仮面ライダーワルキューレ Mission19 |
Mission19「乙女心とダイエット」 それは、6月、梅雨も明けていよいよ夏真っ盛りになろうとしていた頃のこと。 翠「・・・・・・・あれ?」 ボクは自分自身の異変に気づき、思わず声をあげる。鏡に映る自分の姿をふと見る。太ももや腰あたりに以前よりも肉がついているように見えるのだ。 袖を通したばかりの夏服が小さく感じる。 翠(・・・や・・・やばい・・・・・これはかなり・・・やばいヨ・・・) 全身から冷汗が噴き出し、顔色が見る見る血の気を失っていく。 真墨「ただいま。書類整理と校内の見回り終わった・・・・おわっ!!わ、わ、悪い!!」 お兄ちゃんが部屋に入るなり慌てて部屋から出ていく。しかしボクは逃がすまいとお兄ちゃんの手をとり、力強く引っ張りボクの元に引き寄せる!なぜかお兄ちゃんは顔を真っ赤にして腕を払おうとするがボクは離さない! 翠「お兄ちゃ――――――――――――――ん!!!!ぼ、ぼ、ボク、太ったのかなあ・・・?」 真墨「は、はあっ!?太ったって・・・どうしてそう思うんだよ」 翠「こっち見て話してよ―!!どうも夏服キツくてさ、腰回りとか太ももとか、ヤバくないか―!?」 真墨「見れるわけねーだろっ!!お前下着姿じゃねーか!!そんな下着姿でリビングにいるんじゃねーよっ!!」 翠「いいじゃん、そのくらい!!他の男の人だったら恥ずかしいけど、お兄ちゃんだったら・・・・別にいいもん///」 真墨「俺がよくね―ヨっ!!!お前だって年頃の女の子なんだから羞恥心持てや!!」 翠「だからお兄ちゃんだからいいって言ってるじゃん!!」 真墨「意味分からねえよ!!つーか、太ったかって聞かれたってお前・・・・」 (太ってないって言ったって、こいつ一度思いこんだら人の話聞きやしねえもんな。かと言って太ったって引導渡したって泣いて暴れるし・・・・どうせいよと!?) 真墨「・・・あ〜、その、なんつーかよ、お前胸大きくなったんじゃねえ?」 翠「ほへ?」 真墨「だからよ、成長期だろ?それで・・・その、背のびたとか、胸が大きくなったとか、そういうことじゃねえの?」 (もうヤケクソだ。ドン引きされようが嫌われようがこんな事態からはよ逃げたい) 翠「・・・そうか・・・胸が・・・身長が大きくなったのかあ・・・・」 お兄ちゃんから言われた言葉を聞いて、自分の胸を見て、思わず嬉しくなってくる。 ボクが笑顔を浮かべていると、お兄ちゃんが気まずそうに顔をそむけている。 翠「はっ、そ、そんなこと言って誤魔化されないんだからねっ!!もう、お兄ちゃんたらそんな女を手玉に取るような気障なセリフがボクに通じると思うてか!!」 真墨「バカかテメェは!?いつ誰が女を手玉にとるような発言かましたか!?」 翠「いいから先生に正直に言いなさい!!ボクは太ったか!?太りましたか!?実際に触ってつねって検証してみーや!そして真実を告白するのです!!ついでにボクへの愛の告白も!!兄妹の垣根を超えた禁断の世界へと旅立つために一歩踏み出せぇえええええ!!」 真墨「頭から煙噴き出してパニックになって訳分からないこと言ってるんじゃねえ!!!お前頭正気じゃねぇだろ!!!落ち着け−−−−−−−−−−−−−っ!」 その時だった。 香澄「大友翠!今日という今日こそ積年の恨みを果たしに参りましたわ・・・!!」 この時、香澄の視界に見えたものは。 下着姿の翠に押し倒されて迫られている真墨。どう考えたって「SYU★RA★BA♪」である。香澄の何かが「ブチン」と音を立てて切れた音がした。表情が凍りついたまま見る見るどす黒いオーラが全身から吹き出し、瞳から光が消え失せ、虚ろな瞳には憎悪や悲しみ、殺意というものがありありと伺える無表情に変わり、長い髪の毛が波打って浮き上がっているように見え、見る見る鬼のような形相に変わり、不釣り合いな唇の端を上げて歪んだ笑みを浮かべている。香澄が一歩、また一歩静かに翠たちに迫ってきている。その度に真墨の顔が「ムンク」の「叫び」のような顔に変わっていく。 香澄「・・・・マスミ、アナタタチ、ソウイウ関係デシタノ・・・・?アナタダケハ、ワタシヲ、ウラギラナイッテ、シンジテイタノニ・・・・・ユルセナイ・・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・・ユルセナイ・・・・・ユルセナイ・・・・ユルセナイ・・・」 真墨「やめろバカ!!!どう考えたってどう見たって俺は無実じゃ―−−−−−−っ!!だからそんな悪夢に出てきそうな恐ろしい顔で近付かないで!!というかどこから取り出したんだそんなバカデカいナタは!!!どこのひ●らしだ!!!綿●しは、●流しはやめて―−−−−−−−−−−−っ!!!」 香澄「翠翠翠翠翠翠翠翠翠・・・・殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!斬って縛って叩いて焼いて潰して嬲って折って徹底的に徹底的に徹底的に殺すぅううううううううううううううううううううううううう!!!」 翠「今取り込んでるんだ、邪魔するなぁああああああああああああああ!!」 香澄「死ね、死んでしまえええええええええええええええええええええ!!」 真墨「ちょっ、待て、お前ら、俺を挟んで、喧嘩、というか殺し合いするな、ギャッ、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!」 リビングの扉が締め切られ、翠の渾身の力を込めたパンチと憎悪と怨念を込めた香澄のパンチを両側から挟みこむように直撃を受けた真墨の叫びがゴングとなり、部屋中のものがけたたましく壊れる音、そして香澄の憎しみに満ちた怨念の叫びと翠の絶叫が響き渡るカオスな地獄が繰り広げられ、その地獄のような光景を扉から響き渡る絶叫と騒ぎから恐れて近づけない瑛子と美子が茫然と見ていた。 瑛子「・・・・真墨、生きて出られるかな?」 美子「・・・・無理だと思う」 瑛子「というか、もうこうなっては誰にも止められまい」 美子「・・・無力な私たちを許して」 二人の友人は親友であり思い人である真墨の最期を確信し、もう今の自分に出来るのは合掌して来世での幸せを祈るのみと判断したのであった・・・。 真墨「だずげでぐれ―−−−−−−−−−−−−・・・・ガクッ(気絶)」 結局数十分後、エリザベートが止めに来た時には、翠と香澄の攻撃のほとんどをとばっちりで食らいまくり、血の海に沈んだ真墨とボコボコに叩きのめされた香澄の無残な姿がリビングで横たわっており、部屋中のものが飛び散り、窓ガラスが割れ、壁には穴が開きまくり、壊滅状態と化したリビングと我に返り茫然と立ち尽くしていた翠の姿があったそうな。 真墨「・・・・・全くこれで何度目の保健室だよ」 霧子「だ、大丈夫ですか・・・?」 霧子に絆創膏を貼ってもらい、手当てを終えた真墨が全身の激痛に顔をしかめながら呟いた。そして、傍らで正座してうなだれている翠と香澄をにらむ。お互いの首には「喧嘩しません」「暴走しません」というプラカードがぶら下がっている。 真墨「・・・というか、お前ら喧嘩しないと会話すらできないわけ!?」 翠・香澄「「全部こいつが悪い!!」」「「それはこっちのセリフだ!!」」 もはや一言一句同じ、そしてもう交渉の余地がない状態。真墨は頭を抱える。 香澄「まあ、貴方のような貧相というか一見すると小学生と間違われかねない身長は小さいわ胸はもはやあるかないかわからない大平原のような胸では、真墨も振り向かないわよねえ」 翠「誰が小学生だよっ!!人が気にしていることを!!お前みたいに栄養が全部胸にいって、肝心の脳みそ空っぽじゃないんだよっ!!」 香澄「誰の脳みそが空っぽですってぇ!!」 翠「毎日毎日やられているのに学習能力もなくボクに勝負を挑んでくるところだっ!!」 そして再び向かい合い今にも掴み掛らんとしたその時だった! 二人の手を同時にとり、それを逆手にひねりあげて二人の動きが止まる!! 翠「へっ?い、いででででででででで!!」 香澄「あたたたたたたっ!!す、菫谷さんっ!?」 そう、それは霧子だった。霧子は目につかないスピードで二人の背後に回り、お互いの手を取り、見事な関節技を決めて動きを封じていたのだ。その鮮やかな動きは全く見えなかった。一瞬真墨の近くを、“風が吹き抜けたような感覚”がして、目にも止まらない動きだったのだ。しかしその時、わずかだが霧子から、黒い靄のようなものが噴出し、それが風のように彼女の全身を取り巻いていたように見えるのだ。 霧子「・・・・二人とも?もうその辺にしてください。お二人の争いのせいで真墨様が怪我をされてしまったのですから、いい加減ご自重なさいませんこと?」 ぎりぎりと手首を締め上げて今にも折らんとばかりにひねりあげて、翠と香澄が悲鳴を上げる。真墨も驚きで目を見開いたが言葉を失った。 香澄「わ、わかりましたわ!!いたたたたたたた!!ご、ごめんなさい!!」 翠「も、もう、やらないよっ!!あいたたたたたたたっ!!」 霧子「・・・・そうですか?分かりました。ですが今度やろうとするなら・・・折っちゃいますからね♪人を傷つけるための手なんてもげてしまえばいいのですし。私も、そんな手荒なことはしたくありませんわ。そうなる前に分かっていただけて・・・よかったですわ」 思わずぞっとするような言葉をいつものように柔らかい微笑みを浮かべて言い放つ霧子。そのほほえみに、真墨までもが戦慄して凍りついた。今、翠と香澄がもし意地を張り続けていたら、間違いなくその手を折ろうとしていた。そしてそれを笑いながら実行しようとする彼女の行為に、狂おしいゆがんだ感情が見え隠れしており、翠も香澄も言葉を失って顔を青ざめさせていた。しかし霧子はそんな様子にも気にすることなく、会釈すると保健室を出て行った。 真墨「・・・・・何だよ、アイツ・・・・」 翠「・・・・・怖かった・・・・・・」 香澄「・・・・あの子、笑いながら人の手を折ろうとしていた。繚乱会はあんな物騒な人をなんで置いてますのっ!?」 翠「ぼ、ボクだって、知らないよ・・・・。というか、今はやめておこう。もし霧子さんの言っていることがマジなら・・・・」 香澄「・・・え、ええ・・・・・」 保健室を出て、女子トイレで手を洗い、鏡を見る。そして霧子は静かにほほ笑んだ。いつもの柔らかい微笑みではなく、狂気を感じさせるゆがんだ笑み。瞳には底知れない闇が広がっておりその奥に冷たくぎらついた光が宿っていた。 霧子「・・・・争いのない平和な世界を作る。その為には、争いのもととなるものを、全て・・・排除すればいい。それが、正義の味方のすべきことなんですよね?シスター・サヤカ・・・・ウフフフフ・・・・そう・・・・・“僕”は・・・・正義の味方に・・・選ばれたのですから・・・ウフフフフ・・・・フフフフフフ・・・・」 熱病にかかったようなとろける瞳で、誰もいないトイレに、まるで誰かがいるように語りかけるように独り言をつぶやき、霧子は静かにほほ笑む。そしてポケットからあるものを取り出した。それは・・・・銃のパーツのようなものだった。その中には、赤いカブトムシのメダル、紫色のコウモリのメダル、そして朱色の見たこともない翼竜が刻まれたメダルがはめ込まれていた・・・! その頃。 とある事務所ではセント・ローゼリア学園に通う現役高校生ファッションモデルの【茂手木美奈子】が、【超高校級の演出家】と呼ばれ、天才高校生演出家として業界で活躍している【白季光理】に詰め寄っていた。彼女の仕事は多岐に渡り、最近は夏に丸一日かけて放送されるテレビ番組のドラマ部分の撮影、及び毎朝八時頃に放送される連続ドラマ小説においての演出を手掛けていた。そして今回はこの夏に上映される大人気携帯小説を実写化した映画「今ドキッの女子高生恋愛日記」の演出面を手掛けていた。そして茂手木はその役者のオーディションに参加したが、落選をしてしまったのだ。その中の審査員の一人が光理だったのだ。彼女はどうやらこの結果に納得がいかないらしい。 美奈子「これはどういうことよっ!?どうしてパリコレにまで参加したことのあるこの私が落選で、他のイモのような女の子が採用なのよ!?」 光理「ですから、今度の映画ではいまどきのどこにでもいる、普通の女子高生からの視点や取り巻く環境とか、むしろ素人に近いほうがより原作のイメージに近いんです。そこを考慮して、幼稚園のころから雑誌モデルとして活躍されていて、パリコレや世界中のファッションショーに出演されている大人気の茂手木さんじゃ原作とはイメージが違うというか、今回はほかの監督さんやスタッフとの話し合いの結果、今回は縁がなかったということでして・・・!」 美奈子「この、世界一美しくて可憐でスタイル抜群の美少女ファッションモデルの!茂手木美奈子がわざわざ主演でなくてもいいからとお願いしているのよ!?本来なら主演でも務まるくらいだわ!!それが主演どころかエキストラにも入っていないですって!!?今回の映画のスタッフはどいつもこいつも目が節穴なの!?もういいわっ!!もうあんたの所には仕事は頼まないから!!」 通知書を光理にたたきつけて、美奈子が怒り狂って部屋から出ていく。 事務所から出ていき、しばらくすると彼女は突然動きが止まり、具合が悪そうに吐き気を催すように口に手を添えて、ビル近くの公衆トイレの中へと駆け込んだ。 その様子を見ていた、シエルが一人ほくそ笑んだ・・・。 美奈子「何よアイツ。今に見てなさいよ。この私が本気になれば、あんなしょぼい映画潰してやるんだからっ!!私が世界一美しい、これからもずっとモデル界の女王として君臨するのよ!!これからも永遠に美しく、あり続けてやる・・・!!」 シエル「・・・・随分とまた強い欲望だね。今回は期待できるかな?さて、君の欲望、どれほどのものか見せてもらおうか・・・!」 シエルがセルメダルを美奈子のうなじに投げ込む。そして美奈子の周囲に水柱が吹き出しみるみるその姿を異形の姿へと変えていく・・・・!! そしてトイレを出るとそこにはアベルが立っていた。 アベル「新しい宿主を見つけたのか?」 シエル「ああ。もうそろそろケリつけないとね。これ以上戦いが長引いたらジリ貧は確定。あいつらが新しいライダーを見つける前に叩き潰しておかないとね」 アベル「カブキのヤツ、俺たちに何も言わないで出て行ったかと思えば、あんなボロボロになって・・・!これも俺たちが不甲斐ないせいだ!!あいつら、絶対潰す!!」 シエル「これ以上やられていたら、ゼロも黙ってはいないからね。今度ばかりは本気で行くよ・・・!」 アベル「今回はこいつも使わせてもらうぜ。どうせやられるならこれ使って何か起こるとしてもこのままよりはマシだ・・・!」 翌日の早朝。 翠「ということで!!ボン・キュッ・ボンなナイスバディを目指して!!ダイエットすることになりましたっ!!!」 蘭「なりました―――――――っ!!」 朝6時。イエイとハイタッチをして、翠と蘭が大いに盛り上がっていた。その近くでは眠そうにしている朱美と茉莉、さらに霧子といった繚乱会のメンバーが揃い、そして満身創痍といった全身包帯と絆創膏だらけの真墨がジャージ姿で立っていた。ここは学園内にあるトレーニングセンター。広大な学園内に設けられたスポーツジムのような設備が整っている建物である。 翠「目指せボン・キュッ・ボン!!最初から徹底的にクライマックス!!第1回絶対失敗してはいけないダイエット塾――――――――――――!!!」 朱美・蘭「「イエ―――――――――――――――イ!!」」 真墨「・・・・何だよそれ」 茉莉「深くは突っ込んじゃいけないでしょ」 霧子「ア、アハハハハハ・・・・・」 翠「ルールは簡単!!これからトレーニングセンターの中で数々のトレーニングマシンを用いたアトラクションをクリアしなくてはいけません!!もし!!クリアできなければ!!とんでもない罰ゲームが待っております!!」 茉莉「というか、こんなことのために朝6時から起こされる時点で何かろくなこと起きないって話でしょう」 翠「見事このトレーニングセンターでのアトラクションを見事失敗しないように一日を乗り越えて、健康的なナイスバディを手に入れましょう!!」 蘭「OK!失敗したらとんでもない罰ゲームが待ってるぜ!!覚悟はいいかい!?」 翠・蘭・朱美「「「イエ―――――――――――――――――――イ!!!」」」 もう嫌な予感しかしない。トレーニングセンターがもう茉莉、真墨には悪魔が待ち受けている処刑場にしか見えない。 翠「それでは、スタート!!」 そういって、先にドアを開けようとするが真墨が制する。 真墨「待って。こういうのって、何が起こるか分からない。だから、先に俺が様子を見る。お前ら、後に続けよ」 何が起こるか分からない状況において、ついいつものくせで仲間たちを守りに回してしまった真墨。そして入口を開く。すると、下駄箱があり、それを抜けると昇降口に入り、長い廊下に入った。一見何もない。真墨は赤じゅうたんが敷き詰められた長い廊下に足を踏み込んだ・・・その時だった。 ウィ〜ン・・・ウインウインウインウイイン!!!(廊下が急に後ろに下がりだす音) 突然真墨の視界が横に流れだし、なんと廊下がルームランナーと化しものすごい速さで真墨が流されていく!! 真墨「だあああああああああああああああああああっ!!?」 真墨が思わず踏ん張る!しかし突然壁が開き、巨大な扇風機が飛び出すとものすごい回転をして強烈な風を放出する!!その風に耐え切れず、真墨がよろめいて転げまわる!! 真墨「ぎゃああああああああああああああああああああ!!」 そしてそのまま後ろにあるドアが開き、その中にあった巨大な浴槽の中に落ちた!! 真墨「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!」 中には熱湯が入っており落ちた直後、悲鳴を上げて飛び上がり、浴槽から這い出して床に転がる真墨の無残な姿があった・・・!! 翠「廊下全体がルームランナー!!急いで走りスイッチを押さないと扇風機で吹き飛ばされて後ろにある熱湯風呂に落ちる!!超デンジャラス・ルームランナー!!その名も・・!」 そこへアスカが飛び込んできた!! アスカ「明日をつかむために走れ!!ビクトリーロードである―――――――っ!!!途中でくじけて倒れたものには熱湯地獄という罰ゲームが待ち受けているのであるっ!!」 茉莉「あんたか、こんなバカなもん作ったの!?」 蘭「これ面白そう!!ボクやってみたいぞ!!アンタセンスあるじゃん、気に入ったよ!!」 アスカ「フハハハハハハ!!ボクのマッドで美しい芸術的発明が分かるとは愛いヤツよのお!!可愛がってやろう!!!もっと褒めたまえ!!たたえたまえ!!!この天才的なマッドサイエンティストの!!ドクタァアアアアアアアアアアアアア!!シェオロを『死ねやバカヤロ――――――――――――ッ!!!』ごぺぱあっ!?」 真墨が飛び出し、アスカの頭部にローリングソバットをかまして吹き飛ばす!! 真墨「殺す気か!殺す気かあ!?おいこら!!!」 茉莉「ダイ(die)エットとは、本当に命かけているってネタは笑えないんですけど?」 霧子「・・・でも、身体は鍛えられそうですねえ」 朱美「・・・そりゃあね。これだけやればいるだけで身が細る思いでしょうし」 そういって、朱美がトレーニングルームの部屋を開ける。全員ちゃっかり真墨が倒れて、ルームランナーが止まっている間に急いで移動していた。真墨も満身創痍の体を引きずって、文字通り腹ばいに移動して這ってきた。 真墨「お前ら本当にいい度胸してやがる・・・・!!」 その時だった。 朱美「きゃああああああああああああああああ!!」 朱美が悲鳴を上げる。見ると、部屋中の床がトランポリンとなっており、踏み込んだ瞬間天井高くまで飛び上がり、ポンポンと空中を舞うように飛び跳ねている朱美がいた!! アスカ「ふむ、これはジャンプ力を鍛えるための、一室床張りの超強力トランポリンであるな!!天井にはぶつからないようになっておるぞ!!体操部の連中がトランポリンの競技で鍛えるための部屋じゃ!!ちなみにここでは3分以内に部屋の奥の解除ボタンを押さないと・・・・!」 朱美「あっ、これ!?」 朱美が押すと、部屋の床が戻り、朱美がしゃがみこむ。そして朱美が出てきた。 アスカ「さすがは学年最高位の運動神経の持ち主であるな」 朱美「それほどでも。それで?どうなるのかしら?」 その間に真墨が入っていった。そして、アスカがスイッチを取り出す。 アスカ「こうなるである」 スイッチを押すと、突如天井に蜘蛛の巣が張られて真墨がくっついたまま動けなくなる!!そして、蜘蛛の巣から無数のクモ型メカが飛び出し、真墨の体に入り込んでいった! 真墨「や、やめっ、キャハハハハハハハハハハ!!!ヒーッヒーッ!!!く、苦しい、ギャハハハハハハハハハハハハハ!!アハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」 体中をくすぐられて真墨がじたばたと逃れられない状況で爆笑していた。その光景を見て、全員が絶句する。 翠「・・・・蜘蛛は怖いからやだな」 茉莉「そういう問題か!?」 蘭「アハハハ、でも、なんだか楽しそうだね!!」 朱美「そうね。特に真墨が悲惨な目に遭っているから、もう最高!」 真墨「殺すぞ、テメェ・・・!!アハハハハハハハハ!!!ゲホッゲホッ・・・」 霧子「あらあらまあまあ・・・」 茉莉「・・・あ〜、アタシトイレ行ってくる」 そういって、こっそりと茉莉が抜け出した。むろんトイレなわけがない。トイレに行くふりをして体育倉庫から出て、そのままトレーニングセンターから足早に立ち去った。 茉莉「あのままじゃ真墨がブチキレて大暴れ、ダイエットは中止、あいつらも懲りるでしょう。もう付き合ってられないって」 その時だった!! 茉莉の持っているデバイスが反応したのだ!!この近くにヤミーが出没したのだ!! 茉莉「チャンスだね。といっても一人じゃ無謀だね。武田さん、上杉さん、呼ばないと」 茉莉が移動する!その様子を、静かにみている人物がいた。それは・・・霧子であった。 霧子「・・・・まさか、茉莉様も?」 騒ぎは繁華街で起きていた!!ショッピングモールで買い物をしていた買い物客たちは突然の来訪者に慌てふためき、パニックとなって我先に逃げだし、込み合っていた。そしてエビヤミーの槍から放たれる泡を受けてショッピングモールが次々と破壊されていく!! そして逃げ惑う客の中に若い女性の姿があった。それを見ると、エビヤミーが女性の前に立ちはだかり、胸ぐらをつかんで動きを封じた!!そして右手から泡を吹きだすと、彼女の顔が見る見る真っ白になり、やがてその顔から何か光るものを取り出し、それを飲み込んだ!! 茉莉「やってくれてるね・・・!」 瑛子「はあああああああっ!!」 瑛子が刀を抜いて切りかかる!!エビヤミーが退き、人質を無事抱き上げると後ろに追いやり蹴りを繰り出す!! 美子「大丈夫ですか!?きゃああああああああああああああ!!か、顔が!!」 茉莉「どうしたの!?」 茉莉があわててその女性の顔を見ると、何と真っ白な仮面を取り付けられたように顔がなくなっているのである!! 茉莉「アンタ、一体何をした!?」 エビヤミー「この世界で一番美しいのは私。この世界のほかの女性はその美貌をすべて私に捧げるのよ。そして私は永遠の美貌を手に入れる。これさえあれば、世界中のだれもが認めて平伏し、虜にできる!!」 つまりこのヤミーは女性を襲い、美貌や顔を奪ってそれを自分の美しさに取り込んでいるのである!! 瑛子「最悪だな。自分が美しくありたいばかりに人を襲うか。この下郎が!!」 美子「茉莉ちゃん!瑛子ちゃん!!来るよ!!」 茉莉「行くよ!!」 3人が横に並び、それぞれ変身アイテムを取り出して構える!! 「「「変身!!」」」 茉莉の姿が仮面ライダーテティスに、そして瑛子が仮面ライダーファング・ライムフォーム、美子が仮面ライダーファング・シェリーフォームに変身する!! テティスが飛び出し、テティスドライバーで攻撃を繰り出し、さらにライムフォームがライムスラッシャーで切りかかっていく!!その間、シェリーフォームが屑ヤミーを切り裂きながら逃げ惑う市民たちを安全な場所まで案内していく!!人気のなくなったショッピングモール、エビヤミーが長槍を振り回し、ライムフォームとテティスの攻撃をかわしながら泡を発射して翻弄する!!泡は受けると爆発する!!泡をよけるが、ショッピングモール内のものが次々と破壊されていく!! エビヤミーは超硬度の甲冑をまとい、攻撃などびくともせず、槍でさらに攻撃を繰り出していく!! ライムフォーム「かなり硬いな・・・!だが!!この一撃で砕いてやる!!」 ライムスラッシャーを構えてセルメダルを3枚投入すると、金色の光が3枚の刃に宿り、まぶしい光を放つ!!そして一気に駆け出し、光の弾丸と化したライムフォームが突進し、大振りで力強い一撃を放った!!斬撃を受けたエビヤミーは吹き飛ばされる!!さらにそこへメルクの力で強化された槍を突出し、エビヤミーがたじろいだ!!すると背後から無数の赤いどくろの形をした悪霊が弾丸のように発射されて、それが直撃し、エビヤミーが悪霊によって動きを封じられる!! シェリーフォーム「動けないうちに宿主を!!」 テティス「OK!」 その時であった。 突如前から赤い光弾が数発発射され、それがエビヤミー、ライムフォーム、テティスに直撃し大爆発を起こした!!予測していなかった攻撃に全員が吹き飛び、たじろいだ! テティス「な、何・・・!?」 ライムフォーム「・・・誰だ!?」 エビヤミー「・・・・ぐっ・・・・!!」 すると、光が差し込んでいるショッピングモールの奥から、足音が聞こえてくる。そしてその人物がようやく姿を現した・・・。 赤を基調とする翼竜の中でも最大級の大きさと凶暴さを持つ・ケツアルコアトルをイメージしたアーマーと仮面に身を包み、バイオレットの妖しい光がアイライトに灯っている。そして手にはライフル型の武器が構えられていて、無慈悲な銃口をこちらに向けている。そう、まるで自分が狙撃したといわんばかりに。そして、テティスたちの前に現れると、銃口を向けたまま、もう片方の手で十字を切るしぐさを取る。 「エイメン」 そして一気に銃口から無数の火炎弾を発射してきた!!火炎弾は当たると大爆発を起こして、エビヤミーが直撃を受けて吹き飛んだ!!さらに次々と銃弾を発射してテティス、ライムフォーム、シェリーフォームに襲い掛かっていく!!灼熱の火炎弾の猛攻にもはやよけるのが精いっぱいだが、正確無比な射撃は彼女たちのアーマーを直撃し、容赦なく破壊していく!! テティス「きゃああああああああああああああああ!!」 ライムフォーム「うわあああああああああああああああ!!」 シェリーフォーム「きゃあああああああああああああ!!」 3人のライダーのアーマーの所々が爆発し、呼吸さえもできなくなるほどの激痛が全身を襲う。しかし動けなくなった3人にもその謎のライダーは容赦なく銃口を向けた。とどめを刺さんとばかりに。その瞳にはもう迷いもなく明らかに彼女たちを殺そうとしていた。 そのライダー・・・【仮面ライダーディオネ】は無慈悲かつ非情な処刑を執行しようとしていた・・・!! 続く |
鴎
2014年01月08日(水) 20時01分48秒 公開 ■この作品の著作権は鴎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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遅くなりましたけど、小説感想を出させてもらいます! ……と、その前に、前回の話の感想への返信の返信をさせてもらいます。 シャナツネ 「……アスカ嬢。流石に全力で危険な実験への“協力”は拒否させていただく!!」 明久(電王) 「……普通、誰だってモルモットにされることを拒否するって(苦笑)」 雪奈 「暁(F)君の判断力は凄いですね。嫌の状況になっていたとはいえ、それでも自分の頭を冷静にし、どうするべきかを判断するのは本当に凄いと思います♪」 クリス(アスレイ) 「そうですね♪ ……できれば、その辺りを恋愛のことにも活かして欲しいものです……」 クロキバT世 「……霧子殿のヤバイところが色々と出てきたのが、今回の話というわけか……。確かに誰かを犠牲にして平和を齎そうとする時点で、【ヘブン】or【ワルキューレ】の暁や翠とは相容れぬものだ。 『神代 聖』に育てられたという様子でもあるし、彼女の危うさが気になってくる……。本当にどうなってしまうのやら……」 カグヤ 「平和を齎す為に、戦争の原因と言えるものを何もかもぶっ壊していくっていうのはあまりにも短絡的すぎるものね。霧子さんにとっての“絆”ってなんなのかしら?」 翠(アスレイ) 「……【ワルキューレ】の僕のブラコンレベルが高くなっているってこと!? 並行世界の本人である僕としては、色々と恥ずかしいよ……///」 イージス 「香澄嬢の暴走も凄まじいものだしな……。本当にどうなってしまうのやら……;」 それでは改めて、話の感想です。ゲストとして香澄(エンヴィー)さんに瑛子さん、美子さんの三人に参加してもらいます。 香澄(エンヴィー) 「よろしくお願いしますわ」 瑛子 「よろしく頼む」 美子 「よろしくお願いします」 他一同 『よろしく〜』 モモタロス(明) 「そんじゃあ、今回の話の感想だが……初っ端から随分な感じだな……(呆れ)」 シャナツネ 「……だな。真墨殿も暴走しがちな女性二人の間で苦労をしている……」 香澄(エンヴィー) 「暴走しがちで悪うございますわね!! あれは【ワルキューレ】の翠が真墨に変なことをしようとしたから、私が鉄槌を下そうとしただけですわ!!」 翠(アスレイ) 「……まあ、あれはどっちかといえば、あっちの僕が悪いといえば、悪いんだけどね……(苦笑) とはいえ、やっぱり女の子としてはスタイルって気になるもんだよね……」 雪奈 「……まあ、確かにそうだよね。私も気になる時ってあるし、身内と知り合いがかなりのナイスバディの持ち主だと……」 翠(アスレイ) 「……そうだよね……」 香澄(エンヴィー) 「……あの二人、何があったんですの?」 星(アスレイ) 「気にしないでやってくれ」 フェザー(アスレイ) 「それが二人の為です」 暁(アスレイ) 「それはそうと、エリザさん、色々とお疲れさん〜!」 クロキバT世 「全くだな。……しかし、霧子殿はどのような形で『神代 聖』に育てられたのかが気になるところだな……。おまけに、おそらくは空に司っている『ディオネ』に変身する為のアイテムなどを手にもしていたし、彼女がとんでもなく危ない人物ということが今回の話で語られたと言える……」 瑛子 「喧嘩をする香澄様と翠(W)の腕を無慈悲に笑顔のまま折ろうとしたからな……。本当に何者なのだ?」 美子 「いきなり行われていたダイエット作戦から抜け出し、私達と合流してシエルさんの“ヤミー”と戦っていた茉莉ちゃんに対してもいきなり遠慮なしの攻撃をしてきましたし、本当にどうして……」 彼女からすれば、戦いをしていた『テティス』、『ファング・ライム』、『ファング・シェリー』、そして『エビヤミー』は“平和を脅かす火種”という感じなのでしょうね。本当に厄介極まりない危険人物のようで……。 明久(電王) 「そうみたいだね……。それはそうと、今回暴れていた『エビヤミー』だけど……宿主になってしまった女の子が随分と我が儘で……(苦笑)」 美しいものはいつかは色褪せてしまうってことを理解していないって感じでしたからね。そのことによる嫉妬心をシエルさんに利用されてしまったと……。 イージス 「そして、シエルとアベルもカブキ嬢の仇を討つ為に何かしてくるみたいだな。何やら切り札的なものを持っているようだし……。これは色々と厄介なことになりそうだ……」 蒼真(アスレイ) 「……しっかし、ダイエットをする為に、態々アスカことシェオロの奴に頼んでどうするんだ!? マジで厄介極まりない機械を作ってるし!!?」 真夜(アスレイ) 「危険性抜群ですもんね!! ……とは言っても、その実験体となってしまっているのは真墨さん……;」 暁(アスレイ) 「不幸体質にも程があるわッ!!」 明久(電王) 「とは言っても、蘭さんは楽しみそうな感じみたいだね(苦笑)」 雪奈 「蘭さんって、本当に前向きな人って感じだね(苦笑)」 翠(アスレイ) 「……それなりに、根が複雑みたいだけどね(苦笑)」 香澄(エンヴィー) 「……さてさて、次の話ではどのような展開が……って言いますか、瑛子と美子は助かるんですか!!?」 翠(アスレイ) 「茉莉ちゃんもだよ!! 本当にどうなちゃうの!!?」 暁(アスレイ) 「霧子さんの方も気になるが……『ディオネ』に攻撃された三人の安否も気になるところだよな……」 本当にどうなってしまうのかが気になります。それでは、今回の感想は異常という感じで……。 他一同 『ゲスト参加、ご苦労さま!』 香澄達三人 『そちらもお疲れ様!』 それでは! 一同 『次の話の展開も楽しみにしていますので、どうか頑張って書いていってください!! 遅れましたけど、明けましておめでとうございます!! 今年もよろ即お願いしますね♪』 〜……時と次元を越え……己の限界すらも超えて、推して参る!!〜 |
30点 | 烈 | ■2014-01-17 11:20:50 | i121-118-209-14.s10.a044.ap.plala.or.jp |
合計 | 30点 |