ディア・マイ・レディ


 すらりと伸びた長い手足、無駄な贅肉を一切省いた括れた腰。
長い濃褐色の髪は、猫っ毛で毎朝寝癖が酷いのだが、毎日きちんと手入れされているお陰で、ふわふわと柔らかに踊る。
いつもグローブを嵌めている手は、戦闘時の爪割れの原因や、料理の邪魔になるからと、きちんと切ってヤスリがけもされていて、綺麗な形が保たれている。
凛とした面立ちと、女性としては高い身長、額に走る傷の所為か、初対面には少々取っつきにくい印象を与える事もあるが、彼女は社交性に長けている。
年下への面倒見が良く、年上への配慮も欠かさないので、初対面のマイナス印象など覆されるのに然程時間はかからない。
ついでに、女性らしく豊かに育った胸元は、男は勿論同性も憧れるものがある。

 見目良し、性格よし、ついでに戦士としても申し分のない力量。
そんな彼女は、秩序の戦士達の中でも数少ない女性メンバーの一人であり、同性であるスコール、ユウナ、ティファ、そしてライトニングにとっても、レオンは姉貴分的存在になる。
特に、スコールに対する態度は甘い。
何かと単独行動によって他の仲間と衝突しがちなスコールと、秩序のメンバー達との間に立って、緩衝剤の役目を担っている。
スコールも彼女に対してだけは険が抜けるらしく、レオンからの忠告だけは、比較的素直に聞き入れている。

 だから、だろう。
機嫌を損ねたスコールを宥めて落ち付かせるのは、専らレオンの役目になっていた。





 何があったんだ、とレオンは聞かなかった。
どうして黙って一人で行ったりしたんだ、とも言わなかった。
罠に嵌められたのか、カオスの戦士と力勝負で負けたのか、スコールが傷だらけで帰って来た事には、色々と言いたい事はあるが、言っても彼女は更に機嫌を損ねるだけだ。

 帰還した時の傷は、ユウナとセシルが治療した。
その後、次第を聞いたウォーリアが何があったのかと彼女に問おうとしたが、スコールはその前にさっさと逃亡し、自分の部屋に閉じ籠った。
其方については、「報告しなければならない事があったのなら、治療の間にセシルに伝えているだろう」と宥め、勇者から彼女への追撃は防いだ。
ウォーリアに悪意や悪気はないとは言え、どうもスコールは彼に対して強い苦手意識を抱いている。
さっさと彼女が部屋に引っ込んだ事を考えると、今の彼女にウォーリアを近付けるのは得策ではないと踏んだレオンの判断は、概ね間違ってはいないだろう。

 ウォーリアについては他の仲間達に任せる事にして、レオンはスコールの部屋に向かった。
彼女の部屋には鍵がかけられていなかったので、レオンは断らずに入り、ベッドの上に丸くなった彼女を見付けた。
ジャケットも脱がずにベッドに丸くなる彼女の背中からは、話しかけるな、と言うオーラが放たれていたのだが、レオンは気にしない。

 ベッドの端に腰を下ろしても、スコールは顔を上げなかった。
気配に敏感な彼女がレオンの入室に気付いていない筈がない。
そもそも、後でレオンが───彼女がいなかったとしても、ユウナやティファが───様子を見に来る事は明白だったのに、彼女は部屋の鍵を開けたままにしていた。
それが彼女の何よりの本音なのだ。
だからレオンは、彼女の反応がない事も気にせずに、自分と同じ色の濃茶色の髪を撫でてやる。

 指の隙間を絡む事なく梳き通る髪。
レオンはそれが無性に愛しくて堪らない。
少女がどうしてこんなにも不貞腐れているのか、レオンは余り気にしていなかった。
多少、落ち込んでいると言うきらいが滲んでいるのは気掛かりだが、涙を堪えている様子もないし、しばらく時間が経てばささくれ立った気持ちも落ち着きを取り戻すだろう。
それまでレオンは、柔らかいスコールの髪を撫で続ける事にした。

 そうして、どれ程時間が過ぎただろうか。
時計を見ていないので正確な時間が判らないが、十分以上は経っただろう、しかし一時間と言う程の時間は経っていない気がする。
もぞり、とレオンが部屋に来てから初めて身動ぎをしたスコールに、レオンは彼女の頭を撫でていた手を離す。

 のろのろとスコールが顔を上げた。
眦はまだ些か不機嫌な空気を滲ませていたが、剣呑な空気を振り撒いていないだけマシだろう。

 恐る恐る顔を上げたスコールと、見詰めるレオンの瞳が交錯する。
拗ねた色を滲ませていた青灰色の瞳が、少しずつ和らいで、終いには少しばつの悪そうなものに変わった。
そんなスコールを、レオンはくすりと小さな笑みを浮かべて、抱き寄せた。


「お帰り、スコール」


 スコールが帰還してから、言いそびれていた言葉を囁けば、「……ただいま」と小さな声が返ってくる。
それから、ぎゅ、とレオンの背中に細い腕が回されて、甘えるようにスコールの頭がレオンの胸元に寄せられた。

 むにゅ、とレオンの柔らかな胸が形を歪ませる。
スコールは少しの息苦しさを感じて、抱き締められたままもぞもぞと身動ぎした。
胸に埋めた顔を上に向ければ、くすくすと楽しそうに笑うレオンの貌が目の前にある。


「……何笑ってるんだ」
「お前が可愛いなと思って」
「……」


 揶揄うな、と青灰色がレオンを睨んだが、レオンが応える訳もなく、彼女は少女をぎゅっと抱き締めた。
折角呼吸が自由になったスコールだが、もう一度柔らかな胸に襲われて、「うむっ」と小さな抗議の声が上がる。

 しばらく大人しくしていたスコールだが、じたばたと手足が暴れ出したのを期に、レオンは彼女を解放した。


「っレオン!」
「怒るな」


 くすくすと笑うレオンに、スコールは眦を吊り上げたが、やはりレオンに効果はない。
レオンは、スコールの存在そのものが愛おしいのだ。
だからスコールがどんな顔をしても、レオンには可愛らしいものにしか見えない。
そんなレオンを、変だ、とスコールは思うし、本人にそれを言った事もあったのだが、レオンはそれさえ笑みを浮かべて甘受するばかりだった。

 怒るスコールをあやすように、レオンの唇がスコールの額に触れる。
ちゅ、と柔らかな感触が傷の額に落ちるのを感じて、スコールの頬に朱が浮かんだ。


「可愛いな、お前は」
「…だから、可愛くない」
「可愛いよ」


 くしゃり、とレオンの手がスコールの髪を撫でる。

 むぅ、とスコールは頬を剥れさせた。
レオンの柔らかな乳房に膨らんだ頬を押し当てて、眼を閉じる。
そうすると、とく、とく、とレオンの心臓の鼓動が伝わって来て、ささくれ立ったスコールの心を少しずつ落ち着かせて行く。

 ────別段、何があった、と言う訳ではないのだ。
一人でイミテーションの駆逐を続けている内に、無性に渇きとも餓えとも違う、けれどよく似た感覚に襲われたような気がした。
一過性のものだとばかり思っていたそれは、何故かいつまで経っても消える事なく、スコールの心を掻き乱す。
ムシャクシャした気持ちをぶつけるように、更にイミテーションの駆逐に駆り出たスコールであったが、結果は同じ。
傷だらけになったのは、その時だ。
苛立つ感情をぶつけるように無茶な戦い方をしたので、避けられる攻撃も避けず、まともに反撃を食らった。
ケアルのストックもなく、途中でモーグリショップに立ち寄る気にもならなかったスコールは、傷だらけのまま帰投した。
後は─────前述の通り。

 聖域に戻って来ても、苛々とした感情は、しつこくスコールを苛んだ。
だから、傷の手当が終わった後、さっさと自分の部屋へと逃げ込んだのだ。
此処に来れば、レオン以外はそう簡単に近付いては来ないから。

 そして、レオンが部屋に来て、何も言わずに静かに頭を撫でられて。
抱き締められて、彼女の鼓動を聞いている今、ようやく頭の中のモヤモヤとしたものが消えて行くのが判った。

 まるで母に甘える幼子のように、スコールはレオンに抱き着いていた。
そのまま、ほぅ、と小さな吐息が漏れる。
胸の谷間をくすぐる少女の吐息に、レオンは小さく笑って、スコールの首にかかった髪を指先でそっと梳いた。


「後でユウナとセシルには謝れよ。心配していた」
「……」
「俺も一緒に行くから」
「……ん」


 ゆったりと項を掌で撫でられて、スコールは小さく頷いた。
レオンの背中を抱いていたスコールの腕が、レオンの首へと絡められる。

 触れ合いそうな程の距離で交わる、二対の青灰色の瞳。
つん、と二人の高い鼻の先が当たった。
くしゅっ、とスコールが小さくくしゃみをすれば、レオンがくすくすと笑って、少女の頬を労るように優しく撫でる。
その手に促されるように、スコールがそっと頭を持ち上げれば、ほんの少し傾いたレオンの貌が近付いて、────ちゅ、と唇が触れ合った。


「……ふ…っ……」


 重なり合った桜色の唇は、直ぐに離れた。
遠退こうとするそれを咎めるように、レオンの首に回されたスコールの腕が、きゅっと微かに力を込めてレオンに縋る。
そんなスコールが言わんとしている事を察して、レオンは柔らかく微笑んで、もう一度、唇を重ね合う。


「ん……」
「……ん、ふ……」


 少しずつ角度を変えながら、レオンは口付けを深めて行く。
スコールが閉じていた唇を薄く開けば、するりとレオンの舌が滑り込んだ。
ぴくっ、とスコールの細い肩が震えたが、嫌がっている訳ではないと判っているから、レオンは少女を離そうとはしない。

 ちゅく、ちゅく、と絡み合う唾液の音。
スコールは、文字通り触れ合う程の距離で自分を見詰める蒼灰色の瞳に耐え切れず、眼を閉じた。
何度唇を重ねても、初心な反応の消えないスコールに、レオンはやっぱり可愛いな、と今日何度目かになる事を考える。
その感情を伝えようとするように、レオンはスコールの頬を撫で、首筋を撫で、鎖骨を撫でた。
その一つ一つに触れる度、スコールの細い体はぴくっ、ぴくん、と小さく跳ねる。

 スコールの咥内で、二人の舌の腹が重なり合う。
一瞬逃げようとするスコールの舌を、レオンは直ぐに追った。
直ぐに追い付いたレオンは、もう一度スコールの舌に己のそれを重ねて、絡め取る。


「んっ…うぅんっ……」


 おずおずと、スコールの首が上向く様に傾いた。
唇を差し出すようなその仕草に、レオンは己の心が酷く高揚している事を感じ取る。

 少しずつ、少しずつ、スコールがレオンの舌遣いに応え始めていた。
ふる、と肩を震わせながら、スコールはレオンの真似をするように、拙いながら一所懸命に舌を動かそうと試みている。
そんなスコールに、レオンもまた、彼女の気持ちを汲むように、ゆっくりとスコールの舌を己の舌先で撫でてあやしてやった。


「っは…ふ……ぅんっ…」


 ほんの少しの間だけ、二人の唇が離れる。
足りなくなった酸素を取り込むと、スコールはそっと瞼を持ち上げて、今度はスコールの方からレオンに口付けた。
薄く開いたレオンの唇の隙間から、スコールの舌が滑り込む。
間近にある優しい青灰色が、ほんの少し揺れるのを見て、スコールは満足感を得る。

 スコールの鎖骨で遊んでいたレオンの指が、白い肌の上を撫でながら、ゆっくりと下りて行く。
胸元まで降りた手が、シャツの上を撫でて、更に下へ。
撓んだシャツの裾が引っ張られて、出来た隙間からレオンの手が滑り込み、スコールの腹を辿る。
その感触がくすぐったかったのか、スコールが逃げるように腰を引いたが、レオンは逃がすまいとスコールの背中を抱いて、ベッドに倒れ込んだ。


「ふ、ぁっ」


 ベッドに落ちた弾みで、二人の体がバウンドし、唇が離れる。

 ぎしり、とスプリングの鳴る音。
レオンの体は、仰向けになったスコールの上に、馬乗りになる形で重なっていた。
レオンの長い髪が肩口から落ちて、スコールの頬や首をくすぐる。


「れお、ん……」


 明かりのついた部屋の中で、逆光になって見えるレオンの貌に、スコールの心臓の鼓動が逸る。
シャツの下に潜り込んだレオンの手が、胸元に近付いて行くのを感じて、更に鼓動は煩く高鳴った。
気付かれる、その事への羞恥心で、スコールの顔が赤らんで行く。

 レオンの指先が、小さいが形の良いスコールの乳房に触れた。
掠めた程度である筈のそれに、スコールの肩がぴくん、とはっきり跳ねる。


「心臓の音、凄いな」
「……っ」


 小さな乳房に掌を重ねて言ったレオンに、スコールは唇を噛んで、ふるふると首を横に振った。
そんな恥ずかしがるスコールの反応が、レオンは気に入っているのだと、スコールは気付かない。

 ふに、ふに、とレオンが柔らかい力で手を動かす度、包み込める大きさの乳房が形を変える。


「んっ…ん…っ……」
「我慢しなくて良い。乳首、立ってるぞ。ブラジャーしてても判る位、な……」


 スコールの耳元に顔を近付けて、レオンは囁いた。
益々赤くなったスコールが、違う、と小さく呟くけれど、レオンの指先にはつんと固くなった蕾がある。
指先でピンッと弾く様にそれを刺激してやれば、声を殺した吐息が、スコールの唇から漏れた。


「…っや、あ……」


 スコールの手が、レオンの腕を掴む。
嫌がっている、と思わせるその仕草を、レオンは気に留めなかった。
空いている左手でスコールのジャケットの前を開かせ、シャツも捲り上げる。
レオン、とスコールが咎めるように名を呼んだが、彼女はこれも気に留めなかった。

 白い肌と、黒いジャケットと、捲り上げられた白いシャツ。
フリルのついた可愛らしいブラジャーは、レオンが彼女にと買ったものだった。
それを持ち上げて上に外してやれば、小ぶりで形の良い膨らみが二つ、露わになる。
その二つの丘の頂には、ぷくんと膨らんだピンク色。

 笑みを浮かべて見下ろすレオンの視線から逃げるように、スコールは自分の腕で体を抱いて、胸元を隠して縮こまった。
見るな、と真っ赤になったスコールが呟いたが、レオンはそんなスコールの腕を掴んで、ベッドシーツへと縫い止める。


「隠すな、スコール。全部見せろ」


 そう言ったレオンの、スコールを掴む手は、言葉尻に反して決して強くはない。
スコールが本気で振り払おうと思えば出来る程度の力で、彼女はスコールの腕を拘束していた。

 二人が少しの間見詰め合った後、レオンの腕がスコールの両腕を解放する。
スコールは、頬を赤らめつつも、彼女の言葉に従って、もう自分の体を隠そうとはしなかった。
まだ成長期とは言え、同年である筈のユウナに比べると、どうにも自分の体は貧層に見えて、スコールはそれがコンプレックスだった。
プロポーションの良いレオンと比べれば尚更で、彼女にそんな自分を見られるのが嫌で隠してしまいたいのに、レオンが隠すなと言ったら、スコールはもう逆らえない。
煩くなる一方の心臓の鼓動に、少しは黙れと悪態を吐きながら、スコールはレオンの視線を甘受する。

 レオンの形の良い指が、スコールの胸を撫でて、ピンク色の乳輪の縁をなぞる。
スコールが唇を噛んで堪える仕草をした事に、レオンは気付いていた。
膨らんだ乳首を親指と人差し指で摘まみ、コリコリと転がして遊ばせれば、スコールは赤らんだ顔を隠すように、見下ろすレオンから目を逸らす。


「…ん、…っ……ぅ…っ」


 ふるふると仔猫のように身を震わせるスコールの胸元に、レオンが顔を近付ける。
胸の間に、ちゅ、とレオンの唇が触れた。
ちくん、と小さな痛みが走って、スコールの体が跳ねる。
レオンがゆっくりと唇を放せば、触れていた其処に小さな赤い痕が生まれていて、レオンの心を満足させた。

 スコールの左の乳房を手で愛撫しながら、レオンは右の乳房に唇を寄せ、膨らんだ乳首の先端をくすぐる。
唾液で濡れた生暖かいものが触れる感覚に、スコールの喉が逸らされる。


「んっ、ん…っ…!」
「ふ……は、むっ…」
「……っあ……!」


 レオンが乳首を口に食むと、びくっ、びくっ、とスコールの体が震えた。

 膨らんだスコールの乳首に、ねっとりとレオンの舌が這う。
ちゅう、と強く吸ってやれば、それだけでスコールは唇を噛んで声を堪えようとする。
その理性を崩してしまいたくて、レオンは咥内の蕾を柔らかく噛んでやった。


「ふぁっ……!」


 ビクッ、と跳ねる体が感じたのは、痛みか、恐怖か、それとも快感か。
シーツを握り締めて、零れた声を恥じるように真っ赤になって肩を縮めているスコールに、三番目かな、とレオンは勝手に決める。

 もう一度、乳首に歯を当てる。
ピクッ、とスコールの体がもう一度跳ねたが、彼女は声を堪える事に成功した。
もう絶対に声を出さない、と言いたげに唇を噛んでいる少女に、強情だな、と思うのはいつもの事だ。
乳首を甘噛みしながら、時折乳頭の窪みを舌先でくにくにと突いてやると、スコールはいやいやをする子供のように頭を振る。


「っふ…んっ…!…ん、ん……っ」
「は……ぁ、んちゅっ…」
「んんっ…!」


 何度か歯を当てて、また窄めた口で膨らんだ乳首を啜ってやる。
ちゅぅっ、と言う刺激に、敏感になったスコールの乳首は電気を流されたかのように強い快感を得て、彼女の躯に熱を生み出す。


「や、あ……レオンっ……」
「ん……っは…うん、…こっちも、だろ?」
「違うっんんっ!」


 レオンは、乳房をやわやわと揉みし抱いていた右手に力を込めた。
小さな丘が形を歪ませ、頂きの蕾が自己主張するようにツンと尖ってレオンを誘う。
その誘いに乗って、レオンは乳首を親指と人差し指で摘まんで、コリコリと転がしてやった。


「あっ、んっ…!うぅんっ…!」
「んちゅっ…!」
「っはう……くぅん…っ!」


 左の乳首を指先で転がされ、悪戯に摘ままれて、その先端を擦られるスコール。
右の乳首にはレオンの舌が這っていて、乳頭の窪みから何かを絞り出そうとするように、ちゅうちゅうと吸い付かれている。


「ふ、ぅっ…ん…っ、…っは…あっ、んっ…!」
「っん…ん……っ、ふ…」
「や、ん…レオンっ、レオっ…!あっ、んんんっ!」


 ちゅぅうっ!と一際強く吸い付かれて、スコールの身体が一瞬強張り、喉を逸らしてくぐもった悲鳴を上げる。


「ひっ、はっ…!あ、あっ!あぁっ…!」


 びくっ、びくっ、と四肢を震わせて声を上げるスコールに、レオンは己の体の奥底で、じくり、と甘い疼きが動き出すのを感じていた。
吸い付いた乳首を舌の先端で愛撫してやれば、スコールは悶えるように体を捩らせる。
与えられる快感から逃げようとする少女の躯を、レオンは抱き締めて捕まえた。


「やっあっ、はぁっ…!レオ、だめっ…!んぁあっ!」
「……んん、んっ…!ぷ、はぁっ、」
「ひぅんっ…!」


 もう一度強く吸って、レオンはスコールの乳首から口を放す。
ちゅぽん、とレオンの口が離れた瞬間、唾液に濡れててらてらと光る乳首が露わになる。

 強い快感から解放されたにも関わらず、スコールは虚ろな瞳で天井を仰いでいる。
は、は、と唇から漏れる呼吸には熱が篭っていて、体内で熱が暴れているような気がしてならない。

 ふるふると小刻みに震えるスコールの躯に身を寄せて、レオンはスコールの左乳首に舌を当てた。
つ……と乳輪の縁から乳頭の先端までをなぞると、スコールの手がレオンの長い髪の端を掴む。
くい、と引っ張る手は、いやだ、と主張していたけれど、レオンは構わずに乳首に吸い付いた。


「ふぁっ、あっ、あぅうんっ!」


 指先で転がされている内に、官能を高められていた所為だろう。
スコールは甲高い悲鳴を上げて、自分の胸に重ねられたレオンの頭に縋り付いた。


「はっ、あっ、あぁあっ…!レオ、レオンっ…!や、そっち、も…だめぇ…っ!」


 スコールはレオンを引き剥がそうと、彼女の髪を掴んで引っ張る。
加減を忘れているのであろう少女の力に、こればかりはレオンの眉根が寄せられる。
その意趣返しに、レオンは乳首を噛んできゅぅっと引っ張ってやった。


「あぅっ、くぅんっ!」
「っは……痛いだろ、スコール」
「ん、ぅ……うぅ…」


 口を放して言ったレオンを、スコールは涙の浮かんだ目で睨む。
俺も痛かった、と小声で呟くスコールに、レオンは小さく笑みを浮かべ、噛んだ乳首をそっと舐めて慰める。


「ごめんな」
「ん……俺、も……」


 痛みと快感で敏感になった乳首を舐められて、スコールはふるりと体を震わせた。

 レオンとスコールの顔がどちらともなく近付いて、唇を重ね合う。
小鳥が啄むように、重なっては離れてを何度も繰り返すキスに、スコールは物足りなさを感じて、レオンの頬に両手を添えて捕まえる。
そのまま落ちて来る口付けを甘受して、離れないように、スコールの腕がレオンの首に絡まった。

 レオンの大きく育った乳房が、スコールの小ぶりな胸と重なる。
二人の体の間で、むにゅぅ、とレオンの乳房が形を歪ませて、重いな、とスコールは思う。
そんな思考を浮かべている間に、レオンの手がスコールの薄い腹を撫でて、ゆっくりと下へと下りて行く。
それが行き着く先を感じ取って、スコールは膝を寄せて太腿を重ねる。


「…ん……こら、スコール…」
「……っ…」


 咎めるようなレオンの声が含む意図を、スコールは理解している。

 少しの間を置いて、スコールの膝から力が抜けた。
ぴったりとくっついていた太腿が離れて、その隙間をレオンの手が撫で、スカートの中へと滑り込む。

 レオンの指先が、柔らかな薄布に守られた秘部に触れた。
その布地がじっとりと濡れそぼっているのを感じ取って、レオンはくすりと笑む。


「濡れてる……いや、もう溢れ出してるかな」
「ん、ぅ……っ」
「脱がすぞ。ほら、腰上げて……」
「……ん……」


 レオンに言われるがまま、スコールは膝を立てて腰を浮かせた。
短いタイトスカートが捲られて、細いレースで小さなフリルをあしらったショーツが露わになる。
真っ白なそのショーツのクロッチには、じっとりとシミが出来て色が変わっており、それだけでなく、布地が吸い込み切れなかった蜜が沁み出していた。

 レオンはサイドに指を引っ掛けて、ゆっくりとショーツを下ろして行く。
隠すものを失くした双丘とクロッチの間を、つぅ、と銀糸が繋いでいた。

 するするとショーツが下ろされて行って、スコールは抵抗するように膝を擦り合わせた。
しかし、膝にショーツが絡まるまで下ろしてしまえば、もう十分だ。
レオンの手がスコールの白魚のようにすらりとした太腿を撫でて、ぐっしょりと濡れそぼった膣口に触れる。


「っん……!」


 ぴくっ、とスコールの躯が震える。
途端、レオンは陰部に当てた指先に、とぷりと艶めかしいものが溢れ出して来た事に気付く。

 レオンはスコールの膝元に絡まっていたショーツを脱がせると、溢れ出した蜜を指先に絡めて、つぷり、指を陰部へと挿入させた。


「ふあっ、あっ…!」


 細く形の良いレオンの指が、ゆったりと媚肉をなぞり、奥へと侵入して行く感覚に、スコールは甘い声を漏らす。

 探るようにゆっくりと広げるように、壁を撫でながら埋められていく指。
スコールはぞくぞくとしたものが下肢から背中を駆け上って行く感覚を、唇を噛んで耐え忍ぼうとしていた。
しかし、それもレオンにとっては可愛らしい抵抗に過ぎず、指先で悪戯に媚肉を押し上げては、甘い悲鳴を上げる少女をうっとりとした表情で見詰めていた。


「ひぁっ、あっ…!や、ん…っ、んくぅっ…!」


 レオンが指を動かす度、くちゅ、くちゅ、と陰唇から淫音が漏れる。
形の良い指が二本に増えると、スコールは一瞬圧迫感を感じたが、それも内壁を撫でられれば直ぐに甘美な快楽に変わった。
膣壁は食むようにヒクついて、きゅうきゅうとレオンの指を締め付けている。

 レオンは、スコールの陰唇を開いて、尿口を指先で突いた。
びくん、とスコールの腰が震えて、やぁ、と涙の滲んだ瞳がレオンを見上げる。


「れ、おっ……」
「ん?」
「そこ、ちが、う……」


 真っ赤になって、消え入りそうな声で訴えるスコールに、レオンの指が内部を探るように、ゆっくりと大きな動きを始める。
尿口の窄まりを突いていた指が、その直ぐ下にある膣口を掠めると、スコールの腰が浮き上がった。


「はうんっ…!」
「こっちだろう。知ってるよ」
「あっあ、あぁっ…!」


 つぷぷ……と深くへと埋められていくレオンの指。
その指は、何処をどう刺激すれば、スコールにどれ程の官能を与えるのか、本人以上によく知っていた。

 膣口から奥へと挿入されて行く二本の指が、中で内壁を押し広げるように左右に開く。
そのままレオンが手首を返せば、指がぐるりと蜜で溢れた内部を掻き回し、


「ひぁううぅっ


 一際高い声を上げたスコールに、レオンの指の動きが激しさを増す。
指は今の動きで掠めた場所を、集中的に攻め始め、その度にスコールの細い四肢がビクッ、ビクッ、と弾む。


「やっ、あっ、ああっ…!レオっ、やっ…んんぅ…っ!」
「此処、気持ち良いだろう?」
「ひっ、あっあっ…!やんっ、あっ、はくぅっ


 スコールが感じる場所なら、レオンは全て知っている。
そんな彼女にGスポットを直接刺激されて、スコールが耐えられる筈もないのだ。

 二本の指の爪先で、引っ掻くように膣道の天井を撫でられて、スコールは腰から下肢の力が抜けて行くのを感じていた。
まるで甘い電流を流されているようで、下半身がまるで自分の思い通りに動かない。
レオンの指に翻弄されて、その形の良い指先が媚肉を摘む度、スコールはがくがくと太腿を震わせて蜜液を分泌させる。


「やっ、だめっ、らめぇっそれ…そこぉっ!あぁっ、あぁあっ…!」
「スコールの中、もうびしょびしょだな」
「んんんっ…!あ、う、…ひあぅぅうっ


 レオンの言葉を否定しようにも、口を開けば喘ぎ声しか出て来ない。
恥ずかしさで唇を噛めば、それを咎めるようにGスポットを摘まんで捏ねられて、理性があっと言う間に白熱して弾けてしまう。

 自分の指先一つに翻弄され、快感に喘ぐ少女に、レオンは自分の下肢に熱が篭って来るのを感じた。
若しもレオンが男なら、きっとペニスは固く膨らんで先走りを漏らしていたのではないだろうか。
その代わりとでも言うかのように、じゅくり、としたものが自分の下着に滲んで行く。

 は、とレオンの唇から、熱の篭った吐息が漏れる。
そんな彼女の眼の前で、小さな赤い蕾が二つ、寂しそうにツンと尖っていた。


「は───むぅっ、」
「んぁんっ!」


  無防備だった乳首を艶めかしいものが襲って、スコールは思わず悲鳴を上げた。
レオンはくちゅくちゅとスコールの陰部を掻き混ぜながら、スコールの乳首をちゅうちゅうと吸う。


「はっ、あひっ、んあぁっ!あ、あ…レオ、レオンっ…!」
「ん、ふぅっ…」
「息…っ、息やぁ……っ!」
「っは……こっちも、」
「ふぁっ、あっ、あっ!だ、めぇえっ…!」


 レオンの舌が左右の乳首を交互に舐めては吸い付き、ちゅぽ、と解放される度に、スコールの雌口が閉じて、陰部を苛めるレオンの指を締め付ける。

 レオンはスコールの体に覆い被さると、片方の乳首を舌で転がしながら、もう片方の乳房を手で揉み始めた。
両胸を愛撫されながら、膣内を攻める手も休まない。
三点を同時に攻められるスコールは、ベッドシーツを握り締め、虚空を仰いで甘い声を上げている。


「レオ、レオンっ、レオンっだめ、やっ、ああっ…!一遍にぃっ
「ん、ふ…んんっ、んちゅぅっ…
「はぅっ、あうっ…!あくぅうんっ


 快感の強烈さに悶えて、スコールの脚がじたばたと暴れる。
その脚の上に、レオンは跨って腰を落とした。
暴れるスコールの脚が、レオンの下肢を押し上げる度、乳首を食んだレオンの口から官能の音が漏れている。


「んっ、んっ…ふ…はむっ
「あんっ、あっ、あぅっレオ、やっ、ふぁんんっ…!だ、め、だめぇええ……!」


 がくがくとスコールの全身が痙攣するように細かく震える。
それ以上に、スコールの膣内が強く閉じて、レオンの指を締め付ける。
痛い程の締め付けを振り切るように、レオンは指を一気に引いて、かと思った次の瞬間には、スコールの弱点を突き上げた。


「あぁああぁっ!」
「は、んふゅぅぅっ!」
「あっ、あっ、やっ!イっ、あっ、あぁああぁあ―――っ!」


 同時にちゅうぅうっ、と強く乳首を吸われて、スコールは一際高い悲鳴を上げて、絶頂した。
ビクッビクッ、ビクン!とスコールの四肢が大きく跳ねて、膣内の壁がレオンの指を締め付け、その形をまざまざとスコールに伝えて来る。
だが、スコールにはそれをまともに認識できるような余裕はなかった。

 背を弓形に撓らせ、絶頂の余韻に意識を奪われているスコール。
レオンはそんなスコールの乳首を、ちゅ、と一度強く吸ってから、唇を放した。


「あっ、あっ…ふあ……」
「っは…ん……」


 口端から溢れた唾液を舐めて、レオンはゆっくりと体を起こした。
少女の双丘の強張りが溶けるのを待って、レオンは彼女の膣に埋めた指を引き抜いて行く。
時折、爪先が悪戯に肉壁を掠めると、それだけでスコールの膣口はきゅうっと縮んで、名残惜しそうにレオンの指に淫肉を絡み付かせた。

 指が完全に抜き去られて、スコールの体から力が抜けた。
絶頂の余韻で強張っていた手足も弛緩し、くったりとベッドの上に投げ出される。


「気持ち良かったか?スコール」
「…ん……」


 はふ、はふ、と乱れた吐息を落ち着かせるように努めつつ、スコールはレオンの言葉に頷いた。
素直な少女の言葉に、レオンは嬉しそうに目を細め、濡れそぼったスコールの股座を撫でる。
それだけで、ひくん、とスコールの膝が逃げるように持ち上がったが、力の抜けた体でどうこう出来る訳もない。

 スコールは、ぼんやりとした瞳でレオンを見上げていた。
レオンは肩口から落ちる髪を手で後ろに払い除け、その手がぐっしょりと濡れている事に気付いた。
それを目にしたスコールが、ぼっと顔を赤くする。
真っ赤になった少女の心境に気付いたレオンは、くすりと笑って、少女に見せつけるように、彼女の愛液で汚れた手をねっとりと舌で舐め取った。


「ん……甘い、な……」


 独り言と言うには、はっきりと聞き取れる声。
それとも、レオンの声だから、スコールの耳が無意識に拾ってしまうのだろうか。
どちらでも構わない、どちらにせよ、彼女の言葉にスコールが益々耳を赤らめる事は変わらないのだ。


「レオン……」
「ん?」
「それ、…きたな、い、…から……」


 消え入りそうな声で言うスコールだが、レオンは益々笑みを深めるだけ。

 レオンの濡れそぼった形の良い指に、赤い舌が這う。
ねっとりと這うその舌に、蜜が絡んで艶めかしく光る。
指先から根本まで、一本一本の間まで丹念に舐めるレオンは、明らかにスコールの視線を意識している。
蒼灰色の瞳がスコールを射抜いて、目を逸らすな、と言っているのが判った。

 いつも柔らかな蒼の瞳が、明らかな熱を孕んで自分を見ている。
それだけで、スコールの心臓の鼓動は跳ね上がって、躯の奥から熱が甦って来るのが判った。


「ん……ふ…っ…」


 ちゅく、とレオンの口元で水音が鳴った。
蒼い瞳が少女から逸らされて、唾液と交じり合った蜜液に塗れた掌へと向けられる。

 その瞬間に、スコールはレオンの胸に飛び込んだ。
少女の突然の行動を予測していなかったのだろう、レオンはいつもの彼女なら絶対に出さないであろう引っ繰り返った声を上げて、ベッドに背中から倒れ込む。
急に変わった視界に、レオンはぱちりと瞬きして、自分の胸に顔を埋めている少女を見下ろす。


「スコール?」
「……ずるい」


 レオンの声に対し、スコールは小さく呟いた。
ずるいって何が、とレオンは問おうとしたが、


「んあっ」


 乳房を持ち上げるように下部から揉まれて、思わずレオンの口から声が漏れる。

 シャツを押し上げ、布地の中で圧迫されているレオンの胸。
スコールがシャツをたくし上げると、窮屈さから解放された乳房は、たわわに実った果物のように瑞々しいハリを持っていて、ベッドに仰向けになっている所為で、尚更その膨らみの大きさが協調されているような気がする。
大きな乳房を覆うブラジャーは、スコールが使っているようなシンプルで可愛らしいものとは違い、蝶があしらわれた黒レースとシースルー、ストラップは紐になっている。
それなりに大きなサイズのものであろう事は確かなのに、それでも尚、レオンの乳房は窮屈そうに見えた。

 手触りの良いブラジャーの上に、スコールはそっと手を乗せた。
柔乳はスコールの指を容易く沈め、動かす度にその通りの形を歪ませる。


「んっ、…ん…っ…スコー、ル……」
「……ずるい……」


 小さく呟いて、スコールはレオンのブラジャーのフロントホックに手をかけた。
ぱちり、と音がして、バストカップが外れ、ぷるん、とバストカップが外れた乳房が飛び出して跳ねる。


「は……あっ、」


 息苦しさ解放された安堵に、レオンが微かに吐息を漏らすが、むにゅう、と乳房を両手で押し上げられて、甘い音を漏らす。

 ふに、ふに、とレオンの胸を、スコールは手のひらで揉みしだくが、大きな乳房はスコールの手に納まらない。
むぅ、とスコールは眉根を寄せて、桃色の乳首に吸い付いた。


「あぁっ……!」
「んむ……んぅ…」


 スコールは、レオンに自分がされていた事を思い出しながら、ツンと尖った乳首を舌で愛撫した。
ちゅる、じゅる、と音を立てながら、スコールの小さな舌がレオンの乳輪の縁を辿る。


「あっ、…んん……」
「あ、む……ふぐっ…れおんの、おっぱい……あむっ」
「───んぁっ


 かぷ、とスコールの歯がレオンの乳首に立てられると、彼女の口から甘い音。
それをもっと聞きたくて、スコールは強弱をつけてレオンの乳房を揉みしながら、左右交互に、何度も乳首を甘噛みする。


「あっ、あっ、ん…ぅうんっ…
「ん、っん、ふ……はふ、ん…」
「や、あっ…スコール、んっ、そんな…噛んじゃ、あっ
「あむ、あふっ…ふぅっ…!」


 ちゅう、ちゅうっ、と吸い付かれる度、レオンの体がびくっ、びくっ、と跳ねる。
スコールは、自分の咥内で、レオンの蕾が硬く張り詰めて行くのを感じていた。

 ハリのある大きな乳房を揉みながら、ちゅう、と乳首を吸うと、このまま母乳でも出て来るんじゃないかと思えて来る。
しこりになってしまったかのように硬くなった乳首の先端を、レオンにされたように、スコールは舌先で穿るように弄った。


「ああっ、あっ
「んっ……ぷ、はっ」


 スコールがレオンの乳首を解放すると、其処はすっかり唾液で濡れていた。
ツンと尖った乳首がてらてらと光る様が、とても艶めかしくていやらしい。

 はあ、はあ、と二人分の乱れた呼吸だけが、部屋の中で反響する。
スコールの視線が、重力に従って左右に零れるように垂れた乳房の間から、薄い腹筋の判る腹へ、ヘソへと辿り、スコールのものとお揃いの黒のタイトスカートへ。
ぴったりと大臀筋にフィットしたスカートの隙間に、スコールの手が滑り込むと、ひくん、とレオンの膝が震えたのが判った。

 スコールは、レオンのタイトスカートの裾を捲り上げた。
露わになったショーツは、ブラジャーと同じ黒レースで、サイドも同じく紐になっている。
フロントはV字カット、クロッチは手触りの良いサテン生地で、Tバック仕様と、大人の艶香が醸し出されるようだ。
そのショーツのクロッチの一部が、ほんのりと色を変えている。


「レオンのここ、濡れてる…」
「……っん……!」


 つぅ、とスコールの指がシミのついたクロッチをなぞる。
意趣返しのように言ったスコールに、レオンは微かに頬を染めて、眉根を寄せた。

 スコールはショーツのサイドの紐を解いた。
左右ともに解いてしまえば、頼りない薄い布地は簡単に捲れてしまい、レオンの恥丘が露わになる。
スコールは其処の秘裂に指を宛がうと、口を広げるように、指先でその薄皮膚をそっと左右へと広げた。


「だ、め……スコールっ……!」


 頬を赤らめたレオンの訴えを、スコールは聞かない。
レオンだってスコールの訴えを聞いてくれなかったのだ、お互い様だ────そんな事を考えながら、スコールは背を丸め、レオンの陰部に顔を近付ける。

 間近にしたレオンの秘部は、しっとりと濡れて、陰唇がヒクヒクと伸縮していやらしく疼いている。
爪先で淫溝をそっとなぞれば、頭上からレオンの“女”の声が聞こえた。


「あっ…、あっ…!ん、あ……っ」
「………」
「あ、ぅんっ…!」


 陰唇の口をなぞっていたスコールの指が、つぷ、と狭間に挿入された。
ひくん、とレオンの体が跳ねて、豊かな乳房がたぷん、と揺れる。

 スコールは右手の指を奥へと進めながら、左手の指でラビアを拡げる。
くぱあ、と剥き出しになった淫肉に、スコールは恐る恐る顔を近付けた。
鼻先を押し付けて、くん、と匂いを嗅ぐと、甘ったるい匂いがするような気がして、スコールの唇から光悦とした吐息が漏れる。
熱の篭った息が膣口をくすぐったのが判ったのだろう、レオンの太腿がぴくりと震えて、スコールの指を内壁が締め付ける。


「…っは…あ、や…スコールっ……!」
「んぅ、んっ……むぅっ…
「息…っ、スコールぅっ…!あっ、だめ、深いとこっ…!」


 スコールの指が奥へ奥へと進む度に、駄目、と言うレオンの言葉とは裏腹に、彼女の雌肉が悦ぶように指に絡み付く。


「ん、む…?」


 指を食んだレオンの膣口の隙間から、とろりとしたものが溢れ出す。
途端、一層強い雌の匂いがしたような気がして、スコールは自分の下肢がじゅくじゅくと熱くなるのを感じながら、レオンもこうだったのかな、と何処か他人事のように考えていた。

 埋めた指の関節を曲げて、淫肉の壁をなぞる。
ひくん、とレオンの体が跳ねて、彼女が耐えるように背を丸めるのが判った。
暫く全体を探るように指を彷徨わせていると、ミミズのように細かいヒダがある場所を掠めた瞬間、


「んぁっ!」


 思わず、と言った風に、レオンの口から甘い悲鳴。
スコールはこくり、と喉を鳴らして、同じ場所をもう一度なぞった。


「あぁあっ…!」


 もう一度、はっきりとした嬌声が漏れる。

 スコールは上壁のヒダを摩るように指の腹を押し当て、手首を前後に抜き差しするように動かした。
ちゅぷっちゅくっ、くちゅっ、と卑猥な音が鳴って、レオンの内壁からどんどん蜜が分泌され、指の滑りを助けて行く。


「あっ、あんっ、あぅんっ…!ひっ、あっ、あっ
「っは…レオン、此処、ぐちゅぐちゅ……気持ちいい…?」
「スコー、ルぅっ……!ん、あぁ、あんっ…!」


 股の間に顔を埋めたままでスコールが問うと、レオンの陰唇が返事をするようにもぐもぐと動く。
本人からは甘い声ばかりで、答えらしい答えはなかったが、スコールはそれで十分満足していた。

 レオンの陰唇からは、とろとろと甘い蜜が溢れ出していたが、彼女の躯はまだ絶頂を迎えていない。
官能を感じているのは確かな筈だが、何かが足りないのだろうか。
そんな事を考えながら、ひくひくと伸縮するラビアをじっと見詰めていたスコールの目に、陰唇の直ぐ上にぽつりと膨らんだ肉芽が映った。
其方にそっと顔を近付けて、舌を伸ばし、つん、と先端を舐めてみる。


「───ひぁあっ!」


 ビクン!とレオンの体が大きく跳ねた。
同時に、ヴァギナが強くスコールの指を締め付ける。

 顕著な反応に気を良くして、スコールはレオンの膣口を攻めながら、空いていた手で肉芽を摘んだ。
途端、ビクッビクッ!とレオンの腰が跳ねて浮き、


「だ、め、だめ…!スコール、それ、だめぇっ…!」


 肉芽───クリトリスへの刺激に、レオンは弱い。
その事を思い出して、スコールはレオンの肉芽を覆う薄皮を捲り、剥き出しにした陰核を強く摘まんだ。


「あぅううんっ!」
「レオン…、レオンに、気持ちいいの、あげる……」


 囁くように、独り言のように呟いて、スコールは赤らんだ肉芽に爪を立てた。


「はっ、あっあぁあっやめっ、んぁああんっ!」


 コリコリと肉芽を転がしてやれば、レオンは声を殺す事を忘れて、甘く甲高い悲鳴を上げる。
内壁がきゅうきゅうとスコールの指を締め付けて、細く引き締まった腰ががくがくと震えていた。


「あ、あ、あっ!んっ、はひっ…!ひぃん…んはぁっ
「凄い……レオンの、おまんこの中…熱くなってる…」
「はふっ、ふぅっ…あんんっ!」


 唇を噛んだレオンだったが、陰核を摘むと同時に、膣内をぐるっと掻き回すように抉られて、殺し切れない嬌声が零れる。
悶えて頭を振った彼女の長い髪が、真っ白なシーツの上で波を作るように踊っていた。

 こりっこりっ、きゅっ、きゅぅっ!と陰核を堪えず転がされ摘ままれて、レオンの脚が爪先までピンと強張る。
強過ぎる快感に翻弄された腰が浮いて、ゆらゆらと悩ましく揺れる。
きっと陰核への刺激から逃げようとしているのだろうけれど、スコールにはレオンが「もっと」と誘っているように見えた。


「はっ、あっ…あうっ!ひ、らめっ、らめえぇっ!スコール、もう、もうっ…!」
「レオン、気持ち良い…?これ、気持ち良い?」


 挟んだ指でこりこりと陰核を転がしながら、スコールはレオンの肉壁の天井を爪先で抉るように押し上げる。
レオンは耐え切れないと訴えるように、陰核を苛めるスコールの手を掴んだが、その手には碌に力が入っていなかった。
その所為で、少女を咎めようと掴んだ手は、スコールには求められているようにしか思えない。

 きゅぅっ、と捩じるように摘まんだ陰核を引っ張る。
ビクン、とレオンの体が大きく跳ねて、


「もっ、だめ、だ、めえぇえぇえええんっ


 ビクッビクッ、ビクッ!とレオンの身体が大きく脈打ち、ぷしゃあああっ!と透明な飛沫がレオンの膣口から噴き出した。
陰部を間近で覗き込んでいたスコールの顔に飛び散ったそれは、愛液のように粘っこくはなく、さらりとして匂いも少なかった。

 レオンの肉壁が、きゅうっ、きゅぅっ…と彼女の呼吸と痙攣に合わせるように蠢いて、スコールの指を締め付ける。
陰核はぷっくりと膨らんで、まるで腫れあがっているようだ。
このまま剥き出しの状態でショーツを穿いたら、布が擦れるだけで感じてしまうかも知れない。

 ゆっくりと埋めた指を引き抜いて尚、レオンの身体の痙攣は中々止まらなかった。


「レオン、」
「あっ…は、あぁん……
「ん……」
「…ん、むぅ……っ」


 亡羊と虚空を見上げるレオンの頬を捉まえて、スコールはキスをした。
無防備に開かれていたレオンの咥内に舌を滑り込ませれば、直ぐに彼女は応えてくれる。
スコールは、ちゅく、ちゅぷ、と咥内で猥らな音がするのを聞きながら、意識が戻って来たレオンが、うっとりとした眼差しで自分を見詰めている事に気付く。

 二人の唇が離れると、レオンはスコールの頬を滑らかな舌で舐めた。
少女の貌に飛び散った淫水を舐め取る彼女を、スコールはじっと甘受し、その瞳には嬉しそうな色が滲んでいる。
レオンに与えられる愛撫なら、スコールはどんな事でも嬉しかった。