激情版・LEANGLE-REVERSE!-Truth in the Lie-【01】
Suina.nakumo a.k.a HICKY presents


原案(嘘予告):LEANGLE-REVERSE! AFTER-REVERSE-STORYS!! Written by ゲロロ軍曹様









――― 激情版・LEANGLE-REVERSE! ―――




――― Truth in the Lie ―――

























――――――――――オネエチャン・・・オネエチャン



――――――――――ナガレナガレテ・・・ドコマデモ



――――――――――ソンナニオネエチャンヲモトメテイルノ?



――――――――――ダッタラ、カナエテアゲル



――――――――――ワタシニ、テヲカシテクレサエスレバ



――――――――――テトテヲトリアッテ、マジワッテ



――――――――――コンドハ、コンドコソハ





――――――――――オネエチャン・・・オネエチャン







姉さん、私は――――――――――














――― 01 REMOVE = Round × Reverse ―――














温泉旅行から5日経った、ある夏の昼下がり。


街から少し離れた火葬場の煙突から、ゆらり、ゆらり、煙が天にのびていく。

それを、学生服姿の凪介は、火葬場の入口から外に出て、静かに見上げていた。

沙菜:「・・・・・・ナギー」

凪介:「・・・・・・どうした?」

背後から聞こえる声に、凪介は振り向かずに答える。

振り向いても良かった。
でも、どうしてか、そんな気になれない。

天に向かっていくそれから目を離す事を、どうしてか憚られた。

沙菜:「始穂ちゃん、もう少ししたら戻ってくるって。ボク、咲耶ちんと帆希ちゃんとでロビーにいるから」

凪介:「・・・・・・分かった、すぐ行くよ」




――――――相川修造、享年、63歳。



発見された時点では、腹はえぐられ、顔がおびただしい血で真っ赤に濡れていたと言う。
監視カメラの映像によれば、


得体の知れぬ、白い化物


に一瞬にして命を握り潰される様が残っていたそうである。



始穂も始穂だ。

温泉街から帰り、搬送された西園中央病院の慰霊室から漏れてきた悲痛の泣き声は、
凪介たちメンバーも思わず耳を塞いだほどだ。

聞いていると、彼らまで泣き出しそうで。

しばらく立つことすら出来なかった始穂も今ではどうにか回復し、気丈に喪主を務めている。


そろそろその始穂も戻ってくる時間かと見計らって、凪介は踵を返しロビーに・・・・・・


ロビーに―――








ジリリリリリリリリリリリリッッ!!!



凪介:「はッ!?」

突然フロアー中に鳴り響くサイレン。
どこかで煙でも漏れ、火災報知機でも反応したか?


・・・・・・しばらくして、そのサイレンも止まり、軽くヒヨった凪介も落ち着きを取り戻す。



バァアアアアアンッ!!



その瞬間、遠くにあったホールへの入口が爆風と共に吹っ飛んだ!!


凪介:「・・・・・・・・・・・・え?」


急すぎて落ち着きを取り戻していた頭も追いつかず、凪介の目も白黒するばかりで。

沙菜:「ナギー!!」

するとそこに、ロビーで待機していた制服姿の3人もかけつける。

凪介:「何だよアレ!?」
沙菜:「分かんないよボクだって・・・」
咲耶:「でも、只事では・・・」
帆希:「あっ・・・始穂ちゃん!始穂ちゃんは大丈夫かなっ!?」


ビリッ


咲耶:「うくっ!?

突然、咲耶の身体に電撃にも似た痺れが走る。

沙菜:「・・・咲耶ちん?」
咲耶:「今の・・・何ですか・・・??」



≪すまない、それは我だ≫



声と共に、咲耶の背中から赤い風が舞い上がる。
それを振り払い、中から出てきたのは、巫女服を翻した、真紅の髪の“咲耶”。


クワガタのアンデッド―――ダイヤA・スタッグビートルアンデッド、サクラ。


咲耶:「『我だ』って・・・それどういう・・・?」
サクラ:≪気配を感じた。一万年前にも似た気を感じた事がある・・・来るぞ!


その途端、扉がふっとんだホールから炎が歩いて出てきた・・・・・・・

否、それは決して、単なる炎では無かった。


それに包まれているのは・・・・・・赤い身体のアンデッド!


サクラ:≪間違いない、ファイアフライアンデッドだ・・・ダイヤのカテゴリー6≫

沙菜:「カテゴリー6!?」
帆希:「なんか・・・すっごい燃えてるねっ・・・あはは・・・」
咲耶:「ほぼ全てのアンデッドが解放されたとは言え・・・こんな時に出なくても・・・!」

凪介:「ちょっと・・・アイツ、なんかこっち見てねえ?」

炎に包まれながら、そのオレンジ色の眼光は4人をしっかりを見据え、なお一層燃え上がらせる。



≪CHANGE RIDER CHALICE≫


≪SP ONE DRAGONFLY FLOAT≫




??:「ハァアアアアアアアアアアアア!!!!!



と、凪介たちの間をスレスレで通り過ぎ、アンデッドへ飛んでいく黒い影!

隙を突かれたアンデッドは飛んできた顔面キックを避け切れずよろけてしまう。
しかしそのまた隙を突かれ、黒い影の回し蹴りが顔面へまともに直撃し、遠くの防災ガラスに叩きつけられてしまった。
ものの数秒の出来事。

そしてその黒い影は4人の方へ向いてニッコリと、


カリスII:「お待たせっ☆」


凪介:「始穂・・・!?」


しかし、振り向いた先の4人は、一番離れていた帆希を除いて腰を抜かしていた。

帆希:「始穂ちゃんってば、お茶目なことをするねっ?」

沙菜:「お茶目ってレベルじゃ・・・・・・」
咲耶:「あわわわ・・・・・・」

カリスII:「何よだらしないわね・・・・・・帆希ちゃん手伝って。一気に畳み掛けるよ」
帆希:「ほいきた!」

唯一腰を抜かしていなかった帆希がポケットから取り出したのは、メタリックシルバーの定期入れ――もとい、ライダーパス。
呼応するかのように、彼女の腰にスロットドライバーが装着され、挿入口を開けて待ち構えている。


帆希:「いっくよーっ!変身っ!!


≪CHANGE RIDER STEILE≫


ライダーパスがスロットドライバーに差し込まれると、ライダーパスに登録されたこれまでの戦闘情報・環境情報がインストールされ、
装着者が身にまとうライダークロスの上に装甲として装着され、0.896秒で彼女たちは『仮面ライダー』に変身する!


これが、始穂と帆希、そしてもうひとり・・・・・が一時的に持っていたはずの新たな力、II(ツヴァイ)シリーズである。

葬式が優先されて依然としてバックルの封印が解かれていない今、現存する戦闘力は2人のこの力しか残されていなかった。


沙菜:「あれが・・・この前ナギーが言ってたやつ?」
咲耶:「みたい・・・ですね」
凪介:「あぁ・・・まさか、こっそりあんな事をやってたとはね」


D6:「グガガガ・・・・・・」

軽く脳震とうを起こしながらも、ユラリと立ち上がるアンデッド。
だが時既に遅し、2人の戦乙女にすっかり包囲されていた。

カリスII:「さて、観念してあたしに封印されなさい?」
ステイルII:「始穂ちゃん、封印出来るの?」
カリスII:「うん?・・・・・・フフ、抜かりは無いわよ?余ってたコモンブランクは常に携帯してたから」
ステイルII:「さっすが始穂ちゃんっ!」


D6:「グゥゥ・・・・・・ガァアアアアアアアアアアアア!!!


いきなり雄叫びを上げるや否や、アンデッドはその身を燃焼させ一気に火炎風をまき散らす!

カリスII:「うぉあっ!?」
ステイルII:「わああ!?」

間一髪で間合いを広げたものの所々火を受けてスーツが焦げていた。

ステイルII:「あちっ!あちっ!?ふーふーっ」
カリスII:「びっくりさせないでよこの火ダルマ!?」

D6:「・・・・・・ケッ」

アンデッド語は人間には理解できないが、それ抜きにしても、明らかに、2人を嘲笑っている。

カリスII:「上等じゃない・・・!」

対するカリスの目元もピクピク引き攣っていた。
それを遠くから観戦するしかない3人は・・・

凪介:「大丈夫か・・・あいつら?」
沙菜:「まぁ・・・・・・大丈夫だよ!だって、相手も普通のアンデッドだよ?」
サクラ:≪我には全く大丈夫には見えんがな?≫
咲耶:「サクラさんってば・・・」



??:「いいえ、全然ダメです



そこへ、遠くから様子を伺っていたデバイス無し組を横切る影。
黒髪のショートヘアで、背は帆希と同じくらいか。
彼らを見もしないようにサラリと過ぎ去り、始穂たちが戦っている先へと向かってしまった。

凪介:「・・・ってちょっと!そっちは危ないって!?見たら分か・・・」

??:「見て分かります。あの方達・・・・・・負けますよ?」

凪介:「なッ!?」
沙菜:「始穂ちゃんたちが負けるとでも!?


??:「・・・あなた方は、ここからすぐに離れてください。でないと、死にますよ?先輩たち・・・・


そう背中を向けながら冷たく言い放つと、ポケットから何かを取り出して・・・・・・


シュルルルルル・・・・・・カシンッ


胴を這うように彼女にベルトが装着されるのがはっきり見て取れた。

咲耶:「ベル・・・・・・ト?」
沙菜:「へ?・・・・・・え??」


凪介:「ちょっと待てよ・・・・・・そんな馬鹿な・・・!?」


??:「・・・・・・変身」



ROUSE UP






D6:「グガァアアア!!


なお一層燃え広がる炎風は、依然として2人のHPを削り続けていた。


ステイルII:「始穂ちゃん・・・これじゃどうにも・・・!」
カリスII:「あたしがアイツを惹きつける!帆希ちゃんはその隙にレイヴで・・・」


ドファッガガガガガガガガガガガ!!!


その時、別の方向から光矢が無数にアンデッドに突き刺さった!


D6:「グガァ!?

ステイルII:「な、何っ?」
カリスII:「誰!?」


そこに現れたのは、その場にいる誰もが知る由もない人物だった。


オレンジと白を基調とした装甲バリアスーツにオレンジ色の髪と翼。
アンデッドに向けていたその左腕には、ガントレット型の円状盾が備わっていた。
その盾は今、縁が左右に展開されて弓のような形になっている。

盾に接続されている円状のモールトが施されたバックルは、まるでカリスラウザーのそれにそっくりで・・・・・・

カリスII:「あれ・・・どこかで・・・?」

??:「一撃で仕留めます。そこの方々、伏せてください。巻き添えになりますよ?」

そう言い放ちながら、右腰のラウズバンクらしきものからカードを3枚取り出し、左腕の盾弓の上部に差し込まれたバックル=ラウザーユニットのスリットに通す。


HOMING

BRIGHT

PHANTOM


SHINY KANON


ステイルII:「えっ・・・今の・・・ラウズカード?」

カリスII:「それにしたって・・・あんなカードあった!?」


そうこうしている内に彼女の弓から大きな光矢が発射され、アンデッドに・・・・・・


D6:「グッ・・・・・・ギ?」




――――――咄嗟に防御体制に入るアンデッドの前で、その矢は姿を消した。




ステイルII:「あれ?」

カリスII:「・・・・・・あっ!?帆希ちゃん伏せて!!

ステイルII:「うぇええ!?


始穂が何かに気づいて帆希ごと地面に伏せる。


そう、その瞬間を、彼女は見てしまった。


最初の光矢は、幻――――――正体は、アンデッドをドーム状に囲む無数の光矢!!


そして無常にも、彼女の指パッチンを合図に、


パチン!


ズガガガガガガガガガガガ!!!!!


D6:「グガァアアアアアアアアアアアア!?!?


無数の矢に串刺しにされたアンデッドは、悲痛の叫びも虚しく小爆発を起こし、
彼女が投げたラウズカードに封印されてしまった。



??:「・・・・・・ダイヤ6、エンドロール



そう呟きながらカードをラウズバンクに戻すと、彼女は踵を返して帰ってい・・・


凪介&カリスII:「「ちょっと待(っ)てよ!?」」


間一髪のところで2人が彼女を挟むように引き止める。
しかし、振り向いた彼女はその感情をも悟らせないポーカーフェイスで・・・

??:「・・・・・・まだ何か?」

凪介:「アンタ・・・何なんだ?」
カリスII:「誰だか知らないけど・・・さっきのカードはBOARDの管理物よ?こっちに渡して!」

??:「BOARDの管理?・・・その管理も出来ていなかった結果が今の状況では?」

カリスII:「うっ・・・・・・と、とにかく、あなた、何でラウズカードを持ってるの!?」

??:「このカードは、今は私たちが・・・・管理しています。あなた方のように見す見す手放すような真似はいたしません」


そう言い放ち、再び入口から出て行こうとするその少女は、出る直前にもう一言・・・・・・


??:「これは忠告です。アンデッドの封印は今後私たち・・・が請け負います。
    ですが・・・あくまでマイスター・・・・の邪魔をするならば・・・・・・申し訳ないですが、容赦するつもりはありません




――――――――――――――――――――――――

――――――――――――

――――――




始穂:「なによおおおおおおおあの女ァアアアアアアアアア!?


アヤメ:≪シホー!落ち着いてー!?


家に帰るなり、始穂は思いの丈を自分の抱き枕に八つ当たりしていた。

一度全員始穂の家に集合になった。
今回の件と、今後どうするかを話しあうためだ。もちろん、あの謎の戦乙女の件も含めて。

だが、始穂があんな状態なのでなかなか始めることが出来ず、凪介たちも始穂の部屋の前で手を拱くしか無かった。

凪介:「まぁ、あんな事があっちゃあなあ・・・・・・」
沙菜:「八つ当たりしたくなるのも分かるなぁ・・・」
帆希:「始穂ちゃんのアレはしばらくしたら治るよ。たまーにあるから、ああいうのっ」
沙菜:「さすが上の階の住人さんだね、慣れてる」

咲耶:「それにしても・・・・・・あの子、一体何者なんでしょうか?」


始穂:「フーッ!フーッ!・・・・・・ふぅ」


しばらく抱き枕をフルボッコにした後、やっと始穂の顔に落ち着きが戻ってきた。

沙菜:「あ、やっと落ち着いた?」
始穂:「まぁね・・・・・・もう平気。じゃあ、とっとと作戦会議始めるわよー」

そして何事も無かったかのようにニッコリ笑って、沙菜、咲耶、帆希の3人の背中を押してリビングに行ってしまった・・・・・・。

凪介:「とっととって・・・アンタ待ちだっつーの」

取り残された凪介の口からもため息が漏れる。


しばらくして、社長の秘書たちがアタッシュケースを持ってやってきた。
三つ子なので顔はそっくりだが性格は三者三様。

セツ:「よう!待たせたな!」

長兄のセツはテンションの高いムードメーカー。

ゲツ:「皆さん、お集まりですか?」

男装麗人のゲツは3人の中で一番冷静沈着でプロフェッショナル。

ハナ:「やっほーみんな、グーテンタァークッ!おっ待たせ〜♪」

末妹のハナはやんちゃでちゃきちゃき娘。


ゲツ:「指示通り、持ってきましたよ。全てのデバイスを」

3人は始穂に頼まれ、荒れ果てたBOARDから全員分のバックル+αを持ち出してきたのだ。
一応封印こそされていたものの、襲撃の際にその封印も破られ、ラウズカードのほとんどが解放されていたのだが・・・。

今テーブルの上で全てのアタッシュケースが開かれ、5人が思い思いに馴染んでいたはずのバックルを取り出す。

咲耶:「また・・・戦わなきゃいけないんですね」
沙菜:「こうして見ると、前は持っているのが自然だったのに、今じゃちょっと不思議な感じがするよね・・・」
始穂:「こんな事がなきゃ、あたしだってそう思ってたわよ・・・で、ラウズデータバンクの方は?」

ゲツ:「一応再調整も終わりましたから、連動しているアンデッドサーチャーも通常通り動くはずです。
    そして、今手元にあるラウズカードなんですが・・・・・・」

そう言って、ゲツがポケットから数枚カードを出し、テーブルに広げる。


『SPIRIT HUMAN』

『BITE COBRA』

『MAGNET BUFFALO』

『SCOPE BAT』

『MISTY ARIES』


始穂:「えっ・・・・・・これだけ!?


テーブルの上には、一人一枚ずつ、たったの5枚しか無かった。

ゲツ:「正確には、始穂様たちが持っていらっしゃるAのカードと絵札のカード、そして『REVERSE』、
    それらを加えて、全部で16枚です」

帆希:「これはまた・・・あははは・・・;;」
沙菜:「地味に単品じゃどうにもならないのが残ったね・・・」
咲耶:「この中で一応まともに戦えるのは・・・」

始穂:「残念ながら、ここにいるユルバカ野郎です」

そう言いながら、始穂は隣にいたユルバカのほっぺを人差し指でグリグリ突いた。

凪介:「何だよその言い草!?」

始穂:「ともかく!カードに関してはもうちょっと状況を調べる必要があるけど、
    それよりもまず、これを見て欲しいの」

すると、始穂は持っていた資料を一枚ずつ丁寧に並べ、全員に見えるように準備する。
それは設計図のようなもので・・・・・・

沙菜:「・・・・・・あれ?これって」
帆希:「どっかで・・・・・・見たような・・・・・・?」


咲耶:「これは・・・あの謎の仮面ライダーの?」


始穂:「そう、あのベルト、あの盾弓、全て、カリスのシステムの元になったものよ。
    いわば、プロトタイプね。道理で見たことあると思ったのよ。形はちょっと変わってたけど」


それを表現するかのように、設計図では、バックルのマークも、盾の形もハート型だったらしい。

セツ:「ほう・・・そうだったのか・・・じゃあ、何でその・・・謎のライダーが?このシステムを?」
ゲツ:「恐らく、襲撃された際に持っていかれてしまったのでしょう。保管していた部屋はまるごと焼かれていましたし・・・。
    このデータは仮BOARDにあったバックアップデータから引き抜いたものですが、襲撃の際、原本はBOARDにあったはずですから」
沙菜:「プロトタイプなんてあったんだね!」

ゲツ:「一応、ステイルを除く全てのシステムに、プロトタイプは存在します。
    もちろん、ブレイドにもギャレンにも、レンゲルにも。完成品が出来た際にほぼ破棄寸前でしたが・・・。
    これはあくまで、カリスの・・・・プロトタイプです」

沙菜&帆希:「「へぇー・・・」」

凪介:「あんたら、実は言うほど良く分かってないだろ・・・?」

咲耶:「じゃあ・・・あの謎のライダーは・・・BOARDの襲撃と何か関係が・・・?」

始穂:「十中八九、そうでしょうね・・・・・・」


咲耶の考えも鋭く、始穂もただ、先程の戦いを思い出しながら苦虫を噛み潰したような顔を浮かべていた。




――――――――――――――――――


――――――――――――


――――――




とあるホテルの一室。



そこには、先程火葬場に現れたあの黒髪ショートの少女がベッドで横になっていた。
ただじっと、天井を見つめながら。


??:≪大丈夫ですか、マイスター・・・・?≫


そこに、彼女に瓜二つで、髪色はオレンジ、同色を基調としたメイド服を見にまとった少女が風と共に現れる。
背中にはオレンジの翼。

彼女の身体は、透けていた・・・・・


??:「うん・・・平気。ちょっと疲れただけ」

マイスターと呼ばれた少女も、ただ天井を見つめながら答えるばかり。

??:≪この所アンデッドとずっと戦い続けていましたから・・・≫

??:「・・・うん、今日は代わってくれてありがとう、レン・・

??:≪でもそれは!優ちゃん・・・・が疲労を圧して現場に行こうとしたからで≫

??:「うん・・・分かってる。でも・・・」


少女はゆっくり立ち上がり、そばにあった紙パックのいちご牛乳を一口飲むと、大きく伸びをして・・・


??:「私は平気だよ・・・もっと強くならなきゃいけないし。そうしないと・・・目的も果たせない」

??:≪目的も重々承知の上です・・・でもわたくしは、優ちゃん・・・・も心配で・・・!!≫

??:「ありがとう、レン・・。でも、これは決めたことなんです。後戻りなんてしない。
    わたしには・・・やらなきゃいけないことがあるから・・・」



コンコン!



と、急にどこからかノック音が。


??:『やっほー。元気してるかナ?


どこからか、別の女の声が聞こえてくる。


??:「その声は・・・・・・あなたですか、ゼルス・・・


どうやら窓の外から声が聞こえるようだ。


ゼルス:『見てたよ、さっきの戦い。すごかったナ!カテゴリー6とはいえ、一撃で仕留めるとは

??:「・・・それが、どうかしたんですか?あなたの用事は、そんな事では無いはずでしょう?」

ゼルス:『まぁナ。シスターがお呼びだよん。明日の夕暮れ、いつもの所

??:「シスター・・・フィルジッヒですか。結局あの人は何者なんですか?」

ゼルス:『知っても無駄なことだと思うナー。というか、アンタは目的さえ果たせばどうでもいいんじゃなかったん?

??:「・・・・・・えぇ」

ゼルス:『じゃ、伝えたからナ!ちゃんと来いよナ!


・・・・・・それから、彼女の声は聞こえなくなった。


??:≪・・・・・・私、あの方は少し苦手です。どうにも掴めないと言いますか・・・≫

??:「いいんです、気にしなくても。あの人はただの操り人形・・・・・・・だから。ちょっと、シャワー浴びてきますね」

??:≪・・・はい≫






―――シャワーに身体を濡らされながら、私はいつも考える。


―――私のしていることは、本当に母様に通じる道なのかどうか。


―――母様が居なくなったあの日から、私は、狂ってしまったのかも知れない。


―――手に入れた力は、この為に使うもの?


―――そう運命で決まっているなら、私はどうなったって構わない。


―――これが例え、過ちだったとしても。





母様、私は――――――――――――









翌日。


暑い日差しの昼下がり、凪介はFLANKの入口の木陰でアイスを食べていた。
FLANK、過去に仮BOARDがあったビルの1階に入居しているゲームセンターである。


昨日の今日とはいえ、展開が急すぎて整理がてらぶらぶらしていたが、
結局、彼の中ではちゃんとした結論は出せなかった。


??:≪どーしたのよ?そんな干し芋みたいなだらけ顔になっちゃって≫


そこに、緑の風をまとって凪介の背後からチャイナ服のお姉さんが飛び出してきた。

緑の髪をイカリングのように束ね、霊態とは言えども凪介の首に後ろからあすなろ抱きをしつつニヤニヤしている。

その顔は、かつての彼の変身した姿――『相川初穂』と瓜二つだった。


蜘蛛のアンデッド―――クラブA・スパイダーアンデッド、カエデ。


凪介:「暑いだけですってば。二重の意味で」

カエデ:≪暑さなんて吹っ飛ばしちゃいなさいよ!男の娘でしょ!≫
凪介:「・・・今、不思議な違和感があったんですけど?」
カエデ:≪え?///・・・・・・そ、そうかな?いやぁね、私お手製のスパイスジョークだってば☆≫

凪介:「・・・・・・・毎度元気ですこと」


暑さでめんどくさくなったか、凪介もカエデのジョークに皮肉交じりに応答する。


カエデ:≪・・・まぁ、ナギー君が元気ないのも分かるけど・・・ね?昨日の今日なわけだし?≫

凪介:「カエデさんの事だから、おちゃらけてオレに元気出させようとしたんでしょうけど・・・。
    オレは大丈夫ですよ、自分の役割くらい、自分で探せます」


そして、アイスの棒を近くのゴミ箱に放り投げると、凪介は再び宛ても無く、てくてくと歩き出していった。

凪介:「もう昼過ぎか・・・ご飯どうしよう」
カエデ:≪あ、商店街に新しいパスタ屋さん出来たらしいの、行ってみたいなー?≫
凪介:「パスタねえ・・・」



プルルルルルルルルルッ!!




しかし、無常にもけたたましくサイレンが鳴り響いた。


カエデ:≪ナギー君!

凪介:「仕方ない・・・昼飯はお預けってことで」


ポケットから取り出したのは、小型のアンデッドサーチャーだった。


UNDEAD APPEARANCE!

SOUTHWEST 753m



行ってみると、コンクリートだったはずの地面に複数ヶ所穴が空いていた。

幸い人通りも疎らで被害は無かったようだが、これ以上増えられたら追加被害は免れない。


カエデ:≪コンクリートに穴・・・・・・ねぇ・・・ひょっとして、モグラか何か?≫
凪介:「カエデさん、たぶんそれだ」

カエデ:≪へぇ〜!面白いじゃない!だって確か・・・≫



C3:「ギガァアアアアアアアアアア!!!



外の気配に気づき、穴から一体の怪物が飛び出してきた。

それは正しくモグラを依拠するような姿で、彼にとっても思い出深いアンデッドだった。


クラブのカテゴリー3、モールアンデッド。柳田凪介が、初めて一人でアンデッドを封印した時の相手である。


凪介:「・・・道理で懐かしいと思った。じゃ、とっととやりますか」


ショルダーバッグからレンゲルバックルを取り出し、バッグを道端に一旦放る。
ポケットから2枚のカード、


『CHANGE SPIDER』

『REVERSE SNAIL』


2枚のカードをレンゲルバックルに装填。
独りでにバックルからベルトが伸び、瞬時に凪介のウエストにジャストフィットする。


凪介:「久しぶり・・・って訳でもないけど、一つだけ言っておくよ」


左手をバックルに添え、右手で顔を覆い、目を瞑る。


意識を集中し、今―――



凪介:「去年のオレとは段違いってこと・・・見せてあげるわ・・・・・・・変身!!




―――解き放つ!



OPEN UP



バックルから緑と白のフィールドが同時に飛び出し、瞬く間に彼の体をすり抜ける。

白のフィールドで彼の身体そのものに変化が訪れ、追って緑のフィールドが飛び出す。

緑のチャイナドレスをベースに、装甲とバイザーが彼女・・に融合。


今まさに、戦乙女、深緑の道士が再燃する!


C3:「ギッ!?」


レンゲル:「さあって・・・アンタをじっくり、ナギってあげる!はァッ!!」


彼、柳田凪介は人造カテゴリーA『REVERSE SNAIL』の適合者である。

このカードを使用しない限り、『仮面ライダーレンゲル』はこの世に存在し得ない。
何故なら、『REVERSE SNAIL』に封印されてしまったある少女の姿・・・・・・にならない限り、
クラブA『CHANGE SPIDER』に適合出来ないからだ。


彼は、戦う力を、『女性になってしまうこと』を代償に得ているのである。


背中にマウントされた醒杖・レンゲルラウザーを素早く外すと、地を蹴り、真っ直ぐアンデッドの身体を捉え、ラウザーの刃を突き刺す。


C3:「ウグァ!?

レンゲル:「ハァアアアアアアアアアア!!!


勢いは止まらず、アンデッドは宙を浮きながらラウザーに押し圧され、
アンデッドをそのまま奥の塀に叩きつけた。

崩れる塀にレンゲルは一旦間合いを離す。
しかし、アンデッドの姿は忽然と消えていた。突き刺してぶつけ飛ばしたまま、塀の向こう側にいたはずだが・・・?


C3:「ガァアアアア!!!


背後上空からアンデッドの声!
塀に当たった後、地下に潜って背後に回ったらしい。

だが、レンゲルにとってもそれは経験済み・・・・だった。


カエデ:≪ナギー君!!

レンゲル:「はいはい・・・・・・見え見えなのよっ!!


ダガーモードにしていたレンゲルラウザーを一気に引き伸ばし、先端の一本刃をクラブの形のトライデントへと変形。
すぐさま後ろを向き、斜め上にアンデッドを再び貫く!

・・・そこまで来ると、もはやリーチの勝負。
アンデッドのドリルがレンゲルラウザーの長さに勝てる訳も無く、返り討ちに遭い、無残にも地べたに倒れ落ちた。

カエデ:≪ナイス、ナギー君!≫
レンゲル:「んじゃま、これでトドメ」

ラウズバンクから、ただ1枚、残っていたラウズカードの中で唯一攻撃力があったカードを取り出す。


VITE


クラブ5『VITE COBRA』。


一気に上空に飛び上がったレンゲルは、アンデッド目掛けて素早く二段キックを繰り出す!


レンゲル:「でぁああああああああああ!!!!!


C3:「グギュァアアアアアアアアアア!?


小爆発を起こしたアンデッドのバックルが割れ、レンゲルが持つブロパーブランクによって封印されて行く。


クラブ3『SCREW MOLE』。


カエデ:≪さっすがナギー君!カテゴリー3相手に反撃も許さないなんて!≫

レンゲル:「まぁ・・・腹、減ってるんで」


ぐー。


カエデ:≪気持ちは分かるけど・・・そこまで本気だったなんて・・・≫

レンゲル:「さぁて、昼飯でも食べに行きましょう・・・・・・ん?」


と、数分後にやってくるはずだったご飯のことを考えていた矢先、彼女の背後へ、誰かが近寄ってくる。


??:「やっと見つけました・・・・・・仮面ライダーレンゲル、柳田凪介・・・・


レンゲル:「え・・・・・・ぇええ!?」


振り向いた先には、黒髪ショートの女の子が立っていた。


普通にしていれば可愛らしい顔立ちみたいだが、今はそれを感じさせないほどその目は、獲物を見つけた獰猛な動物のように鋭かった。


その少女は、まさしく火葬場に突然現れた、あの―――――


それよりも、何故、彼女の正体を知っているのか・・・・・・・・・・・・・・・・?


レンゲル:「あなた・・・火葬場にいた、あの仮面ライダー?」


??:「自己紹介がまだでしたね・・・・・・初めまして。私の名前は、優子・・・・・・諸星優子・・・・です」


レンゲル:「もろぼし・・・確かそれって・・・」


彼女は朧気に思い出していた。

それは、始穂と帆希から、アンデッドを封印した後の戦いを聞かされた後に聞いた話。



『初穂・・・あたしの妹を養子に迎えた後、自分たちも子供をもうけてたのよ・・・。
 でも本人も夫も2人とも会社の重役だったし、子供は親戚筋に預けられてたみたい。妹が知らないわけね・・・・・・えっと、確か名前は・・・・・・』



レンゲル:「じゃあ・・・アンタ・・・・・・まさかアイツの・・・・・・!?」



優子:「・・・お察しの通り、私は、諸星遥香・・・いえ、天王寺遥香の・・・・・・です」


少女は火葬場の時と同様、ポケットから何かを取り出した。

それは、デザインこそ違っていたものの、話に聞いた『カリスのプロトタイプ』。
ラウザーユニットと思われるそれを腰に添えると、それに沿うかのようにベルトが装着される。


次いで、取り出したカードを・・・


優子:「・・・変身」


ラウズ!


ROUSE UP


そのカードを前方に投げると、ラウザーユニットから発せられた橙色のフィールドがそれを吸収し、
彼女の身体を、火葬場の時と同じ、オレンジ色の戦乙女に変貌させる!


レンゲル:「なッ・・・!?」


??:「あなたが私を『仮面ライダー』と仰るなら、私もそれに倣いましょう。
    私は・・・・・・セルデ・・・。仮面ライダー『セルデ』


レンゲル:「せ・・・・・・るで?」


セルデ:「例えるなら・・・そう・・・・・・『黄昏の復讐者アヴェンジャー


レンゲル:「アヴェ・・・ちょ、ちょっと・・・・・・!?」



セルデ:「私の目的は最初から・・・・・・母様を殺した・・・あなたへの復讐!!!







―――――― Going To Next Act ――――――




――― NEXT LEANGLE-REVERSE! ―――




――― 02 CERDE = Crack × Crisis ―――




<Do you wanna ENCORE REVERSE?>
HICKY(Reformed by sui7kumo) feat.GG
2013年11月03日(日) 15時14分52秒 公開
■この作品の著作権はHICKY(Reformed by sui7kumo) feat.GGさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
■4年4ヶ月(最初の予告から)


長い時を経て、ついに『激情版』本格始動です!


ぶっちゃけた所、何話で終わるか現状不明です。。(エー

一応、第4話までは出来ているんですけどね。。
もうちょい書き溜めが出来たら第2話の投稿になるかと思います。

またしばらく時間が開きますが、何卒ご了承をば。




■レンリバ!ってなんやねん


このケイジバンで2006年1月から2008年5月まで投稿をしていました、
全61話、『仮面ライダー剣』を原案とした半オリジナルSSです。

また、レンリバのアフターストーリーとして2009年2月まで投稿していた、
『@びっくりそうだんしつ!→side:B→』。

この2作品のアフター、且つ、『完結編』が今回の『Truth in the Lie』になります。

『劇場』版、もとい『激情』版です。


2作品については、小生の個人サイトに掲載していますので、
もしご興味ありましたら『sui7kumo.com』でググっていただければ、と。



■ゲロロ軍曹さん


レンリバ連載の頃から、小生のSSを小生の個人サイトの方で応援してくださっていた方です。
(不思議なことにこのケイジバンには一度も書きこんでませんでしたね。。)

今回の激情版の原案としてご紹介いたしました『AFTER-REVSERSE-STORYS!!』。
こちらをレンリバを原案として書いて下さりました。

その時のメインキャラクターが、諸星優子ちゃん=新ライダー、仮面ライダーセルデでございます。


『AFTER-REVSERSE-STORYS!!』そのものについては、その投稿サイトが元々特撮×ネギま!の毛色が強いサイトでしたので、
ここでそのまま使用するのはケイジバンの特性上出来ません。
そのため『原案』とし、優子ちゃんのキャラをお借りすることで実現した計画が『激情版』です。


当時もいろんな設定の話をさせていただき、交流もあったのですが、
(先日の『ハロウィン仮面M』もその一つ)
小生が多忙やメンタルその他もろもろでSS書きから離れてしまって、今はどうしているものやら。。


そういった経緯が有り、これまでの敬意を表すため、クレジットとして『feat.GG』をつけての投稿と相成りました。



■新キャラ?


ゼルス? さて、誰でしょうねえ?


フィルジッヒ?  さて(ry



次回はディーズの第4話でお会いいたしましょう。アリーヴェデルチ!

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