beast crazy


服をたくし上げられ、露になった肌を格子に押し付ければ、その隙間から舌を這わされる。


いつも格子越しの行為。
悟空は時折それがもどかしくなる自分に気付いていた。

もっと抱き締めてほしい、もっと触れてほしい、もっと近くにいたい。
溶け合う為にはこの細い鉄格子が邪魔で邪魔で仕方がない。
いっそのこと破壊してしまいたいと一体何度思ったことだろう。



「あ、あっ!っは、はぁ……あぁ……!」



音がするほどに強く果実を吸われて、悟空の喉から悩ましげな声が漏れる。
その声は地下の壁によく反響して、悟空とケモノの耳に届いていた。

抵抗と言う言葉など過去に捨ててた悟空の躯は、従順に与えられる快感に反応を返す。
何も知らなかった躯は此処数ヶ月の間で余すところなく開発されていた。
触れているのがケモノの手だと思うだけで、快感に震え上がるほどに。



「一週間…か。かなり溜まってるんじゃねえのか?」
「はひっ…あっ…ふ……あぁん……」
「舐めただけでこんなにしやがって」
「あっ!あ、あ、か、まない、で……!」



ケモノが悟空の乳首に歯を立てた。
悟空の小さな躯が跳ね、その刺激に耐えるように小刻みに震える。



「嫌じゃねえんだろ……固くなってんぞ、自分で触ってみろ」



言ってケモノは悟空の手を取り、天を突くように固くなった実に触れさせた。
ケモノの言葉通り、コリコリと其処は固くなり、少しの刺激も過敏に伝達する。



「あ……あひ……っは…」
「テメェが此処に来ねぇと、俺も溜まるんだよ。一人でシコっても詰まらん」
「あああっ!はっぅ、あぁん!や…ぁ!」



両方の果実から刺激を与えられて、悟空の躯が歓喜に震える。



「あ…ぅ………」
「で、お前はどうなんだ……?」
「……っふ…ん……?」



力を失い、そのまま座り込みそうになる悟空を、ケモノは支えるようにして立たせる。
縋るように鉄格子を握る悟空の手に、ケモノの手が重なった。

重ねた手とは逆の空いた手で、ゆっくりと躯のラインをなぞられる。
ズボンの上から下肢に触れられて、悟空は顔を朱色に染めた。
まだ一度も触れられていなかったというのに、其処は既に勃ち上がり、下着を痛いほど押し上げている。



「此処、一人で弄ったか……?」
「あ…は……んぁ……」
「それとも、誰かに遊んで貰ったのか?」



ケモノの指がズボンの上から秘部をなぞり、穴のある場所へ辿り着く。
ぐりぐりと指先で圧迫されて、悟空は僅かな痛みに眉を顰めた。



「答えろよ」



悟空の腰を鉄格子に引き寄せて、ケモノは悟空の鎖骨をゆっくり舐め上げる。



「あっあっ!あぅん、は、いぁっ…はぁ……んっ!」
「此処にテメェの指を入れて弄ったか?俺以外に弄られて善がったか?」



直に触れることはせず、ケモノは悟空に刺激を与える。
悟空は悶えるように首を振り、格子向こうのケモノにしがみ付いた。



「……ぃ……てないぃ……」



自慰行為なんて、悟空はした事がない。
この一週間の間にした事といえば、聖誕祭の準備に引っ張り回されたことと、ふと脳裏を過ぎるケモノに想いを馳せた事だけ。

ケモノ以外で、こんな風に悟空に触れてくる者はいない。
ゆるゆると否定の意を示す悟空に、ケモノはいつも信じられない、というような目を向ける。



「本当か?一週間だぞ。此処、欲しかったんだろうが」



ぐっ、と悟空の穴を指で押さえつけると、喉から上がる短い悲鳴。
それを面白そうに見ているケモノと、響いた自分の声に今更なのに羞恥を感じる悟空。
赤い顔で紫闇を見つめる瞳は涙に塗れ、それがケモノの欲を煽る。



「そんな顔して誘ったんじゃねえのか……?」



ケモノの手が悟空のスボンのベルトに伸びて、器用に外される。
下着ごと下ろされれば、幼い肉棒がぷるんと飛び出した。



「…て、ない……してない……っ…」
「テメェの上の口は嘘吐きだからな……こっちに直接聞いてやるよ」



ケモノの言葉に、悟空の背筋にゾクリとしたものが奔る。


ほんの数ヶ月前まで行為すら知らなかったのに、今はこの紫闇に見つめられるだけで快楽を得る。
他の誰に、どれだけ自分の醜態を晒してもこんな風になる事はなかった。
なのにこの紫闇にだけは、見られていると思うだけで堪らない快感に繋がった。

この感覚に溺れると、先にあるのはもっと激しい熱情。
一週間もそれに触れていなかったのかと思うと、よく壊れなかったなぁ、と悟空はぼんやり思った。


格子越しのケモノの頭を引き寄せて、悟空は自分から口付けた。
こういう事も、このケモノに出会ってから覚えたことだ。



「ん…んっ……ぅ……」



なんとか舌を差し込もうと奮闘し、息苦しくなって舌を引っ込めようとする。
途端にケモノが応えてきて、角度を変えながら舌を絡め取られた。

崩れ落ちないように、悟空はケモノの首に回した腕に力をこめた。
ケモノは悟空の片足を腕にかけて持ち上げると、格子の中に入れて引っ掛ける。
片足立ちの不安定な状態になった悟空は、また更にしがみつく腕に力をいれた。



「あ…や……」
「嫌じゃねえ……ああ、こっちは嘘吐きなんだったな。良い、だろ?」



露にされた悟空の秘部を見下ろす紫闇。
あらぬ所を視姦されて、悟空は耐え切れずにぎゅっと目を閉じた。
けれど、感じる視線から逃れられる筈がない。


ケモノは羞恥に耐えるように震える悟空の躯を見つめ、喉で笑う。
判っているのだ、悟空が他の男を知らない事ぐらい。
いつも真っ直ぐに見つめる金瞳が嘘などついていない事を何より強く証明している。

けれどこんな言葉を投げかける度に、必死になって自分だけだと訴える姿が堪らない。
支配欲、征服欲が満たされて、ケモノのサディシズムな部分を擽る泣き顔が。





「っああっん!!」




予告もなく、ケモノの指が悟空の内部へ侵入した。

何度犯されても、悟空が慣れることはなく、まるで処女のように内部はケモノの指を締め付けた。
毎日のように犯しても悟空の秘部は狭く、最初の段階では男根を食むなど到底出来ない。


ケモノは素直な反応を返す悟空を、格子越しに抱き締める。



「濡れちゃいねぇか……浮気はなかったみたいだな」
「だ、だから…あっあっ!し、てなぃ……はぅんっ!」
「まだそうと決まった訳じゃねえだろ」



お前の中はいつも狭いから、と間近で囁かれて、悟空は頬を染めた。



「奥まできっちり調べてやらねえとなぁ……」



もう一本、ケモノの指が悟空の秘部に埋め込まれる。
悟空の背が弓なりに撓った。

二本の指が動いて、悟空のナカを掻き回す。
一週間ぶりに与えられるそれに、悟空の内壁は絡みつくように吸い付いた。
狭いままなのにもっともっと、と誘い込んで離さない。



「落ちるなよ……」



行って、ケモノは空いていた手を自分の唾液で濡らした。
てらてらと光る指先を見せ付けられて、悟空も誘われるように舌を出す。
ケモノが喉で笑って、悟空の口内にその指を入れた。

まるで飴でもしゃぶるような恍惚とした表情を浮かべ、悟空はケモノの指を丹念に舐める。


もう良い、という言葉を合図に、悟空は指を舐めるのを止めた。

ケモノは悟空の尻を撫でると、格子に押し付けるように引き寄せる。
悟空の幼い肉棒が鉄格子に擦りつけられて、悟空は思わず声を上げた。



「もっと気持ちよくなりてぇよな……?」
「あ…あぅ……っは、ん、あ……」
「ほら……」



つぷん、と後ろから穴に指を差し込まれた。