天使の羽がもがれた日




露になっている京子の乳房に、男の手が乗せられる。
かさついた掌が乳房の形を歪ませた。




「触んな、気色悪ィ」
「おおッ、乳首も色キレイじゃん」
「触んなっつってんだよ」




睨み付ける京子を無視し、ピアス男の指が乳首を掠める。
僅かに京子が眉根を寄せるのがピアス男にも見えた。

指先で摘まれてコリコリと転がされ、京子は這い上がってくる感覚に唇を噛んだ。




「お、感じてる?こっちも弄ったらどうなんのかな」
「……ッ!」




両方の乳首を摘まれて、引っ張られる。
乳房の重みで痛みを感じ、京子は今度はしっかりと顔を顰めてしまった。

ピアス男が手を放すと、乳房が重力に従って落ちる。
若い張りのある乳房は、ぷるんと弾んで、男達の目を楽しませた。


様子を見ていた男達がぞろぞろと此方に集まってくる。
ピアス男が見せ付けるように乳首を摘み、転がして刺激する。




「ッ……ん、く…ッ!」
「ほらほら、我慢しないで声出しちゃいなって」
「……ッんん…!」
「もう硬くなっちゃってんじゃん」
「敏感だなぁ〜。ホレ、こっちも」
「ふッ…ん…!」




複数の腕が伸びて来て、京子の胸の上で遊ぶ。
誰かが乳首を摘むと、別の手がその頂を指先で捏ね回す。


京子は、他人と接触するのが嫌いだった。
『女優』の人達が相手なら話は別だが、彼女達の場合は慣れが強いだけの事。
最初の頃は抱き締められるのも、手を繋がれるのも嫌がっていた。

そんな彼女の乳房を無遠慮に弄ぶ男達。
意志に反して敏感な反応を見せる京子に、彼らは明らかに興奮していた。




「引っ張っちゃえ」
「いッ…ん、んくッ……!」
「痛い?じゃあ摩ってあげようね〜」
「やめ…ッ、ん、ぅ……くぅッ…!」
「可愛い声出るんじゃん。もっと聞かせてくれよ」
「……黙れッ……!」




押し殺しつつも、感じていると判る声を漏らす京子に、男達が色めき立つ。


硬く尖った乳首に、ピアス男が吸い付いた。
生温い、ナメクジのような滑った感触に、京子の全身が総毛立つのを感じた。

弄られて一層敏感になった乳首を、ちゅぅうう、と吸い上げられる。




「んッ…!ふ、ぁッ…!」




乳輪の形を舌がなぞり、ぬめぬめとした感覚に京子は身を震わせた。
ちゅ、じゅる、といやらしい音がわざとらしく鳴っている。





「俺もッ」
「────あッ!」




髪の長い男が、もう片方の乳首に吸い付いた。

じゅる、ちゅううう、と両方の乳房を吸い上げられて、京子の躯がビクビクと跳ねる。




「んッ、うッ…ふッ…!くぅ…!」




唇を噛んで声を殺すが、喉の奥から漏れてくる。
男達はそんな京子を見下ろして、下半身に熱が集まっていくのを自覚した。



ちゅぽん、とピアス男が乳房から口を放す。
空いた其処に厳つい顔の男が手を伸ばし、乳首を摘んで捻る。
ロンゲの男はまだ吸い付いていた。

京子の意識は、完全に攻められている乳首へと向けられていた。
そんな彼女の隙を突いて、ピアス男は彼女の足を割り開く。




「何ッ……あぁッ!」




何しやがる、と怒鳴ろうとして、乳首を吸われて甘い悲鳴が漏れてしまう。





「あッ、あッ…!くぅ…!」
「ほい、パイパンマンコご開帳〜」
「ツルツルだな。さっき見た時も思ったけど、ガキみてェだなァ」
「見る、な…あぁッ!や、あ…!」




ピアス男の指が牝貝のヒダを引っ張る。
薄いピンク色に色付いた陰唇を、男達はまじまじと覗き込んでいた。


見られている─────その屈辱と羞恥で、京子は顔が真っ赤になった。


一つ一つを観察するように、ピアス男の指が京子の膣口のビラビラを丁寧に開いて行く。





「あッ…や、ん…!」
「何、ひょっとして処女?マジで?」
「そりゃねェんじゃね?“歌舞伎町の用心棒”だぜ」
「う…く…んん……!あッ…!」




蕾を開きながら、好き勝手に言う男達。
蹴り飛ばしてやりたかったが、脚を開いたままで抑えつけられ、叶わない。

ピアス男の指が、京子の秘部を強引に開かせる。
あらぬ場所に外気が滑り込んでくるのを感じて、京子はふるりと肩を震わせた。





「んぁッ…!」
「濡れてねェな」
「やっぱヤった事ないんじゃね?」
「って事はァ、処女ゲットって事?“歌舞伎町の用心棒”の?」
「ふざけ……あぁんッ!」





勝手に盛り上がる男達を一喝しようとして、乳首を強く吸われてしまう。
じゅるッ、ぢゅうッ、と京子を諌めるように攻められて、京子はビクッビクッと躯を震わせる。




「指入れてみようぜ」
「やめ……ひぃぅッ…あ、くぅううう…!」




ちゅぷり、とピアス男の人差し指が膣に埋められる。
異物感に京子は吐き気を覚え、上がりかけた悲鳴をどうにか喉の奥で押し殺した。



……オナニーなら、何度かした事があった。
二次性長期を迎えて間も無く、場所柄、そうした知識もいつの間にか(『女優』の客だったかも知れない)頭に入っていた。

けれども、『女優』に下宿状態では、アンジー達の存在が気にかかって、本格的なオナニーには至っていない。
部屋で一人で耽っている最中にアンジー達が来ないとも限らないし、“いけないこと”をしている気がした。
何より、快感が強くなるにつれて、頭の中がスパークし、思考が融解していく感覚を受け容れられなくて、いつも膣口の表面をなぞったり、指全体で揉んだりと言う程度が彼女の限界だった。


バイブだのローターだの、そういう道具があるのは知っていたし、オナニーの為の道具があるのも知っている。
だが中学生の京子が易々と買える訳もなく、そもそも金銭的にも無理があった。

シャーペンや歯ブラシで代用と言うのも考えられたが、京子の持ち物は殆どがアンジー達からのプレゼントだ。
それをオナニーに使うなんて、流石の京子でも憚られた。
だから、内側を弄る感覚など、京子はずっと知らなかった。



──────それを、こんな形で、こんな奴らに。




「う…く、ふぁん…ッ!」
「この辺気持ちいいかな〜」
「────あッん!」




ピアス男の指が、膣内の天井部分を擦る。
ビクン、と京子の脚が大きく跳ね上がった。
その反応に満足して、ピアス男は上部を何度も指の腹で刺激する。




「あッ、あッ…!や…ぬ、抜けッ…抜けッたら…!」
「抜くよ〜、後でじっくりとな」
「ふざけ……くぅん!あ、ふ…んんんッ!」




膣内で、指が小刻みに動き、肉壁の天井を何度も往復する。
京子の躯がそれに反応して奮えれば、一層男達を愉しませる。

むにゅう、と形のよい乳房に男の手が埋もれて、強弱をつけて揉みしだく。
赤ん坊が乳を吸うように乳首を吸われて、京子は唇を噛んで声を抑えようとする。


だが、躯は京子の意志を無視し始め、悪戯に肉壁を突かれては躯が跳ねる。

ピアス男の指が大きくグラインドして、京子の膣口を何度も出入りする。
痛みや傷を避けようと、京子の膣口が濡れ始めるまで、それ程時間はかからなかった。




「おぉ、濡れてる濡れてる。京子ちゃんも見てみな」
「い…や……んんッ!」




奥まっていた場所から、一気に指が引き抜かれる。
ちゅぽん、と言う音が小さく聞こえて、京子の耳が朱色に染まる。


ピアス男が京子の眼前に指を近付けた。
節張った長い指には、粘ついた蜜液が纏わりついている。

にやにやとした顔で此方の反応を見ているピアス男を、京子は尖った目でじろりと睨み付けた。




「気持ち良かったね〜、京子ちゃん」
「……馴れ馴れしいんだよ、てめェ」
「そんじゃ、お次〜」
「だからッ……んあッ!」




怒鳴ろうとして、両の乳房を絞るように揉まれる。
ちゅぅ、ちゅる、と音を立てて乳首を吸われて、ビクン、と京子の肩が跳ねた。
追い討ちをするように舌先で乳頭をくすぐられる。


息を荒げる京子を尻目に、取り巻きの男達が京子の脚を大きく開かせる。
膣口からトロリとした液体が溢れ、京子の股間がてらてらと光っていた。

ピアス男がベルトを緩め、Gパンを下着ごと下げると、ぶるんと浅黒い色のペニスが現れた。





「い……ッ!」
「あれ?京子ちゃん、ちんぽ見るの初めて〜?」
「煩ェ!ンな汚ェもん近付けんなッ!!」




男の性器なら、子供の頃に父親のものを何度か見た事があったし、『女優』でも見た事がある。
アンジー達は女性であって女性ではないし、酔っ払った客が悪ふざけが過ぎた事もあった。
下ネタに抵抗を覚えるほど、清廉潔白な性格ではなかったから、堂々と見ていた時もある。

だが、黒さと言い、形と言い、此処までグロテスクなものは見た事がない。


濡れそぼった膣口に亀頭の先端が宛がわれる。

性行為の知識ならあった。
だから、これから何をされるのかも、判った。




「や…!嫌だ、放せ!放せぇッ!!」
「いい反応するね。ゴーカンしてるって感じする」
「ふざけてんじゃねえ!ンなモン入れてみろ、ミンチにしてやっからな!」
「ミンチねェ。こっちでしてくれるんなら、大歓迎ッ」




ぐちゅぅうう!!と一気に根元まで埋められる。
僅かに抵抗する網膜も破られ、その痛みに京子は声にならない悲鳴をあげる。




「────────ッッ!!!」




異物感と、痛みと、言いようのない喪失感。
京子の全身が強張って、見開いた目尻から大粒の涙が零れた。
牝貝と肉棒の隙間から、赤い液体が筋を作って落ちる。


硬直した京子に構わず、ピアス男はおぉ、と感嘆の息。




「すっげェ、名器じゃん。突っ込んだだけでイけそう」
「ひッ…ぎ…い……!」
「あー、でもちょっとキツ過ぎだわ」
「京子ちゃ〜ん、マンコ緩めてよォ」
「る、さ…抜けッ……んひぅう……!」




コリコリと乳首を捏ねられて、益々京子の躯が強張っていく。
ピアス男は後にも前にも引けず、増して来る締め付けの痛みに顔を顰めている。

脚を抑えていた仲間の一人────ヘアバンドの男が手を伸ばし、京子の膣口の傍をなぞる。
ビクッと京子の躯が跳ねるのを見ながら、指は膣口の上にある蕾に辿り着いた。
慎ましく被っている皮を剥いて、クリトリスを摘みあげた。




「あッああぁッ!」
「うぉッ、締まるッ!バカ、こっちゃ苦しいんだよ!」
「まぁまぁ、ちょっと待っとけって」




悲鳴を上げた京子に構わず、ヘアバンドの男は、摘んだクリトリスを爪先で擦る。
最も敏感な場所を執拗に弄られて、京子の喉から甘い声が溢れ出る。




「やッ、あッ、あッ!やめ…ひぃッ!そんな…触、んな…ッああ!」
「クリちゃんもピンクかァ。オナニーしねェの?」
「は、んん…!や、あ、ふぅ…んんッ!あッ、あッ、」




問う男に答えられるような余裕が、京子にある訳もなく。
数少ないオナニーの経験の中でも、こんなにも強い刺激を感じた事はなかった。


執拗に刺激された京子のクリストリスは、まるで腫れたように大きく膨らんでいる。
それを摘んでは引っ張り、押し潰して、指先で弾いてと遊ばれる。
強過ぎる快感に京子は口を閉じる事も出来ず、喘ぎ声を我慢する事も出来なくなっていた。

秘部の痛みもまだ消えないのに、上塗りするように与えられる快感。
頭の中がスパークする、あの感覚に襲われて、京子は恐怖にも似た感情が沸き上がる。

それを更に追い詰めようと、ピアス男が腰をゆっくりと引いていく。
蜜に濡れた膣内は、挿入時よりもスムーズにその動きを助けてしまう。
ぬりゅぅう、とカリの部分が皮肉を擦る感覚に、京子はぞわぞわとした感覚が背中を昇ってくるのを感じた。




「や、いや…!ん、あッ、あッ、あぁあ…!や、放、放し…ッ、んぁあッ!」




頭を振って拒否しようとする京子だが、ヘアバンドの男は一向に手を止めない。
ビクッビクッと腰を戦慄かせる京子に、益々調子に乗っていく。

剥いた包皮を摘まれて、裏返った声が京子の喉から漏れる。




「ひ、は、はぁッ…!やめ、やだ、いやぁああ…!」
「あれ?京子ちゃん、ひょっとしてイっちゃうかな〜?」
「やッ、あ、ん、ひ、あぁあああああッッ!!!」




ビクン、ビクンと京子の躯が大きく跳ねる。

京子にとって、これが始めてのオーガニズムだった。
スパークどころか、頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなる。
自分の身に何が起こったのかすら、その時の京子には理解出来なかった。


短い呼吸を繰り返し、呆然として視線を彷徨わせる京子に、男達はまたにやにやと笑いながら見下ろして、




「イっちゃった?京子ちゃーん」
「おーい、起きてるゥ?」
「ひゃあ〜だって。可愛いね」




ぐったりとしてベッドに沈み込む京子。
その秘部は血の赤と、とろりと零れた無色の液体で濡れていた。


ぐずり、と埋められたペニスが動いて、京子の躯がまた強張る。




「う…あッ…!」
「お、動く動く。そんじゃ、本番〜っと」
「や、あッ…!あ、あ、」




ぐちゅッ、ぐちゅッ、ぐちゅッ。

ピアス男が腰を振り始め、卑猥な淫音が鳴り始める。
ヒク、ヒクッ、と京子の細い肢体が戦慄いた。




「や、あ、痛ッ…!ん、あぁッ…!」
「すっげー、吸い付いてくる」
「やめ、やめろッ…!抜け、ったら、あん!」




ピアス男を蹴り飛ばそうとしても、取り巻き達に押さえつけられて叶わない。

ずるり、とペニスが引き抜かれて行き、かと思えば奥へと押し進められていく。
その度に漏れる自分の声が嫌で、歯を食いしばろうとするが、悪戯にまたクリトリスを弄られる。


凶暴さすら滲ませていた京子の目には、薄らと涙が滲んでいる。
それが痛みによるものか、別の感情から来るのかは、彼女自身も判然としていなかった。




「あッ、ああッ…!ふ、く…あん!」
「くは〜、サイッコー。京子ちゃん、マンコ気持ちいいよ〜」
「うるさ…んん!あ、あぁッ…!や、んあ、あッ、あ!」




初めての絶頂を迎えた、その直後だ。
ただでさえ他者に触れられる事を嫌う京子の躯は、常以上に敏感になっていた。
増して己の体内を抉られる感覚など、耐えられる筈もない。

ピアス男はそんな彼女の心中など慮る訳もなく、腰の動きは激しさを増していく。
上壁をカリが擦り上げる早いストロークに、京子の脚がビクン、ビクン、と跳ねる。




「あッ、んあッ、ああッ!は、は、や、いや、あッ、」
「京子ちゃん、初めてのちんぽどう?気持ちいい〜?」
「ああッ、あッあッあッ、んあッ、は、あん、やぁッ!」




再度湧き上がってくる、下肢から駆け上がってくる言いようのない感覚と、同時に迫る頭の中がスパークする感覚。
仰け反って喘ぐ京子には、最早男達を睨み付けるような気力も失われていた。




「や、いや、やぁ!あ、あ、ふあッ、」
「おっぱいたぷたぷさせちゃって」
「俺もーらい」
「んぁあッ!」
「お、マンコ締まった」




ぐちゅッ、にゅぷッ、ぬぷッぐぽッ。
ちゅる、ちゅ、むにゅう、ちゅるぅううッ。




「あはッ、や、いや、乳首、いやぁ!んあッ、あは、はぁん…!」
「あー、俺そろそろ限界かも」
「ひッはッ、あッあッ、あ、あ、あ、」




パンッパンッと腰を打ち付ける音がする。
角度を変えて打ち上げられて、京子は一瞬呼吸を忘れた。
抉るように穿たれたペニスが子宮口を突いたのだ。

膣口が一層強くピアス男のペニスを締め付け、ピアス男の我慢はそれが限界だった。




「うぉおおおッ!出るッ!」
「あひッ、や、ぁあああぁああッッ!!」




体内へと放出される熱い粘液に、京子の喉から甘い悲鳴が上がる。
ドクドクと注ぎ込まれる感覚は、言いようのない感覚を彼女に強制し、彼女もまた絶頂を迎えた。




「ああ…あッ、…あッ……」
「っは〜……すっげー」
「んんぅ……ッ」




ピアス男が感嘆の声を漏らしながら、京子に覆い被さる。
ぐちゅう、とペニスが根元まで埋められて、京子の表情が苦悶に歪む。


数秒すると苦悶の表情は消えて、熱に蕩けた色に染まる。
薄く開いた唇からは艶の篭った吐息が零れ、男の腹の下で形の歪んだ胸が上下している。
背に下敷きにされた手は、握る力すら失われていた。

ピアス男が京子の頬に舌を這わすが、彼女はもう、頭を振ることもしなかった。
蕩けた悩ましい吐息すら漏らしている。



二度のオーガズムで思考の融解した京子に、ピアス男がにやにやと笑う。




「これで“歌舞伎町の用心棒”は俺の女って事だな」
「ふ、ざけ……あぁッ!」




言い返してやろうとしても、腰を打ち付けられて喘ぎ声に変えられる。




「あッ、あッ!や、もう…いや、ああッ!」
「だってよ〜、中出ししちゃったし。あ、デキても俺ケーザイ力ないから、ガキは無理だけどね?」
「んあッ、あッ、は、あッ!この、最低、やろ…あぁんッ!」
「ダイジョーブダイジョーブ。後で避妊薬飲ませてやっから、一杯セックスしようぜ」
「ひぃッ、んんッ!く、あふ、はぁッ!あ、あ、あッ!」




ゴツッゴツッと亀頭が子宮口をノックする。


取り巻きの男達が、京子の脚を解放する。
しかし、男の体が邪魔をして、京子は脚を閉じる事も出来ない。

増して彼女の躯の自由は、完全にピアス男の手中にあった。
逃げようと身を捻れば、腰を掴まれて引き寄せられ、ペニスで内臓を抉られる。




「あッ、ふッ、あ、あ、」
「なぁ、そろそろ変われよ」
「待てって。なァんかこいつ、自分の立場ってのが判ってないみたいだし。その辺ちゃんと教育しとかねェとな」




腰を動かしながら言ったペニス男に、京子は一度息を殺してから、男を睨む。
だが目尻に浮かんだ涙と、熱に呆けかけた瞳では、異名ほどの覇気は感じられない。




「きょー、いく、…あッ、だぁ…ッ!?」
「そうそう。京子ちゃん、俺らの言う事聞かなきゃなんだよね。判ってるー?」
「あッ、ん、寝惚け、たこと……くぅんッ!」
「ネボケてんのは京子ちゃんだぜ。賭けは俺らの勝ちなんだからよ」
「ふぁあッ!」




ずりゅうう、と一息にペニスが抜かれて行く。
そのまま出て行く事を願った京子の思いは果たされず、カリの太い部分が入り口に引っ掛かって止まる。
ピアス男は円を描くように腰を動かし、京子の膣口を掻き回す。

体内を突き上げられるのとは違う、浅く、もどかしい感覚が京子を襲う。




「んッ…あ…っは…!」
「覚えてるかなー、賭けのこと。負けたら言う事聞くってね」
「ふ、ん、んん…!く…あんなの…反則、うぅッ!」
「ケンカに反則も卑怯もあるかよッ!」
「あッ、はぅんッ!」




ぐぢゅん!とペニスが一気に最奥を突き上げる。
京子の躯がビクッと跳ねた。

それから、殊更にゆっくりと、引き抜かれていく。
またいつ突然突き上げられるか、京子の躯は無意識にそう萎縮していた。
ふるふると小さく身を震わせる京子は、男達の征服欲を更に煽る。




「あッあ…んん…ん、ん…やぁ……」




ちゅぽん、と音がして、圧迫感から解放される。
しかし快感に流されつつあった躯は、開放感以上に、喪失感に苛まれていた。

ピアス男が退くと、京子はベッドの上で丸くなり、太腿を擦り合わせる。
双丘の隙間から蜜液が溢れて、京子の下肢を濡らし、シーツに滲みを作っていく。
もぞもぞと身動ぎする姿は扇情的だ。


肩で呼吸する京子の肌に、複数の男の手が彷徨い、撫でる。
それすら、京子は感じてしまっていた。




「ほらな?判ってないんだよ」
「だなァ〜。って事は、ちゃんと教えてやんないと駄目な訳だ」




ピアス男が取り巻きたちに目配せし、数人がベッドを離れて部屋の棚を漁る。
嫌な予感がしていた京子だったが、腕は拘束されたままで、全身の倦怠感が半端なく、起き上がる事も出来ない。



取り巻きが戻ってくると、それぞれ手に縄やら棒やら、卑猥な形をした道具が握られている。
京子は引き攣った声を漏らして、動かない躯を叱咤して逃げを打つ。
そんな彼女の足をピアス男が掴んで、無理やり引き寄せた。




「やだ、嫌だッ!何する気だ、てめェらッ!」
「何って、教育だよ」
「ふざけ…やッ!やめろ、放せ…ッ!」




閉じていた脚を強引に開かされ、立てられた膝の裏に棒────塩ビパイプらしきものが通される。
ロープでパイプを固定されると、男達が手を放しても、京子はもう脚を閉じる事も出来なくなった。

色付き、濡れそぼった秘裂が男達の前に惜しげもなく晒される。
京子の頬に朱が上り、痴態を眺める男達から目線を逸らすのが、今の彼女に許された精一杯の抵抗だった。


ヘアバンドの男が手を伸ばし、京子の陰唇を指に引っ掛けて広げる。
ピクン、と京子の肩が跳ねた。




「んじゃ、先ずはこれっと」
「ん、ぅ……!や、何……ッ」




くぷ、と何かが京子の膣に埋められた。
長さは親指程度だが、卵のような形をして、少し太さがあった。
ヘアバンドが指でそれを押し、膣の奥深くへと沈めていく。

歯を噛んで異物感に耐える京子の眼前に、小さなスイッチが差し出された。
それが何を示しているのか解らず、京子は眉根を寄せてそれを見詰める。


─────カチリ、スイッチが押されて、




「ひッいッ!?や、何、あぁあああッ!」




羽音のような小さな音が鳴り始め、京子の体内で振動が起きていた。
ビクッビクッ、と京子の躯が強張り、爪先がきゅうと丸くなる。


挿入されたのはローターだ。
京子にとっては知識で知ってはいても、実物を見た事もなければ、当然試した事もない。
機械に攻められると言う感覚すら、京子にとっては遠くにあるものだった。

初めて経験した機械に与えられる快感に、京子は感嘆に飲み込まれてしまう。
動かない足を暴れさせて、頭を振って身悶える。




「あ、ん、や、やぁあッ!中で…中でぇッ!」
「もう一個〜」
「ひぃッ!あ、あ、ふぁぁあああんッ!」




二個目のローターが押し込められ、スイッチが押される。
二つのローターが奥と浅い位置とで別々に振動し、京子の秘部が愛液でしとどに濡れて行く。




「ひ、ふぁ、中で、震えて……いやぁああッ!」
「これで参ってちゃあ後が持たないぜ」
「ん、あ、あ、あひぃいッ!ひ、ふぁッ、はぁあ!」




喘ぐ京子の膣に、また何かが宛がわれた。
その正体を京子が確かめる間を与えず、ぬぷぬぷと挿入される。




「んぁ、あ、やめ、もう…あぁあッ!」




ローターとは違う、長さと太さを持っているそれ。
男根に似た太さと形ではあるものの、熱はなく、ローター程ではないが機械的な冷たさがあった。

押し込まれた物体の先端がローターを押し、浅い位置にあったローターが奥へと埋められていく。
振動しながら肉壁を擦られる感覚に、京子は喉を逸らせて喘ぐ。




「あひッ、ひ、だめ、だめえええッ!ん、あ、あはぁッ!」
「それじゃこっちも、スイッチオーン」
「ひぃあぁぁあああぁあぁッッ!!」




埋められた棒がぐねぐねと回転を始める。
内壁を押し広げるように、まるで蛇の首のように動いていた。

そのまま奥へ奥へと貫かれる。




「や、いやぁああ!あッ、あッ、だめ、中で…中、掻き回すなぁああああ…!」
「高橋のちんぽとどっちが気持ちいい?」
「ひぃッ、ひッ、んひッ!あッ、ふぁああ!んあ、ん、あん、あぁあッ…!」




体内で暴れる正体不明の物体に、京子の全身が総毛立つ。
粘液がぐちゃぐちゃに掻き回され、窄まる肉を強引に押し、ぐりぐりと擦る。




「なぁ、これってローリングだけ?バイブついてねェの?」
「あるある。ホレ」
「んぁあああッ!やだ、ひ、ひぃいいッ!」




ヘアバンドがスイッチを押すと、棒の回転が止まり、ローター同様に震えだす。
更に、とヘアバンドがもう一度スイッチを押し、京子の喉から悲鳴が溢れ出した。




「や、いや、いやぁあああッ!!」
「なになに、何が嫌なの?京子ちゃーん」
「あッ、ふあッはぁあ!中で、中でぇッ!中で動いて…掻き回してッ、震えてぇええ……!」




回転と振動が一度に襲ってきて、京子はビクッビクッと全身を震わせる。
舌を伸ばして喘ぐ表情がなんとも卑猥で、いやらしい。


ヘアバンドがバイブを更に押し込んでいく。
いやいやと頭を振る京子に、男達はにやにやと鼻の下を伸ばして笑っているだけだ。
バイブの先端がローターを巻き込んで回転し、京子は白目を剥いて啼き喘ぐ。

バイブの根元近くに立てられた突起が、クリトリスに触れた。
細い肢体がベッドの上で大きくのたうつ。




「ひぃッ、そこッ、それいやぁッ!あッ、あはッ、らめ、おかしくなるぅううう!」
「クリちゃん弱いね〜。ほれほれ」
「ああッ、あうッ、あんッ、あぁッ!やめ、押し付け、な…ああぁあッ!!」




人間と違って、命令されたようにしか動かない機械。
剥き出しにされた肉芽を執拗に攻め立てられて、京子は身を捩って逃れようとするが、攻めているのは膣に埋められたバイブである。
自身がどんなに躯を暴れさせた所で、バイブが抜け落ちる訳もなく。




「あッ、あッ、んぁッ、あぁん…!駄目、そこはぁ……!!」
「マンコもクリちゃんも気持ち良くなった所で、次行こうぜ」




ヘアバンドの男が下がると、今度はロンゲの男が前に出る。
露にされた京子の秘部の前に座ると、手に持っていたものを秘部に押し付けた。

が、其処は膣ではなく、アナル。




「何、次って…や、いや、」
「よいしょっと」
「ん、ぐぅううううううッッ!!」




ぼこぼこと、スーパーボールのようなものが連結した棒。
アナルスティックと呼ばれる物が京子のアナルを押し広げて行く。
有り得ない場所を抉られ、京子は痛み以上に屈辱を味わっていた。

慎ましく閉じている筈の菊座の口を広げながら、ロンゲはアナルスティックを突き入れては引き抜き、引き抜いては突いてを繰り返す。
排泄器官をほじくられる感覚に、京子の躯が強張り、下腹部に力が篭る。
ぐりゅぐりゅと牝貝を抉って遊ぶバイブとローターを締め付けてしまい、自分で自分を更に苛めてしまっていた。




「ああッ、や、うぁッ、あひッ、あひッ!痛、いぐッ、ひぃいッ!」
「お尻マンコ気持ちいいね〜、京子ちゃん」
「いや、いや、いやぁあああ!あひッ、あッ、抜け、抜いて、抜けったらぁああ……!!」




雫を浮かべて訴える京子に、男達は益々調子付いていく。
ロンゲはアナルスティックを奥に埋めたまま、バイブのローリングのように、ぐりぐりと回転させ始めた。




「あーッ!あッ、あぁあああッ!」
「ケツでイっちゃえよ、ほらッ!」
「嫌、やめ、やめ、あひッ、ひッ、ひッ、んぁ、あひぃいいいいいんッ!」




頭を振って男の言葉を拒絶しようする京子だったが、躯は完全に彼らに主導権を奪われてしまっていた。
ビクッ、ビクッ、と京子の全身が激しく痙攣し、三度目の絶頂へと押し上げられる。



ロンゲ男がアナルスティックから手を放す。
それでも膣に埋められた玩具は京子の体内で好き勝手に暴れ、彼女の躯を苛め続ける。

喘ぎ声の止まらない京子に、ピアス男が顔を近付けた。




「なー、京子ちゃん。負けって認めたら、これ止めてやってもいいんだぜ」
「はッ、あッ、ああッ…!んぁ、あん、あ、あ、あ、」
「それとも気に入っちゃった?」
「あ、は、ンな、訳……な、いひぃいんッ!」




バイブに巻き込まれて、膣内を何度も回転して抉るローター。
それが海綿体────俗にGスポット呼ばれるポイントを掠めた。

此処に至るまでの快感すら、京子にとって未知のものだった。
それを更に上回る壮絶な快感に、京子は目を見開いた。


呆然とした顔で視線を彷徨わす京子に、男達もその異変に気付いた。
厳つい顔の男の無骨な手がバイブを掴み、ぐりぐりと円を描くように動かす。
ただでさえローリングで掻き回されていたローターが、更に大きく右往左往して行く。
不意打ちのようにそれがGスポットを掠めて攻め立て、京子の腰がヒクヒクと戦慄いた。




「あはッ、あッ、あッ、んぁッ、あぁあ!らめ、や、あッああッあんッ、あぁん!」
「ほらほら、負けって認めたら止めて上げるよ。どうする?」
「んんん…!あッ、ふ、ひんッ…!あ、あう……あぁ…!」




耳元で囁かれて、かかる吐息すら京子にとっては甘い毒だ。



激しすぎる快感から逃れたい京子にとって、男達の言う事は喉から手が出るほどのものだった。
だがそれは賭けに負けるという事、男達に屈してしまうという事だ。

この責め苦が続くのも、負けを認めるのも、京子にとっては耐え難い事だ。
第一、男達の言う通りに負けを認めたところで、この陵辱が終わるかどうかも判らない。
せめて腕が自由であれば、こんな男達など、どうとでも出来るのに。



ピアス男を見上げれば、勝ちを確信した顔がある。
それが酷く癪に障った。

唇を近付けてくる男に、京子は唾を吐いてやる。




「……ふーん、あっそ」




途端、ピアス男の瞳が絶対零度の光を灯す。


ピアス男はジャケットのポケットからローターを取り出し、京子の乳首に宛がう。




「ひッあぁああああん!!」




振動を始めたローターを、ピアス男はテープで京子の乳首に貼り付けて固定する。
もう片方にも同じようにローターを貼り付け、スイッチを入れた。




「ああッ、あッ、や、取って、取ってぇえええ!」
「ダーメ。折角優しく教育してやってたのに、反抗的な生徒には、お仕置きでーす」
「はん、あ、あひッ!やん、いやぁああ…!」




ビクッビクッと京子が躯を震わせる度、大きな乳房が上下に揺れる。
たぷたぷと波打つ乳房にロープが巻かれ、乳房の形が歪み、皮膚に食い込む程の強さで締め上げる。
ピアス男は、そのままロープを膝裏に通したパイプに括り付けた。

脚を開いて秘部を差し出した格好で固定されたまま、京子はベッドに横たわる。
達磨のように転がされた彼女は、身悶えする以外に何も許されなくなってしまった。




「じゃ、これもオマケっと」
「あッ、あッ、はぁあ…!ん、ひぃッ!駄目、ダメぇえええ…!!」




ヘアバンドがもう一つローターを取り出し、クリトリスに取り付ける。
其処は既にバイブの突起によって刺激されているというのに。




「やめ、やだッ、やめてぇえ!あッ、あはぁあぁあぁああああん!!」




スイッチが入れられ、クリトリスは上部と下部のそれぞれに刺激を与えられる。

乳首、クリトリス、膣、アナルと、全身を襲う激しい快感。
京子は最早前後不覚に陥っていた。




「ああッ、あッ、こんなッ…!こんなのぉッ!!」
「ウブな京子ちゃんには我慢できないかな〜?」
「でも教育ってのは厳しくしないといけないからな。尻にもローター入れてやろうぜ」
「いや、いやッいやぁ!もう無理、だめ、やめッ…はぅううう…!!」




特別なんだぜ、等と笑いながら言う男達。
頭を振って嫌がる京子の事など見もせず、アナルスティックを引き抜いて、ローターを埋める。
アナルスティックを再度挿入し、ローターを奥へと押し込んでいった。

直腸内で振動が始まった。




「ひぃううぅううん!やめ、お尻…お尻抜いてぇええ…!!」
「ダーメ」
「んんんんんッ!!」




ぐちゅぅうう、とアナルスティックが直腸を遡る。




「いや、あ、来る、来るよぉおおおッ!」
「そう言う時はイクーって言えばいいんだよ」
「は、はぅッ、はぁあ…!イク、イクイクイクぅううううう!!」




激しい快感に飲み込まれた京子の思考は、もうまともに働いてはいない。
耳元で囁かれた言葉を従順に繰り返し、絶頂を訴える。

ビクッビクッと痙攣しながら京子は絶頂し、バイブを埋め込まれた淫裂から愛液が溢れて行く。
それでも機械の動きは止まらず、敏感になった彼女を更に攻め立てる。
残酷にプログラムに忠実な無機物の攻めに、京子は我慢できずに泣きじゃくる。




「やだぁ!もう、もうやだ、もう嫌ああ!」
「自業自得だろ?さっき素直に負けを認めて、自分の立場を理解してりゃ良かったんだ」
「あうッ、あッあひッ!いや、あん、あ、は、あぁああ!抜いて、抜いてぇええ…!」
「そうそう。って事で、京子ちゃん、しばらくそのままな」
「ふぁッ!?その、まま…え、あ、や…!!」




ヘアバンドの男が、自分のトレードマークであるそれを外す。
アシンメトリーに切られた前髪が落ちて、男の右目を隠した。

ヘアバンドが京子に被せられて、彼女の目を覆う。
視界を失って、京子の躯が緊張に強張った。




「や、取って…あ、あひッ、ひぃいいいん!」




目を奪われた代わりに、他の感覚が鋭敏になって、益々彼女を追い詰める。


じゃあ行こうか、と言うピアス男の声が聞こえた。

男達の気配が遠ざかって行く。
それに気付いた京子が感じたのは、恐怖。



─────このまま放置されるなんて、嫌だ。

腕も動かない、脚も縛られて、躯は何一つ自分の自由にならない。
体内に埋められた機械達は、スイッチを切られる事もなく、永遠と京子を苛め続けるのだ。
それは快感地獄以外の何者でもない。


待って、と縋れるのは口だけで、躯はベッドに沈んだまま。
身動ぎすら出来ない状態の少女を、男達は快楽地獄に貶めたまま、一人置き去りにしようとしている。




「待って、待って、おねが、」




ドアの開く音が辛うじて聞こえた。
男達は京子から興味を失ったように、関係ない話をしながら部屋を出て行く。




「や、お願い、お願いだからぁ…!あッああッ、ひぃいい!!」




ドアの閉まる音がする。

もう京子には、気配を探るような集中力も失われていた。
それでも、部屋の中に、もう自分以外誰一人いないのは感じられて。




「あ、あ、んぁッ!ひ、そこ、そこだめえええ!あぅッ、ん、おまんこ、おまんこだめえええ…!!」




取り残された孤独と、このまま忘れ去られるのではないかと言う不安と。
それらも全て塗り潰していく、激しい快感に飲まれていく、恐怖。






この快感地獄が、まだ始まったばかりだと、その時の京子には判らなかった。