「いいですぞ、奥様……バーデマーのでっちり太った肉に埋もれたペニスを、そうやってヒップを振る事でどんどん奥に咥え込みなさい……おおっ、そうそう、縦に横に……誘い文句も忘れずにね、クククッ」 「は、はい……バーデマー、さまのっ、たくましいペニスを、あううっ……挿れて頂いた、おかげでっ……ひ、あ、いいいっ!……私の、ヴァギナも、濡れた肉も……歓んで、います……あいっ、いひいっ!」 屈辱に耐えている母。無理矢理痴態を演じさせられている母。セックスというものの本質は分からなくても、私はその時の母にそういう姿を求めていた。しかし母は、ハロッドに背後から激しく突かれ、醜猥極まりない肉柱をしっかりと収め、清楚で凛とした表情をかなぐり捨て、狂っていた。女の顔をして、淫らに狂っていた。それが、幼くも男である私にも、本能的に分かった 「おお、今までにないいい食い締めだ……口上も淫らで結構ですよ、クククッ……無論、バーデマー卿のペニスは私ほど太くも長くもない。けれど同じように淫乱に振舞ってい頂かないと、ね……く、くううっ!」 「あ、いいいい……っ!ハロッド、おね、がい……そんなに激しく、しない、でえっ!……変に、なるっ……く、来るう……っ!」 確かにハロッドの突きの鋭さも増した。しかし、それ以上に母のヒップのくねりも大きくなった。『明日の客』であるバーデマーという男の名を呼ぶ事を止め、かつて『汚らわしい』と屋敷を追い出した男に、弱々しくも潤んだ瞳で懇願している。ヒップを、振って。 「クククッ……これでは訓練になりませんな。私のペニスに溺れて、もう気を遣るのですね……いいでしょう奥様、どんどん気を遣りなさい。これまで以上に、素晴らしい絶頂を、与えて差し上げますよ……」 正直、泣きそうだった私の瞳に、再び悪魔の顔が飛び込んで来た。ハロッドの、全てを蔑んだ上での、冷たい笑い。私はもう、動けなかった。 ハロッドが、ゆっくりと足を上げて、テーブルを、蹴った。 母も、その音に驚き、振り返った。 重いテーブルは、ほんの10数センチ、動いた。 しかし、それで充分だった。 母の視界に、私が入るのには。 「ひ、いいいい……っ!」 刹那。母の顔が、歪んだ。 「……今夜の特別ゲストです、奥様。アーネストお坊ちゃまは先程からずっと、私たち二人が愛し合うのをご覧になっていたのですよ……クククッ」 ハロッドの、冷酷極まりない宣告。笑いを伴っていようが、その声から冷たさが薄らぐ事はない。 「そ、そんな……い、いやああっ!」 母は、それまでの没頭ぶりからは想像も出来ないくらいに取り乱し、躰をハロッドから離そうと暴れた。息子の視線が、自らの淫らな姿の注がれていたのだと知れば、当然だった。だが。 「おっと……」 ハロッドはもちろん、それを許さなかった。両腕をしっかりと、あの真白いヒップに食い込ませ、母の逃避行動を封じた。 「いいではありませんか、奥様……先程も申したでしょう?母が健気に努力する姿を、教育のために、ね……それ、それっ!」 ハロッドは、また激しい躍動を始める。体内に深く侵入したままの太く逞しいペニスに抗うすべもなく、母は。 「あ、ひい……っ!」 また、喘ぎ始めた。心はすでに、絶望の底にあるに違いなかった。しかし、女である肉体は、本能のままにハロッドの、憎きハロッドの男の部分に支配されていた。 「い、あっ……!許してハロッド、息子の前では、嫌ぁ!」 母は、私を見つめながら叫んだ。母の瞳は色に濡れ、私の瞳はついに涙に濡れ始めていた。 「いいや、存分に見せてあげるのですよ……売春窟で死んだ父のせいで落ちぶれ、下賎の身である私に肉体を許している母親の姿をね……」 「ひ、いいっ!見ないで……お願い、アーニーっ!母のこんな姿を、みな、いでぇっ!」 叫び続ける母。その言葉とは裏腹に、息子の目の前でも、男の巧みな突き入れに再びヒップは蠢き始めていた。恥ずかしい姿を見られたくない、という気持ち以上に、女として狂い踊る姿を見られたくなかったに違いない。 しかし私は、目を逸らす事はできなかった。涙を流しながら、母の、一人の女の姿を、目に焼き付けていた。
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