「相姦の鎖」
第5章 エロティック・ママ
息子への感動的なフェラチオを経験してから一週間が経とうとしていた。あの心弾んだ行為から生み出されたものは、その後何もなかった。陽一は相変わらず深夜家を出て病院にむかい、あの若い看護婦とセックスし続ける。フェラチオの相手である息子 和彦も、留美子がしたことに気が付かないため、態度を変えることもない。留美子にまた、いつものつまらない日常が訪れていた。
数日前に出かけた茶道教室で、同じような境遇にある妻たち数人に出会った。聞けば留美子ほど複雑な環境ではないものの、夫との生活や子供の教育に疲れ果て、なにか刺激的な出来事を求めている女たちだった。留美子はその女たちと次第に打ち解けていった。茶道の教授が終わったあと、留美子は自宅の電話番号を教え、また女たちの集いのリーダー格である銀行支店長夫人佐久間
佳子の連絡先を教えてもらった。
「本当につまらないって思ったら、ここに連絡してちょうだい」
佳子はそう言っていた。留美子は何度かダイヤルを回しかけたが、なぜかためらわれてそうしなかった。もしかしたら、『息子との間に、なにか起きるかも知れない』という淡い期待があったからかも知れない。
そんなある日の午前中、留美子はやはり退屈な時間を過ごしていた。一家の主婦としてやるべき事はすでに済ませて、リビングで呆けている。目の前のテレビも、なんら目に入らない。そんな時、突然電話が鳴った。電話は、佳子からだった。
「留美子さんね。いま暇でしょ?」
「ええ、まあ……」
「ね、今から家にいらっしゃらない?もしよかったら迎えにいくわよ」
留美子は答えに躊躇していたが、佳子はさらに押す。
「ね、とにかく来てみてよ。きっと留美子さんも楽しめるわよ!」
佳子の迫力に押されて、留美子はOKした。佳子がこの家に迎えに来るらしい。
数十分の後、佳子の車が伊勢内の家に来た。真っ赤なスポーツカーで、車に詳しくない留美子にもそれがポルシェと呼ばれる高級車であることが分かった。留美子はそれに慎重に乗り込む。やがて佳子がアクセルを踏んでポルシェを発進させる。
「すごい車に乗ってらっしゃるんですね……」
留美子が素朴な疑問を口にする。
「あ、これ?主人にねだって買ってもらったの。あいつの浮気がばれたから、それの償いってことよ」
「はあ……」
「あなたはそういうことはないの?伊勢内病院って言えば、わたしも行くけどかなり儲ってるように見えるわ」
「ええ、まあ……でも、主人に物をねだるなんてことはないです」
「ふーん……ご主人、浮気なんかしたりしないの?」
「……」
「うふふ、留美子さんってすぐ顔に出るのね……かわいいわ」
「はあ……」
それきり留美子は黙ってしまった。佳子は意味ありげに微笑みながら車を走らせた。しばらくして、佳子の家に着いた。洋風で豪華な造りの大きな家だ。
「さ、あがって。あなたのお家より小さいけど」
佳子はそう言って留美子を家に入れた。中には、すでに三人の奥さんたちが留美子の来訪を待っていた。
「あら、留美子さんじゃない。来てくれたのね!」
「新入りさんが来るって言うから誰かと思ってたわ」
「留美子さんなら安心だって思ってたの!」
三人が口々に言う。皆この前の茶道教室で出会った人たちだった。留美子が会釈しながらソファーに座ると、女たちは一人一人自己紹介を始めた。四十二歳の服飾デザイナー和枝、同じく四十二の水泳インストラクターかおり、四十一歳の建設会社社長夫人映子、そして四十三歳の大手銀行支店長夫人の佳子。四人とも、品のいい美人だ。四十になったばかりの留美子が一番年少者だった。
「さて、自己紹介も済んだ所で、留美子さんにこの集まりの主旨を説明しなくちゃね……この会は、知っている通りあの茶道教室に通う奥さんたちの集まりなの。毎日毎日同じように過ぎていく日常に飽きて、なにかすごい刺激がないか探す、っていうような感じよ」
佳子が弾んだ声で言う。
「それで私たちは、言葉は悪いけど自分たちのお金や権力を使って、あるマンションにちょっとしたクラブを作った……」
「クラブ……?」
「ええ。とっても刺激的で、とっても楽しいクラブ……留美子さんにも、そこの仲間になって欲しいの」
佳子がそう言うと、他の三人にウインクをした。それを合図に三人は別室に立つ。
「今日はまだよく分からないでしょうから、見学するだけでいいわ。見れば、あなたもきっと入りたくなるはずよ……」
しばらくして、三人がリビングに帰ってきた。留美子はその姿を見て驚く。赤や黒のドレスに身を包んだ三人は、先ほどの印象とはがらりと変わってセクシーに見えた。あっけにとられたままの留美子に手を引き、佳子と夫人たちは今度は四十一歳の社長夫人 映子の運転するライトバンに乗り込み、佳子の案内するマンションに向かった。
そのマンションは、街の中心に立っていた。赤いレンガで覆われた高級なマンションだ。十二階にあるというクラブに向い、五人はエレベーターに乗り込んだ。
十二階に着くと、ドレスで着飾った三人は先に立って『124号室』に入っていった。留美子もそこに向かおうとしたが、佳子に制止された。
「わたしたちはこっち。123号室よ」
言われるままに、留美子は123号室に入った。
「さ、奥に進んでごらんなさい。きっとびっくりするわよ……」
脚を進めて部屋にはいると、確かに留美子は驚いた。広いリビングの壁一面が、すべてガラス張りになっていたのだ。こちらの部屋と同程度の広さだが、中の様子がまるで違う。淡いピンク色の壁紙に統一され、部屋のまん中には大きなダブルベッドが置かれている。
「佳子さん、これ……」
「びっくりしたでしょ?ここから隣の部屋、つまり124号室が覗けるの」
「何の、ために……?」
「あせらないで、フフッ。まあ見ててちょうだい。すぐに分かるわ……」
佳子の言葉は秘密の匂いに包まれていた。留美子は言われるままにそのガラス壁を凝視した。
しばらくして、そこに赤いドレスを着たかおりが現れた。かおりはこちらの部屋の方に妖しい笑みを浮かべ、そのままダブルベッドにゆっくりと横たわる。
そのダブルベッドのかおりの前に、ブリーフだけを身につけた若い男が現れた。全く予想していなかった留美子は、目の前の光景に驚愕した。その男はまだあどけなさを残す少年で、息子の和彦より若い、おそらくまだ二十歳になっていないように見える。これから何が起きるのか分からず呆然としている留美子の様子を察して、佳子が言う。
「分かった?ここはね、わたしたちだけの秘密の部屋。若い男の子とわたしたちが、刺激的な合をはぐくむ場所なの……」
そう言っている間にも、ガラスの中の場面は変化していた。少年は、ベッドに横たわるかおりに顔を近づけ熱く激しいディープキスを交わした。そして、裸の躰をかおりにおおいかぶせると、巧みにかおりのドレスを脱がせ始めた。唇は離さぬままで。
佳子は立ち上がって、壁にあるスイッチを押した。するとどこからか、小さな息づかいが聞こえてきた。
「ここからはね、隣の部屋の音も聞こえるの……」
佳子は再び留美子の隣に座った。少し呼吸が荒くなっている。
みるみるうちに、かおりはドレスを脱がされていった。ドレスの下はなんと下着を何も着けていなかった。熟女のドレスを取ってしまった少年は、脚と脚を持ってゆっくりと開き、かおりの秘所に顔を埋め、舌の愛撫を始めた。
「はあーっ……ふうん」
かおりが喘ぎ始める。少年は巧みに頭を動かして女の陰部を舐める。やがてかおりの手が切なげに宙をさまよったかと思うと、少年のブリーフにあてがわれた。指を駆使してゆるゆると揉む。女の本能がそれを欲しがっているのが、傍観者である留美子にも分かる。少年はその動きを知ると、ブリーフを脱ぎさり全裸になって再びかおりにのしかかった。本格的に互いの性器を愛撫するシックスナインの体勢でだ。
「今日来ている三人の他に、仲間はあと五人ほどいるの」
「え……?」
淫らな光景に見入っていた留美子は、佳子の言葉にびっくりした。
「相手をしてくれる若い男の子も同じ人数いるわ」
「はあ……」
「ねえ、気にならない?」
「何が、ですか?」
「女九人に若い少年九人……どうしてそんなに相手の男を集められるのか、それもあんなに魅力的な子ばかり……」
「はあ……」
「実はね……」
佳子がおもしろそうな表情を魅せて言う。
「今かおりさんの相手をしている男、私の息子なの。まだ十七歳の、圭一郎って言うのよ」
「えっ……!?」
留美子はまた驚く。佳子はさらに続ける。
「全部そうって訳にはいかないけど、会員のうち四人はそうよ。他の男の子のメンバーはさすがにプロに頼んで探してもらっているけど」
「でも、それって……」
「全然気にならないわ。私の息子の圭だって、頼んだらすぐにOKしてくれたもの」
「ほんと、ですか?」
「ふふ、実はある仕掛けがあるんだけれどね」
「しかけ……」
「実は私たち母子は、以前から躰をつなげてたの」
佳子は事もなげに言い放った。
「……セックスしてた、ってことですか?」
「ええそうよ。でも、誤解しないで。あなたに可愛い息子さんがいるのは知っているわ。でもすぐにそうしろっていう訳ではないわ。単に寂しそうな女性を見ると、私たちはいても立ってもいられなくなるの。仲間になれば、こんなに楽しいことがあるのに、ってね……」
ガラスの向こうで、かおりは佳子の実の息子と躰をつなげようとしていた。少年が仰向けに寝ている上に、かおりがのしかかろうとしている。かおりはそそり立った男の勃起を愛おしげに小さくキスをすると、淫裂にあてがい自分から腰を落としていく。スローモーションのようなゆるやかな動作のあと、挿入が完了し終わると、かおりは至福の表情を見せて腰を動かし始めた。
「はあっ、はあっ……はああっ!」
激しく喘ぐかおりを見ていて、留美子の花園は濡れ始めていた。ふと見ると、隣の佳子はスカートの中に指を突っ込んっで、切なげな息で自慰を開始していた。
「ねえ……とっても楽しそうでしょ、あのかおりさんの表情。心から気持ちいいと思わなければ、あんな表情にはなれないわ……どお、留美子さんも入りたいと思わない……?」
自分の熟れきった淫裂を指でまさぐりながら、うつろな表情の佳子が言う。留美子は、思わずうなずいてしまった。
「そう、とっても嬉しいわ……でも、秘密は絶対に厳守よ。外部に漏れることがあったら、このクラブはすぐにつぶれてしまうもの、はあっ、ん……でも、たったひとつ秘密を持つことで、こんなに楽しい時間が享有できる……」
佳子の声が、留美子の耳にうつろに響く。躰が、熱い。ガラス越しの激しい交歓を見せつけられて、留美子の花芯も愛液で潤い始めていたのだ。必死に抗おうとするが、スカートの上から自分の指がそっと股間を滑っただけで全身に電流が走る。指は、そこから離れようとはしない。
かおりの腰はさらに激しく揺れ動いていた。自分のたわわな胸を揉んで、のどを反らして感じ入っている。絶頂が近いらしい。下の少年も、迫りくるオルガズムに必死に耐えていた。
「は、あう……ううっ、イクう……!」
「あぐっ、うはあっ!」
四十二歳の熟女と、十七歳の少年の嗚咽が一致した。二人とも、同時に果てたらしい。喘ぎが治まって部屋は一時静かになっていたが、その静寂はすぐにかき消された。全裸の女二人がかおりを押しのけるようにして少年に群がったのだ。和枝と映子だ。和枝はすっかり萎えてしまったペニスに、映子は少年の健康的な胸に、それぞれ舌を這わせ始めた。ガラス壁の向こうに、また淫らな光景が展開されようとしていた。留美子は、自分が佳子のようにパンティーの中に指を挿し込んでまさぐっている事など、気づいてはいなかった。
帰宅した留美子は、心に巣食った淫らな悦びを必死に抑えようとしていた。あのクラブに入会した悦びもあるが、佳子や他の夫人四人が、実の息子と『近親相姦』という禁忌行為を犯していた事実を知ったからだ。今まで自分でどれだけ否定しようとも、実の息子である和彦を愛し始めていたのは事実であった。この間の秘めたる口淫の行為が、最近の留美子にとって最高の愉悦であった。そして今日、実の母子が現実に肉のつながりを持っていることを知り、留美子の心の中に抑えきれない隠微な炎がメラメラと燃え上がった。この数十年間溜まりに溜まった性の欲望は、愛する息子に向けて吐き出さねばならぬほど、限界に来ていたのだ。
その夜は、いつもより念入りに風呂場で全身を磨いた。留美子は昂ぶる気持ちを抑えながら深夜を待ちわびる。実の息子との、夢のようなつながりを実行するために。
同じ頃、和彦もまた自分の心の中にあるわだかまりを消化できないでいた。実の妹である由梨絵との、セックスという禁忌を経験した今、習慣となっていためぐみとの交歓に最初の頃のような悦びを感じることが出来なくなっていたのだ。
今夜のつながりも、やはり淡白に終わったような気がする。めぐみの肉感的な躰から受ける感覚自体は、おそらくなにも変化してはいない。しかしどんなに深く交わっていても、感動することはなかった。そして、由梨絵とのセックスにはそれがあった、という想いが今の和彦の心を冷ましていたのだ。何度かの行為の後、なにも話さない和彦を見て、めぐみはいつもと様子が違うことに気がついたようだが、彼女はそれを追及することはなかった。
和彦は自室に戻った。由梨絵のこと、そしてめぐみのことに思い巡らしながらベッドに横たわると、疲労のためかすぐに眠くなってくる。
(明日、もう一度由梨絵に声をかけてみようかな……)そんなことを想いながら、和彦は深い眠りに落ちていった。
留美子が息子の部屋をノックしたのは、それから三十分ほど経った時だった。反応がないことを確認して、留美子はゆっくりとドアを開ける。見ると息子はベッドの上で寝息を立てている。よく眠っているらしい。下着に薄いピンクのネグリジェを羽織った格好の留美子は、足音を忍ばせて息子に近づいていった。
ここに来て、留美子の心臓は大きく高鳴っていた。しかし、息子を心ゆくまで愛したいという欲望が、その緊張に勝っていた。
ぐっすりと眠る息子の寝顔を眺めながら、留美子は緊張で震えている指でネグリジェのボタンを外し始めた。
(和彦、あなたは今日とってもいい夢をみるわ……裸の女の人が出てきて、あなたの躰を愛してくれる夢……)ネグリジェが床にスルリと落ちると、次にブラジャーに手をかけ、それを外す。見られているわけでもないのに、片腕で露わになった胸を覆い隠す。そこで小さなため息をして、今度は淡いピンクのパンティーに指をかけて、少しずつ下ろしていった。
人の前で全裸になることなど、陽一に抱かれなくなって以来初めてだ。和彦が眠っていると分かっていても、バストと下腹にあてがわれた手は外せなかった。
(ここまで来たら、引き返せない……)留美子は意を決して、両手を外した。
カーッと、全身が火照ってくる。眠る息子の前で、実の母親が生まれたままの姿になったのだ。四十代とはとても思えないみずみずしく張った乳房、白い肌にくっきりと映える黒々とした陰毛。それが、和彦が手を伸ばせば触れられる場所に存在していたのだ。しかし和彦は、相変わらずすやすやと寝息を立て、目を覚ます気配もない。
一人全裸で立っていることが辛くなり、留美子はベッドの端に腰を下ろした。汗が躰から吹き出してくる。汗だけではない。股間の秘唇も、興奮で自然に潤っている。右手を、ゆっくりとその熱い渓谷にあてがってみる。
「んん……っ!」
指先に、ヌルッとした液体の感触が感じられた。
(和彦、かあさんのいやらしい匂いを嗅いでちょうだい……)留美子はその指先を、和彦の鼻先に近づけ、撫でつけてみた。一瞬、和彦の呼吸が乱れたが、すぐに元の寝息に戻った。
「和彦……」
これから起こることへの期待の大きさに、留美子は切なくささやく。
「今、かあさんは裸よ……オッパイも、アソコも出したまま和彦の躰をいっぱい愛してあげようとしているのよ。どう、素敵でしょう……?」
そう言って留美子は、和彦にかけられている布団をめくった。そこには、あの秘めやかな日と同じようにパジャマのズボンを押し上げるモノがあった。留美子は、手をそのズボンにかけて少しずつずり下げていく。
「……!」
息子のペニスは、勃起していた。妹 由梨絵のことを想いながら寝ついたからだ。しかし今の留美子にとっては、それが自分のためにいきり立ってくれているように感じられた。
「そんなに、したいのね……いいわ、かあさんが思い切り可愛がってあげる……」
留美子はそうささやくと、ズボンとブリーフを慎重に脱がしていった。息子のモノが、母親の眼前に現れる。
「かあさんのオ○ンコの汁、和彦のオチンチンに塗ってあげる……」
息子に、いや息子のペニスに微笑みながら、右手の指を自分自身に侵入させて、ねとつく愛液をたっぷりすくい取った。そして左手で和彦のペニスを支え持つと、ねばる液体をその固くいきり立ったモノに塗りたくっていく。
母親の淫液によってテラテラと輝くそのペニスは、留美子にとって最高に淫らな光景だった。自分の性技によってさらに興奮した留美子は、その淫らに輝く怒張を持って、ゆるゆるとしごいてみた。男のサガか、そうされると息子の分身はさらに赤く膨張していく。
「好き……好きよ、和彦のオチンチン。世界で一番、好き……」
ささやいてみる。留美子は完全に自分の夢に浸りきっていた。今たとえ和彦が目を覚ましても、留美子にとってはそれは夢でしかないのだ。
留美子はゆっくりとベッドに這い上がっていった。そして和彦の体の上に反対向きで四つんばいになり、両脚の間に息子の頭を挟みエレクトしたペニスに顔を近づけた。夫の陽一とも、ましてや江田ともしたことのない、生まれて初めての女性上位によるシックスナインの体位だった。
「和彦、いいわね。これは夢、夢なのよ……」
留美子は目を閉じて大きく息を吸い込むと、テラテラに輝く息子のペニスを口に深々と呑み込んでいった。
「う、うーん……」
小さなうめき声と共に、和彦の全身が伸びをするように動く。しかし留美子はもう気にしてはいられなかった。優しく舌を使いながら、ゆっくりと頭を上下させて、こわばりを口全体でしごき立てる。そして、留美子は少しずつ和彦の顔面に腰を落としていった。和彦の顔の上では股間がパックリと割れて、ヴァギナやアヌスが奥の奥まで露わにされ、いやらしい牝の匂いを放っているに違いない。
股間は熱くうずき、腰が抜けそうになるほどの興奮だ。淫裂はさらに濃い蜜を溢れ出させている。その時、和彦の鼻息が思いがけずその熱い花裂にそよぎを与えた。乱れる母親の全身に、電流のような感覚が駆け巡る。
「ふっ、ふううん……っ!」
留美子の呼吸が乱れる。唇や舌が快感に震え、股間がさらに切なくうずく。もうたまらなくなって、留美子は秘唇を和彦の鼻先に擦りつけた。息子が動いてくれないことは留美子にとって物足りなかったが、しかしそれが逆に、抵抗できない息子を自分の躰で征服するという感覚となって、さらに性感を昂ぶらせていったのだ。
「あ、あう……ん」
留美子はやがて息子の体から身を離した。
「さあ、和彦……かあさんが最高の夢を見せてあげるわ……」
そう言って留美子は、いまだ熟睡している息子の腰の上に再び上がった。そして自分の愛液と唾液に濡れたペニスを支え持ち、自分の熟れきったヴァギナにあてがう。
「いい?いくわよ……」
留美子はゆっくりと腰を沈め始める。ずぶずぶっと、実の息子の怒張が体内に入り込んで来る。その感触は今までのどんなセックスよりも感動的なものだった。単なる肉体同士の悦びではなく、なにかととてつもなく昂ぶった精神的悦びだった。
「はあ、ふああ……っ!」
留美子は感嘆の声を上げる。和彦のモノが侵入し終わると、しばらくそのままで感触を味わうためにじっとしていた。甘美、いやむしろ感動というべき気持ちが、留美子の全身を駆け巡っていた。
やがて少しずつ、少しずつ腰を揺り動かし始めた。
「ふうん、ふうんっ、はああ……んっ」
近親相姦という禁忌な行為が、こんなにも新鮮な快感を与えるとは。留美子には思いもよらぬことだった。しっかりと連結された母子の性器から、素晴らしいエクスタシーが湧き出してくる。
「は、はうん、イイわ和彦……かあさん、とっても気持ちイイの」
やがてベッドがきしきしときしみ始める。あまりの快感に、留美子の肉体は我れを失い始めていた。和彦が目を覚ますことや、隣の部屋の由梨絵が気づく危険など、もう頭に浮かんでこない。とにかく今は、この淫靡な時間を自分の躰に刻み込んでおきたかったのだ。
「ふう、んっ……はああんっ!」
声を抑えることなど、留美子はもうしなかった。息子との感動的なつながりによって、完全に忘我の境地に誘われているのだ。
「はあ……はあんっ、和彦、和彦ぉ……っ!」
母の腰は、これ以上ないほどグラインドしている。もうすでに母という立場を忘れ、一人の女となってしまっていた。自分のたわわな双胸を激しく揉みしだき恍惚の表情を浮かべていると、今までの苦難の数十年などどうでもいいことのように思えてくる。今はただ、息子和彦の剛直を自らの躰に受け入れているだけで幸せだった。
「はう、はあうんっ!」
激しく喘ぐ留美子の体内のモノが急に体積を増した。その瞬間、和彦のスペルマが奔流となって実の母の中に注ぎ込まれた。
「は、あうんん……っ!」
留美子はまだ達していなかった。しぼんでいく息子のペニスをさらに絞り上げ、腰を際限まで動かした。やがて十数秒後、留美子も躰が溶けるようなオーガズムを迎えた。
和彦は、ゆっくりと目を開けた。股間のモノは、いまだジンジンとうずいている。夢では、なかった。確かに今、母である留美子が自分の上に乗ってセックスをしていた。すでに和彦は、留美子が挿入を開始した時から気がついていた。全裸の母親の狂態に驚きながらも、意外に冷静な瞳で観察ができた。気づかれぬよう、薄目を開けて。
自分が射精したあとも腰を振りつづけた母の姿は、この上なく淫らだった。和彦はまた、新たな秘密を持ってしまったのだ。