堕ちる、熔ける、嗤う。 2-3


 呆然とするスコールは、それから反応を示さなくなった。
刺激を与えられる事で躯は反応し、勃起したペニスも萎える様子はなかったが、それだけだ。
兵士達がスコールの股を弄り、竿を擦って刺激を与えても、スコールは虚ろな瞳で宙を見詰めるだけで、喘ぐ事もしない。

 早く終わってしまえば良い。
スコールはそれだけを考えていた。
抵抗さえしなければ、彼等が飽きてしまえば、この不毛な凌辱は終わるのだ。
彼等の不興を買う事さえしなければ、今夜の出来事も、三ヶ月前の事件も、誰に知られる事もなく、風化する。
唯一の不安要素と言えば、今この場にゼルや他のSeeD、ガルバディア兵など、他人が入って来る事だが、テント周りを囲んで動かない気配があるので、きっと見張役がいるのだろう。
物々しさを怪しむ者はいるかも知れないが、SeeDは勿論、ガルバディア兵もスコールの実力を知っている。
まさかこんな事になっているとは、誰も思うまい。
だからこのまま、誰もこの事を知らないまま、終わってしまうのが一番良い。

 喘ぐ事も、喚く事も、息を殺す事さえしなくなったスコールを見て、兵士達の躯を弄る手が止まり始める。


「此処まで大人しいと、詰まらんな」
「大人しいって言うか、全く反応ナシですよ」


 将校の呟きに、兵士の一人が言った。
このままでは何も面白くない、と。

 そのまま飽きてしまえ、とスコールは虚ろな意識の中で思った。
それでこの時間が終わるのなら、十分だ。

 だが、兵士達はまだスコールを解放する様子はなかった。


「じゃあ、コレ使いますか」


 兵士の一人が、ズボンのポケットを探りながら言った。
それを聞いた将校が、おお、と感心したように声を上げる。

 兵士が取り出したのは、掌に納まる程度の、小さなビンだった。
中には無色透明の液体が入っており、ラベルなど、中身や成分が判りそうな物は何もない。
虚ろな瞳でそれを見詰めていたスコールは、記憶の中にそれとよく似たものを見付けて、俄かに意識を取り戻した。


「っや……!」
「ん?」


 ガタ、と椅子を揺らしたスコールに、兵士達が振り返る。
怯えを滲ませた瞳でビンを見詰めるスコールの姿を見て、将校の口がにんまりと弧を描いて、ビンの蓋を開ける。


「どうやら指揮官様は、これが何だか知ってるらしい」
「違っ…、知らないっ……!」
「え?やっぱり知らない?じゃあ、知って貰う為にも────おら、口開けろ!」


 ぐいっと後ろから髪を引っ張られて、スコールの頭が仰け反った。
顎を捉えて無理やり口を開かされ、ビンをスコールの口に宛がった。
逆さまになったビンから液体が流れ出し、スコールの口の中へと注がれて行く。


「あっ、がぁっ!んぐぅっ!」


 小さなビンの中身は直ぐに空になった。
ビンが口から離れると、スコールは口の中のものを吐き出そうとしたが、判り切ったその抵抗を、将校の手が遮る。
頭を上向かされたまま、口を閉じられてしまうと、咥内の液体は真っ直ぐになった喉を躊躇いもなく流れ落ちて行く。
一瞬、食道器官を外れた場所に流れ込んで咳き込んだが、兵士達は気にする事もなく、スコールが咥内の液体を飲み干すまで、決して口を開けさせようとしなかった。

 こく、こく、とスコールの喉が何度か鳴ったのを確認して、将校はようやく手を離した。
呼吸が自由になったスコールは、咽返りながら喉奥のものを吐き出そうと試みた。


「えっ、あっ…!げほっ、うえっ……!」


 はあ、はあ、と荒い呼吸を繰り返しながら、スコールはぐったりとパイプ椅子の背凭れに寄り掛かった。
脂汗を滲ませた額に、濃茶色の髪が張り付いている。
口端からは、飲み込めずに吐き出したビンの中身が垂れて、スコールの口元を濡らしていた。

 さあて、と兵士達は腰を据えて待つように、スコールをじっと観察する。
突き刺さる視線を感じながら、スコールは腹の底がじりじりと焦げるような熱を発し始めるのを感じていた。


(嫌だ。嫌だ……あれは…あの薬は……)


 じゅくじゅくとしたものが躯中に広がって行くのを感じながら、スコールは首の坐らない赤ん坊のように頭を揺らす。
左右に振って、天井を仰いで、口を開けたまま熱の篭った吐息を漏らし始めたスコールは、自分の躯の中で起きる変化が、以前にも経験したものと全く同じものである事を理解していた。

 あの時も無理やり飲まされた、小さなビンに入った薬。
あれを飲まされた途端、スコールの躯は、彼の意思を無視するようになった。
最初に血管の中を虫が這うような悍ましさがあって、次にその軌跡を辿るように膿みになる。
じりじりと神経を、細胞を焼きつくされる様な熱が拡がって、躯の自由が利かなくなって────


「────……っあ……!!」


 ずぐん、と何かが下腹部を大きく突き上げた気がして、スコールは目を剥いた。


「あ…あ……や……」


 どくん、どくん、と心臓が早鐘を打つ。
内臓が内側から掻き回されているような感覚に、スコールは弱々しく頭を振った。
それを見たガルバディア兵達が、ぎらぎらと目を光らせて近付いて来る。


「お、来たか?」
「あっ、あ…!あぁあ……!あ、う…!」
「どんな塩梅だ?ん?」
「はひっ…ひうぅん……っ!」


 兵士達の手がスコールの頬を、首を、脚を撫でて、それだけでスコールはビクビクと体を戦慄かせる。
ただ触れられているだけなのに、弱い電流を流されているような気がして、スコールは背を仰け反らせた。

 背中で鎖がガチャガチャを音を立てる。
スコールは拘束された躯を振り乱すように暴れさえ、身悶えしていた。


「ひっ、はぁっ…!あ、あつ……あついぃ……っ!」


 喉奥から腹の底まで、焼けるような感覚がある。
これは三ヶ月前に薬を飲まされた時と、全く同じ症状だった。

 天井を仰ぐスコールの顎を将校が掴む。
将校へと向けられたスコールの瞳は、眼前の男を見る事なく、涙を浮かべて宙を彷徨っていた。
眉根を寄せ、汗を噴き出させ、顔を真っ赤にして悶えるスコールに、将校はにまにまと笑いながら、SeeD服の詰襟に手を伸ばす。


「そうか、暑いか。じゃあ、涼しくしてやらんとな」


 将校はSeeD服のジャケットの前を外して行くが、スコールの躯には椅子に縛り付けた鎖が巻き付いている。
構わずに全ての釦を外すと、力任せに引っ張って、胸元を開けて肩口まで露出させた。

 インナーも引っ張って上まで持ち上げようとするが、力に負けた布地がビリビリと音を立てて破れて行く。
その音に、スコールは三ヶ月前の光景を思い出し、弱々しく首を横に振る。


「いや、いやだ…やめ、ろ……やめろおぉ……っ」


 だが、言葉だけの抵抗など実を結ぶ筈もなく、スコールのシャツは引き裂かれ、白い胸が露わになった。
其処には薄い桃色に色付いた蕾があり、触って下さいと言わんばかりに膨らんでいる。


「おいおい、乳首立ってるぞ。触ってもいないのに」
「指揮官様はちんこよりも乳首好きだったってか?」


 笑う兵士達の言葉に、スコールは顔を真っ赤にして首を横に振った。
だが、じくじくとした微電流は其処にも集まっている。
其処は、三ヶ月前に散々弄られ、攻められた場所だった。

 兵士達の手がスコールの胸に伸び、平らな胸の腕を撫でまわす。
女に愛撫するように、執拗に撫でて、指先でやわやわと揉む手の感触に、スコールは唇を噛んで身動ぎした。
自由にならない躯で尚も逃げようとするスコールだったが、


「────あぁあっ!」


 左右の膨らんだ乳首を同時に摘ままれた瞬間、ビクッ、ビクッ!と体を戦慄かせて仰け反った。

 顕著な反応を返すスコールに、乳首を摘んだ男がにやりと笑う。
人差し指と親指で摘まんだ乳首に爪先を当てながら、コリコリと転がしてやる。
スコールは胸部から襲う甘い電気に、涙を浮かべながら喘ぎ声を上げた。


「ひっ、ひっ…!んっ、あぁっ!やめっ、そこっ…!」
「其処って、此処?乳首の事か?」
「ああぁあっ!嫌、嫌だ…触る、なぁああんっ!」


 きゅうっ!と乳首を引っ張られて、スコールは痛みに顔を顰める。
だが、口から出て来たのは、明らかな嬌声であった。


「随分反応が良いじゃないか。俺にも触らせろよ」
「やだ、や…ひぃん!あっ、あっ、あっ、摘むなぁあ…っ!」
「じゃあ擦る方が良いか?」
「はっ、はぁ…ああぁ…!嫌、だ…いやだあぁあ……!」


 皮膚が伸びる程に乳首を引っ張りながら、乳頭の先端を他の男がくねくねと弧ね回し、こちょこちょとくすぐる。
左右で違う刺激に、スコールはビクビクと肩を跳ねさせながら、躯を捩って逃げを打つ。


「あっ、あっ、あっ、あっ…!」
「指揮官様は乳首遊びがお好きらしいぜ」
「はひっ、ひっ!違っ…んあっあっあぁ…!」


 陸に揚げられた魚のように、背を撓らせて喘ぐスコールに、男達は調子づいたように攻める手を激しくして行く。
コリコリとしこりのように硬くなった乳首に、兵士の一人が吸い付いた。
じゅるるるっ、と音がする程に強く啜られて、スコールは頭の芯でチカチカと閃光が走る。


「やぁっあぁあっ!」


 ビクン、ビクン、とスコールの躯が痙攣する。
更にぢゅっ、ぢゅうぅっ、と乳首を吸われ続け、スコールは背中の腕をがちゃがちゃと鳴らしながら、頭を振って止めろ、と叫ぶ。


「やめっ、やめろっ!ひぃっ…や、ひぅうんっ!」
「すげえ効き目だな。此処まで反応するようになるとは思わなかった」
「あぁっ!あんっ、あっ、ひくぅっ……!」
「乳首ビンビンだぜ。ついでに、こっちもビンビン」
「────はぅんっ!」


 ピンッ、と将校の指がスコールの亀頭を弾く。
乳首からの刺激に意識を浚われていたスコールは、不意の下肢への刺激に、甲高い声を上げた。

 スコールの雄は大きく膨らみ、その先端からはとろとろと先走りの液が溢れ出していた。
将校が軽く竿に指を這わせただけで、ぞくぞくとしたものが下腹部から背中を駆け上がり、脳の中まで甘い痺れが伝わって来る。
目を白黒とさせて虚空を見つめるスコールを見て、将校はうっそりと笑みを浮かべると、スコールの肉棒を包んで上下に激しく扱き始めた。


「ひっ、はひっ…!や、触るな…触、あっあっ、あぁあっ
「ほらほら、ちんこゴシゴシされるの気持ち良いんだろ?」
「い、嫌っ…!きも、きもち、わる……ひぃんっ!」
「我慢汁垂れ流しながら言っても、説得力ねえんだよ」


 ぐりっ、と先端を親指で押し潰すように抉られて、スコールの腰が跳ねる。

 兵士達は執拗にスコールの乳首を捏ね回し、将校は肉棒を激しく扱く。
背後に回った兵士が、スコールの顎を捉えて固定させ、耳朶に舌を這わせた。
じゅるっ、じゅぷっ、と鼓膜まで犯されているような気がして、スコールはじたばたと脚を暴れさせた。
そうすると、今度は兵士達が三人がかりでスコールの足を押さえ付け、一切の身動きが出来なくなってしまう。
悶え暴れて快感をやり過ごす事さえ出来なくなったスコールは、強制される快感に翻弄されるがまま、艶を含み始めた声で喘ぎ続ける事になる。


「離、離せっ、はなせぇえっ!あっ、あぁっひっ、あうっ…んくぅうっ!」


 体の奥から競り上がってくる熱を感じて、スコールは唇を噛んだ。
二度とあんな想いは御免だと、身動きが出来ない代わりの精一杯の抵抗を試みるが、躯は既にスコールの意思を離れている。
熱を孕み、細胞の一遍まで飲み込まれた躯は、男達の手に高ぶらされるまま、二度目の劣情を吐き出した。


「はぁあぁああああっ……!!」


 ビクッ、ビクッ、がくがくっ、と全身を強張らせたまま痙攣させ、絶頂を迎えるスコール。
勢いよく溢れ出した精液が弧を描いて、将校の軍服に飛び散った。


「うぉっ、汚ねっ」
「あーあー、調子に乗るからですよ」


 将校は慌てて精液を拭い取ろうとするが、粘ついた愛液は伸びて沁みになる一方だった。
結局、将校は精液を拭う事は諦めて、代わりにスコールに八つ当たりするように、反り返ったままのスコールの雄を握り締める。


「いあぁあっ!」


 絶頂したばかりで敏感になったスコールにとって、触られるだけでも拷問だと言うのに、握り締められれば酷い痛みに襲われるのは当然だろう。
それにも構わず、将校は強く握ったまま、ペニスを千切ろうとでもするかのように、ぐいぐいと強い力で引っ張る。


「いぎっ、いっ、ひぃっ!痛、痛いっ…!やめっ、あぁっ!」
「痛い痛いって言ってる割には、ガチガチにしてんじゃねえか。やっぱドMだろ、お前」
「んっ、んっ…あぁっ…!違、う…あぅんっ!」
「乳首好きな上に、ちんこ苛められるのも好きってか。違うってんなら、此処も此処も、どう説明する気だ?」


 将校はスコールの雄の裏筋を擦りながら、部下たちに攻められ続けて腫れたように膨らんだ乳首を親指で押し潰す。


「ん、んくっ…違う、ちがうぅ……っ!は、く、薬っ…薬の…っ」


 息も絶え絶えに、引き結んでいた口を震わせながら小さく呟き始めるスコールに、「ん?」と男達が耳を澄ます。
汗を滲ませ、熱に犯されて赤らんだ肌を弄りながら。

 スコールは、全身を襲う緩やかな痺れに悶え苦しみながら、虚ろな瞳に涙を浮かべて、懸命に言葉を紡いだ。


「く、薬…薬の、せい……薬の、所為、だからぁ……っ!」


 無理やり飲まされた、ビンに入った透明な薬。
あれを飲んだ瞬間、躯の奥から言いようのない熱い塊が沸き上がって来て、あっと言う間に体中を侵食された。
あれは───成分だの何だのと言うものはスコールには判らないが───交感神経を過敏にしたり、強制的に性欲を催させるもので、それはスコールの意思を無視する程に強力なもの。
だから、それによって齎されたこの反応は、決してスコールの意思に殉ずるものでもなければ、彼が望んで示しているものでもない。

 薬の所為、と繰り返すスコールの瞳には、この凌辱が始まった直後のような気丈さは残っていなかった。
脳髄まで進行して来る熱の侵攻に流されないように自我を保つのが精一杯で、周囲の男達を睨む事も出来ない。
───更に、脳裏には三ヶ月までの出来事が甦っては沈み、また蘇ってと繰り返し再生されていた。
あの日、感じてしまったものも思い出されて行くのが判って、スコールは明滅する意識の中で、違う、あれは、とあの日の出来事そのものにも言い訳を零し始めていた。


「あっ、あぁっ…!薬、薬がぁ…っ…はっ、あひっ、…!薬の、所為、だから……んぁっ、あぁあ……!」


 コリコリと乳首を転がされ、スコールは腰を捩って胸を左右に揺すりながら、天井を仰いで同じ言葉を繰り返した。
背後の兵士が意志薄弱としたその瞳を見下ろして、そうかそうか、と納得したように頷き、


「薬の所為じゃ仕方ないっすねえ。指揮官様の所為じゃないもんな」
「はっ、あっあんっ…!ひぃっ…、ちくびぃっ…も、もう、触らな……」
「薬の所為で乳首ビンビン、ちんこもビンビン。ついでに、尻の方もヒクついてるなぁ」
「あふぅっ…!そ、そこっ…見るなぁああ……っ!」


 二人の兵士が、スコールの左右それぞれの足を持ち上げる。
足下に絡まっていたズボンを取り浚われると、爪先が浮いて、薄く色付いた秘孔口が露わにされた。
将校は間近に現れたスコールのアナルを見詰め、ヒクヒクと伸縮する其処を指先でぐりぐりと押した。


「あうっ、あっ、んぅっ…!」
「まだ入りそうにないな」
「いや、いやだ…!ひっ、そこっ…ひくっ…触るな……っ!」


 スコールの脳裏に、三ヶ月前の光景が蘇る。
薬の所為で前後不覚も同然に陥り、何本もの肉棒に其処を貫かれて、あられもない姿を晒した自分。
封印するように朧で、思い出そうにも虚ろであった筈の光景が、まるで他人事のように鮮明に蘇るのを感じて、スコールは体を震わせた。
腹の奥から、じくじくとしたものが浮き上がってくる事が恐怖に摩り替わり、スコールの眦に大粒の涙が浮かぶ。

 泣きじゃくるように、しゃくり上げ始めたスコールの姿は、小さな子供が怯えているようで哀れを誘う。
だが、囲む男達が今更スコールに対して憐憫の情など湧く筈もなく、寧ろ大人びた少年が痴態を晒して泣き出した光景を見て、鼻息を荒くしていた。


「嫌だ、…い、や…いやあぁあ……あっ、あっ、あっ…!」


 拒絶を示す心とは裏腹に、スコールの躯は与えられる快感に従順になっていた。
乳首に誰のものか判らない舌が這い、膨らんだ乳頭をぐりぐりと舌先で穿られる。
はふ、はふ、とスコールの濡れた唇から零れる吐息には、明らかな熱が孕んでいた。

 将校は皮膚が捲れるのではないかと思う程、強く激しく、スコールの雄を手淫して苛めていた。
じりじりと皮膚が痛みを訴えていると言うのに、スコールのペニスは天を突いたまま、一向に萎える様子はない。
それ所か、我慢の限界、とでも言わんばかりに、血管を浮き上がらせて、ビクビクと震えているのである。


「これ、薬の所為なんだっけ?」


 将校は亀頭を撫でまわすように掌で摩りながら言った。
スコールからの返答はなく、彼は敏感な亀頭のエラを弄られる感覚に、甘い声を漏らしている。


「だったら、此処に薬突っ込んだら、どうなるんだろうなぁ?」
「……っ…!!」


 玩具で遊ぶような口振りの将校の言葉に、スコールの頭から一気に熱が引いた。

 以前、アナルに薬を注ぎ込まれた時は、淫部全体が燃えるような劣情に襲われた。
既に散々に弄られていたアナルは、疼くようにじゅくじゅくとした感覚を放ち始め、スコールはそれに耐え切れず、疼きを治める術を求めて、男達に要求されるがままに屈服してしまった。

 嫌だ、と譫言のように繰り返し始めたスコールを見て、将校は笑みを深めた。
兵士の一人が、もう一つ、小ビンを取り出す。
三ヶ月前と言い、今日と言い、どうしてこんな時ばかり、碌でもないものを確りと用意しているのか、甚だ疑問だったが、今のスコールにはそれを言及してやるような気力もない。


「おお、丁度良い物があるじゃん」


 一人の兵士がそう言って、テーブルの端に転がっていたものを手に取る。
スコールがゼルと打ち合わせをしている時、メモ用に使っていた万年筆だった。

 それで何をする気だ、とスコールが目線で追うと、兵士は将校に万年筆を渡した。
将校は万年筆のキャップの頭を持って、ペン尻をスコールのペニスに宛がう。


「な…何……を……」


 恐怖と戸惑いがスコールの瞳を染め、細身の躯がかたかたと震える。
まさか、まさか、と信じられないものを見る目で見詰めるスコールに、将校は獣のように笑い、


「こっちの方が、まだ苦しくないだろうよ」


 何の話なのか、スコールには判らなかった。
理解する暇も与えられず、────づぷっ、とペン尻がペニスの中へと埋められる。


「────あ゛……っ!!!」


 あり得ない場所への挿入は、鋭い痛みをスコールに与え、スコールは目を見開き、全身を強張らせて仰け反らせた。

 万年筆は、スコールの尿道に突き刺さっていた。
軸は1センチにも満たない細身の万年筆だが、それでも小指程度の幅のある代物である。
それがスコールのペニスの中へ、尿道口をぐりぐりと無理やり押し広げながら、奥へ奥へと突き進む。


「ひっ、いっ!っが……痛、ぁ……!!」


 悲鳴すら、スコールは上げられなかった。
ペン尻も軸も丸型をしている為、角が擦れるような事はなかったが、其処は受け入れる器官ではない。
スコールにしてみれば、石か何か、硬いものがペニスの穴の中に潜り込んで、ごろごろと転がり回っているような、激しい痛みを齎していた。

 痛みと嫌悪感と混乱で、スコールの眦から大粒の涙が溢れ出す。
彼は、頭を振る事さえ出来なくなる程の、激しい嫌悪と拒絶、そして絶望に襲われていた。


「あ、あ…や、あ………!」


 尿道の中で万年筆が悪戯に角度を変え、壁を押す。
その度に、スコールの足がビクン、ビクン、と跳ねて、スコールは虚ろな目を宙に彷徨わせた。


「どうだ?ちんこ、気持ち良いか?」
「ひっ、ひっ…!や…ぬ、け……ぬけえぇえ……っ!」


 将校の言葉に返答をする余裕がある筈もなく、スコールは中空を見詰めたまま、精一杯の声で言った。
その声は掠れる程度の小さなもので、将校はまるで意に介さず、尿道に埋めていた万年筆を軽く引っ張った。
尿道の壁が引き攣るように伸びるのを感じて、スコールの躯が跳ね、


「────んあぁあぁぁぁぁんっ!」


 ずるぅううっ!と万年筆が一気にペニスを脱出した瞬間、スコールは甲高い声を上げた。
何処か艶を含んだその声に、兵士達がけらけらと笑う。


「どうよ。まるでイったみたいだっただろ?」
「ひっ、はっ…!ああ…ぁ……」


 ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ…と太腿と腹を痙攣させながら、スコールは意味のない音を漏らす。
背後の男がスコールの顎を捉え、上向かせると、生気のない瞳が天井を仰いだ。
濡れた唇から、はぁ、はぁ、と熱の篭った吐息が溢れている。


「そんじゃ、実験と行きますか」


 科学者ぶった口調で言うと、兵士が薬の入ったビンのコルク蓋を開けた。
兵士がスコールのペニスの真上でそれを傾けると、無色透明の液体がペニスの亀頭へと真っ直ぐに落ちて行く。
穿られたばかりの穴の上に、とろりとした冷たいものが落ちて来るのを感じて、スコールの躯が震える。


「やっ、いやっ…!ひ、あぁっ!」


 身を捩って逃げようとするスコールだった、大人しくしろ、と言わんばかりに強く乳首を摘まれて、びりびりとした快感に甘い声を上げる。
そのままクリクリと捏ねるように乳首を遊ばれながら、兵士の一人がスコールの雄の竿を握った。
上を向いたそれを真っ直ぐに固定され、垂れて来る液体を被らされて行く。


「つ、め…冷たっ…!ひあっ、あっ、ひぃっ胸、胸ぇっ…はなっ触るなぁああ…っ!」


 流れ落ちて来る液体が、スコールには恐怖だった。
あれを体内に含んだが最後、スコールの躯は汚れた快楽の波に無抵抗になり、あっと言う間に堕ちてしまう。
二度もあんな思いはしたくないのに、既に一度薬を飲まされた躯は、愛撫の手に酷く従順になっていた。
初めてアナルを貫かれた時でさえ、スコールの躯は痛み以上の快楽を感じ、浅ましく男達に肉棒を強請る肉欲の権化と化していたのに、今度は雄の象徴まで弄ばれるのか。
そんな場所まで蹂躙されてしまったら、スコールはもう、男として生きて行けなくなる気がする。

 だが、スコールのそんな恐怖心など、男達にとってはどうでも良い事だった。
“英雄”“指揮官”と誉れ高くも、まだ未成年の域を脱しない少年を蹂躙する彼等の心に、憐憫の情など微塵もない。
寧ろ、スコールが涙を流す様を見て、彼等は更に欲望を煽られ、もっと苛めて、もっと泣かせて、もっと────と外道の限りを尽くさんばかりに興奮していた。

 薬で濡れそぼった雄に新たな手が加わって、皮膚表面に薬を馴染ませるように、ねっとりと愛撫する。
液体は微かに滑りのある液体が、スコールの亀頭、エラ、竿、裏筋と、丹念に万遍なく塗られて行く。
それだけで、スコールはじんじんとしたものが雄全体から伝わって来るのを感じていた。


「さわ、る、な…触っ…あっ、あぁっ…!ひ、ふ……んっ…あぁっ…


 ぞくん、ぞくん、としたものが、腰全体を覆い尽くして、下半身から力が抜けて行く。
はぁ、はぁ、と荒い呼吸を繰り返すスコールの肌からは、じっとりとした汗が滲み出ていた。


「あぁ…あっ、あっ…!ひ、う……あぅううんっ…!」


 勃起したペニスは、今にも弾けそうに震えている。
しかし、ちょろちょろと垂れ落ちる液体と、ねっとりと撫で回すだけの刺激では足りないのか、ペニスは切なげに先端から先走りを零すばかりで、熱の塊は体内に居残っている。

 これ以上、辱めを甘んじて受けるつもりはない。
だが、身動き出来ず、思考能力を殆ど奪われたスコールには、逃げる事も出来ない。
その上、あの時と同じ、マグマのように熱い熱の奔流が溢れ出して来て、心と躯がどんどん剥離して行く。

 頬を赤らめ、唾液を垂らしながら舌を伸ばして喘ぐスコールの姿を見て、そろそろだな、と将校が呟いた。


「さぁーて……どんな風に啼いてくれるか。楽しませてくれよ、指揮官様」


 将校のその言葉を、スコールは酷く遠い出来事のように聞いていた。

 ぐっ、と硬いものがペニスの先端に宛がわれる。
ひくん、とスコールの躯が震えた直後、ぐにゅうううっ!と硬いもの────万年筆がスコールの尿道へと突き刺さった。


「あぁあぁぁああああっ!」


 ビクッ、がくんっ!とスコールの躯が大きく跳ね上がって、パイプ椅子の足下が浮く。
それを兵士達が上から押さえつけた。


「あぎっ!あひっ!んぐっ!あぅうんっ!」


 ぐにゅっ、ずぷっ、ぐりゅっ、ずぷっ!

 小穴に突き立てられた万年筆が、上下に激しく動かされ、スコールの躯は押さえつけられたままがくがくと震えていた。
挿入部分からの痛みは僅かなもので、抽出はスムーズに行われている。
ペニスの亀頭に絡み付いていた薬が、万年筆のペン軸全体を濡らし、潤滑油の役割を果たしていた。

 ペン尻を咥えた尿道口が開き、引き抜かれては閉じて、また付き入れられては開いてと繰り返す。
狭い尿道の壁が弄られ続ける感覚は、初めて経験している事なのに、これと似た感覚をスコールは知っていた。


「はひっ、ひぃっ!ひぃいんらめっ、やっ、あぁあっひっ、ひぃいっ!」
「どうだ、指揮官様よ。連続イキしてるみたいだろ?」
「ああっ、ああぁっ!ひっ、ひっ、あぁああんっ


 ずりゅりゅりゅっ、と万年筆が引き抜かれて行く度、スコールは腰を戦慄かせて甘い声を上げた。
尿道口を奥から入口へと勢いよく擦られる度に、射精の瞬間を迎えたような快感に襲われる。
それを連続して行われていると、将校の言う通り、連続絶頂に陥っているような錯覚に見舞われた。


「いやっ、いやぁああっ!やだ、あっ、あふぅっ!はぅううんっ


 深い場所まで一気に付き入れられて、入り口まで引き抜かれる。
だが、万年筆は決してスコールのペニスから出て行く事はない。

 入口で引っ掻かったペン尻がぐりぐりと回転して、穴を広げる。
スコールはいやいやと頭を振って、男達の責めに泣いて懇願した。


「やめっ、やだっやぁあっ!あひっ、ひっ、ひっそこっ、そこぉおっ!」
「入口がキモチイイって?」
「違ぁぁあっはっ、あっあぅ!やっ、あぁあっ


 ペンをぐりぐりと回転させられて、ペン尻に圧された尿道口が拡がって行く。
其処から、亀頭に纏わりついていた薬が滑り込んでくるのが判った。

 ぬぢゅううっ!と、万年筆がもう一度深くまで突き入れられる。
ずっぽりと奥まで入った万年筆が、そのままぐりゅっ、と周った。


「はぐぅっ


 腹の奥が抉られたような感覚に、スコールの腹筋が跳ねる。

 万年筆はくにゅっ、くりゅっ、くちゅっ、とスコールのペニスの中を掻き回していた。
ビクン、ビクン、とスコールの白魚のような脚が揺れる。


「んぐっ、うっ、あぅうっ…!や、あ、───あぁああんっ


 奥をぐりぐりと抉っていたものが、一気に引き抜かれて行く。
ぞくっぞくっ、ビクン、とスコールの下肢が震えて、甘い悲鳴が上がった。

 ずぽっじゅぽっ、にゅぶっ!と万年筆が激しくペニスの口を出入りする。


「はぅっあぅっ…あぅううんっだめ、だめっ、おふぅっひぃっ!」
「ほれほれ。ちんぽ穴弄られるの、気持ち良いだろ?」
「いや、嫌だ、いやだぁぁああんっ抜けっ、抜いてっ!もうっ…!はくぅううんっ…!」
「頑固だね〜。素直になりゃ良いのに」


 じゅぽっじゅぽっと尿道口を攻め続けながら、将校は硬く反り返ったペニスの根本に触れる。
陰嚢と竿の境目を指の腹でぐりぐりと押してやると、スコールは目を見開いて体を揺さぶった。


「んあぅううううっ!」


 体を仰け反らせ、弓形に撓らせて喘ぐスコール。
頭の天辺から爪先まで強張らせ、ビクッビクッと痙攣するように体を震わせるスコールは、最早限界に達していた。

 ずりゅりゅっ、とペニスの中を擦られる度、躯の奥から湧き上がってくる劣情。
それが男達の手によるものなのか、本当に躯の内側から競り上がってくるものなのか、既にスコールは判らなくなっていた。
腹の中で熱い塊が生まれ、それはどろりと溶けたマグマのように体細胞を飲み込みながら体中に伝播し、出口を求めて暴れ回っている。

 その証拠のように、穴口の隙間から零れていたスコールの蜜液が、とぷり、と一つ大きな泡を吹いた瞬間、────ずるるるるるっ!とペンが一気に引き抜かれ、


「あぁあああっ!イくっイくっ……!出るぅぅぁああぁぁあっ


 ビクン、ビクン、ビクン、とスコールの躯が震え、蓋を失った肉棒の穴から、白濁液が勢いよく飛び出した。
びゅるるるっ!と勢いよく飛び出した精液が、スコールの足や腹に降り注ぎ、地面にも白い液溜りが作られる。

 スコールは舌を伸ばし、宙を仰いで、はくはくと口を戦慄かせていた。
激しい絶頂に見舞われた躯は、その名残で強張ったまま、卑猥な彫像になって動かない。
四肢の筋肉が元に戻る事を忘れてしまったか、スコールは体を押さえつけていた男達の腕が離れても、足を大きくM字に開かせたまま、ひくひくと躯を痙攣させるだけだった。

 ぴゅくっ、と絶頂を終えたスコールのペニスから、少量の精液が飛び出す。
びくっ、びくっ、とスコールの躯が震えるタイミングに合わせたように、精液は少しずつ、少しずつ、蜜を噴き出させる。


「あっ…あっ……あぁ……っ


 精液が溢れ出す度、スコールの唇からは悩ましげな声が漏れる。
スコールは、そんな自分の有様を、何処か遠い出来事のように客観視していた。


(なんで…まだイってるんだ…?イったのに…あんなに……イったのに……)


 今ので、何度目の絶頂だったのだろう。
スコールには判らなかった。
先に何度か射精した所為もあったし、尿道攻めで疑似的に連続絶頂に陥っていた所為もある。
それ以上に、尿道を精液が上って来る感覚が、ぞくぞくとしたものを誘発して、思考を奪われる。

 スコールが自分の下半身へと視線を落とすと、ペニスは未だ勃起していた。
肉棒は亀頭も竿も精液塗れになっており、見ているだけでイカ臭い匂いが漂ってくる気がする。
そんな自分の有様を見ても、スコールは何故か嫌悪を感じる事はなくなっていた。
それどころか、


(…………あ……つ………い………)


 はぁ、はぁ、はぁ、とスコールの艶を孕んだ呼吸が、静まり返ったテントの中に木霊する。
兵士達は一切の声を出さず、物音も建てず、ただ呼気を荒げて行くスコールの様子を見詰めていた。
じっと見詰める複数の視線が、陰部に突き刺さるのを感じて、スコールは下肢を隠そうとする所か、見せつけるように腰を突き出す。


「あっ…あっ…い、や……だめ、ぇ……」


 自分の躯の奥で、何かが蠢いている。
スコールは、無性に股間を掻き毟りたい衝動に駆られていた。
疼いている所に爪を立て、思い切り擦って引っ掻いて、躯の奥に巣食っているものを追い出してしまいたい。
だが、スコールの腕は背中でガチャガチャと鎖の音を鳴らすだけだった。

 似たような感覚に、以前も遭った事がある。
躯の奥が熱くて熱くて堪らなくて、じんじんとした甘い疼きで満たされる。
早くこれを治めなければ、この疼きで狂い善がって死んでしまう気がする。


「ああっ…!はひっ、ひぃっ…熱い…っ、熱いぃい……!」
「何処が熱い?」


 虚ろな瞳で「熱い」と繰り返すスコールに、将校が訊ねた。
スコールは縋る瞳で将校を見詰め、


「はっ…ここ…ここぉっ……熱いぃ……っ!」


 此処、と言って、スコールは椅子に縛られた腰を浮かせた。
真っ直ぐに頭を上げ、天を突いたペニスが、男達の前に差し出すように突き出される。

 しかし、将校は考え込むように首を捻った。


「“此処”じゃあ判らないな。ちゃんと教えてくれよ」
「はっ、あっ…!…ん…ここっ……ここがぁ……」
「だから判らないって。ちゃんと、言葉で、何処が熱いのか、教えてくれって言ってるんだよ、指揮官様」


 一つ一つ区切って、子供に言い聞かせるように、迫るように将校は言った。

 言葉で、何処が。
言葉で。
嫌だ、とスコールの微かに残った理性が呟いた。
しかし、その理性の声は、自分の者である筈なのに酷く遠く、ねっとりとした熱の網に囚われた思考には、届かない。

 スコールは、目を閉じて白い頬を赤く染め、ひくひくと躯を震わせながら、小さな声で言った。


「……ペ、…ニス……が……」
「あ?」
「………ペニス、が…熱い……」
「……なんだってぇ?」


 掻き消えそうな声で呟くスコールに対し、兵士達は耳を近付けてくる。
聞こえない、としか返して来ない男達に、スコールは涙を浮かべて口を噤んだ。

 ひっく、と喉をしゃくり始めたスコールに、将校がやれやれと肩を竦め、


「生憎、俺達は指揮官様と違って、大した学もないんでねぇ。俺達に判るように言ってくれます?」
「…ひっ…んくっ……そ、そんな、の…っ、判、らな……っ…」


 目の前の男達が何を求めているのか、何を言わせようとしているのか、スコールには全く判らなかった。
性器が疼いている事も、その場所を明確に口に出す事も、思春期で性的な事には欲も悪くも敏感な年頃であるスコールにとっては、酷い拷問だ。
この上、一体何を言えと言うのだろう。

 横から伸びて来た手が、スコールの顎を捉える。
持ち上げられた顔に、ずい、と兵士が顔を近付けた。


「だから。この時言ってたみたいに言えば良いんですって」


 この時────ひらひら、とスコールの前に写真が翳される。
三ヶ月前の暴行事件の記録を治めた写真が。


(あの、時…みたいに……?)


 あの日の記憶は、朧なままだ。
フラッシュバックのように、ぶつ切りになった場面は思い出されるけれど、細かい所は飛んでいる。
その思い出したくない記憶を、スコールはぼんやりと辿り始めた。

 あの時、自分は何を言っていただろう。
男達に囲まれ、好き勝手に躯を暴かれ、屈服した時、自分は何を口走っていただろう。
情景の一つ一つを、映像を早回しするように思い出していく内、あの日の記憶が鮮明になって行くのが判る。
そうして蘇ってくるのは、淫部を弄ばれて得てしまった、全てを塗り潰す程の快感と、


「……お……ん………」


 辿った記憶の通りに呟いた声は、はっきりとした音にはならなかった。
なんだって?と将校が耳を近付けてくる。

 は……っ、とスコールの唇から零れたと吐息が、将校の耳をくすぐり、


「……お…、おちん…ちん……、…おちんちんが……熱くて…、おかしく、なりそう、です……」


 熱に浮かされて、朧に霞んだ光を湛えて、雫を滲ませた瞳で、スコールは眼前の男を見詰めて言った。