子:「ハロウィン・・・・・・仮面?」 Dシホ:「急でごめんなさい・・・・・・あなたに、やってもらいたい事があるの」 やってもらいたい事。急に言われて何のことが一瞬全く理解できなかった。 が、よくよく考えてみれば彼女から提示されたゴマ粒ほどの情報でも、 自分の身に起こりそうなことなど予想するには容易かった。 優子:「あの・・・・・・まさか」 Dシホ:「あなたもね・・・『ハロウィン仮面』に変身する資格があるの」 ・・・・・・やっぱり。 優子:「・・・・・・あの」 Dシホ:「まぁもうちょっと聞いて。一応根拠があるのよ。人間はね、理性と本能で出来ているようなものなの。 でもね、あたしが作った『ハロウィン仮面』は、どうやら少しでも本能、 つまり、ほんのちょっとでもえっちなことに興味津々だと・・・変身すると脳が耐えきれなくて廃人になってしまうの」 優子:「は・・・はいじん??」 Dシホ:「つまりね、えっちなことしか考えられない星人になっちゃうのよ」 ・・・・・・意味が分からなかった。というより、理解出来ない。 Dシホ:「初代の子も、あなたも、それを見極める検査をクリアしたの」 優子:「えっ・・・・・・そんなの、いつしたんですか??」 Dシホ:「うん?もちろん、あなたが寝ている間に、一応」 優子:「へぇえええええええええ!?//////」 Dシホ:「いやいや、単におでこにコード着けただけだから・・・・・・。 まぁそれはともかく、あなたにはすぐにでもハロウィン仮面になって・・・」 優子:「えっ・・・・・・いや・・・・・・です」 数秒もいらなかった。完膚なきまでに完全封殺。 しかし、その拒否でもドクトル☆シホは揺らぐことは無かった。 Dシホ:「そう・・・でも、ちょっと、試させて・・・ね?」 【Fourth】 『お〜い、ゆ〜こさ〜ん?』 気の抜けたコーラのような囁き声で優子が次に目を覚ましたのは、自分の家のドアの前だった。 視界には澄んでいる青い空、そこに、ルームメイトである瑠華が心配そうに彼女の顔を覗き込んできた。 優子:「あ・・・・・・れ?」 瑠華:「起きましたね〜」 優子:「わ・・・たし・・・?」 あれから自分はどうしたのだろう。 変な女性に助けられて、変な話を聞かされていたような・・・・・・? これは・・・夢・・・だったのか? 頭の中をぐるぐると反芻し、なお一層わけが分からなくなっていく。 瑠華:「ドアが開かないから何事かと思いました〜(ぐー」 優子:「えっと・・・今、何時ですか?」 瑠華:「う〜ん・・・・・・9時くらい、ですかね〜?(ぐー」 すっとぼけたような声を上げ、さらにお腹の虫をしきりに鳴らしていた。 優子:「・・・・・・あぅ・・・」 やってしまったと自分自身に呆れ返る。 でも、そればっかりじゃ仕方がない。 目の前にお腹を空かせている同居人もいるし、とりあえず夢の件は後で考えることにして、 ひとまず朝ごはんを作ろうと思う優子だった。 だが、件の事をはっきりと自覚するまで、そう時間はかからなかったのである。 今日の朝ごはんはハムエッグと大根のお味噌汁、あとは朝用に取ってある高菜の漬物。 瑠華:「うんうん、今日も優子さんのご飯は美味しいですね〜♪・・・優子さん?」 優子:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 モリモリとご飯にありつく腹ペコ瑠華さんの横で、優子はずっと上の空だった。 瑠華:「ゆ〜こさ〜ん?」 優子:「はひっ!?・・・あ、ごめんなさい、何です?」 瑠華:「ちょっと元気ないですね?」 優子:「え?だ、大丈夫です!私は、今日も元気ですよ?そ、そうだ、TVでも着けましょうか・・・・・・」 と、誤魔化し半分でTVを着ける優子。 ちょうど、朝のワイドショーの時間だった。 そのコーナーでは、朝刊を元にコメンテーターが司会陣と論議を繰り広げている。 『世紀の痴女、夜を往く!』 ・・・・・・そんな見出しの三面記事を元にして。 『このご時世に痴女・・・ですかあ?』 『しかし、この女性、本日未明にあった西園駄菓子屋襲撃事件に絡んでいるとの見解もあります』 『ただの痴女ではない・・・と?』 『目撃者の証言ですと、頭がカボチャで、首から下がボンテージファッションであったと・・・ 身長は160cm前後であるとの声もあります』 『襲撃事件は夜中に集中していたにも関わらず、結局被害を受けたのが最初の1件だけとはねえ・・・』 『この謎の痴女・・・警察では、その行方を追うと共に発見次第・・・』 ピッ! 優子:「・・・・・・・・・・・・」 瑠華:「優子さん、どうしてTV消しちゃったんです?」 理解出来なかった。 確かに、カボチャ頭のボンテージ女性なら自分も見た。 昨晩、いや、もう日付は変わっていたのかもしれないが、自分が見に行ったあの現場で。 でも、自分の記憶と、さっきのとで、食い違いがあった。 『身長が160cm前後』 『被害を受けたのが最初の1件だけ』 まず、彼女が見た女性は、明らかに自分より大きかった。 大きく見積もっても180cm有るか無いかだろう。 それに、あの後にも同様の事件があり、別の誰かがそこに行っていたとしたら・・・・・・ 『あなたもね・・・『ハロウィン仮面』に変身する資格があるの』 瑠華:「・・・・・・優子さん?」 箸を取り零し、体を震えさせながら、次第と口からも言葉が溢れていた。 優子:「いやあああああああああああああ!?!?!?」 それって・・・・・・・・・・・・自 分 の こ と ? 【Fifth】 ??:「ちィッ・・・・・・参ったぜ、大丈夫かよ兄貴」 ??:「まぁ・・・な」 とある雑居ビルの屋上で、同じく朝日を浴びた2人がいた。 軍服とも思える迷彩服で、胸に『TOT』と書かれたワッペンと星型の小さなバッジが3つ。 これは、TOTの中でも幹部クラスにならないと着けられない。 それを、兄弟揃って着けていた。 兄:「まぁ、大丈夫だぜ」 アホ毛が生えたボサボサ頭の男=兄幹部がよっこいせっと立ち上がり大きく伸びをした。 弟:「ホントか?さっきだってあの痴女にしてやられたんだぜ!?」 天然パーマの男=弟幹部はまだ座って兄の身を案じていた。 兄:「馬鹿か?俺たちは、最強の幹部だぜ?コレのおかげでな」 と、彼が弟幹部に見せたのは、一本のUSBメモリ・・・のようなものだった。『 B』と書いてある。 すると、弟も懐から似たようなメモリ―デザインが違うとはいえこちらも『 B』と書かれている―を取り出す。 弟:「確かに、あの痴女が来るまではこれと俺たちのコンビネーションで数々のお菓子をふんだくってきた。 でも、さっきの襲撃で6部隊中俺たち以外の5部隊が任務失敗でお縄頂戴だぞ?これは・・・・・・ヤバいぞ」 兄:「大丈夫だ・・・・・・俺たちが、負けることはない。何故なら・・・・・・」 兄は、勇み良く誇らしげな顔で、手に持つメモリを朝日に掲げた。 兄:「俺たちは・・・・・・誰にも倒すことが出来ないんだからな!」 ≪【-B-】REAK≫ 【Sixth】 優子は駆け出していた。 そう、今日はハロウィン。 仮にさっきのニュースで出た痴女が自分なら、夢だったはずのあの人もきっと実在する。 そう思い、宛てもなく、商店街中を探し回っていた。 そして、辺りが暗くなり始めた頃、ちょうど辿り着いたそこは、運命の地。 あの事件に遭遇した・・・・・・ Dシホ:「来ると思っていたわよ、諸星優子さん?」 ・・・・・・見つかった。 というより、彼女に『見つけられてしまった』と言うのが正しいか。 優子:「ドクトル☆シホ・・・さん、あなた・・・私に何を・・・?」 Dシホ:「・・・・・・そんなに、知りたい?」 明らかにこの人は何か知っている。知っている素振りをあからさまに見せている。 Dシホ:「・・・・・・ついてらっしゃいな」 ―――――そうして連れてこられたのは、一軒の喫茶店。 しかし、中に入らず素通りし、脇の道からどんどん奥へ・・・・・・。 着いたのはちょうど喫茶店の真裏に当たる位置。扉を開けると、すぐ下に下る階段があった。 地下の研究施設か何かだろうか。 ドクトル☆シホに手を引かれるままに、優子は再び、あの場所へと足を踏み入れる。 優子:「ここは・・・あの時の」 Dシホ:「優子ちゃん、これ、着けてみてくれる?」 と、急に優子の腰に押し付けられたのは、お弁当箱くらいの鉄の箱だった。 そこから急にベルトが伸び、優子のウエストのサイズにジャストフィットする長さで止まって装着された。 どうやらその鉄箱はベルトのバックルだったようだ。 Dシホ:「いい?今の時間、覚えておいて」 目の前にはデジタルの置き時計と、何故かビデオカメラ。 時計は・・・6時29分になったばかりだった。 Dシホ:「優子ちゃん・・・その“バックル”の両端を持って、引き伸ばしてみて」 優子:「はあ・・・」 言われるままに、そのベルトのバックルを引き伸ばして・・・ ガシャン! 【MAXIMUM MAKE UP】 ―――――間。 【REFORMATION COMPLETE】 優子:「・・・・・・え?」 2種類の機械音の時間差は、ほんの1秒未満に感じられた。 瞬きも終わらない内に、目の前に変化が起きていた。 デジタル時計の時間が、6時39分になっている? Dシホ:「よ、よーし・・・・・・」 優子:「ぇ・・・・・・ひゃあああ!?//////」 視界を変えると、足元で大の字になってバテている、半裸のドクトル☆シホがいた。 優子:「な、何ですかぁ!?だ、誰が!?」 Dシホ:「・・・・・・あなたよ?」 優子:「・・・・・・・・・・・・え?」 ―――10分後。 優子はシャワーを浴びて帰ってきたドクトル☆シホと共に、先程録画したビデオを鑑賞することになった。 Dシホ:「いい?行くわね・・・・・・」 きっと拒否権なんて無いんだろう。 というより、今自分にある変なわだかまりと矛盾を晴らすには、これを見るしかなさそう。 そう素直に思った優子は、黙ってモニターを凝視していた。 >Play 【Seventh】 【MAXIMUM MAKE UP】 その機械音の後、優子の身体はバックルを中心に光に包まれ、 華奢な身体に沿ってスーツとカボチャ頭のメットが素早く形成される。 優子:「こ・・・これ・・・は・・・!///」 次に見たそれは、正しく今朝のニュースの情報に見事に合致した、『痴女』だった。 『ハロウィンの世界を翔けめぐりし、セイなる戦乙女! 二代目ハロウィン仮面改め、『ハロウィン仮面M』!再び推・参っ!!』 『どう?そのスーツの着心地は?』 『うん・・・すっっっっごく、快感なんです///』 『そうでしょうそうでしょう?夜の戦いはどうだったの?上手くいった?』 『そうですね・・・些か、ぬるかったです。みなさん、私を感じさせてくれなくて・・・ 結局、私が攻撃とは何たるか教えて差し上げました・・・良かったです・・・♪///』 『初代のドSも良いけど、時代はやっぱりドMよねー』 『あの・・・御主人様・・・私、ちょっとまだ心残りがありまして・・・ですね・・・えへへ///』 『え?いや・・・ちょ・・・』 『お願いします!私を・・・いじめてk』 ブチッ! 無意識に、優子の人差し指がモニターの電源を切っていた。 【Eighth】 優子:「今のが・・・・・・私・・・・・・なんですか・・・・・・??/////////」 優子は驚愕していた。おそらく人生で一番。 この世のものではないものを見たかのような、しかもそれを信じたくなくなるような・・・。 Dシホ:「・・・・・・仕方が、無かったのよ」 優子:「ふぇ?」 Dシホ:「こんなの、あたしが作ろうとしている『ハロウィン仮面“像”』には程遠いわ。 でもね、今の技術じゃ再現するにはこうするしか・・・・・・ 無理にでも脳内麻薬を出させて、身体能力を高めるしか無いのよ・・・・・・」 彼女の顔に、陰りが見え始めていた。 先程までの全てを見透かしたようで上から物を見るような態度ではなく、 まっすぐとした、いち研究者としての顔だ。 Dシホ:「それでも、TOTは懲りずにやってくる。こんなことでも上手く出来てしまったから・・・そうするしかないのよ・・・・・・」 優子:「シホ・・・さん・・・」 ファーン!ファーン! 突然研究室中のアラートが鳴り響く! 優子:「な、何ですかぁ!?」 Dシホ:「TOTよ!ヤツら・・・最後の最後で仕掛けてきた・・・・・・!!」 バンッ! それに合わせるかのように、2人の背後のドアが開く。 立っていたのは、緑髪のセミロングで大柄で巨乳のお姉さんだった。 所々ボロボロで、包帯が巻かれていたのがなんとも痛々しい・・・・・・。 優子:「え・・・・・・??」 Dシホ:「ちょ・・・・・・何やってるのよ!?無茶しないで!?」 優子:「あの・・・あの方は・・・?」 Dシホ:「・・・・・・相川初穂、あたしが作った、初代・ハロウィン仮面よ。 優子ちゃんが倒れたときに居合わせたのも、彼女・・・」 優子:「えっ!?じゃあ・・・・・・」 初穂:「このくらい平気だ・・・シホ、あれ、もっかい貸してくれ」 Dシホ:「ダメよ!『Mild』じゃあいつらには勝てない!」 優子:「まいるど・・・?」 初穂:「その子が・・・『Maximum』の適合者?『Mild』はね、『Miximum』のプロトタイプさ。 『Maximum』の体験版みたいなもんかな。脳内麻薬もそんなに出ないし」 Dシホ:「それは能力確認のために抑えているだけ・・・それでも出ないわけじゃないのよ!? アンタだって・・・変に記憶が残って大変でしょう!?それにその怪我だって・・・」 初穂:「このくらいの傷は平気だって。TOTを、倒すんだろ?」 Dシホ:「そうだけど、もうこれ以上・・・・・・!!」 その間、優子の中で色々な思いが渦巻いていた。 あの時、おそらくあの人が私を身を呈して守ってくれていたに違いない。 そして、まかりなりにも自分にも同じ力が備わった。 今、私に出来ることって、何だろう? 私に出来ること・・・・・・ 優子:「・・・・・・シホ、さん」 Dシホ:「優子ちゃん?」 優子:「私・・・・・・やります」 【Ninth】 優子は走っていた。 一目散に、アダルトチルドレンが蔓延るあの現場へと、がむしゃらに。 決めたんだ。 たとえ、あんな変な力だったとしても、それでも戦える力を手に入れた。 あの夜だって、昨日だって、いろんな悲痛を目の当たりにしてきた。 『先週、サっちゃんズのお二方に連れて行ってもらったんです。今までに味わった事の無い感覚でした・・・♪』 じゃあ、私に出来ることって、何? 私にしか出来ないことって、何? ―――――私にしか出来ない、あの連中を倒すこと! 『よく言いましたね、もう一人の私』 優子:「・・・・・・え?」 ふと、声が聞こえた。聞き覚えがあるような・・・・・・? ・・・・・・いや、さっきも聞いたじゃないか。 否、これは生まれてから、ずっと耳にしていた声じゃないか。 『あとは、私に任せてください。セイいっぱい、TOTを打ちのめしましょう』 ・・・・・・幻覚でも構わない。 私は、彼女と、TOTを・・・・・・! 優子:「変身・・・!!」 【MAXIMUM MAKE UP】 途端、光に包まれた彼女の身体は閃光となって、駄菓子屋に屯っていた多くの軍服アダルトチルドレンを一気にけちらしていった! 「な、何奴ッ!?」 月夜に映えるその、オレンジと黒のエクスタシー。 HW仮面M:「ハロウィンの世界を翔けめぐりし、セイなる戦乙女!『ハロウィン仮面M』!堂々推参っ!!」 「キタァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」 「深夜に部隊を萌え殺しまくったヤツだぜえええええ!?」 「うっひょおおおおおおおおおおおう!」 HW仮面M:「ふふっ・・・」 ハロウィン仮面が艶めかしく手招きすると、イき急いだ精鋭たちが立て続けに飛びかかる! バシッ! HW仮面M:「いやんっ♪」 バンッ! HW仮面M:「あはっ♪」 ズビシッ! HW仮面M:「うンっ♪」 次々にハロウィン仮面に襲ってくる百鬼夜行的攻撃に、早くも彼女はボロボロに近かった。 しかし・・・ HW仮面M:「あっはっ・・・・・・カイ・・・カン・・・!//////」 「うへへへへ・・・噂通りのドMっぷりだな・・・!」 「このまま落としちまおうぜえええ!!」 HW仮面M:「・・・・・・なーんてね」 不敵な笑みと共に取り出されたのは、彼女の武器・ニューパンプキンスター。 そのリリカルでマジカルな杖の先を艶めかしく舐め、挑発する。 「うっひょうおおおおおおおおおおおおおお!!」 それに興奮したか、団員たちが一斉にル○ンダイヴ! ≪MAGIC SELECT≫ HW仮面M:「スライド!」 ≪HOVER≫ ハロウィン仮面の足が数ミリ浮き上がり、一気に地を蹴る! まるでアスファルトがスケートリンクになったかのように、ハロウィン仮面は軽やかに彼らの着地点から離脱した。 ・・・当然、何も無いところにダイヴしたところで行き着く先は人の山。 ≪MAGIC SELECT≫ HW仮面M:「ちょっと、おイタが過ぎたと思いますよ・・・ウォール」 ≪PROTECTION≫ ウォールの魔法が、目の前に出来た人の山をすっぽりと覆い隠した。 団員はその中で、まるでフタをされたチャーハンのごとく身動きが取れない・・・! HW仮面M:「一丁上がり、なのです♪」 ??:「ほぉ・・・なかなかやるじゃないか」 HW仮面M:「え?」 団員がいなくなれば、当然残るは・・・・・・幹部。 ハロウィン仮面の前に、2人の大柄の男が立ちふさがった。 HW仮面M:「あらあら・・・」 兄:「まぁ、こうなることは予想済みだったがな」 弟:「アンタの噂はかねがね聞いていたぜ。一度、手合わせ頼むよ」 HW仮面M:「あなたは・・・私を気持ちよくさせてくれますか?///」 兄:「あぁ・・・・・・死と言う名の快楽を叩き込んでやる!行くぜ!」 弟:「おうよ!」 2人は揃って懐からUSBメモリのようなものを掲げ、メモリのスイッチを押す。 ≪【-B-】REAK≫ ≪【-B-】OUNCE≫ メモリから機械音が発せられるや否や、それを首筋に突き刺す! すると、2人の体が見る見る色を変えて様変わりし、 兄貴の方は全身トゲトゲしい鈍色の身体に、弟の方はタプタプした丸っこい白の身体に、 それぞれ変化を遂げた。 ブレイクD:『おっぱじめるぜ、弟ッ!』 バウンスD:『ばっちこい、兄貴ッ!』 【Tenth】 弟の身体が見る見る大きいな球体に変化し、兄の右腕が大きなハンマーに姿を変える。 そして、一気に――――― バシュゥウウウウウウウッ!! ―――――弾くッ!! HW仮面M:「あっ・・・・・・!?」 目算で150km/h。 さすがのハロウィン仮面も目で追えず、弟の身体に思いっきり跳ね飛ばされてしまった! HW仮面M:「ぁあああああああ・・・!?」 大きく空中に投げ出されるハロウィン仮面。 ブレイクD:『まだ終わらないぜッ!!』 と、ハロウィン仮面を跳ね飛ばしたばかりの弟の身体は文字通り地面で『バウンド』し、 それに乗った兄貴は、空中にいるハロウィン仮面目掛けて、跳ね上がる! そして、ハロウィン仮面を軽々と追い越し、上から追撃!! HW仮面M:「くぅぅぅぅっ!?」 バウンスD:『どうでえッ!?』 ブレイクD:『喰らいやがれ。俺たち兄弟の、BB爆弾をよッ!』 ハロウィン仮面の身体は未だに宙を浮き、月明かりに照らされていた。 その顔は・・・・・・ニヤけていた。 HW仮面M:「それで・・・・・・終わりですか?///」 兄弟:『『・・・・・・は?』』 ≪MAGIC SELECT≫ HW仮面M:「アイス・・・・・・マキシマム!!」 ≪BLIZZARD MAXIMUM≫ ニューパンプキンスターが強烈な光を放ち、先端から大きなつららが形成される! HW仮面M:「あなた方の攻撃は・・・・・・気持ち良さが足りませんッッ!!」 体を捻り、大きくふりかぶる!! HW仮面M:「ブリザードワルツ・マキシマム!!」 その360度の一振りは、上空にいた兄貴も、地上にいた弟も一瞬にして捉え、 彼らの胸板に大きく傷を付ける! そうして、華麗に着地するハロウィン仮面をよそに、兄弟は仲良く地面に叩きつけられた。 HW仮面M:「今のは序章です・・・さぁ、私をもっと気持ちよくして!楽園へ誘ってください!///」 ブレイクD:『くっ・・・こんにゃろう』 バウンスD:『ただの変態だと思っていたが・・・・・・想像以上だぜ。戦闘能力も、性癖も、 HW仮面M:「ふぅううっ///・・・・・・アブノーマルだなんて、今の私には褒め言葉にもなりませんよ?♪」 ブレイクD:『ん?・・・・・・くっくっくっ、良い事を思いついたぜ。おい変態』 HW仮面M:『変態じゃありませんよ、雌犬と呼んでください・・・///』 バウンスD:『それもどうかと思うぜ・・・』 ブレイクD:『知るかよ・・・お望み通り、“放置プレイ”でもさせてやるよ』 ヒュッ!! HW仮面M:「なッ・・・!?」 どこからか飛んできたクナイに身体を持っていかれ、数十本のそれによってハロウィン仮面の身体が駄菓子屋の壁に磔にされてしまった。 HW仮面M:「うぅっふぅっ!?///・・・・・・良いですね、ちょっと飛びそうでした///」 それでも余裕そうなのはやはりドMだからか。 しかし、兄の矛先は彼女ではなく・・・ ブレイクD:『いつから見ていたんだか知らないが・・・・・・俺たちTOTの裏を知った奴に、命は無いぜ・・・!!』 と、あらぬ方向にクナイをもう一本投げつける。 それはストンと良い音を鳴らして・・・・・・ 『あわわっ!?』 ・・・・・・影の傍観者を誘き出した。 HW仮面M:「えっ・・・・・・・・・・・・!?」 見たことのある顔だった。 茶色いボサっとしたセミロングに紫色の瞳。 ハロウィン仮面の頭も、途端に冷めて――――― HW仮面M:「る・・・か・・・さん?」 瑠華:「え・・・??」 バウンスD:『あーあ・・・運の悪い奴だぜ、なぁ兄貴?』 HW仮面M:「くっ・・・な、何で、どうしてこんな所に・・・!?」 瑠華:「・・・わ、私、私は、この駄菓子屋を守りたかっただけ・・・! ここも、サっちゃんズのみなさんに連れてきてもらった、思い出の場所なんです・・・。 だから、ここを守るためならお布団だって脱ぎます!」 いつものグータラな姿も吹き飛ぶほど、今の彼女はどこか勇ましいように見えた。 ついうっかり、涙まで・・・ HW仮面M:「瑠華さん・・・あなた・・・」 瑠華:「それにしても・・・どうして私の名前を知っているんですか・・・?」 ブレイクD:『話は後にしてもらうぜ・・・続きはゆっくり、天国でしておけ。弟よ!』 バウンスD:『おうよ!』 再びボール状になった弟と、再び腕をハンマーに変えた兄。この流れは・・・ HW仮面M:「あれはBB爆弾・・・・・・瑠華さん、ダメ、逃げてぇええええええええええ!!!!!」 ブレイクD:『もう遅ぇええええええええええええええ!!!!!!!』 バウンスD:『吹っ飛んでおっ死ねええええええええええ!!!!!!』 兄のハンマーが弟ボールを先程より強く叩き、弟は豪速球と言わんばかりにターゲットを狙い撃・・・・・・ HW仮面M:「だめえええええええええええええええええ!!!!!!!!!」 ―――――しかし、おかしい。 ―――――音が、しない。 不思議なくらい、何も音がしない。 辺りに砂埃が舞っているが、ただそれだけだ。 ブレイクD:『やった・・・・・・のか?』 ・・・・・・数瞬経って、 バウンスD:『ぐあああああああああ!?』 弟ボールが悲鳴を上げて跳ね返ってきた!! 兄に当たる前に擬態を解除し、弟がその場に転げ回る。 HW仮面M:「・・・・・・え?」 ハロウィン仮面は驚愕していた。 自分がドMの変態淑女であることも忘れて、ただひたすらに、目の前の事が信じられなかった。 砂埃が晴れる。 そこから、妖艶に光る紫の瞳。 「すこし、おもいだせました」 微かに聞こえるその声。 瑠華?:「私も・・・・・・やるべき事があったみたいです・・・・・・ふふっ///」 その表情は、先程までの眠たそうな顔から一変して、妖艶に笑みを零すまでになった。 例えるならそう・・・・・・『痴女』。 そうして、彼女が取り出したのは・・・・・・ ≪【-H-】ELLOWEEN≫ ブレイクD:『なん・・・だと!?』 バウンスD:『俺たちの他にも・・・ガイアメモリを持つ人間がいたのか・・・!?』 月夜に光る黄色いガイアメモリと、いつの間にか装着されているロストドライバー。 彼女は、大きく深呼吸し、吐くように、 瑠華?:「変身・・・・・・」 ≪HELLOWEEEEEEEEN!≫ メモリをドライバーに突き刺し、起動する! 瑠華の身体は銀色の風に包まれ、一瞬にして、今壁に磔になっている彼女を超えた、 妖艶で美しい、『真の』戦乙女を降臨させる! Dシホ:「あ・・・あれは・・・!!」 遅れて現場にやってきたドクトル☆シホと初代の初穂も、その光景にちょうど出くわす。 初穂:「あれ・・・何だよ!?あれはまるで・・・・・・“ハロウィン仮面”じゃないの・・・!?」 Dシホ:「2年前まで、この街をTOTから救っていた英雄・・・ そして、あたしが作っていた『ハロウィン仮面』シリーズの、全てのモデル!」 初穂:「はァ!?」 Dシホ:「あたしは彼女を・・・勝手にだけど、ハロウィン仮面Xと呼んでいるわ」 ブレイクD:『そうか、思い出した・・・こいつ、2年前に俺たちの親父たちのグループを壊滅させた・・・魔少女だぜ』 バウンスD:『なんだと・・・あれが俺たちの・・・仇か!!!』 HW仮面X:「さぁ立ちなさい、私の顔に泥を塗る気?」 見る見るうちにクナイが取り外され、ハロウィン仮面Mはモデルたる彼女に身体を抱きかかえられた。 HW仮面M:「瑠華さん・・・あなた・・・///」 HW仮面X:「さぁ、共にイきましょう。今年もTOTを、駆逐するのです!」 HW仮面M:「・・・・・・はい!!」 ブレイクD:『親父の仇ィイイイイイイイイイイイイ!!!!!』 バウンスD:『おんどらぁアアアアアアアアアア!!!!!』 兄弟も。仇を打たんと発狂した頭で2人のハロウィン仮面に特攻を仕掛ける! しかし、2人の戦乙女は、なおも妖艶な笑みを浮かべるばかりで・・・・・・ HW仮面X:「行きますよ、マイシスター」 HW仮面M:「はい・・・お姉様!」 今、ハロウィンメモリがドライバーから抜き取られ、右腰のホルスターにセットされる! ≪【-H-】ELLOWEEN MAXIMUM DRIVE≫ ≪MAGIC SELECT≫ HW仮面M:「パワー・・・マキシマム!!」 ≪STRENGTH MAXIMUM≫ 2人の足が閃き、同時に上空に舞い上がる! HW仮面X:「ハロウィン・エクストリーム!!」 HW仮面M:「マキシマム・ハロウィンライダーキック!!」 2人の鋭いキックは兄弟の土手っ腹を大きく打ち抜き、 ブレイクD:『おとうとぉおおおおおおおおおおお!!!!!』 バウンスD:『あにきぃいいいいいいいいいいい!!!!!』 大きく爆発して、降ってきた2人のメモリは空中で崩壊していった・・・・・・。 【REFORMATION COMPLETE】 優子:「・・・ふぅ」 実を言うと、瑠華が出てきた辺りからあまりの出来事に脳が混乱を起こして、脳内麻薬がストップしていた。 そのおかげで、奇跡的にも自分の意志で行動出来たし、自力で変身解除も出来た。 二度と変身するもんかと誓いつつ。 優子:「あの・・・瑠華さん・・・なんですよね・・・??」 そう話しかけると、『本物の』ハロウィン仮面はクスリと笑って、 HW仮面X:「私は、以前のTOTとの戦いの影響で記憶を亡くしていました。 今でさえ少し取り戻しましたが・・・たぶん明日には元通りです」 優子:「そう・・・ですか」 HW仮面X:「・・・どうやら、記憶を亡くしている間にお世話になったようですね。ありがとうございます」 優子:「いえ・・・その・・・」 HW仮面X:「私はまた記憶を亡くしてしまうかもしれません・・・またしばらく、お世話になっても・・・」 優子:「・・・はい、もちろんです!」 HW仮面X:「・・・・・・ありがとうございます、誇り高き、私のマイシスター」 そうしてまたニコッと笑うと、彼女は屋根に飛び上がって・・・・・・ Dシホ:「待って!ハロウィン仮面!!」 ギリギリの所で、シホが呼び止めた。 Dシホ:「あなたは2年前まで、この街でTOTと戦ってきた戦乙女・・・・・・ あたしはあなたの大ファンで、あなたを追い求めるため・・・いや、あたしは・・・・・・ あなたみたいになりたかった!だから、『ハロウィン仮面』を創り出した!」 初穂:「お前・・・じゃあなんで私や彼女に・・・」 Dシホ:「そっ・・・それは・・・まだ実験段階だったから・・・」 初穂:「私たちはモルモットかっ!?」 HW仮面X:「くすっ・・・ありがとうございます。でも、私になりたいと思っちゃいけません。 私のこの身体はもう・・・『変態淑女』というキーワードには収まらないくらい酷いですよ?」 Dシホ:「だがそれがいい!!」 HW仮面X:「おもしろい人です・・・いじめたくなっちゃう・・・いやいじめて欲しいかも・・・迷っちゃうな・・・/// 来年また会える日まで、どうされたいか考えておいてくださいね?///」 初穂:「おいおい・・・本物って・・・両方いけるんかい・・・」 優子:「あはははは・・・・・・;;」 そうして、彼女は姿を消した――――― 【Final】 ―――――11月1日、朝の9時。 優子:「食後のデザートに、カボチャのゴマ団子を作ってみました! 昨日のカボチャが余ったので、挑戦してみまして」 瑠華:「本当ですか〜?おぉ、おいしそう・・・ですね・・・じゅるっ」 布団が恋しいのか、さっきまで被っていた布団をひざ掛けにして、瑠華は目の前のデザートに目を輝かせていた。 ところで、昨晩帰ってきてみると、瑠華は自宅のドアの前で寝息を立てていた。 そこからベッドに運ぶまでが重労働だったのだが、今となっては良い思い出の一部だと優子も思う。 加えて、彼女が起きてみると、彼女は夕べの記憶を全て失っていた。 優子自身も昨晩瑠華が出てくるまでの記憶がすっぽり抜け落ちていたが、考えるだけ恥ずかしくなりそうだったので止めておいた。 でも、それで良かったのかもしれない。 全部、ハロウィンの思い出として心の片隅にでも置いておけば、十分だった。 優子:「そうだ、瑠華さんが言っていた駄菓子屋さん、私も連れていってくれませんか?」 瑠華:「うーん・・・・・・うん、行きましょう〜♪あの感触、あなたに教えようと思いますよ〜?」 優子:「はい、楽しみです♪」 瑠華:「・・・・・・その前に、もうちょっと寝ても?」 優子:「・・・・・・はいはい;;」 だって、前よりももっと彼女が好きになった気がするんだもの。 Dシホ:「・・・さーてと、来年に向けて、ハロウィン仮面のシステムを改良するわよ!」 初穂:「もう止めとけよ・・・本物出たんだろう?」 Dシホ:「いいえ!あたしのスピリッツは燃えたぎっているわ! あたしがハロウィン仮面になれるまで、頑張ってみせるわよっ!!」 初穂:「ハァ・・・・・・勝手にしてくれい」 【Super Extraordinary Masked-Helloween “M”】 Thank you very much for reading! <特報?> ??:『フゥーッハッハッハッハッハッ!!!』 ??:『えっ?私が誰かって?何で知らないの!?意味わかんない!!』 ??:『・・・・・・って、名乗ってないんだから当たり前か』 ??:『私の名は、堕聖人・ジャッコ☆ランターン!TOT総首領の、ジャッコ様よ!』 JOL:『今年のハロウィンは、私たちTOTがこの世のお菓子を支配するべく大活躍するわよ!』 JOL:『おまえら――!!言うこと聞かないとジャッコ様のおやつにしちゃうぞ――!!!!』 沙凪:『させるかボケぇええええええええええ!?』 L-R!×@びっくり! 4年ぶりのコラボ?新作! 良緒:『み、みなさぁん!!大変ですっ!!』 始穂:『いろんなパラレルワールドのハロウィンが・・・!?』 帆希:『この世界に・・・?』 アリス:『割り込んできたァ!?!?』 JOL:『フゥーッハッハッハッハッハッ!!!ジャッコ様のおやつにしてやろうか――!!!』 沙凪:『そんなことはさせない!!行くわよ!』 『GET SET MASKED HELLOWEEN』 『Z-EXCELSIOR SET UP』 【MAXIMUM MAKE UP】 『KAMEN-RIDE HELLOWEEN-KAMEN』 ≪HELLOWEEEEEEEEN!≫ 『HELLOWEEN ON! READY?』 【HELLOWEEN PLEASE!】 『カボチャ! LOCK-ON!』 明里:『ここは・・・・・・・・・ど、どこ?』 < L-R!×@びっくり!×D's スーパーハロウィン大戦・OVERBLAST! > ― 2013 HELLOWEEN? ― ※諸注意 ・投稿時期は未定ですが、これをやるために今回の話をリバイバル投稿しています。 ・嘘予告にはならないと思いますが、気長にお待ちくださいますよう。 ―――――そう、夢か現実か――――― ―――――そう、居るか居ないか――――― ―――――そう、存在するか否か――――― ―――――そう、それは、嘘か、真か――――― 再び現代に現れるアンデッドたち。 消えていく仲間たち。 現れる新たな戦乙女たち。 彼女たちの周りに渦巻くのは、真実か、虚偽か。 『邪魔だけは・・・してほしくありません。センパイ』 『アンタも・・・あたしの闇に飲まれちゃいナ!!』 『もうやめてください!こんなの・・・あなたらしくない!』 『いいだろう。我が相手になる・・・・・・守護神を舐めるな!!!』 『聞こえなかった?Get out quickly, little girl?』 『いーっぱい、遊んであげるんですぅ・・・・・・♪』 『ちょっくら・・・倒しちゃおっかなっ・・・☆』 『・・・・・・アンタは私が倒すってわけ、お分かり?』 『目を覚まして・・・そんな嘘・・・聞きたくないよ・・・!!』 『沙菜さんが嫌って言っているんです・・・・・・わたくしも、容赦はしませんよ?』 『久々に・・・・・・昔の自分を思い出せそう・・・かも?』 『あたしは先に進む・・・・・・アンタを倒してでも!!』 『あくまでマイスターの邪魔をするならば・・・・・・申し訳ないですが、容赦するつもりはありません』 『私信じてるよ・・・・・・ナギー君のこと』 『あなたが・・・あなたが私の母様を・・・!!』 『アンタ・・・・・・まさかアイツの・・・・・・!?』 嘘が嘘を呼び、それらが真実を生み出す。 虚を 激情版・LEANGLE-REVERSE!−Truth in the Lie− サヨナラ、アイカワハツホ――――― 『凪介ぇえええええええええええええええええ!!!!!』 ――― 01 REMOVE = Round × Reverse ――― ――― November 3rd 2013 START!! ――― ――― Do you wanna ENCORE REVERSE? ――― |
HICKY(Reformed by sui7kumo) feat.GG
2013年10月14日(月) 22時57分03秒 公開 ■この作品の著作権はHICKY(Reformed by sui7kumo) feat.GGさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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