境界の向こうに


 両肩にかけられた紐で支えられた、薄く白いレース。
殆ど厚みのないそれは、極薄手のカーテンのようにスコールの肌を隠しながらも、その向こうにある色を薄らと覗かせている。
そんな透ける布から胸元を守るように、少し大きめの波がついたフリルがあしらわれており、肩紐との境目には小さな白い花が咲いていた。
垂れ下がる薄いカーテンは、臍の上から大きなスリットが入り、体を仰け反らせでもすれば、大きく隙間が開いて腹を晒して見せるだろう。
それがベビードールと呼ばれる、女性物の下着の一種である事を、ウォーリアは知らないが、それでも恐らくは男が着るものではないのだろうと言う事はなんとなく判った。

 そのベビードールの頼りない裾に、ちらちらと隠れそうで隠れられていないのは、白い小さなショーツだった。
此方は照明の光を受けて薄らと光沢が反射し、サイドは細い紐で蝶結びにされている。
これも見るからに女性物で、ショーツの中にはスコールのシンボルが酷く窮屈そうに納められている。
その小さな面積が、余りにも頼りなくて落ち着かないのだろう、スコールはベビードールの裾を引っ張って中心部を隠そうとする。
そうするとベビードールの布地が下へとずれて、胸元にあしらわれたフリルの隙間から、ピンク色の突起がちらりと覗いた。

 初めて見るスコールの様相に、ウォーリアは目を丸くしていた。
余り表情筋の動かない彼にしては珍しく、判り易く驚愕しながら混乱している顔だ。
だがそれを見ている者はいない。
唯一向き合っているスコールも、ウォーリアの顔が視れないと、真っ赤になって目を逸らしていた。

 それから、一分か二分か、もっと長かったかも知れない沈黙が続いた。
スコールの真一文字に紡がれた唇が、何度か震えていたが、解ける事はなかった。
ベビードールの裾を握る手に力が籠るのが、彼の胸中がどんなに揺れ動いているかを示している。
その事に気付いたウォーリアは、その手に自身の手を重ねて、ベッドへと腰を下ろした。


「ウォル、」


 重ねられた手に、スコールが思わずと言った様子で恋人の名を呼ぶ。
顔を上げると、柔らかく澄んだアイスブルーの瞳が見ていた。
其処に映り込む自分の姿を見て、またかっと顔が赤くなったが、目を逸らすよりも先に、ウォーリアの白い手がスコールの頬を撫でる。


「随分と久しぶりに、君に触れたような気がする」
「……悪かった」


 ウォーリアの言葉に、長らく恋人を放ったらかしにしてしまっていた自覚のあったスコールは、半ば反射的に詫びを口にした。
それに対し、ウォーリアは緩く首を横に振る。


「構わない。ジタンとバッツと、何か大事な話をしていたのだろう」
「……大事…と、言えば……まあ……」


 スコールの反応は少々端切れは悪かったが、否定はしなかった。
「俺にとっては……」と言う小さな呟きも聞こえて、それならば致し方のない事だとウォーリアは思う。
出来るのなら、スコールにとって大切な事なら共有したいとも望むが、恋人同士の触れ合いと言うものに疎い自分では、スコールの力になれる事は少ないだろう。
様々な知識が豊富なジタンやバッツの方が、元々の気心の知れ様もあって、頼れる事は多い筈だ。

 それでも触れ合えなかった時間の寂しさは変わらない。
ウォーリアはその時間を埋め合わせるように、スコールのほんのりと赤らんでいる頬をゆっくりと撫でた。
近い距離にあるウォーリアの顔に、スコールはしばらく視線を彷徨わせていたが、段々とその眦が柔らかくなって行く。
陽向の心地良さに舟を漕ぐ猫のように目を細め、スコールはウォーリアの手に甘えていた。


「ウォル……」


 夢現の中にいるような、そんな柔い声で、スコールがウォーリアを呼んだ。
返事の代わりにウォーリアの指がスコールの唇に触れる。
小さな唇の隙間から、ふ、と零れた吐息がウォーリアの指にかかり、じわり、とした熱がウォーリアの腹の奥から染み出した。

 じっと見つめるウォーリアを見返していた瞳が、そっと瞼の裏側に隠れた。
薄く開いた唇に誘われるように、ウォーリアの唇がそれと重なり合う。
触れた瞬間、ひくん、と薄い肩が跳ねたのが判った。
スコールはそのまま、じっとウォーリアに身を委ねるように、与えられる口付けに緩やかに応える。


「ん…ん……っ」


 ウォーリアの舌が、スコールの唇をノックした。
スコールは一度唇を噤むが、それは恥ずかしさを堪える為の仕草だったのだろう、隙間を覗かせてウォーリアを誘う。
直ぐにウォーリアの舌が滑り込むと、スコールの小さな舌が絡まって来て、ちゅ、ちゅく、と言う音がスコールの耳の奥で鳴った。
下着を隠すようにベビードールの裾を引っ張っていた手が解け、ウォーリアの首に回される。


「んん……っ」


 ちゅう、と舌を吸われて、スコールが小さく声を漏らした。
喉から零れた声は、甘やかな抗議のものであったが、ウォーリアを拒絶する程のものではない。
寧ろ、もっと、と強請っているようにも思えて、ウォーリアは数日振りの恋人の唇を丹念に丹念に味わった。


「ん、あ……は、むぅ……っ、うん……っ」


 ウォーリアの舌の動きに翻弄されて、スコールの舌の根がヒクヒクと戦慄いた。
舌先で舌腹を擽られると、臍の下がじんじんとしてきて、熱が中心部に集まって行く。
酷く頼りない薄い布に隠されている部分が、正直も正直に膨らむのが判った。

 頬を撫でていたウォーリアの手が、するりと落ちて行く。
首筋を伝い、鎖骨を辿り、肩に回って、背中を抱き寄せた。
あ、と言う声と共に、スコールはウォーリアの腕の中にすっぽりと納まる。
ウォーリアの右手に、さらさらとした布地の感触が当たって、それが普段の感触と大きく違う事もあってか、ウォーリアは奇妙な倒錯感のようなものを感じていた。

 薄く瞼を開けたスコールの、長い睫毛の隙間から、とろりと溶けた蒼灰色が揺蕩う。
うっとりと夢心地になっているその瞳を見詰めながら、ウォーリアはゆっくりと口付けを終えた。
離れて行く吐息を感じてか、首に回されたスコールの腕が、駄々を捏ねるように力を込める。
ウォーリアはスコールの背骨のラインに沿って背中を撫でて、それを宥めてあやした。


「ウォル……」


 はあ、と熱の籠った吐息を混じらせて、スコールが恋人を呼ぶ。

 スコールの背中は、大きく露わにされていた。
肩紐だけで釣られた布地は、前は胸元を隠してはいるものの、後ろは上半分は全く覆われていない。
下半分もやはり薄手の布が垂れているだけで、ウォーリアが手を滑らせると、さらさらとした感触の直ぐ下に、スコールの背骨の感触があるのが判った。

 その背中を抱きながら、ウォーリアはゆっくりと覆い被さる。
スコールはウォーリアに促される形で、ベッドへと横になる。
包まっていたシーツが波打って横たわっている其処に寝たので、下敷きにしたそれが凸凹しているのが判った。
どうにもそれが落ち着かなくて、もぞ、とスコールが体を捩っていると、


「君のそんな姿は、初めて見るな」
「あ?……ああ、まあ、それは……そうだろ……」


 男のする格好じゃないし、と消えそうな声で呟くスコールに、そう言うものなのか、とウォーリアは思う。
だが、横たわるスコールの姿を改めて見下ろして、確かにそうなのだろう、とも思った。

 シーツの波の中に漂うスコールの姿は、白い肌を守るような薄布に覆われているが、寧ろその美しさを際立たせるように透けて見える。
隠したいのか、見せつけたいのか、焦らしているようにも感じられた。
そうなると、申し訳程度に肌を守るその柔布を、暴いてしまいたい衝動に駆られる。
何処か暴力的な感覚にも似た衝動は、ウォーリアの強い自制を呼んだが、此方を見上げる蒼い宝石が、期待と羞恥の入り混じった色で此方を見上げている事に気付くと、また同じ衝動が膨らんだ。

 ウォーリアの手が、スコールの腰を緩く掴む。
薄らと光沢を持った布地の向こうに、肌色が覗いている。
なんとなく其処に置いた手を滑らせていると、


「…ウォ、ル……」


 呼ぶ声に顔を上げると、スコールは目を逸らしていた。
引き結んだ唇がふるふると震えた後、


「なんか……触り方が…」
「…?」
「……やらしい……」


 ウォーリアの手が腰を滑る度に、スコールは薄い布越しに皮膚の厚さを感じていた。
さらり、するりと、上に下にと何度も行き来する手の感触が、体温が、スコールの躰の熱を煽ろうとしている。
着ているものの所為で、摩擦が少なく滑り易いだけだと判ってはいるつもりだが、スコールはウォーリアが意図を持ってそんな触り方をしているのでは、と思ってしまった。
そうだったら良いと、思ってもいた。

 だが、ウォーリアにそのつもりは全くない。
いや、そう言う触り方をしていると言う自覚がなかっただけだ。
やらしい、と言われて、初めて自分がそんな風にスコールに触れていると言う事に気付く。
しかし細腰に添えられた手は、まるで吸い付いたようにその感触の虜になっていて、離れようとしなかった。

 離れない代わりに、ウォーリアの手はまた布地越しに肌を滑って行く。
それが下へ下へと向かっていく事に気付いて、こくり、とスコールの喉が小さく音を鳴らした。
ベビードールの裾まで辿り、布地と露出した肌の境界線を越えた所で、スコールの薄い肌がピクッと跳ねた。


「っ……」


 引き結んだ唇の奥から、息を飲む気配が伝わる。
スコールは手を口元に持って行って、手の中でふうふうと荒い呼気を零した。

 ウォーリアの手が、スリットの間から、布地の下へと侵入する。
直に肌に触れられて、薄い布越しに感じていた時とは違う皮膚の感触に、ぞくん、とスコールの腰が震えた。
腹を丹念に撫でる手の、指の感触を得て、スコールの躰がヒクッ、ピクッ、と小刻みに跳ねる。


「ふ…っ、んっ……」
「スコール、声を聞かせて欲しい」
「…や……っ」


 手で声を隠し、漏れるそれを殺そうとするスコール。
だが、ウォーリアはスコールの声を聞いていたかった。
こうして肌を合わせて声を聴くのは、随分と久しぶりの事だから、その全てを余す所なく拾いたい。

 ウォーリアは空いていた左手で、スコールの口元を覆う右手を掴んだ。
やだ、と言いたげな瞳がウォーリアを見たが、譲る事は出来ない。
掴んだ手首をシーツへと縫い付けて、ベビードールの中に侵入した右手を上へと持って行く。
ベビードールの裾が大きく捲り上げられて、腹周りをすっかり晒したものだから、スコールは急にすうすうとした外気の感触を覚えた。
それに対して、胸まで上って来たウォーリアの掌が熱い。
フリルの下まで潜り込んできた手が、ぷくりと膨らんだ突起を見付け、きゅ、と摘まむ。


「あっ……!」


 ぴりっと小さな刺激が走って、スコールは思わず声を上げた。
反響した自分の声に気付いて、かあっと頬に濃い朱色が奔る。
それに構わず、ウォーリアはスコールの膨らんだ乳首を捕まえ、人差し指で転がすように弄ぶ。


「あ、あ…っ、や……っ、ウォル……っ」


 スコールは弱々しく頭を振って、ウォーリアに抗議した。
しかし、触れる以前から膨らんでいた突起は、ウォーリアの細やかな意地悪に敏感に反応し、さらに固くなって行く。
触れていない方の乳首まで固くなって、フリルの隙間から覗く薄い布地を押し上げ、ポッチを作っているのが見えた。


「固くなっている。いつもより早い」
「……っ」
「この服は良いな。君の様子がよく判る。肌が赤くなっているのも、よく見える」


 元々スコールの肌は白いから、血が巡って昂ると、ほんのりと肌が紅潮するので判り易かった。
それに布一枚を被せると言う事は、布の分だけ肌が見え辛くなる筈なのだが、極薄の白レースと言うチョイスが彼の肌色と相俟って、隠している場所と晒している場所の色差のコントラストを強調していた。
胸元のフリルも合わせて白いから、その下に隠れたがっている、淡いピンクの膨らみは、反って存在を主張している。

 ウォーリアはスコールの右手を掴んでいた手を放した。
シーツに縫い留められていた手は、解放されても其処に留まり、ベッドシーツを握っている。
その腕を辿って行くと、肩に吊るされた紐があった。
胸元を隠すフリルを持ち上げている紐に、ウォーリアの指がかかり、するん、とスコールの肩から降ろされる。
胸元を覆うカップの片方がずれて、ツンと立った乳首が露わになった。


「あ……、」


 申し訳程度でも、隠されていた場所が晒された事に気付いて、スコールの顔がまた赤くなる。
それを視界の端に捉えながら、ウォーリアはスコールの右の乳首に吸い付いた。


「んんっ♡」


 ビクンッ、とスコールの躰が大きく跳ねる。
それ程強く吸われた訳ではなかったが、覚悟していても───していたからこそ───今のスコールにとっては強烈な快感だったのだ。

 ウォーリアは右手でスコールの左乳首を摘まみ捏ねて、右の乳首を口で吸う。
ちゅく、ちゅう、と強弱を変えて吸われながら、反対側を細かく捏ねて刺激され、スコールはビクッ、ビクッ、と何度も肩を震わせた。


「ふっ、んっ…!あっ……!あぁ……っ!」


 スコールはベッドシーツに後頭部を押し付けて、喉を晒しながら喘いでいる。
ちゅう、と強く乳首を吸われると、「んんっ」と言う高い鳴き声が喉奥から溢れてしまう。
口を開くと恥ずかしい喘ぎ声が出てしまうから、出来れば口を噤みたいのだが、下唇に力を入れようとすると、左の乳首を引っ張られる。


「や…ん……うんっ!あっ、あ……っ」
「声を」
「や、だ……あぁっ♡」


 ウォーリアの言葉に、スコールは首を横に振って拒否した。
しかし、右の乳首に甘く歯を立てられると、呆気なくその壁は崩れてしまう。

 ほんの少しの尖った刺激を受けて、スコールの右乳首はすっかり色付いた。
その先端に、慰めるように舌先を当てるウォーリア。
つん、と触れた生暖かい感触に、ヒクッとスコールの肩が震える。
舌先が触れる度に、あ、あ、と小さく喘ぐ声を聴きながら、ウォーリアはベビードールの裾から入れていた手を抜く。
胸からの刺激に意識を捉われているスコールの、左肩にかかっている紐を下ろすと、スコールの左の胸も曝け出された。
空気が直に触れている感触に気付いて、スコールがかあっと顔を赤くしている間に、ウォーリアは左胸へと顔を寄せ、


「はんっ♡」


 寂し気に主張していた左胸を吸えば、甲高い声が上がる。
指先で弄られて性感帯を起こされた乳首は、ウォーリアの舌にコリコリとした感触を与える程に固くなっていた。


「あぁ…っ、あ……っ、やぁ……っ」


 ベッドシーツを強く握りしめ、逃げを打って足元で白波を蹴る仕草をするスコール。
ウォーリアはそんなスコールの背中とシーツの間に腕を入れると、ぐっと抱き寄せた。
二人の躰が密着され、ベビードールのさらさらとした感触がウォーリアに、ウォーリアのしっかりとした体躯の逞しさがスコールに与えられる。


「ウォ…ルぅ……っ」
「ん……」
「あっ、はっ……、胸……やだ…ぁ……っ♡」


 ねっとりと丹念に胸を愛撫されて、スコールは抱かれた背を仰け反らせて上部を逃がそうとする。
しかし背中を抱く腕はしっかりと強く、スコールが抗えるようなものではなかった。
寧ろ、逃げを打つ程に抱く腕の力は強くなり、抑え込まれているようにも感じられる。

 背中を抱く腕はそのままに、逆の腕がスコールの背中を這う。
するすると落ちて行く手が、背筋を辿り、尻の谷間に触れた。
ふんわりと広がりを持ったベビードールの裾淵を捲り、ウォーリアの手がスコールの尻に触れる。
と、柔らかく温かいハリのある感触を皮膚に感じて、ウォーリアの指がぴくりと跳ねて止まる。


「スコール。この下着は───」
「……!」


 ウォーリアの言葉に、スコールははっとなって顔を赤らめた。
尻に触れたままの手をスコールの手が掴み、ふるふると頭を振りながら、引っ張り剥がそうとする。
しかし、ウォーリアの手は小さな臀部にぴったりと添えるように重ねられていて、スコールの弱々しい力ではびくともしない。

 尻の谷間に埋めるように、ウォーリアの指先に微かな力が籠る。
あ、とスコールの喉から音が漏れたのは無理もない。
指先に触れる感触は、直にスコールの皮膚に触れていて、このまま指を下へと滑らせていくだけで、ウォーリアは秘園に触れる事が出来るだろう。
裸になってはいない今、本来なら下着の中に隠されている筈の、秘園に。


「……っ、……あ…っ」


 まろい尻が、ウォーリアの手の中で、小さく震えている。
腕の中の少年が、泣き出しそうに表情を歪めながら顔を真っ赤にしていた。
しかし、密着している所為で判るのだが、スコールの中心部は大きく膨らんでいて、強く昂っている事をウォーリアに伝えている。

 ウォーリアがゆっくりと手を動かすと、大きな掌が緩やかな丘陵を撫でる。
其処に布地の感触はなく、肌理の細かい肌が、ウォーリアの掌にぴったりと吸い付いていた。
隆線に沿って滑って行く手が谷間に侵入すると、程無くアナルを見付け、その上に一本の紐だけが通っているのが確認できた。


「これは、下着か?」
「……っ」


 ウォーリアの問いに、スコールは益々顔を赤くする。
見ているのが可哀想になる程に沸騰した顔を、スコールは見下ろす男から逃げるように、両手で覆い隠しながら「…一応、は…」と頷いた。

 スコールが身に着けていた下着は、Tバックと呼ばれるもの。
それもサイドもバックも殆ど紐だけの、紐パンと言われる代物であった。
フロントの方は布地があるものの、それも申し訳程度のような幅しかなく、女性であってもきちんと隠せるのかと不安になりそうな程だった。
男性であるスコールの一物など隠しきれる訳もなく、勃起している事も相俟って、前が浮いてテントになると、窮屈に納められた玉袋が横合いから覗いてしまっている。
布地はなんとかシンボルを覆っている所までが限界で、其処からバックは筋のように細い紐が通り、谷間の始まる窪みの辺りで、ウェストの紐と繋がっているだけだった。

 これは下着なのか。
ウォーリアのその疑問を、スコールは肯定したばかりだが、これは下着として機能しているものなのだろうか、と未だウォーリアは疑問に思う。
何せ、前はなんとか隠してはいるものの、後ろはすっかり晒されていて、紐一本しかないのだ。
スコールのヒクヒクと伸縮を繰り返すアナルは、全く隠せておらず、ウォーリアがするりと指を這わせるだけで、


「ふ……っ!」


 直に指先が触れて、スコールの腰がビクッと跳ねた。
ウォーリアの指には紐が擦れる感触があったが、スコールに触れる事に対しては何の邪魔にもならない。
ウォーリアは下着らしきものを脱がせる事もなく、スコールの淫部をスリスリと摩ってやった。


「ん…、ふ…っ…!うん……っ!」


 硬い皮膚を持ったウォーリアの指の腹が、スコールの穴の縁の皺を丁寧に丁寧に辿っている。
その感触が無性にくすぐったくて、スコールは縮こまるように背中を丸めて、ふるふるといじらしく体を震わせていた。


「んん……っ、ウォル…ん……っ」
「…スコール」
「……あ……っ!」


 縋るように身を寄せて名を呼ぶスコールに、ウォーリアも呼び返して答えた。
吐息と共に耳を震わせるウォーリアの低い声に、スコールの躰にぞくんとしたものが奔る。
同時にスコールの穴口がふくっと膨らみ、入口を弄る指を欲しがった。

 スコールはウォーリアの背中に腕を回して抱き着くと、ゆらゆらと腰を揺らめかせて、先の刺激をねだる。
熱に浮かされた蒼灰色の瞳が、早く、と急かしているのを見て、ウォーリアも請われるままに、スコールの中へと指を挿入した。


「あふぅ……っ♡」


 ぬぷ、と先端が潜ると、スコールの体がビクンッと弾む。
少し強張った足先が、しゅるしゅるとベッドシーツを滑って行く音がした。

 第二関節まで入った指を、緩く曲げてみる。
クニッ、と中で肉壁を圧す感触と同時に、「あっ……!」と甘い声が耳元で零れた。
そのまま中の壁とトントンと指の腹でノックしてやれば、


「あっ、…んっ…、あっ…!んっ、んっ…♡」


 ウォーリアの与えるリズムに合わせて、ビクッ、ビクッ、ビクッ、とスコールの躰が躍る。

 中の肉がヒク、ヒクン、と蠢いて、ウォーリアの指に絡み付こうとする。
肉壁が指先を捉えると、それはもっと奥へと招くように締め付けを強くした。
誘われるままに指を進めて行けば、久しぶりである為に少しばかりの固い感触はあるものの、呆気なくウォーリアの指を根本まで飲み込んでしまう。

 はふ、はふ、と懸命に息を詰めまいと呼吸しているスコール。
ウォーリアはその背をしっかりと抱き寄せて、埋めた指で中を柔らかく掻き混ぜ始めた。


「あ───あ、あぁっ♡は、ふ……んぁ、あっ!」
「痛くはないか?スコール」
「ん、んん……っ」


 ウォーリアの声に、スコールはふるふると首を横に振る。
引き結んだ唇が苦痛を堪えているように見えて、ウォーリアは一度抜いた方が良いか、と指を引こうとした。
しかし、それを逸早く察したのか、スコールの秘部がきゅうっと指を締め付けて引き留める。


「ああっ♡」


 無意識の反応だったのだろうか、スコールが甲高い悲鳴を上げた。
その後も秘孔はきゅん、きゅう、と細かく伸縮を繰り返して、ウォーリアの指を締め付ける。


「は…はぁ……っ、うぉる、ぅ……っ」


 名を呼ぶ声が、もっと、と強請っていた。
近い距離で見上げる蒼灰色の瞳は、水雫に濡れて薄らと膜を張っており、その内側にある熱の翻弄をより明瞭に浮かび上がらせていた。

 スコールの濡れた唇が、緩く半開きになって、ウォーリアの名を呼ぶ形をなぞる。
その唇に、ウォーリアは吸い込まれるようにキスをした。
無防備だった隙間から舌を入れて、スコールの舌を絡め取り、唾液を塗すようにように丹念に愛撫する。


「ん、ふ…ん…っ♡ふう……っ」


 ウォーリアの背中に縋るスコールの手が、嬉しそうに震えて、ウォーリアの背にしっかりと捕まる。
抱き着く恋人の胸の奥で、どくんどくんと鼓動が逸っているのを聴きながら、ウォーリアはスコールの秘部にもう一本指を入れた。
「ンふぅっ!」と塞いだ唇の奥でくぐもった声が上がったのを聞きながら、二本の指を揃えて中を掻き回す。


「んっ、んっ、んぅっ!う、ん……ふく、ぅんっ♡」


 くちゅっくちゅっと卑しい音を鳴らしながら、スコールのアナルはウォーリアの指に応えるように蠢く。
壁を圧すと、最初は固い肉の感触ばかりだったのが、何度も刺激を与えている内に、柔らかく解れて来る。
程好い弾力になった頃に、二本の指を鉤のように曲げて指先でカシカシと擦ると、スコールの腰はビクンッビクンッと判り易く跳ねてくれた。

 呼吸の隙を与える為に、ウォーリアはスコールの唇を開放した。
はあっ、と溜まった二酸化炭素を吐き出して、不足した酸素を補う為、スコールが大きく息を吸う。


「ふぅ、ん…っ、ふっ♡」


 呼吸に注力するスコールであったが、秘奥をくちっと押される感覚に、思わず喘ぐ音が漏れた。
ふるふると頭を振り、嫌がる素振りを見せるスコールだったが、アナルはやはりウォーリアを締め付けて離さない。
そちらが本音であるとウォーリアも判っていたから、恥ずかしがる可愛い恋人の眦にキスをしながら、蜜壺の奥を指先でぐぅっと押し上げる。


「ああぁ……っ!」


 スコールは悶えるように体を捩りながら、悩ましい声を上げた。
逃げ場を求めるように腰を浮かせるスコールだったが、背中を抱く腕は離してくれないし、秘孔に埋めた指も離れない。
離れればきっとまた嫌がって引き留めるであろう秘奥に、ウォーリアは指先を届かせて、小刻みに震わせるように動かした。
細かな振動に似た刺激を与えられて、スコールの下肢が痺れたように強張る。


「あ、あ…ウォル……そこぉ……っ」
「スコール────んっ、」
「ああっ♡む、胸はもう……あっ、あっ♡」


 ウォーリアがスコールの胸へと吸い付くと、同時にきゅんっ、と秘孔が締まった。
先の愛撫で十分に敏感に育っていた乳首を、ちゅうちゅうと啜られて、胸元から一気に広がった甘い快感に、スコールの喉が仰け反った。
同時に秘孔の奥をグリグリと苛められ、スコールは強張った爪先をベッドから浮かせて身悶える。


「やはっ、あぁ…っ!だめ、そこ、したら…っぁ♡」


 久しぶりの刺激を与えられて、アナルの奥の性感が悦んでしまう。
はしたない体の反応を、スコールは頭を振って追い出そうとするけれど、知り尽くした快感からはどうしたって逃げられない。
強張った体は益々敏感になって行き、指の動きに合わせて下肢がビクッビクッ、と跳ねたかと思うと、


「ふ、くるっ、く、んっ!んんぅうぅっ♡」


 眉根を寄せて目尻に涙を浮かべて、スコールは背中を大きく仰け反らせた。
頭の天辺から爪先まで、針金を通したようにピンと張った格好で、スコールは果てへと上り詰める。
二人の躰の間で挟まれたスコールの中心部が、小さな下着の中でビクンッ、ビクンッ、と痙攣した後、熱い迸りが溢れ出した。

 硬直した躰が跳ねること数回。
それから、スコールの体からするりと力が抜けて、ウォーリアの背にしがみ付いていた腕が解けた。
赤らんだ体が弛緩し、ベッドに投げ出される傍ら、淫部に侵入した指を締め付ける肉の感触は相変わらず強い。
小刻みに痙攣するように震えながら、ウォーリアの指を締め付ける秘部は、まだ奥へと更なる刺激を欲しがっている。

 ウォーリアが体を起こすと、密着していた肌が離れて、あ、とスコールの唇から寂し気な音が漏れる。
子供が親を求めるように、力なく手を伸ばすスコールに、ウォーリアはその手を握ってあやす。
見上げる蒼灰色の瞳が、少しだけ安堵したように細められるのを見て、ウォーリアの口端からも笑みが零れた。


「スコール」
「ん……」
「続きを?」
「……ん……」


 しても良いかと確かめるウォーリアに、スコールは小さく頷いた。

 スコールが足を開き、濡れた狭間を露わにする。
申し訳程度の布に隠れた中心部は、すっかり大きくなってテントを作っており、布地の中心は吐き出したばかりの蜜を吸い込んで色が変わっている。
玉袋を半分ほど覆った所で布地は終わっており、後は紐が伸びているだけ。
そんなものだから、ウォーリアの指を咥え込んだアナルも丸見えになっていて、赤らんだ土手がヒクヒクと動いているのがよく判った。


「っは…ん……ウォル、ぅ……」


 恥ずかしそうに恋人の名を呼びながら、スコールは足の付け根にかかっているベビードールの裾を手繰る。
前に大きなスリットが入っているので、其処から開いている為、股間を隠す事などまるで出来ていなかったのだが、スコールの手で裾がたくし上げられていると言うシルエットが、ウォーリアの熱を煽る。
じっと見下ろしていると、その視線に気付いたスコールが、膝を立ててよりよく見えるように股間を見せつけて来るものだから、尚更いやらしさが募って見えた。

 アナルに埋めていた指をゆっくりと抜いて行くと、スコールはベビードールの裾をぎゅうっと握り締めて、「んっ、んっ…!」とくぐもった声を漏らした。
噤んだ唇の代わりに、鼻から荒い息が漏れている。
指が痕少しで抜けると言う所まで来ると、アナルは駄々を捏ねるようにウォーリアの指をきゅぅぅ…と切なげに締め付けて、


「んぁんっ……♡」


 にゅぽっ、と音を立てて指が抜けると同時に、スコールは甘い声を上げた。
広げた太腿がふるふると震え、膝がウォーリアの腰を挟んですりすりと肌を摩る。
ウォーリアはその膝を捕まえて、ぐっと大きく割り開かせた。


「は…あ……っ」


 自身があられもない格好をさせられている事を感じ取って、スコールの顔が赤くなる。
どくんどくんと心臓が煩く跳ねるのを、スコールは縋るものを求めるように、手繰り寄せた布地を皺だらけにしながらウォーリアを見上げていた。

 早く、と求める恋人の瞳を見詰め返しながら、ウォーリアも服を脱いだ。
生まれたままの姿になれば、大きく膨らんだペニスが恋人の前に晒される。
久しぶりに見るウォーリアの雄が、前に見た時よりも太く大きくなっているように見えて、こくりとスコールの喉が鳴った。


「ウォル…ウォ、ルぅ……っ」


 待ちきれない、とスコールの細い腰が揺れて男を誘う。
ショーツの染みがじんわりと広がって行き、吸い込み切れなくなった蜜が、竿を伝い落ちて行った。

 ウォーリアの手が、ゆらゆらと踊るスコールの腰を捕まえ、しっかりと固定される。
ヒクヒクと戦慄いているアナルに、固い感触のものが押し付けられるのを感じて、スコールはビクンッと体を震わせた。
ふるふると小さく震えるのは、怯えではなく期待だ。
閉じれなくなった唇が、はくはくと何度も開閉して、はやく、はやく、と音なく急かす。
それに求められるままに、ウォーリアは腰を推し進めた。


「んっ……あ…あぁ……っ!」


 ぬぷぅ、と入り口を押し広げて入って来るペニスに、スコールは感嘆の声を漏らす。
亀頭部もまだ潜り切っていない段階から、肉壺は夢中になってウォーリアにしゃぶりついた。
細かく重なる肉ヒダがペニスに絡み付き、ねっとりとした弾力と熱を伴って、ウォーリアを悦ばせようと奉仕する。
ウォーリアはその感覚に奥歯を噛みながら、殊更ゆっくりとスコールの中へと侵入していく。


「は…はう……っ、んん……っ♡」
「ふ……っ、スコール……!」
「ウォル…ウォルの…あっ♡入って…来る……んんっ」


 狭い肉壺を極力傷付ける事のないように、ウォーリアは努めて静かにスコールの体を拓いて行く。
その間、スコールは仕切りに体を捩り、頭を振って、もっともっととウォーリアを急かした。


「あ、あ…んぅ……っ、は…あぁ……っ!」


 ず、ず……と進むごとに動きを停め、スコールの様子を確かめてから、また進むウォーリア。
それはスコールを慮っての事であったが、与えられる当人からすると、焦らされているようなもどかしさが何度も続いているように思えてならない。


「ウォル…早く……、奥…にぃ……っ」
「もう少しだ……」
「んやぁ……はやくぅ……っ!」


 後少しだからと我慢を求めるウォーリアの声に、スコールはいやいやと頭を振る。
小さな子供のような仕草に、ウォーリアは目を細め、眦にキスを落とす。
それだけじゃ足りない、とまたスコールが頭を振ったから、ウォーリアは唇を重ねた。


「ん、ん……っ」
「ん……」
「は……あむぅ……っ♡」


 ウォーリアの首にスコールの腕が絡み付く。
肉を咥え込んだアナルがきゅうっと締め付けた後、くぱっと穴を拓かせて、ウォーリアを奥へと促した。
その肉の感触が柔らかく蕩けつつあるのを探り感じながら、ウォーリアは最後の一押しを進める。


「んんぅうっ♡」


 奥の窄まりへとウォーリアが達したのを感じて、スコールは嬉しそうに鳴いた。
久しぶりに感じるウォーリアの熱欲に、スコールの腹の奥が熱く燃え上がる。

 重ね合わせていた唇が離れて、スコールはしっかりとその首に縋りながら、続きの刺激を欲しがった。


「ウォル、ウォル……っ!来て、もっと……!」


 耳元で何度も名を呼ばれ、ねだられて、ウォーリアの劣情がまた膨らむ。
体は正直にそれを反映し、スコールの胎内でウォーリアのペニスがまた一回り大きくなった。


「あぁっ♡」


 その感触が判って、スコールが天井を仰いで喘ぐ。
はふ、はふ、と熱に溺れた呼吸が、ウォーリアの耳元を擽っている。


「スコール」
「あ、あ……っあぁん!」


 名を呼ぶ声が合図だった。
返事をしようとスコールが唇を戦慄かせている間に、ウォーリアはぐっと腰を押し付ける。
深い位置に届いていた亀頭が、奥の壁を強く圧したのを感じて、スコールは甘い悲鳴を上げた。

 初めはゆっくりとした動きで、浅いストロークがスコールの中を刺激する。
コツ、コツ、と優しくノックをするように腸の奥を突かれて、スコールはとうの昔に目覚め切っている快感腺が、より強い刺激を求め始めるのを感じていた。


「はっ、あっ、あっ…、あぁ……っ♡んん……っ」
「スコール。君の中が、とても……熱くて、心地が良い…」
「ふぅ、ん……っ♡」


 背中を抱き締めながら伝えるウォーリアに、スコールの喉から嬉しそうな音が漏れる。
同時に、きゅうぅ、とアナルがペニスを締め付けた。

 律動は続き、押し殺すように静かだったウォーリアの呼吸も、徐々に逸って行く。
スコールはその呼吸を耳元で聞きながら、力の入らない腕で縋るようにウォーリアに抱き着いていた。


「んっ、んっ…!ウォ、ル…、もっと…もっと……っ」
「ああ……っ」
「あっ、ふっ、あぁっ♡大きく、また、んんっ♡」


 また自分の中でウォーリアが大きくなったのを感じて、スコールは嬉しくなって高い声を上げる。
律動に合わせて揺さぶられていた体が、ずりずりと上に逃げるように動いて行くと、追ってウォーリアの体も前へと進む。
その内にスコールの体はベッドヘッドとウォーリアに挟まれる形になり、逃げ場を失うと深い場所へとウォーリアを迎え入れた。


「はっ、あぁっ♡届く…んっ、一番、奥……あっ、あっ♡」


 スコールが薄く目を開けて、二人の体の隙間を見下ろせば、繋がる場所を覗く事が出来た。
勃起したペニスが根本までスコールの中へと入り、出て行って、また入って行く。
その様を見詰めながら、スコールはウォーリアにもその状態を見せつけるように、自分で膝裏を抱えて股間を曝け出した。


「ウォル、ああ、深いっ……!ウォルが、おれの、んあっ!おれの中で、あっ、あっ、固く、なって、くぅん…っ!」


 胎内を弄るものの感触が変わったのを感じて、スコールの瞳がとろりと溶ける。
喘ぎ開くばかりの口元から、唾液に濡れた舌が覗いた。
ウォーリアが其処から伝う雫を掬うように口づけると、スコールは嬉しそうにウォーリアの唇を舌先で突く。
ウオーリアが薄く唇を開いてやれば、スコールは直ぐに滑り込んできて、ウォーリアの舌を絡め取った。


「んふ、ふ、…んんぅ…っ♡」
「ん…、ふ、ん……、」
「っは……はっ、あっ♡ウォル、んっ、もっと、キスぅ……んんっ♡」


 呼吸の為に一度唇を離すも、スコールはいやいやと子供のように頭を振って、ウォーリアにねだる。
甘やかすように直ぐに唇を重ね直すと、スコールの喉が嬉しそうに震えるのが伝わった。

 角度を変えながら何度も口付ける。
その傍ら、止まない律動が段々と速さを増して行き、緩やかだったノックが強くなって行く。
腹の奥を強く突き上げる感覚に、スコールの体がビクッビクッと跳ねながら、嬉しそうにペニスを締め付けた。


「んぷ、ん、っは、んちゅぅ♡ん、ん、ん、」


 律動に合わせてくぐもった喘ぎ声を零しながら、スコールはウォーリアの頬を両手で包み込む。
捕まえるような仕草に囚われて、ウォーリアは構わずに絡めた舌を啜った。
じゅう、と言う唾液の音を立てて吸われて、スコールの舌の根がびりびりと痺れる。

 ウォーリアはスコールの太腿を捕まえ、ぐっと抑え込むように押した。
ペニスを咥え込んだ穴が気持ち上を向くと、覆い被さるウォーリアが腰を落とす。
ずぷぅ、と深く侵入したのが判って、スコールは甲高い悲鳴を上げた。


「ああぁっ♡」


 痛みはない、苦しくもない。
あるのは快感とそれが与える悦びだけだと判る声だ。
その声を聴くと、ウォーリアの背にはぞくぞくとしたものが奔る。


「んっ、はっ、はっあっ!ウォ、ル、ウォルぅっ♡来る、来る…ああっ!」
「スコール…、っ私も…もう……!」
「んっ、来て、出してぇ…っ!ウォルの、中に、ぃ、あっ、あっ♡」
「く……締まる……!」


 スコールの秘園が限界を訴えて強く強張り、咥えたペニスをきゅうきゅうと締め付ける。
体の奥底に理性で押さえ付けていたものが、急激に目覚め上って来るのをウォーリアは感じていた。
その衝動は一気に堰を壊し、スコールの胎内へと熱い迸りとなって吐き出される。


「んぁああっ♡あっ、あぁっ♡ああぁーーーーっ♡♡」


 スコールの胎内をそれで一杯にせんとばかりに、濃く精液がどぷどぷと注ぎ込まれて行く。
その熱の奔流を全身で受け止めながら、スコールも二度目の絶頂を迎えた。
スコールの下着から顔を出した淡い色のペニスから、びゅうびゅうと蜜が噴き出して、スコールの腹に降り注ぐ。

 此処しばらく、スコールと褥を共にしていなかったウォーリアにとって、久しぶりの感覚だった。
どくん、どくん、と放出する感覚で、ウォーリアの腰が戦慄いている。
その震えが密着しているスコールの太腿に伝わって、釣られるようにスコールの浮いた足もビクンッビクンッと弾んだ。


「あ、あっ……♡んっ…あ……っ♡」


 直腸を恋人の劣情で塗り潰されながら、スコールはうっとりとした表情を浮かべている。
茫洋とした瞳が彷徨い、目の前にいるウォーリアの顔さえも真面に認識しているのか怪しかったが、縋り付いた腕は解かなかった。
此処にいるのが、繋がっているのがウォーリアだと判っていて、それを感じ続けていたいから、離れまいと懸命なのだ。

 ドクン、ドクン、ドクン、とスコールの胎内で雄が脈を打っている。
ようやく射精を終えても、ウォーリアのそれは固く張り詰めていた。
きゅうきゅうと締め付けて絡み付く肉壁が、ペニスに浮かんだ血管の形さえも認識すると、スコールは満たされたばかりの腹が急激に飢えて行くのを自覚した。


「ウォ…ル……ぅ……♡」


 すり、とスコールの脚がウォーリアの腰を摩る。
と、スコールの中でウォーリアがぴくりと反応を示して、スコールにはそれが嬉しくて堪らなかった。

 が、ウォーリアは汗の滲む額に皺を寄せながら、ゆっくりと体を起こす。
繋がったままの箇所が僅かに角度を変えて擦れて、スコールは甘い吐息を漏らした。


「あ、あ……んふぅ……っ♡」


 細身の体をふるふると震わせながら、スコールはペニスがねっとりと肉壁を擦って行く感触に酔う。
ウォーリアが上半身を起こすと、力が入らなくなったスコールの腕がぽとりと落ちて、シーツの上に投げ出された。