頬に伝わるフローリングの冷たい感触で蘭は意識を取り戻した。
「(あ、あれ・・・・ 私・・・・ 確か・・・・)」
「おっ、ゲストのお目覚めだぜ」
まだぼうっとしている頭にしゃがれた声が響いた。
その声の方向に反射的に顔を向けると、顔面を照らすサーチライトの強烈な光に
思わず目が眩んだ。
そして身を起こそうとして初めて、両手が後ろ手に回されて手錠で拘束され、両足首
も荒縄で縛り上げられていることに気づいて愕然となった。
「(どうして・・・・ あっ!)」
帰宅途中、『月刊空手道』の記者を名乗る男達に言葉巧みに誘い込まれた車内で突然
襲われたのだ。
「だっ、誰なの、あなた達? さっきの人達はどこなのよっ!」
眩い光りに目を細めながら声を上げた。
やがて目が慣れてくるにしたがってライトの背後に蠢く多くの人間のシルエットが
確認できた。
1人・・・2人・・・3人・・・・ おそらく12、3人はいるだろう。
それも全員男のようだ。
その中から1人の男が前に進み出てきた。
顔は逆光になっていてよくわからないが、
自分を襲った男達とは別人のようだ。
蘭はもう一度身を起こそうと身をくねらせたが、両手両脚を拘束された状態ではそれも
かなわず、ようやく壁を背にして半身を起こすだけで精一杯だった。
男が蘭の前にしゃがみこんで口を開いた。
「アンタは今回のパーティーにゲストとして招待されたのさ。そっちの女刑事と一緒
にな」
男が顎をしゃくった先に目をやる。そこに倒れていたのは・・・・
「さ、佐藤刑事! ど、どうして佐藤刑事が・・・・」
その蘭の反応に男は意外そうに訊いた。
「何だ、この女刑事と知り合いなのか? そりゃ大した偶然だな」
蘭はキッと男をにらみつけた。
「ふざけないでっ! こんなとこに連れてきてどういうつもりっ! 早くこの手錠を
外しなさいよっ!」
だが蘭の抗議にも男はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべてるだけだ。
「あなた達は何者なのよっ! それにゲストってどういう意味よっ!」
男はまるでからかうような口調で言った。
「俺達が誰かなんてアンタは知らなくてもいいんだよ。いや、知っても意味がないって
言った方がいいかな」
背後の男達の哄笑が響く。
「それにアンタは俺達のことを知らなくても俺達はアンタのことをよーく知ってるん
だぜ。
『毛利蘭』ちゃんよぉ」
そう言って男は『週刊スクープ』を懐から取り出し、蘭の記事のページを開いた。
「あっ・・・・ これは」
「空手のチャンピオン様なんだってな。なかなかたいしたもんじゃねえか。
だけど17にもなって『恋人募集中』ってのはちょっと寂しい話だよなあ」
そこで男が蘭の顎に指をかけ、くいと持ち上げた。
「可愛い顔してるし、スタイルもよさそうなのにホント信じらんねえな。アンタの
周りの男どもはみんな腰抜けってわけかよ」
「なっ、何言ってるのよ! そんなことアナタには関係ないでしょ! そ、それに
こんなことをしてただで済むと思ってるのっ! 私の父は・・・・」
「名探偵の毛利小五郎なんだろ、知ってるさそのくらい。そこにも書いてあるしな」
男は蘭の言葉を鼻でせせら笑いながら言葉を継いだ。
「それに関係なくはないんだよ」
「ど、どういう意味よっ!」
男はその身に絡みつくようなねっとりとした視線を蘭の身体に這わせて舌舐めずり
し、そのぞっとするような気味の悪さに蘭は思わず身を震わせた。
「だから『恋人募集中』の寂しいアンタのために、これから俺達が今夜一晩限りの
恋人になって楽しませてやろうっていうんだよ。嬉しいだろ? 感謝するんだな、
クックックッ・・・・」
『今夜一晩限りの恋人』――その言葉から本能的に感じた恐怖を必死に心中に押し込め
ようと蘭の口から強気の言葉がついて出る。
「なっ! 何を言ってるのよっ! 誰がアナタ達なんかと!」
だが、男の口からその恐怖を現実のものとする言葉が発せられた。
「もちろん恋人同士になるんだ、ちゃんとやることはやらせてもらう。言ってる意味、
分かるよなあ・・・・」
「なっ・・・・」
蘭の顔からみるみる血の気が引き、絶句した。
男はそんな蘭の様子を楽しげに眺めて卑猥に笑った。
「おっ、ちゃんと分かってるようじゃねえか。そうそうセックスだよ、セックス。
恋人同士になるんだから当たり前だろ? たっぷりと可愛がってやっから、アンタもそ
の身体で俺達を楽しませてくれよな。クックックッ・・・・」
蘭の背筋が凍りつき、頭の中をおぞましい3文字の単語が占拠した。
『レイプ』――この男は自分を犯すつもりなのだ。
「(お、犯されるっ・・・・)」
はっきりと突きつけられた残酷な現実に、蘭の身体中の筋肉が強張り、声すら上げら
れなくなった。
それも当然だろう。
いくら勝気で気丈な性格とはいえ、蘭はセックスはおろかまだキスの経験すらない
のだ。
「どうやら自分の立場が分かってくれたようで嬉しいぜ。今からアンタは俺達全員に
犯られまくるってわけだ。つまりアンタはマワサれる、輪姦だよ、り・ん・か・ん。
それが『ゲスト』の意味なのさ」
「り・・・・ り、輪姦」
男の口から発せられたそのさらに過酷な言葉が蘭の心臓を氷の手で鷲掴んだ。
『輪姦』――ただ犯されるのではない。
この場にいる男達全員に自分は犯されるのだ。
「い・・・・ い・・・・ いやっ・・・・」
そのあまりの恐怖と戦慄に怯え固まった蘭を見て、男はわざと下品な口調で続けた。
「大丈夫、アンタはただ素っ裸になって大股をおっぴろげてくれりゃあそれでいい。
後は俺達でいいようにしてやるぜ。それにそっちの女刑事もお仲間なんだ、怖いこと
なんかありゃしねえよ」
蘭は美和子を振り返り、必死に叫んだ。
「佐藤刑事、佐藤刑事、起きてくださいっ! 佐藤刑事っ!」
だが、美和子は一向に目を覚ます気配はない。
「クックックッ・・・・ そっちの女はまだクロロフォルムが効いているようだな。
それに今回はもう一人特別ゲストが来るからな。そしたら3人まとめてたっぷりと
可愛がってやるぜ」
「と、特別ゲストって・・・・」
その時、ドアが開く音とともに、4つの人影が現れた。
────────────────────
3人の男に囲まれるように現れたその「特別ゲスト」の姿に蘭の瞳が大きく見開か
れた。
「お母さんっ!」
「蘭っ!」
母娘の声が奇しくもそろった。
思わず娘に駆け寄ろうとした母親を荒川と泥山会の二人の男がうつ伏せに押さえ
つける。
組み伏せられた英理が首を捻って荒川をキッと睨みつけた。
「言う通り来たんだから、蘭を放しなさいっ!」
「残念だが、そういうわけにはいかねえな」
「約束が違うじゃないっ! 私さえ来れば蘭は帰してくれるって言ったでしょっ!
アナタが恨んでいるのは私なんでしょ! あの子は関係ないはずよっ!」
荒川はぐっとかがみ込んで英理に顔を近づけ、平然と嘯いた。
「約束? そんなもん最初(はな)から守る気はねえよ。それにアンタへの復讐には、
あの娘がどうしても必要なんだよ」
「ど、どういうことよっ!」
荒川の暗く淀んだ瞳に憎悪の光が宿り、ぞっとするような残酷な口調になった。
「弁護士先生、アンタにはあの墨田ってくそ野郎と同じ経験をしてもらおうか」
「同じ経験って・・・・ あっ・・・・!」
それが何を意味しているのかを瞬時に察した英理は荒川の復讐計画のあまりの残酷さ、
おぞましさに言葉を失い、慄然とした。
「分かったようだな。さすが弁護士先生、察しがいいぜ」
「ま・・・・ まさか・・・・ 蘭をっ・・・・」
「そうそう、そのまさかだよ。今からアンタの娘はあの連中に輪姦(まわ)される
んだ。アンタにはそれをここでたっぷりと見学しててもらう。ものほんの生レイプ
なんて滅多に見られない超レアもんなんだぜ。その上、実の娘が悲劇のヒロインを
演じてくれるんだ。こりゃもう最高のシチュエーションだと思わねえか」
「バカなこと言わないでっ! 蘭を、蘭を放しなさいっ! 蘭っ、蘭っ、蘭っ!」
「うるせえよ」
荒川の拳が英理の鳩尾に食い込んだ。
「うぐっ!」
一瞬、息ができなくなり、身体を折り曲げ苦痛に呻く英理。
男達は英理をスタジオ内の一段高い場所に備え付けられた椅子に座らせて縛りつけた。
英理は必死にもがき暴れるが、ボルトで床に固定された椅子はびくともしない。
「ほうら、わざわざ特別席を用意してやったぜ。ここからならよく見えんだろ、
あの娘がアイツらに犯られまくるところがよ」
「やっ、やめてっ! お願いっ! 私は、私はどうなってもかまわないっ!
だから、蘭だけは、蘭だけは・・・・ 助けてあげてっ! お願いっ! やめてっ!」
荒川は英理の懇願を鼻で笑い、耳元で囁いた。
「クックックッ・・・・ 『私はどうなってもかまわない』ねえ。そういやあ、あん
時、あの墨田ってくそ野郎も似たようなこと喚いてたっけな。美しい母娘愛ってやつ
か。ホント美しすぎて反吐が出るぜ」
荒川はそこでいったん言葉を切って唾を吐き捨てると、さらに続けた。
「ご希望通り、アンタも後でたっぷりと可愛がってやるよ。まあそれまでは可愛い娘
とあの女刑事のダブルレイプショーをここでじっくりと楽しんでくれよ、妃せ・ん・
せ・い」
荒川は英理に猿轡を噛ませて立ち上がると、今か今かと『その時』を待ち望んでいる
男達に宣言した。
「待たせて悪かったな。特別ゲストも来たことだし、そろそろショーの開始だぜ!」
どっと沸く大姦声、
異様な雰囲気で盛り上がるスタジオ内。
荒川はまず足立・品川・渋谷・中野の4人を呼んだ。
「あの女どもはまずオマエ達が犯っちまっていいぞ」
「ええっ! マジですか!」
渋谷が素っ頓狂な声を上げた。
「ああ、これだけ上玉を調達してきたご褒美さ。たっぷりと可愛がってやんな」
だがそこで他の男達、特に幹部連中からブーイングが起こった。
それもそうだろう、今までは常に彼らがゲストを誰よりも先に犯ることができたのだ。
それなのに今まででも最上級と思えるゲストの今回に限ってその特権がいきなり剥奪
されたのだ。
そんな幹部の一人で先ほどまで蘭を言葉で嬲り、そして今回も真っ先に彼女を犯せる
と確信していた男が抗議の声を上げた。
「そ、そりゃないぜ、荒川さん。いつも俺達に最初に犯らせてくれたじゃねえか」
だが、荒川はその男に一瞥をくれ、冷たい声で言った。
「俺がこいつらに最初に犯っていいって言ってんだ。何か文句があるのか」
「い、いや・・・・ そ、それは・・・・」
ここでの荒川は絶対権力者だ。抗議した男も不満を露わにしながらもしぶしぶ引き
下がざるをえなかった。
荒川は4人に向き直った。
「ただし最初に犯るのはあの女子高生からだ。女刑事の方は意識が戻ってからゆっ
くりひん剥いてやれ。無抵抗のままよりその方が盛りあがんだろ」
4人は大きく頷くと踵を返して蘭へと歩み寄っていく。
荒川の顔に酷薄な笑みを浮かんだ。
どうせこの4人もすでに警察に目をつけられた以上もう用済みであり、このパーティ
ーが終わったら泥山会に引き渡すのだ。
ゲストのような若い女なら生かしたままいくらでも使い道もあるが、彼らは・・・・
まあいい、その後彼らがどうなろうと自分の知ったことではない。
この4人に真っ先に犯らせてやるのは、荒川のせめてもの憐れみだった。
「(この世で最後になるかもしれないセックスだ。思う存分楽しめばいいさ)」
────────────────────
蘭ににじり寄る4人。
だがそこで渋谷が他の3人を制した。
「なあ、最初は俺独りに犯らせてくれ。頼む」
誰も手付かずのゲストを真っ先に犯れる、それもこの最上級の生贄を。
荒川がなぜ今日に限ってこんなサービスをしてくれたのかは分からないが、渋谷はこの
思いもかけずに転がり込んだ絶好のチャンスを逃す気はなかった。
「なあ、いいだろ? あの女の処女には俺が真っ先にぶち込んで犯りてえんだ」
3人は顔を見合わせた。
車内でのこともそうだが渋谷の蘭に対する執着はすさまじい。
足立と品川が苦笑して頷き、中野もしかたがないとばかりに肩をすくめた。
「でも処女かどうかなんて分からねえぜ。恋人募集中なんだから特定の相手は
いねえんだろうが、最近の女子高生は小遣い稼ぎに簡単に股を開くやつも多いって
いうからな。清純そうな顔してっけど案外ヤリマンだったりするかもしんねえぜ」
足立が揶揄したが、渋谷は平然と言い返した。
「いや、間違いねえよ。あの女は絶対処女さ、賭けてもいいぜ」
渋谷は蘭がまだ処女であることに自信を持っていた。
もちろん何の根拠もなく、たんなるそうであって欲しいという願望だけなのかもしれ
ないが。
「分かった、分かった。でも気をつけろよ。何つっても空手のチャンピオン様だ。
せいぜいあそこを蹴り潰されないように気をつけろよ。手に余るようなら手伝うぜ」
「いらねえよ」
3人がそこで歩みを止め、渋谷一人が蘭に近づいてくる。
「いや・・・・いや・・・・いや・・・・やめて・・・・近寄らないで・・・・」
背後を壁に塞がれた蘭は必死に身をくねらせて横へ横へと逃げる。
「ほうら、ほうら、早く逃げねえと捕まえちまうぞ」
渋谷は猫が捕まえた鼠をいたぶるような残酷な表情でわざとゆっくりと蘭を追い詰め、
ついに蘭はスタジオの片隅で身動きが取れなくなった。
「あっ・・・・」
蘭の顔が恐怖におののき歪んだ。
「何だもう、鬼ごっこはお終いなのかよ」
必死に起き上がろうとする蘭の鳩尾に渋谷の強烈な蹴り足が食い込んだ。
「うぐっ!」
身体をくの字に曲げて倒れ伏して呻く蘭の長い黒髪を渋谷は乱暴に引っ掴んだ。
「こっちに来いっ!」
「いっ、痛いっ、放してっ!」
蘭を引きずるようにしてスタジオのほぼ中央までつれてくる。
渋谷は胸が苦しくなるような悦びを感じていた。今からこの清純無垢な女子高生の
制服を剥ぎ取って素っ裸にひん剥き、その身体を思う存分いたぶり弄んで、未通の
処女を犯し、その純潔を散らすことができる。
蘭がゲストと決まって以来、いくどとなく夢想し、自ら慰めてきたそれが今まさに
実現しようとしているのだ。
「それじゃあ、おっぱじめるとしようか、チャンピオン様、いや、蘭ちゃんよお」
逸り昂ぶる心を懸命に抑えて、渋谷がゆっくりと蘭に覆いかぶさってくる。
蘭は拘束された両脚を懸命に振り上げて抵抗するが、あっさりとかわされ、
逆に簡単に馬乗りに組み敷かれてしまった。
「あっ、いやっ! 放してっ、放してったらっ!」
蘭の両肩を両手で押さえ込んでぐっと見下ろした。
わなわなと震える唇はおそらく紅すらもつけていないだろうが、素のままで十分可憐で
美しい。
それとは対照的な大きな双眸もまるで吸い込まれるほどに黒く綺麗だ。
「そうそう、まだ質問に答えてもらってなかったな。どうだい、蘭ちゃんはまだ処女
なんだろ? 男とやったことなんかねえんだよな?」
蘭は唇を噛み締め、くっと顔を背けた。
「答えたくないなら、まあいいさ。どっちにしろすぐに分かることだからな。まずは
・・・・」
渋谷の顔が蘭に迫ってくる。
「いやっ、やめぇ・・・・」
蘭の悲鳴は途中で遮られた。渋谷が蘭の顔を両手で挟んで押さえ込み、その厚ぼっ
たい唇を蘭のそれに押しつけ貪ったのだ。
「ううっ!」
押し付けられたその唇の汚らわしい感触に蘭の肩が震えた。
口唇を割って口内に侵入した渋谷の舌が逃げ惑う蘭のそれを瞬く間に絡め捉えて放さ
ない。
さらにねっとりとした唾液が互いに絡んだ舌を伝って口内に充満し、否応なく喉奥へ
と流れ落ち、その不潔なおぞましさに吐き気がこみ上げる。
「ううっ、ううっ、ううっ」
これが蘭のファーストキス。
甘い囁きとともに工藤新一に優しく奪われるはずだった大切なそれはこうしてあっ
さりとこの粗暴な若者に強奪されたのだ。
「(し、新一ぃ・・・・)」
蘭の瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
「ふう・・・・」
渋谷は蘭の柔らかな美唇を貪るだけ貪りつくしてその甘く蕩けるような感触を
じっくりと堪能すると、ようやく満足したようにそれを解放した。
「いいねえ・・・・ 柔らかさも舌触りも最高だったぜ。これなら本当恋人ができて
も、きっと満足させられるんじゃねえの」
軽口を叩きながら、渋谷は蘭の瞳から流れ落ちた涙の痕を指先で軽くなぞった。
「いやっ!」
触れられるのも汚らわしいとばかりに反射的に顔を背ける蘭。
そんな蘭の姿態に渋谷はますます歪んだ情欲を煽られる。
「クックックッ・・・・ そんじゃ前座もすんだことだし、そろそろ脱ぎ脱ぎの
お時間といこうか。ストリップショーの開始だぜ」
────────────────────
渋谷の手が蘭の制服のブレザーにかかり、次々とボタンを外して左右に開く。
「いっ、いやっ! や、やめてっ!」
懸命にもがいて必死の足掻く蘭だが、両手両脚の自由を完全に奪われ、馬乗りに組み
敷かれた状態では所詮はかなわぬ無駄な抵抗だ。
「いいね、いいね。そうやってせいぜい無駄な抵抗をしてくれよ。でねえとレイプっ
て感じがしねえからな」
続いてネクタイをしゅるっと緩めて引き外す。
さらにカッターシャツへと手を伸ばし、きっちりと留められていた一番上のボタンを
外して襟元に両手の指を滑り込ませてぐいと鷲掴むと、蘭の身体がビクンと震えた。
「そうらよっとっ!」
両手を左右斜め後方へと力任せに動かした。
――ビリッ、ビリッ、ビリビリビリッ!
派手な音とともにシャツは一気に引き裂かれ、引き千切られて弾けとんだボタンが
四方八方へと乱れ飛ぶ。
そして・・・・ 渋谷の目前に白いブラに包まれた二つの膨らみが露わになった。
「おおっ!」
「いやぁぁぁぁっー!」
男達のどよめきと蘭の悲鳴がスタジオ内に交差する。
「へっへっへっ、いいおっぱいしてやがんな。ちゃんと谷間までありやがる」
渋谷の手が蘭のバストをブラの上から軽く一撫でした。
だが、すぐにはそのブラを外そうとはせず、今度は一転スカートに手を掛ける。
「ほうら、今度はこっちだ」
渋谷の手がスカートのサイドを探る。
蘭は懸命に腰を振ってその魔手から逃れようとするが、渋谷はがっちりと蘭の腰を
押さえつけながら、探り当てたホックを外し、ファスナーを引き下げる。
そしてわざとウエストの緩んだスカートだけをずり下げて両脚から引き抜けば、
飾り気のないシンプルなデザインの純白の下着だけに身を包んだ蘭の半裸姿が
男達の眼前に露わになった。
「すげぇよ、すげえ! この女、マジいい身体してやがる!」
男達の姦声が、やや遅れてデジタルカメラのフラッシュの光とシャッター音が交錯
する。
「い、いやぁぁぁ! や、やめて、撮らないでぇぇぇ!」
身体をくねらせ、必死に逃げようとする蘭に再び渋谷がのしかかり、両肩を押さえ
つけた。
眼下で卑猥に揺れている二つの膨らみに目が釘付けになる。
「ひん剥いてやるっ!」
ブラジャーのカップの部分を掴んで下からめくり上げると、瑞々しい弾力を持った
豊かなバストがぷるんと顔をだした。
外されきっていないブラのワイヤーに押さえられて苦しげに飛び出したような格好だ。
「じゃまくせぇな」
渋谷がブラを力任せに引き千切って投げ捨てた。
襤褸切れとなったブラが宙を舞い、全ての拘束を解かれたバストが本来の形を取り
戻した。
乳房はほぼ理想的な半円形に近いお椀型。頂には5円玉ほどの淡いピンクの乳輪が
かかり、その中央にはより鮮やかで可憐な蕾がつんと上を向いて咲いていた。
「うひょ、いいおっぱいしてやがるぜ!」
「乳首もピンクだぜ、ピンク、たまんねえな!」
周囲の男達から一斉にあがる卑猥な姦声。
両の乳房を下から掬い上げるようにしながら鷲掴み、惜しげもなく揉みしだく。
ぐにゅ、もにゅ、むにゅ・・・・
渋谷の掌にはやや余る程度の大きすぎも小さすぎもしない絶妙の大きさ。
掌に吸い付くようなしっとりとした柔肌の手触りはまるで上質のシルクのようだ。
わしわしと揉み込めばまるでゴムまりのようなほどよい力で指を弾き返してくる
抵抗感が心地よい。
さらにその芯にまだわずかな硬さを残しているのが何ともいえず官能的だ。
「いやぁぁぁぁ! や、やめてぇぇぇ!」
蘭が唯一自由になる首をぶんぶんと振って絶叫する。
「すげぇ・・・・ やわらけえ・・・・ いい揉み心地だ」
渋谷は荒々しく乳房を揉み解してその瑞々しい肌の感触と若々しい弾力を存分に
楽しむと今度は一転口でむしゃぶりついた。
乳房に舌の腹を押し付け、ベロベロと舐め回す。
瞬く間に唾液でびちゃびちゃになった蘭のバストが怪しく光り出した。
「ぐふっ、いい味してるぜ・・・・ こりゃしゃぶりがいがあるな」
続いて攻撃目標を先端に咲く蕾に向けた。
舌先でちょんちょんと突付いてくびりだし、丁寧に舐め転がし吸い上げる。
「きゃぁぁぁ!」
激しい羞恥と恐怖が蘭を襲う。新一にすら直接は触れさせた事のない女の象徴。
それを見も知らぬ暴漢に乱暴に揉みしだかれ、舐め回され、あまつさえ乳首を
吸われているのだ。
「(嘘、嘘よ、こんなこと絶対に嘘!)」
蘭の混乱は極地に達する。
だがその時、渋谷は口に含んで嬲り弄んでいる乳首が徐々に固くなって立ち上がり、
尖りを増してきているのをその舌先で敏感に感じ取っていた。
「(クックックッ・・・・ この女・・・・・)」
そして渋谷の残酷な言葉が蘭を更なる窮地に追い込んでいく。
────────────────────
「何だよ、チャンピオン様はこんなに固くしっちゃて、感じちゃたのかよ」
そう言いながら、蘭の乳首を指でつまみ上げ、乱暴に捏ね回す。
「あっ、い、痛いっ!、や、やめてっ!」
「おいおい、嫌々言いながらこんなに乳首をおっ立ててやがるなんてすけべな女
だな。可愛い顔して結構淫乱なんじゃねえの。ホントはこんな風におっぱいじら
れるのが嬉しくて嬉しくてたまんねえんだろ」
「嘘よっ! 嘘っ! そんなことっ!」
息を荒らしながら必死に否定する蘭。
「嘘じゃねえよ、身体は正直だよなあ・・・・ クックックッ、いくら口で嫌々
言ったってテメエの身体は俺達に犯してほしい、犯してくれって言ってるのさ、
なあ、そう思うよな!」
周囲の男達からの卑猥な野次と甲高い口笛が交差する。
「そうだ、そうだ、早く犯っちまえ!」
「イカセてやれ!」
「ぶち込んじまえ!」
渋谷はその歓声に応えるように軽く手を上げると今度は蘭の下半身へと身体をずら
した。
「それじゃあ、こっちもご開帳といこうか。おっぱいをちょっといじられただけで
こんなんじゃあ、こっちを可愛がってやったらどうなるのか楽しみだぜ」
渋谷はポケットからナイフを取り出し、蘭の足首の戒めを切り裂く。
それと同時に蘭の両膝頭に手をかけて股間を大きく左右に開こうとする。
「いやっ、や、やめてぇぇぇ!」
蘭は両脚を必死に閉じようと抵抗する。
しかし、その時突然蘭の視界が塞がれた。
渋谷の蹂躙からようやく解放されていた上半身に今度は足立が逆向けに覆い被さって
乳房にむしゃぶりついたのだ。
「あうっ!」
そしてその力が抜けた一瞬に渋谷にも両脚を押し開かれてしまった。
割り裂いたその空間に身体をねじ込んだ渋谷が怒鳴った。
「おいっ! 足立、どういうことだっ! 俺が独りで犯るって言ったろうがっ!」
だが足立は顔を上げこともなげに言い返した。
「分かってる、分かってるって。ぶち込むのはオマエに最初にやらせてやるさ。
だけど、ちっとは俺にも楽しませろよ。あそこで指咥えて見てるだけってのは拷問
だぜ。そんなことよりオマエはとっととそこをひん剥いて、チャンピオン様の大事
なところを後ろの連中にも拝ませてやれよ」
足立は再び目前でプルプルと揺れている乳房を鷲掴み、その谷間に顔を埋めこんだ。
「うひゃ、やわらけぇ・・・・ いい揉み心地だ」
「ちっ・・・・ 勝手にしやがれ」
渋谷は大きく割り裂かれた蘭の両脚の付け根をじっと見下ろした。
こんもりとした恥丘を覆い隠しているシンプルで飾り気のない純白のショーツの
痛いほどの眩しさが渋谷の目を射る。
「クックックッ・・・・ いいね、いいね、やっぱり女子高生は白じゃなくちゃな」
その手をゆっくりと彼女の大腿部に滑らせる。
肉の乗った滑らかな感触は乳房の瑞々しいそれとは違うぴんとした張りを感じさせる。
さらに指先をショーツのラインに沿ってつぅーっと滑らせ鼠渓部をなぞる。
「あうっ・・・・ やっ・・・・ やめてっ・・・・」
蘭の身体がひくひくと痙攣するのがはっきりと見て取れた。
ショーツの上から、ふっくらとした柔らかな膨らみを円を描くようにしてゆっくりと
撫で回した。
まだ陰毛はそれほど濃くないのだろう、妖しい淫裂の縦長の感触が薄いショーツを
通して指先に伝わってくる。さらにその裂け目にそって布地を指でくいくいと押し
込めば、その花唇の形状だけでなくその色や濡れ具合までショーツにそのまま写し
取れそうだ。
「いやっ、いやっ、いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
蘭の悲痛な絶叫も乳房にしゃぶりつく足立の身体の下からくぐもるだけだ。
渋谷の手がショーツの両サイドに掛かった。
「ひっ!」
蘭が身体を反らせてわずかに腰を浮かせた。
だがそれは返って逆効果となった。その瞬間、渋谷は間、髪を入れずに、手に掛けた
ショーツを一気に足首の辺りまで引き摺り下ろし、ソックスもろとも両脚から抜いて
投げ捨てた。
そして宙を舞ったショーツがふわりと床に舞い落ちたその時、蘭はまさしく文字通り
一糸纏わぬ姿に剥かれ、そのいまだ穢されざる未通の聖域を、歪んだ情欲の虜となった
男達の眼前に無防備に曝していたのだ。
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