■□ 協奏曲 □■
×ロクス他  ED後
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 美しい天使を腕に抱いて、もう止められようはずなどない。
あきらめられるぐらいの感情ではなかったことを、待たされた、焦らされた時間の中で改めて思い知らされて、ロクスの理性の箍は自らの手で壊され打ち捨てられた。
目の前で愛しい彼女が翼を天に返したことが文字通りの最後の決め手、自らの手で理性を打ち壊した挙句の暴挙で聖堂の中でことに及ぼうとした。
「…ここなら寒くはない。
 いやむしろ後悔するかもな、体が火照って仕方ない、なんて…。」
 天使だった少女の魔性にとらわれて、聖職者ロクスはただの牡に成り下がった。聖都に戻って以降毎夜身悶えたひとり寝のベッドに、ようやく今夜憧れ焦がれたシルマリルを横たえてその腰のない髪を愛しげに梳いて指先で弄ぶ。女を渡り歩いたロクスがたった二度の唇の関係しかなくて、しかも彼女は清純なる乙女で、期待も不安もただただ大きすぎてロクスの方が押しつぶされそう。
シルマリルは彼女なりに覚悟はあるのだろうけど、その瞳を見る限り知らない部分が大きすぎる。
いずれ教皇になる男の部屋は思いのほか質素で飾り気がなくて、むしろ殺風景で――――ベッドだって彼の体格よりも大き目という以外は特に目立つものではなくて、シルマリルは腕から下ろされ横たわった瞬間に感じたそこの硬さに無意識のうちに目を丸くした。
「思っていたより質素だろう? 君のいないこの世に執着していなかったからな…何がどうであろうとどうでもよかった。」
 少しやつれたロクスのかさついた唇から語られた言葉をシルマリルがすぐに飲み込めなくて、間抜けにも青い瞳を丸くした。ロクスはそんな彼女の猫毛を指に絡めてその手で頬を包み、包み込むようなしかし甘く毒を隠した口づけを落とす。聖堂でそうしたのと同じにシルマリルのやわらかく瑞々しい唇を舌先でなぞり、熱を帯びたそれの息苦しさと甘く疼く錯覚の痛みにシルマリルが空気を求め唇を開いたのを見、男の舌があつかましく彼女の唇をこじ開けその奥の慣れてない舌に絡みつく。
この強い腕に抱かれてからロクスはひたすらに肌を重ねたがっていて離れたがらなくて、翼を返し守られる背景をなくしたシルマリルはただか弱くてか細くて男の欲望に逆らうことすら許されない。
肌寒かった教皇猊下の私室に濡れた吐息と淫らな水音が満たされるのに時間など必要なかった。
「天界の門を叩けば君が出てきてくれるかも、なんて夢を見たこともある。」
「ロクス、それは!?」
「…大丈夫、僕はどうにか生きているし君も約束を守ってくれた。僕はこの世であがきながら君と生きてゆくよ。
 さ、おしゃべりはこのぐらいにしないか?」
 長く甘い口づけのあと、シルマリルの小さな体に相応の重さを持つロクスの体が乗る。饒舌なのは簡単なことで、知識はあれども現実は何も知らないシルマリルがすぐに追い詰められることぐらい容易に想像できたロクスが、少しでも緊張を緩めようとしてのもの。
「…僕はキスは少し苦手なんだ。肌を重ねるよりも自分を暴かれるみたいで…
 でも君は唇を合わせるだけでこんな顔なんて見せてくれるから……」
 途切れ途切れに、聞き慣れた声で熱っぽく囁かれて、シルマリルの意識が迷路に迷い込む。理性とか判断力というシルマリルの大部分を構成していたものを優しく包まれ眠らされるみたい、それを自分の中に封じられたらどうなるのだろう? わずかに残った知性がそれに怯えるんだけど、大きな手で頬を包まれ唇から逃げることを許さない甘い束縛がシルマリルを籠の中に閉じ込めてしまう。
己はこれからこの男の庇護の下に置かれるのだろう。今まで少しだけ上にいた力関係は崩れてしまった。…自分のわがままは、もうおそらく通じない。
通じるとしたら、それはロクスの度量によるもの。女のわがままをどこまで許すのか、シルマリルは人間のものさしを持たないからまったくわからなくて不安が彼女を押しつぶしそう…なはず、なのだが……

「君の操すべてを僕によこせ。
 僕はこの存在すべて、命をもってそれに報いよう。」

「好きな女のためならこの身などどうなろうとかまわない。
 なんでもできる…きっと。」
 かつてそう絞り出した声と同じ声で、ロクスは愛する女だけでなく己までも束縛する。「操」という言葉にシルマリルのやわらかな体がこわばるんだけど、もう彼女に選択肢など残されていない。
この男の腕の中、隣にしか居場所は残されてないし、今さら他の存在を代わりにするなどシルマリルの誠実さが許さない。純真で潔癖な彼女は他にも生きてゆける術があることを知らなくて、ロクスもあえて彼女の耳には入れずにいる。
女を渡り歩いた破戒僧は身をひさぐしかない女たちの笑顔と嬌声の裏を垣間見てしまった。愛しい少女にそういう思いなど、己が死んでもさせるつもりなどない。
彼女のすべてを奪う代わりに、己のすべてをもって守り通す。
「君は聖女としてこの教皇庁に守らせてみせる…僕の人生すべてを奪った伏魔殿だ、そのくらいの要求など安いものだろうし。
 僕は自分の人生の代償として君を守る力を持つ世界にそれを要求するだけだ。だから君はなにも心配しなくいてもいい。…僕がこの存在すべてを使って君を守る。」
 不実な自分だから、自分の中にある誓いの言葉をいくら並べ立ててもシルマリルは微笑むばかりで信じてくれるかどうかが不安で仕方がなくて、ロクスは生娘の滑らかな肌に指を唇を舌先を這わせながら毒を含ませた甘い声で囁き続ける。今はまだくすぐったくてシルマリルもおとなしいけれど、少しずつ、そう少しずつ彼の術中に陥れられていることに、彼女はまだ気づいていなかった。
「ああ、痛かったら言ってくれ。
 大事な君に無理強いするつもりはないから、僕のことを心配したりせず…な?」
「は…はい……少しくすぐったいけど痛くはありません……」
「まあ今はね。僕もたいしたことはしていない。」
 ロクスの声がどこか冷たく聞こえた違和感の直後、シルマリルは耳まで赤く染まることになる。天使の衣は絹のドレス、淡い若草の緑のそれを緩く結んでいる腰の幅広のリボンを男の手が不躾に解いた開放感にシルマリルは頬だけでなく耳、胸元まで赤く染まる勢いで恥らったけれど、ロクスはさらにようやく肩に引っかかっているぐらいのそれを滑らせてシルマリルの豊かな胸元を露にするとそこに顔をうずめた。
「…花の香りがする…これも今夜までなんだな。
 君が望むのなら、好きなだけ僕の目の届く場所全部を花で飾るといい。そしてまた花の香りにまみれてくれ。その体を僕が愛すると思えば、君のささやかな楽しみを天界と同じように楽しんで欲しい。」
「あ、ロクスっ、そんな所っ」
「次君が服を着る時はこんな胸元が開いた服じゃないから気にするな。」
「っ!」
 柔肌に刺す痛みを感じた直後、シルマリルの鮮やかな薄紅の肌にロクスが一枚花びらを散らしていた。一枚所有の印を刻むとあとは止めるものなどなくて、ロクスは大きな男の手にあまるほどに豊満なふくらみを両の手でわしづかみ、所有の印を生娘の柔肌にいくつも刻みつけ浮かべてゆく。つかんだ手にあまるふくらみを揉みしだきほどなく存在を主張し始めた先端突起を指先で捉えて巧みな指使いで弄び、見るだけでわかるほどになったそれをロクスが服越しに甘噛みすると、シルマリルの体の奥から初めて艶かしい声が漏れた。
「…想像以上だ、いい声で鳴く……」
 冷たい外気が素肌に触れる。
肌を刺した冷たい空気にシルマリルが瞬間我に返りわずかに身を起こすと、露にされロクスの手につかまれている両の乳房が視界に飛び込んできた。思わずロクスを押し戻すよりも先に彼の唇が赤く立ち上がった蕾に触れてそれを躊躇なく口に含み、シルマリルの背中を初めての感覚――――「快楽」が駆け抜けた。小さくやわらかい舌を犯し絡みついた舌が今度はまだ小さな乳首を弄び、いい大人のロクスが赤子のように小さなシルマリルの乳房に吸いついている。けれど彼のしていることは当然赤子のそれではなくて、彼がシルマリルから吸い出そうとしているのは女の快楽。
片方を唇と舌で弄びながら、もう片方も同じように指先で摘みいじって抵抗を快楽で封じてゆく。あどけない容姿に豊満な乳房とシルマリルはアンバランスな魅力を持ち合わせていて、顔や性格は少女のそれなのに、乳房や腰のくびれの大人びていること…豊満な女を好む男は少女にさしたる興味を持たなかったけれど、この天使の存在感すべてに魅入られてしまった。
「こんな姿…見られるの……」
「はしたないから恥ずかしいとか言うなよ?
 この時の表情がいい女はとびきりだと思ってるんだから。」
「え…?」
「もっとも君はどんな顔してても目を惹くけどな。」
 不実な唇が甘ったるく囁き、女を騙す微笑でロクスがシルマリルを篭絡しようとするけれど…誘惑と篭絡は紙一重で、ロクスのそれは誘惑だった。
恥らってばかりの子どもを女として羽ばたかせようとしてるだけ。
「さて…そろそろこっちを……」
 ロクスの手がついに核心へと触れようとしたその瞬間、彼の指の感触にゆるい快楽の波を漂っていたシルマリルが一瞬で正気を取り戻した。
「あ、嫌っ!!」
「シルマリル?」
「だめ、そこはだめ…!」
 内股に触れることすら許されなかった細い指にやわらかな女の指が絡みついてそこから引き離そうとするけれど、女の、しかも小柄なシルマリルが男の力を押し戻せるものではなくて、逆にロクスが長くしなやかな指をさらに絡みつけて彼女の手ごとその奥へと差し込んだ。
「だめじゃない。今さら拒んでどうするつもりだ?」
「でも…ロクスは……」
「いずれ教皇になる男が色に溺れるなんて、ってお決まりの台詞なら封じていてくれないか。すでに君に溺れてしまった僕が、今さら体裁なんて気にしても仕方がない。」
「でもせっかく」
「黙って。」
「あ!?」
 シルマリルの白い脚がびくんと跳ねた。絹の衣をたくし上げて女が隠し通す谷間がある場所で男の手が蠢いていて、シルマリルは肌蹴た乳房を隠すことすら忘れ、布越しにでも初めて谷間に触れた男の指をまだ気丈にも押し戻そうとがんばっているけれど、ロクスは改めて覆いかぶさると器用な指使いで下着の向こうの素肌に触れた。
跳ねた白い脚はそのまま宙に浮かされたみたいにロクスの肘に引っ掛けられたまま小刻みにふるえていて、シルマリルの途切れがちだった嬌声がたちまち嗚咽に変わる。知らない感覚に飲み込まれる恐怖と羞恥心とそれすらすべて飲み込む勢いで襲い来る快楽と言う名の大きな波と――――気がついた時には泣き出していたシルマリルの涙を、ロクスは何度も唇でぬぐうけれど、ぬぐってもぬぐっても限がない。
けれど泣くなとも言えない。彼女の感じる恐怖が人間の少女のそれとは比べ物になろうはずもないことはわかっていたはずなのに、人間の男の肉欲の強さが恨めしいばかり。
ロクスができることと言ったら、とまらない涙をぬぐうことぐらい。
 けれど、人間の少女より長い時間の後、シルマリルの嗚咽が熱を帯び始めた。
男にしては細く繊細な指先がただひたすらに幼い谷間を丁寧に撫で指を這わせて丹念な愛撫を与え、まだ潤う様子すら見せないかたくななそこを飽きることなく愛で続ける。
固かったそこが少しずつやわらかくなり弾力を持ちしっとりとわずかに潤う兆しだけ見せるけれど、シルマリルは知らぬことに対する恐怖の枷が大きすぎてそこから先に進めずにいる。
「…仕方ないな。あまりこれはやらないからうまくできるか自信はないが…」
 余裕の表現のような微笑を浮かべることさえ忘れ熱っぽくシルマリルの表情の変化を間近で見ていたロクスが身を起こし、下着の中から手を抜いて滑らかな淡い若草の絹をシルマリルの素肌から丁寧に引き離した。それを打ち捨てずに、最上級の絹に対する礼儀としてはふさわしくしわに気をつけながら、そばにあった椅子の背にそっとかけて、ついでに自分も服を脱いで…聖職者だから鍛える必要はどこにもないのに、ロクスの体は意外にも引き締まっていた。
目立つ筋肉はないが均整が取れていて、それに彼の容姿や立ち居振る舞いなどが加味されてと女が騒ぐだけの要素を持ち合わせているけれど、羞恥心がまだ大きいシルマリルが彼の裸体を盗み見るなどできるはずもない。己の痴態を隠すことが先。
下着一枚にされ自分でも触れたことのない場所に男の指が這いずり回り、それに甘えた声をあげていた自分が恥ずかしくてどうしようもないんだけれど、逃げ出すこともできない。腕で隠しても隠したい場所すべてを隠せないから、小さな手はロクスの床の掛け布で己の体を隠した。
「…往生際が悪いな、本当。まあ君らしいと言えば君らしいが…。」
「あの…明かり、消し……っ!?」
 シルマリルの羞恥心とささやかな抵抗をロクスはいとも簡単に剥ぎ取りほんのり染まる痴態を再び露にし挑みかかる。彼の下腹部で鎌首をもたげていた恐ろしい様相のものを見てシルマリルの青い瞳が更なる恐怖に染まったけれど、ロクスはそんな彼女の白い脚を抱え己の肩に乗せるようにして体を割り込ませた。
「嫌、いや…なにをっ」
「何を、って…君を女にするに決まってるだろ。
 ああ、男のものを見るのが初めてなんだな。大丈夫、こんなものいきなり入れたりはしないからそんなに怯えないでいい。第一まだ濡れてもいないじゃないか。」
 知識はあれども経験皆無、そんなシルマリルがロクスの目に愛らしく映る。覚悟だけは決めている様子を見せるけれどいろんなことに身構えたり怯えたりする様がなんとも可愛らしく、愛しくて――――
「大丈夫だって。やっと戻ってきた君をまた手放すような真似はしないと約束する。」
 必要以上に怯えないでほしいなんて思いながらかける優しげな言葉さえも誘い言葉にしてしまう。愛しいのもほしいのも嘘じゃなく彼の中に息づく現実。
その声にシルマリルは一瞬身を固くするけれど、少しだけ間をおきおずおずとロクスに体を預ける。
もう背中に翼はない。彼の変貌に怯えたとしてもどこにも帰る場所などない。
彼女を縛る大きな不安をロクスは見透かしているみたいに甘い言葉と誠実な誓いをこれでもかと並べ立て続けた。不実な男の唇からつむがれるその言葉もすべて真実で、けれど囁きかける場所が悪くてシルマリルの胸の奥までは届かなかった。
 ロクスはシルマリルの下着の中で指を蠢かせている。
時間をかけてひたすら丁寧に撫で続けてもしっとりと潤う程度だったそこがどうなっているのか気になるけれど、まだ彼女を守る羞恥心の鎧は脱がせそうになくて、けれどどうにも気になって仕方がないからとシルマリルの股間に顔を埋めるみたいに至近距離で白い下着ばかりを見守っている。女が喜んだ指使いを再現したくても処女のそこは固くて痛々しいほどでどうしようもなくて…抵抗しないシルマリルはありがたいのだけれど、時間をかければかけるほどロクスは余裕をなくしてゆく。
ロクスは熱っぽく見ていただけの白い下着に少しずつ寄って、そしてとうとうこらえきれずに顔をうずめて大きなため息をついた。
「あ!!」
「…君のにおいがする……」
 触れてしまうと男は止められなくなり、こういう駆け引きが好きなロクスも例外ではなくて、シルマリルの最後の砦を荒々しく引きちぎるみたいに脱がせ床に落として、文字通り女の谷間にむしゃぶりついた。
「ああ可愛いな…色もきれいだ。でもずいぶん小さい……」
「やっ、しゃべらないで!」
「やっと…僕のものに…この体すべてが僕の…っ……」
 頭の芯が痺れる。
女の谷間に容赦なく響くロクスの声が、そこをひたすらに貪る男の舌が、そしてまだ口を閉じたままの入り口をまさぐる指先がシルマリルの理性を壊しそう。女の蜜で潤う兆しを一向に見せないそこを、男の舌が指が容赦なく責め、ロクスは己の唾液でそこを開かせようとする。指の愛撫でわずかに赤みを増していた小さな花びらだけでなく女性の最もデリケートな場所、まだ目深に帽子をかぶるみたいに身を固くしたままの包皮に包まれた快楽の蕾を執拗に舌先で嬲り責めそれにしゃぶりついて…激しいなどというものではない、苛烈な責めにシルマリルはいとも簡単に最初の絶頂へと突き上げられた。
「…あ…うあぁ…ぁ……っ………」
 意味のある言葉が頭の中からすべて消し飛ばされ、知的で愛らしく美しい天使様のシルマリルが、快楽が強すぎるあまりに放心し涎などたらしながらがくがくと身震いするのだけれど、ロクスは初めて与えた絶頂をどう思うのか、シルマリルを休ませずにただひたすらに舐り続ける。
執拗に責め続けた蕾が帽子を少しずらすみたいに顔を出した様子は淫猥でしかし実に甘く抗えなくて、ロクスの唾液とシルマリルの蜜にまみれ汚れた男の唇がそれに口づけ包み込みゆるく長く吸い上げると、休ませてもらえないシルマリルを二度目の絶頂の大波が飲み込んだ。
「こ…ぁ、れる…っ……壊れるぅ………」
 ようやく、かろうじて言葉らしい言葉を途切れがちにシルマリルの声が紡ぐけれど、その青い眼差しはどこを見ているのかさえ定かではない。小さな手が無意識に動いて己の女の谷間を壊しそうな勢いで責め続ける男の髪に白い指が絡み、ロクスの波打つシルクグレイの髪がかき乱される。それを求められたと解釈したのか、ロクスはまた顔をうずめて、今度は腫れあがった蕾ではなくて
「―――――っ!!」
 ようやくとろりと濃い蜜を滴らせ始めた蜜壷に、男の指先がわずかにうずめられた。
「やっぱりきつい…ああでも早く突っ込みたい…シルマリル…まだか?
 まだダメなのか…?」
 ロクスの声が淫らに問いかけるけれど、細い指はすでに半分ほど彼女の中へと入っている。少女の手を取り導き女として花開かせる立場にいるはずなのに、待たされ焦らされて火がついた男の激しさはもう止められない。指とはいえ蜜壷を手加減なしにかき回されているシルマリルは、嵐のような快楽と他人を受け入れた痛みの中で身悶えてばかりいる。
ロクスの寝床に、小さな赤い花がふたつ咲いていた。
 突然ロクスが身を起こした。紫の目には理性などかけらもなくて、息が上がり体中を情交の熱と汗で濡らしている男の下腹部には、もう一人の彼が満たされる放出の瞬間の訪れを待ち望んでいて――――ロクスがそれに手を添えてシルマリルの脚を再び、大きく開かせてそれの頭を押しつけた。
「ひっ!?」
「力を抜いて。痛いだろうが死にはしない。」
「…った、痛…いや…むり…そんなの無理ぃ……」
 覆いかぶさるロクスの腕に小さな爪が食い込む。ふたつの裸身が絡み合い重なり合いひとつになる――――はず、なのに…
「痛い! やめてロクス痛い、痛いぃ!!」
「シルマリル?」
 耳を突き刺す悲鳴と激しい拒絶にロクスが我に返り重なろうとしていた体を離すと…痛々しくも初めての男に引き裂かれ谷間から鮮血を滴らせているシルマリルの姿が目に飛び込んできて愕然とする。
「あ…あぁ…っ……」
「こいつは…ひどいことをしちまった…」
「…っ………」
「…ごめん。君にはまだ無理なんだな。」
 脚を閉じるどころか動かすことすらできずにいる彼女の様子に、ロクスがその痛みの大きさを嫌でも感じてそれ以上の無理ができなくなり、一度はひとつになろうとした体を離して汚れていない手で小さな頭をそっと撫でた。頭すら入れられないほどに彼女のそこは小さくて幼くて、麗しい見かけに誘われて勢いまかせに抱こうとしたけれど、今はまだ無理で…しかしロクスの体は到底静まりそうにない。
一度恋焦がれた女の中へうずめられたもうひとりの彼はびくんびくんと脈打つ様子なんて見せながら解放の瞬間を待っている。
「…シルマリル」
「……っ…ごめ、んなさ…っ……」
「いい。悪かったな、痛かっただろう…?」
「…ごめ…っ…………!」
「泣くなよ…無理強いしたのは僕だ。
 でも…続けていいか? もちろん裂けた場所にもう一度、なんてひどいことはしない。」
 途中でやめることもまたできないとわかっているロクスが、今度は己が下になり自分の体の上にシルマリルをうつ伏せにしつつ乗せた。そして彼女の腰を支えていた手が尻に滑り、その谷間を指先でなぞって…
「え………?」
「こちらの処女をもらおう。
 こっちは僕も童貞だけど、…傷つけないよう気をつける。」
 ロクスの指が再び体の内部へと侵入してきた感触に、シルマリルの小さな体が彼の上で跳ねた。
「で、でもロクス、そこは…っ」
 しかし先ほど痛々しく引き裂かれた場所ではなくて、違和感はあっても痛みはなくて…まったく違う感覚を短い時間に混乱するほどに与えられ、シルマリルの唇の端がわなわなとふるえて呂律が回らなくなって、その唇をロクスが愛でるように奪った。
「僕らは姦淫を戒められているからな。女性との情交はかなわずともこちらを愛好することで逃れている奴も多い。
 ただ…いつか、君の体がもう少し慣れたなら…是非とも処女を僕にくれ。
 僕にとって君の初めては何よりも重い意味を持っているんだ。」
 もう何度目かすらわからなくなった舌まで絡めあうキスを交わしながら、ロクスの指がもうひとつのシルマリルの処女――――赤紫の菊花を弄る。すでに指先は彼女の中へ、蜜壷を責める指使いよりもずっとゆるい律動にシルマリルの小さな体がふるえた。
「大事な所が痛いだろう? 君は動かなくていい。
 ほら…君の蜜がこんな所にまで滴っている…」
「あ」
「他の女相手には考えもしなかったのに…君相手となるとその口にも…胸にもたっぷりかけて僕のにおいでぬりつぶしたいし…前を愉しむのと同じに尻だろうと徹底的に犯して汚したいなんて考えちまう……」
 処女をいただくことさえままならぬ、中身は幼い肢体に経験だけは豊富な男がのめりこみ溺れるのは、彼女の持つ魔性ゆえのもの。神聖なる天使様は人間の魂を神に差し出させる魔性を持つ。
シルマリルはすべての祈りの奇跡も純白の翼も手放し人間の少女になったけれど、彼女の持つ美貌と魔性は当然抱えたままでいる。人の少女に過ぎた美貌も魔性も悲劇を呼ぶ引鉄にしかならないけれど、シルマリルはそも人ではない。
非力で祈るしかできない天使は己の剣となる存在を見出して人となった。けれど彼は男で、己の力に対する代償を欲し、そして………
「…こっちは慣れるのが早いな。痛くはないか?」
 ロクスは男も知らぬ少女の尻に指を二本も使っている。ゆるく、しかし深く抜き差しを繰り返す指は先ほどとは違い残りの蜜にまみれながら忙しなく動いている。問いかけられたシルマリルはこくんとうなずいたけれど、彼女の青い瞳も忙しなくあちらへこちらへと動くあたりを見ると、そこから快楽を引きずり出すのは難しいことをロクスが痛感する。…おそらくどれだけ愛でようと、今の彼女を先ほど与えた絶頂の嵐の中へと叩き込むことはできそうにない。
それでもあの羞恥心が強いシルマリルがおとなしくしているのはわかりやすい話で、彼が最も求めていたことに応じられなかった自分を責めてのもの。時折苦しげに短くうめくところから察するに、あまりいいものではなさそうなことだけはロクスにも伝わった。
「あ…ん……、っ…」
「…苦しいんだな?」
「違…っ」
「…そんな嘘、つかないでくれよ。」
 花びらの唇からもれるのは嬌声ではなく呻きに変わった。青い瞳には正気が戻り、シルマリルの細く優しげな眉は苦しげに歪んだまま。嘘をつかない彼女が嘘をつく――――苦しいのを否定した姿にロクスはため息をつくけれど、行為を切り上げることもできない。
心情としては解放してやりたくても、自慰行為では埋められない。
 しかしロクスが醒めかけていた同じ瞬間、シルマリルは逆にこの男がどうしようもなく愛しく感じられていた。あの自分本位な男が、女に不実なロクスが自分のことを傷つけまい、可能な限り痛がらせまいとひたすらに体すべてを使い愛で続けているこの現実に、ひとつになろうとしていたけれどシルマリルを襲った激痛を優先して途中でやめるほどに案じてくれている今が、言いようもないほどに嬉しかった。
不実な男だけど、自分を抱こうとしている今嘘はないことだけは感じてとった。
「…大事なところ」
「え?」
「こんなに裂けてるんだから…痛くないわけないでしょう?
 でも嫌ではないからこうしてます。あなたは優しいし…っ……」
 シルマリルが躊躇い始めたロクスに口づける。
「ねえ…もっと、さわって………お願い…もっと……」
 小さな体がしなだれかかり、ロクスの肌に重なって
「…続き…して…ロクス………」
 胸板にそんな言葉を囁かれては、女ずれしたロクスだろうと耐えられようはずなどない。男の手が細い腕をつかみ己から引き離し、小さな体を持ち上げ背中を向けさせ跨らせ、ロクスがほぐしたシルマリルの尻を広げて――――
「…っ!!」
 男に慣れた女の谷間に激しく欲望を突き入れるように、もうひとりの彼がシルマリルの中へと侵入した。それは指でほぐされた深さまで簡単にうずめられ、仰向けに横たわっていたロクスが腰を突き出すのと同時に膝を立てシルマリルを四つんばいにし彼女の尻を抱えながら激しく抜き差しする。
「尻でこれか…つくづく処女をいただけなかったことが悔やまれる…」
「ま、待って! ロクスそんな乱暴に」
「続きしてくれって言ったのは君だ。」
 あまりにも乱暴なロクスの律動にシルマリルがわずかに抵抗の様子を見せたけれど、ロクスは強い腕でシルマリルの上半身を抱き寄せ身を起こさせて、激しい律動に揺れている乳房に指を食い込ませた。容赦なく腰を突き動かし体格差が彼をさらに奥まで導くみたいに受け入れて、ほぐされていない場所に太い異物を受け入れさせられてシルマリルの表情が苦痛に歪んだけれど、
「あ!?」
 ロクスの繊細な指が一度は解放したシルマリルの谷間へと伸び、再び女の最も弱い場所を的確に責め始める。指の腹で優しく頭を撫でるみたいに蠢く指使いに一度二度と達し余韻が強く残る女の体に鮮烈な感覚が呼び戻されて、たちまちシルマリルの体がふるえて腰が振れ始めて、わずかに緊張が緩んでいるのを見たロクスが深々と自分を突き立てて腰を密着させ小刻みに揺らし突き続ける。
畳み掛けられる愛撫の嵐と壊されそうなほど激しい律動に、シルマリルが抗えるはずなどない。処女を守ったまま男をその身に受け入れさせられる矛盾、呼吸すらままならぬ息苦しさと圧迫感…引き裂かれ血を滴らせていた場所からまた蜜がこぼれて熱く滾るロクスに伝う。
強いが自我を手放せるほどの快楽ではないことがシルマリルを追い詰める、己の尻で愛する男の形を余すところなく生々しいまま感じさせられ、それは強くて果てを知らないみたいで――――
「…っ…もう、これ以上……」
 しかしそれはシルマリルの感覚に過ぎなくて、ロクスは余裕すべてを失って久しい。解放の瞬間ばかりをほしがっていた、本懐は遂げられなかったとはいえシルマリルの初めてをひとついただいたことは間違いなくて、追い詰められた男の本能は爆発するだけ。彼の意味あるうめき声の直後、シルマリルの体内、直腸に別の体温持つ粘液が迸り、シルマリルの腰が逃げるだろうことを予想していたのだろうロクスが小さな体を抱きしめ手放さない。
「あ…あ……なんか出てる…私のお尻に……」
「そうだ。君は尻で僕の子種を飲んだ。…君は僕のものだ。」
 頼りなくふるえる日差し色の髪に、その影にある小さな耳にロクスが露骨で甘い淫語を囁き、放出が終わっても彼女から抜こうとせずにゆらゆらと腰を揺らし戯れて己を復活させる。
ロクスの唇には一度放出したことでようやく生まれた余裕が生んだ微笑が浮かんでいた。
「…さ、もう一度だ、シルマリル。さっきみたいに可愛く腰も胸もふるわせてくれよ。」
 耳に感じた濡れた吐息と淫らな言葉とざらついた感触にシルマリルが身も心もすべて陥落する。…もう多分、彼なしでは生きてゆけないだろう。
先ほど引き裂かれた激痛の奥に生まれた疼きが何を意味するのか、シルマリルは再び揺らされ始めた行為の中で目をそむけることも許されず思い知らされていた。

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2008/07/30

処女調教+流血のため未貫通・そしてアナルセックス。三拍子そろったということで裏行きとなった話です。
ロクスは一見優しげなのですがやってることはろくでなし通り越して人でなしになりました。
いまだ未開通のシル子が、これから徹底的に仕込まれて行きますがこの話はそれが軸ではないので、次はいつ裏に話が加わるかは 神のみそ汁違った神のみぞ知る。
なんかやる際のロクスは容赦も余裕もないと思われます。
というか基本的に余裕はなさそうに見えますけれど。

それにしても私の書く成人向け小説はやたらめったら長いですね。滝汗。

読んでいるだろう皆様の広い心に甘えつつこんな露骨なポルノ小説まで書く私ですが、さすがにこういう特殊なものを書くとびくびくしてしまいます。
ジルオールでは世界観がダークだったこともあり多少羽目ははずせたのだけど、フェバは美しいファンタジーの物語だし…でもワタクシときたら男キャラは強さも弱みもある生々しいのが好きな傾向があるので、こういう手の話を書くのはは大好きだというダメ人間ぶり。
どこまでなら書いても許されるのかのさじ加減が難しいけど、結局やめられないんだよなあ…。