引っかかっているだけだった上着を脱がされて、一糸纏わぬ姿で寝台にもう一度寝かされる。
ヒュンケルの唇はポップの首筋を辿り鎖骨を甘く噛んだ後、胸へと移動した。
胸を弄られながら後ろに指を這わされて、一度達したあとの身体には簡単に火がつく。

「あ、んッ・・・、ああッ!や、んッ!」

既に解され慣れさせられた蕾は易々とヒュンケルの指を飲み込み、誘うように蠢く。
その身体の反応が恥ずかしくて、でも明らかにいつもと違う触れ方をしてくるヒュンケルに安堵する。
自分と同じように欲しがってくれていることに。

「ヒュン、ケル・・・ッ!」

見た目よりずっと柔らかい銀髪を力の抜けた手で混ぜて名を呼べば、胸から口を離して見上げてくる。
その紫電の瞳が欲に濡れているのが、嬉しい。
もういいから、と瞳で訴えれば身を起こして口付けてきた。
そして。

「あ・・・ッ」

「いいか?」

膝に手をかけられて広げられ、ヒュンケル自身を当てられる。
熱くて火傷してしまいそうなその熱に、身体に力が入ってしまう。
それを宥めるように口付けられる。

「んん・・・、は、あッ!」

優しい口付けに身体が緊張を解いた瞬間にヒュンケルが入り込む。
ゆっくりと少しづつ、けれど確実にポップはヒュンケルを飲み込んでゆく。
その言いようの無い異物感と圧迫感を、ポップはシーツを掴んで耐えた。

「んッ、・・・く、んんッ!はあ・・・ッ!」

すべてを収め終わったヒュンケルと、目があった。
何かを耐えているような、そんな瞳。
すぐに理由に思い当たって、口を開く。

「・・う、ごいて、いい、から・・・ッ」

異物感も圧迫感も火傷しそうな熱さも、ヒュンケルがくれるものだから。
こんな時まで、優しくなくてもいい。

戸惑いがちにヒュンケルが動き出した。
内臓を内側からかき混ぜられてるようなそんな感覚に、ちらりちらりと違うものが混じる。
それは。

「・・・く、ッあ!」

ヒュンケルの自身がポップの中の前立腺を掠めた。
その瞬間、ポップの身体がビクリと反応する。
ポップの反応を見たヒュンケルが、その場所を狙い突き上げてきた。

「あ!ああッ、や、やあ・・・ッ!」

かすかに混じっていた感覚が前面に押し出された。
それは、まぎれもなく快感で。
指で与えられていた感覚とは比べ物にならないほどに、大きく深い。

「んんッ、そこやだッ!や・・・んッ」

シーツを手の筋が浮かび上がるほどきつく握り締め、与えられる嵐のような感覚に耐える。
けれどあまりに大きな、大きすぎる快楽にとうとうポップの瞳は決壊を迎えた。
ぼろぼろと涙を零し、泣きじゃくり始める。

「・・・ポップ?」

ポップの涙にヒュンケルは動きを止め、問い掛ける。
こぼれ落ちる涙に唇を寄せて、舐め取る。

「・・・嫌、か?」

「違ッ、ちが、う・・・ッ、いやじゃ、なくて・・・ッ」

問いに否定を露わにして、ポップは切れ切れの息でヒュンケルに伝える。

「こ、こわ・・・い、だって、こんな・・・ッ、違ッ」

初めては辛いものだって。
痛いものだって。
そう思っていたのに。

「ど・・・っか、いっちまいそ、で・・・、こわ、い・・・ッ」

自分が感じているのはまぎれもない快楽で。
その大きな快楽に流されてどこに行ってしまうのかわからなくて酷く怖い。

泣きじゃくりながらヒュンケルに伝えるポップは、幼げなのに。
繋がった部分は焦れたように蠢き始めるから。
それに怯えたポップがまた泣き出す。

「大丈夫だ。」

ヒュンケルはそっとポップの手に自分の手を重ね、シーツを離させる。
そしてそのポップの手を握り込む。

「オレが離さない。どこにも行かさない、渡さない。」

優しく響く声。
瞳に口付けられてポップの涙が、止まる。
ポップの片方の手がシーツを放し、ヒュンケルの背中に回した。
それが合図だったように、ヒュンケルが動き出す。

もう、怖くなかった。
異物感も圧迫感も火傷しそうな熱さも、ヒュンケルがくれるもので。
快楽も同じ。
大事な恋人がくれるもの。

「やっ、んあっ!はッ、ああッ!も、もお・・・ッ」

「ポップ・・・ッ」

達したポップに締め付けられて、ヒュンケルが最奥に熱を放つ。
その熱さが、酷く愛しかった。



ふわふわと眠りと覚醒の間を行き来する。
隣が涼しくて、いつもあるぬくもりを探すと暖かい何かに包まれる感触。
きっといつものように宝物のように抱きしめられたのだ。
嬉しくて目を開けようとするけれど、瞼がピクリとも動かない。
でも額に暖かくて柔らかいものが触れたから、きっと気持ちが伝わったのだと思う。
そう思った瞬間、すとんと眠りに落ちていった。


もっと。
もっとずっとおれを欲しがって。


欲張りなおれも許して。











END













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エロ頑張りました。
ポップ襲い受けでございます。

H×P祭りの打ち上げチャットで、色々な方におすそ分け頂いた萌えをぶつけてみました。
どうやらヒュンケルの煮え切らない態度にキレるポップってパターンが好きなようです。
ポップが動かないと駄目な兄で申し訳ない。
その分、ベットの中で動(以下略)
裏テーマとして(なんだそりゃ)『最初から気持ちよくなっちゃうポップ』でした(邪笑)

しかし兄、よく我慢できてたよなあ・・・。


オマケ



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