afterward treat







毎日のように訪れて

拗ねた顔をして、泣いて、笑って



遠くから見ている時は

いつも笑って走り回って









それに、もっと触れてみたいと

もっともっと泣かせてみたいと


思うようになったのは、いつからだろう


























「せんせー……」





小さな声と共に、保健室のドアが開けられて。
ひょっこりと大地色が顔を出し、その後に。
半泣きでこちらを見詰めてくる金瞳が覗いた。

少年の事を、八戒はよく知っている。
この保健室では、よく見る人物だったから。



読んでいた推理小説の本を、机の引き出しに入れて。
少年に笑顔を向けてから、立ち上がると。
少年は片足を庇いながら、保健室に入ってきた。

着ている体操服は、砂だらけに汚れていて。
左膝は、派手に擦った後が痛々しく残っている。

どうやら、また派手に転んだらしい。
少年は、三日に一度の頻度で此処へやって来る。
転んだ、階段から落ちた、等の理由で。


八戒が出した丸椅子に少年は躊躇わず座る。
足が痛むのか、少年は時折呻きを漏らす。


消毒液を取り出すと、少年は露骨に嫌そうな顔をした。



痛い、と喚き出す少年を宥めながら。
八戒は手際良く治療をこなして行く。

消毒液が足の擦り傷に染みるのだろう。
幼稚園児でもないのに、オーバーだと思うが。
これがこの少年のチャームポイントの一つでもある。



「……まだ終わんない?」
「もうちょっとですよ」



早く終わってくれないかと言わんばかりに問う少年に。
八戒は小さく笑って、少年に返事をする。

まるで幼い子供に言い聞かせるように。
そうすると、少年は仕方ない、と言う顔をしながらも。
瞳に涙を浮かべたままで、我慢しようとするのである。


そんな少年にいい子、と頭を撫でると。
普通、そんな事をされれば嫌がるだろうに。
この少年は、気持ち良さそうに笑うのだ。



「先生、痛くなくしてよぉ〜……」
「良薬ってものは痛かったり苦かったりするものですよ」
「でもさぁ………」



納得行かない、という表情を見せる少年に。
八戒は小さく笑って、治療を続けていく。





金瞳が印象的な、今年の新入生。
15歳にしては、幼い顔立ちをしている少年。
中性的で笑顔の魅力的な男子生徒。

それが、八戒の目の前にいる少年─────孫悟空だった。




ちょっとした発注ミスを起こした所為で。
ガーゼと湿布が数日前から不足してしまっており。
八戒は仕方なく、包帯で悟空の足を覆った。

悟空は覆われた足を眺めながら。
鬱陶しそうに、巻いた包帯を弄り始める。



「駄目ですよ、痛みますよ?」
「だって……これじゃ体育出来ないじゃん」
「明日には湿布もガーゼも届きますから、我慢して下さい」



申し訳ないですけど、と付け加えると。
悟空は小さく首を横に振った。

優しい少年に、八戒は笑顔を向けて。
柔らかい大地色の髪を、くしゃくしゃと撫でる。
それを感受して、悟空はにっこりと笑った。


悟空は、スキンシップが好きだ。
触られるのも、触るのも。

そうして温もりに触れて、笑顔を見せる。



「……そういやね、先生」
「なんですか?」
「派手に転んじゃったからさ、他の所も擦ったんだけど」



見てもらってもいい?と。
上目遣いで尋ねてくる悟空。

わざわざそんな許可を取る事もないだろう。
八戒は保険教諭だ。
怪我をしている生徒を放って置く事など出来る訳がない。




……それが悟空だと言うのなら、

─────……尚更。




丸椅子に座ったまま、悟空は足を広げて。
擦れた跡の残る太腿を八戒に見せる。




「これはまた……器用な転び方をしましたね」




一体どうやって転べば、そんな所に怪我をするのか。

短パンの隙間から見る限りでは。
擦り跡は太腿から、内股まで続いている。


掌や腕、背中を打ちつけたりはよくある事だ。
庇い損ねて、顔面を地面にぶつけただとか。
悟空のおっちょこちょい振りは、校内で有名だった。

その度、悟空は保健室で八戒の世話になっていたが。
こんな所を怪我したのを診るのは、今回が初めてだ。



「尻餅ついて、そのまま滑ったみたいでさ」
「……それは…まぁ……」



悟空にして見ればいつもの事、なのだが。
傍から見ていると、心配になってしまう。
ひょっとしたら苛められているのではないか、と。

あまりに何度も保健室に来るから、最初はそう思ったが。
悟空はクラス内外問わず人気者だ。
垢抜けない笑顔と、生来の素直さが評判を呼んでいる。


だから、単純にドジなのだが。
それもそれで、八戒には心配の種であった。

いつか何かの折に、ちょっとした手違いで。
事故にでも遭ってしまいそうな気がして。
騙されて、酷い目に遭わされそうで。


言えばきっと、拗ねた顔をするのだろうが。
苦笑しつつ、八戒は消毒液を持ち直して。
ピンセットに挟んだ小さなガーゼにそれを染み込ませる。

我慢して下さいね、と一応告げてから。
悟空に足を持っているようにと言って。
薬の染み込んだガーゼを、擦り傷跡に押し付ける。




──────と。




「……っん……!」




ぴくん、と悟空の身体が震えた。

同時に、当然ながら足が小さく動いたが。
八戒は消毒液を机に置いて、空いた左手で足を固定する。


太腿から走る、赤い跡。
それをなぞって、ゆっくり内股へ。

冷たいガーゼが其処に触れる度に。
悟空の身体が、小さく跳ねて反応を返す。



「せんせっ……!」
「どうしました?」
「な、んか……くすぐったい…っ…」



身体を震わせながら言った言葉は。
心なしか、揺れているように聞こえた。



「文句を言っても駄目ですよ、こういうものなんですから」
「そ…そ、だけど……ひゃっ!」



逃げを打つのを、少々強引に押さえ込む。
だが負けじと、悟空も足をバタつかせる。


ちら、と八戒が悟空の顔を伺い見ると。
頬を朱色に染めて、堅く瞳を閉じていて。
薄らとだが、目尻には雫が浮かんでいた。

その表情は、八戒がよく知るものとは違っていて。
何かが、煽られる感覚に襲われる。





「あ……!?」





ガーゼで傷跡をすーっと辿る。
冷たい薬の感触に、悟空の声が上擦った。

その直後、悟空は我に返った顔になり。
信じられないとばかりに自分の口を片手で押さえた。


漏れた声は、常の元気な声とは違うもので。
何処か、艶を含んだものだった。



「…せ…せんせ……っ!?」
「駄目ですよ、じっとしていないと」
「ま、待って、ちょっと…!」



力の抜けた腕で、悟空は八戒を押し返そうとするが。
八戒はそれに構わず治療の手を動かす。

しかし、ガーゼの動きは治療にしては不審な流れになり。
悟空の太腿を撫で上げるように滑って。
逃げようとしても、八戒の左手がしっかりと固定している。




「やっ…やだ、先生っ……!」




震える声で、悟空が拒絶を示した。
しかし、それさえも八戒は聞き入れようとしない。

其処でようやく、悟空は異変に気付いた。
いつも優しい保険医の、纏う空気が違う事に。




しかし、既に手遅れだった。




八戒はピンセットとガーゼを机に置いて。
右手で悟空を支え、脚を上げさせて自分の身体を割り込ませ。
悟空を丸椅子に座らせたまま、折り曲げた格好にさせる。

訳の判らない状況に陥った悟空は金瞳を大きく開くだけで。
傷跡に八戒の顔が近付くのを、見ているばかりだった。


そして。





「っひゃん!?」





素っ頓狂な声が上がった時には。
八戒の舌が、悟空の太腿から内側を舐め上げていた。



「せ、先生!?ちょっ…やめ……」
「こっちなら染みたりしないでしょう?」
「や、だ…っあ……!」



ゆったりと撫でる生暖かい感触に。
悟空の身体が震え上がった。

すらりと伸びた脚を、八戒は丹念に舐め上げる。
その都度、悟空の口からは艶やかな声が漏れ。
呼吸に熱が篭り、身体がピクピクと反応する。



「っは、あ、やだっ…せ…せんせぇ……ぁ…」
「可愛いですね……貴方は……」



八戒はそっと、悟空の中心に手を置いた。
ビクン、と悟空の躯が跳ねる。

其処は、ズボンの上からも判るほど堅くなっている。



「これで感じちゃったんですね」
「…っあ……ぅ……ふ…」



太腿をもう一度舐め上げれば。
明らかに、悟空自身がぴくんと反応を返した。

ズボンの上から、やわやわと中心を握ると。
悟空の躯が跳ね、仰け反った。


予告もなく、下着ごとズボンを取り去った。




「……あ………!!」




露にされた悟空の中心は、既に勃っていて。
あらぬ所を見られたとばかりに、悟空は真っ赤になった。

勃起したそれは、まだ幼さを残す大きさで。
生えていないのは、ホルモンバランスの所為か。
薄いピンク色が、経験の無さを物語る。


しかしそれを眺める八戒の表情は恍惚として。




「責任、取ってあげますね」




まだ発展途上の、小さな躯をベッドに運び。
横たえた後は、抵抗する間もなく脚を掴み、開かせた。

逃げようともがく悟空だったが。
細身の体の力で、大人に勝てよう筈もなく。
それならばと、必死になって喚き出した。



「先生、やだ、やめろよ!ふざけんな!」
「ふざけていませんよ、責任を取るんです」
「なんの責任だよ!?」



徐々に自分の股間に近付く八戒の顔を見ながら。
悟空は真っ赤な顔で、八戒に叫ぶ。

八戒はそんな悟空に薄く笑んだ後で。
ゆったりと、主張する悟空自身を舐め上げる。



「ひっ、あ……!」



初めての感覚だったのだろうか。
悟空はベッドシーツを握って、躯を震わせる。

素直な反応を返す悟空を上目で見ながら。
八戒は丹念に、余す所なく悟空の中心を舐め上げる。
ぴくぴくと反応するそれに、指を絡ませた。



「…辛いでしょう?だから責任を取って、処理してあげます」
「いっ……いら、な……あっ!」



カリ、と中心に歯を立てる。
予想もしなかった衝撃に、高い声が上がった。

更に手で包んで扱き出すと、甘い声が漏れ始める。



「っは、あ、あっ…!んっ…あ……!」



八戒の手の動きに合わせて、声が漏れる。
幼い剣から、徐々に蜜が零れ出したが。
悟空は気付いていないのか、躯を打ち震わせるばかり。


このまま達せば、処理は終了。
だが、八戒は終わらせるつもりは無かった。

幼い躯は、既に八戒の欲望を煽り続け。
パニックに陥っている泣き顔は、八戒のサディスティックな部分を大いに刺激していたのだ。




「ん、ゃ……あっ…あ、ひぅっ…ふっ…!」




八戒は、以前から悟空の事が気になっていた。
ついさっきまでは、それは曖昧なものだったが。
治療をしている時の反応を見て、一気にそれは開花した。

勢いのまま、悟空の躯を嬲って行けば。
思っていた以上に、小さな躯は甘美なものだった。


手放す理由は、何処にもない。







「あっ……あぁ──────っ!!」